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めぇでるコラム : 2014年5月

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[10] 運 動

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        「めぇでる教育研究所」発行
 
     2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第46号)
 新年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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[10] 運 動
入試情報
2014年 カトリック学校フェアが開催されます。
個別相談コーナー、ミニ説明会なども設けられています。昨年は、「カトリッ
クとプロテスタントの違い」など、わかりやすい資料が配布されていました。
日時 6月8日(日)10:00~14:30
場所 上智大学四谷キャンパス 12号館
詳しくは、ホームページをご覧ください。
 
運動テストには集団と個別があります。
 
[集団で行う運動]
先生と同じ体操を機敏にこなす模倣体操、タンバリンのリズムに合わせて行進
をしながらスキップやケンケン、ケンパー、グーパーなどをするもの。
左右の手を開いて、親指から順番に閉じたり、開いたりする指の屈伸、片足一
本で立つ片足バランスや登り棒、縄跳び、ボールをついたり投げたり、ドリブ
ルをするボール遊び、かけっこ、ジグザグ行進などを先生と一緒にします。
 
これは試験ですが、競争ではありません。
先生のやっていることをよく見て、その通りにできるかどうか、指示行動です。
スキップ、ケンケン、ケンパー、グーパーなどは、幼稚園でやっているはずで
すから得意と思っていたのですが、そうでもないようです。
また、友達とこういった遊びもしないようですね。
部屋でゲームに夢中になる遊びが、中心になっているようです。
幼児を取り巻く屋外での環境は、決して安全とはいえず、家で遊ぶ機会が増え
ているようですが、やはり、不自然ですね。
 
でも、やってできないことはありません。
ご両親の出番ですね、お子さんも喜びます。
お父さんやお母さんと一緒にやってできるようになっていれば、教室でも簡単
にでき、先生方も余った時間を有効に利用できます。
巧緻性と同様、教室や塾にお任せだけでは、効率のよい受験準備はできません。
そして、実際の入学試験で、お父さんやお母さんと一緒にやった運動が出たと
き、子ども達は間違いなく一所懸命にやります。
楽しい思い出が、残っているはずだからです。
 
逆に、苦しい思い出しか残っていない場合は、
「先生、これ試験ですか。試験でなかったらやりたくありません」
こうなるのではないでしょうか。
前にも紹介しましたが、説明会で聞いた本当にあった話です。
偏差値の高い学校でしたから、かなり厳しい受験準備に追われ、子どもの日常
生活のすべてが、受験に結びついていたのでしょう。
話をされた校長先生は、悲しそうにおっしゃっていましたが、帰るとき電車で
一緒になったお母さん方が、
「難しい問題が出るのだから、仕方がないでしょうに!」(この語尾、いやで
すね)
などと、なぜか高い偏差値の話で盛り上がっていました。
「準備に適切でないところがあるのでは、とお母さん方は考えないのでしょう
か」
といいたくなりましたが、偏差値だけをあげる準備に夢中になっているお母さ
ん方は、聞く耳を持たないものです。
ご両親が心を一つにして、受験に取り組んでいるとは、とても思えません。
お母さんだけが夢中になっているケースが、多いものです。
しかし、子どもに負担になる準備は、やがて、壁にぶつかります。
 
運動は、知的な能力と関係ないからと無関心な方がいますが、それは間違いで
す。
知育、徳育、体育の三つの能力が、年齢にふさわしく、バランスよく育ってい
なければ、偏った発育をしがちです。
お薦めしたいのは、縄跳びやボールつきです。
縄跳び、これは全身運動ですから、体重計恐怖症のお母さん方にも効果があり
ます。
ボールつき、これも全身のバランスが必要ですから、贅肉を取り除いてくれ、
心地よい汗は、ストレスの解消にもなります。
サッカーが盛んですから、けるのは上手ですが、つくのは苦手ですね。 
親が見本を示して、一緒に汗を流しましょう。
繰り返しますが、第三者だけに任せるものではありません。  
試験に出るからではなく、これくらいの運動ができないようでは心配です。
 
中には、息切れする子がいますね。                        
スタミナ不足です。
最近、こういった男の子が増えているようですが、持久力を見るテストもあり
ます。
スタミナ不足は、取り組む意欲にも悪い影響を与えます。             
お子さんと一緒に歩いてみましょう。
5分もしない内に、「パパ、おんぶ!」とせがむようでは、お子さんは運動不
足です。
         
「床にかかれた印に従いケンケンパーをしながら進み、乾いた雑巾で敷いてあ
るマットまで雑巾がけをし、そばに置いてあるかごに雑巾を入れ、箱からドッ
ジボールを取り出し、ラインの前で後向きになり、ボールをつきながら後向き
で進み、ボールを箱にしまい、車輪のついた丸い板に正座し、手でこぎながら
ジグザグにかかれた線の通りに、置かれている椅子にぶつからないように進む」
 
かつて、ある名門校で実施された運動テストです。
学校側の出題意図を考えてみましょう。
通学時間に1時間かかる場合、「無理ではないでしょうか!」となるのは当然
です。
 
ところで、以前、巧緻性のところでお話したことですが、お子さんは筆記用具
をきちんと持って、しっかりとした線をかいていますか?
弱々しく頼りない線を引いているようでは、腕の筋肉の発達不足、つまりは運
動不足が考えられます。
チェックしてみましょう。
 
[個別で行う運動]
跳び箱、平均台、マットなどを使った運動をいくつか組み合わせて、先生の模
範演技を見てから一人一人行うものです。
 
★「先ず、ケンパーで平均台の側まで行き、平均台を渡り、真ん中
 で後向きになって進みます。下りたところの円の中で『止め!』
 といわれるまでボールをつきます。次に跳び箱にのぼり、元気に
 飛び下り、最後にマットの上で芋虫ゴロゴロをしてマットの外に
 出て、得意のポーズをやって終わりです。先生のやるのを、よく
 見ていてください」
 
かなり、きついです。
しかも、しっかりと模範演技を見ていないと、どうにもなりません。
指示の理解と積極的に挑戦する意欲、行動力を見ているのでしょう。
こういったことを、いきなり本番でやるのは無理ですし、「お父さんの出番で
す」などといわれても、マットの代用品はありますが、跳び箱、平均台は、家
にないからできないのではと思われがちですが、その心配はありません。
普段から、体を動かし、筋肉に刺激を与えていれば、対応できます。
基礎体力さえついていれば、順応性の高い子どもには、難しいことではありま
せん。
 
ところで、素朴な疑問ですが、途中で忘れてしまったら、どうすればいいので
しょう。
先生に聞いても、いいのでしょうか。
最初の挑戦者は、こういう心配もありますね。
聞くのはまずいでしょうが、自分で覚えているとおり、堂々とやるべきでしょ
う。
 
また、途中で平均台から落ちてしまった場合、やり直ししてもいいのでしょう
か。
いいと思いますね。
チャレンジャー精神です。
失敗を恐れる子など、子どもらしくありません。
落ちて泣く子もいるそうです。
なぜ、泣くのでしょうか。
たかだか平均台から、落ちただけではありませんか。
泣くのは、落ちたら駄目、失敗したら減点されることを知っているからでしょ
う。
悲しくなりますね、こういうことで泣き顔をみせるのは……。
小さいときから失敗するのは、悪いことだなどと教え込まれたら、「失敗は成
功のもと」とはいえなくなるではありませんか。
苦手なことが増えるのは、失敗を恐れるからではないでしょうか。
 
平均台から落ちても、
「先生、やりなおしてもいいですか!」
笑っていえる子、絶対に合格すると思います。
信じていますよ、試験監督の先生方!
 
やはり、体を動かすことは、第三者だけに任せっぱなしは、よくないと思いま
す。
ゴルフは年を取ってからでもできますが、幼児期は、二度と戻ってきません。
夏休みは、体力づくりにも考慮してください。   
頑張りましょう。
スキンシップですよ、お父さん、お母さん。
 
説明会が始まりました。
宗教教育の経験のない皆さん方にお勧めしていた青山学院初等部の第1回説明
会は、先週の土曜日に終わりましたが、第2回目は9月に行われます。聖書の
話を聞き、賛美歌を歌い、「アーメン」と唱和し、それから説明会は始まりま
す。
幼稚舎は例年、連休明けに発表するのですが、5月20日現在、未定です。昨
年は7月6日(土)と13日(土)でしたから、おそらく第1週と第2週の土曜日
に行われるのではないでしょうか。
説明会のスケジュールを確かめ、できる限り参加しておきましょう。
詳しくは、ホームページをご覧ください。
  (次回は、「説明会」についてお話ししましょう)
 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★ [9] 社会性に関する問題 

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第45号)
 新年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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[9] 社会性に関する問題 
 
入試情報
最近、私学のアフタースクールは目を見張るものがありますが、先日伺った小
野学園小学校も充実していました。小学校は共学ですが中高は女子だけの別学
で男子は受験になります。保護者は安心して学校にお任せということでしょう
か。
 
聖学院小学校の説明会(6月5日・木)に参加される方、小学校は12月の竣工を
目指し目下、改築中で、会場は小学校よりぐっと奥にある女子聖学院の中高の
クローソンホールです。駅から10分以上かかるとみておきましょう。
 
聖徳大学附属小学校のホームページには、「過去問に挑戦しよう」とのコーナ
ーがあり、クリックすると3問ばかり問題がありました。かつて立教小学校の
説明会で田代教頭から、「数量の問題の解き方」を聞いたことがありましたが、
ホームページで過去問を掲載したのは、本校が初めてではないでしょうか。
 
前回の予告では、「運動に関する問題」とありましたが、「社会性に関する問
題」と訂正させていただきます。
 
5、6名のグループで遊び、その様子から社会性、協調性を評価する問題です。
ごっこ遊び、絵画や制作などいろいろな形で行われていますが、「電車ごっこ」
を取り上げ、どういった形で展開し、採点されるか、分析してみましょう。
 
     ★[電車ごっこ]
      「今から、電車ごっこをして遊びます。この遊びには、運転手さ
      ん、車掌さん、駅長さんに、お客さんが必要ですね。最初に、誰
      が、どの役をするかを、みんなで相談して決めてください。
      そして、どうやって遊べば楽しいかを話し合って決めます。
      電車は、このロープを輪にしたものを使います。相談ができたグ
      ループから、代表を決めてロープを取りにきてください。
      わかりましたか。では、始めてください」
       
こういった説明を聞き、相談をして、電車ごっこを始めます。
 
ごっこ遊びは、幼稚園などで先刻、承知の遊びですから、遊びそのものには問
題ありませんが、何といっても、そこに集まったメンバーは、今日が初めての
ご対面です。
これが問題ですね。
幼稚園名、家族構成、性格、趣味、得意な遊びなど、データなしの遊びとなり
ます。
これは全員同じ条件ですが、幼稚園でもリーダーシップをとっている子は、や
りますね。
 
「運転手と車掌、駅長さんは、一人ずつだから、順番に代わったらいいと思い
ます」
「……。」
「その順番だけど、ゼッケンの番号順はどうですか」
「背の高さ順でも、いいんじゃない?」
と背の高い子がいうかも知れません。
体の特徴を武器にしていますね。
「(ぼくは、背が低いからお客になってしまう。そうは、させないぞ!)ジャ
ンケンが、いいな。勝ち負けで決まるから、いいと思います!」
こう思っているかどうかはわかりませんが、自分の考えをいえる子、いいです
ね。
こうなれば、意見は、ドンドンと出てきます。
殊勲賞は、口火を切った子ですが、このグループは、早くまとまります。
「最初にいった君が、代表でロープもらってきたら!」
「賛成!」
こういけば、理想的です。
 
黙ったまま、全然、進まないグループもあるそうです。
偶然のいたずらですけど、積極性に欠ける子が、集まる場合もあるそうです。
「…………」
「……」
これでは採点できませんから、先生は盛んに促しますが、反応はありません。
これが、いちばん困るようです。
何しろ、何にもいいませんから、参加意欲、発言内容、行動力、全部門、ゼロ
です。  
当然のごとく、社会性、協調性は[0]になります。
惨めな結果です。
 
「ぼくは、運転手しかやりたくありません!」
こんな無茶をいう子もいるそうです。
古い言葉ですが、乳母日傘型ですね。
こういう子ばかりだと、収拾がつかなくなります。
乳母日傘型とは、「乳母をつけ、日傘をさしかける、というように子どもを大
事に育てること」で、過ぎると過保護になる育児のことです。
 
「私、決まったものなら何でもいいの」
こういうお嬢さんもいるそうです。
一見、よさそうですが、あなた任せで、積極性に欠けるのではないでしょうか。
 
こういう子もいるようです。
ジャンケンで決めることになり、実際にジャンケンをして負けると、
「ジャンケンは止めて、他のやり方がいいな!」
平気でルールを破る子、自己中心型です。
おそらくお母さんは、KYJTママ(空気読めない自己中ママ)でしょう。
 
いろいろと見せてくれるそうです。
小学校側としては、グループ活動を盛り上げるために、積極的に参加する意欲、
相談する様子や発言の頻度、内容、ルールを守って遊ぶ様子などから、社会性
や協調性を評価するわけですが、これは、ご両親の育児の結果ではないでしょ
うか。
 
過保護な環境の場合は、わがままなお山の大将になりやすいものです。
過干渉な環境では、消極的になりがちですね。
自立心が弱いと、あなた任せになりがちです。
以前にもお話ししましたが、これについては、幼稚園の先生に聞いてみること
です。
「うちの子、幼稚園での様子はどうですか?」
「そうですね、どちらかといえば、集団生活への適応力に、少々、問題があり
ますね」
この場合の「少々」は、「ものすごく問題あり」と考えて、育児の姿勢や、子
どもを取り巻く環境に何か問題点はないか、チェックが必要です。
 
「そうですね、少し、内気なところもあるようです」
こういった答えがある場合は、お母さんは構い過ぎているはずですから、過干
渉の縄を切ってあげましょう。
 
「元気すぎるときもありますね」
この場合は、わがままでチームワークを乱しているかも知れません。
何事も思うようにはならないことを、お父さんがしっかりと教えておきましょ
う。
 
子どもは遊ばせてみると、育てられている環境が表れるものです。
ペーパーテストの紙の上ではわかりにくいことですが、遊びや行動観察のテス
トで、子ども自身が、親の育児の心構えを、きちんと見せてくれます。
子どもは、演技ができませんから、普段着の姿が表われるわけです。
 
ところで、こういったテスト中に、もめ事が起こりやすいようです。
もちろん、行動観察が中心になっている慶應義塾幼稚舎のように、試験に先立
ち、「走らない・前の人を抜かさない・うるさくしない」と注意しますが、テ
ンションの上がってしまう子もいますから、ちょっとしたことでいさかいが起
こるようです。
そんな時、どうしたらいいのでしょうか。
女の子は、こういったとき、毅然として原因を指摘するそうですが、男の子は、
案外、腰砕けになる話を、よく耳にします。
「どうしたのかな!」と聞かれたときには、きちんと状況を説明できれば、先
生方も適切に対処してくれますが、口ごもり、まごまごしていると、そのまま
になる場合もあるようです。
制限時間内での試験で、先生方も進行状況には、神経を使っているはずだから
です。
やはり、過保護、過干渉な環境では、うまく対応できないのではないでしょう
か。
自分が悪くなければ、その旨をきちんと先生に伝える、行動観察型の試験では
、こういったことも大切になってきます。
幼い子ども達も、いろいろなことを言葉で考えているのですから、その考えて
いることを、言葉で表す機会をたくさん作ってあげることも大切ではないでし
ょうか。
対話です。
話し過ぎのお母さん、よい聞き手になってあげましょう。
 
最後に、歌い、踊る試験もあります。
楽しそうに歌い、踊るお子さんは、間違いなくお母さんが、お子さんと一緒に
楽しく歌い、踊っています。
ですから、初めての場所で、知らないお友達や先生の前でもできるのです。
なぜなら、お子さんの小さな胸の中には、お母さんと歌い、踊った楽しい思い
出が、いっぱい残されているからです。
知識だけ詰め込まれたお子さんは、こういったことが苦手でもあるようですね。
「話す・歌う・踊る・描く」は、子ども達の大切な表現手段であることを忘れ
てはいけないと思います。
平成21年の立教小学校では、ピアノの伴奏に合わせて、身体表現の試験をし
ました。
22年は、テスターのピアノの伴奏に合わせ「森のくまさん」を歌い、NHK
のアニメ「忍たま乱太郎」の主題歌「勇気100%」の曲に合わせてリズム体
操をしました。
1回目はテスターの模倣体操で、2回目は自分の好きなように体を動かしまし
た。
23年は、「ちいさい秋みつけた」の歌に合わせて歌いながら踊る、日本昔話
のエンディング曲の「にんげんっていいな」、24年は「線路は続くよどこま
でも」、25年は「森のくまさん」の曲に合わせてダンスをしました。
5年続けている課題ですが、表現できるということは、自立心や自発性が育ま
れている証で、学校側の狙いは、これを見極めることにあるのではないでしょ
うか。
照れ屋で、恥ずかしがり屋の男の子が多いだけに、自信を持って踊れる子にな
るには、お母さんの出番です、頑張ってください!
 
明日、学習院初等科の学校説明会へ参加される方へ。
体育館に行くときに地下道を通りますが、入り口の右側に「『おかしも』の約
束」と書かれた注意事項があるはずですから『おかしも』とは何かを確かめて
おきましょう。
早稲田実業学校初等部のホームページにも、登下校の訓練の中に「お・か・し・
もの約束」という文言を見つけました。これも同じ意味ではないかと思いますが、
6月の学校説明会の時にお聞きし、お知らせしましょう。
 (次回は、「運動に関する問題」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[8]構成力・観察力に関する問題(3)

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        「めぇでる教育研究所」発行
 
     2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第44号)
 
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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★★入試問題を分析する★★
[8]構成力・観察力に関する問題(3)  
 
[入試速報]
説明会が始まります。
学習院初等科(5月17日 土)、聖心女子学院初等科(6月14日 土)は、
ホームページから印刷できる参加票を提出します。
宗教教育の経験がなく受験される方は、青山学院初等部の説明会(5月17日
 土)に参加しましょう。賛美歌を歌い、チャプレン(学校に所属する牧師)
の話を聞き、お祈りをして、「アーメン」と唱和し、賛美歌を歌い、宗教の香
りを体験できます。
雙葉小学校(7月18日 金・19日 土)は、事前申込制で、申し込みは5月
7日(水)から受け付けています。
いずれも詳しくは、ホームページをご覧ください。
 
[模倣の問題]
積み木やブロック、パネルなどを使って、お手本と同じものを作る問題です。
個別テスト向きでしょう。
 
★お手本(▽ ▽の上に長四角の積み木があり、その上に家の形がある)
 ・これと同じものを作りなさい
 
「三角の積み木を逆さまにして、できるかな?」
積み木で遊んだことがないと、こうなりがちです。
できますが、コツがあります。
これは、やってみないとわかりません。
 
最近のおもちゃは、完成品が多いようですが、一概に悪いとはいいません。
それを利用して遊ぶことも、大切な仕事です。
しかし、積み木やブロックは、自分で設計し組み立てる遊びです。
設計図を引くには、何が必要でしょうか。
そのものを知ること、熟知することで、大切なのは観察力です。
子どもは、自分の好きなものとなると、目つきが変わり、真剣、そのものです。
ですから、大人が気づかないところまで見ています。
そこまで夢中にさせるのは、好奇心です。
模倣は、観察力と表現力を見る問題ですが、そのもとになる好奇心が旺盛かど
うかを見極めることもできます。
 
積み木を使った面白いゲームがあります。
実際に出題された問題で、積み木をできるだけ高く積むゲームで、「高く積む」
がポイントになります。
長四角を立てないで横に置くと、高さが違ってしまいます。
これに気づかないと、少し心配です。
問題は三角で、置き方によっては、そこで、ゲームセットになります。
 
積み木を持っていないお子さんには、買ってあげましょう。
前にもお話しましたが、積み木で遊んだ後に、きちんと収納する習慣がつくと、
身辺の整理整頓にも影響がでると思います。
おもちゃや絵本などの片づけが苦手な子は、こういった遊びをやっていないの
ではないでしょうか。
玄関の靴の整理も同じで、ご両親がきちんとそろえて脱いでいれば、お子さん
も真似をするはずだからです。
 
[同図形、異図形発見の問題]
同図形発見(お手本と同じもの)と異図形発見(違っているもの)があり、知
能指数をはかる問題でよく出題されています。
 
★「お手本と同じものを見つけ、○をつけましょう」
 
子どもの、好きな問題です。
ゲームやクイズ感覚でできるからではないでしょうか。
これも、コンピュータ方式を採用しましょう。
お手本と1つ1つ比べて見つけることです。
あっちを見、こっちを見るやりかたでは、いたずらに混乱するだけです。
手順の大切なことを知っている子は、左から右へ、または上から下へ順番に比
べる方が、正確に、速くできることを知っています。
こういう知恵は、やはり、経験から身につけることが大切で、最初から教える
必要はありません。
自分で見つけられれば、最高の学習になるからです。
どうやっても、うまくいかない様子が見えたら、そこでアドバイスしてあげま
しょう。
まず、自分で体験することですね。
それから解決方法を教えられれば、納得でき、身につくものです。
 
そして、問題ができたから花丸をつけて、次の問題に移るだけでは、あまり効
果的な学習とはいえません。
たとえば、同図形発見の場合、手本とどこが、どう違うかを説明させることで
す。 
すると、異図形の発見にもなります。
さらに、試験官と話すように丁寧な言葉できちんといえる習慣がつくと、個別
テスト、行動観察のテストにも対応できる学習になるからです。
言葉で表現する訓練は、こういった遊びの感覚で、楽しみながら身につけるこ
とが大切で、小学校へ入ってから、学力を伸ばす大きな力になることは間違い
ありません。
 
しつこく、繰り返しますが耳ではなく心で聞いてください。
幼児の知能開発で大切なのは、五感をフルに活動させて、同じところ(類似)
や違うところ(差異)を見つけ、「あれっ…、なんだ?」と考えることから始
まります。
「どうしてなの……?」 
「なぜなの……?」
うるさいほど、遠慮なしに聞いてきます。
これも疑問の芽というアンテナがとらえた情報を解決したいのです。
もうしばらくの辛抱です。
小学生も低学年の内は、まだ聞きに来ますが、中学年になると、聞いてほしい
と思っても来ませんから、頑張ってください。
 
しかし、そのつど懇切丁寧に説明するのも考えものです。
時には、質問の内容を吟味して、ある程度はわかっていることであれば、
「あなたは、どう思うの?」
と切り返すのも大切ですね。
自分で知っている範囲を、考え、考え、話すはずです。
これが、素晴らしい学習になっています。
十分に理解できていないことを言葉で説明するのですから、これは、しんどい
話です。
時には、支離滅裂なことをいうかもしれませんが、ここは我慢のしどころです。
お子さんが何を聞きたいのかは、聞いている内にわかります。
話が一通り終わったら、
「ケンちゃん、お母さんに聞きたいことって、こういうことなのかな?」
と、まとめてあげましょう。
質問をしているお子さんも、
「なんだ、そうなのか!」と納得することで、言語の学習になっているのです。
言葉は、知っているだけでは役に立ちませんし、使わなければ生きてきません。
まとめてあげることで、わかっていないところを補足したことになるのです。
 
まだ、あります。
前にもお話しましたが、お母さんがまじめに話を聞いてあげると、お子さんは
人の話はきちんと聞かねばならないことを、ごく自然に学んでいるのです。
子どもにとって、親が真剣に話を聞いてくれるのは、本当にうれしく、これほ
ど快感を味わえるものはありません。
お母さんが、しつこく、
「きちんと話を聞きなさい!」
といわなくても、話を聞く姿勢が、自然と身につきます。
「子は親の背を見て育つ」といわれていますが、昔の人は無駄なことをいわな
いものです。
いや、真実だから語り継がれているのではないでしょうか。
前回に紹介しました「子どもが育つ魔法の言葉」にも、「子は親の背を見て育
つ」の外国版
「子は親の鏡」があります。
 
  子は親の鏡
 けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
 とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
 不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
 「かわいそうな子だ」といって育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
 子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる 
 親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
 叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
 励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
 広い心で接すれば、キレる子にはならない
 誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
 愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
 認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
 見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
 分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
 親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
 子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
 やさしく、思いやりを持って育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
 守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
 和気あいあいとした家庭で育てば、
 子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる
          子どもが育つ魔法の言葉 ドロシー・ロー・ノルト 著
                           PHP研究所 刊
 
発売後、数年たっている本を読みたい場合は、図書館を利用しましょう。
図書館にあるかないかは、パソコンを利用すれば自宅でも検索できるところも
あります。
(次回は、「運動に関する問題」についてお話しましょう)
 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[8]構成力・観察力に関する問題(2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
 
     2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第43号)
 
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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★★入試問題を分析する★★
[8] 構成力・観察力に関する問題 (2)
 
入試速報
立教小学校の学校説明は、今年は2回行われます。
第1回 6月5日(木) 受付開始 8:00 授業参観あり
第2回 9月6日(土) 受付開始 8:20 授業参観なし
1回と2回の内容は異なるそうで、詳しくはホームページをご覧ください。
 
なお、川村小学校は、今年から「自己推薦個別審査」を導入します。募集枠は
20名で、条件は「オープンスクールに親子で参加」となっています。4月
28日現在、ホームページには詳しい説明は見当たりませんが、受験を考えて
いる方は学校へ問い合わせてみましょう。
 
今回は複雑な分割です。
三角形、四角形、円形の、二分の一、四分の一といった分割は、基礎トレーニ
ングで理解できているはずです。
問題は、複雑な分割です。
本当に、大人でも、
「ナヌ……?」
と考え込んでしまう問題もありますね。
ですから、これもいきなり問題集を使うのは、止めた方がいいでしょう。
混乱するだけです。
「ブンカツ! 聞いただけで頭が痛くなるわ!」
算数嫌いになりかねません。
小学校の勉強は、一年生から何といっても国語と算数が基本ですから、スター
トでつまずくと大変です。
 
問題集を買い、複雑に分割してある問題を、お子さんが、かつて愛読していた
絵本などを使い、その通りに線を引き、切り、それを使ってやってみましょう。
昔の愛読書ですから、覚えているでしょうし、忘れていても思い出します。
それに形が大きいですから、しっかりと学べます。
3分割ぐらいから始めましょう。
「お母さん、これ『桃太郎』でしょう!」
笑顔を浮かべながら取り組むお子さんの姿を想像できますね。
絵本には、いろいろな思い出が残されていますから、面白がって取り組むはず
です。
表ができたら、裏も使えます。
1枚の絵で、二通りの学習ができます。
コツが理解できれば、白紙で挑戦、 絵で一回学習していますから、最初は楽
勝ですね。
これでやる気を育て、複雑な問題に挑戦できるようにしてみましょう。
 
できない問題があっても、心配はありません。
問題集を読んでいて、「こんなの、時間内にできるのかな?」と思える問題が
あると、学校側の狙いは何だろうと考えてしまいます。
難易度の高い問題があると、「できないと、合格しない!」と考え、無理やり
教えこんでしまうお母さんがいると聞きます。
何と言ってもお母さん方は、偏差値教育を受けてこられた元受験戦士ですから、
やりますね。
しかし、考えてみましょう、受験生は5、6歳の幼児です。
学校側は、構成力、プラスやる気、意欲、これを見ているのではないでしょう
か。
あせらず、時間をかけ、できるようにしてあげましょう。 
 
このように心がけていると、例えば、試験場で難しい構成の問題に出合った時、
「わかんない…!」と泣き出してしまう子と、できなくても最後まで挑戦し、
時間がきたら、「やっぱり、できないな!」といって、きちんと止める子とで
は、泣き顔のお子さんからは「何でもできなくてはいけないと考える満点主義
の教育ママの顔」が、頑張ったお子さんの場合は「一所懸命に頑張ってできな
ければ仕方がないでしょう」とあたたかく励ますお母さんの笑顔が浮かんでく
るといった評価も生まれるものではないでしょうか。
 
オロオロ、キョロキョロと辺りを見るようでは、「できなきゃいけない!」と
いう価値観が、お子さんをがんじがらめにしていることになりかねません。
小さい時から、「何でもできなくては駄目だ」と教えるのは、いいことではな
いと思います。
できないことがあるから、できるように勉強するのが学校教育の目的です。
できないことが悔しかったら、それをバネにして挑戦する気持ちの方が、大切
です。
幼児期は、結果を競い、結果だけを求める時ではありません。
やはり、やる気、挑戦する意欲を見ていると思います。
家庭学習でも、こういった面を育ててほしいですね。
 
プリントでの分割の問題は、当てはまらないもの、おかしいものを消していく
消去法がいいでしょう。
その時に、なぜ必要ではないのかをお子さんに説明させると、効果はさらに上
がります。
自分の考えをいう、言葉で表現するのは、本当に難しいですね。
「これは、ここが違うから、当てはまらないわ」
「そうですね、角度が違うわね」
「角度って、なあに?」
「開き具合ですよ」
これは教え込むのではなく、「……?」と興味を持たせることです。
関心を持てば、記憶されるものです。
知的な刺激を与えてあげましょう。
 
構成の問題に限りませんが、たとえば、答えが違っていたとします。
前にお話しましたが、そんな時に、やってはいけないことがありますね。
子どもの前で、間違いを指摘しないことです。
「これ違っていますよ!」
「それならこれかな?」
「違います!」
「じゃ、これかな?」
「何で、考えないの、あなたという子は!」
こうなりがちです、そうではないでしょうか。
最後は、顔色も変わり、話す口調に怒気さえ含んでいます。
子どもは怒られたくない一心で、ひたすら残っている答えを指差すだけです。
偶然に答えが合うことを祈って、です。
考える時間を与えていません、お母さんは。
「勉強って、つらいものだな!」
このような気持ちにさせてしまっては、小学校へ入る前から、勉強の嫌いな子
になりがちです。
わからなかったら、コピーをとり、それを切らせ、組み立てることです。 
怒られて、おどおどしながらやっているお子さんの気持ちを考えてあげましょ
う。 
かわいそうだと思いませんか。
お子さんが、お母さんの顔色を気にしはじめたら、気分転換をはかることです
ね。
お互いの精神衛生のためです。
難易度の高い問題に取り組むときこそ、あたたかい配慮が必要です。
 
閑話休題。
問題の解説は一休みして、お母さんの「育児の姿勢」をチェックしてみましょ
う。
これは、かつて、皇太子さまが記者会見で披露された詩です。
日本でもベストセラーとなった「子どもが育つ魔法の言葉」(PHP研究所 
刊)の著者、ドロシー・ロー・ノルトの作ですが、お読みになったお母さん方
は、この本の冒頭にある「子は親の鏡」の詩には、納得されたのではないでし
ょうか。
ここで紹介するのは、確か、スウェーデンの中学生用の教科書にあったものだ
と記憶していますが、資料が見つからないもので、間違っていたらお詫びいた
します。
私どもも教室の入り口に掲示していますが、「育児しながら育自する」お母さ
ん方が大切にしている心構えではないでしょうか。
 
      子ども  ドロシー・ロー・ノルト 作
 批判ばかりされた 子どもは 非難することを おぼえる
 殴られて大きくなった 子どもは 力にたよることを おぼえる
 笑いものにされた 子どもは ものを言わずにいることを おぼえる
 皮肉にさらされた 子どもは 鈍い良心の もちぬしとなる
 しかし、激励をうけた 子どもは 自信を おぼえる
 寛容にであった 子どもは 忍耐を おぼえる
 賞賛をうけた 子どもは 評価することを おぼえる
 フェアプレーを経験した 子どもは 公正を おぼえる
 友情を知る 子どもは 親切を おぼえる
 安心を経験した 子どもは 信頼を おぼえる
 可愛がられ 抱きしめられた 子どもは
       世界中の愛情を 感じることを おぼえる
 
いかがでしょうか。
お子さんは、ご両親の作る環境で育っていくことを、忘れてはいけないと思い
ます。
受験されるお子さんは、同世代のほんの一部の子ども達の一人です。
ほとんどの子ども達は、こういった受験準備をせずに、小学生になります。
算数を例に取れば、加減乗除から分数の領域まで、数字も記号も使わずに学習
するわけですから、家庭学習は、そのことを理解した上で、無理のないように
進めていただきたいのです。
お子さんが嫌がるときは、スパッと止めましょう。
そして、寝静まった頃に、お子さんの寝顔を見ることですね。
お母さんの気持ちも、切り替えられると思います。
大切なのは、お子さん自身の将来、歩むべき道ですから……。
 
年長さんになりましたが、元気に通っていますか。
集団生活への適応力をきちんと身につけるのも、合否の鍵となる大切なポイン
トです。
楽しく過ごせるように心がけてください。
少しでもお兄さん、お姉さんらしくなったところが見えたときは、ほめてあげ
ましょう。
「さすがお兄さん(お姉さん)!」は、子どもに自信を持たせ、「お兄さん
(お姉さん)なんだから!」は、不満をつのらせがちで、賢いお母さんが口に
する言葉ではありません。
子ども達は、お母さんの何気ない言葉からも敏感に反応していることを、肝に
銘じておきましょう。
(次回は、「構成力・観察力(3)」についてお話しましょう)
 
 

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