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めぇでるコラム 2015年12月アーカイブ

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試問題を分析する

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第26号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試問題を分析する★★
 
メリー・クリスマス!
長男が小学2年生頃だと記憶しているのですが、どうやら、友達から知恵をつ
けられたらしく、「今日は、お父さんと寝る!」といって私のベッドに入り、
ドラえもんシリーズの漫画本を数冊持ち込んで、中々、眠ません。「サンタは
お父さん!」を確かめたかったようですが、やがて、眠ってしまいました。朝、
自分のベッドにプレゼントが配達されたのを見て、「やっぱり、お父さんはサ
ンタじゃなかった!」と、なぜか、納得していました。この頃が、無邪気でか
わいいですね……(笑)。
 
[一]入学試験の出題範囲
テストの形式は、わかりましたから、今回は問題の内容を紹介しましょう。そ
の前に、4歳や5歳児の心や身体は、どの程度、発達するのでしょうか。これ
は平成4年に改訂された「幼稚園指導要領」の解説に添付されていた資料で、
昭和23年3月に文部省から出された保育要領(幼児教育の手引き)の中で紹
介されたものです。身体の成長は、現代っ子の方がまさっていますが、運動や
知的能力、情緒の発達や社会性などの発達の内容は、現代でも通用する幼児教
育のバイブルともいわれているそうです。こういった資料を見ると、学校側の
ねらいは、どの辺にあるか理解できると思います。
 
★身体の運動的発達★
  [4 歳 児]
   1.スキップができる。
   2.片足立ちをしようとする。(少しの間ならできる)
   3.走り幅跳び、立ち幅跳びができる。
   4.ボールをじょうずに投げられる。 
   5.はさみで形の切り抜きができる。
   6.ひもを結ぶことができる。(固結び)
 
  [5 歳 児]
   1.片足立ちができる。
   2.小さい物を巧みに扱える。
   3.三角形を模写する。
   4.はしを巧みに使う。
 
★知的能力の発達★
  [4 歳 児] 
   1.13まで正しく数える。
   2.重さの比較ができる。
   3.3つの数字の反唱ができる。
   4.3つの命令を正しく実行する。
   5.語数の増加が著しい。
   6.発音が正しくなり、赤ちゃんことばがなくなる。
   7.非常によく質問する。
   8.簡単な課題を解決する。
 
  [5 歳 児]
   1.求知心が強くなる。
   2.想像と現実との区別が十分につかないところが間々ある。
   3.1つのことを始める前に一定の計画を持っている。
   4.用途によって物の定義をする。
   5.手の指の数が正しく言える。
   6.右と左の区別ができる。
   7.成人との話が自由にできる。
   8.いろいろな貨幣の名前をいえる。
   9.昨日、今日、明日の区別ができる。
   10.具体的推理ができる。
 
運動テストやペーパーテストの内容を見ると、身体や知的な能力の発達を考慮
して、入学試験は行われていることがよくわかります。こういう標準的な発達
から逸脱しないばかりか、さらに生まれた月の差を考慮して試験を実施すると
発表している小学校もありますが、このデータを見ているとうなずけます。何
といっても、受験生は幼児だからです。
 
★情緒的発達★
  [4 歳 児]
   1.3歳児と同じようなことで泣きやすいが、だいぶ自制できるように
     なる。
   2.理由のない恐怖心(たとえば、暗やみに対する)が多い。
   3.かんしゃくは、ほとんど起こさなくなる。
   4.怒ったときの表情が次第に抑制されるようになってくる。
   5.小さい子供を可愛がることを喜ぶようになる。
   6.反抗期が終わり、大人の権威や命令に従うようになる。
 
  [5 歳 児]
   1.泣くことが非常に少なくなる。
   2.恐怖心が、やや 少なくなるのが普通である。
   3.怒り、かんしゃくは、ほとんど抑制される。
   4.感情や情緒は分化して、大人に見られる大部分の情緒が現われる。
    (例 はにかみ、恐れ、心配、怒り、しっと、うらやみ、失望、不快、
     いみきらい、親への愛情、小さい者への愛情、のぞみ、喜び、快い等) 
 
★社会的発達★
  [4 歳 児]
   1.自分で着物を着たり脱いだりする。
   2.排便のことは全部自分でできる。
   3.歯をみがく。
   4.顔を洗う。
   5.多人数の中にある自分というものを意識しはじめる。
   6.他の子供たちと協同的に遊びはじめるが、2人か3人グループが多い。
   7.簡単な遊戯の規則を守ることができる。
   8.ごっこ遊びが、最も盛んである。
 
  [5 歳 児]
   1.独立的で自信を持ち、従順になるので物事をまかせられる。 
   2.小さい者をいたわる。
   3.自分の周囲の社会生活を遊びに取り入れる。
   4.2人ないし5人ぐらいのグループで協同的に遊べる。
   5.友達と遊ぶことを好む。
   6.自己主張をし、他人への依頼感を持ち社会的協同性を持つようになる。 
 
いかがでしょうか。
親の手を借りずにできることが増え、一人の人間として、集団生活を送るため
に必要な能力の培われていく時期であることが、よくわかると思います。3歳
頃から始まっていた、親のもとを離れる準備が、完了する時期といえます。就
学前とは、小学校生活を送るにふさわしい能力を身につけ、自分の力で大地に
しっかりと足を踏張り、自力で立つ時です。
 
こんな大切な時に、過保護や過干渉な育児になり、さらに、知的な能力だけを
訓練して鍛えるのは、決して幼児にふさわしい受験準備ではありません。基本
的な生活習慣やあいさつなどをきちんと身につけさせ、子どもの感性に刺激を
与え、好奇心を引き出し、学習に意欲的に取り組める環境を作ってあげるのが、
幼児期にふさわしい受験準備であり、こういった意識を持つことが、小学校の
受験に取り組むご両親の、大切な心構えではないでしょうか。
 
よく練り上げられたカリキュラムをもとにした適切な指導は、決して過激で猛
烈な受験勉強ではなく、子どもたちが楽しく学習しながら、合格への道を歩む
パスポートであるはずなのです。お子さんは、教室へ行くことを楽しみにして
いますか。楽しみに通っているのであれば、心配ないでしょう。
 
「受験戦争の低年齢化!」「猛烈な準備に耐え、突破した子だけが合格する!」
などといわれているようですが、これも怪情報、うわさの一つです。こういっ
たことは、バブル経済の全盛期の頃の話であり、NHKの「お入学」やTBS
の「お受験」が放映され、注目を集めた時のことで、幼稚舎でさえ志願者が減
ったことからも、小学校の受験は、一つの転換期を迎えていると考えられます。
さらに、2011年3月11日に起きた東日本大震災は、「安全な通学」も学
校選びに欠かせない条件になり、躊躇されるご両親も増えたのではないでしょ
うか。皆様が参加されている公開模擬テストの参加者数を見ても、私学志向に
変化が起きていることが、おわかりいただけると思います。
 
とはいえ、倍率の高い学校は、依然として入学の条件は厳しく、それなりの準
備は必要です。しかし、先程紹介したようなうわさを信じて準備を始めると、
親子で受験地獄に陥ることになりかねません。そのようなことを避けるために、
入学試験では、どのような問題をやっているのかを紹介しましょう。すると、
いろいろな形で出題されている様々な領域の問題は、幼児の日常生活と深いか
かわりのあることがわかるからです。
 (次回は、「合否を判定する必須十項目」についてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>ご家庭で伸ばせる基本的な能力開発(1)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第8
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ご家庭で伸ばせる基本的な能力開発(1)

 
メリー・クリスマス!
お子さんの様子いかがでしたか。孫が初めてクリスマスプレゼントをもらった
時の、驚きの表情をVTRで見ましたが、何が、どうなっているのかがわから
ず、キョトンとしていたことを思い出しますね。箱を開け、プレゼントを確か
めたときの笑顔、まさに天使の笑顔でした、爺バカですが(笑)。
  
入園試験に関する実践的な指導は、幼児教室の先生方にお任せするとして、ご
家庭で伸ばせる能力開発、9項目について2回に分けてお話しましょう。繰り
返しますが、お子さんの月齢、生まれ月を忘れず、無理をしないことが大切で
す。
 
(1)言語の領域
何も話せなかった赤ちゃんが、いつのまにか、驚くほど話せるようになります。
しかし、自然に身についたわけではありません。ご両親、特に、お母さん方の
献身的な努力があったからです。言葉の意味がわからない赤ちゃんに、いつも
言葉を浴びせていたからこそ、今のように話せるようになったわけです。
「ママ、オミズ!」といったとき、黙って水をあげたお母さんはいないでしょ
う。
「のどが渇いたから、お水を飲みたいのね」
と話しかけていたと思います。これが、言語の学習になっていたわけです。
モンテッソーリの「言葉の敏感期(もっとも活動が盛んになり発達する時期)」
です。
この時期を逃すと、オオカミに育てられた少女ではありませんが、言葉を話せ
なくなるそうです。
 
2歳前後で平均三百語ぐらいだった言葉も、3歳になると平均して八百から千
ほどの言葉を使えるようになるといわれています。ですから、3歳過ぎると、
うるさいほど話しかけてくるわけです。「なぜ、どうして?」の問いかけが盛
んになります。面倒がらずに、やさしく聞いてあげ、答えてあげましょう。い
ろいろなことに興味を持ち、それを言葉で表現しようと努力しているのですか
ら、その意欲を大切に伸ばしてあげることです。興味を持ったことに、お母さ
んが答えてくれれば、それだけで話を聞く姿勢が身についてきます。
会話の弾む楽しい雰囲気を作ってあげることが大切です。
 
そして、本を読んであげましょう。
絵が中心であった絵本から、短いながら物語風なものに興味を示しはじめてい
ませんか。
面白い話には表情も和み、恐ろしい話になると不安そうな顔をし、悲しい話に
は涙ぐむなど、幼いなりに情緒が育っていることもわかります。
 
幼児用の本も、まだ理路整然とはいきませんが、いつ・どこで・だれが・なに
を・なぜ・どのようにと「5w+1H」から成り立っています。もちろん、幼
児が「いつ・どこで・だれが……」などと意識しながら聞いているわけではな
いでしょうが、「ノンタンは、どうして泣いているのかなぁ」などと思いなが
ら聞いていると思います。これで「話を筋道立てて聞く練習」になっているば
かりか、そこから「話を聞く姿勢」が身についてきます。しかも話は、「起承
結」と「転」がなく、わかりやすく構成されています。
 
話を聞きながらわからない言葉が出てくると、
「ママ、にじって、なあに?」
絵本を見ながら、お母さん方は、虹をわかりやすく説明することで、新しい言
葉を覚え「語彙」が増えます。
 
話が面白いと、覚えようとします。絵本を見ながら、何やらぶつぶつと言うよ
うになりますが、あれは話を思い出しているのでしょう、記憶力が培われます。
そして、何度も読んでもらうことで、一本の弱々しい木が根を張り枝葉をつけ
大きな木に成長するように、話をきちんと理解し、言葉はイメージ化され、映
像とともに記憶されます。
 
また、話は勧善懲悪から成り立っていますから、幼いなりに道徳、善悪など襟
を正して説教しなくても学習し、「自前の判断力」も養われます。
 
さらに、本を読んであげている時のお母さん方の表情は豊かで、やさしい語り
かけが何よりのスキンシップになっています。赤ちゃん時代の「無償のほほえ
み」と同じではないでしょうか。
 
本の読み聞かせは、これだけたくさんの学習になっているのですから、「ママ、
読んで!」と言われた時は、しっかりと読んであげましょう。
 
(2) 数量の領域
2、3歳の幼児の数量に関する理解力は、日常生活、特に食べ物や飲み物と深
い関わりを持っています。数は、多い、少ないがわかればいいでしょう。例え
ば、ビスケットが2枚と4枚入ったお皿を置き、「多い方を食べていいですよ」
といって4枚のお皿に手が出れば、数感は順調に発達しているといえます。ま
た、2つのコップに違った量のジュースを入れ、同じくたくさん入ったコップ
に手が出れば、量に対する感覚も順調に発達しているといえます。数や量にこ
だわるのは、決して卑しいことではなく、「数の多少」「量の多少」を直感で
判断できる証(あかし)でもあるのです。
 
いくつまで数えることが出来ればいいのかとよく質問を受けますが、2、3歳
の幼児に、「そこにあるみかんを10個持っておいで」などと指示を出す親は
いないでしょう。3歳までに4から5までの数を認識できれば十分でしょう。
 
1、2、3、4、5といえるより、みかんなどを1つずつ手にとって、「1個、
2個」と具体的に、量を実感しながら数えることが大切です。
2、3歳の幼児に数字は必要ありませんから、必ず、具体物を使って、1枚、
2枚、1本、2本と数えるようにしましょう。数詞を無理なく学習できるから
です。
  (筆者注「数感」とは聞きなれない言葉ですが、音感、語感と同様、数に
関する感覚のことで、香川大学の小林名誉教授が使用されていた言葉です)
 
(3) 記憶力の領域
記憶力は、毎日の生活で体験する、「見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触る」の五
感を通して培われていきます。その印象が強ければ、より鮮明に残るわけです。
五感を刺激させる環境を作ってあげましょう。
 
2歳は模倣の時期で、お手本はご両親です。真似るのも、記憶力を養う基本的
な訓練です。
よいお手本をたくさん見せてあげましょう。
 
3歳になると自発性が芽生え、自立の時期に入りますから、いろいろなことに
挑戦しはじめます。学習も、基本は記憶です。まだ、危険なことをしますから、
監視する必要はありますが、夢中になって遊べる時間をふやしてあげましょう。
何かに夢中になって取り組みはじめた時には、見守る態度で接してあげること
です。子どもの遊びは、より楽しく遊ぶための記憶の積み重ねであり、基本的
な生活習慣を身につけるのも記憶の蓄積された結果です。同じことを何回も何
回も繰り返すのも、手順の確認作業と考え、あたたかく見守ってあげましょう。
夢中になって取り組むことから、記憶力は養われていくものです。
 
このように幼児の記憶力は、決して、机の上だけで鍛えられるものではありま
せん。
 
(4) 常識の領域  
2、3歳の幼児にとって常識とは、やはり、自分のことは自分でやらなくては
いけない、基本的な生活習慣でしょう。第3号で紹介しましたが、「2、3歳
児の心身の発達特徴」を参考にしながら、お子さんの成長を見守ることです。
 
少子化現象から、兄弟姉妹のいる家庭が少なくなり、親が子をかまいすぎるこ
とから、手のかかる子が増えているようです。3歳までは、適切な保護が必要
ですが、3歳に近づくにつれ、子ども自身に自分でやろうとする意欲も芽生え
てきます。簡単に出来ることまで手をかすのは、愛情ではなく過保護です。自
発性も、自主性も育ちません。ここでも、失敗は成功のもとです。
 
年令相応に、自分で出来ることを増やしてあげましょう。自力で出来るまで、
試行錯誤を積み重ねますから、知的な能力も育まれます。そして、モンテッソ
ーリの「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」を忘れないように心がけてく
ださい。
注 モンテッソーリ
イタリアのローマで医師として精神病院に働き、知的障害児へ感覚教育を実施
し知的水準を上げる効果を見せ、1907年に設立した貧困層の健常児を対象
とした保護施設「子どもの家」において、独特の教育法を完成させた。以後、
モンテッソーリ教育を実施する施設を「子どもの家」と呼ばれるようになった。
     (ウィキペディア フリー百科事典より)
 
「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」
講談社から発売された、相良敦子著の本の題名
 
白百合学園幼稚園を受験される方、必読の書です。説明会は、モンテッソーリ
教育の話が中心になっているからです。
 
(次回は、「ご家庭で伸ばせる基本的な能力開発 (2)」についてお話しま
しょう)

さわやかお受験のススメ<保護者編>何といっても、クリスマスと大晦日ですね

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2017さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第8号-
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第2章(3) 何といってもクリスマスと大晦日ですね

 
メリー・クリスマス! 
ところで、「なぜ、サンタさんは、トナカイの引くそりに乗ってくるのかな?」
と尋ねられことはありませんか。前号で紹介しましたクラーク・ムーアが、自
分の子どものために書いた「サンタクロースが来た」の中で、「サンタは8頭
のトナカイの引くそりに乗り、世界中の子ども達にプレゼントを配る」と書か
れており、これを踏まえて、ロバート・L・メイという通販会社の社員が娘に
書いた詩が元となり、童話「ルドルフ赤鼻のトナカイ」が発表され、アニメ映
画となり、例の「真っ赤なお鼻のトナカイさんは♪……」の曲が生まれ、世界
中に広がったそうです。(Santaxus.comより) 
作詞者の仕事が通販であることが、何やら訳ありで、面白いではありませんか(笑)。
 
★★なぜ、大晦日というのですか★★
いよいよ日本のことです。12月31日を、なぜ、大晦日というのでしょうか。
これも訳ありなのです。
 
1年間の最後の日を大晦日(おおみそか)または、大晦(おおつごもり)とも
呼びます。「晦日(みそか)」とは、毎月の末日のことです。一方、「晦(つ
ごもり)」とは、「月の隠れる日」すなわち、「月籠り(つきごもり)」が訛
ったもので、どちらも毎月の末日を指します。“1年の最後の特別な末日”を
表すために、2つの言葉のそれぞれに「大」をつけ、「大晦日」「大晦」とい
います。
〔いろは事典 http://iroha-japan.net/iroha/A01_event/13_omisoka.html]
 
月の運行状況を思い出してください。太陽と月と地球が一直線になると、月は
地球から見えなくなりますが、この状態から月が始まることから「朔(さく)」
や「新月」といいます。三日ほどすると細い鎌形の月が見え、次第に大きくな
り満月、十五夜となり、そして次第に小さくなり、やがて見えなくなりますが、
この状態を「月隠り」といいます。月が地球を一回りするには一ヶ月かかりま
すから、月の始まる新月の状態「朔」を訓読みして「ついたち」、また月の始
まる「月立ち」が転じて「ついたち」と呼ぶようになったのです。また、月末
は月がこもって晦(くら)いので「晦日(つごもり)」といいます。
 
太陰太陽暦では、1ヵ月を大の月は30日、小の月は29日と定めていたので、
今のように31日の月はありませんでした。そして、月末を三十日と書いて
「晦日」と呼び、12月31日は、その年最後の月末ということで、「大」を
つけて大晦日となったわけです。
 
5千円札の肖像に使われた樋口一葉の作品に「大つごもり」がありますが、一
葉の筆力を絶賛したのは文豪、森鴎外でした。では、一葉の結婚する相手はど
なたであったかご存知でしたか。何と、夏目漱石なのです。
 
「樋口一葉の父親が夏目漱石の父親と同僚だったために、二人の間で結婚話が
進んでいました。ところが一葉の父親が亡くなり、一葉自身も二十四才で亡く
なったため、この話は立ち消えとなったそうです。(中略)もし、夏目漱石と
樋口一葉が結婚していたら、どんなに文才のある子が生まれていたことでしょ
うか」    (「つい他人に自慢したくなる無敵の雑学」 
なるほど倶楽部 編 角川書店 刊 P182)
 
それを残念に思い、財布の中で逢う瀬を設けたのが大蔵省造幣局。漱石は千円
札ですが、お役人にしては、粋なはからいではなかったでしょうか、とは考え
すぎでしょうね(笑)。樋口一葉記念館は、「たけくらべ」の舞台となった台
東区竜泉町にあります。
(http://www.taitocity.net/taito/ichiyo)
 
★★一家総出の大掃除★★
これは、よく覚えています。大晦日は、新しい年へ続く大切な日で、お正月の
神様を、ご先祖様と一緒に迎えるために、まず、神棚と仏壇をきれいにし、家
の中や外も掃除したものです、しかも雑巾掛けです。私の役目は外の手の届く
所で、寒い時期ですから、手は真っ赤になり、ズキン、ズキンと痛み、ズルズ
ルと鼻水の出る、きつい仕事でした。現代風の建物と違って木造で、障子は紙
ですから、水をかけて洗うわけにはいかないのです。       
                            
そして、今、考えると大変だったと思うことがあります。当時の燃料は薪(ま
き)でした。煙は煙突から外に出るようになっていますが、燃えたときに出る
煤(すす)が、どこからともなく侵入して、部屋を、かすかに汚すのです。電
気掃除機などなく、はたきと雑巾で、こまめに掃除をしていたのですが、この
煤ばかりは、さすがの母もてこずっていました。それで「煤払い」といって、
竹竿の先にわらを縛りつけ、日頃は手の届かない所まで、煤やほこりを取った
のです。普段、手をつけない所まで徹底的に掃除をし、正月の三日間は何もし
ません。ほうきで畳を掃くと、「福を掃く、福が逃げる」といって嫌ったもの
で、大晦日は掃除納めでもあったのです。今は元日でも掃除をしていますが、
電気掃除機は掃くのではなく吸い集めますから、「福を集める」でいいのかも
しれません。
 
★★なぜ、大晦日にそばを食べるのですか★★
年越しそばは、「細くて長いそばを食べて縁起をかつぎ、長生きできるように
願ったもの」といわれています。また、そばは切れやすいことから、「一年分
の苦労や災いを切り捨てる願い」もこめられていました。「細く、長く、切り
捨てる」と縁起をかついでのことと思っていましたら、これも訳ありでした。
昔、金を使い細かいものを作っていた職人を金箔師といいますが、仕事場を掃
除する時に、そばのだんごで畳のへりや透き間を叩いて、飛び散った金箔を集
めたそうです。そこから、「そばは、金を集めて縁起がよい、そばで金を集め
る」という縁起となって、来年もお金がもうかることを願い、そばを食べるよ
うになり、江戸中期から始まった習わしといわれています。
そばの味を引立てる薬味に欠かせないのが葱(ねぎ)ですが、これにも面白い
いわれがあります。
 
葱(ねぎ)は、心を和らげる意味の「労(ね)ぐ」に通じて、それが祓い浄め
る神職「禰宜(ねぎ)」ともなって、今年の汚れを払いぬぐって心安らかに新
しい年を迎えようという、語呂合わせでもある。また、年越しそばを食べ残す
と、来年の小遣い銭にこと欠くともいわれている。    
〔年中行事を「科学」する P251 永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕
 
年越しそばを食べ残す話は、お雛さまを長く飾っておくと、お嫁に行きそびれ
るのと同じ縁起かつぎです。しかし、現代っ子は、年越しそばを食べています
かね。ラーメンやスパゲッティの方が好まれているのではないでしょうか。そ
ばは、ビタミンBやたんぱく質、ルチン(ポリフェノールの一種)や植物繊維
を含む健康食品です。私の教室がある本八幡にも、とても美味しい蕎麦屋さん
があります、行列ができると困りますから紹介しませんが(笑)。年越しそば
を食べると、いつもは寝る時間ですが、この日だけは、起きていても怒られま
せん。長く起きていれば起きているほど長生きできるということで、眠りたが
る子どもまで、無理に起こしたものです。
 
当時の遊びは、カルタ、すごろく、トランプで、「ババ抜き」や「7並べ」、
「神経衰弱」などをやっていました。相手がいる遊びですから、負けてはなる
ものかと真剣に戦っていました。現代っ子は、一人でゲームをする機会が多す
ぎませんか。ゲームの結果に一喜一憂する相手がいるからゲームが成り立ち、
自分が負けていても止めるわけにはいきません。ましてや、リセットボタンを
押して、再戦などもできません。「勝っても負けてもみんなで楽しむ」、これ
も大切ではないでしょうか。負けが続いて悔しがると、適当に手を抜いて勝た
せてくれた母を思い出します。(感謝)
 
★★除夜の鐘の意味★★
除夜とは、「古い年が押し退けられる夜」の意味で、大晦日の晩です。行く年、
来る年も、除夜の鐘が鳴らなくては決まりがつきませんが、これにもいろいろ
とわけありです。
 
「除夜の鐘は煩悩を解脱し、罪業の消滅を祈って百八回つくとされ、中国では
宋の時代から始まった。日本では鎌倉時代に禅寺で朝夕行われていたが、室町
時代からは大晦日だけつくようになった」
(年中行事を「科学」する P251)
 
私の子どもの頃は、夕方の鐘が門限時間でした。なぜか、お寺の鐘というと、
「烏の鳴き声」「山に沈むお日様」「夕焼け」の3つが浮かんできます。童謡
「夕焼け小焼け」の世界です。
   
夕焼け小焼け
作詞 中村雨紅  作曲 草川 信
一 夕焼け小焼けで日が暮れて    山のお寺の鐘がなる
  お手てつないでみなかえろ    烏といっしょにかえりましょう
  
二 子供がかえったあとからは      まるい大きなお月さま
  小鳥が夢を見るころは        空にはきらきら金の星
 
私の住んでいる川越では、冬の間、午後4時になると、このメロディが流れて
きます。天気がよければ、真っ赤に染まった西の空に雪をいただいた富士山が
見え、やがて薄墨を流したような夕闇が空を覆い、宵の明星が輝きを増してき
ます。いつ見ても飽きない日本の素晴らしい夕暮れです。
 
話を戻しまして、百八つの鐘のつき方ですが、きちんとした決まりがあるので
す。
 
「五十四声は弱く、五十四声は強く打つ百八回の鐘は、百八つの煩悩を洗い清
めるためである。百七つ目は最後の宣命といい、ゆく年の最後に鳴らして煩悩
が去ったことを宣言し、百八つ目は、最初の警策といい、来る年の最初につい
て、新たなる年を迎えるにあたって煩悩に惑わされぬよう、眠りを覚ますとい
われる」       (年中行事を「科学」する P251)
 
宣命とは、宣命体で書かれた天皇の命令のことであり、警策とは、禅寺で座禅
の時に、ピシッと肩を打ち据える、あの棒状の板のことですから、決意の程が
わかります。
 
ところで、平家一門の栄華と滅亡を描いた名作「平家物語」の序、「祇園精舎の
鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす」
と「鐘の声」になっていますが、「鐘の音」では響きが悪いですね。沙羅双樹の
花は、別名ナツツバキといい、夜明けに咲き夕方に散ることから、世の無常の
象徴として記されている白い花で、めったにお目にかかれませんが、この花で
知られているのが、京都市左京区にある妙心寺の塔頭(たっちゅう)山内にあ
る小寺院東林寺です。私が見たのは樹齢三百年といわれていた古木でしたが、
今花を咲かせているのは二世の若木だそうです。緑の苔の上に散り落ちた白い
花とのコントラストが鮮やかで、釈迦の教えである「今日すべきことを明日に
伸ばさず、確かにしていくことがよき一日を生きる道である」を、身をもって
示している雰囲気があり、一見の価値はあります。ホームページでも見ること
ができますが、毎年6月の中旬から7月の初旬まで「沙羅双樹の花を愛でる会」
として公開されています。妙心寺は大きなお寺で、一度は訪ねておきたい京都
の名刹です。
 
★★百八つの煩悩(ぼんのう)って何ですか★★
人間には、百八つの悩みや欲張りの心があり、これを煩悩といいますが、私た
ち凡人は悩み多き日々を送るのも当然なのです。
 
「煩悩」とはなんだろう。サンスクリットではクレシャーと言って「心を怪我
しそこなうもの」を意味し、心をわずらわし、身を悩ます心の働きであり、悟
りという最高の目的の実現を妨げるすべての心の働きである。
(年中行事を「科学」する P251)
 
「お盆の始まり」(7月)で紹介しますが、「子煩悩」という言葉があります。
わが子を並はずれにかわいがることですが、子どもは迷いのもと、苦しみのも
とであって、「子は煩悩のもと」という意味から転化したものだそうです。子
煩悩にはまったお母さん方は、子どもの自立を妨げていることを忘れてはなり
ません。自立心が育まれなければ、自ら取り組む意欲、自発性が育たないから
です。「やるぞ!」といった気力がありませんから、「やった!」という達成
感もありませんし、「次に何をやろうかな?」という関心もありません。無気
力、無感動、無関心、全部「無」です。子どもの成長を支える原動力は意慾で
あり、達成感であり、好奇心です。自立を妨げる育児は、過保護であり過干渉
であることを肝に銘じておきたいものです。
 
煩悩の根源は一般に貪(とん)、瞋(しん)、痴(ち)とされ、これを三毒、
三惑などという。「貪」とは「むさぼり」であり貪欲である。「瞋」とは「目
をむいて怒ること、瞋恚」であり、また嫌悪、悪意でもある。「痴」とは「お
ろか、真実をわきまえない痴愚」である。「痴」はサンスクリットではモーハ
mohaというが、モーハという音が「ばか」となって慕何、莫詞、莫迦など
と音訳され、後には「馬鹿」と当て字で書かれるようになった。
(年中行事を「科学」する  P252)
 
「貪」は貪欲、「痴」は音痴などでわかりますが、「瞋恚」は難しいですね。
「仏教の十悪」の一つで、自分の心に逆らうものを憎しみ怒ることです。この
三つから解脱できると悟りの境地に至るのでしょうが、やはり凡人には無理な
話です。「解脱」の「解(げ)」ですが、解熱剤を「かいねつざい」と読み笑
われたことがありましから、解脱などとてもできない相談ですね(笑)。
参考までに「仏教の十悪」を紹介しておきましょう。
・身の三悪(正行・しょうぎょう 悟りを得るための正しい行い)
 殺生(せっしょう)無意味に他人や衆生(生きとしいける一切のもの)の命
 を奪うこと。
 偸盗(ちゅうとう)盗みのこと。
 邪淫(じゃいん)淫らな異性交流のこと。
・口の四悪(正語 悟りを得るための言葉の災いの戒め)
 妄語(もうご 嘘をつくこと)
 綺語(きご 奇麗事をいって誤魔化すこと)
 両舌(りょうぜつ 二枚舌を使うこと)
 悪口(あっく 他人の悪口をいうこと)
・意の三悪(正思 悟りを得るために邪淫になる欲望)
 貪欲(とんよく 欲深いこと)
 瞋恚(しんい すぐ怒ること)
 愚痴(ぐち 恨んだり妬んだりすること)
     (「通信用語等の基礎知識」より)
口の四悪、意の三悪の(  )内の文言は、わたし流の勝手な解釈です、読み
流してください。
では、百八つの悩み、煩悩の正体は何をいうのでしょうか。
 
人間には六根という六つの感覚器官-目・耳・鼻・舌・身・意-を持っていて、
それぞれ六境という六つの対象-色・声・香・味・触・法を理解する。そのと
き三不同-好・平・悪の受け取り方があり、その程度は染・淨の二つに分かれ
る。そのすべてが、過去・現在・未来の三世にわたって、人を煩わし、悩ます
のである。
  6  × 3  × 2 ×  3 =108
(六根) (三不同) (染淨) (三世)  合わせて百八つの煩悩という。
(年中行事を「科学」する P252)
六つの対象の最後の「法」とは、仏教の説いた真理のこと。何だか難しくなっ
てきましたが、わたし流に解釈すると、こういうことではないでしょうか。
「好・平・悪の受け取り方」は、感度良好、普通、感度不良、「染淨」の「染
は物を色水に浸して色を付ける」意味ですから影響を受ける、「淨は水が静か
におさまって濁りがない」ですから影響を受けないことでしょう。まだ、あり
ます。
 
人間の六根には、三不同という好・平・悪の受け取り方の他に、三受という楽・
捨・苦の感じ方があり、そのすべてが過去・現在・未来の三世にわたるので、
6  × (3 + 3) ×  3 =108
   (六根) (三不同) (三受) (三世)  という解釈もある。
(年中行事を「科学」する P253)
またしても、わたし流ですが、三受という楽・捨・苦の感じ方は、楽しむ、感
知せず、苦しむということでしょう。まだ、あります。
 
その他に、1年は12カ月で、1年には二十四節気、七十二候(時節、時期)
があるので、 12+24+72=108として、その時々に人を悩まし迷わ
せるものが合せて百八つの煩悩があるという説がある。
(年中行事を「科学」する P253)
 
これが分かりやすいですね。二十四節気とは、季節の変わり目を示す春分、夏
至、秋分、冬至などの節分を基準に1年を24等分して15日ごとに分けた季
節で、七十二候は、二十四節気を約5日ずつ3つに分け暑さ、寒さから見た時
節のことです。私たち凡人は、いついかなる時にも煩悩に悩まされる愚かな人
間ということでしょうか。二十四節気については、6月に詳しくお話しします。
 
語呂合わせのようなものもあります。四苦八苦(4×9=36 8×9=72)
合わせて108、素直に肯いてしまいますね(笑)。
 
「牛に引かれて善光寺参り」でおなじみの善光寺、一宗一派に拘らず、全ての
人に極楽浄土へ導く教えを説く、日本人的な心の持ち主であらせられる御本尊、
一光三尊阿弥陀如来様を祀る本堂の柱は、何と108本だそうです。ところで、
なぜ、「牛に引かれて善光寺参り」というのでしょうか。
 
昔、善光寺の近くに住みながら、信仰心など持ち合わせていなかったおばあさ
んが、ある日さらしておいた布を、隣の家の牛が角に引っ掛けて走り出したの
を見て、それを追っていくうちに、いつの間にか善光寺に駆け込み、それが縁
で深く信仰することになったという説話から、「自分の意思からではなく他人
の誘いで、思いがけない結果を得たり、よい方面へ導かれることのたとえ」と
して使われます。
(学習研究社 四字熟語辞典より)
 
さらに驚いたことに、念仏を唱える時に使う数珠ですが、一つ一つは百八つの
煩悩を表し、正式には108個の珠から成り立っているそうです。しかし、皆
さんのお持ちの数珠は、108の半分か四分の一ではないでしょうか。材料は、
モクゲンジの実、サンゴ、水晶ですが、モクゲンジの実から出来ている数珠で、
念仏を20万遍唱えると天界に生まれ、百万遍唱えると極楽に往生するそうで
す。1日1回唱えても1年で365回、これは大変なことですね。
 
先程お話ししました「六根」ですが、六根から起こる欲望を断ち切り清浄にな
ることを「六根清浄(しょうじょう)」といいますが私にも体験があります。
禅寺で修行をし、煩悩から解脱したのではなく、昔、親父と富士山へ登った時、
「六根清浄、六根清浄!」と唱えながら頂上を目指したものでした。欲望を断
ち切り、清らかな気持ちになって登ることでしょう。何しろ「霊峰富士」です
から。しかし、のどは乾き、お腹はすき、足は棒のようになり、くたびれ果て
て苦しかったのですが、頂上へ着いた時の爽快さ、あれが六根清浄の心境でし
ょうか。
 
今はNHKの紅白歌合戦の後に、「行く年、くる年」で、全国の名鐘の声を聞
けるのも有難いことです。本来除夜の鐘は、鐘の声を聞きながら、今年1年に
犯した様々な罪を悔い改め、煩悩を取り除き、清らかな心で新年を迎えるため
のものでした。外に出ると、月は青白く輝き、あたりはひっそりと静まり、も
の凄く寒かったものでした。大気が汚染されていませんから、冷気を妨げるも
のがなく、音を遮る高層ビルなどありませんでしたから、除夜の鐘の声が遠く
からでもはっきりと聞こえ、子ども心にも何やら心に迫るものがあったと記憶
しています。今はどうでしょうか。車の音の絶えることもありませんから、静
かに、厳かにとはいかないでしょう。
 
ところで、日本人は不思議な民族ですね。12月から1月にかけての行事をみ
ても、クリスマスを祝い、除夜の鐘で煩悩を除き、正月には神社へ初詣をしま
す。キリスト教、仏教、神道の行事、イヴェントが生活に入り込んでいる国で
す。矛盾だらけの日本でも、私はこの国に生まれたことを感謝しています。こ
の気持を子ども達に伝えたいのです。力不足でさばききれないかもしれません
が、こういった形式で進めたいと思います。お父さんもお母さんも童心に返り、
行事や昔話を、お子さんと一緒に楽しみ、受け継がれてきた日本の文化を伝え
てあげましょう。そこから家庭の文化は生まれます。大切な、大切な心の教育
は、ご家庭で作り上げた文化に礎があり、そこから生まれてくるものだと私は
確信しています。第三者にゆだねて身につくものではありません。
 (次回は「12月に読んだあげたい本」についてお話ししましょう)
 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>よく聞かれる質問にお答えします

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第25号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>幼稚園の入園テスト(4) その他のテスト

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第7
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幼稚園の入園テスト(4) その他のテスト
 

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろと訳ありです。
街にはジングルベルのメロデイが流れ、至る所で、赤、緑、白の3色が目に入
ってきますが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリ
ストの永遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツ
リーは、アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不
滅の生命の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星
といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、刺はキリス
トの受難、赤い実はキリストの血を表したもので、節分に使う柊とは別種。そ
して、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中でも、その日を特定
していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最近まで知りません
でした(笑)。
(拙著メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
12月11日号より)

お子さんが楽しみにしているクリスマス、1年に1回夢のかなう日、楽しいひ
と時をお過ごしください。

   「大きなお花には、大きな蝶々をつけてあげましょう」
   「小さなお花には、小さな蝶々をつけてあげましょう」
   「(テーブルにどんぐりや葉っぱが置かれている)
    どんぐりを3個持ってきてください」
                   (日本女子大学附属豊明幼稚園)

大小の弁別、推理、手先の巧緻性などをみています。といっても幼児ですから、
難しいことを要求されるわけではありません。大きいもの、小さいものを組み
合わせ、それをどのようにつけるかを考え、指をうまく使い、丁寧に取りつけ
るだけのことです。

スプーンを使って食事ができる頃から、手先を使う作業も急速に増えていると
思います。「手は第二の脳」といわれる程、知的な能力の開発と深くかかわっ
ています。
例えば、絵を描くことを考えてみても、とてつもなく時間がかかり、試行錯誤
の連続であることがわかります。クレヨンや鉛筆などでのなぐり書きから始ま
り、線が引け、○や△が描け、顔から手足が出ている人間に体がついたと思う
と、手足が電信柱のように真っすぐ伸びたままの状態が続き、やっと手も下に
おり、顔も人間らしくなるのは、年長さんの頃になりますから、促成栽培は不
可能なのです。ですから、挑戦するお子さんを、しっかりとサポートする必要
があります。

現代っ子は、手先を使う作業を苦手とする傾向にあるといわれていますが、幼
児期に、こういった作業を、あまりやっていなかった結果ではないでしょうか。
糊の使い方を見ても、うまくできないのは使った経験が少ないからです。セロ
ハンテープという便利なものが、主役になっているから使わないんですね。本
当は、糊には大変、有益な教育的配慮がなされています。
ふたを開けるには両手を使いますし、適量を取るには塗る面積から推し量らな
ければならないし、まんべんなく塗らなくてはうまく貼れません。これらの一
連の作業は、いってみれば、目から入った情報を脳が瞬時に判断を下し、指に
司令を出し、指も即座に作業に入り、作業の状況は常に監視され、うまく終了
するまで三者がリアルタイムで協力するわけです。
手先の器用な子の知的な能力も高いのは、こういった作業を通して鍛えている
からではないでしょうか。手を使う作業は、とても大切であることを忘れない
でほしいですね。

   「先生の作ったお手本と、同じように作ってみましょう」
                       (桐蔭学園幼稚部)
      
積み木を使った模倣構成です。ほとんどの幼稚園で出題されているようです。
お手本と同じ物を作るのですから、それほど難しいものではありません。3、
4歳児なら、いつも夢中になって遊ぶことですから、手本を食い入るように見
て、挑戦するはずです。
ご家庭で遊んでいるときに、
「何を作っているの?」
と話しかけて、上手にほめ、さらに制作意欲を持たせるように心がけているお
母さんなら、何ら心配ありませんね。好奇心の盛んなお子さんは、大人の頭で
は想像できないものを作るものです。

模倣構成は、単にできるだけではなく、自由に構成させながら、「どういった
ものを作るのか」と創造性をみたり、用意された一定の枠中へ積み木をはめこ
むといったパズル形式の積み木構成から、形の理解、観察力などをみる場合も
あるようです。
こういった問題に共通しているのは、
「自分でやってみようという積極性、取り組もうとする意欲が、3、4歳児に
ふさわしい成長をしているか」
を判定していることです。つまり、自分でやってみる姿勢、意欲、そこから幼
児にふさわしい好奇心が芽生えているかどうかが、わかるのです。

何もかもお母さんが世話を焼きすぎると、好奇心が育ちにくくなるだけではな
く、依頼心が強くなるばかりです。依頼心が強くなると自主性が育たず、わが
ままで、飽きっぽい性格の子や、意気地のない消極的な子になりがちです。こ
ういったテストに取り組む姿勢から、育児のあり方がわかるのです。年長さん
になっても、はしをうまく使えない子の性格はわがままで、過保護な環境で育
てられた場合の多いことも知ってほしいですね。

「むかし、あるところに、クマの親子が住んでいました。ある日のこと……。」

先生の熱のこもった口調で、紙芝居が続けられています。熱心に聞いている子、
目を輝かす子、そうかと思えば、絵のかわるときだけ見て、すぐにキョロキョ
ロはじめる子、話の筋を知っているのでしょうか、あまり興味を示さない子、
といったように、紙芝居を見る子どもの態度は、さまざまです。
そういった態度などから、家庭における躾のあり方や性格、先生方の質問に答
える内容から、3、4歳児にふさわしい理解力や言語能力が発達しているだろ
うかといったことから、子どもらしい興味や関心の程度までわかるものです。

普段から、お母さんが本を読んであげ、その話を楽しく聞いていれば心配あり
ません。
この時に、簡単な質問をして内容を振り返ると、さらに効果的です。ただし、
「おもしろかったでしょう」の言葉がけは、注意が必要です。これは読んであ
げた親の考えであり、子どもの感性とは違うからです。例えば、「ノンたん、
頑張ったわね。ユキちゃん、どう思いましたか」などと、物語を一緒に楽しむ
雰囲気を作ってあげることです。
また、読み聞かせの効果があるからといって、時間を決め、強制的に話を聞か
せるようなことは、やらない方がいいでしょう。幼児は、興味を示さない限り
集中できないからです。
寝る前に話を読んであげる、これは習慣になりやすく、興味を持続させる効果
もあるようですが、いずれにしろ、お子さんに適した方法を見つけてあげるこ
とが大切です。
余談になりますが、昨年の6月、久しぶりに説明会を再開した横浜雙葉小学校
の学園長は、「お子さんに寝ながら本を読んであげる習慣が少なくなっている
のではないでしょうか」と懸念されていましたが、皆さん方はどうでしょうか。

女の子は比較的、おとなしく話を聞く習慣が身についているものですが、元気
で活発な男の子の場合は、なかなか手を焼くものです。試験間近になっての促
成栽培はききませんが、普段から両親をはじめ、友達の話を、しっかり聞く習
慣を身につけるように心がけていれば、問題はないはずです。大切なのは、お
母さんが、お子さんの話をきちんと聞いてあげることです。「話を聞く態度」
について、お子さんはいかがでしょうか。

紙芝居の代わりに、先生が絵本を読んだりお話をしたり、こういった小道具を
使わずに、先生のお話だけを聞く場合もあります。そして、「今のお話には、
どんな動物が出てきましたか。その動物の絵を取ってきましょう」といった設
問を受け、その反応をみる幼稚園もあります。話の理解、指示行動の様子から
言語能力の発育、そして、ご家庭の育児の姿勢までみていることはいうまでも
ありません。

以上、4回に分けて、名門幼稚園で実施されているテストを分析してみました
が、どういった子どもを求めているか、おわかりいただけたと思います。

 ・先生の話を理解できる。
 ・指示に従い行動できる。
 ・自分の考えを伝えることができる。
 ・一所懸命に取り組む意欲がある。
 ・運動機能が年令にふさわしい発達をしている。
 ・自立心があり、生き生きとしている。
 ・集団生活を送るのに必要な社会性(協調性・自主性・自己統制など)を備
  えている。
 ・基本的な生活習慣(挨拶・衣服の着脱・排泄・後片付けなど)が身につい
  ている。

こういったことが、「お子さんの年齢にふさわしく身についている子ども」と
いえるのではないでしょうか。ここで、忘れてならないのは、お子さんの生ま
れ月、月齢です。社会性や生活習慣は、月齢を無視すると、お子さんに無理な
負担を強いることになりかねません。
8つの条件が完璧に備わった子という意味ではなく、心身共に3、4歳にふさ
わしい発育をしている子ならば、このような発育をしているだろうと考えまし
ょう。8つの条件に優先順位はありません。1.2.3.と数字で表さなかっ
たのも、そういった意味があるからです。

このように、入園テストは、子どもたちの行動に表われたこと、それを客観的
な目で観察し、採点するものです。ということは、テストを通して「どういっ
た育児をしてきたか」、つまり、家庭教育のあり方をみているわけです。入園
テストは、ただ単に、幼児の能力を判定しているのではなく、比重は、むしろ
両親にかかっているといわれる理由は、ここにあります。

それが、一層、明らかに表われるのが面接であり、幼稚園で実施されている面
接は、単なる面接ではなく、「面接試験」とお考えになるといいでしょう。こ
のことをしっかりと理解し、幼稚園側の狙いをつかんでおかないと、たとえ、
お子さんのテストの結果がよかったとしても、幼稚園から招待状は届きません。
入園を目指し、知的な能力の訓練だけに心を奪われていると、ここで失敗しま
す。面接については後日、詳しくお話しますが、ご両親で真剣に話し合ってい
ただきたいのは、「なぜ、この幼稚園を選ぶのか」、このことです。
ご両親の意見が噛み合っていなければ、被害をこうむるのはお子さん自身だか
らです。
(次回は、「ご家庭で伸ばせる基本的な能力開発」についてお話ししましょう)

 

さわやかお受験のススメ<保護者編>何といっても、クリスマスと大晦日ですね 師走

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2017さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第7号-
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第2章 (2) 何といっても、クリスマスと大晦日ですね  師 走

クリスマスが近づきました。
お子さんへのプレゼント、手に入りましたか。娘がサンタに頼んだのは、リカ
ちゃん人形の2代目ボーイ・フレンド「藤原まさと君」。手に入らず、イブの
夕方に東京のデパートで見つけ、冷や汗をかいた経験があるからです、30数
年前の話ですが(笑)。

★★なぜ、七面鳥の受難日なのですか★★
これも、わかりませんでした。七面鳥は高価ですから、庶民はチキンで済ます
のではないでしょうか。私は焼き豚、それもタンの塩焼き、タン塩が好きです
が、関係ないですね。七面鳥、やはり訳ありでした。    
                            
オランダの清教徒が1620年に、メイフラワー号に乗ってアメリカのプリマ
ス港に着き、初めて食卓に乗せた肉が野性の七面鳥であった。清教徒は、キリ
スト教を布教するために苦労をしてアメリカを開拓したが、彼らの「生命の支
え」となってくれた七面鳥を神に捧げて感謝した。初心を忘れないようにする
ために、クリスマスには昔の苦労をしのんで七面鳥を食べるのである。もっと
も今日のアメリカでは七面鳥は感謝祭(11月の第4木曜日)に欠かせない料
理となり、クリスマスの食卓にはチキンが運ばれることが多い。       
〔年中行事を「科学」する P247-248 永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕

日本でも、これに似た習慣がありました。「ありました」と、またしても過去
形になるのは、今では家で炊くこともないからです。「赤飯」、またの名を
「おこわ」ともいい、米に赤あずきを加えて蒸したもので、結婚式などのお祝
いの席でしか、お目にかかれません。この赤飯には、「初心を忘れるな」とい
う戒めがあったのです。米が大陸から日本に伝えられたときは、今のような白
米ではなく、赤米でした。あわやひえ、山芋が主食であったことを考えれば、
炊きたての白米は、本当においしかったに違いありません。どの民族も、同じ
ような経験を積んで、歴史を刻んでいることがわかります。若い皆さん方には
信じがたい話でしょうが、戦後の食糧難の時代、銀シャリ(麦も芋も何も入っ
ていない白米だけのご飯のこと)は、夢にまで見た憧れの食べ物でした。
敬老の日に町会から赤飯の折り詰めを二箱頂きましたが、前期高齢者の仲間入
りをした家内は、いささか憮然としていましたね(笑)。

★★なぜ、クリスマスにケーキを食べるのですか★★
ヴァレンタイン・デーのチョコレートは、何やらこじつけのような気配があり
ます。しかし、ケーキは、何か意味がありそうです。これも、訳ありでした。

クリスマスケーキは、はじめ薪(まき)の形をしていたため、ユール・ログ
(yule log)といわれていた。クリスマスの前夜、果物のなる木の丸太を暖
炉に入れ、前の年の燃え残りから火を移す。新たな火を暖炉にともされる儀
式は聖なるもので、新しい命が生まれると考えられていた。クリスマスの新
しい薪を燃やすことによって家は暖かくなり、家族全員集まって神を讃え、
喜びを分かち合うのである。クリスマス・ログは、公現祭(1月6日)間で
12日間、絶やさず燃やし続け、そのあとは灰を大切にとっておき、やけど
や害虫予防に用いた。聖なる薪を菓子にして喜びを分かち合うしきたりとし
たのが、クリスマスケーキのそもそもの始まりだったのである。
 〔年中行事を「科学」する P247 永田 久 著
 日本経済新聞社 刊〕

初代のケーキは、素朴な味がしたことでしょう。今のケーキは何代目かわか
りませんが、相当、派手になっています。何といっても「デコレーション・
ケーキ」ですから。やはり、感謝の気持ちをこめて食べなくてはいけません。
ちなみに、デコレーション・ケーキは和製英語で、正しくはfancy cakeだそ
うです。このケーキを顔にぶつけ合っておもしろがるギャグがありましたが、
最低です。食べ物がなくて餓死する人々が、世界中にどれほどいるか知らな
いわけはないでしょう。こんなことは、絶対に止めてほしい。
ところで、食べ物を残さない習慣は、幼児期にきちんと身につけるべきです。
私が戦後の食料難を経験した昭和15年(1940)生まれのせいでしょうか。
飽食は、忍耐力を育てない気がしてなりません。そして、食事の際には、
「いただきます」と手を合わせ、食べ物に感謝する気持ちを、しっかりと身
につけておきたいものです。「蓮如 われ深き淵より」や「親鸞」などの作
品を通して、宗教の世界をやさしく説いてくれる五木寛之氏は、こうおっし
ゃっています。

私たちは、イワシやサンマを食べるとき、うまいと思う反面、人間は何と残
酷な生き物だろう、お許しくださいと無意識のうちに考える感覚がどこかに
残っている。しかし、ハンバーガーを食べているときは、そういった感覚は
ほとんどない。ましてやカロリーメイトだったりすると、まったくありませ
ん。食生活がバーチャル・リアリティ化しているのです。その結果、私たち
はまだしも、子供たちは、食生活の上でも、生命の重さとそれを消費して生
きている自分という存在の残酷さを実感するチャンスがなくなっています」
(「他 力」 五木寛之 著 講談社 刊 P144)
バーチャル・リアリティ(virtual reality)
コンピュータの作り出す仮想空間を現実であるかのように知覚させること。
(広辞苑)

イワシやサンマにとって、人間は殺魚犯です。感謝の気持ちを忘れたときか
ら、人は傲慢になるようです。

★★なぜ、サンタさんは、世界共通なのですか★★
白いひげを生やし、丸々と太った、明るく、笑顔のやさしい、とっても善良
なおじいさんで、プレゼントをいっぱい積んだトナカイの引くそりに乗り、
雪の上どころか、空まで飛んでみせ、なぜか、煙突から入ってくるサンタさ
んのイメージは、世界共通です。これも、訳ありでした。  
 
サンタクロースは、1822年に、聖書学者、アメリカのクレメント・クラ
ーク・ムーアー(1777ー1863)が作った、
[ 'T was the Night before Christmas](クリスマスイブのこと)
の詩の中で生まれた。聖ニコラウスを原像としたサンタクロースは、ムーア
ーの詩の中で、白い鬚を生やし、丸々と太った明るい善良なおじいさんとし
て生まれたのである。(中略) 1863年にアメリカの風刺画家、トーマス
・ナスト(1842―1902)による絵が評判をよんで、白い鬚、赤い帽
子に赤い服、長靴をはき、大きな袋をかついだサンタクロースというイメー
ジが定着したのである。
〔年中行事を「科学」する P242・248 永田 久 著
 日本経済新聞社 刊〕

サンタさんのモデルである聖ニコラウスは、十二使徒の一人で、毎年、クリ
スマス・プレゼントを配りにやってきますが、本来の意味は、キリスト自身
が、この世の光として、神様から人々に、プレゼントされたのです。それが、
いつ頃かわかりませんが、キリストからの贈り物となって、サンタさんが配
達人となり、さらに、サンタさんに自分の欲しいものを頼めば、直接、枕元
まで配達してくれるようになったのです。親が、サンタさんの代理人とわか
り、がっかりするまで、長い子では、もの心ついてから小学校の高学年ぐら
いまで、夢を与え続けるのですから、これはすごいものです。

親が困るのは、サンタさんにお手紙を書きたいとせがまれることでしょう。
私は、知りませんでしたが、サンタさんの本部は、フィンランドにあります。
1961年に、フィンランドの郵政省は、正式にサンタさんの住所を、次の
とおりに決めたのです。「サンタのおじさん、日本語、わかりますか?」、
心配ありません。ただし、返信用の切手を同封しなければ、返事はもらえま
せん。これが、サンタさんの現住所です。
MR.SANTA CLAUS
Santa Claus Arctic Circle 96930 Rovaniemi Finland
(Yahoo Japan 知恵袋より)

手紙を出される場合は、パソコンで検索してお確かめてください。お子さん
の夢を破ることのないようにお願いします。

★★なぜ、サンタさんは、煙突から来るのですか★★
こう聞かれて、困ったことはありませんか。これも、やはり訳ありでした。

北欧では、長い冬を前にして、心地よく暖かい日を送るために、煙突掃除が
必要欠くべからざるものであった。サンタクロースが煙突からやってくるこ
とによって子供たちに煙突掃除を手伝わせる大義名分が立ち、子供たちも喜
んで手伝いをするというわけである。
〔年中行事を「科学」する P243 永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕
   
北欧は、なにしろ北極の近くですし、冬ともなれば、お日さまは南の方へ行
ってしまいますから、昼は短いし、夜は長いし、とにかく寒いし、冬は長い
し、何やら「……し、」ばかりで、元気が出なくなります。そんな長い冬を
、暖かく、快適に過ごすには、何といっても暖炉です。熱効率を妨げるのが、
煙突にへばりつく、煤(すす)です。そうです、煙突掃除は、冬の生活に備
えて、欠かせない仕事でした。
「サンタさんが、気持ち悪がって入れませんよ、こんなに汚れていては!」 
子どもは、必死で、快く、真面目に、掃除を手伝います。それはそうでしょ
う、自分の家だけサンタさんが来なかったら大変です。寒い地方に住む人々
の、生活の知恵でしょう。これは、嘘をついてだますのではなく、問題意識
を持たすことです。日本には、煙突のある家は少ないですから、あまり心配
はありませんけれど。        

問題意識、育児でも大事です。命令と指示と強制だけでは、子どもは動きま
せん。子ども自身に意識的にやろうとする意欲をもたせる方が大切で、それ
には、ご両親が良いお手本を見せることです。「率先垂範」、響きのいい言
葉ですね。四字熟語は、悠久の時の流れがしみ込んでいるような気がします。
ちなみに英語では、“example by leadership”だそうです。
(四字熟語データバンクより)

ところで、サンタさんは、夜に来るのがいいですね。
「パパ、今晩は寝ないで、サンタさんの来るのを見るのだから!」
こういう頃の子どもは、本当に、かわいいものです。マンションでは、ベラ
ンダから入ってくることになっているようですが、窓際で寝込んでしまった
子を見ましたけれど、あどけない寝顔が印象的でした。「施し」、あまり響
きのいい言葉ではありませんが、ボランティアと同じように、贈り物という
好意は、密かに行われるところに意義があるのですから、夜更けに、そっと
来るのが、いいですね。

★★クリスマス・カードのルーツ★★      
最後に、クリスマス・カードですが、これは、外国の人には、とても楽しみ
のようです。
日本の年賀状にあたるのでしょうか。しかし、「謹賀新年」とか「賀正」し
か書かれていない年賀状は、味気ないものです。「メリー・クリスマス」と
しか書かれていないクリスマス・カードもあるのでしょうか。メールに変わ
っているかもしれません。

1843年に、イギリスのヘンリー・コールが、知人の画家ホーレスーに絵
を描かせ、クリスマスを祝して知人に送ったのが始まりという。そして、イ
ギリスのヴィクトリア女王が3年後の1846年にクリスマス・カードを送
ったことをきっかけとして、この習慣が世界中に広まったといわれている。 
〔年中行事を「科学」する P243 永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕

ところで、日本でクリスマスが始まったのは、何と永禄4年(1561)。
といってもピンとこないかもしれませんが、上杉謙信と武田信玄が川中島で
戦った年です。ポルトガルの宣教師ビレラが、大阪の堺から本国に送った手
紙に、「堺のキリシタンらは、大いなる喜びと満足とをもって、クリスマス
を祝したり」とあり、これがクリスマスに関するもっとも古い文献といわれ
ています。今のように、人々の間に広がるのは、大正時代まで待つことにな
ります。

★★サンタさんは、お父さんの愛情です★★
子どもの夢を破るのは、いい年をした大人のやることではありません。これ
を先生がやってしまった話を池波正太郎の随筆にあったと12月4日の第5
号で紹介しましたが、こういう話です。

「サンタクロースは、本当はいない。プレゼントは、君のお父さんとお母さ
んが入れておいてくれるのだ」などと、余計なことをいって、(先生が)子
どもの夢をぶち壊してしまうのだそうな。「まったく怪しからん話です」と、
友人は憤慨した。(中略) 平常は会社の激務に追いまくられ、それを癒す深
酒で、帰宅が深夜におよぶ父親がクリスマスの夜には、サンタクロースのプ
レゼントを決して忘れずに、会社の帰りに一人息子のプレゼントを買ってく
る。これを子どもの枕元の靴下へ入れてやるときの友人の姿を思いみれば、
口が腐っても「サンタクロースはいない」とはいえまい。この世、このとき、
彼はサンタ翁そのものであって、他の何者でもないのだ。なればこそ、「サ
ンタクロースは実在する……」のである。「ね、だから、やっぱりサンタク
ロースはいるのだよ。そうだろう」と、私がいうと、友人は泪ぐんだ。
(日曜日の万年筆 P287-288  池波正太郎 著 新潮社 刊)

全国のお父さん方は、この日は子どもの夢をかなえてあげるサンタさんです。
これこそ見返りを考えない親心ではないでしょうか。「無償のほほえみ」は、
お母さん方の専売特許ではありません。余計なことですが、「泪」、いい字
ですね。
  
★★なぜ、冬至に柚子(ゆず)湯に入り、かぼちゃを食べるのですか★★
「12月25日はローマの冬至祭にあたり、この日を境に短かった昼間が次
第に長くなる、不滅の太陽が生まれ変わる日」と紹介しましたが、日本では
「物事が悪いことから善い方へ向かっていく」と考えられ、冬至のことを
「一陽来復」という別名があります。神社では「一陽来復」のお札を配りま
すが、私が子どもの頃には、早稲田大学の近くにある穴八幡神社のお守りに
は「金銀融通のご利益がある」といわれ賑わっていましたが、今はどうでし
ょうか。
この日柚子湯に入ると風邪をひかない、かぼちゃを食べると中風(ちゅうぶ
う 半身不随、腕または足の麻痺する病気)にかからないともいわれていま
す。柚子湯は体が温まり、風邪や神経痛などに効くことや、柚子にはビタミ
ンCとカルシュームを多く含むため、食べても風邪の予防になり、かぼちゃ
はビタミンAが多く含まれ、目や体の健康に役立つと科学的にも立証されて
いる優れものです。また、語尾に「ん」のつくたべもの、にんじん、れんこ
ん、ぎんなん、かんてん、なんきん(かぼちゃのこと)、みかん、きんかん、
ぽんかんなどには、食物繊維やビタミンが多く含まれ、野菜不足になる冬の
食材、果物として欠かせません。これも昔から受け継がれてきた生活の知恵
でしょう。子ども達にはハロウイーンでおなじみになったかぼちゃですが、
食べる方はどうでしょうか。

「12月に読んであげたい本」は、構成の都合上、来春の始めになりますの
で、クリスマスに関する話を紹介しておきましょう。
さすがに、日本の昔話には登場しませんが、外国には、ご存知の「マッチ売
りの少女」など、子どもたちの心を揺さぶる話がたくさんあります。王さま
や大金持ちが頼んでも鳴らなかった教会の鐘が、幼い兄弟の善意から鳴る話
は、仏さまの教えを学ぶ進学教室の子ども達にも大いに受け、毎年、紙芝居
で紹介していました。以前、お話ししましたが、紙芝居には素晴らしい作品
がたくさんあります。アニメーションと違い動きがない分、自力でイメージ
をふくらまさなければならないだけに、想像力を培う優れ物です。図書館で
探して、やってみましょう。きっと、お子さんの喜ぶ姿を見ることができる
からです。
(次回は、「大晦日1」についてお話しましょう)


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>[2]5つの試験形式(5) 面接テスト 

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第24号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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■■[2]5つの試験形式■■ 
(5) 面接テスト

最後は、面接テストです。
ほとんどの学校は親子面接ですが、青山学院初等部、立教小学校、学習院初等
科、成蹊小学校のようにお子様の面接のない両親面接のところもあります。
面接は、ほとんどの学校で考査前に行われていますが、日本女子大学附属豊明
小学校、国府台女子学院小学校のように考査後に、
学習院初等科、成蹊小学校のようにお子さんの考査当日に、
暁星小学校、早稲田実業学校初等部のように一次試験合格者のみに行う学校も
あります。

少し古くなりますが、雙葉小学校は母子面接でしたが、平成20年から父親も
参加する親子面接になりました。これは歓迎しましたね。それまでお母さんが
一人で苦労していたからです。
また、両親面接であった暁星小学校は、平成25年から親子面接になりました
が、試験間近の9月の説明会で公表しただけに、周りの父母の皆さん方から、
「エッ!」といった驚きの声も聞こえ、直前講習に面接の講座を設けた教室も
あったようです。
両親面接の学校は、形式に変更がないか、ホームページに目を通しておきまし
ょう。

小学校側が面接をする目的は、ご両親が考え、実行している育児の方針と小学
校の教育方針に、共通認識があるか、限りなく同じ方向に近づいているかどう
かを知ることです。
まず、大雑把に分けて説明しましょう。
「私どもは、共学で、宗教色のない小学校を希望します」
の場合は、慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、成城学園初等学校、成蹊小学校、
早稲田実業学校初等部、千葉日本大学第一小学校があります。  

「共学で、宗教教育をやっている学校が、いいですね」
となると、ミッション系の青山学院初等部、玉川学園小学校、聖学院小学校、
仏教の淑徳小学校などでしょう。

「男子だけの学校を考えています」
となれば、立教小学校か暁星小学校です。

「女の子で一人っ子ですから、女子だけの宗教教育をやっている学校が、合っ
ていると思いますけど」
たくさんあります。
ミッション系では、雙葉小学校、田園調布雙葉小学校、横浜雙葉小学校、白百
合学園小学校、聖心女子学院初等科、東洋英和女学院小学部、立教女学院小学
校、光塩女子学院初等科、仏教系では国府台女子学院小学部、この辺で勘弁し
てください。

「女の子だけの学校で宗教教育をやっていない学校を希望します」
の場合は、日本女子大学附属豊明小学校、東京女学館小学校、川村小学校でし
ょう。
東京女学館大学は、残念ながら来年3月に閉校となります。

「私どもの子は、一人っ子ですから、受験で苦労させたくないのですが」
となると、大学まである小学校を選ぶことになります。この発想は、あまり歓
迎できませんが、過保護にならないことを祈っています。

「それがいやなんですよ。生きることは競争です。社会人になる前に、自分の
能力を確かめられる受験を体験させておきたいのです!」
となれば高校まである小学校を選べば、いいですね。暁星小学校、日出学園小
学校、昭和学院小学校(短大まであります)、桐朋小学校、桐朋学園小学校、
森村学園初等部でしょう。桐朋は、小学校は共学ですが、中学から国立にある
桐朋中学校は男子校に、調布市仙川にある桐朋女子中学校は女子校と別学にな
ります。

国立市にある国立学園小学校は、幼稚園と小学校だけの特殊な学園で、千葉に
ある聖徳大学附属小学校は、中高は女子だけですから男子は受験となりますが、
目的は名門中学校への受験でしょう。中学校への進学状況は、ホームページで
確認できます。

こういった、大雑把な希望から方向を定めて、それから、それぞれの小学校の
教育方針と我が家の育児の方針が、合っているかどうかを検討するわけです。
       
幼稚舎の教育方針がわかりやすいので、紹介しておきましょう。作文も面接も
なくなりましたが、願書には、志望理由を書きますから参考にしてください。

幼稚舎の徳育の根本は、独立自尊の精神にあります。その規範となるものが、
「幼稚舎修身要領」(10か条)です。これは通信簿の第1ページにも記して
あります。成績よりも前に目を通してほしい大切な事項だという意味です。新
1年生になった時に3つの約束をしますが、「幼稚舎修身要領」の中から特に
大切なものを取り上げたものです。
     1つ、うそをつかない。
     2つ、お父さん、お母さん、先生のいいつけを守る。
     3つ、自分でできることは自分でする。
これは福沢諭吉の精神を表した「幼稚舎修身要領」(10ヶ条)の中から、特
に大切な項目を選んだものです。(「子どもと向かい合う教育」 元慶應義塾
幼稚舎長 川崎悟郎 著 リヨン社 刊)

普段、子どもにいって聞かせていることを考えると、
「うそをついてはいけません!」
「約束は、守りなさい!」
「自分でできることは自分でしなさい、お母さんを頼っても知りませんよ!」
だとします。これを破ると、叱り、諭しているとします。そうであれば、お母
さんの育児の姿勢と幼稚舎の教育方針は、一致していることになります。
そして、共学が自然だと思っているとします。
宗教教育は、両親共に経験がないので、なじめないものがあると考えていたと
します。
大学まであって、受験戦争に参加しなくて済みますし、学部がたくさんありま
すから、将来、目指す道が広いのも魅力だと思っているとします。
通学に約1時間、しかし、体力、気力ともに心配ないとしましょう。
たくさんお金はかかりますが、頼れる祖父母が健在です。冗談、冗談です。幼
児には、「シックス ポケット」があるといわれています。両親には、祖父母
が二人ずついて、教育資金となるポケットが6つあるということです。
こういう図式ができていれば、面接があったとしても、幼稚舎を選んだ理由を、
きちんと胸を張って説明できます。これが、面接の目的です。

幼稚舎の他にも、面接を実施していないのは、桐朋小学校、桐朋学園小学校で、
その理由ですが、以前にも紹介しました、桐朋学園小学校の鈴村元校長の話を
思い出してください。文言は正確ではありませんが、次のような内容でした。

 「大人は、趣味を尋ねられると、本当は、競馬、競輪などの博打が大好きで
も、『趣味は、読書と音楽鑑賞です』と平気でいうものです。演技もできます。
ですから、やっても無駄なのです。本音をおっしゃいませんから。しかし、子
どもを2日間預からせてもらうと、子どもは正直ですから、みんな本当の姿を
見せてくれます。育てられている環境は、わかります。ですから、私どもでは、
面接をしないのです」 (注 桐朋学園小学校のテストは二日間)

その通りではないでしょうか。大人は、猫をかぶりますから、面接は、ニャー
ニャー大会かもしれません。子どもは正直で、演技をしませんから、育てられ
ている環境を、そのまま見せてくれます。
ですから、面接で、つけ焼刃は効かないのです。

また、慶應義塾幼稚舎では、紋切り型のステレオタイプ的な回答が増え、面接
をやる意味がないと考え、廃止したと伺ったことがあります。

なお、国立附属小学校では、お茶の水女子大学付属小学校、学芸大学付属竹早
小学校(子供のみ)、埼玉大学教育学部附属小学校以外は面接をやっていませ
ん。(平成26年12月実施のもので、今年のものではありません)

面接では、付け焼刃は効かないとお話ししましたが、入学試験そのものも、メ
ッキでは駄目なのです。メッキは、はげるものです。以前、紹介しました、あ
るミッション系の校長先生の言葉を思い出してください。

「入学試験に必要な知識や礼儀作法なるものを、泥縄式に詰め込み、『受験準
備、事足れり』とお考えでしたら、それは誤りであることに気づいてほしい」

繰り返しますが、その通りではないでしょうか。赤ちゃんを育てたとき、あれ
これと泥縄式に詰め込みましたか、お母さん。そんなばかげたことは、しなか
ったはずです。子どもの成長に合わせ、一歩一歩、ゆっくりと、一緒に、階段
をのぼってきたのではありませんか。その心は、「できるまで待ってあげよう、
忍の一字」ではなかったでしょうか。小学校は、無理やり受験戦士に育てられ
た子を望んでいません。

子どもの知育は、子ども自身が、「知りたい、識りたい」と、身体、全体から、
ふつふつと湧き出るときに、与えるものであることが大切なのです。モンテッ
ソーリの「その時期に最も活動が盛んになり成長する敏感期」です。お子さん
の成長を見極め、学習するためにふさわしい環境を作ってあげるのが、親の役
目です。主導権は、子ども自身にありです。それを、親が握り締めていないで
しょうか。勉強だけではなく、遊びまでもです。

やはり、親は、教育に関して信念というか哲学を持つべきだと思います。しか
し、これを言うのには、勇気が必要です。小学校の受験にしても早期教育にし
ても、私たち親は、子どものためによかれと思って始めますから、「そんなこ
とは、余計なお世話だ!」となりがちです。

そこで、来年1月から、国立、私立小学校の入試問題を紹介し、就学前に何が
必要なのかをお話ししましょう。誤った受験準備をしないことが、お子さんの
ためだからです。
(面接に関する情報は平成27年12月現在のものです)
(次回は、「よくある質問」についてお答えしましょう) 


さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>幼稚園の試験とは(3)常識問題

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第6
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幼稚園の入園テスト(3) 常識問題  

常識問題とは、入園前の幼児の知的能力の発育状況をみるものです。というと、
「これぞ入園のキーポイント!」と考え、この種の問題(問題という表現が適
切かどうか疑問ですが……)ばかりを、熱心に教え込むお母さん方がいます。
しかし、あえて常識問題とお断りしたのは、入園前の幼児であれば、常日頃、
何かを通して体験している事柄が中心になっているからです。特殊な訓練を受
けなければできない問題はなく、また幼稚園側も、知的な能力だけが高い、い
わゆる偏った成長をしている子を求めているわけではありません。
その誤解を解くために、二、三の問題を分析してみましょう。

(赤いチューリップが3本と黄色いチューリップを5本見せ)
  ・どちらが多いですか。       (学習院幼稚園)
          
(木の絵の下に、柿が置かれている)
  ・柿を1つ拾ってきてください。
  ・柿を3つ拾って、おじいさんに2つ、おばあさんに1つあげましょう。
  ・あなたの家族の数だけ柿を拾ってきましょう。
                    (白百合学園幼稚園)

こういったことがきちんとできるためには、物の名前、色の種類がわかり、先
生の指示することを理解し、行動に移せなくてはなりません。チューリップも
柿も、日常の生活の中で目に触れるものばかりで、幼児向けの絵本でも主役で
す。色も紛らわしくない原色が使われています。先生の指示も簡単でわかりや
すく、しかも用意された小道具を前に話すのですから、この問題文を読んで想
像するよりやさしいはずです。幼児教室などで、楽しく学んでいるお子さんに
とっては、喜んで取り組むことばかりではないでしょうか。こんなとき、お母
さんの手伝いがなければできない消極的なお子さんがいますが、それは子ども
の責任ではなく、そのように育ててきた育児の姿勢に問題があります。

「家では、ちゃんとできるのですが……」
と嘆くお母さん方がいらっしゃいます。お母さん以外の人から、こういった指
示を受けたことがなければ、戸惑うのも当然です。幼児教室の大切な役目は、
「お母さんのもとを離れても楽しいことがあることを知ると共に、お母さん以
外の人の話を聞き、行動に移すことができるようにすること」でもあるのです。
内弁慶であれば、こういったことに対応できなくなりがちです。

また、お母さんと二人で過ごす時間が多ければ、過保護にならないように注意
していても、とかく、かまい過ぎになりがちです。「まだ、ムリだから」「う
まくできないから」と、お母さん自身でやってしまう場合が多いものです。自
ら行動を起こす芽を、知らず知らずに摘み取ってしまった結果といえます。

知能が高いかどうかではなく、こういった事柄が、指示された通りに行動でき
る子に育っているかがポイントなのです。指示どおりに実践できるのは、相手
の話をきちんと理解できることですから、言語に関して年齢にふさわしい発達
をしており、そして人に頼らず自力で行う自立心も培われていることもわかり
ます。それが幼稚園という集団生活を送るための、基本的な条件になっている
ことはいうまでもありません。そういった能力を作り上げる基本は、日常生活
であり、親子の対話にあるのです。

また、「数」にこだわるお母さん方がいますが、4歳児が、たとえ百まで数え
ることができても、数えられることは素晴らしいかも知れませんが、その子の
日常生活と、何らかの関わりがなければ、あまり価値のあることとはいえない
でしょう。3歳児で5前後、4歳児で10以下の数、これが日常生活と直結す
る数です。これだけ知っていれば、毎日の生活に不便はないはずです。
毎日の生活に不便のないことは、年齢相応に、バランスよく発育している証拠
です。
「ケンちゃん、テーブルの上にあるおミカンを3個持ってきて」とはいっても、
「ケンちゃん、ミカン箱から15個、ミカンを持ってきてちょうだい!」とい
うお母さんは、いるわけがないからです。

幼稚園で行われるテストの基本姿勢も、ここにあります。その年齢にふさわし
い日常生活を送っているかを知ることにあるのですから、いたずらに知的な能
力を高めるようなことは、かえって全体のバランスを歪め、他の能力の発達を
阻害する原因になりますから、お止めになるべきだと思います。

(並べられたおはじきを見せて)
  ・どちらが多いですか。合わせていくつですか。
  ・並べられたおはじきに幾つか足して5つになるようにしてください。
(学習院幼稚園)

  ・四角い積み木を3つとってください
  ・三角の積み木を2つとってください
  ・積み木は、全部で、いくつになりましたか
                     (川村幼稚園)

問題は、いずれも、普段、家庭で行われていることばかりであることに、賢明
なお母さん方はお気づきのはずです。
ですから、積み木遊びのときに、また、スーパーマーケットなどへ買い物に行
ったときに、果物の種類と数を指示し、かごに入れさせるなどして、数の理解
ができているかなど、お子さんのできる範囲内でお母さんのお手伝いをさせな
がら、それとなく確かめておく必要がありますね。お子さんにとっても、お母
さんの手伝いができるのは、とてもうれしいものです。
こういったように、生活の中で、数に触れる体験をたくさん積みながら、数に
対する理解を高めていくことが大切です。それにはガイドブックに紹介されて
いる問題をアレンジし、生活の中でやってみることです。こういった体験を通
し、十分な学習ができてから、実際に出題されている問題に挑戦すれば、お子
さんも自信を持って答えることができるはずです。体験することなく、机の上
だけで問題を解く訓練するのは、幼児にふさわしい学習ではありません。

その他の問題を、いくつか紹介しておきましょう。

・イヌやネコなどの動物の絵のパズル(4ピースほど)を組み立てる。(構成)
 (いったん完成したものを見せてから作らせることもあります)

・一ヶ所だけ違う2枚の絵を見せて、
    「2枚の絵の違いはどこですか」(類似差異)

・不足な部分がある絵を見せて、
    「この絵の足りないところを書き足してください」(欠所補完) 

・(丸の紙を3枚、四角の紙を1枚並べておき)
    「どれが仲間外れですか」(仲間探し)

・ 絵を見て、動物、植物、道具などの名前をいい、何に使うかなどを説明する。
(常識)
・いいことをしている子、悪いことをしている子の絵を見て、意見を言う。
(常識)

「構成」とか「類似差異」など、いかにも入試問題といったことをイメージし
やすい言葉を使っていますが、これは出題領域を分類するために使っているも
ので、こだわる必要はありません。

いかがでしょうか。
しつこく繰り返しますが、いずれも毎日の生活の中で、お子さんが遊びを通し
て、体験していることではないでしょうか。来春になれば、入園テストの問題
集も発売されますから、教室の先生に相談されてから、お買いになって調べて
みましょう。そして、お母さんとお子さんが一緒になり、遊びの中で、いろい
ろと工夫し、挑戦してみることです。

その時に大切なのは、問題集をそばに置かずに、問題や設問の意図を理解し、
覚えてしまうことです。お母さんが理解していなければ、お子さんは戸惑いま
すし、問題集を見ながらでは、お子さんは遊びだと思わないからです。
設問は、ゆっくり、丁寧に、きれいな言葉で、話しかけるようにしましょう。
こういったことを体験しておくと、教室で課題に取り組むとき、「あれ、これ
ママとやったことがある!」となり、大きな自信につながるからです。
(次回は「幼稚園の入園テスト 4」についてお話ししましょう)

 

さわやかお受験のススメ<保護者編>何といっても、クリスマスと大晦日ですね 師走

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2017さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第6号-
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第2章 (1) 何といっても、クリスマスと大晦日ですね  師 走

暦の上では、12月から冬です。
物の本によると、冬という読み方は、「冷(ひ)ゆ」からといわれていますが、
他にも、冬が威力を「振るう」、寒さに「震(ふる)う」、動物の出産の時期
である「殖(ふ)ゆ」の意との説もあるようです。
師走(しわす)のいわれは、文字通り、1年の終わりである12月は、何かと
あわただしい日が続き、普段、どっしりと構えている師匠といえども趨走(す
うそう ちょこちょこ走る意)するので、師趨となり、これが「師走」となっ
たという説が有力だそうです。

季節の読み方と陰暦のいわれについては、
「子どもに伝えたい年中行事・記念日 萌文書林 編集部 編 萌文書林 刊」  
を参考にさせていただきました。

12月といったら、何といっても大晦日です。「ちょっと待った!」と、さえ
ぎる声が聞こえそうです。
クリスマスですね、わかっています。子ども達が、最も楽しみにしている日で
すから。しかし、クリスマスはキリスト教の祭りで、12月だけ、にわか信者
になってお祝いするのも、おかしな話ではありませんか。バレンタイン・デー
や最近のハロウィーンほどではないでしょうが、何やら商業主義の笛に踊らさ
れているような気がします。そう考えるのも、私にはクリスマスの思い出が、
ほとんどないからかもしれません。戦争中、キリスト教は敵性宗教ですから、
信者は非国民扱いでした。「え、ウッソー! 信仰は、個人の自由でしょ!」
とは軽薄な言い方で嫌いですが、こんな声が聞こえてきそうです。若いお母さ
ん方には、信じられないでしょう。為政者が、その気になれば、宗教まで法律
で規制できるのですから、恐いことです。

一時、クリスマス・イブは、どんちゃん騒ぎをする日でしたが、今は、健全な
ホーム・パーティーになっているようです。質素に祝うのが、本来の在り方で
す。しかし、毎年思うのは、あのデコレーション・ケーキです。翌日になると、
ぐっと値が下がります。翌日がクリスマスですから、25日に豪勢にとは、や
はり、駄目なのでしょう。子どもの夢ですから、財布のひももゆるみます。

ところで、「26日のクリスマスケーキ」という言葉を聞いたことはあります
か。結婚適齢期があった頃の話ですが、26歳になると「誰も手を出さない」
という意味で使っていたそうです。封建時代の婦道(女性の守るべき道)の名
残で、今どき、こんなことをいったら、袋叩きにあいますね。

それはさておき、北は北海道から南は沖縄まで、全国的に展開され、いや、世
界的な規模でのお祝いですが、キリスト生誕のことは、遠慮しておきましょう、
日本は、仏教と神道の国ですから。何やら、殊勝な態度のようですが、キリス
ト教について、よく知らないだけの話です。
しかし、なぜ、なぜ、どうしてと思う素朴な疑問は、数々あります。
     
★★12月25日は、キリストの誕生日ではない!?★★
「ナヌ……!?」
この歳時記には、筆者の不勉強から「……!?」が再三、姿を見せますが、第
1号は、キリストの誕生日です。読んだときはびっくりしました。例の、とい
っては不敬に当たると思いますが、馬小屋でお生まれになったあのお話は、ど
うなるのでしょうか。いろいろと探っていく内に、何と小さなお子さん用の歳
時記に、実にわかりやすく、説明されているではありませんか。

クリスマスは、イエス・キリストの生誕を祝うお祭りですが、聖書の中では、
キリストの誕生日は特定されていません。4世紀頃、キリスト教が広まるにつ
れて、統一された聖誕祭が必要となりました。その頃、力を持っていたミトラ
教のお祭りに対抗するために、12月25日に決められたといわれています。
(えほん百科 ぎょうじのゆらい 講談社 刊)

ミトラ教とは、ユーラシア大陸(ヨーロッパとアジアの総称 亜欧州)で信仰さ
れていた太陽の神、ミトラスのことで、12月25日はローマの冬至祭にあた
り、この日を境に短かった昼間が次第に長くなる、不滅の太陽の生まれ変わる
日と考えられていました。4世紀になり、この慣わしを取り入れ、「キリスト
こそ、私達の太陽」とあがめ、キリストの誕生日として祝うようになったので
す。信者の皆様方には不敬になるのをお詫びしながら申し上げますが、「イエ
ス・キリストが、この世に生まれたことをお祝いする日」であり、「キリスト
が、神からこの世に送られてきたことを感謝する日」なのですね。「きよし、
この夜」は、やはり、心静かに感謝の心を込めて過ごす日なのです。

ところで、我が国にも馬小屋の前で生まれた方がいらっしゃいます。厩戸皇子
(うまやどのみこ)こと、聖徳太子です。厩戸の名前の由来は、お母さまが宮
中を見回っていた時に産気を催し、馬小屋の前で出産したからだそうですが、
当時(574年 敏達3年)、キリスト教の一派であった景教が、既に中国に
来ていたため、日本にもその話が伝わり、キリスト降誕説話と同じ伝説が生ま
れたのでした。この話は、黒岩重吾の歴史小説を読み覚えているのですが、出
典名は思い出せません。(陳謝)

★★なぜ、クリスマスには「赤、緑、白」の三色になるのですか★★ 
このことです。どうしてクリスマスになると、「赤、緑、白」の三色になるの
でしょうか。12月になると、ジングルベルのメロデイーが流れ、この三色が
街にあふれます。デパートでこの色にお目にかからない売場は、ほとんどあり
ません。私は子ども達に、「赤はサンタさんの着ている服の色、緑はクリスマ
ス・ツリーの樅の木、白は雪です」といい加減な説明をしていました。ハワイ
で見たサンタさんは裸足でしたし、常夏の国ですから「白は雪」とはいえませ
ん。これも、当然のごとく訳ありでした。

クリスマスの色は、赤と緑と白である。キリストが人類のために十字架に流し
た血の色は赤である。キリストの純潔を表す色は白、そしてキリストの永遠の
命を象徴する色が緑である。
 〔年中行事を「科学」する P245 永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕

★★なぜ、クリスマス・ツリーは、樅の木ですか★★
日本では、松の木でしょう。常緑樹は、いつも、みずみずしい姿ですから縁起
物には欠かせません。門松もその一つです。では、なぜ樅の木になったのでし
ょうか、これも訳ありでした。

クリスマス・ツリーは不滅のシンボルとして永遠の生命を表す常緑の木である。
12月24日は「アダムとイブ」の日といわれている。アダムは楽園を追われ
たとき、生命の木から実を一つとってきた。その実から木が育ち、キリストの
十字架が作られたという。クリスマス・ツリーはアダムの持ってきた「善意を
知る木」であり、キリストを表す不滅の生命の木である。
〔年中行事を「科学」する P244 永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕

クリスマス・ツリーは、アダムが楽園から持ってきた実から生まれたとは、こ
れまた驚きです。真冬にも枯れることなく青々と緑を茂らせ、花を咲かせる常
緑樹であることから、「厳冬に耐える生命力にあやかりたい」などと考えるの
は、やはり、不謹慎なわけですね。では、いつ頃からクリスマス・ツリーは、
飾られるようになったのでしょうか。

プロテスタントでは、クリスマス・ツリーは、マルティン・ルーテル
(1483~1546)が、初めて採用したのです。1529年のクリスマスの
前夜、ルーテルが凍りついた雪の道を歩きながら、澄み切った夜空を見上げる
と、無数の星が、美しく輝いていた。この星の輝きを、キリストの愛と感じた
ルーテルは、樅の木を一本切り取り、木の枝にたくさんのろうそくを灯し、感
激した夜の情景を家の中に再現したのである。ギリシャ正教ではケルラリウス
によって、1054年にクリスマス飾りとして採用された。
〔年中行事を「科学」する P244~245 
永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕

都会の空では無理ですが、清里の高原で見た星空は、まさに、星が降ってきそ
うな感じでした。陳腐な表現で申し訳ないのですが、神秘的でしたね。「神秘
的…」、この言葉も、影が薄くなってきたようです。
   
当時のクリスマス・ツリーは、どのようなものだったのでしょうか。

樅の木は、はじめは、ろうそくと林檎(りんご)で飾られていた。人々は、キ
リストの光を表すろうそくと、豊穣を示す林檎によって、明日の命、永遠の命
を讃え、祈った。さらに樅の木は天使が飾りつけをする意味を象徴して、一本
の銀の糸を「天使の髪」といって、飾りつけの最後に何気なく木にかけておく
習わしがある。 (ルビは引用者)
〔年中行事を「科学」する P245 永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕

本来の飾りは、ろうそくとりんごだけで、質素なものでした。今の樅の木は、
華やかです。靴までぶらさげ、物欲の権化のようになってはいますが、子ども
の夢ですから仕方がないでしょう。
ところで、樅の木の天辺に飾ってある星は、キリストが生まれたときに輝いた
星といわれ、「ベツレヘムの星」と呼ばれていますが、それがどの星に当たる
かは、定かではないそうです。

★★なぜ、クリスマス・リースは、柊なのですか★★ 

クリスマスといえば、樅の木が主役だと思っていましたが、玄関やプレゼント
の飾りつけにするクリスマス・リースも外せません。しかし、あれは柊(ひい
らぎ)の葉です。柊は、日本では鬼から身を守る魔除けの一つですが、これも
訳ありでした。

クリスマスシーズンに赤い実をつけ、緑の葉を持つ柊(holly)は、古くか
ら、ローマ人によって魔除けとして、また長寿の木として、サトゥルナリア、
冬至祭にも用いられていたが、キリスト教がこの習慣を引き継ぎ、棘(とげ)
はキリストの受難、赤い実はキリストの血という解釈を与え、クリスマスの愛
の木としたのである。英語で(holly)がholy(神聖な)に通じる縁起もある
のだろう。
〔年中行事を「科学」する P245 永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕

サトゥルナリアは、12月17日から25日まで祝われた古代ローマの祭りで、
農耕神サトゥルナリアを祀り、闇を追い払う冬至祭のことです。ただし、リー
スに使う柊は「ひいらぎもち(Chinese holly)」と呼ばれ、赤い実をつけ、
葉っぱもトゲの形も異なり、節分に使う柊とは同じではありません。

ところで、クリスマスのテーマソングのような
[Silent Night, Holy Night]、日本では「きよし、この夜」
ですが、いいですね。「静かで、神聖な夜」では、ぶち壊しでしょう。日本の
英語教育って、こんなことをやっていたのではないでしょうか。だから、実用
的な英語力が身につかなかったのではと、偉そうなことはいえませんが。
「……いた」と過去形にこだわったのは、2002年度の指導要領改定で、公立の
小学校でも英語の授業が始まり、2018年から「読む英語 “reading”
から、話す英語“speaking”」と実践的な英語教育を目指すことになり、
その効果に期待したいものですが、これも本人の努力次第です。
上智大学名誉教授、英語文法史の大家、渡部昇一氏は、「留学、結構だが、卒
論はきちんとした英語で書かなければならないから大変だよ」とおっしゃって
いましたが、“writing”の難しいことは、皆さんも英作文で苦労され
たのではないでしょうか。卒論は英作文と違い論文ですから、日本語を駆使で
きなければ書けません。このことを承知していないと困ったことになるのでは。
留学に憧れる若者の気持ちはわかりますが、生半可な気持ちではだめだと思い
ますね。

古い話になりますが、ウィリアム・ホールデンとジェニファー・ジョーンズが
共演した映画 “Love is a many splendid thing” を「慕情」と訳した方が
いましたが、これなども、うならされませんか。また、名女優、キャサリン・
ヘップパーンの演じた“Summer time in Venice”は「旅情」です。わずか二
文字の漢字に刺激を受け、映画館へ足を運んだものでした。 
最近の映画は、題名が横文字のままのものが多くなっているようですが、映画
を見てから「なるほど!」と納得させられるようなタイトルが少なくなってい
るようで、残念な気がします。至る所で、横文字が大きな顔をしていますが、
日本語、捨てたものではありません。もっと大切に使うべきだと思いますね。
外国語を深く読み切る力が衰えているのではないでしょうか。
司馬遼太郎の「胡蝶の夢」(新潮文庫 刊 全4巻)などの作品は、幕末から
明治にかけ、オランダ語や英語を苦心惨憺して翻訳した人々の世界を活写した
もので、その大変な努力に、ただ、ただ、頭が下がるだけですが、私たちは、
今、その恩恵を受けていることに感謝しなければいけないのではと思いますね。
“reading”が果たした役目、これも日本の文化を支えてきた原動力の一つで
あることは間違いないでしょう。

漢字仮名交じり文は、私達の祖先が英知を結集して、中国から伝わってきた漢
字から、カナ、ひらがなを作り、完成させた素晴らしい表記法であり大変な文
化財です。あまり知られていないようですが、アジア・アフリカ諸国では、数
学や物理、化学など自然科学を学ぶには、英語やフランス語を習得しなければ
出来ません。日本の高校生は微分、積分を日本語で学んでいますが、それを可
能にしたのは日本の漢字文化なのです。母国語で自然科学を学び研究出来るの
は、世界でも奇跡に近いことでもあるのです。今週ノーベル賞の授賞式が行わ
れましたが、3人の受賞者が生まれたのも、勿論、ご本人の努力のたまもので
すが、自然科学を母国語で学べる素晴らしい教育環境であることも、子ども達
にきちんと教えるべきではないでしょうか。
  (「日本の科学教育は大丈夫か」 
内科医 西岡昌紀 著 WILL 2014年12月号より 抄訳)

今週はノーベルウイーク。子ども達に、日本語で勉強するのが当たり前だと思
っている数学や物理、化学など自然科学を、母国語で学べない国もあることを
話し、授賞式を見て拍手喝采するだけではなく、日本語の素晴らしさを教えて
はいかがでしょうか。
(次回は、クリスマスの2についてお話しましょう)


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>[2]5つの試験形式(4) 運動テスト 

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第23号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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■■[2]5つの試験形式■■ 
(4) 運動テスト  
 
みんなで一斉にする集団テストと、一人ひとりでする個別テストがあります。
集団テストには、先生のお手本を見て、その通りにする模倣体操や、タンバリ
ンなどのリズムに合わせて行進をする、片足で三十秒間ほど立つバランス感覚、
指の屈伸などがあります。
 
個別テストは、ケンケン、ケンパー、くま歩き、ボール遊び、ゴム段、跳び箱、
平均台といった運動をいくつか組み合わせて、先生の模範演技の後に一人ひと
りが挑戦するものです。
たとえば、こういった組み合わせです。
 
「床に引かれた真っすぐな線の上をケンケンで進み、平均台を渡り、次に
 跳び箱に登り、元気よく跳び降り、得意なポーズをする」
 
ほとんどの学校でやっています。しかし、これは技を競う「競技大会」ではあり
ません。ボールを投げたり、ついたり、走ったりしながら、年齢にふさわしい運
動機能の発育状態を見ているだけです。ですから、難しいものはありません。ウ
ルトラなんとかなどは、オリンピックの話で、一所懸命、子どもらしく、挑戦で
きれば、いいのです。
 
これも生活体験が、そのまま出ます。ボールをついたことのない子にボールをつ
けといっても、絶対にできません。運動は、身体全体で学習するものですから、
正直に表れます。これは、誰の責任でしょうか。ご両親です。運動器官に、何ら
かの障害がある場合はともかく、普通の発育状態で、みんなができる運動もでき
ないのは、親がさせていないからと言えないでしょうか。こういう子は、比較的
に頭が、よいそうです。頭だけよくても、みんなができることができないと、い
やな言葉ですが、いじめの原因になったりもします。
 
逆も、あるのだそうです。スポーツ教室に通って、きちんと技をみがき、それは、
それでいいのでしょうが、
「みんな、下手だな……! こうやるのだよ!」
見下しているのです。態度がでかいのです。ボール遊びなどでこういうこともあ
るそうですが、これも駄目ですね。
 
早期教育にも、こういう欠点が、現われがちではないでしょうか。
「九九もできないの!」
これと同じです。見下していたかめさんに抜かれるうさぎさん、たくさんいるそ
うです。うさぎさんは、ひらめき型で、かめさんは、じっくり考えるタイプです。
繰り返し試みるかめさんを、あたたかく見守ってあげるお母さんになりましょう。
かめさんは、小学校の4年生頃から、うさぎさんを追い抜きはじめます。その理
由は、選択肢が2つか3つの場合、直感力がすぐれているひらめき型のうさぎさ
んは、あまり苦労することなく答えを選び出せますが、選択肢がふえてくると、
直感力だけでは解決できなくなります。じっくり考えるかめさん型は、選択肢が
少なくても、一つひとつ検証しながら答えを出すので、時間はかかりますが、試
行錯誤、“trial and error”を積み重ね、きちんと考えて答えを出す習慣を身
につけているからです。イソップの寓話「うさぎとかめ」は、油断を戒めたもの
ですが、こういった解釈も可能ではないでしょうか。
 
余談になりますが、負けたうさぎはどうなったかご存知でしょうか。かめに負け
た駄目うさぎとして、うさぎ村から追放されますが、「子うさぎを餌に差し出せ!」
と脅迫する狼をやっつけ、無事、うさぎ村に復帰します。子どもから聞いた話で、
真偽のほどは定かではありませんでしたが、図書館でやっと見つけました。狼を
やっつける方法が、用心深いウサギらしく、傑作です。
(「それからのうさぎ」  読んであげたいおはなし 松谷みよ子の民話(上)
  筑摩書房 刊) 
 
話を戻しまして、問題点は、まだ、あります。指示されたとおりにできるかです。
先程のいろいろな運動を組み合わせたものや、模範演技を、しっかり見て、理解
し、同じようにできるかです。指示の理解と的確な行動力を判定していると思い
ます。
 
まだ、あります、待っている間です。自分の番が来るまでは、緊張していますか
ら心配ありませんが、自分の番が終わると、ゆるみがちです。他の子どもがやっ
ている間、キチンと体操座りで待っていられるかです。本当は、これが学校側の
狙いだと思うのですが……。
 
最後に、一言。これは、笑えない話ですね。あるミッション系の小学校の説明会
で聞いた話です。
先生が模範演技をして、さて始めようとしたとき、一人の女の子が聞いたのでし
た。
「先生、これテストですか?」
「………!」
先生は、何とも言えません。どこの学校も、子どもたちには、テストというプレ
ッシャーをかけないように気をつかっていますから、「試験です!」とは、言い
がたいのです。
「試験でないなら、やりたくありません!」
子どもの正直な告白です。毎日、やること、全て、試験のための訓練になってい
るのでしょう、悲しくなりますね。しかし、体を動かすことをいやがる子どもな
ど、いるのでしょうか。「お子さんを追い込むような準備はしないでほしい」と、
シスターはおっしゃっていました。やはり、おかしいです。
おかしくしているのは、誰でしょうか。ほんの一部の猛烈受験ママの話でしょう
が、こういったことからマスコミの言う「受験戦争の低年齢化」となり、針小棒
大に騒がれてしまうのでしょうけれど、お子さんのためです、こういったお母さ
んにはならないでいただきたいとお願いしておきましょう。
 
昔の話ですが、お父さんが海外へ単身赴任しているお子さんの志望校は、ボール
を使った運動テストが行われる暁星小学校でした。盛んに話しかけてくるので、
やはり、寂しいのだなと耳を傾け、時には叱ったりしたものでした。子どもから
聞いた話ですが、お母さんと近所の公園で、毎日のようにボール遊びや縄跳びを
していたそうです。試験のためではなくても、親子で汗を流すのは、大変なスキ
ンシップになっています。少し太めであったお母さんが、スリムになってきたの
で、絶対に合格するだろうと思いました。親子が心を一つにして目標に向かえば、
望みはかなえられるものです。入学式の帰りに挨拶に見えましたが、一番うれし
そうだったのは、何と初対面のお父さんでした。遠く海外にいて手を貸せなかっ
たお父さん……、涙腺の緩い私は、困ってしまったことを覚えています(笑)。
 
何から何まで、塾や教室の先生方にお任せだけでは、よい結果は出ないことも覚
えておいてください。
(次回は、「面接テスト」についてお話しましょう)

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