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めぇでるコラム

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さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試問題を分析する

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第26号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試問題を分析する★★
 
メリー・クリスマス!
長男が小学2年生頃だと記憶しているのですが、どうやら、友達から知恵をつ
けられたらしく、「今日は、お父さんと寝る!」といって私のベッドに入り、
ドラえもんシリーズの漫画本を数冊持ち込んで、中々、眠ません。「サンタは
お父さん!」を確かめたかったようですが、やがて、眠ってしまいました。朝、
自分のベッドにプレゼントが配達されたのを見て、「やっぱり、お父さんはサ
ンタじゃなかった!」と、なぜか、納得していました。この頃が、無邪気でか
わいいですね……(笑)。
 
[一]入学試験の出題範囲
テストの形式は、わかりましたから、今回は問題の内容を紹介しましょう。そ
の前に、4歳や5歳児の心や身体は、どの程度、発達するのでしょうか。これ
は平成4年に改訂された「幼稚園指導要領」の解説に添付されていた資料で、
昭和23年3月に文部省から出された保育要領(幼児教育の手引き)の中で紹
介されたものです。身体の成長は、現代っ子の方がまさっていますが、運動や
知的能力、情緒の発達や社会性などの発達の内容は、現代でも通用する幼児教
育のバイブルともいわれているそうです。こういった資料を見ると、学校側の
ねらいは、どの辺にあるか理解できると思います。
 
★身体の運動的発達★
  [4 歳 児]
   1.スキップができる。
   2.片足立ちをしようとする。(少しの間ならできる)
   3.走り幅跳び、立ち幅跳びができる。
   4.ボールをじょうずに投げられる。 
   5.はさみで形の切り抜きができる。
   6.ひもを結ぶことができる。(固結び)
 
  [5 歳 児]
   1.片足立ちができる。
   2.小さい物を巧みに扱える。
   3.三角形を模写する。
   4.はしを巧みに使う。
 
★知的能力の発達★
  [4 歳 児] 
   1.13まで正しく数える。
   2.重さの比較ができる。
   3.3つの数字の反唱ができる。
   4.3つの命令を正しく実行する。
   5.語数の増加が著しい。
   6.発音が正しくなり、赤ちゃんことばがなくなる。
   7.非常によく質問する。
   8.簡単な課題を解決する。
 
  [5 歳 児]
   1.求知心が強くなる。
   2.想像と現実との区別が十分につかないところが間々ある。
   3.1つのことを始める前に一定の計画を持っている。
   4.用途によって物の定義をする。
   5.手の指の数が正しく言える。
   6.右と左の区別ができる。
   7.成人との話が自由にできる。
   8.いろいろな貨幣の名前をいえる。
   9.昨日、今日、明日の区別ができる。
   10.具体的推理ができる。
 
運動テストやペーパーテストの内容を見ると、身体や知的な能力の発達を考慮
して、入学試験は行われていることがよくわかります。こういう標準的な発達
から逸脱しないばかりか、さらに生まれた月の差を考慮して試験を実施すると
発表している小学校もありますが、このデータを見ているとうなずけます。何
といっても、受験生は幼児だからです。
 
★情緒的発達★
  [4 歳 児]
   1.3歳児と同じようなことで泣きやすいが、だいぶ自制できるように
     なる。
   2.理由のない恐怖心(たとえば、暗やみに対する)が多い。
   3.かんしゃくは、ほとんど起こさなくなる。
   4.怒ったときの表情が次第に抑制されるようになってくる。
   5.小さい子供を可愛がることを喜ぶようになる。
   6.反抗期が終わり、大人の権威や命令に従うようになる。
 
  [5 歳 児]
   1.泣くことが非常に少なくなる。
   2.恐怖心が、やや 少なくなるのが普通である。
   3.怒り、かんしゃくは、ほとんど抑制される。
   4.感情や情緒は分化して、大人に見られる大部分の情緒が現われる。
    (例 はにかみ、恐れ、心配、怒り、しっと、うらやみ、失望、不快、
     いみきらい、親への愛情、小さい者への愛情、のぞみ、喜び、快い等) 
 
★社会的発達★
  [4 歳 児]
   1.自分で着物を着たり脱いだりする。
   2.排便のことは全部自分でできる。
   3.歯をみがく。
   4.顔を洗う。
   5.多人数の中にある自分というものを意識しはじめる。
   6.他の子供たちと協同的に遊びはじめるが、2人か3人グループが多い。
   7.簡単な遊戯の規則を守ることができる。
   8.ごっこ遊びが、最も盛んである。
 
  [5 歳 児]
   1.独立的で自信を持ち、従順になるので物事をまかせられる。 
   2.小さい者をいたわる。
   3.自分の周囲の社会生活を遊びに取り入れる。
   4.2人ないし5人ぐらいのグループで協同的に遊べる。
   5.友達と遊ぶことを好む。
   6.自己主張をし、他人への依頼感を持ち社会的協同性を持つようになる。 
 
いかがでしょうか。
親の手を借りずにできることが増え、一人の人間として、集団生活を送るため
に必要な能力の培われていく時期であることが、よくわかると思います。3歳
頃から始まっていた、親のもとを離れる準備が、完了する時期といえます。就
学前とは、小学校生活を送るにふさわしい能力を身につけ、自分の力で大地に
しっかりと足を踏張り、自力で立つ時です。
 
こんな大切な時に、過保護や過干渉な育児になり、さらに、知的な能力だけを
訓練して鍛えるのは、決して幼児にふさわしい受験準備ではありません。基本
的な生活習慣やあいさつなどをきちんと身につけさせ、子どもの感性に刺激を
与え、好奇心を引き出し、学習に意欲的に取り組める環境を作ってあげるのが、
幼児期にふさわしい受験準備であり、こういった意識を持つことが、小学校の
受験に取り組むご両親の、大切な心構えではないでしょうか。
 
よく練り上げられたカリキュラムをもとにした適切な指導は、決して過激で猛
烈な受験勉強ではなく、子どもたちが楽しく学習しながら、合格への道を歩む
パスポートであるはずなのです。お子さんは、教室へ行くことを楽しみにして
いますか。楽しみに通っているのであれば、心配ないでしょう。
 
「受験戦争の低年齢化!」「猛烈な準備に耐え、突破した子だけが合格する!」
などといわれているようですが、これも怪情報、うわさの一つです。こういっ
たことは、バブル経済の全盛期の頃の話であり、NHKの「お入学」やTBS
の「お受験」が放映され、注目を集めた時のことで、幼稚舎でさえ志願者が減
ったことからも、小学校の受験は、一つの転換期を迎えていると考えられます。
さらに、2011年3月11日に起きた東日本大震災は、「安全な通学」も学
校選びに欠かせない条件になり、躊躇されるご両親も増えたのではないでしょ
うか。皆様が参加されている公開模擬テストの参加者数を見ても、私学志向に
変化が起きていることが、おわかりいただけると思います。
 
とはいえ、倍率の高い学校は、依然として入学の条件は厳しく、それなりの準
備は必要です。しかし、先程紹介したようなうわさを信じて準備を始めると、
親子で受験地獄に陥ることになりかねません。そのようなことを避けるために、
入学試験では、どのような問題をやっているのかを紹介しましょう。すると、
いろいろな形で出題されている様々な領域の問題は、幼児の日常生活と深いか
かわりのあることがわかるからです。
 (次回は、「合否を判定する必須十項目」についてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

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さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試問題を分析する

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第27号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試問題を分析する★★
 
明けましておめでとうございます。
今年もご愛読のほどよろしくお願い致します。11月には希望する小学校から
招待状を頂けるように頑張りましょう。
 
初詣、お出かけになりましたか。
大きな門松をご覧になったと思いますが、文句なしに、すごい秘密が隠されて
います。植物界の代表が、勢ぞろいして正月を迎えているのです。ご存知でし
たか。
 
○植物界
   □花が咲き種を作る(顕花植物)
       種が裸のもの……裸子植物……………………………………松
       種が実の中にあるもの……被子植物 葉が1枚(単子葉類)……竹 
                        葉が2枚(双子葉類)……梅
   □花は咲かせず胞子で増えるもの(隠花植物)………………………裏白
                                (鏡餅の下に敷くもの)
松竹梅というと、寿司屋さんなどでは、「上中並み」と同じように値段を表す
ために使っていますが、こういう素晴らしい意味があるのです。本当に不思議
ですね。「なるほど!」と納得するだけではなく感動しませんか。昔から受け
継がれているものには、それなりの意味があるのです。
(拙著 メルマガ さわやかお受験のススメ 保護者編 (10) より)
 
本題に入りまして、前号の続きをお話ししましょう。
 
[二]合格を判定する必須十項目  
出題範囲は、4、5歳児の発達段階を逸脱していないことがわかりました。次
は、試験の内容です。小学校の入学試験は、以下の十項目にまとめられます。
 
     1. 話に関する問題
     2. 数量に関する問題
     3. 常識に関する問題
     4. 推理・思考に関する問題
     5. 記憶に関する問題
     6. 構成力・観察力に関する問題
     7. 巧緻性に関する問題
     8. 社会性に関する問題
     9. 言語に関する問題
     10.運動に関する問題
 
これらの領域を全部、マスターしておけば、試験に関して、一応の受験準備は、
できたことになるはずです。いや、そうではありません、面接が残っています。
面接と志望校の選び方については、以前にも申し上げましたが、当研究所発行
の「面接 ここがポイント 小学校編」と「おとうさん、おかあさんの受験対
策」(幼稚舎をはじめ 20 校を取り上げ、学校別に志望理由を中心に質問の
狙いを解説した20冊の小冊子)、CD版「面接克服、ここがポイント~
That’s a Plenty」を参考にしていただければ幸いです。なおCD版はパソコ
ンで簡単に読める電子版書籍と同じです。
 
ここでは、入学試験の内容を理解していただきたいと思います。
「必須十項目」を最後までお読みになると、基本的な事項をしっかりと理解し
ておけば、難易度の高い問題にも対応できることがわかります。しかも、自宅
で、幼稚園で、友達や一人遊びの中で、毎日、やっている事柄や日常、見慣れ
ている科学的な原理や自然現象、一定の決まりや法則、基本的な生活習慣やし
つけ、公衆道徳、そして集団生活への適応力などが中心になっていることもわ
かります。
 
ただ、試験問題を意識していませんから、気づかないだけです。受験生は、5、
6歳の幼児です。しつこくいいますが、小学校側としても、難問、奇問で試験
をする理由はありませんし、幼児が経験できる範囲内の問題でなければ、入学
試験として適切ではないからです。
 
さらに、文字も数字も使えません。ですから、数字を書かせる問題や、文字を
使って文章を書かせることもありません。以前、ある学校で、解答に絵ではな
く文字が書かれてあって、それに〇をつけさせたことがありました。一時、な
くなりましたが、再び、出題されているようです。その是非は、受験されるご
両親の決めることで、第三者がとやかくいうことではありません。それが学校
の方針であれば、そういった準備も必要になります。志望校別の過去問を見れ
ば、わかることですから、目を通しておいてください。
 
しかし、あえて考えてみましょう。
たとえば、皇室の方が通われる学習院初等科の入学試験で、文字や数字を使っ
た試験を行った場合、どうなるでしょうか。学習院幼稚園では、当たり前です
けれど、文字や数字を使った指導をしていません。幼稚園の子は、全員、進学
しますから、困ったことになりませんか。幼稚園から上がってくる子は、大変
なハンディキャップを背負うことになります。
       
その逆を考えてみましょう。
幼稚園で文字や数の勉強をすると、今度は、小学校側が困ります。
「先生、それ、幼稚園で習いました!」
「……?」
これでは、幼小一貫教育になりません。
 
こんな話を聞いたこともあります。あるミッション系の共学の学校の説明会で
した。   
 
「試験を受けて入ってくる子と、幼稚園から上がってくる子に、学習範囲のこ
とで、明らかな差がある現状から、早期教育に苦言を呈さざるを得ません」
 
このように嘆かれていましたが、こういうことです。幼稚園では、文字や数を
使った指導を一切やっていませんが、受験して入学する子は、塾などで習って
いるから、差が出るのです。スタートラインに立った時から、凸凹だとおっし
ゃりたかったのでしょう。
 
ですから、文字を書かせたり、数字を使った計算などの試験はありません。し
つこいですが、文字や数字を使っての指導は義務教育からです。幼児期に必要
なのは、文字より言葉であり、数字より数量に関する概念、意味や内容のこと
です。今までお読みいただいて、納得できたのではないでしょうか。
 
ただし、文字や数字は、読める必要はあります。
 
暁星小学校などでは、季節の行事と関係のある月の数字に印をつける(母の日
は5月だから5に○をつける)といった問題や、動物、果物、そして数字の描
かれている1枚の絵をしばらくの間見て、今出ていた同じ絵と数字に○をつけ
るといった記憶の問題もあるからです。
 
また、解答用紙に名前を記入する学校もありますから、名前の読み書きはでき
るようにしておきましょう。
 
そして、文字を書きたがる場合は、正しい筆順(特に、文字では、と・も・や・
よ・など、数字では5・7・8・9・0など)を教えてください。自己流で間
違えた筆順を覚えてしまうと、子ども達は入学後に直されますから、それが面
白くなく、小学校の勉強の第一歩でつまずきかねないからです。
 
さて、来週から十項目について説明をしますが、学習の順序を考え、少し順番
を入れ替えてみました。
 
1.巧緻性の問題
2.言語の問題
3.話に関する問題
4.数量に関する問題
5.常識に関する問題
6.推理・思考に関する問題
7.記憶に関する問題
8.構成力・観察力に関する問題
9.社会性に関する問題
10.運動に関する問題
このような順番で話を進めたいと思います。なぜなら、巧緻性と言語こそ、小
学校受験の基礎、基本であり、今この時期にきちんと身につけておきたいこと
だからです。
(次回は、「巧緻性の問題」についてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>よく聞かれる質問にお答えします

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第25号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>[2]5つの試験形式(5) 面接テスト 

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第24号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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■■[2]5つの試験形式■■ 
(5) 面接テスト

最後は、面接テストです。
ほとんどの学校は親子面接ですが、青山学院初等部、立教小学校、学習院初等
科、成蹊小学校のようにお子様の面接のない両親面接のところもあります。
面接は、ほとんどの学校で考査前に行われていますが、日本女子大学附属豊明
小学校、国府台女子学院小学校のように考査後に、
学習院初等科、成蹊小学校のようにお子さんの考査当日に、
暁星小学校、早稲田実業学校初等部のように一次試験合格者のみに行う学校も
あります。

少し古くなりますが、雙葉小学校は母子面接でしたが、平成20年から父親も
参加する親子面接になりました。これは歓迎しましたね。それまでお母さんが
一人で苦労していたからです。
また、両親面接であった暁星小学校は、平成25年から親子面接になりました
が、試験間近の9月の説明会で公表しただけに、周りの父母の皆さん方から、
「エッ!」といった驚きの声も聞こえ、直前講習に面接の講座を設けた教室も
あったようです。
両親面接の学校は、形式に変更がないか、ホームページに目を通しておきまし
ょう。

小学校側が面接をする目的は、ご両親が考え、実行している育児の方針と小学
校の教育方針に、共通認識があるか、限りなく同じ方向に近づいているかどう
かを知ることです。
まず、大雑把に分けて説明しましょう。
「私どもは、共学で、宗教色のない小学校を希望します」
の場合は、慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、成城学園初等学校、成蹊小学校、
早稲田実業学校初等部、千葉日本大学第一小学校があります。  

「共学で、宗教教育をやっている学校が、いいですね」
となると、ミッション系の青山学院初等部、玉川学園小学校、聖学院小学校、
仏教の淑徳小学校などでしょう。

「男子だけの学校を考えています」
となれば、立教小学校か暁星小学校です。

「女の子で一人っ子ですから、女子だけの宗教教育をやっている学校が、合っ
ていると思いますけど」
たくさんあります。
ミッション系では、雙葉小学校、田園調布雙葉小学校、横浜雙葉小学校、白百
合学園小学校、聖心女子学院初等科、東洋英和女学院小学部、立教女学院小学
校、光塩女子学院初等科、仏教系では国府台女子学院小学部、この辺で勘弁し
てください。

「女の子だけの学校で宗教教育をやっていない学校を希望します」
の場合は、日本女子大学附属豊明小学校、東京女学館小学校、川村小学校でし
ょう。
東京女学館大学は、残念ながら来年3月に閉校となります。

「私どもの子は、一人っ子ですから、受験で苦労させたくないのですが」
となると、大学まである小学校を選ぶことになります。この発想は、あまり歓
迎できませんが、過保護にならないことを祈っています。

「それがいやなんですよ。生きることは競争です。社会人になる前に、自分の
能力を確かめられる受験を体験させておきたいのです!」
となれば高校まである小学校を選べば、いいですね。暁星小学校、日出学園小
学校、昭和学院小学校(短大まであります)、桐朋小学校、桐朋学園小学校、
森村学園初等部でしょう。桐朋は、小学校は共学ですが、中学から国立にある
桐朋中学校は男子校に、調布市仙川にある桐朋女子中学校は女子校と別学にな
ります。

国立市にある国立学園小学校は、幼稚園と小学校だけの特殊な学園で、千葉に
ある聖徳大学附属小学校は、中高は女子だけですから男子は受験となりますが、
目的は名門中学校への受験でしょう。中学校への進学状況は、ホームページで
確認できます。

こういった、大雑把な希望から方向を定めて、それから、それぞれの小学校の
教育方針と我が家の育児の方針が、合っているかどうかを検討するわけです。
       
幼稚舎の教育方針がわかりやすいので、紹介しておきましょう。作文も面接も
なくなりましたが、願書には、志望理由を書きますから参考にしてください。

幼稚舎の徳育の根本は、独立自尊の精神にあります。その規範となるものが、
「幼稚舎修身要領」(10か条)です。これは通信簿の第1ページにも記して
あります。成績よりも前に目を通してほしい大切な事項だという意味です。新
1年生になった時に3つの約束をしますが、「幼稚舎修身要領」の中から特に
大切なものを取り上げたものです。
     1つ、うそをつかない。
     2つ、お父さん、お母さん、先生のいいつけを守る。
     3つ、自分でできることは自分でする。
これは福沢諭吉の精神を表した「幼稚舎修身要領」(10ヶ条)の中から、特
に大切な項目を選んだものです。(「子どもと向かい合う教育」 元慶應義塾
幼稚舎長 川崎悟郎 著 リヨン社 刊)

普段、子どもにいって聞かせていることを考えると、
「うそをついてはいけません!」
「約束は、守りなさい!」
「自分でできることは自分でしなさい、お母さんを頼っても知りませんよ!」
だとします。これを破ると、叱り、諭しているとします。そうであれば、お母
さんの育児の姿勢と幼稚舎の教育方針は、一致していることになります。
そして、共学が自然だと思っているとします。
宗教教育は、両親共に経験がないので、なじめないものがあると考えていたと
します。
大学まであって、受験戦争に参加しなくて済みますし、学部がたくさんありま
すから、将来、目指す道が広いのも魅力だと思っているとします。
通学に約1時間、しかし、体力、気力ともに心配ないとしましょう。
たくさんお金はかかりますが、頼れる祖父母が健在です。冗談、冗談です。幼
児には、「シックス ポケット」があるといわれています。両親には、祖父母
が二人ずついて、教育資金となるポケットが6つあるということです。
こういう図式ができていれば、面接があったとしても、幼稚舎を選んだ理由を、
きちんと胸を張って説明できます。これが、面接の目的です。

幼稚舎の他にも、面接を実施していないのは、桐朋小学校、桐朋学園小学校で、
その理由ですが、以前にも紹介しました、桐朋学園小学校の鈴村元校長の話を
思い出してください。文言は正確ではありませんが、次のような内容でした。

 「大人は、趣味を尋ねられると、本当は、競馬、競輪などの博打が大好きで
も、『趣味は、読書と音楽鑑賞です』と平気でいうものです。演技もできます。
ですから、やっても無駄なのです。本音をおっしゃいませんから。しかし、子
どもを2日間預からせてもらうと、子どもは正直ですから、みんな本当の姿を
見せてくれます。育てられている環境は、わかります。ですから、私どもでは、
面接をしないのです」 (注 桐朋学園小学校のテストは二日間)

その通りではないでしょうか。大人は、猫をかぶりますから、面接は、ニャー
ニャー大会かもしれません。子どもは正直で、演技をしませんから、育てられ
ている環境を、そのまま見せてくれます。
ですから、面接で、つけ焼刃は効かないのです。

また、慶應義塾幼稚舎では、紋切り型のステレオタイプ的な回答が増え、面接
をやる意味がないと考え、廃止したと伺ったことがあります。

なお、国立附属小学校では、お茶の水女子大学付属小学校、学芸大学付属竹早
小学校(子供のみ)、埼玉大学教育学部附属小学校以外は面接をやっていませ
ん。(平成26年12月実施のもので、今年のものではありません)

面接では、付け焼刃は効かないとお話ししましたが、入学試験そのものも、メ
ッキでは駄目なのです。メッキは、はげるものです。以前、紹介しました、あ
るミッション系の校長先生の言葉を思い出してください。

「入学試験に必要な知識や礼儀作法なるものを、泥縄式に詰め込み、『受験準
備、事足れり』とお考えでしたら、それは誤りであることに気づいてほしい」

繰り返しますが、その通りではないでしょうか。赤ちゃんを育てたとき、あれ
これと泥縄式に詰め込みましたか、お母さん。そんなばかげたことは、しなか
ったはずです。子どもの成長に合わせ、一歩一歩、ゆっくりと、一緒に、階段
をのぼってきたのではありませんか。その心は、「できるまで待ってあげよう、
忍の一字」ではなかったでしょうか。小学校は、無理やり受験戦士に育てられ
た子を望んでいません。

子どもの知育は、子ども自身が、「知りたい、識りたい」と、身体、全体から、
ふつふつと湧き出るときに、与えるものであることが大切なのです。モンテッ
ソーリの「その時期に最も活動が盛んになり成長する敏感期」です。お子さん
の成長を見極め、学習するためにふさわしい環境を作ってあげるのが、親の役
目です。主導権は、子ども自身にありです。それを、親が握り締めていないで
しょうか。勉強だけではなく、遊びまでもです。

やはり、親は、教育に関して信念というか哲学を持つべきだと思います。しか
し、これを言うのには、勇気が必要です。小学校の受験にしても早期教育にし
ても、私たち親は、子どものためによかれと思って始めますから、「そんなこ
とは、余計なお世話だ!」となりがちです。

そこで、来年1月から、国立、私立小学校の入試問題を紹介し、就学前に何が
必要なのかをお話ししましょう。誤った受験準備をしないことが、お子さんの
ためだからです。
(面接に関する情報は平成27年12月現在のものです)
(次回は、「よくある質問」についてお答えしましょう) 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>[2]5つの試験形式(4) 運動テスト 

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第23号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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■■[2]5つの試験形式■■ 
(4) 運動テスト  
 
みんなで一斉にする集団テストと、一人ひとりでする個別テストがあります。
集団テストには、先生のお手本を見て、その通りにする模倣体操や、タンバリ
ンなどのリズムに合わせて行進をする、片足で三十秒間ほど立つバランス感覚、
指の屈伸などがあります。
 
個別テストは、ケンケン、ケンパー、くま歩き、ボール遊び、ゴム段、跳び箱、
平均台といった運動をいくつか組み合わせて、先生の模範演技の後に一人ひと
りが挑戦するものです。
たとえば、こういった組み合わせです。
 
「床に引かれた真っすぐな線の上をケンケンで進み、平均台を渡り、次に
 跳び箱に登り、元気よく跳び降り、得意なポーズをする」
 
ほとんどの学校でやっています。しかし、これは技を競う「競技大会」ではあり
ません。ボールを投げたり、ついたり、走ったりしながら、年齢にふさわしい運
動機能の発育状態を見ているだけです。ですから、難しいものはありません。ウ
ルトラなんとかなどは、オリンピックの話で、一所懸命、子どもらしく、挑戦で
きれば、いいのです。
 
これも生活体験が、そのまま出ます。ボールをついたことのない子にボールをつ
けといっても、絶対にできません。運動は、身体全体で学習するものですから、
正直に表れます。これは、誰の責任でしょうか。ご両親です。運動器官に、何ら
かの障害がある場合はともかく、普通の発育状態で、みんなができる運動もでき
ないのは、親がさせていないからと言えないでしょうか。こういう子は、比較的
に頭が、よいそうです。頭だけよくても、みんなができることができないと、い
やな言葉ですが、いじめの原因になったりもします。
 
逆も、あるのだそうです。スポーツ教室に通って、きちんと技をみがき、それは、
それでいいのでしょうが、
「みんな、下手だな……! こうやるのだよ!」
見下しているのです。態度がでかいのです。ボール遊びなどでこういうこともあ
るそうですが、これも駄目ですね。
 
早期教育にも、こういう欠点が、現われがちではないでしょうか。
「九九もできないの!」
これと同じです。見下していたかめさんに抜かれるうさぎさん、たくさんいるそ
うです。うさぎさんは、ひらめき型で、かめさんは、じっくり考えるタイプです。
繰り返し試みるかめさんを、あたたかく見守ってあげるお母さんになりましょう。
かめさんは、小学校の4年生頃から、うさぎさんを追い抜きはじめます。その理
由は、選択肢が2つか3つの場合、直感力がすぐれているひらめき型のうさぎさ
んは、あまり苦労することなく答えを選び出せますが、選択肢がふえてくると、
直感力だけでは解決できなくなります。じっくり考えるかめさん型は、選択肢が
少なくても、一つひとつ検証しながら答えを出すので、時間はかかりますが、試
行錯誤、“trial and error”を積み重ね、きちんと考えて答えを出す習慣を身
につけているからです。イソップの寓話「うさぎとかめ」は、油断を戒めたもの
ですが、こういった解釈も可能ではないでしょうか。
 
余談になりますが、負けたうさぎはどうなったかご存知でしょうか。かめに負け
た駄目うさぎとして、うさぎ村から追放されますが、「子うさぎを餌に差し出せ!」
と脅迫する狼をやっつけ、無事、うさぎ村に復帰します。子どもから聞いた話で、
真偽のほどは定かではありませんでしたが、図書館でやっと見つけました。狼を
やっつける方法が、用心深いウサギらしく、傑作です。
(「それからのうさぎ」  読んであげたいおはなし 松谷みよ子の民話(上)
  筑摩書房 刊) 
 
話を戻しまして、問題点は、まだ、あります。指示されたとおりにできるかです。
先程のいろいろな運動を組み合わせたものや、模範演技を、しっかり見て、理解
し、同じようにできるかです。指示の理解と的確な行動力を判定していると思い
ます。
 
まだ、あります、待っている間です。自分の番が来るまでは、緊張していますか
ら心配ありませんが、自分の番が終わると、ゆるみがちです。他の子どもがやっ
ている間、キチンと体操座りで待っていられるかです。本当は、これが学校側の
狙いだと思うのですが……。
 
最後に、一言。これは、笑えない話ですね。あるミッション系の小学校の説明会
で聞いた話です。
先生が模範演技をして、さて始めようとしたとき、一人の女の子が聞いたのでし
た。
「先生、これテストですか?」
「………!」
先生は、何とも言えません。どこの学校も、子どもたちには、テストというプレ
ッシャーをかけないように気をつかっていますから、「試験です!」とは、言い
がたいのです。
「試験でないなら、やりたくありません!」
子どもの正直な告白です。毎日、やること、全て、試験のための訓練になってい
るのでしょう、悲しくなりますね。しかし、体を動かすことをいやがる子どもな
ど、いるのでしょうか。「お子さんを追い込むような準備はしないでほしい」と、
シスターはおっしゃっていました。やはり、おかしいです。
おかしくしているのは、誰でしょうか。ほんの一部の猛烈受験ママの話でしょう
が、こういったことからマスコミの言う「受験戦争の低年齢化」となり、針小棒
大に騒がれてしまうのでしょうけれど、お子さんのためです、こういったお母さ
んにはならないでいただきたいとお願いしておきましょう。
 
昔の話ですが、お父さんが海外へ単身赴任しているお子さんの志望校は、ボール
を使った運動テストが行われる暁星小学校でした。盛んに話しかけてくるので、
やはり、寂しいのだなと耳を傾け、時には叱ったりしたものでした。子どもから
聞いた話ですが、お母さんと近所の公園で、毎日のようにボール遊びや縄跳びを
していたそうです。試験のためではなくても、親子で汗を流すのは、大変なスキ
ンシップになっています。少し太めであったお母さんが、スリムになってきたの
で、絶対に合格するだろうと思いました。親子が心を一つにして目標に向かえば、
望みはかなえられるものです。入学式の帰りに挨拶に見えましたが、一番うれし
そうだったのは、何と初対面のお父さんでした。遠く海外にいて手を貸せなかっ
たお父さん……、涙腺の緩い私は、困ってしまったことを覚えています(笑)。
 
何から何まで、塾や教室の先生方にお任せだけでは、よい結果は出ないことも覚
えておいてください。
(次回は、「面接テスト」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>[2]5つの試験形式 集団テスト

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第22号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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■■[2]5つの試験形式■■ 
(3)集団テスト
 
10名から20名位のグループで、部屋に置かれている遊び道具、ボールや縄
跳び、積み木や輪投げなどを使い、各人が自由に遊んでいる様子や、先生のま
ねをして踊ったり、熊や象などの動物のまねをしているところを観察するもの
や、話を聞いて、話の続きを想像して絵に描いたり、全く条件を与えられない
で好きな絵を描いたりします。
 
テストの狙いは、遊んでいる様子から自発性を、何かを作ったり、絵を描いた
りすることから表現力や創造力、巧緻性などを見ます。巧緻性は、きめ細かく
上手にできていることで、「手は第二の脳」(11号~14号)で詳しくお話しま
したから省略しますが、一言でいえば、普段、両手を使う作業をやっているか
を見るわけです。親の手を借りずに、どのくらい自分自身でできるか、自立心
ですね。さらに、基本的な生活習慣も関わっています。もちろん、積極的に参
加する意欲や自主性もわかりますから、手を抜けません。
 
また、たとえば、クリスマス・ツリーなどを作る課題を与えられ、5、6名の
友だちとグループを組み、相談をしながら、自分の考えをいい、相手の意見に
も耳をかたむけながら、仲良く作り上げていく問題もあります。社会性や協調
性が培われているかを見る行動観察型のテストです。
 
[自由遊び]
「好きな道具を選んで、自由に遊びなさい」
といわれて戸惑う子がいます。子どもは遊びが仕事ですから、信じられません
ね。その原因は、日常生活が何から何まで管理されていることにあるのではな
いでしょうか。お母さんの指示どおりにしないと、お母さんの気持ちが済まな
いようで、その心は、無事に〇〇小学校へ入るためです。これでは、学校側が
求めている自発性や自主性は、育たないと思いますね。お子さんの通っている
幼稚園は、自由保育です。お母さんのやっていることは、管理育児です。こん
な言葉はないでしょうけれど、保育の方針に逆らっています。
 
遊んでいるときに、子ども本来の姿が表れるもので、そこを学校側はみたいの
です。みんなが自分の好きな遊びに熱中している時に、お母さんの子だけが、
何やら不安気に、ボーッとしていると、先生方は、どう思うでしょうか。育児
が過干渉である証で、自分の意志を持たない「受験サイボーグ戦士」と思われ
るかもしれません。その心配なしとは言えませんね。
 
こんな子もいるそうです。今、ボールで遊んでいたと思ったら、今度は縄跳び、
と思う間もなく輪投げです。一ヶ所にジッとできません。これは、この時期に
見られる子どもの成長を現す一面で、目移りではなく、好奇心が旺盛なのです。
とは言っても、次から次へと手を出し、人が遊んでいるおもちゃを横取りした
り、いくつも独占したり、あげくのはてには散らかしっぱなしはどうでしょう
か。
これでは、好奇心が旺盛とは言えません。単なるわがままか、飽きっぽいだけ
で、育児が過保護になっている証拠です。
 
遊ばせれば、子どもの育てられている環境はわかります。幼児の試験は、これ
が最も適切ではないでしょうか。子どもたちは、全身で育てられている環境を
表します。無心に遊ぶ、ちょっとしたしぐさから、育児の姿勢が伝わってくる
ものです。
 
[身体表現]
先生のやっている動作をまねる、いわゆる身体表現です。
たとえば、あざらしの歩き方をまねたりします。これは、かなり、難しいです
ね。両手で体重を支え、両足をそろえて伸ばし、両手を交互に出しながら前に
進みます。まさに、あざらしさんです。腕力と腹筋を使いますから、かなりき
ついですね。もちろん、あざらしそっくりにできればいいのですが、それだけ
ではありません。これも積極的に参加する意欲があるかどうかです。ちょっぴ
り照れながらも、顔を真っ赤にして挑戦する子、いいですね。
 
幼児は自分の考えを表すときに、言葉だけでは十分でない場合、どうするでし
ょうか。身体全体を使って表現しようとするものです。しかし、これは表現す
る対象をよく観察していないとできません。あざらしを見たことのない子に、
まねられるでしょうか。たとえお手本があっても、ぎごちないでしょう。見た
ことのある子は、「不思議な歩き方だな?」と思うはずです。「思う」とは、
注意を呼び起こされることです。「どこが、どう違うのかな?」と観察を始め
ます。
幼児の学習は、これが基本です。
興味があれば、細かいところまで見極めようとします。他の動物との違いを見
つけられれば、素晴らしい学習になります。大切なのは、実物を見ることです。
同じところと異なったところを見つける、類似差異の見分けです。そこから、
新しい知識が備わってきます。机の上で、いろいろと知識を詰め込まれても、
あざらしを見たことがなければ、はつらつと表現できるでしょうか。このテス
トの目的は、生活体験、自分を取り巻くものへの関心や、そういったものに対
する観察力ではないかと思います。
 
かつて、アメリカでベストセラーとなった「人生に必要な知恵はすべて幼稚園
の砂場で学んだ」の第1章 私の生活信条(クレド)に、「不思議だな、と思
う気持ちを大切にすること。(中略)ディックとジェーンを主人公にした子供
の本で最初に覚えた言葉を思い出そう。何よりも大切な意味を持つ言葉。“見
てごらん”」があります。(“  ”は引用者)幼児に大切なのは、教え込む
より、疑問の芽を育ててあげることではないでしょうか。
読んでいて兼好法師の「徒然草」とよく似た考え方があり驚きましたが、著者
のロバート・フルガムは牧師であったことから、「なるほど!」と肯けたもの
でした。
 
[共同制作]
クリスマス・ツリーを作ることを考えてみましょう。折り紙、モール、きびが
ら、発泡スチロール、リボン、厚紙などの材料から、セロテープやのりなどの
接着剤、はさみ、穴あけパンチ、ホチキスといった道具が用意され、相談しな
がら作ります。共同制作です。
「制作、得意なんです、私に任せといて!」
「苦手なんだ、はさみを使うの。手を出さないで見てよう!」
そうはいきません。みんなで相談しながら作ります。自主制作ではありません、
共同制作です。
 
最近、日出学園小学校では、4、5人のグループで模造紙1枚とクレヨン1箱
だけ用意し、課題を与え、相談しながら絵を描かせていますが、今年は「弁当
箱」でした。クレヨン1箱ということは、同じ色は2本ないことです。さあ、
どうすれば絵は完成するのでしょうか。
 
これは、本当に大変です。考えてください、全員、今日、初めて会ったのです。
幼稚園や保育園、幼児教室や近所の気心のわかりあった友だちではありません。
名前も性格も技量も趣味も、全く、わからない集りです。ですから、育てられ
ている環境が、姿を現します。
「自分のことは自分でしなさい!」
と、ご両親が自主性を培う育児に徹していれば、自分からやります。一丁しか
ない挟み、一本しかない黄色のクレヨン、どうすれば使えるかを考えます。
過保護、過干渉な育児では、自分の考えを言い、積極的に参加できるでしょう
か、できないと思いますね。学校側の狙いは、ここにあるのではないでしょう
か。
 
[お絵描き]
少し古い話でなんですが、ある年の幼稚舎の試験に、こういうのがありました。
教室に紙を貼ったイーゼルが立てかけてあり、その前に数種類の絵具が用意さ
れ、絵を描かせたのです。学校の狙いは、何でしょう。絵の巧拙でしょうか。
それはないと思います、挑戦する意欲だと思います。そうでしょう、4、5歳
の幼児が、イーゼルを使って絵を描く機会があるでしょうか。ほとんどの子ど
もは、「何だろう、これは?」となるに違いありません。新しいもの、未知な
るものに挑戦する意欲です。積極的に挑戦する子の好奇心は、旺盛です。これ
ですね。
体中から好奇心という触角を出して、うるさいほど知りたがるのが子どもです。
こういう子は、やります。筆につけすぎた絵具をボタボタ落としながらでも。
手や顔どころか、服まで絵具だらけになるかもしれませんが、幼稚舎の試験は、
体操着に着替えてしますから心配ありません。どうして、体操着に着替えるの
でしょうか、受験される方は、これを考えましょう。
 
ところで、「なぜ、イーゼルで絵を描かせたのですか」の質問に、「子どもの
表情を見たかったのです」とおっしゃった当時の舎長のコメントが印象に残っ
ています。なぜなら、一心に絵を描いている子ども達の表情は、実に生き生き
としているからです。知的能力だけではなく、身体全体から表われる子どもら
しい成長の証(あかし)を見ているのです。ここがポイントではないでしょう
か。
 
制作、絵画は、完成した作品の巧拙だけを見極めるのではありません。積極的
に楽しく取り組む意欲や共同で作業を進める協調性です。協調性は、社会性と
共に、大切な集団生活への適応力を育むものです。
ペーパーテストは満点を取っても、集団テストの苦手な子を、学校は歓迎する
とは考えにくいことです。社会性がどのくらい培われているか、子どもは態度
で示します。過保護、過干渉の環境では、意欲や集団生活への適応力に問題あ
りと判定されないでしょうか。
通っている幼稚園の先生や保育士さんに聞いてみましょう。「集団生活に、少
し心配な点がありますね」などの答があった場合は、「ものすごく心配な点が
ある」と受け取り、お子さんに対する育児の姿勢、取り巻く環境を総点検する
必要があります。
 
繰り返しますが、「ご両親の育児の姿勢」を総合的に判定するのが、小学校の
入学試験です。このことを、肝に銘じておくべきではないでしょうか。
(次回は、運動テストについてお話しましょう)

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