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めぇでるコラム : 2016年2月

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試問題を分析する   数量に関する問題(3)

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第34号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試問題を分析する★★
[4]数量に関する問題(3)
     
3月3日は、ひな祭り。童謡「たのしいひなまつり」の作詞者のサトウハチロ
ウは、この詩の誤りを悔い、印税をつぎ込み、買い戻して、破棄したいと思っ
ていたそうです。誤りの一つは、2番の「お内裏様とおひな様」、内裏雛は天
皇と皇后の姿をかたどった「殿と姫の両方」を表し、「おひな様」は男雛と女
雛で一対を表すので、同じことを繰り返すことになるからです。もう一つは、
3番の「赤いお顔の右大臣」ではなく左大臣の誤りで、さらに大臣ではなく、
正しくは随身、近衛兵(宮中警備の兵士)の長官だそうです。なぜ、間違った
まま歌われてきたか、不思議な気がしますが、訂正のしようもありませんから、
承知して歌うしかないでしょうね。    
(拙著メルマガ 「日本の年中行事と昔話」 17号より)
 
[量の問題]
辞書を引くと、「計って決められる、かさ、容積、軽重、大小、多少等」
(「岩波国語辞典」より)とありますが、これに、ひもや鉛筆、国旗を掲揚す
るポールなどの長短を加えれば、入試に対応できるでしょう。
 
また、実験です。
同じ形をした容量も同じコップを2個用意し、ジュースを片方に少し多めに入
れておき、「多い方、飲んでも、いいですよ」といったとき、サッと多い方に
手が出れば、量に関する概念も順調に発育しています。数と同じように、直感
で見分けられることが大切です。「直感力は、経験を積み重ねて培われる力」
であることを忘れないでください。
 
こういった問題があります。
 
(形も、大きさも、高さも、底面積も違うコップが3つ並んでいて、それぞれ
に、水が入っている絵がある)
◆水が、一番たくさん入っているコップに〇を、一番少ないコップに×をつけ
なさい。
 
これは難しいですね。
ほとんどの子ども達が、たくさん入っているように見える底面積の狭い、細長
い背の高い形のコップに〇をつけ、少ししか入っていないように見える底面積
の広い、横幅の広いコップに×をつけがちです。かさのある方が、たくさん入
っているように見えるからですが、これも実験するしかありません。
 
上の条件に合った3つのコップと同じ形のコップ3個、お茶など色のついてい
る水を用意し、同じ形のコップ3つに同じ量だけ水を入れ、入っている水の量
は同じことを確かめさせてから、条件の違うコップに、それぞれ入れ替えてみ
ます。
底面積の広いコップと狭いコップとでは、明らかな差がでますが、入っている
水の量は全部、同じです。
「不思議だな、お母さん。どうして、こうなるの?」
底面積が広いほどたくさん水が入る、容量も大きくなることを説明してあげま
しょう。
これは「量の保存」といって、見た目は変わっていても、元々の量は保存され
ているからですが、「数の保存」と同様、言葉を教えることはありません。
 
このような問題もあります。
 
(3つのコップの中に、大きさの違う円いガラス玉が、1つずつ入っていて、
コップの水の量は、みんな一緒になっている絵が描いてある)
◆この中で一番たくさん水が入っているコップに〇、一番少ないコップに×を
つけなさい。
 
これなどは、子どもは見ているはずです、おふろに入ったときです。
「お父さんが入ると、どうして、お湯があふれるのかな?」
「……かな?」というアンテナを張っている子は、すぐわかります。
 
量も直感で多少を判断し、難しい問題は、必ず、実験で確かめることです。
これが、小学校へ入ると、リットル、デシリットルと正確に量を計る勉強に進
んでいくわけです。
ボールなどの大小、ひもなどの長短、旗を立てたポールの高低も同じです。や
はり、見た感じ、直感力で判断できることが大切です。
その違いを見極める力が、センチ、メートル、キロメートルと、正確に長さを
計る勉強に、軽重は、グラム、キログラムと量を正確に計る勉強につながって
いくわけです。
 
[重さ比べ]
しかし、軽重、重さ比べは、直感で判断するのは難しいでしょう。
しかも、問題集だけで教えると、幼い推理力では、混乱しがちですから無理は
禁物です。
 
こういった問題です。
 
(パンダとくまとうさぎが、シーソーにのっている絵があり、パンダとくまで
はパンダの方が下がり、くまとうさぎではくまの方が下がっている)
◆一番重い動物に〇、一番軽い動物に△をつけなさい。
 
重さ比べの定番的な問題です。
「パンダとくまではパンダが重く、くまとうさぎでは、くまの方が重い。故に、
パンダが一番重くて、うさぎが一番軽い」と説明しても無理でしょうね。
 
まず、3つの重さの違うものを手に持って、重さの順番に並べてみます。
できれば、天びんばかりを作り、手で持って判断したものと、合っているかど
うかを確かめるとわかりやすいはずです。
AとBを比べるとAが重い。 A>B
BとCを比べるとBの方が重い。 B>C
ここでAが一番重くて、Cが一番軽いことがわかります。 A>B>C
しかし、BとCを比べてCの方が重かったら、AとCを比べて決着をつけます
から、これが面倒です。
さらに、比べる物が4つ、5つと増えてくると、難しくなります。
1つ1つ、順番に比べて、納得できるまで、根気よくやることです。
 
その納得させる方法ですが、軽重を勝ち負けに置き換えると、子どもは興味を
示します。
パンダとくまではパンダが重いからパンダの勝ちで○、くまは●。
くまとうさぎでは、くまの方が重いからくまの勝ちで○、うさぎは●。
最後に、パンダとうさぎは、パンダの勝ちで○、うさぎは●。
結果は、パンダは○○で2勝、くまは○●で1勝1敗、うさぎは●●で2敗。
好奇心を刺激してあげる、遊びの中での学習ですね。
 
おもしろい子がいました。
パンダ、コアラ、リスの3匹が重さ比べをする問題です。
「パンダが2回下がって、リスが2回上がっているから、パンダが一番重くて、
リスが一番軽いのです」
お母さんに教わったそうです。理屈はそうですが、こういう教え方は、どうで
しょうか。シーソーの上がり下がりだけ見て判断するのは、直感力ではなく、
受験用のテクニックですね。
 
「そうか、こうだな! こういうこともいえるぞ!」
1つ1つ比べ、試行錯誤して、自分で見つけたのであれば問題ありません。考
える力もつき、考える楽しさも学習しているからです。出発点で楽をすると、
応用力は身につきませんし、小さいときから、簡単に答えだけを見つける訓練
は、やるべきではありません。
 
簡単な問題から難しい問題へ、ステップをきちんと踏んでいくことが大切です。
そして、正解であれば○を付け、それで終わらせずに、比較する段階を言葉で
いえるようにしておきましょう。言葉で表現できる、これは、とても大切なこ
とです。きちんと理解できていれば、説明も適切なはずですから、発表力も身
についてきますし、それが個別テストや行動観察のテストに対応できる力を身
につけることにもなっているからです。
 
[空間の問題]
図形は、[6]の構成力で触れることにして、最後に、空間について説明しま
しょう。
これも難しいです。
 
上下、左右、前後の関係です。 
前後は、幼稚園でも整列することで学んでいますから、わからない子は、あま
りいないようです。  
こんな問題があります。
(各階に5つずつ部屋がある5階建てのマンションが描かれてある)
◆キリンさんは、三階の左から三番目のお部屋です。キリンさんのお部屋に○
をかきましょう。
 
子ども達には、上下は何とかなるのですが、左右が難しいですね。
年長になっても、左右の区別のおぼつかない子が、かなりいます。
左の薬指にピンクのリボンつけていた女の子がいました。
「先生、こっちが左ですよね!」
かわいいではありませんか。お母さんの工夫した、やさしい気遣いが伝わって
きます。
 
左右の確認がきちんとできてから、問題集に取り組みましょう。
基本的な準備をせずに、プリントだけで「左から……、上から……」とやると
混乱しがちなのです。
 
  □□□□□   こういった図を描いて、一番下、下から2番目(上から2番目)、
  □□■□□   一番上、左から(右から)何番目、左端、右端を確かめましょう。
  □□□□□
少し難しいかもしれませんが、下の図のように、■を中心に左右、上下、左斜
め上、左斜め下、右斜め上、右斜め下を確認しておきましょう。
 
  □□□
  □■□
  □□□
 
幼児の学習は、生活と結びついていると、スムーズに対応できるものです。
生活に必要なものであれば、喜んで挑戦するはずです。お手伝いをさせながら、
学習できることがあります。
たとえば、お子さん用の整理ダンスを利用して、たたんだ洗濯物を入れさせま
しょう。
「ハンカチは、一番上の左から二番目に、シャツは、上から三番目の右端にし
まってください」
女の子であれば、お母さんの手伝いをしながら整理の仕方を学ぶこともできま
す。
 
まだあります。毎日、幼稚園へ行くときに握手をしましょう。
「右手で握手!」といって、さっと右手を出してみましょう。
お子さんも右手でなくては握手できません。
間違えたときに、こっちが右手であると学習できます。
今日は右手なら、明日は左手と続ければ、いつのまにか習慣になります。
「サユウベンベツ(左右弁別)?」
大人でも首を傾げるような言葉を使っていると、混乱するだけでしょう。
 
幼児の学習は、生活の中で、楽しみながら身につけていくことが大切です。
(次回は「常識の問題」についてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>名門幼稚園の保育方針 私立幼稚園編(4)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第16
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私立幼稚園編(4)
 
3月3日はひな祭り。といえば、思い出すのは童謡「うれしいひなまつり」で、
お母さん方も歌ったのではないでしょうか。ところが、作詞者のサトウハチロ
ウは、二つの誤りを悔い、破棄したいと思っていたそうです。その誤りの一つ
は、2番の「お内裏様とおひな様」で、「内裏雛」は、天皇、皇后の姿をかた
どった「殿と姫」の両方を表し、「おひな様」は男雛と女雛で一対を表すので、
同じことを繰り返すことになるからです。もう一つは、3番の「赤いお顔の右
大臣」ではなく「左大臣」で、さらに大臣ではなく随身、近衛兵(宮中警備の
兵士)の長官だそうです。なぜ、間違ったまま歌われてきたか不思議な気がし
ますが、訂正のしようがありませんから、承知して歌うしかありませんね。
(拙著 メルマガ「年中行事と昔話 17号より」)
 
【筆者からのお願い】
ここで紹介する幼稚園に関する情報は、私が過去の説明会やホームページから
得たものが中心になっており、説明会、見学会、募集人員等の情報は昨年度の
ものであることをお断りしておきます。本年度の情報は、各園のホームページ
をご覧ください。(筆者)
 
白百合学園幼稚園
宗教教育を行い、幼稚園から女子だけの環境で、大学まである総合学園です。
宗教教育や別学の経験のない方、特にお父さん方へ、3年保育からご縁があっ
た場合、大学まで19年間、お嬢さんは女子だけの教育環境になりますが、い
かがでしょうか。もっとも、半分以上の生徒は、学部の関係でそのまま大学へ
進まずに外に出るようですから、あまり心配することはありませんが、入園テ
ストの面接で、「女子だけの学園ですが」の質問に口ごもるようでは心配です。
平成9年からは開設以来行われていなかった入園説明会を実施し、校訓とモン
テッソーリの教育、縦割り編成のメリットなどについて、具体的な説明があり
ます。
 
【本学園の目的】 
本学園は幼稚園から大学に至るまで一貫して、キリスト教的精神に根ざした価
値観を養い、神と人の前に誠実に歩み、愛の心で社会に奉仕できる女性を育成
することを目的としています。
 
【保育目標】 
本学園の教育目標に基づき、幼児にふさわしい生活環境を与え、その中でモン
テッソーリ教育法による保育を行い、宗教性、知性、情操を養い、その人間形
成のための習慣を確立させると共に、ひとりひとりのもっている可能性を円満
に伸ばすことに重点をおきます。
 
【本学園のモットー 校訓】 
従 順  良心に従って正しい行動がとれるように。
勤 勉  意思の強い自律性にとんだ子どもとなれるように。
愛 徳  心身ともに健康で協調性にとみ、喜んで人につくし、人からも愛さ
     れるように。
 
校訓をどのように解釈するかですが、初めての説明会で清水園長から、以下の
ような説明がありましたので、紹介しておきましょう。
 
校訓である三徳については、
「幼稚園では、もう少し具体的に、『強く、やさしく、まっすぐに』と教えて
おります。このようなことを、小さい時期から、毎日の生活の中で体験し、積
み重ねながら追求していくようにしています」
 
モンテッソーリ教育については、
「モンテッソーリ教育法は、子どもが得られる環境における自由を基本にすえ
た教育であると定義されております。ですから、モンテッソーリの幼稚園では、
一人ひとりの子どもの自由が保障されています。
そして、子ども自身が主人公として、誰からも強制されたり、支配されたり、
あるいは拘束されたりせずに、自分がしたいことを、したいだけすることがで
きる、そういうことが許される環境が整えられているわけです。
しかし、子どもが主人公で自由が保障されているといっても、自由奔放、好き
勝手にするわけではありません。モンテッソーリの自由は、一定制限付の自由
で、また規律の中での自由であり、そこには責任が伴います。自由と規律、そ
れを切り離すことはできません。丁度一枚のコインの裏表のようなものだとモ
ンテッソーリはいっています。
規律に従うことは、人の命令や強制に従うのではなく、自分の自由意志で選ん
で従うので、そのためには、まず自分自身の精神をコントロールするための強
い意志の訓練が必要です。子ども達は、規律に喜んで従います。積極的に守ろ
うとします。ですから、このような環境を整えることが大切なのです」
   
モンテッソーリ教育で重視されるもう一つの特徴である「敏感期」については、
「子どもの誕生から6歳までの時期は、人間の一生を支配する人格の基礎がで
きる大きな時期です。この時期が、いろいろな意味で無視できない敏感力、集
中力の働く時期がありまして、これをモンテッソーリは「敏感期」と呼んでい
ます。この敏感期と集中現象、これがモンテッソーリ教育の鍵とされ、非常に
重要視されています。
作業を通して、子ども達はお仕事といっていますが、こういったことを経験し
た子ども達が、心に大きな喜びと満足感を覚えます。そして人との協調性、社
会性が豊かになり、ただ自由性だけではなく、人のことを考えたり、思ったり、
人を愛する心が自然と育ってきます」
 
マリア・モンテッソーリ
イタリアのローマの女医として精神病院で働いていたモンテッソーリは、知的
障害児への感覚教育法を施し、知的水準を上げる効果をみせ、1907年に設
立した貧困層の健常児を対象とした保育施設「子どもの家」において、独特の
教育法を完成させた。
以後、モンテッソーリ教育を実施する施設は「子どもの家」と呼ばれるように
なった。  (ウィキペディア フリー百科事典)
 
さらに、縦割り編成(年長、年中、年少といった同年齢のクラス編成ではない
システム)のメリットについては、
「縦割り編成のメリットはたくさんありますが、その中で主なものとしまして
は、社会性が育ちます。そして上下関係がありますので、お互いの尊敬心、や
さしい思いやりの心、そういったことが自然と保育の中で育っていく、とても
すばらしい編成だと思っております」
 
先にも紹介しましたが、幼稚園が望む子ども像については、
「私どもが希望しておりますのは、小さい時から、入園テストとか面接を受け
て訓練されることではなく、むしろ日常生活の中で、特にお父さま、お母さま
の、生きたお手本の中で育てられたお子さま方、そして年齢相応に基本的な生
活習慣が、これはまだ完全にできませんから、ある程度、身についているお子
様方、明るく、素直で、いきいきとしているお子様、そういった子ども達を希
望しております」
 
そして最後に、宗教については、
「先程も申し上げましたが、幼稚園だけではなく、小学校、中学、高校、大学
を通して、宗教教育をかなり深くいたしますので、信仰する、しないは自由で
すが、やはりお家の方々のご理解がなければ難しいと思いますので、そういう
点はお含みおきいただきたいと思います」
 
「お父様、お母様の、生きたお手本の中で育てられたお子様」、この文言で、
すべては決まりです。幼児は、ご両親の作った環境で育ちます。育児は、子ど
もを育てながら自らを育てる、「育自」することに尽きるのではないでしょう
か。
 
当時を振り返ると、説明会を開催したことで、本園に関してのおかしな噂でも
あった「何でもできる頭のいい子」「言葉の達者な子」「目端がきく子」など
は打ち消されました。受験生は、2、3歳の女の子です。「目端がきく子」と
は「頭がよくて、気転の利く子」ではなく、「明るく、素直で、いきいきとし
ている子」であったわけです。
しかし、うわさや怪情報は本当に困ったものです。信じる者が悪いとか、見識
が足りないなどといえるのは当事者ではないからで、受験をされるお母さん方
は、しばしば「わらにもすがる」思いに追い込まれがちです。頼りはお父さん
方で、受験はお子さんと三人四脚で挑戦すべきです。
 
説明会は、平成21年から母子手帳持参が条件になりました。
内容もモンテッソーリ教育だけではなく、育児全般にわたり詳しい説明が2回
に分けて行われていると、参加されたお母さん方からうかがいました。
モンテッソーリ教育については、ホームページに解説がありますのでお読みく
ださい。特に、動画で紹介している「お仕事の様子」は、何ともほほ笑ましいの
ですが、やっている内容を見て、ギョッとしますね。小学校の入学試験が難し
いのも、納得できる「お仕事」もあるからです。
私事ですが、平成9年から毎年参加し、貴重な話を受験されるお母さん方に伝
えてきましたが、
12年目でその機会を失うことになり残念に思っています。
 
【募集人員】 3年保育 45名  2年保育 15名
 
【説明会・見学会】
  第1回説明会・見学会 5月 9日(土) 於 学園講堂
  第2回見学会      5月13日(水) 
  第2回説明会      9月 5日(土) 於 学園講堂
※母子手帳持参で実施
 
【Q&A コーナー】はありませんが、「入園前に」のコーナーで、
・在籍して感じたこと ・教育方針について ・教育内容について ・施設について
以上の項目別に、保護者(年少保護者3名、年中保護者8名、年長保護者4名)
のアンケートが掲載されていましたが、昨年に続き今年も2月23日現在、削
除されています。初めて受験される方には貴重な情報であっただけに、残念な
気がします。
 
(次回は、雙葉小学校附属幼稚園、田園調布雙葉小学校附属幼稚園についてお
話ししましょう)

さわやかお受験のススメ<保護者編>第5章(1) 雛祭りとお彼岸ですね  弥生

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2017さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第16号-
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第5章(1) 雛祭りとお彼岸ですね  弥 生
 
暦の上での春は、三月からです。
物の本によると、「春」の読み方は、万物が「発(は)る」(発する)からと
いう説が有力ですが、草木の芽が「張る」、天候の「晴る」、田畑を「墾(は)
る」などの説もあるそうです。
弥生(やよい)のいわれは、この頃になると、草木がいよいよ生い茂ることか
ら、「草木がいやおい茂る月」が詰まり、「弥生」になったといわれています。
 
★★五節句のおもしろい特徴★★
三月といえば、何といっても雛祭りです。雛祭りは、言うまでもなく女の子の
節句です。        
節句は一年間に五つあるので五節句と呼ばれ、正しくは「神と一緒にあること
を表す節供」だそうですが、ここでは使い慣れている節句としました。
 
五節句を決めたのは江戸幕府で、古来、宮中で行われてきた年中行事から5つ
選んだものです。
一月七日は人日(じんじつ)、陰暦の正月七日のことで、七草粥を食べる日か
ら別名「七草の節句」。
三月三日は上巳(じょうし)、お雛さまを飾る日から別名「桃の節句」。
五月五日は端午(たんご)、鯉のぼりや兜を飾り立身出世を願う尚武が添加し
て別名「菖蒲の節句」。
七月七日は七夕(しちせき)、夏の風物詩、七夕飾りをする「七夕の節句」、
別名「笹の節句」。
九月九日は重陽(ちょうよう)、陰暦九月九日の節句で、九は陰陽道では陽の
数とされ、これを二つ重ねた日にあたるので「重陽」といい、別名「菊の節句」
ともいわれています。
五節句は奇数日で、人日を除くと同じ数字が重なっていますが、これも何か意
味がありそうです。
 
暦の中で奇数の重ねる日を取り出し、奇数(陽)が重なると陰になるとして、
それを避けるための避邪(ひじゃ)の行事が行われ、季節の旬の食物から生命
力をもらい、邪気を払うという目的から始まりました。
(http://iroha-japan 「日本文化いろは事典」より)
 
七草粥には、ご馳走を食べ過ぎた胃を調整する薬草が入っています。
桃の葉は、薬草です。
菖蒲の根を細かく刻んで造った酒は、邪気を払い万病に効くといわれています。
淡竹(はちく)、真竹(まだけ)は竹葉(ちくよう)という生薬で解熱、利尿作用
があります。
菊は、長生きの薬といわれています。
五節句に登場する植物は、すべて薬用で、当然のことですが、やはり意味あり
でした。      
 
「私達の先祖は、薬品を食品化することで、まず日常の食事療法をやり、さら
に労働スケジュールに合わせて、その時期にいちばん必要な薬物を年中行事化
することで、魔除けや信仰として摂取し、健康体を維持できるように、実に巧
妙といっていい、健康管理を行っていたのである。」
(「梅干と日本刀」 日本人の知恵と独創の歴史
 樋口清之 著 祥伝社 刊 P131)
 
五節句は農業スケジュールに合わせて作られ、その時の飲食物は全て薬品なの
です。昔は病気になってから治療するのは大変でしたから、病気を予防するた
めの知恵でもあったのです。当時の農作業、米作りは人海戦術でした。病気を
すると労働力が減り、お百姓さんにとっては一大事でしたから納得できました。
ところで、「怠け者の節句働き」といい、怠け者をあざける言葉があります。
節句の日には仕事を休み、神さまにお願いをする慣わしがありましたが、普段、
怠けていると、この時も田畑で仕事をしなくてはならないことから生まれた言
葉です。農作業は、一日も手抜きが出来ない厳しい作業環境でもあったわけで
す。
 
★★雛祭り★★
昔のお雛さまは、今のように立派な飾りものではありませんでした。子どもが
病気にかかると、新しい雛人形を川へ流して、病気が体の外へ逃げていくよう
に、悪いことが起きないようにと、お祈りをしました。流し雛です。
 
室町時代、紙で作った人形(ひとがた)で体をなでて穢れを移し、川や海に流
すことで無病息災を祈った「流し雛」という風習と、ひいな遊び(人形遊び)と
が結びつき、貴族の間で人形を飾り、祀(まつ)るようになったと考えられて
います。
(http://iroha-japan 「日本文化いろは事典」より)
 
子どもの頃に見た覚えがあります。米俵の両端にあるわらで編んだ丸いふた
「さんだわら」(東京では「さんだらぼっち」)の上に、紙と土で作った雛人
形を、あられや菱餅、桃の花と一緒にのせて川へ流したもので、今のように部
屋に飾って祝うようになったのは、徳川家康の孫の東福門院が、子どものため
に作った座り雛が、その始まりといわれています。
                                    
東福門院は、名を和子(まさこ)―彼女は徳川二代将軍秀忠の娘として生まれ
た。徳川幕府の婚姻による朝廷懐柔策のため、元和6 年(1619)に、14
歳で後水尾天皇の中宮として入内し、3年後に皇女興子(おきこ)が生まれた。
(中略)寛永6年、幕府と朝廷が反目するなかで起こった紫衣事件および春日
局事件のため、後水尾天皇は、譲位を決意(中略)、6歳の興子内親王(明正
天皇)に譲位され(中略)、平安時代以来絶えてなかった女帝の出現である。
中宮和子は興子が健やかに育ち、美しい花嫁になって嫁ぐ日を夢見ていたのだ
が、天皇になってはもはや結婚できないであろうと、興子の幸せを夢に描いた
押絵の掛軸を作った。モデルは美女の代表・小野小町と美男として名高い在原
業平という夫婦の座り雛である。(中略)それが現在の雛のはじめといわれて
いる。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P72-73)
 
少し解説を加えますと、秀忠の妻、江(ごう)は、織田信長の妹、お市の方の三
女、長女、茶々は秀頼の母淀君、次女の初は京極高次の妻。
入内とは、中宮、皇后などが正式に内裏へ参内すること。
紫衣(しえ)事件とは、僧侶が勅許により着ることを許される紫衣を幕府が授受
を規制する制度を設け、後水尾天皇が許可した大徳寺の沢庵和尚などの紫衣の
着用を無効にした事件。
春日局事件とは、家光の乳母お福は、天皇や皇后に謁見できない身分にもかか
わらず、中宮和子に会うため強引に参内、中宮から「春日局」という局号を授か
った事件。
押絵とは、羽子板にみられるように、花鳥、人物などを厚紙でかたどり、きれ
いな布でくるみ、中に綿を詰めて高低をつけ、板などに貼り付けたもの、掛軸
の雛は、向かって左に業平、右に小町が描かれています。
  
雛人形の始まりが、美男、美女の代表であるとは、いかにもお雛さまらしいで
すね。雛人形が飾られるようになったのは、文化文政時代を経て天保(1830)
の頃からで、宮中から武家社会、裕福な商家や名主の家庭、そして町人社会へ
広まり、現在のような豪華な雛壇が作られるようになったのです。
 
平成21年のNHK大河ドラマは「天璋院篤姫」の原作者、宮尾登美子さんの
作品に、お雛さまの始まりとなった中宮和子を描いた「東福門院和子の涙」が
ありますが、紫衣事件や春日局事件の経緯、内裏と大奥の習慣の違い、京都と
江戸の文化の違いに苦労された和子の姿が、侍女の目を通して冷静に描かれて
います。
「天璋院篤姫」では、その苦労を皇女和宮が味わうことになり、従来、天璋院
は和宮の姑の立場から意地悪姑と捉えられがちでしたが、女性の眼から見た徳
川幕府の崩壊していく様子を描く優れた歴史小説で、二つの作品を読むと、朝
廷と幕府の関係、やがて迎える明治維新の火種が、徳川幕府初期の頃から、随
所にまかれていることもわかります。この年から、なぜか、大河ドラマを見る
ことになってしまいました(笑)。
 
22年の「龍馬伝」は、「天璋院篤姫」の後半の世界と重なり、「篤姫」と同様、
最後まで見ましたが、関が原の一戦で敗れた島津、毛利の両家の祖先の怨念が、
勝者の徳川家を倒した戦いで、「国を変える」と叫び走り続けた竜馬が、歴史の
波に押し流され舞台から消えた後に明治維新がなり、再び天皇家が政治の表に
登場し、損をしたのは会津藩の松平家であったわけです。坂本竜馬と高杉晋作
は、幕末が生んだ異才児、壮絶な生き方がいいですね。
 
23年は、秀頼に嫁いだ千姫、三大将軍家光、次男の忠長、女帝興子の母であ
る和子の母君を主人公にした「江」でした。姉の茶々、淀君は豊臣家に、妹の
江は徳川家に嫁ぎ、姉妹の母親であるお市の方が前田家に殉じたように、淀君
は秀頼と共に世を去りますが、江は三度も結婚し、女帝の祖母にもなる波乱万
丈の生涯を送ります。天下布武を旗印に基礎を作ったのは信長、統一したのは
秀吉、磐石の体制を作り治めたのは家康ですが、織田家の血が脈々と流れてい
るのには驚かされますね。原作、脚本は「天璋院篤姫」を手がけた田淵久美子
さんで、史実と違った解釈が、なぜか新鮮な感じがして、これまた最後まで見
るぞと意気込んでいましたが、江も秀忠も立派過ぎて、途中でリタイアしまし
た。諸田玲子さんの「美女いくさ」(中央公論社 刊)と同様、江のキャラク
ターを変え、信長、秀吉、家康、秀忠の果たした歴史的役割も、簡潔に整理さ
れていましたが、永井路子さんの「乱紋」(文春文庫 刊)、澤田ふじ子さん
の「無明記」(「寂野」に収録 徳間文庫 刊)、テレビでも放映されました
が大胆な発想に度肝を抜かれた隆慶一郎の「影武者徳川家康」(上中下 新潮
文庫 刊)などの作品に感化され、なじめなかったためでした。
 
余談になりますが、江の長女、秀頼の正室である千姫を主人公にした澤田さん
の「千姫絵姿」(新潮文庫 刊)は、女性でなくては書けない傑作で、「吉田
御殿の魔女」などおもしろ、おかしく伝わる話と違い、納得できる人物として
描かれた傑作です。その千姫の墓は、左甚五郎が魔除けのために置いた「忘れ
傘」でも知られる、知恩院にあります。
 
ここまで篤姫から始まった大河ドラマは、何らかの関係があったのですが、24
年は趣向が変わり「平清盛」、久しぶりに骨太の歴史物語を楽しみましたが、
視聴率はあまり芳しくなかったようです。
そのためかどうかわかりませんが、25年は「八重の桜」で、再び篤姫の時代
に戻り、会津藩が登場しました、松平容保です。澤田ふじ子さんの作品に、薩
摩藩と会津藩の怨恨、うらみつらみの凄まじさを書いた「葉菊の露」(上下 
中央文庫 刊)があり、どうしても悲劇的な物語になりがちですがさらりとか
わし、「幕末のジャンヌ・ダルク」の時期はテンポもよく面白かったのですが、
新島襄と出会い同志社大学設立の頃からまどろっこしくなり、美形の八重さん
では無理でしょうが「天下の悪妻」といわれたイメージもなく、「日本のナイ
チンゲール」まで印象付けることはできなかったようです。収穫は、八重さん
が日本で初めてプロテスタントの結婚式を挙げられたことでした(笑)。
 
25年は「軍師官兵衛」、信長、秀吉、家康の時代へ逆戻り。官兵衛がみた3
人の英雄を、それぞれの役者が見事に演じ見応えがありました。「織田がつき
 羽柴がこねた天下餅
座りしままに食うは徳川」といった狂歌がありますが、まさにその通りの展開
でした。寺尾聰の扮した家康、父親の名優、宇野重吉に似てきましたね。イス
ラム国のテロ事件、宗教が争いの元だけに悲惨ですが、日本でこの種の争いが
起きにくいのも、誤解を恐れずにいえば、3人の合作した天下餅によるところ
が多く、政教分離の発端となったのが信長の比叡山の焼き討ち、後を継いだ秀
吉が検地と刀狩で武士と農民を分け米による国家経済の基礎を固め、家康が士
農工商の階級を作り、禁中並公家諸法度などで天皇と公家を政治から切り離し、
武士が天下を支配する徳川幕府が誕生、まさに信長の構想であった「天下布武」
が実現したわけです。
 
昨年は、再度「篤姫」の時代に戻り、徳川体制が崩れ大政奉還後の文明開化に
至る過程を描く「花燃ゆ」、吉田松陰は絵になりにくく、かったるい気持ちで
見ていましたが、「おもしろきこともなき世をおもしろく すみなすものは心
なりけり」と詠んだ高杉晋作に何とか、といっても姿を消した後はやはり面白
くなかったですね。真央ちゃんは頑張っていましたが、笑顔が素敵なだけに、
もう少し生かした演出ができなかったかなと、責任のない一視聴者のグチです
が(笑)。
今年は「真田丸」、池波正太郎の「真田太平記 12巻」(新潮文庫 刊)では、
真田一家、父昌幸(凄い!)と信幸、信繁(幸村)兄弟が結束した戦いを通し
て、家康がいかにして天下を取るかが描かれており、「官兵衛」と同様、家康
の役は難しくどう演じるか、今年も期待しながら見てしまいそうです。
 
ところで、徳川家の家紋は、水戸黄門の印籠でおなじみの葵ですが、三代将軍
家光の乳母、春日局の生涯を描いた澤田さんの小説「江戸の鼓」の中で、その由
来が明かされています。
 
 葵紋は京都、賀茂神社の神紋。同社は遷都以来、天皇に敬われ、伊勢大社を
もしのぐ大社になり、その神文は尊く、天皇家すらはばかりを持つようになっ
た。徳川家康がこの葵紋を家紋に決めるについては、かなりの政治性がうかが
われる。単に徳川家の遠祖松平氏が、賀茂神社の氏子で、賀茂信仰によるもの
だとはとても考えられない。天皇家をもはばからせる政治的権威の必要からだ
ろう。
(江戸の鼓 春日局の生涯 澤田ふじ子 著 徳間書店 刊 P102)
 
「天皇家をもはばからせる(遠慮させる)」のが、家康の野望であることがわかり
ます。歴史に「イフ」はありませんが、もし、中宮和子に授かった高仁親王が
順調に育っていれば、公武合体は成立し、畏れ多くも天皇家に織田家と徳川家
の血が流れ、明治維新は違った形で回天したのではなかったでしょうか。
そして驚いたのは、現在の雙葉学園の前身である「雙葉会話女学校」は、学校が
創設された赤坂葵町の葵にヒントを得て校名とし、一本の茎の先に二枚のハー
ト型の葉をつける「ふたば葵」の図案を校紋としたことでした。キリシタンを
禁止し迫害した徳川家と同じ紋、そして学園は江戸城外堀に面した四谷門の跡
に、何とも不思議な気がしますね。
 
またしても余談になりますが、宮尾さんと澤田さんの著作には、いつも頭の下
がる思いで読んでいますが、十二代市川團十郎が亡くなった時、父である十一
代團十郎をえがいた「きのね」を再読しましたが、奥方の壮絶な生きざまを、
ここまで赤裸々に描いた宮尾さんの作家魂には、寒気を覚えるほどでした。作
家、檀一雄の娘である檀ふみさんの解説もすばらしく、一読をお勧めしたい一
冊です。なお、十二代市川團十郎が亡くなったのは、平成25年2月3日でし
た。
 
話を本題に戻して、雛壇には、お内裏さま、三人官女、五人囃子、左大臣、右
大臣、おかしな顔をしている三人仕丁(じちょう―雑役係)、菱餅、あられ、白
酒、桃と橘の花に、いろいろな生活用品が飾られています。女の子が、やさし
いよい子に育って、幸せになるようにとお願いする日ですから、飾りものも女
性ムードいっぱいで、夢があります。人形が主役ですが、下の方に飾ってある、
あのゴタゴタとした所帯道具も、いいではありませんか。タンス、鏡台、長持
ちから牛車、駕籠(かご)までそろえているのもあります。新婚さんの望まし
い嫁入り道具一式で、昔の女の子が描く幸せな青写真を、雛壇で表しているよ
うな気がして、ほほえましくなります。
左大臣、右大臣は、永田先生の説に従えば、左近衛大将、右近衛大将ですが、
童謡「たのしいひなまつり」に親しみがあるので、歌詞の表記に従いました。
 
★★男雛と女雛、右ですか、左ですか?★★   
女の子がいない家庭では見られませんが、デパートに行くと、豪勢なものが飾
ってありますから見てほしいのです。地方によって、男雛と女雛の位置が違い
ます。東京など関東地方では、男雛が右側(向かって左)に、女雛は左(向か
って右側)に飾りますが、京都や奈良の関西地方では、男雛が左で女雛は右と、
逆に飾ってあります。
関東方式は、昔中国では、「右がすぐれている」という考えがあったからです。
右には「貴い」、「尊敬すべき」、「大切な」など、左には「卑しい」、「低
い」、「正しくない」などの意味があり、「右腕」や「右に出る」、「左遷」
や「左前」は今でも使っています。ところが、唐の時代に左右が逆転し、左上
位になったのです。
 
日本の文化は唐の影響を受け、平安時代に確立した日本の制度は左優先となっ
た。左大臣は右大臣より上席であり、左近衛大将は右近衛大将より上級である。
(中略)左上位は唐から宋へ受け継がれたが、元の時代に逆転し、明清の時代
に再々逆転し、左上位の順位が引き継がれている。
(年中行事を「科学」する  日本経済新聞社 刊 P75)
 
もっとわかりやすいものがあります、結婚式の披露宴を思い出してください。
新郎は向かって左側に、新婦は向かって右側に座っていますが、これにも確か
な意味があります。日本の結婚式は、昔から男子が家を守っていく、男子優先
で行われてきたからです。関西方式は、天皇家と関係があります。
 
 天皇は、『天子南面』という言葉が示すように、紫宸殿の玉座に北を背にし、
常に南の方をむいて座られた。すると、天皇の左手が東、右手が西にあたる。
昔は日の出る東が月の沈む西より上と考えられていたから、内裏様を左に飾っ
た。したがって、大臣も左大臣が上席となっている。
(日本の年中行事百科 2 春 民具で見る日本人の暮らしQ/A P25
        監修 石井 宏實 河出書房新社 刊)
 
面白い話があります。太平洋戦争終了後、日本を占領した国際連合軍の中で、
いちばん偉かったダグラス・マッカーサー元帥が、「男雛は向かって右、女雛
は向かって左にしなさい!」と命令したそうです。アメリカやヨーロッパでは、
レディー・ファーストの考えがあるからだと思っていたのですが、ことの起こ
りはヨーロッパで、騎士が戦うときには右手に剣を持ち、左手で婦人を抱える
ことから、左優先になったそうです。
 
ところで、今はどうかわかりませんが、歴史の教科書に、昭和天皇がマッカー
サー元帥を訪問したときに撮った写真がありました。その位置ですが、元帥は
向かって左にいて、「わしの方が偉いのだ」という印象を与えています。この
写真を見て、明治生まれの父は、怒りをあらわにしたものですが、昭和15年
生まれの私は、かなわないなと思いました。
日本のことをよく研究していたからで、奈良や京都の日本の誇る文化遺産を、
戦火から守ったのは、マッカーサー元帥の配慮があったそうです。アメリカは
建国して、わずか二百年有余です。元帥自身が認めたように、極東国際軍事裁
判(東京裁判)は、大きな汚点となりましたが、私達は、敵国の武将が高く評
価した日本の文化、脈々と続いてきた日本の歴史を知り、子ども達に誇りをも
って伝えるべきではないでしょうか。「建国記念の日」でも紹介しましたが、
西暦2016年は、皇紀では二千六百七十六年になります。
 
 
童謡「たのしいひなまつり」、皆に親しまれている歌で、お母さん方も思い出
に残る歌の一つではないでしょうか。ところが、作詞者のサトウハチロウは、
二つの誤りに気づき、破棄したいと考えていたそうです。その誤りの一つは、
2番の「お内裏様とおひな様」で、「内裏雛」は天皇、皇后の姿をかたどった
「殿と姫の両方」を表し、「おひな様」は男雛と女雛で一対を表すので、同じ
ことを繰り返すことになるからです。二つ目は、3番の「赤いお顔の右大臣」
は左大臣の誤りで、さらに大臣ではなく、正しくは随身、近衛兵(宮中警備の
兵士)の長官のこと。大臣であれば「笏(しゃく)」を持っているはずが、弓
矢、太刀で武装しているからだそうです。
(hinaningyou.biz/matigattaohinasama.htmより抄訳)
 
永田先生の説に従えば、「左近衛大将」になりますが、「さこんえのだいしょ
う」では字余りで、歌いづらいですね(笑)。歌詞は次号で紹介します。
   (次回は「ひな祭りの2と桃源郷」についてお話しましょう)
 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試問題を分析する   数量に関する問題(2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第33号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試問題を分析する★★
[4] 数量に関する問題(2)
 
★説明会情報
 日出学園小学校学園 3月5日(土) 10:00~11:30
       「小学校入学前に身に付けておきたい力」校長より
       昨年度の入試について」など。
       申し込み制。 詳しくはホームページをご覧ください。 
 
桐朋幼稚園が3年保育に移行、1クラス13名 26名編成に。
幼稚園からの進学者が従来の40名から26名になり、14名分狭き門が開く
ことになります。小学校受験には朗報ですが、幼稚園受験にはプレッシャーが
かかりそうです。 詳しくはホームページをご覧ください。
 
[掛け算]
次は掛け算です。
「5人の子どもにリンゴを2つずつあげるには、いくつあればいいですか」
 
スケッチブックに○を5個書き、その下に○を2個ずつ書きます。
 
子どもの数      ○   ○   ○   ○   ○ 
与えるリンゴの数 ○○  ○○  ○○  ○○  ○○  合計10個
 
幼児は、[2×5=10]で解くのではなく、○を2個ずつ書き終えたところ
で○を数えて、リンゴ10個と答えがでます。
3個の場合は○を3個ずつ、4個の場合は4個ずつ書くわけです。
これが幼児の掛け算の解き方です。
 
[割り算]
次に2枚の皿を用意します。
「それじゃ、お母さんと同じ数に分けるには、どうしたら、いいの?」
18個のクッキーを、お母さんの皿、自分の皿と、1つずつ分ければ答えがで
ます。
「お母さん、9個ずつです」
「ピン、ポン! すごい! それじゃ、お父さんと3人で分けたら、いくつず
つになりますか」
もう1枚皿が必要になりますが、分け方は同じで、3枚の皿に1個ずつ分けま
す。
「お母さん、6個ずつですね」
こうなります。
これをスケッチブックに書いて解いてみましょう。
 
 クッキーの数
 ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○  ○○ 
  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○     ○  合計9個
 
分ける時に 2人では2個、3人では3個ずつ、4人では4個ずつ減ってい
くことに気づかせます。
すると、2人で分ける時は2個ずつ、3人で分ける時は3個ずつ、4人で分
ける時は4個ずつ指で押さえ、1人分だけ○を書いていけば、答えの出るこ
とがわかります。
 
「12個あるクッキーを3人で分けると、1人いくつずつになりますか」
といった問題のときに、3個ずつ指で押さえながら、1人分だけ〇を書いて
いけば答えが出ます。
 
○○○ ○○○ ○○○ ○○○
  ○   ○   ○   ○
 
〇を4つ書いたところでクッキーはなくなるので、答えは4個であることが
わかります
幼児の割り算は、[12÷3=4] と答えが出るのではありません。
書いた○を数え、そこで「4個」と答えがわかるのです。
これが幼児の割り算の解き方です。
 
このように数の問題は、数字や記号を使い、加減乗除の四則算で解くわけで
はありません。
直感で数の多少を見極め、次に一つ一つを対応させ正確な違いを理解し、そ
して掛け算、割り算の基本的な解き方を学ぶ、これが幼児の数の学習です。
       
さらに、10は1と9、2と8、1と2と7といった数の合成、分解があり
ますが、難易度の高い問題になると、20までの合成分解が理解できていな
いと解けないものもあります。
10は1と9、2と8と、単に記憶させようとするより、おはじきなどを
10個用意し、実際に分けさせてみると、その仕組みがわかるものです。
まだ、この時期では早いですが、やがてそういったことも学ぶことを覚えて
おいてください。
 
おはじきなどの具体物を使うと、難しいことも簡単に理解できます。
かつて、ある学校で「12個のミカンを何人で分けることができますか」と
いった問題がありました。
子ども達に挑戦させると、「2人、3人、4人、6人」と答え、12人で分
けられると答える子は、ほとんどいませんでしたが、おはじきを12個と皿
を12枚用意しておくと、1個ずつ分けることも理解できたものです。
この問題は、12の約数を見つけるのと同じですから、園児が、とんでもな
い難しいことを、平然とやっているのには驚かされますね。もっとも子ども
達は、約数の何だかを理解しているわけではなく、出題の意図もそこにある
わけではありません。面白がって、こじつけているだけですが(笑)。
 
また、数字は抽象的なものです。
[5]と数字だけでは、幼児には何のことだかわかりません。 「リンゴが
5」となって、初めて、[5]という意味がわかるのです。その心は、リン
ゴが5個、頭に描かれるからです。前にもお話しましたが、抽象化した○を
リンゴに置き換えると、物と数が一致し、具体的になるわけです。
 
小学校の算数は、○を数字で表すことから始まり、数字を使った計算は、
「合わせて」「多少」「全部で」「分ける」といった言葉の代わりに
[+-×÷]の記号を使い加減乗除を習うわけです。
ですから、幼児には、数字や記号を使った計算は必要ありません。
大切なのは、数の概念、意味であり、計算の仕組みがわかることです。
数と接する機会は、日常生活の中にたくさんありますから上手に使いましょ
う。 
少し注意をすれば、教材は周りにいくらでもあります。
 
最後に、幼児特有の考え方を紹介しておきましょう。
幼児にメロン5個とイチゴ5個を比べさせると、メロンの方が多いと答えた
り、ばらばらに置かれたリンゴ5個と一ヶ所にまとめて置いたリンゴ5個で
は、ばらばらに置かれたリンゴの方が多いと答えることがあります。
前者はメロンの大きさにこだわり、後者は広がって置かれたことに目を奪わ
れたからですが、「ものは同じ数であれば、大きさが違っていても、一ヶ所
にまとめて置かれていても、どのような位置や方向にばらばらに置かれてい
ても、数は変わらない」ことを教えてあげましょう。
これを「数の保存」といいますが、言葉はご両親が知っていればよいことで、
お子さんに教える必要はありません。
 
「春一番」は、立春後に初めて吹く南風ですが、気象庁は3月14日、関東
地方に春一番が吹いたと発表。私の住む川越ではあまり感じませんでしたが、
 
教室のある本八幡では、最大瞬間風速25,5メートルもあったとか。昨年
は発生せず、ちなみに、最も早かったのは昭和63年2月5日、最も晩かっ
たのは昭和47年3月20日だそうです。春一番、英語では
“The first spring storm”
というそうですが、日本列島に吹き荒れている「センテンス スプリング」、
ゲスの勘ぐりですが、第4弾以降もありそうですね(笑)。
  (拙著メルマガ 「日本の年中行事と昔話 15号」より)
  (次回は、「数量の問題 3」についてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>名門幼稚園の保育方針 私立幼稚園編(3)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第15
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私立幼稚園の教育方針 (3)
 
「春一番」は、立春後に初めて吹く南風ですが、気象庁は、3月14日、関東
地方にも春一番が吹いたと発表。私の住む川越では、あまり感じませんでした
が、教室のある本八幡では、瞬間最大風速25,5メートルもあったとか。昨
年は発生せず、ちなみに最も早かったのは昭和63年2月5日、最も晩かった
のは昭和47年3月20日だそうです。春一番、英語では
“The first spring storm”
というそうですが、日本列島に吹き荒れている「センテンス スプリング」、
ゲスの勘ぐりですが、第4弾以降もありそうですね(笑)。
        (拙著メルマガ「日本の年中行事と昔話」15号より)
 
幼稚園に関する新しい情報は、各園のホームページをご覧ください。ここで紹
介する情報は、私が説明会や過去のホームページから得たものが中心になって
いることをお断りしておきます。(筆者)
 
桐朋幼稚園
小学校は共学ですが、中学からは男子は国立にある桐朋学園中学校、高等学校
へ、女子は本園のある仙川の桐朋女子中学校、女子高等学校へ分かれ別学にな
ります。高校から大学への進学状況は、男女共に有名校で占められ、東大を始
め早大、慶大と、その数は半端ではありません。
大学の音楽部は、世界のマエストロ、小澤征爾氏の出身校です。
 
子どもたちの未来のために、桐朋幼稚園は変わります
○2年保育から3年保育へ
1955年設立以来、2年保育を実施してきました。しかし、子どもが育つ環
境が大きく変わり、ゆったりとした時間の流れの中で、心身を使い、人とかか
わり、思い切り遊ぶ経験などが少なくなってきました。(中略) 
  そこで桐朋幼稚園では、1学年を26名とし、2年保育から3年保育へ移
行することにしました。連続した3年間で、子どもも親も桐朋教育に触れ、ゆ
っくりと育つ良さを感じる保育を積み重ねていきたい。子どもも親も、ゆっく
りと成長することを保証される時間や環境が失われている今、それを園が保障
することが必要だと考えました。(中略)
○定員数
2016年度 3歳児なし、4歳児40名(男女20名)、5歳児40名(男女20名)、計80名
2017年度 3歳児なし、4歳児26名(男女13名)、5歳児40名(男女20名)、計66名
2018年度 3歳児26名(男女13名)、4歳児26名(男女13名)、5歳児26名(男女13名)、計78名
 
2018年度を目標に3年保育に移行します。詳しくはホームページをご覧ください。
 
【保育の方針】 
保育の原点は子どもです。
桐朋幼稚園では、子どもが地に足をつけて育っていくことをなによりも願って
います。親が子どもの未来に夢を持つのは当たり前ですが、その前にまず、人
間として自分の力で生きていける「根」を持たなければなりません。それをし
っかりと根づかせることを、私たちは最大の目標にしています。幼児であって
も、まぎれもない一人の人間だからです。
   
花を咲かせる時ではなく、大地にしっかりと根を張り、自らの人生を切り拓い
ていく素地を育む、これが本園の保育の原点です。大人の手垢のついた、促成
栽培された子ども達を求めていないということですね。
 
説明会では、大人の都合のいい子を育てるのではなく、子ども自身が生活をす
るうえで、何が大事なのかを身につけることが大切だと指摘していますし、試
験に関しても訓練された子や口の達者な子が有利になるようなことはしないし、
早生まれの子に関しては、統計的手法により月齢を考慮しているとおっしゃっ
ています。
 
かつての説明会では、小学校の推薦については、本園には「附属」といった言
葉はなく、園では独自の保育を実施しているので、推薦権は幼稚園にあるとも
いっています。幼稚園は小学校の下請けではないという意味で、遅刻や欠席が
多いと推薦しない場合もあるそうです。遅刻は、ご両親の育児の姿勢であり、
ご家庭の顔です。ルーズと判断されますから、推薦されなくても仕方がないで
しょう。規律を守ることは、集団生活をスムーズに送るための基本的な約束事
です。欠席が多いのは健康管理にも問題はありますが、稽古事などで子どもの
時間が奪われることへの警鐘ではないでしょうか。入園されたからには、園を
中心とした生活に徹してほしいということです。友達を作り、そして仲良く遊
べること、これが子ども達にとって、もっとも大切な仕事だからです。
 
通園時間は、幼児の足で40分以内、電車は各駅停車、利用できる交通機関は
2つまでで、乗り換えは1回、通園範囲も私学の幼稚園にしては、かなり厳し
く指定しています。通園するのは幼児ですから、無理のない範囲が望まれるの
も当然でしょう。
 
学園では、年間雑誌「桐朋の教育」(第47号発売中)の中で、園から高校ま
での試験の内容を公表していますが、桐朋小学校内にある出版部に行かないと
手に入りません。そこには、桐朋の求める子ども像、試験の方法、通園範囲に
ついて詳しく紹介されていますが、ここ3年ばかり購入していないので、もし
かすると掲載されていないかもしれません。
 
ある年の「幼稚園の入学試験」の一部を紹介しましょう。
    
好奇心旺盛で 年齢相応の 無邪気さがある子
幼稚園入試のための塾も盛んだと聞くが、そこでの学習が「ハイ、よくできま
した」「まだダメですね」的な評価を伴うものばかりだとすれば、そこでの体
験は「できる子・知っている子はイイ子」とか「できない子・知らない子はダ
メな子」という観念を植えつけてしまう。そのような観念をもった子どもは、
「できたかどうか」ばかりが気になって、自分なりに判断して行動しようとす
る姿勢がもてなくなる。このことは大いに問題があると私たちは考えている。
(中略)選考にあたって、子どもを見るのではなく、親の子育ての仕方を見て
いるといえるかもしれない。実際、「年齢相応の無邪気さのある子どもである
ことが大事」と考えるものにとって、過保護・過干渉・教育要求の過剰などは、
親にとって都合の「イイ子ちゃん」を作るとは考えられても、好奇心の旺盛の
「年齢相応な子」を育てるとは考えにくい。
 
過保護、過干渉に加え、「あなたのためです!」といった教育要求の過剰は、
とかく、親のエゴから起きがちで、成長をしっかりと踏まえたものでなければ、
子ども達を苦しめるだけではないでしょうか。
   
愛には、報われることを目標とするエロス的愛と、与えるだけでまったくお返
しを期待しないアガペー的愛があることは言われているが、親でありながら、
エロス的愛しか持たぬものもけっこう多いのである。
(完本 戒老録 自らの救いのために P86 曽野 綾子 著 祥伝社 刊)
 
かつて、聖心女子学院には幼稚園もあり、作家の曽野綾子さんは、幼稚園から
大学へ進んだ才媛ですが、ある随筆の中で「幼稚園の入園テストは、名前と年
を聞かれただけでした」と語っていました。戦後に廃園となりましたが、今幼
稚園があると、「面接だけ」とはいかないでしょうね(笑)。
現在、聖心女子学院は、小中高、六三三制から四四四制へ移行されています。
詳しくは学院のホームページをご覧ください。
 
ところで、桐朋小学校の募集人員は、2004年から72名(平成28年度の
募集要項には、男子36名、女子36名の表示はありません)になり、低学年
は1クラス24名の少数制を実施しています。募集人員72名の中には、幼稚
園からの進学者が40名含まれていますから、実際は32名の狭き門となって
います。そのため、幼稚園への受験者が増えているのではないでしょうか。と
懸念していましたが、3年保育に移行すると最終的には募集人員は26名にな
り、14名減ですから、幼稚園が狭き門になり、小学校は少しですが、広くな
ります。
 
【入園考査】 
2016年11月(入園2017年4月) 3歳児なし、4歳児26名募集(男女13名)
2017年11月(入園2018年4月) 3歳児26名(男女13名)、4歳児26名募集(男女13名)
2018年11月(入園2019年4月) 3歳児26名(男女13名)、4歳児募集なし
2018年度以降は、同じ。
 
【入園考査説明会】】(編集者 注 : 昨年度の情報です。)
5月16日(土)10:00~11:30 
7月26日(日)10:00~11:30  13:30~15:00
9月 5日(土)10:00~11:30
     幼稚園図書室、5月16日以外はお子様同伴不可で実施。
 
【Q&Aコーナー 】 入園案内Q&A
入園考査についてのよくある質問と答え
 
Q: 入園考査に特別な準備は必要ですか?
A: 特別な準備は全く必要と考えておりません。ごく普通の3歳児、4歳児
の生活をたっぷりとしてきた子どもが十分に持てる力を発揮できるようにと考
えています。
 
Q: 通園条件があるとうかがったのですか。
A: 4、5歳児の体力や健康を考慮し、通園可能なエリアを設けています。
 
(以下の情報は、「2016年度入園考査のご案内の通園条件」から抜粋した
ものです)
 保護者による送り迎えを原則としています。
 スクールバスによる園児の送迎は行っておりません。また、自家用車および
自転車などによる送迎は認めておりません。
自宅からの通園時間と交通事情等を考慮して、通園範囲を決めています。
 
 通園条件は、次の3点を満たすものとします。
1.次の各市・各区に住んでいること。
    渋谷区、新宿区、杉並区、世田谷区、中野区、目黒区、稲城市、国立市、
小金井市、狛江市、多摩市、調布市、日野市、府中市、三鷹市、武蔵野市、
川崎市麻生区、川崎市多摩区
 
2.利用する交通機関(電車またはバス)は、2系統まで(乗り換えは1回)。
ただし、新宿駅からJR・私鉄・バスなどへの乗り継ぎは認めておりません。
 
3.通園に要する時間は60分以内とします。(交通機関は、各駅停車を利用
するものとし、乗車時間は40分程度まで)
 
※通園範囲以外でも出願できますが、合格された場合は所定の手続きによる通
園範囲への転居が入園の条件となります。
 
Q: 小学校への推薦はありますか。
A: 進学については、桐朋小学校への推薦制度があります。
(平成28年2月現在のホームページから転載したものです)
 
国立学園附属かたばみ幼稚園
併設校は、小学校だけの特殊な教育環境で、ほぼ全員が中学受験を目指します。
小学校の受験は、実力一本で決まりとはならないでしょうが、中学校は、親の
面接があるとはいえ、本人の実力次第です。中高一貫教育で力をつけ、目指す
大学へ無事合格、描かれる卒業後のばら色の青写真、中学受験が過熱するわけ
です。といっても、かたばみ幼稚園が火をつけたのではありません。
そういう考えが、根強く支持されているということです、念のため。
 
JR国立駅を降りると、春爛漫の頃には、まっすぐに伸びるメインストリート
の両側にある見事な桜並木が、目に飛び込んできます。本園は、一橋大学の裏
側に当たる閑静な住宅街に囲まれたところにあります。
 
国立学園小学校の設立者、堤廉次郎は、早くから教育環境の重要さを認識し、
樹林の美しいこの国立の地に、模範的な学園都市の建設を企画し、東京商大
(現一橋大学)の誘致をはじめ、諸文化設備の計画と共に、その一環として幼
児教育の重要性にかんがみ、1954年(昭和29年)4月、本園を開設し、
1983年には、幼稚園教育の新しい方向を求めて、新園舎を完成。
 
【園名の由来】
道端にしっかりと根を張って咲くかたばみの花、愛らしいピンクの花弁が、人
の心を慰めてくれる。ここで育つ子ども達も、この花のように「やさしさ」
「たくましさ」「かしこさ」を備えた子どもに成長するようにとの願いを込め
て「かたばみ幼稚園」と名づけました。
 
【教育理念】
21世紀を「やさしく、たくましく、かしこく」生き抜く子どもを一緒に育て
ていきましょう。
入園当初、集団生活に戸惑い心細い思いをしていた子どもたちもが、3年後、
心も身も大きくなって卒園していきます。まぶしいほどの成長ぶりです。本園
の成長の過程で子ども達は何度も問題や壁に突き当たるでしょう。その時私た
ち教師は、子ども自身が問題に「気づき」どうしたらいいのかを自分の力で一
生懸命に「考え」、さらに自ら「行動」に移していけるように導きます。主体
は子どもたち。教師はあくまでもサポート役です。そうした日々の積み重ねが、
子どもたちを自信にあふれた人間に育てていくのです。本園での経験が、将来、
21世紀を積極的に生き抜くための原動力になることを願ってやみません。
 
【教育目標】 
開園以来、一貫して「豊かな人間性を培う」ことを目標として、集団の中にあ
って、一人ひとりが持つ「個性と創造性」を発揮できる子ども。個を大切にし
ながら、「協調性と愛情」を持って友達と接し行動できる子ども。これが私た
ちの願う具体的な目標です。さらに私たちが願う子ども像は、自ら気づき、考
え、行動しながら、21世紀をやさしく、たくましく、かしこく生きぬく力を
身につけた子どもです。
 
【子どもたちを健やかに育てる環境】 
〔クラス集会〕 
友達とかかわりあうことにより、一日の活動を豊かにします。
朝の会、帰りの会と一日に2回行います。健康調査をすると共に、今日一日の
遊びの準備や一日を振り返ります。
また、明日の遊び予定を話し合い、期待を持って登園できるようにします。
当番活動や係り活動、そして園生活のルールについて話し合い、園級集団を密
にします。
 
〔チャレンジタイム〕 
遊びながら体力、挑戦する心、やり遂げる気持ちが身につきます。
子どもたちは、「できるようになりたい。」という向上心にあふれています。
そういった意欲的な気持ちを大切に育てるのがチャレンジタイムです。昨日で
きなかったことができるようになったとき、子どもたちの瞳は輝きます。この
輝きは、さらに高い目標を目指す意欲へとつながるでしょう。なにごとにも積
極的に取り組む心と身体を育てます。
   
〔自由遊び〕 
課題を通して、探求する心や行動することの大切さを育みます。
クラスや年齢の枠を取り払って、一緒になって遊ぶ機会が多いのが、幼稚園と
いう集団生活の魅力です。自由遊びを通して、子ども達は友達を求め、遊びを
創造し、ルールを守り、多くのことを体験していきます。その過程で、譲り合
う心、年下をかばう心、年上から学ぶ心が育ってきます。自由遊びは、子ども
達の心が大きく成長する大切な時間です。
 
〔課題遊び〕 
課題を通して、探求する心や行動することの大切さを育みます。
本園の最も力を入れている教育方法が、課題遊びです。発達段階に応じた工作、
作業、運動などの課題に取り組みながら、その過程で生じる問題に対して子ど
もたちが自分の力で考え、行動し、解決する力を育てます。同時に、工夫する
楽しさ、作品を完成する喜びを伝えます。1年間の遊びの成果は、毎年2月の
作品展で発表します。
 
こういった保育から、
・気づき、考え行動する子ども
・やさしさ、たくましさ、かしこさを、自ら表出できる子ども
・個性的で創造的な行動ができる子ども
・協調的で愛情のある行動ができる子ども
の育成であることが伝わってきます。
 
平成25年度から、あずかり保育「きらきらクラブ」が始まりました。夏、冬、
春の休業期間も行っています。詳しくは、ホームページをご覧ください。
 
受験の際には、幼少一貫教育に期待することをまとめておくことが大切です。
受験する方は中学受験を目指していると思いますが、小学校の説明会に参加し、
たとえば、「習熟度別クラス編成」は、どういったシステムになっているかを
知っておくことも大切ではないでしょうか。
 
ところで、国立には、国立学園小学校の他に、桐朋学園小学校、国立音楽大学
附属小学校、国分寺には早稲田実業学校初等部が、吉祥寺には成蹊小学校、三
鷹台には立教女学院小学校があり、受験者の皆さん方から不謹慎といわれそう
ですが、週刊誌の中吊り広告では、「武蔵野は小学校受験の激戦地!」となる
のでしょうか。
 
【募集人員】A日程  3年保育男女約35名  2年保育男女約15名
      B日程  3年保育男女約15名  2年保育男女約10名  1年保育男女若干名
 
【説明会】 第1回 6月6日(土) 午前9時30分~正午 於 幼稚園ホール
      第2回 9月3日(木) 午前9時15分~正午 於 幼稚園ホール
     2回目はお子さん同伴不可で実施。
 (編集者 注 : 昨年度の情報です。)
 
【Q&Aコーナー】 よくあるご質問
Q: 見学は、させて頂けますか。
A: 平成25年度新入園児募集については、6月8日(金)と9月7日(金)
に説明会と保育見学を予定しております。また、6月と10月に数日の保育見学
日を設けております。詳しくは「入園・転(編)入について」のページをご覧く
ださい。(注 平成28年度のものではありません。更新されていませんので幼
稚園にお問い合わせください))
 
Q: 通園時間に制限があるのですか?
A: はっきりしたきまりはありませんが、親子にとって無理のないようにして
ください。(約1時間以内)
 
Q: 入試の時、生まれ月による考慮はしていただけるのですか?
A: はい、考えております。月齢は考慮いたします。
 
Q: 国立学園小学校への進学は、出来るのですか?
A: 単願制度があり、希望者は進学できます。
 
Q: 保育時間はどうなっていますか?
A: 月・火・木・金 9:00~14:00
   水 9:00~12:30
 
Q 給食はあるのですか?
A:本園では、お弁当です。(月・火・水・木・金)
   (水)は希望する方は給食があります。
 
Q: バスの送迎はありますか?
A: ありません。お子さまの送り迎えは、保護者が行います。駐車場を借りて
車での送り迎えを行っている方もいます。
 
Q: 面談は、両親そろっていないといけないのですか?
A: おそろいでなくても、結構です。保護者お一人でもかまいません。
(平成28年2月現在のホームページから転載したものです)
 
   (次回は、白百合幼稚園についてお話ししましょう)
 

さわやかお受験のススメ<保護者編>建国記念日と二月に読んであげたい本(2)

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2017さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第15号-
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第4章 建国記念日と二月に読んであげたい本(2)
 
川崎市の中学1年生殺害事件、19歳の少年に判決が出ましたが、公判での殺
害する様子を聞くにつけ、あまりの残虐な行為に吐き気がし、許せない。なぜ、
こういった子どもになってしまったのか。清原の麻薬にしても、「これをやる
と、こうなる」ということさえ想像できないほど、バカだったのだろうか。清
原は、落合氏が指摘したように松井以上の才能の持ち主にもかかわらず、野球
を愛する人々を侮辱し、野球少年の夢を汚しただけに、これも許せない。「陰
口を叩かれるようなことをするな!」は、明治生まれの親父の口癖でしたが、
善悪を判断する物差しは、幼児期の両親の姿勢で培われるのではないだろうか。
「三つ子の魂百まで」は、育児の鉄則です。その教材の一つが昔話と考えてい
ますが……。
“The Leopard cannot change his spots”(故事ことわざ辞典)、以前に紹介
しましたが,
もっと強烈な英語版を見つけました。
“What is learned in the cradle is carried to the grave”
(“ゆりかごで覚えたものは墓場まで持って行かれる”「英語のことわざ」より)、
肝に銘じておきたいものです。
 
また目玉ですが、これも面白い話です。
 
◆鬼の目玉◆   松谷 みよ子 著
娘が旅の途中で泊めてもらった家には、若者が一人で住んでいました。毎朝、
若者は奥の部屋に出かけ、夜になると疲れはてて戻ってきます。若者のお父さ
んが豪傑で、悪さをする鬼の目玉をくりぬき取り上げたのです。お父さんが亡
くなると鬼が目玉を取り返しにきて、毎日、責め立てていたのでした。
ある日、娘は若者の後をつけ、拷問の場面を見たのです。鬼の大将らしき者が、
わめく顔を見ると目がありません。娘が酷い仕打ちを受ける理由を聞いても若
者は答えず、退屈だろうから、13ある部屋で遊びなさいという。ただし「最
後の部屋へは入ってはいけない」といわれたのでした。  
娘が最初の部屋を開けると、門松や鏡もちが飾ってある正月の部屋で、小人さ
んたちが、羽根つきやカルタをして遊んでいるのです。娘も中に入ってみると、
小人さんと同じように小さくなり一緒に遊べるのでした。次の部屋は梅が咲き
うぐいすが鳴き、次の部屋はおひなさまが飾ってあるというように、1月から
12月までの部屋があったのです。楽しかったので、最後の部屋にも入ると、
真っ暗な部屋に桶があり、何かが浮かんでいました。
鬼の目玉だとわかった娘は懐に入れ、帰る途中、小川の側で蛇と出会い、びっ
くりして、1個、落としてしまうのです。残った1個を持って、お仕置き部屋
に飛び込むと、大将の片目に、眼が入っているではありませんか。恐る恐る目
を差し出すと、「眼がそろったから、褒美として娘に金の鶏をやれ」と、いっ
たかと思うと、鬼も若者も、部屋も家も、あっという間に消えてしまい、娘は、
がい骨がゴロゴロと転がっている山の中に、一人残されていたのでした。
日本むかしばなし 7 
おにとやまんば 民話の研究会 編 松本 修一 絵  ポプラ社 刊
 
この13番目というのがすごいと思いませんか。この作者は、13日の金曜日
が、何の日か知らなかったでしょうね。キリストが、13番目の弟子であった
ユダに裏切られ、磔の刑を受けたのが金曜日。アダムとイブが楽園から追放さ
れたのも金曜日。ノアが方舟に乗ることになった大洪水も、降りはじめたのが
金曜日。絞首刑の階段が13段ということも……、これも不思議です。
 
次は笑わせられる話です。
 
◆節分の鬼◆   小沢 重雄 著 
変わったじいさまがいて、節分の日に、女房も子どももいないから、鬼が来て
も平気だと、「鬼は内! 福は外!」とやってみたのです。すると、豆をぶつ
けられて往生しているのに、奇特な方がいるものだと、2匹の鬼がやってきた
ではありませんか。酒の好きなじいさまは、鬼達にもすすめ、宴会が始まりま
す。ご馳走になった鬼達は、礼をしたいといいます。じいさまは、丁半ばくち
が大好きなので、さいころに化けてくれと頼みます。さっそく鬼は化けます。
それで、ばくちをするのですから、じいさまのいうとおりの目が出て大もうけ
をしました。再び宴会に、今度は泡銭をたくさん持っていますから、豪勢なも
のです。これに味をしめたじいさまは、来年も来てくれと約束をします。しか
し、次の年も、その次の年も、鬼は現れません。その内、じいさまは、酒を飲
みすぎて死んでしまいました。
ばくち好きでしたから地獄行きです。そこで、あの鬼達と再会します。鬼達は
娑婆(しゃば)のお礼にと、いろいろと手抜きをします。釜ゆで地獄のときは、
湯かげんに手心を加え、熱かんまでつけるサービスをするのです。怒った閻魔
大王が、「じじいを喰っちまえ!」と鬼達に命じますが、これも手抜きをして
もらい、娑婆に舞い戻り、長生きをしたのでした。
  日本むかしばなし 7
  おにとやまんば 民話の研究会 編 松本修一 絵  ポプラ社 刊
 
どうしたら、こういう発想が生まれるのでしょうか。
この2匹の鬼には人情があって、それだけにおかしいのです。針の山に登ると
きは鉄の下駄を用意するなど、地獄の責め苦を、鬼が手抜きする場面は、本当
に笑わされます。しかし、鬼に人情って変ですね。「鬼の目にも涙」といいま
すから、涙腺を緩めるセンサーが付いているのでしょう。鬼の情けで「鬼情」
では、何やら不気味な感じがしますね。
 
この話もおかしいのです。今度は鬼が、博打(ばくち)をする話です。
 
◆地蔵浄土◆   おざわ としお 再話
ある日、おじいさんが、食べようとしただんごを落とし、ネズミの穴に入って
しまいました。おじいさんが、穴に入っていくと、お地蔵さまがいたので尋ね
たところ、「あっちの方に転がって行ったぞ」というその口元には、黄粉がつ
いています。おかしいなと思いながらも、探しに行こうとすると、お地蔵さま
が、大儲けをさせてあげるから、天井裏に隠れなさいというのでした。鬼達が
来てかけ事をするから、その金をいただくのだという。しかし、天井に上るは
しごがありません。すると、お地蔵さまは、私の手に乗り、肩に足をかけ、届
かなければ、頭にのって天井裏に隠れなさいというのです。罰が当たると尻込
みしますが、鬼達が来ると驚かされ、渋々、隠れます。そして、「私が合図を
したら、鶏の鳴声をまねしなさい」といったのです。
やがて、鬼達が来て、かけ事を始め、お金がたくさん出たところで、お地蔵さ
まから合図があり、「コケコッコー」と鳴きまねをすると、鬼どもは一番鶏が
鳴いたと勘違いして、「夜明けが近いぞ!」とあせってばくちをし、2回目に
は二番鶏が、3回目には、「三番鶏が鳴いた。夜明けじゃ、帰るぞ!」といい、
お金を残したまま消えてしまいました。おじいさんは、鬼達が残していったお
金をいただいて大金持ちになったのです。
 それを聞いた隣の欲の深いじいさん、一儲けしようと出かけ、遠慮しないで、
お地蔵さまの体に足をかけて天井に上がってしまいます。ところがです。三番
鳥まで鳴くようにといわれましたが、何を勘違いしたのか、お地蔵さまの合図
に、「コケコッコー」と鳴きまねをせずに、「はぁ、一番鳥!」、「はぁ、二
番鳥!」といってしまうのです。「この間、おれたちをだました奴だな!」と、
鬼たちから散々、痛めつけられ、血だらけになって帰っていったのでした。
  日本の昔話 2
  したきりすずめ おざわ としお 再話 音羽 末吉 画 講談社 刊 
 
天井裏に上がるときの、お地蔵さまと正直なじいさまとのやり取りが、おかし
いのです。欲深じいさんが、天井に上がるときも、仏さまを仏さまと思わない
ふてぶてしさが、これまた愉快で、日本人の信仰心をあからさまにしているよ
うな気さえします。
お地蔵さまは、本当はお釈迦さまがいなくなった後、弥勒仏が出現するまでの
間をつなぐ役をする偉い菩薩さまですが、いつも庶民の身近にいる仏さまです。
粋なのです、このお地蔵さまは。
こういう話を作った人って、尊敬できますね。生きることを楽しんでいるでは
ありませんか。お地蔵さままで、舞台に上げるのですから大胆なものです。し
かもです、お地蔵さまに、うそをつかせるのですから、傑作ではありませんか。
まねをした欲の深いじいさんが、こらしめられるのも、むかし話の定石です。
 
最後は鬼をたぶらかす話で、恐かった鬼ですから勇気がいります。
 
◆じいさまとおに◆   水谷 章三 著
ある秋のことです。
おじいさんのところへ鬼が来て、畑にできているものを半分よこせという。そ
こでおじいさんは、「畑の上のものだけもらうから、鬼さんには土の中のもの
をあげましょう」といって、麦畑の麦を全部、刈り取って株だけ残します。計
られたと知った鬼は、次の年の秋には「土の上にできているものを、わしがも
らうぞ」というので、おじいさんは「下の半分で結構です」と承知し、鬼が葉
っぱを刈り取った後で、大根や芋をごっそりと掘り出したという話です。
五月のはなし
ももたろう 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修 日本民話の会 編 国土社 刊 
 
大らかな話ではありませんか、鬼を手玉に取り、恐い鬼も形なしです。鬼は悪
魔と考えられ、病気や災いを起こす疫病神のような存在でしたから、人々の
「恨み、つらみ」は相当なものであったと思われます。おじいさんの気持ちが、
手に取るようにわかります。
 
鬼が主人公の話ではありませんが、芥川龍之介の「杜子春」に出てくる地獄の
話も忘れられません。仙人になる修行中に、口をきいてはならぬと約束した杜
子春が、閻魔大王の前でも話さないものですから、怒った大王は杜子春の両親
を連れ出し、鬼どもに散々、むちで打たせるのですが、口をきこうとしません。
畜生道に落ちて馬になっているお母さんが、あえぎながらも、「心配をおしで
ないよ。私たちはどうなっても、お前さえ幸せになれるなら、それより結構な
ことはないのだからね。大王が、何といってもいいたくないことは黙っておい
で」、こういうのでした。この場面にくると、決まったように涙が出たことを
覚えています。子を思うお母さんは、こんなにもやさしいものなのだなと……。
 
幼い子をいじめたり、折かんをしたり、果ては「しつけ」と称して、殺してし
まう親のいる時代。地獄に落ちて、同じ責め苦を受けなければ、殺された子は
浮かばれない。子どもに罪はない。母親は、育児をしながら自分自身を育てる
もの、父親も同じだが。みんなそうやって生きているんだ。わが子のあどけな
い寝顔を、かわいいと思ったことはないのか。何ら疑うことなく、安心して眠
っている子を手にかけるのは、人として許されない大罪。ましてや、虐待の仕
方をLINEで相談していたとはもってのほか、人のやるべきことではない。
(激憤)
興奮を静めて、「子は、かすがい」ということわざ、死んでいます。もっとも
「鎹(かすがい)」も意味不明の言葉となっているでしょうね。鎹は、二つの
材木をつなぎ止めるために打ち込む「コの字型のくぎ」で、そこから「子は夫
婦のあいだをつなぎ止める働きをする」という意味です。「豆腐にかすがい」
(まったく効果のない、手ごたえのなきことのたとえ)とならないように、親
子の絆は、しっかりと結びたいものです。   
 
ここでは取り上げませんでしたが、鬼を人間らしく扱った浜田廣介の「泣いた
赤鬼」は、童話とはいえ日本以外に、こういった作品はあるのだろうか。最後
の青鬼くんの置手紙には、不覚にも涙がこぼれてきます。お子さんはどのよう
な反応を示すでしょうか。
 
赤鬼くん、人間たちと仲良くして、楽しく暮らしてください。もし、僕が、こ
のまま君と付き合っていると、君も悪い鬼だと思われるかもしれません。それ
で、ぼくは、旅に出るけれども、いつまでも君を忘れません。さようなら、体
を大事にしてください。僕はどこまでも君の友だちです。
(「泣いた赤鬼」浜田康介 著 小学館文庫 小学館 刊)
 
百田尚樹氏の「影法師」を読んだ後、頭に浮かんだのは「泣いた赤鬼」の青鬼
くんでした。
自己中が多い現代気質では、友達のために自分を犠牲にする気持ちは古臭いと、
馬鹿にされるかもしれませんが、読むたびに、わかっていても目頭が熱くなる
童話の一つです。
この他に、「ある島のきつね」「よぶこどり」「むくどりの夢」「りゅうの目
の涙」などは、学生時代に出会った童話ですが、年を取って読み返しても新鮮
な刺激を与えてくれることに驚かされます。こういう時ですね、活字中毒に育
ててくれた親父やおふくろを思い出すのは。(感謝)
 
ところで、百田氏の作品には、最後の1ページの1行で全てがわかるしゃれた
構成が面白い短編集「幸福な生活」、ファイティング原田を主人公にした
「『黄金のバンタム』を破った男」、ボクシングの青春物語「ボックス」、自
費出版の裏側を暴露した「夢を売る男」、身長以外は何でも整形できる世界を
描いた「モンスター」(仰天!)、この作品と対になっている多重人格者を扱
った「プリズム」、悪名高いオオスズメバチの生態を描いた「あらしの中のマ
リア」、映画化されテレビでも放映された「永遠のゼロ」、出光興産の創業者
をモデルにした「海賊とよばれた男(上下)」、激動の昭和時代を生きた作田
又三を主人公にした「錨を上げて(上下)」など、氏の肩のこらない話の展開
は、若い皆さん方にはわからないかと思いますが、私が学生の頃、面白がって
読んでいた「宮本武蔵」や「真田十勇士」(猿飛佐助など幸村に従った十人の
勇士)の講談本と同じで、まっすぐ一本道で気軽に読み切れ、理屈っぽくない、
一服の清涼剤的な読後感が好きでしたが、「殉愛」でこけました(笑)。なぜ、
氏が執筆されたのか、芸能界音痴で、この世界のことはわかりませんが、裁判
が始まりましたから、答えは出るのでしょけど……。
 
最後に、「春一番」は立春後に初めて吹く南風ですが、気象庁は、3月14日、
関東地方に春一番が吹いたと発表。川越ではあまり感じませんでしたが、教室
のある本八幡は、瞬間最大風速25、5メートルと、かなり吹いていましたね。
 
1959年に民俗学者の宮本常一が「春一番」という言葉で、気象現象を解説
したことから、新聞などで使われるようになったそうです。その後、広く一般
でも使用されるようになり、今では気象用語になりました。
(「昭和のこころ」日本の年中行事 So-net ブログより)
 
昨年は発生せず、一昨年は3月18日でした。ちなみに、最早記録は、昭和
63年(1988)2月5日、最晩記録は昭和47年(1972)3月20日だそ
うです。  
(「関東地方の春一番」気象庁天気相談所作成 2015年3月更新より)
      
「春一番」、英語では“The first spring storm”というそうですが、日本列
島に吹き荒れている「センテンス・スプリング」、ゲスの勘ぐりですが、第4
弾以降もありそうですね(笑)。
 
(次回は、「第五章 ひな祭りでしょう 弥生」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試問題を分析する   数量に関する問題(1)

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第32号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試問題を分析する★★
[4] 数量に関する問題(1)
 
2月14日はバレンタインデー。3世紀頃のローマでは、戦士の戦意に影響が
あると考えられ、若者の結婚を禁止。それを哀れと思ったバレンタインは,ひ
そかに結婚をさせていたのが発覚し、処刑された日が2月14日。その殉教の
日がバレンタインデー。チョコレートを贈る習慣の発祥地はイギリス。日本で
は、1936年に神戸のモロゾフ洋菓子店が、1958年に新宿の伊勢丹が
「バレンタイン・セール」のキャンペーンを行ったが結果は今一。広まったの
は1970年頃からだそうです。(「言語由来辞典」より抄訳)
1970年、私は30歳ですから、チョコレートをやり取りする習慣はなかっ
たわけですね。思い起こすと、家内からではなく、娘から貰ったのが初体験で
した(笑)。
 
数量の問題というと、「計算ですね!」と勘違いするお母さん方が、かなりい
るようです。確かに計算は算数の一部の領域ですが、それがすべてではありま
せん。学校側が求めている数量は、数や量の概念、図形や空間の分野まで広範
囲にわたっています。
 
「算数は計算」と考えると、文章題の苦手な子になりがちのようです。計算は
基本ですから、きちんと勉強しなければいけませんが、算数の学習の目標は、
四則算を応用し文章題を解く力を身につけることです。文章題は「文を読み取
る力、読解力」が求められていますから、国語力を充実させることが大切だと
思います。国語力とは、「読む力」「書くための力」「聞く力」「話すための
力」「総合的国語力」の5つの能力で、この能力を客観的に測るのが、2007
年にスタートした「国語力検定」です。
 
「年長さんでも、つるかめ算が解けます」というと、「ご冗談を!」と思われ
るかもしれませんが、数感のところで紹介しました香川大学名誉教授の小林先
生から教わったもので、加減乗除ができなくても○とマッチ棒だけで解けるの
です。
  
つるとかめが合わせて5匹いて、足の数は16本です。つるとかめは、何羽、
何匹ずついるでしょうか。
 
スケッチブックに○を5個描き、マッチ棒(爪楊枝でも可)を用意しましょう。
幼児とのやり取りは、以下のように進めていきます。
(  )内は式で解く場合です。
  
    「つるは、何本足かな」
    「2本です」
    「では、○の下に2本ずつマッチ棒を置いてごらん」 (5×2=10)
    「先生、6本あまっちゃったよ」 (16-10=6)
    「あまったマッチ棒を上に2本ずつ置いてごらん」 (4-2=2)
    「先生、なくなっちゃったよ」 (6÷2=3)
    「足が4本あるのは」
    「かめさんだよ」   
    「何匹いるかな」(上下に2本ずつマッチ棒が置かれているのはかめ)
    「3匹だよ」
    「頭としっぽをかいてごらん」
    「先生、残っているのは足が2本だからつるですか」 (5-3=2)
    「ピンポン! 正解です」
     幼児とのやり取りを図にすると、こうなります。
 
        ∥ ∥ ∥
        ○ ○ ○ ○ ○
        ∥ ∥ ∥ ∥ ∥
 
幼児の数量の問題は、数字を用いた加減乗除で解けませんから、計算力よりも
読み取る力、読解力が大切なポイントになるわけです。
 
[数の問題]
「数の領域」から説明しましょう。
出題される内容は、
「全部でいくつあるか」(数える)
「どっちが多いか、少ないか」(多少)
「合わせるといくつ」(和)
「いくつ違うか」(差)
「いくつ必要か」(対応)
「分けるといくつずつになるか」(分割)
 
和・差・対応・分割などの言葉だけをみると、「加減乗除ですね!」となりそ
うですが、それも無理のないことかもしれません。入試問題を用いて、その解
き方を紹介しましょう。
 
「5個のリンゴと3個のミカンを合わせると、いくつになりますか」
     5+3=8ですから、これは足し算ですね。
「5個のリンゴと3個のミカンでは、どちらがいくつ多いですか」
     5-3=2となりますから、引き算ですよ。
「5人の子どもにリンゴを1つずつあげるには、いくつのリンゴが必要ですか」
     5×1=5ですから、これは掛け算ではありませんか?
「6個のリンゴを3人で分けると、1人いくつずつになりますか」
     6÷3=2、これは割り算、割り算ではないですか!
 
問題だけ読めば、こうなりがちではないでしょうか。しかし、このように考え
て指導するのは、幼児には適切ではありません。これでは加減乗除の計算を教
えることになりますから、理解できないでしょう。
年長さんで、九九をそらんじている子もいますが、[2×3]と[3×2]の
違いを説明できなければ、単に記憶しているだけですから、掛け算を理解して
いるとはいえません。[2×3]は、たとえば、りんごが2個入っている皿が
3枚あることで、[3×2]は、りんごが3個入った皿が2枚あることで、答
えは同じでも皿に入っているリンゴの数は違いますから、掛け算の仕組みを理
解しているとはいえないわけです。ですから、加減乗除の意味をきちんと学習
することが大切なのです。以前、「養ってほしい数感覚」でお話しましたが、
復習しておきましょう。
スケッチブックと鉛筆を使いますから用意してください。
 
[多少(引き算と足し算)]
ここに10個と8個のクッキーがあるとします。
「多い方、食べても、いいよ」
というと、子どもは「1つ、2つ、3つ……」と数えずに、アッという間に多
い方を取るのではないでしょうか。より多くのものを食べたいと思うのは本能
ですから、直感で見分けるわけです。
このように直感で多少を見分けることが、数の概念を理解する出発点です。
 
しかし、現代っ子は食べ物の取りっこなどしないでしょう。一人っ子では争い
ようがありません
おやつの時にもお母さんがきちんと分けていませんか。これは止めてお子さん
に取らせましょう。
数に関しては、数える作業や数の違いを見つける経験をたくさんさせることで
す。そこで磨かれるのが直感力です。
 
「クッキー、8個、食べてもいいですよ」
8個、自分で数えなければなりませんから、数えることを覚えます。
「お母さんは、これだけ取りましたよ」
わざと多めに、10個ぐらい取ってみましょう。
「お母さん、ずるい。ぼくより多いよ!」
直感力は順調に育っています。
 
「お母さんとあなたとでは、いくつ違いますか?」
[10-8=2]と数字を使った計算は、子どもには無理ですし、その必要も
ありません。「数感を磨こう」でやりましたが、忘れていた場合は、
「違いを見つける方法、やったことがありますよ」
一言つぶやき、考えさせることです。思い出せない場合は、以下のようにやっ
てみましょう。
 
下のように二列に並べられると、数の違いを見つけることができます。これを
スケッチブックに描き、線を引いて比べてみましょう。
 
   ○○○○○○○○○○(お母さんのクッキー)
   ||||||||
   ●●●●●●●●  (お子さんのクッキー)
 
「お母さんの方が、2個多いよ」
「ごめんね、取りすぎたわ。お母さんとあなたのクッキーを比べると、あなた
は、いくつ少ないの?」
「2個でしょう」
とわかるはずです。
1つ1つ対応させて数の違い、多少を見つける「1対1対応」で、これが幼児
の引き算の方法です。
 
「全部で、いくつありますか」といって数えさせると、合計が出ます。お母さ
んのクッキー10個を覚え、自分のクッキーを11個,12個、……18個と数
えます。多い方の数を覚え、少ない方の数を数える、これが幼児の足し算の方
法です。このように物を数えるときは、必ず数詞をつけるようにしましょう。
 
数詞は言語のところでも触れましたが、難しいですから再度、お話ししておき
ます。
鉛筆を数えてみましょう。本は本ですが、「いっぽん、にほん、さんぼん」と
全部、違いますし、人は「ひとり、ふたり、さんにん、よにん、ごにん」と
「ひ・ふ・よ」は訓読みで、「さん・ご」は音読みと、実に複雑な読み方にな
っています。皿、手袋、鯨、はし、服、テレビ、とにかく日本語は難しいです
から、数詞をつけて数え慣れるようにしましょう。
数詞には、1個、2個と数量を表す基数詞と、1番、2番と順序を表す序数詞
がありますが、お父さん、お母さんが知っていればいいことで、お子さんに教
えることはありません。
(次回は、「数量の問題 2」についてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>名門幼稚園の保育方針 私立幼稚園編(2)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第14
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私立幼稚園の教育方針 (2)
 
「おじいちゃん、ぼく、チョコレート貰ったんだよ!」と5歳の孫が得意そう
に電話してきたのですが、娘は「これには裏があるのですよ」と笑いながら教
えてくれました。聞いて笑ってしまいましたが、小さい頃から興味がある、い
や、あおられているようです。お子さんは、まだ、大丈夫ですね(笑)。
 
【幼稚園に関する新しい情報は、各幼稚園のホームページをご覧ください。こ
こで紹介する情報は、私が説明会へ参加したときのものや過去のホームページ
から得たものが中心になっていることをお断りしておきます】
 
学習院幼稚園
 
宗教色がなく、初等科は共学、大学まである総合学園の幼稚園で、目白キャン
パスの正門から入った左側にあります。明治27年に華族女学校の敷地内に設
けられたのが始まりですから、日本で最も古い幼稚園だそうです。皇族の方が
入園されますから、普通のサラリーマンの家庭では縁のない幼稚園と思われが
ちですが、そのようなことはありません。説明会でも、「普通の私立の幼稚園
であり小学校です」といっています。しかし、皇室の方が通われる年の入園は、
条件も少し厳しくなるようですが、これは仕方がないでしょう。
 
【教育の狙い】
「遊びをとおして豊かな基礎作りを」
幼児期における教育は、生涯に渡る人間形成の基礎を培う重要なものです。
学習院幼稚園では、幼稚園から大学までの一貫した教育理念のもと、教育組織
の出発として、また、人間形成の出発点として、正しく、明るく、健やかに幼
児を育てることを目的といたします。
このため、子どもとしての自然な生活、遊びを大切にしながら、次のことを心
掛けた教育を行っています。
・正直で思いやりの心。
・正しい生活習慣と態度。
・自ら育とうとする力。
・社会性の基礎作り
 
知育偏重型のお母さん方へ、子ども達は、こういう時期なのです。知性も情緒
も意思も、みんな遊びを通して培われます。ムチを振りながら歌を教える「す
ずめの学校」ではない先生が、幼児には必要です。自由保育の、かくありたい
姿ではないでしょうか。
 
「正しい生活習慣と態度。自ら育とうとする力」は、子ども達自身が努力しな
ければ身につきませんし、育まれません。しかし、少子化時代の悪い傾向とし
て、親が子どもに手を貸しすぎる傾向にあるのも事実ではないでしょうか。親
の手を借りずに、自力でできることが、一つでも多くある子の知的な能力が高
いといわれるのは、できるまで試行錯誤を積み重ねているからです。「可愛い、
可愛い」と手をかけられている子は、本当は不幸です。
 
説明会では、このようにいわれたことがありました。
 
「幼稚園での教育は、花にたとえれば、根っこのところを培っているのです。
子ども達に、正しい心、たくましい心、豊かな心を育てたい、そういった思い
で毎日の保育に取り組んでいます」
 
小学校の説明会の話ですが、これもわかりやすいので紹介しましょう。
 
「低学年に求められる教育姿勢として、18代院長、安倍能成の、
       ・嘘をついてはいけない。
       ・素直な人間になりなさい。
       ・他人に思いやりのある人間になりなさい。
を大切にしていきたいと考えています」
 
【募集人員】 2年保育 男女各26名、計52名。
【説明会】
 平成27年9月12日(土) 11:00から1時間半程度の予定で実施。
 開催場 学習院創立百周年記念会館 正堂(目白キャンパス内)
 募集要項にある『説明会出席票』にあらかじめ記入し、受付に提出。
 ※説明会終了後、園庭及び保育室、遊戯室内の見学が可能です。
 
【Q&A コーナー】 よくある質問
 
幼稚園生活について
Q: 通園時間に制限はありますか?
A: 制限はありません。お子さんが通える範囲であれば、距離も時間も特に
   制限は設けておりません。
 
Q: 通園の仕方を教えてください?
A: 公共の交通機関を使って、保護者の方に幼稚園まで送り迎えをしていた
   だいております。
 
Q: 幼稚園では制服で過ごすのですか?
A: 通園は制服です。入園式やお誕生会など制服で過ごす場合もありますが、
   普段は、動きやすい服装に着替えます。
 
Q: お弁当について教えてください?
A: 年少組は週3日、年長組は週4日お弁当があります。
   詳しくは「ようちえんの1日」をご覧ください。
 
Q: 土曜日に登園することはありますか?
A: 土曜日は原則として休園です。運動会などの行事を行うこともあります。
 
Q: 母親が園の行事に参加する機会はどのくらいありますか?
A: 父母会や講演会など、平均して月に2度ほどあります。
 
Q: 入園後、海外へ転勤する場合どのような扱いになるのでしょうか?
A: 再入園を前提とした退園扱いとなります。
 
幼稚園説明会について
Q: 幼稚園説明会は、予約が必要ですか?
A: 必要ありません。詳しくは「幼稚園説明会」をご覧ください。
 
Q: 入園前に幼稚園は参観できますか?
A: 入園前に参観日は設けておりません。
   ただし、説明会当日は、終了後、園庭および保育室、遊技室内の見学が
   可能です。
 
Q: 幼稚園説明会に子どもを同伴してよいですか?
A: ご自由ですが説明会中はお静かに願います。
   「ロビーのテレビモニターで説明会の様子をご覧いただくことも可能で
   す」は、平成28年2月のHPでは削除されています。27年までロビ
   ーにテレビが設置され、そこでも見ることが可能でした。今年はその設
   備がないかもしれませんので、お子さんをお連れの際には、事前に問い
   合わせてください。
     (平成28年2月現在のホームページより転載したものです)
 
降園時にJR目白駅前は、三つの幼稚園児が顔を合わせます。
一番近いのが川村幼稚園、次が学習院幼稚園、もっとも遠いのが日本女子大学
附属豊明幼稚園で、こういうロケーションも珍しいのではないでしょうか。
 
成城幼稚園
宗教色がなく、共学で、大学まである総合学園の幼稚園、広大なキャンパス内
には川が流れ、武蔵野の自然が、いたるところに残っています。ちなみに、同
じ小田急沿線にある玉川学園内には、トンネルがあり電車が走っています。自
然に囲まれた環境が素晴らしいのも大きな特徴です。早くから自由保育を取り
入れ、制服、制帽、給食、送迎バス、全てありません。
以前は説明会を開催していませんでしたから、希望者には園内見学日が設けら
れ、指定された時間内に自由に見学できましたが、平成11年からは説明会を
始めました。余談になりますが、名門といわれる幼稚園で説明会を開催してい
ないのは、四ツ谷にある雙葉小学校附属幼稚園だけになりました。
(平成28年2月現在)
 
【教育方針】  
   ・心身ともに、明るく、健康な子ども
   ・情操豊かで、想像力あふれる子ども
   ・きまりを守り、友だちと仲良く遊び、思いやりのある子ども
   ・自分で考え、意欲的に生活に取り組む子ども
そのために、少数定員制(1クラス20名 男女各10名)は欠かせない条件
です。一人ひとりに眼が行き届く家庭的な雰囲気の中で制作に励み、また、自
然に囲まれた園庭を思う存分走ります。広いホールで、大型積み木や他の遊具
を用い各自の個性を十分発揮することができます。
 
【自由遊びと一斉活動】
★おどろきがいっぱい!(自由遊び)
幼児期における人間形成にとって、子ども同士が触れ合い遊ぶことは欠かせま
せん。「遊びは」成長の源泉なのです。 
登園してきた園児は、保育室を始めホールや多目的室で、お絵描きや豊富に揃
えてある教材を使っての制作、おままごと、お店屋さん、縄跳びなど、また、
園庭に出て虫を探したり、鬼ごっこをしたり、遊具で遊んだり、と思い思いに、
様々な遊びを展開します。
 
★はじめてがいっぱい!(一斉活動)
  幼稚園への扉を開いた子どもたちは、初めての集団生活を体験します。い
ろいろな個性を受けとめることができる豊かな心を育みます。
一斉活動では、歌やリズム遊び、ダンス、劇遊び、言語や体育的活動、様々な
素材を用いた美術制作・共同制作、伝統の行事や季節を感じる活動など、集中
力を養い、この年齢に必要な経験、この時期でなければできないことを大切に、
内容を考えています。
自由遊びと一斉活動における友達と先生との遊びや活動を通して、ルールを覚
え、協調心を養い社会生活を営む基盤を育みます。
 
【健康な体作り】 
★健康な身体を作るための体育遊びを取り入れています。
巧技台、ボール、マット、縄跳び、鉄棒、園庭の固定遊具など用具の特性を活
かし、遊びながら身体を動かします。興味を持たせ意欲を促しながら、丈夫で
俊敏な身体を作るように努力しています。
 
【宿泊保育】 
幼稚園に通うということは、子ども達が自立への道へ大きく一歩踏み出すとい
うことです。ですから、幼稚園の生活は様々な場面で自立を促す方向を向いて
おります。中でも年長組の宿泊保育は、その狙いが際立つ行事です。
(宿泊保育は伊勢原の合宿所で実施)
     
狙いは、次の3点です。
  1.日常の保育では経験できない共同生活によって、友達や先生に対して
    一層、親密度を増す。
  2.友達や先生と一緒に過ごす新しい体験の楽しさや喜びを味わう。
  3.親から離れて宿泊する自信を持つ。
 
私立の幼稚園で制服のないのは、日本女子大学附属豊明幼稚園、立教女学院短
期大学附属幼稚園天使園、成城幼稚園、昭和女子大学附属昭和幼稚園、聖学院
幼稚園、玉川学園幼稚部、宝仙学園幼稚園、森村学園幼稚園などで、自由保育
発祥の地、国立お茶の水女子大学附属幼稚園にも制服はあります。
制服のないのは、子ども一人ひとりの個性を育てたい、鋳型にはめ込まない保
育のシンボルではないでしょうか。服装のセンスは、本来、味覚と共に、小さ
い時から母親が子どもに伝えるもので、この辺があいまいになっているような
気がします。四季折々に合わせて手作りの服を着せてあげなさいとはいいませ
んが、女の子であれば、お母さん方の服装をよく観察していますから、普段の
身だしなみも大切です。
また、献立に工夫をこらした弁当は、大人になっても体が覚えているものです。
親が子どもに伝えるべきものが少なくなっている現在、弁当は貴重な存在で、
お母さん自身が経営し、料理をする、世界に一軒しかないレストランの、心の
こもったメニューではないでしょうか。
 
かつて幼稚園の三種の神器であった給食、送迎バス、長時間保育に加え、制服、
制帽もない幼稚園。「幼稚園は、遊びを通して社会性や協調性といった集団生
活への適応力を培うところで、知的な能力を開発するところではありません」
という声が聞こえてくるようですが、いかがでしょうか。
「制服がないと、毎日、同じものを着ていかせられないし、お弁当の献立も大
変です。男の人には、この苦労、わからないでしょう!」などと考えているよ
うでは、受験資格はないということですね。
 
ところで、本園では、入園試験の準備について、以下のように述べています。
 
入園試験に当たって
 
入園希望者が多い場合、少数定員制を堅持するために何らかの選抜試験を行わ
なければなりません。試験はたとえ十分な配慮がなされたとしても、幼い子供
たちにとって好ましいものではない、との指摘もあります。成城幼稚園では受
験の弊害といわれるようなものが生じないように最大限努めております。保護
者の皆様も、年齢・月齢を過度に超えた能力をお子様に求めたり、受験のため
だけの生活技術を課したり、他を犠牲にしたり、逆に不憫だと甘やかしたり、
は百害あって一利なし、本末転倒です。お子様本人の意思もあるかもしれませ
んが、どちらかといえば保護者の方々の選択・意思によって成立する「幼稚園
受験」の特殊性に十分留意し、ご準備されますようお願いいたします。
賢明なる皆様に申しあげるまでもないことですが、お子様が生活の中から体得
されるものを尊重し、その成長を共に喜び合う愛情あふれる円満なご家庭を日
々築いていくことが最良の受験準備ではないでしょうか。
(ホームページより 平成28年2月)
 
幼稚園の受験は、兄弟姉妹が在園していない限り、本人の意思とは関係なく始
まるわけですから、とかく「お子さん不在の受験準備」になりがちなことを憂
慮する、幼稚園側の願いではないでしょうか。
 
【募集人員】 3年保育40名(男女各20名)
【説明会】
 平成27年6月7日(日) 午前中 9月12日(土)14:00~
 於 幼稚園ホールで2回実施。
 
【Q&A コーナー】 よくある質問
 
入試について幼稚園に寄せられる、よくある質問をまとめて掲載しています。
Q: 入試の内容は?
A: お子さんのテストと親子面接があります。
 
Q: 子どものテストの時には、親と離れますか?
A: 親子一緒にテスト室に入っていただきますが、僅かな時間、お子さんだ
   けのテストも前年度入試で行いました。
   お子さんが慣れない場所、慣れない相手(試験官)という特殊な状態に
   よる緊張や負担を、最小限にしたいと今年度も考えております。
 
Q: テストの時の子どもの服装は?
A: テスト室では遊んでいただきますので、動きやすいものが良いと思いま
   す。ブレザーなどは必要ありません。
   遊んでいるうちに暑くなる方も例年いますので、着脱可能なもの(ベス
   カーディガンなど)で調整することも良いかと思います。
 
Q: 試験日は複数設定しているようですが…。
A: はい。出願された方に対して、後日こちらで1日指定させていただきま
   す。いらしていただく日は、1日のみとなります。
 
説明会・見学会について
Q:予約は必要ですか?
A:見学会は電話での予約を。説明会は予約の必要はありません。
 
Q:必要な持ち物は?
A:説明会にご用意していただくものはありません。園舎を見学されるかた
 (説明会当日や見学会)は、恐れ入りますが、上履きやスリッパをお持ちく
  ださい。
 
Q: 説明会場は、初等学校とありますが?
A: はい。幼稚園のお隣の初等学校講堂で行われます。
 
Q: 説明会には子どもを連れていっても良いでしょうか?
A: 恐れ入りますが、お子さんをお預かりする態勢はありません。
   会は一時間ほどかかります。途中室内を暗くして映像でのご説明も予定
   しておりますので、お子さんはご遠慮いただきたいと思っております。
 
Q: 2回説明会はあるようですが、内容は異なりますか?
A: 同じ内容で予定しております。
          (平成28年2月のホームページより転載したものです)
(次回は、桐朋幼稚園、国立学園附属かたばみ幼稚園についてお話ししましょう)
 

さわやかお受験のススメ<保護者編>建国記念日と二月に読んであげたい本(1)

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2017さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第14号-
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第4章 建国記念日と二月に読んであげたい本(1)
 
2月14日はバレンタインデー。「バレンタイン」は、3世紀頃にローマで殉
教したキリスト教徒の英語名、イタリア語では「ヴァレンティーノ」。当時の
皇帝は、兵士の戦意に影響があると考え若者の結婚を禁止。哀れに思ったバレ
ンタインは、ひそかに結婚させていたのが皇帝の知るところとなり処刑された
日が2月14日、殉教の日がバレンタインデー。チョコレートを贈る習慣は、
イギリスのチョコレート会社カドリバ社がギフト用のチョコレートボックスを
製造し広めたもの。日本では、1970年頃より広まった。(言語由来辞典よ
り抄訳)
5歳の孫も、ガールフレンド(?)から貰ったチョコレートを、誇らしげに見
せてくれましたが、こんな小さい時から関心があるんですね。娘は「裏がある
の!」と教えてくれ、笑ってしまいましたが、お子さんはいかがでしたか(笑)。
 
★★建国記念の日★★
2月11日は、建国記念の日です。昭和24年(1967)2月11日から、
「建国をしのび、国を愛する心を養う日」として祝日に定められたものです。
しかし、建国記念日は昭和生まれではなく、明治6年に紀元節として誕生しま
した。紀元節は、日本書紀に記されている、神武天皇が即位され、日本の国が
始まった日と定めた祝日でした。その根拠は、日本書紀第三巻・神武天皇の項
に、以下のようにあります。
 
 「辛酉年春正月庚辰朔、天皇即帝位於橿原宮、是歳為天皇元年」
辛酉(かのとり)の年の庚辰(かのえたつ)朔(ついたち)、一月一日、天皇
は橿原宮にご即位になった。この日を天皇の元年とする。
 
これを根拠として、紀元節は誕生しました。しかし、昭和23年に、紀元節が
戦争の原因になった国家主義や軍国主義を象徴する祝日であったことや、日本
の誕生した日はいつであるか、歴史的な根拠が明白でないことなどから廃止さ
れ、その後、様々な論争が続き,紆余曲折を経て、やっと「の」の一字を入れ
ることで「建国記念の日」ができたわけです。
 
紀元節の根拠は日本書紀にあるとお話ししましたが、果たして正しいのでしょ
うか。暦のことなど研究したことのない私でも、秘密を解くポイントは、
「辛酉(年春正月)・庚辰・朔」にあるのではと推察しますが、暦学的に検証
すると、その根拠は立証されているのですから驚きです。「年中行事を科学す
る」(永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P54~65)には、「辛酉・庚
辰・朔」について、西暦紀元前660年は辛酉年、2月11日の干支は庚辰、
月齢はゼロであり、現在、建国記念の日となっている2月11日は、「日本国
は神武天皇の即位をもって建国とする」との日本書紀の記述と一致することが
証明されています。西暦紀元前660年といってもピンと来ないかもしれませ
んが、縄文時代です。この歳時記は、筆者の不見識から驚くことばかり出てき
ますが、これもまさしく驚きです。計算の方法は難しくて私の手には負えませ
んが、興味のある方は、ぜひお読みになって下さい。
 
西暦は、キリスト誕生の年(実は生後4年目)を元年として数える年代ですが、
日本には、先に実証されたと紹介しました日本の紀元を、神武天皇即位の年を
元年とした皇紀があり、平成28年は皇紀、紀元2676年になります。私は
紀元2600年、西暦1940年、昭和15年2月11日生まれで、自分の年
齢76下二桁に入れると、今年は紀元2676年であり、西暦では下二桁に
76を足すと、2016年とわかるという便利な年回りになっています。
 
ところで、ご存知のように、日本に残る最古の書物は「古事記」で、第40代、
天武天皇が、わが国に言い伝えられてきた事柄を整理し、語部(かたりべ)で
ある稗田阿礼(ひえだのあれ)に覚えさせ、第43代、元明天皇が太安万侶
(おおのやすまろ)に文字に書かせ、西暦712年に完成したものです。その
8年後の720年に、第44代、元正天皇が年代も入れ詳しく編集したものを
残そうと、舎人(とねり)親王に書かせたのが日本書紀です。ですから、記紀
に書かれている話は、古代の人々が語り伝えてきた話を文字に書き留めた神話
(天地の創造を擬人的に説明し、森羅万象に宿る霊の存在や、民族の祖先の活
動を述べる物語 新明解国語辞典 三省堂)で、一人の人が作った話ではあり
ません。本当かなと思う話もありますが、宇宙の始まりはどうだったか、国は
どのようにして作られたか、人間はどのように生まれたか、そして生きてきた
かを物語るものです。地球という星が、陸と空に分かれて出来ていく様子を描
いた、巻一の「天地開闢(かいびゃく)と神々」は、どうしてこういったこと
がわかっていたのか、不思議に思えるほど科学的で、またしても驚かざるを得
ません。
 
世界の文明が発祥した各地にも、ギリシャ神話、ユダヤ神話、インド神話や数
々の民話などが残されており、民族やその地域の特徴が伝えられていますが、
共通する話の展開に、思わず膝を叩き、考えていることは同じなのだと思うと、
年甲斐もない話でなんですが嬉しくなります。そこに住んでいる人々が作った
神話であるからこそ、価値があるのではないでしょうか。それが民族の持つ固
有の歴史であり文化だと思います。私が心酔してやまない哲学者、梅原猛氏の
「神々の流竄(るざん)」、「葬られた王朝」、「天皇家のふるさと日向へゆ
く」、阿刀田高氏の「古事記を知っていますか」、そして井沢元彦氏の「言霊
(ことだま)・怨霊信仰」「聖徳太子の和の精神」を解説している「逆説の日
本史」など読まなくてはならない本ばかりで、うれしい悲鳴を上げています。
「10月の神無月」で詳しくお話しする予定です、無理かもしれませんが(笑)。
 
今上陛下は、神武天皇から数えると百二十五代目にあたるそうです。先にもお
話ししましたが、今年は皇紀、紀元2676年になります。世界で最も古い歴
史を持つ国であり、古来の文化を単なる歴史の遺産としてではなく、現在まで
生活の中に生かし続けている国はあるのでしょうか。
天照大神を祀る伊勢神宮では、平成25年に20年ごとの式年遷宮が執り行わ
れましたが、持統天皇4年(690)以降、1300年以上、続けられています。
建築方式は弥生建築といわれ、聖徳太子が活躍した飛鳥時代以前のもので、脈
々と受け継がれているのは、「世界広し」といえども日本だけです。
注 式年遷宮 伊勢神宮の内宮と外宮の二つ正宮の正殿などを作り替え神座を
移すこと。
 
日本は、もっとも短く見積もっても二千年ぐらいまで遡ることができます。世
界で二番目に長い国はデンマークで一千数十年、次がイギリスで九百四十年余
り、アメリカ、フランスは二百年そこそこ、中国はたった六十四年。「四千年
の歴史」なんて大嘘ですからね(笑)。
 (著者インタビュー 武田恒泰 著 「日本人はいつ日本が好きになったのか」
月刊雑誌 WiLL 12月号(2013年) P144 ワックス出版社 刊)
 
日本人が大切に守ってきた様々な文化を、親が子ども達にきちんと伝えるべき
だと思います。国旗を掲揚し、国家を歌うのも、法律で決められたからではな
く、親が子ども達に、「なぜ、国旗があり、国歌を歌うのか」、きちんと答え
を出してあげたいものです。国のために家庭があるわけではなく、家庭がある
からこそ国が成り立つのではないでしょうか。「個々のアイデンティティは、
家庭で育てるもの」などと何も意気がることではありませんが、幼児期の教育
の原点は、家庭にあるからです。家庭教育の低下を防ぐのは、私たち親、保護
者であることを肝に銘じておきたいものです。世界的な不況や政治の混迷、東
日本大震災や原発問題など、ここ数年元気がありませんでしたが、やっと立ち
上がる兆しが見えてきた今だからこそ、日本に生まれた幸せを、もっともっと
噛みしめ、感謝しなければいけないのではないでしょうか。
 
★★2月に読んであげたい本1★★  
鬼に関する話はたくさんあります。代表作は「桃太郎」「こぶとり爺さん」で
すが、これはお染みの話ですから紹介するのは遠慮しておきましょう。子ども
に聞かせる話ですから、恐怖感をあおるようなものはあまりありません。節分
ですから、やはり豆まきの話からにしましょう。
 
◆豆をいるわけ◆   谷 真介 著
むかし、まだ鬼があちこちの山奥に住んでいた頃の話です。その年は、春から
日照り続きで、稲は枯れだしました。心配した庄屋さんが、「雨を降らしてく
れたら、一人娘のお福を嫁にやってもよい」と言ったその声を山奥の鬼が聞き、
大雨を降らせたのです。約束を迫られ嫁がせますが、その時、お母さんが知恵
を働かせます。「道に落としながら行きなさい」と菜の花の種を渡しました。
それを足元に落としながら、鬼に連れられて行くのでした。
翌年の春、菜の花は咲き、それを道しるべに娘は家に帰れたのです。取り返し
にきた鬼にお母さんは、「酒ばかり飲んでいる者にお福はやれぬ!」と迫り、
「もう、飲まん!」と約束をした鬼に、戸のすき間からいった豆を投げ、「そ
の豆を植えて花を咲かせてみろ。その花を持ってきたら、お福をやる!」と言
ったのです。何年も続けましたが、咲くわけがありません。鬼も次第に豆を見
るのが嫌になり、お福の家にも来なくなりました。この話を聞いた村の人達は
鬼が来ないように、いった豆を家の周りにまくようになったのです。
これが二月三日、節分の豆まきの始まりだそうです。
 日づけのあるお話 365日
   二月のむかし話 谷 真介 編著 金の星 刊
 
節分の豆まきは、「いった豆」がキーワードのようです。童話の名作「ヘンゼ
ルとグレーテル」の著者はグリム兄弟ですが、ドイツ人です。菜の花の種をま
く作戦と小石とパンのかけらを目印にした共通の作戦は、面白いではありませ
んか。世界中の童話や昔話を読んでいて、話の筋や仕掛け、舞台装置が、そっ
くりなものに出会うとうれしくなります。その話がほほ笑ましいとなおさらで
す。
 
イギリスの民話にも日本の昔話とそっくりなものがあります。「トム・テイット
・トット」の翻訳ともいわれているそうです。日本の題名は「鬼六」といいま
すが、文句なく面白い話です。
 
◆鬼 六◆
むかし、ある所に、大きくて流れの速い河がありました。その河へ橋を架けて
ほしいと頼まれ、やってきた名人は、一目で難しい仕事とわかり頭を抱えます。
すると、河の中から大きな鬼の首だけが現われ、「橋を架けてあげるから、お
礼にあなたの目玉をくれないか!」
と言ったのです。困りはてていた大工さんは、約束をします。橋は出来てほし
いが、出来れば目玉をあげなくてはと、大工さんは一晩中、眠れません。
翌朝、行ってみると、何と立派な橋が架かっているではありませんか。喜んだ
大工さんですが、鬼との約束を思い出し、肩を落とします。そこへ鬼が顔を出
し「目玉をよこせ」と言う。どうしたものかと考えていると、「明日の朝まで
に私の名前を当てたら、目玉はいらないよ!」と言って、また沈んでしまった
のでした。大工さんに鬼の名前がわかるはずもありません。途方に暮れて歩い
ていると、山奥に入いりこんでしまい、引き返そうとしたその時に歌が聞こえ
てきたのです。木陰からのぞくと、鬼の子ども達が歌っていました。
    ♪オニロク オニロク オニロクさん
     早く目玉をもってこい
     大工の目玉をもってこい
     橋のお礼をもってこい
     オニロク オニロク オニロクさん♪
大工さんは、それを聞いてほっとし、笑みを浮かべるのでした。
翌朝、大工さんが河に行くと、顔を出した鬼は、名前のわかるはずがないと自
信満々です。
そこで大工さんは自信なさそうに、「河鬼!」、「橋鬼!」などといって、鬼
を得意にさせておき、最後に大声で、「オニロクー!」と叫ぶと、鬼はブクブ
クと泡だけ残して消えてしまい、二度と姿を現しませんでした。
 子どものための世界のお話
 福光 えみ子 福知 トシ 福井 研介 大江 多慈子 編 新福音社 刊
 
この話を研究されて、一冊の本にまとめた方がいるほど知られているそうです。
進学教室でこの話をしたところ、「ドイツで聞いたことがある!」とお父さん
の仕事でドイツに住んでいた子がいったので、調べてみると本当の話でした。
鬼といえば、てっきり東洋生まれだと思っていましたから驚きました。
 
世界中の民話や童話、昔話を読んでいると同じような話がたくさんあります。
ドイツには、この他に「こぶとりじいさん」とそっくりな話もあります。ノ
ックグラフトンの伝説「こぶとり」です。背中にこぶのあるラズモアという
帽子屋さんが、歌と踊りがたいへん上手だったので、また一緒に遊ぼうと、
約束の証拠に背中のこぶを預かるといって取られてしまいます。 日本では
相手は鬼でしたが、ドイツでは小人さんです。この話を聞いた歌も踊りも下
手な、こぶのある青年が行くと、あまりにも下手なので、預かっていたこぶ
をもらってしまうというところもそっくりです。グリムの作品にも「小人の
贈り物」と題した同じ話があります。肌の色が、言葉が、生活習慣が、宗教
が違っても、人間、考えることは皆、同じなのだと思うとうれしくなります
ね。
 
ある年のことですが、教室の人気者であった物知り博士のケンちゃんが、
「どうして、鬼が人間の目玉を欲しがるのですか」と質問をしたものです。
素朴な疑問ですが鋭い質問です。眼は音読みだと「ガン」です。「鬼六サン
のお身内か友達に、ガンにかかった人がいてね。目のお医者さんを眼科のお
医者さんというでしょう。そのガンによく効く薬は人間の眼、つまりガンだ
から欲しかったのでしょうね」とだじゃれのように説明しましたが、ケンち
ゃんは「信じられない!」といった顔をし、子ども達にも、全然、受けませ
んでした。先にもお話ししましたが、子どもは、こういった疑問には納得し
ないと絶対に妥協しません。ですから子どもの前で、いい加減なことをいう
と信用をなくします。子どもの疑問にあいまいな答えは通じません。それだ
け純真なのです。純真ということは、探求心が旺盛ですから遠慮がなく、追
求の手をゆるめません。それだけ残酷でもあるのです。お母さん方が「カッ
!」となるのも、こんな時ではないでしょうか。悪気はないのです。率直な
だけなのです。その言葉で相手がどう思うかなど考えていないからです。ま
だそんな時期なのです。大らかに応対してあげましょう。でも、こういった
大人が増えていますね。いわゆる「自己中心・ジコチュウ」で、相手を思い
やる気持ちは爪の垢(あか)程もありません。これは率直ではなく、精神年
齢は子ども以下ということです。相手を思いやる気持ちを育むのは、ご両親
の育児の姿勢にあるのも間違いありません。子は親の背を見て育つのですか
ら,しっかりと観察されていることを肝に銘じておきましょう。
 
で、結末はどうなったか。
「本当は、先生もわからないのよ!」といったところ、「先生でもわからな
いことがあるの?」と不満そうでしたが、ケンちゃんは矛を収めてくれまし
た。(猛省)
 
バレンタインデーといえば、私はジャズの名曲『マイ・ファニー・バレンタ
イン』(My funny Valentine)を思い出します。歌ではサラ・ヴォーン
(Sarah Vaughan)、演奏ではマイルス・デイヴィス(Miles Davis)が好き
です。最近、ジャズを聴く機会がなくなり残念ですが、YouTubeで視聴でき
ます。いつ聴いても感動しますね!(感謝)
 
(次回は、「第三章 2月に読んであげたい本 2」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試問題を分析する  話に関する問題

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第31号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試問題を分析する★★
 
★入試情報★
本年度の小学校合同相談会が始まります。
◇中央線沿線小学校合同相談会
 2016年2月21日(日)  10:00~15:00  於 明星小学校(府中市)
           成蹊小学校、桐朋学園小学校他17校 
           桐朋幼稚園他8園
 
◇城北・埼玉・茨城地区私立小学校合同相談会
 2016年3月6日(日)  11:00~15:00  於 星美学園小学校
           日本女子大学附属豊明小学校他10校
 
◇千葉県私立小学校フェア
 2016年2月28日(日) 10:00~14:00  於 市川グランドホテル
           国府台女子学院小学部他8校
詳しくは、ホームページをご覧ください。
 
[3]話に関する問題
話を聞き、設問に答える問題で、「話の記憶」といわれ、ほとんどの学校で出
題されています。
 
◆「桃太郎」の話をテープで聞いたり、ビデオで見た後、
・おじいさんは、どこへ、何をしに行きましたか。正しい絵に〇をつけなさい。
・桃太郎の家来に□をつけなさい。
 
こういった設問があって、10秒から20秒の間に、絵の描かれている解答用
紙に、指示された○や□などをつけて答えます。狙いは、「話を聞く姿勢と理
解する力が身についているか」、このことです。これから始まる小学校での勉
強の基本であり、最も大切な学習態度です。いくら、九九を諳んじ、難しい漢
字の読み書きができても、人の話を聞けないようでは、あまり意味がありませ
ん。学校の勉強は、幼稚園の自由保育と違って一斉授業ですから、話を聞いて
いなければ、訳がわからないことになります。話を聞く姿勢を身につけるには、
話の読み聞かせや対話が、いかに大切であるかについて、すでに触れましたの
で、ご理解いただけ、実行されていると思いますが、少し、復習しておきまし
ょう。
 
「話の記憶の問題」は、単に記憶力を見ているわけではありませんから、問題
集を買い、それだけで訓練して鍛え、身につけるものではありません。それは
本末転倒な話です。話をキチンと聞く姿勢は、普段の会話や読書を通して培わ
れるものです。一朝一夕に身につくものではなく、やはり毎日の積み重ね、育
児の結果として表れてきますから、どこの学校でも実施しているわけです。
 
しかし、本当に話の聞けない子がいます。その子の育てられている環境は、わ
がままな言動が許されている場合が多いものです。 かわいい、かわいいで、
子どもを悪くしています。やはり、子どもの責任ではありませんね。
 
話の記憶の問題には、長編と短編があります。
といっても、400字詰め1枚程度から3枚ほどの長さですが、皆さんはどち
らが難しいと思いますか。短い方が記憶しやすいと思われるのではないでしょ
うか。やってみるとわかりますが、物語風になっていると、案外、想像力が働
き、イメージ化しやすいようです。短編は、あっという間に終わってしまい、
想像力が働かない場合があります。あらかじめ短編であるとわかっていれば、
それなりに対処できますが、聞いてみなければわからないだけに、難しいです
ね。
 
そして、やっかいなのは文字を使えませんから、文章を読み直すことも、答え
の絵に、○や△、□といった記号の指示をする設問も、聞き直すこともできま
せん。ですから、聞き逃すと答えようがないということです。さらに、クレヨ
ンで指定された色で記号をかくこともあります。子ども達は、よくぞパニック
にならないものだと、褒めてあげたくなりますね。「長文読解だな!」などと
簡単に済ませるほど、やさしい問題ではありません。
 
普段から、お子さんとの対話を大切にし、お子さんの話に耳を傾けましょう。
対話の反対は沈黙と思いがちですが、立教小学校の元校長であった田中司先生
は、「命令と要求」とおっしゃっていました。「命令と要求」が多くなれば、
対話など成り立ちませんね。僭越ながら、非常に的を射た指摘だと思います。
 
そして、お父さん、お母さん、お子さんに読書をしている姿を見せてください。
これが何よりの手本になるからです。さらに、お子さんがいるときに、ワイド
ショーなどを見るのは止めましょう。お断りしておきますが、すべてのワイド
ショーが駄目だといっているわけではありません。お子さんと一緒のときに見
なくていいものは止めてほしいといいたいだけです。どなたがおっしゃったの
か忘れましたが、「テレビを見る時間と教養は反比例する」そうですよ、内容
にもよりますが。海外に住み帰国されたお母さん方が驚かれるのは、テレビが、
あまりにも生活の中に入り込んでいることだそうです。
 
また、お子さんが読書に集中しているときは、「お使いに行きますよ!」など
と、中断することは避けてあげましょう。夢中になって取り組んでいるときこ
そ、素晴らしい学習時間になっているからです。あらかじめ伝えておく、やさ
しいお母さんになってほしいですね。
 
寝る前に本を読んであげる、これも大切です。毎日続けることで、間違いなく
言語能力を育むことができるからです。26年6月に横浜雙葉小学校は説明会
を再開しましたが、挨拶に立たれたシスター田中順子学園長は、「添い寝をし
ながら本を読んであげることが少なくなっているのではないでしょうか」と懸
念されていました。DVDなど素晴らしい作品もありますが、幼児期にはお父
さん、お母さんの生の声が、何と言っても大切なのです。
 
会話を弾ませ、話を読んであげることから「話を聞く姿勢」は身につきます。
小学校の入学試験は、文字を使用しないだけに、話を聞く姿勢が身についてい
なければどうにもなりません。
 
最後に、「話の記憶」が苦手なお子さんへ、こういったことをやってみましょう。
私が現役のときに、この方法で苦手意識を取り除くことができたからです。お
子さんがよく知っている話を使います。
 
Q「『浦島太郎』の話を知っていますか。では、先生がいくつか尋ねますから
 教えてくださいね。
 浦島太郎は、子ども達がいじめていた動物を助けてあげました。何を助けた
 のですか」
A「亀さんです」
Q「そうですね。そのお礼にどこへ連れて行ってもらいましたか」
A「竜宮城です」
Q「そこにいたお姫様の名前は何といいましたか」
A「乙姫様です」
Q「鯛やひらめもいて楽しく過ごしました。そして、帰ることになりお土産を
 もらいました。何をもらったのですか」
A「玉手箱です」
Q「そのとき、浦島太郎と乙姫様は、何か約束をしましたね」
A「開けてはいけないと約束しました」
Q「そうですね。また、亀さんに送られて家に帰りましたが、両親はいましたか」
A「いいえ、いませんでした」
Q「近所の人々やお友達はいましたか」
A「誰も知っている人はいませんでした」
Q「知っている人は誰もいない。浦島太郎は、どんな気持ちになったでしょうか」
A「寂しくなりました」
Q「そう、寂しくなったんだね。では、ここからが問題です。では、なぜ、浦
 島太郎は、約束を破って玉手箱を開けたのでしょうか。あなたは、どう考え
 ますか」
 
いろいろな答えが出てきますが、自分の考えを言えたことを褒め、評価はしま
せん。
たとえば、「何が入っているか知りたかったから開けました」と子どもが言えば、
それを認めてあげ、「そうじゃないでしょう。寂しくなったからでしょう」など
と大人の考え方を押し付けないことです。「寂しい経験」をしなければ、この言
葉は出てきません。
 
ところで、この方式に子ども達が興味を持ち始めると大変でした。話の筋を覚
え、質問を作らなければならないからです。お母さん方にお子さんの愛読書を
聞き、質問を作ったものでした。最も苦労したのは「アルプスの少女 ハイジ」
や「フランダースの犬」で、わが子が小さい頃、テレビで見ていた記憶はあり
ますが、実際に本を読んだことがないからです。
 
しかし、子ども達は興味を持つことで、確実に力をつけました。おかしかった
のは、子ども達は、次週に使う教材となる本を、繰り返し、繰り返し読んでも
らい、準備をしていたそうです(笑)。私も大変でしたが、お母さん方も苦労し
たようです。子ども達が夢中になって取り組んだのも、勉強ではなく「Q&A」
を、ゲーム感覚で楽しんでいたからではなかったでしょうか。こういった苦労
は、楽しい思い出となって残るだけではなく、お母さん方から、「読書の好き
な子になっています」と聞くたびに嬉しくなったものでした。受験準備は、楽
しくやりたいものです。
 
入試によく出題されていることもありますが、私のお薦めは、日本昔話です。
以前にも紹介しましたが、「桃太郎」「かちかち山」「さるかに合戦」「舌
切りすずめ」「花咲じじい」は、日本の五大昔話ですが、皆さんは粗筋をい
えるでしょうか。YouTubeでわかったのですが、♪カチカチなるのは
何の音♪で始まる童謡「かちかち山」の作曲者は、瀧廉太郎でした。知りま
せんでしたね。(反省)
 
ところで、鬼退治の主人公は、なぜ、栗太郎や柿太郎ではなく桃太郎なので
しょうか。また、家来は、「犬猿の仲」といわれる犬と猿がいるのは、なぜ
でしょうか。命名の由来答は、桃は木偏に兆と書き、桃には未来を予知し、
魔を防ぐという信仰があったため。陰陽五行説では、鬼は丑寅の方向、鬼門
に棲み、その反対側、裏鬼門に配置されているのが申酉戌と考えられ、そこ
から知恵のある猿、勇気のある雉、仁、思いやりのある犬の家来が生まれ、
「犬猿の仲」を取り持っているのが間にいる雉で、けんか騒ぎにならず収ま
っているのだそうです。聖徳太子の「和をもって貴しとなし」の考えが、
「ここにも生きているぞ!」と一人で悦に入っています、私の勝手な想像で
すが(笑)。 面白いことに福澤諭吉は、家訓「ひゞのをしへ」の中で、
「鬼の宝物を取るとは、けしからん!」と非難しています。
(ウィキぺディア フリー百科事典より)
(拙著 メルマガ 「年中行事と昔話 第5章 ひな祭りとお彼岸ですね」より)
 
(次回は、「数量に関する問題 1」についてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

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