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めぇでるコラム 2016年4月アーカイブ

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試問題を分析する 構成力・観察力に関する問題(3)

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第43号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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 [入試情報]
立教小学校の説明会、今年は3回開催されます!
 第1回 2016年(平成28年)6月9日(木)
      受付開始 8:00 AM
      参観開始 8:25 AM
      説明会開始予定時刻 10:40 AM
      個別質問の時間 11:30~12:30 AM
      内容 学校の施設見学及び授業参観 本校の教育、入試について
 第2回 2016年(平成28年)7月2日(土)
      受付開始 9:00 AM
      説明会開始予定時刻 9:30 AM
      個別質問の時間 11:10~12:10 AM
      内容 立教小学校の各教科の特徴について 等
 第3回 2016年(平成28年)9月10日(土)
      受付開始 9:00 AM
      説明会開始予定時刻 9:30 AM
      終了予定時刻 11:20 AM
      内容 立教学院一貫連携教育・入試について 等
ご案内 ※事前のお申し込みは必要ありません。
    ※上履きは必要ありません。但しヒールの高い靴はご遠慮ください。
    ※説明会の対象者は保護者のみとさせていただきます。
    ※説明会(1)(2)(3)はそれぞれ内容が異なります。
立教小学校は、2014年から6月と9月、2回開催となりましたが、本年度
は3回。参観授業は1回目のみ、個別質問は1回目と2回目だけです。詳しく
はホームページをご覧ください。
 
★★入試問題を分析する★★
[8]構成力・観察力に関する問題(3)
 
[模倣の問題]
積み木やブロック、パネルなどを使って、お手本と同じものを作る問題です。
個別テスト向きでしょう。
 
★お手本(▽ ▽の上に長四角の積み木があり、その上に家の形がある)
・これと同じものを作りなさい
 
「三角の積み木を逆さまにして、できるかな?」
積み木で遊んだことがないと、こうなりがちです。できますが、コツがありま
す。これは、やってみないとわかりません。
 
最近のおもちゃは、完成品が多いようですが、一概に悪いとはいいません。
それを利用して遊ぶことも、大切な仕事です。しかし、積み木やブロックは、
自分で設計し組み立てる遊びです。
設計図を引くには、何が必要でしょうか。そのものを知ること、熟知すること
で、大切なのは観察力です。子どもは、自分の好きなものとなると、目つきが
変わり、真剣、そのものですから、大人が気づかないところまで見ています。
そこまで夢中にさせるのは、好奇心です。模倣は、観察力と表現力を見る問題
ですが、そのもとになる好奇心が旺盛かどうかを見極めることもできます。
 
積み木を使った面白いゲームがあります。
実際に出題された問題で、積み木をできるだけ高く積むゲームで、「高く積む」
がポイントになります。長四角を立てないで横に置くと、高さが違ってしまい
ます。これに気づかないと、少し心配です。問題は三角で、置き方によっては、
そこでゲームセットになります。
 
積み木を持っていないお子さんには、買ってあげましょう。
前にもお話しましたが、積み木で遊んだ後に、きちんと収納する習慣がつくと、
身辺の整理整頓にも影響がでると思います。おもちゃや絵本などの片づけが苦
手な子は、こういった遊びをやっていないのではないでしょうか。玄関の靴の
整理も同じで、ご両親がきちんとそろえて脱いでいれば、お子さんも真似をす
るはずだからです。
 
[同図形、異図形発見の問題]
同図形発見(お手本と同じもの)と異図形発見(違っているもの)があり、知
能指数をはかる問題でよく出題されています。
 
★「お手本と同じものを見つけ、○をつけましょう」
 
子どもの、好きな問題です。
ゲームやクイズ感覚でできるからではないでしょうか。これもコンピュータ方
式を採用しましょう。お手本と1つ1つ比べて見つけることです。あっちを見、
こっちを見るやりかたでは、いたずらに混乱するだけです。手順の大切なこと
を学んだ子は、左から右へ、または上から下へ順番に比べる方が、正確に、速
くできることを知っています。こういう知恵は、やはり、経験から身につける
ことが大切で、最初から教える必要はありません。
自分で見つけられれば、最高の学習になるからです。どうやっても、うまくい
かない様子が見えたら、そこでアドバイスしてあげましょう。まず、自分で体
験することですね。
それから解決方法を教えられれば、納得でき、身につくものです。
 
そして、問題ができたから花丸をつけて、次の問題に移るだけでは、あまり効
果的な学習とはいえません。たとえば、同図形発見の場合、手本とどこが、ど
う違うかを説明させることです。すると、異図形の発見にもなります。
さらに、試験官と話すように丁寧な言葉できちんといえる習慣がつくと、個別
テスト、行動観察のテストにも対応できる学習になるからです。言葉で表現す
る訓練は、こういった遊びの感覚で、楽しみながら身につけることが大切で、
小学校へ入ってから、学力を伸ばす大きな力になることは間違いありません。
 
しつこく、繰り返しますが耳ではなく心で聞いてください。
幼児の知能開発で大切なのは、五感をフルに活動させて、同じところ(類似)
や違うところ(差異)を見つけ、「あれっ…、なんだ?」と考えることから始
まります。
「どうしてなの……?」 
「なぜなの……?」
うるさいほど、遠慮なしに聞いてきます。これも疑問の芽というアンテナがと
らえた情報を解決したいのです。もうしばらくの辛抱です。小学生も低学年の
内は、まだ聞きに来ますが、中学年になると、聞いてほしいと思っても来ませ
んから、頑張ってください。
 
しかし、そのつど懇切丁寧に説明するのも考えものです。
時には、質問の内容を吟味して、ある程度はわかっていることであれば、
「あなたは、どう思うの?」
と切り返すのも大切ですね。
自分で知っている範囲を、考え、考え、話すはずです。これが、素晴らしい学
習になっています。十分に理解できていないことを言葉で説明するのですから、
子ども達にとっては、しんどいことになりがちです。時には、支離滅裂なこと
をいうかもしれませんが、ここは我慢のしどころです。お子さんが何を聞きた
いのかは、聞いている内にわかります。
話が一通り終わったら、
「ケンちゃん、お母さんに聞きたいことって、こういうことなのかな?」
と、まとめてあげましょう。
質問をしているお子さんも、
「なんだ、そうなのか!」と納得することで、言語の学習になっているのです。
言葉は、知っているだけでは役に立ちませんし、使わなければ生きてきません。
まとめてあげることで、わかっていないところを補足したことになるのです。
 
まだ、あります。
前にもお話しましたが、お母さんがまじめに話を聞いてあげると、お子さんは
人の話はきちんと聞かねばならないことを、ごく自然に学んでいるのです。子
どもにとって、親が真剣に話を聞いてくれるのは、本当にうれしく、これほど
快感を味わえるものはありません。
お母さんが、しつこく、
「きちんと話を聞きなさい!」
といわなくても、話を聞く姿勢が、自然と身につきます。「子は親の背を見て
育つ」といわれていますが、昔の人は無駄なことをいわないものです。いや、
真実だから語り継がれているのではないでしょうか。
前回に紹介しました「子どもが育つ魔法の言葉」にも、「子は親の背を見て育
つ」の外国版「子は親の鏡」があります。
 
      子は親の鏡
 けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
 とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
 不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
 「かわいそうな子だ」といって育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
 子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる 
 親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
 叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
 励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
 広い心で接すれば、キレる子にはならない
 誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
 愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
 認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
 見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
 分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
 親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
 子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
 やさしく、思いやりを持って育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
 守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
 和気あいあいとした家庭で育てば、
 子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる
    子どもが育つ魔法の言葉 ドロシー・ロー・ノルト 著
                PHP研究所 刊
 
発売後、数年たっている本を読みたい場合は、図書館を利用しましょう。図書
館にあるかないかは、パソコンを利用すれば自宅でも検索できるところもある
からです。
 
ところで、第38号で紹介しました聖徳大学附属小学校のホームページ【過去
問に挑戦しよう】について、4月21日(木)に幼児教室対象の説明会があり
ましたので確かめてきました。
 
・次の絵の中に1つだけ種類の違うものがあります。その絵をクリックしてみ
 ましょう。
   菱餅  兜  七夕飾り  十五夜(すすき・団子・月)
 
正解は、何んと七夕飾り。「五節句に入っていないから十五夜では?」となり
ますが、校長先生に伺ったところ、「設問に誤りがあり、正しくは、七夕飾り
に使うものに○」とのことでした。入学後「礼法」の授業で五節句を学ぶとは
いえ、園児には難しいのではと思っていたのは考えすぎでした(笑)。
忘れるところでしたが、本校も今年度を目標に、インターネット出願を検討中
だそうです。
(次回は「運動に関する問題」についてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>幼稚園の求める子ども像

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第25
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★説明会・見学会情報★
5月に入ると、幼稚園の説明会や見学会などが始まります。志望園のホームペ
ージを開き確認しておきましょう。
 
白百合学園幼稚園
第1回見学会
  実施日:平成28年5月11日(水)予定
  開始予定 13:30
  終了予定 15:30
   *母子手帳をご持参ください。(防犯上、会場に入る際提示していただ
    きます)
   *上履き・靴袋をご持参ください。
   *お子様はお連れにならないようにお願いいたします。
   *予約は必要ありません。
  ※上記の予定ですが、園庭のバラが美しい時に行いたいと思いますので変
   更があるかもしれません。ご確認ください。
(筆者中 園庭は素晴らしい花園です。HPでも今年の春の園庭を紹介しています)
 
第1回説明会及び第2回見学会
実施日:平成28年5月14日(土)
  受 付 8:30
  開 始 9:00
  場 所 学園講堂
 
第2回説明会
実施日:平成28年9月3日(土)
  受 付 8:50
  開 始 9:30
  場 所 学園講堂 (見学会はなし)
  ※諸注意、お願いは、第1回と同じ。
 
【体験保育】
 本年も予定しておりますが、詳細については後日ホームページにてお知らせ
 します。
 
幼稚園の求める子ども像
 
前回まで、国立大学や一貫教育校の附属幼稚園の保育方針を紹介しましたが、
どういったお子さんを求めているのか、そのためにご両親は、どのような育児
を心がければよいのか、おわかりいただけたと思います。
こういえるのではないでしょうか。 
 
1.3歳過ぎたら、過保護、過干渉の育児にならないようにし、自主性を育て
  るように心がける。       
2.「できる、できない」と結果だけにこだわらず、プロセスを見極めてあげ
  る。   
3.失敗しても叱らずに、飛躍の機会と考え、励まして頑張る意欲を育てる。
4.叱るより褒める育児に徹し、自信を育てる。
5.うるさいほどの「なぜ、どうして?」の質問にも、頑張って答えてあげる。
6.促成栽培的な発想を持たずに、じっくりと時間をかけて育てる見識を持つ。  
7.親が管理するのではなく、夢中になって遊べる環境を作り、遊びながら学
  べる体験学習の機会を増やしてあげる。                   
8.偏らずに、いろいろな遊びに参加する機会を与え、一人だけではなく、仲
  間遊びのできる環境を作ってあげる。                    
9.お母さんのもとを離れても、楽しいことがたくさんあることを教えてあげ
  る。
10.常に、あたたかいスキンシップを心がける。             
                                      
遠慮もなく、たくさん出しました。
こういったことを「完璧にやりなさい!」などといわれては、「エッ!」とな
りかねませんね、お母さん。でも、心配ありません。「過保護、過干渉の育児」
さえしなければ、大丈夫です。               
繰り返しますが、「3歳過ぎても、お子さんのやっていることを見て、手を貸
したくなるようでは過保護、口を出したくなるようでは過干渉な育児」で、い
やな言葉ですが、手を貸してばかりいれば超過保護であり、口を出しているよ
うでは超過干渉の育児となりがちです。自立の時代に入っているのですから、
自ら挑戦しようとする意欲、自発性を育む機会を与えましょう。
 
そのためには、発育に応じて、
「ダメ! イケマセン! コウシナサイ!」 
といった禁止や制限、命令などの指示を、少しずつ減らし、自由を与えましょ
う。
「自由を与える」といっても放任ではありません。                 
お母さんが手を貸し、口を出していたことを、お子さんに少しずつさせるので
す。                             
まだ、危ないことをしますから、用心しなければいけません、特に男の子は。
当然のごとく失敗します。そこで叱ったり責めたりすると、自発性も意欲も育
ちません。この時にものをいうのは、お母さんの励ましやあたたかい眼差しで
す。小さな失敗を上手に利用し、自力でできるように仕向けてあげ、できたこ
とで自信をつけさせましょう。
 
「ぼく、できない!」と、直ぐにあきらめる、手伝ってもらうなど、自分でや
ろうとする意欲のあまりない子は、失敗の経験が少ないか、失敗してはいけな
いと思いこんでいる場合が多いものです。時間がかかっても心配ありません。
ゆっくりでもいいから、自分でやることが、どんなに大切かを教えてあげまし
ょう。
 
そして、結果だけにこだわらずに、あたたかく見守ってあげてください。結果
だけを気にするお母さん方は、プロセスを大切にしていないと思いますね。結
果は、プロセスの積み重ねです。何事も、いきなりできるようになるわけでは
ありません。
お母さん方の得意とする料理が完成するまで、どのくらいの手間暇をかけたで
しょうか。
レパートリーの増えた今、いちいちレシピを見ながら作っていないと思います。
試行錯誤を積み重ねたことで、調味料の適量やもっともおいしい料理の仕方、
手順を、きちんとマスターしているはずです。
 
お子さんの成長過程も、毎日取り組むお母さんの料理と同じです。
 
一つのことをマスターするためには、いかにプロセスが大切かを知っているお
母さんは、「怒らず、あせらず、あたたかく」応援します。ですから、お子さ
んは、伸び伸びと挑戦し、階段を一段、一段、確実に上るように成長するわけ
です。       
これは、お子さんが赤ちゃん時代に、やっていたことではなかったでしょうか。
おむつを取ったとき、スプーンで食事をはじめたとき、「忍の一字」であった
頃を思い出しましょう。
 
例によって、赤面しながらいわせてもらいます。 
「できる、できない」だけにこだわり、促成栽培的な不自然な育児をしている
と、子どもは、お母さんの顔色をうかがうようになります。
ですから、「自分で考え、判断し、行動する」という自発性は育ちません。
自分でやる機会を与えず、経験を十分に積ませないで、お母さんが結果ばかり
気にしていると、こうなりがちです。
自発性は、自立を支える大切な能力であると考えましょう。
                       
そして、遊びは、子どもの発育を促す大切な仕事です。
夢中になって遊ぶ子どもの頭の中は、アイデアでいっぱいです。
工夫をしていますから、夢中になって遊べるのです。
そこから、さまざまな新しい能力が開発されていきます。
そして、一人遊びも大切ですが、仲間遊びも大切です。
最初は並行遊びでも、そこに友達がいるだけで十分なのです。
それが刺激になり、新しい遊びが始まります。
二人いることで、社会性や協調性が育ちます。
友達にできて自分ができなければ、悔しさから挑戦しようとする意欲も育ちま
す。
いってみれば、友達同士が教材であって、何か課題を持ち寄って遊びながら、
さまざまな能力を開発している、それが子どもの遊びです。
偏った遊びにだけに夢中になっていると、やはり、偏った考え方をしがちです。
一人遊びだけが得意な子は、やはり我慢のできない、協調性の欠けた、わがま
まな子になりがちではないでしょうか。
 
3歳過ぎれば、お母さんという母港から離れて、独り立ちする準備が始まると
きです。
少しずつお母さんのもとを離れて、干渉や保護を嫌う行動が現われているはず
です。それを強引に連れ戻すのは、お子さんの自立を妨げることになります。
あたたかいスキンシップとは、親に都合のよい、過剰な愛情をかけることでは
ありません。自立にともなう不安を取り除いてあげる、励ましの愛情です。
このことです……。
                          
幼稚園は、お子さんが生まれて初めて、お母さんのもとを離れても、楽しいこ
とがいっぱいあることを知る場所です。ですから、年齢にふさわしい成長をし
ていることが大事なのです。その基礎、基本が10項目になると思います。こ
ういったことを幼稚園側は、テストを通してみたいのではないでしょうか。
 
ですから、受験に必要な知識なるものを詰め込むだけの準備は、必要ありませ
ん。幼児期には、詰め込まれた知識より、体験を通して得た知恵が、子ども達
の成長を促すものです。お母さんのもとを離れ、先生や友達と楽しいひととき
を過ごしながら、いろいろな体験を積み重ね、その一つ一つが受験に必要な学
習になっていることが大切です。繰り返しますが、幼い子ども達には、楽しい
環境であることが、何よりも学習の場になるのです。
 
「お子さんは、お母さんのもとを離れても、楽しいことがあること」を知って
いますか。
幼稚園受験の合否のポイントは、この体験の有無にあるといっても過言ではな
いからです。
(次回は、「お受験、何を求められているのでしょうか」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<保護者編>第7章(2)端午の節句です 皐月 

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2017さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第25号-
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第7章(2)端午の節句です 
 
★★なぜ、菖蒲湯なのでしょうか★★
 
昔は、今のように風呂のある家は、少なかったものです。銭湯といって、お金
を払い、みんなと一緒に入りました。大勢の人が入りますから湯船も広く、そ
こへ、どっさりと菖蒲を入れるのですから、その香りでいっぱいになります。
 
菖蒲が邪気を払ういわれは、中国の古くからの言い伝えで、王様が殺した不忠
の家来の魂が、毒蛇となって災いをもたらしたので、香りが強く、頭のところ
が赤く、青い葉の形が蛇に似ている菖蒲を酒に入れて飲んだところ、悪魔を降
伏させる術を授かり、蛇を退治した話によるものです。昔は節分の時に、玄関
に柊や鰯の頭を飾りましたが、あれと同じです。鬼や悪魔は、香りの強いもの
を苦手としていました。そういえば、ヨーロッパのモンスターの代表ドラキュ
ラの苦手とするものは、十字架と太陽とにんにくです。世界中の妖怪は、香り
や匂いの強いものに弱い共通点がありますが、朝鮮半島に住む妖怪は、にんに
くに弱くないでしょうね。
また、菖蒲が侍の家で大切にされたのは、武芸、軍事などを尊ぶ「尚武(武芸、
軍事などを尊ぶこと)」と同音だからでした。
 
燕子花(かきつばた)は菖蒲(あやめ)と花がよく似ているため、「源氏物語」
のなかで、―いずれがあやめか、かきつばた―と書かれて以来、酷似している
ことをいう雅言(がげん)となった。万葉集では加吉都播多(かきつばた)、
安夜女具佐(あやめぐさ)とはっきり区別されている。
(花暦「花にかかわる十二の短編」P121 澤田ふじ子 著 徳間文庫 刊)
 
万葉仮名は、漢字本来の意味から離れて、仮名のように読みますから面白いで
すね。
雅言は、「洗練された言語、特に和歌などに用いられる古代、特に平安時代の
言葉」(広辞苑)で、「いずれがあやめか、かきつばた」は、美人が大勢いて
優劣がつけられないたとえだと、軽薄に思い込んでいたのですが、美人に限ら
ず、選択に迷うことのたとえなんですね(笑)。かきつばたは、今は「杜若」
と書きますが、難しくて読めません。タレントの出るクイズ番組で、こういっ
た難しい字を、何の苦もなく読む方がいますが、マルチタレントというのでし
ょうか、多才ですね。
 
なお、あやめは、きれいな花を咲かせる花菖蒲のことで、葉は剣型で似ていま
すが、菖蒲湯として用いられることはありません。以前、「26日のクリスマ
スケーキ」を紹介しましたが、同じ意味で「6月の菖蒲」があります。
  
菖蒲が6日に届いたのでは、節句に間に合わないので、そこから「時期に遅れ
て間に合わないこと」をいうそうです。
(知らない日本語 教養が試される341語 P321 谷沢 永一 著
 幻冬社 刊) 
    
読むたびに教えられることばかりだった博識の先生は、亡くなられて5年にな
りますが、英文学者、渡辺昇一先生との対談集を時々読み返しています。その
度に肯かざるを得ない話題にあふれ、刺激を受けるのは、失礼な言い方で気が
引けますが、勤勉であった先生の性格が表れたものだと圧倒されてしまいます。
 
★★粽(ちまき)のルーツは……?★★ 
物事には、何事も訳ありで、端午の節句に粽を作るのは、このような言い伝え
があるのです。(以下、抄訳です)
 
屈原(くつげん)は、楚の時代に、人々に愛された清廉潔白な憂国の詩人で、
淵に身を投げ、命を絶った人ですが、そのなきがらを守り屈原の故郷まで運ん
だのは鯉でした。
その日が、紀元前278年5月5日。
命日になると、楚の人々は、竹の筒に米を入れて川に投げ、屈原の霊に捧げ、
無事に運んでくれた忠義な鯉に、感謝の気持ちを表したのです。
ところが、屈原の死後、300年経った時のことです。
ある人の所に、他人に身をやつした屈原が現われ、投げ入れてくれる竹筒の米
は、淵に棲む主である竜に全部食べられてしまうので、竜の恐れる「楝(おう
ち)の葉っぱ」で米を包み、五色の糸で結んでほしいと告げたのです。そこで、
屈原をとむらい、鯉に感謝してつくった「楝の葉で包み、五色の糸でしばった
米」が、粽の始まりです。
 
楝は、栴檀(せんだん)の昔の言い方で、香りがあるので虫もつかず、竜も嫌
いであったのです。粽は、古くは「茅(ちがや)」の葉で巻いたから「ちまき」
といい、五色の糸は、鯉のぼりの吹流しにも出てきましたが、竜の恐れた色で
す。端午の節句に粽を作るのは、このような言い伝えがあるのです。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P110-113)
  
私が知っている粽は、笹の葉で巻いたものでした。
そして、驚いたことに、毎年、6月の第1日曜日に長崎で行われている「竜船
競渡(けいと)ドラゴンレース」は、淵に身を投げた屈原を、一刻も早く救う
ために、速く舟を漕ぐことを争うイベントなのです。
鯉のぼり、粽、競渡、いずれも、今からおよそ2000年前の中国の戦国時代
にあった出来事が、現在まで伝えられているなどとは、信じがたいのですが、
本当の話です。楚の項羽が漢軍に包囲されたとき、周囲から楚の歌ばかりが聞
こえてくるので、楚の人々が漢に降伏したのかと驚いた故事「四面楚歌」、あ
の時代です。司馬遼太郎の「項羽と劉邦」(3巻 新潮社刊)は読みやすく、
解説が谷沢永一先生であることも嬉しいですね。    
 
故事、ことわざ、慣用句、私たちの祖先が残してくれた英知でもあるのですが、
書物の中で、イライラしながら出番を待っているのではないでしょうか。簡単
に手に入り、利用できる貴重な文化遺産でもあるのですが……。
栴檀はビャクダンの異称ですが、「栴檀は双葉より芳し」といって、発芽の頃
から早くも香気があるように、大成する人物は、幼いときから人並みはずれて
優れたところがあるたとえに用います。同義語として、「実のなる木は、花か
ら知れる」や「蛇は寸にして人を呑む」があり、対義語は「大器晩成」です。
ちなみに英語では、「栴檀は双葉より芳し」は
“It early pricks that will be a thorn”(茨になる木は早くから刺す)、
「大器晩成」は
“Who goes slowly goes far”
がわかりやすいですね。
  
ところで、楚辞(楚の地方において謡われた詩の形式 全17巻)に、屈原と
漁師の面白い話があります。最後の3行ですが、清廉潔白な屈原の嘆きに対し、
「滄浪の水が清らかに澄んだときは、自分の冠のひもを洗えばよい。もし滄浪
の水が濁ったときは、自分の足を洗えばよい」と小舟の船ばたを叩きつつ歌い
ながら水の上を去っていったそうですが、清濁を合わせて呑んでしまう私は、
漁師の歌に納得してしまいますね。単なる怠け者の、いい加減な生き方ですが(笑)。
  (抄訳 「大河の一滴」P40 五木寛之 著 幻冬舎 刊)
注 滄浪 あおあおとした波 中国湖北省を流れる漢水の一部の異称
  コトバンクより
 
言い訳になりますが、学生時代、中国文学の野口定男教授から老子の「水は万
物を潤し、利を与え、自分を主張することなく、器に添って形を変え、対立せ
ず争わない。流れに逆らわず、無為自然の生き方」を教わり、かくありたいと
生きてきましたが、凡人の私には「難しい!」の一言でしたね。先生は、砂押
監督に鍛えられた長嶋、杉浦、本屋敷などが活躍し、立教大学野球部の黄金時
代を築いた時の部長で、生意気盛りの私たちともよく酒を飲んで説教をしてく
れたものです。今、こういった教授はいないのではと思いますね。もう55年
前になりますが、学生時代を懐かしく思い出しました。(感謝)
 
★★柏餅のルーツも中国ですか★★
今は、粽よりも柏餅が、メインです。これも中国から伝わってきたと思ってい
ましたが、何と、日本生まれなのです。
 
柏の木は新芽が出ない限り古い葉は落ちないので、家系が絶えないという縁起
をかついで柏の葉で包んだ柏餅を食べる。
柏餅は、楝(おうち)の葉の代わりに柏の葉を使ったことから生まれたもので、
江戸時代中期頃に作られたといわれている。柏の葉の表を外にするのが味噌入
り、裏を表にするのが餡入りという。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P113)
 
私の子どもの頃にもありましたから覚えていますが、柏餅の中身は、あんこだ
けではなく、味噌もあり、柏の葉っぱの表を外にしてあるのは味噌が、裏を外
にしてあるのにはあんこが入っていました。
 
ところで、子どもの頃に歌った懐かしい歌に「背くらべ」があります。最後に、
富士山の出てくるところがすごいですね。
 
 背くらべ
作詞 海野 厚
作曲 中山 晋平
(一) 柱のきずは おととしの   五月五日の背くらべ
    ちまき食べ食べ 兄さんが  計ってくれた 背のたけ
    きのう比べりゃ 何のこと  やっと羽織の 紐のたけ
 
(二) 柱に凭(もた)れりゃ すぐ見える  遠いお山も 背くらべ
    雲の上まで 顔だして        てんでに背伸び していても
    雪の帽子を ぬいでさえ       一はやっぱり 富士の山
     
粽のわからない子が、増えているのではないでしょうか。鉄筋コンクリート建
てでは「柱」も見あたりませんし、きずが残るほど背比べをする兄弟、姉妹も
いないでしょうね。もう、この歌も歌われていないような気もします。
音楽など勉強しなくてもいいと思われているようでしたら、それは間違いです。
その歳、その時でなければ歌わない、大切な歌があります。それは、成長をつ
づる「心の歌」です。
小学校時代に母と一緒に歌った歌は、童謡と唱歌だけでしたから、今でもその
歌を覚えています。
お父さん、お母さん、思い出してください。小学校時代に歌った歌に、思い出
は残っていませんか。なかったとしたら、やはり、不幸なことではないでしょ
うか。勉強だけやっていればいい子といった教育観は、子どもの心をゆがめて
いることを、もっと真剣に考えましょう。
 
ビートたけしさんは、「いかに小学唱歌がすぐれていたかわかりますよ。あん
な格調高い詩なんて今はどこを探したって出てきやしないもの」(「だから私
は嫌われる」P10 ビートたけし 著 新潮社 刊)と、若いタレントたちの
言葉を駆使した表現力の幼さを切り捨てていましたが、言葉と思考力は、同格
だと思います。私たちは、言葉で考えているのですから。
若者に人気のある漫画、訂正、子どもから大人まで夢中になって読んでいる漫
画、「ギラギラ」「ガンガン」「バキューン」など騒々しい擬声語、オノマト
ペというそうですが、言葉がなくても話は通じるようですね。それが言葉の代
役を果たしているのですから、読みこなしているならば、表現力も豊かになる
はずですが、逆に、低下する一方ではないでしょうか。言葉や文章で表現する
ことが、いかに大切であるかを知るのは、多くの場合、社会に出てからのよう
です。またしても出てきましたが、「学生時代に、もっと勉強をしておけばよ
かった!」、こうなりがちです。「後悔、先に立たず」、わかっているのです
が、わかったときは手遅れなんですね(笑)。類義語は「転ばぬ先の杖」、ち
なみに英語では、“Repentance comes too late”「後悔しても手遅れ」
(故事ことわざ辞典より)だそうです。
注 オノマトペ(onomatopee)擬声語を意味するフランス語
    擬音語 ドカーン サラサラ ワンワン等
    擬態語 ツンツン デレデレ ニヤニヤ等
    約4500語あるそうです。(「日本語 オノマトペ辞典」より)
今年1月に松屋銀座で開催された「第31回私立小学校児童作品展 ほら、で
きたよ」で、学習院初等科が「オノマトペ」の映像化に挑戦、発想がユニーク
で見応えがありました。初等科のHPを開き「初等科NEWS」をクリックす
ると作品の一部をみることができます。
 
ところで、「一家の大黒柱」、この言葉も、あまり耳にしなくなりました。父
権喪失は、子どもにとって、決してよいことではありません。母親の強いのは、
善し悪しだと思います。日本史の面白いことを教えてくれたのは、司馬遼太郎
と英文学者の渡辺昇一先生ですが、先生は、こうおっしゃっています。
 
父親の権威はどうやって作るか。これは幼い時に悪いことをしたら、きちんと
叱るということですね。子どもは悪いことをしてひっぱたかれれば、どこか心
の深いところで気持ちいいんです。「叱られたい」という欲求を持っているの
です。そして、さらに大切なのは、母親が父親のことを「立派な仕事をしてい
るんだ」と、子どもに言い聞かせ続けることです。それと同時に大切なのは、
小さい頃から、かわいがられて育てられたという記憶です。その記憶があるか
ら、子どもは自制する。親に迷惑かけてはいかんと思う。だから、子どもが小
さい頃は母親がそばにいてあげるほうがいいということなんです。
 (今、「エリートの罪」を裁くとき 誰が国賊か P254
        谷沢永一 渡辺昇一 著 文春文庫 刊)
 
お断りしておきますが、「母親がそばにいてあげるほうがいい」といっても、
過保護、過干渉になってはダメだということです。また、子どもの前で、お父
さんの悪口をいったり、やっつけてしまうお母さん方もいるようですが、子ど
もにとってつらく悲しいことに、どうして気づかないのでしょうか。逆も同じ
ですが、強いお父さんは少なくなっているようです。男の節句であるにもかか
わらず、何やら暗いムードになってしまいました。「頑張れ、お父さん!」と、
エールを送っておきましょう。
 
★★鍾馗さまって、わかりますか★★
ひな祭りには、おひな様を飾りましたが、男の節句は、鯉のぼりだけではあり
ません。外には旗やのぼり、家には、かぶとや武者人形も飾りました。武者人
形は、男らしい姿と気性にあやかりたいと願って飾られたものですが、私の頃
の人気者は、大きな目をして黒いひげを生やした鍾馗(しょうき)でした。今
は、どうでしょうか。金太郎、桃太郎は、よく見かけますが、最近、鍾馗は見
られなくなったようです。
 
鍾馗は、中国の魔除けの神さまで、かの有名な玄宗皇帝(唐の時代)が、病気に
かかり夢うつつの時に、皇帝と楊貴妃が大切にしていた宝物を盗み、逃げよう
とした悪い鬼を退治。目を覚ました皇帝は、熱も下がり、病気も治っていたの
で、夢で見た姿を口述しながら描かせたのが鍾馗だそうです。三国志の英雄、
関雲は鍾馗のようだと想像しています。こいう豪傑は、今風ではないのでしょ
うか。
 
とこで、マリアの教えを建学の精神とする男子だけの学校でサッカーの強い暁
星小学校は、「鍛える教育」を実践していますが、その具体的な目標として、
桃太郎や金太郎など日本昔話のキャラクターである「気は優しくて力持ち」を
掲げています。
やはり、幼い時にこそ昔話をたくさん読んであげ、正義感や弱い者いじめをし
てはいけないことを、きちんと、しっかり学習する機会を逃さないことではな
いでしょうか。
(次回は、「竜とドラゴン 他」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試問題を分析する 構成力・観察力に関する問題(2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第42号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★入試情報★
○学習院初等科 学校説明会
日時  5月21日(土) 
第1回  9:30~11:30
第2回 13:00~15:00
 
○白百合学園小学校 学校説明会
 日時 6月25日(土) 午前10時~11時  受付 午前9時30より 
・場所 白百合学園講堂(上履きの必要なし)
・保護者対象 
詳しくは各学校のホームページをご覧ください。
 
★★入試問題を分析する★★
 [8] 構成力・観察力に関する問題 (2)
 
今回は複雑な分割です。三角形、四角形、円形の、二分の一、四分の一とい
った分割は、基礎トレーニングで理解できているはずです。問題は、複雑な
分割です。
大人でも、「ナヌ……?」と考え込んでしまう問題もありますね。
ですから、これもいきなり問題集を使うのは、止めた方がいいでしょう。
混乱するだけです。
「ブンカツ! 聞いただけで頭が痛くなるわ!」
算数嫌いになりかねません。小学校の勉強は、1年生から何といっても国語
と算数が基本ですから、スタートでつまずくと大変です。
 
問題集を買い、複雑に分割してある問題を、お子さんが、かつて愛読してい
た絵本などを使い、その通りに線を引き、切り、それを使ってやってみまし
ょう。
昔の愛読書ですから、覚えているでしょうし、忘れていても思い出します。
それに形が大きいですから、しっかりと学べます。
3分割ぐらいから始めましょう。
「お母さん、これ『桃太郎』でしょう!」
笑顔を浮かべながら取り組むお子さんの姿を想像できますね。
絵本には、いろいろな思い出が残されていますから、面白がって取り組むは
ずです。
表ができたら、裏も使えます。
1枚の絵で、二通りの学習ができます。
コツが理解できれば、白紙で挑戦、 絵で一回学習していますから、最初は
楽勝ですね。
これでやる気を育て、複雑な問題に挑戦できるようにしてみましょう。 
 
できない問題があっても、心配はありません。
問題集を読んでいて、「こんなの、時間内にできるのかな?」と思える問題
があると、学校側の狙いは何だろうと考えてしまいます。難易度の高い問題
があると、「できないと、合格しない!」と考え、無理やり教えこんでしま
うお母さんがいると聞きます。何といってもお母さん方は、偏差値教育を受
けてこられた元受験戦士ですから、やりますね。
しかし、考えてみましょう、受験生は5、6歳の幼児です。学校側は、構成
力、プラスやる気、意欲、これを見ているのではないでしょうか。
あせらず、時間をかけ、できるようにしてあげましょう。 
      
このように心がけていると、例えば、試験場で難しい構成の問題に出合った
時、「わかんない…!」と泣き出してしまう子と、できなくても最後まで挑
戦し、時間がきたら、「やっぱり、できないな!」といって、きちんと止め
る子とでは、泣き顔のお子さんからは「何でもできなくてはいけないと考え
る満点主義の教育ママの顔」が、頑張ったお子さんの場合は「一所懸命に頑
張ってできなければ仕方がないでしょう」とあたたかく励ますお母さんの笑
顔が浮かんでくるといった評価も生まれるものではないでしょうか。先生方、
期待していますよ(笑)。
 
オロオロ、キョロキョロと辺りを見るようでは、「できなきゃいけない!」
という価値観が、お子さんをがんじがらめにしていることになりかねません。
小さい時から、「何でもできなくては駄目だ」と教えるのは、いいことでは
ないと思います。できないことがあるから、できるように勉強するのが学校
教育の目的です。できないことが悔しかったら、それをバネにして挑戦する
気持ちの方が、大切です。 幼児期は、結果を競い、結果だけを求める時で
はありません。やはり、やる気、挑戦する意欲を見ていると思います。
家庭学習でも、こういった面を育ててほしいですね。
 
プリントでの分割の問題は、当てはまらないもの、おかしいものを消してい
く消去法がいいでしょう。その時に、なぜ必要ではないのかをお子さんに説
明させると、効果はさらに上がります。自分の考えをいう、言葉で表現する
のは、本当に難しいですね。
「これは、ここが違うから、当てはまらないわ」
「そうですね、角度が違うわね」
「角度って、なあに?」
「開き具合ですよ」
これは教え込むのではなく、「……?」と興味を持たせることです。関心を
持てば、記憶されるものです。
知的な刺激を与えてあげましょう。
 
構成の問題に限りませんが、たとえば、答えが違っていたとします。前にお
話しましたが、そんな時に、やってはいけないことがありますね。子どもの
前で、間違いを指摘しないことです。
「これ違っていますよ!」
「それならこれかな?」
「違います!」
「じゃ、これかな?」
「何で、考えないの、あなたという子は!」
こうなりがちです、そうではないでしょうか。
最後は、顔色も変わり、話す口調に怒気さえ含んでいます。子どもは怒られ
たくない一心で、ひたすら残っている答えを指差すだけです。偶然に答えが
合うことを祈って、です。考える時間を与えていません、お母さんは。
「勉強って、つらいものだな!」
このような気持ちにさせてしまっては、小学校へ入る前から、勉強の嫌いな
子になりがちです。
 
わからなかったら、コピーをとり、それを切らせ、組み立てることです。 
怒られて、おどおどしながらやっているお子さんの気持ちを考えてあげまし
ょう。 かわいそうだと思いませんか。お子さんが、お母さんの顔色を気に
しはじめたら、気分転換をはかることですね。お互いの精神衛生のためです。
難易度の高い問題に取り組むときこそ、あたたかい配慮が必要です。
 
閑話休題。
問題の解説は一休みして、お母さんの「育児の姿勢」をチェックしてみまし
ょう。これは、かつて、皇太子さまが記者会見で披露された詩です。日本で
もベストセラーとなった「子どもが育つ魔法の言葉」(PHP研究所 刊)
の著者、ドロシー・ロー・ノルトの作ですが、お読みになったお母さん方は、
この本の冒頭にある「子は親の鏡」の詩には、納得されたのではないでしょ
うか。ここで紹介するのは、確か、スウェーデンの中学生用の教科書にあっ
たものだと記憶していますが、資料が見つからないもので、間違っていたら
お詫びいたします。
私どもも教室の入り口に掲示していますが、「育児しながら育自する」お母
さん方が大切にしている心構えではないでしょうか。
        
      子ども  ドロシー・ロー・ノルト 作
 批判ばかりされた 子どもは 非難することを おぼえる
 殴られて大きくなった 子どもは 力にたよることを おぼえる
 笑いものにされた 子どもは ものを言わずにいることを おぼえる
 皮肉にさらされた 子どもは 鈍い良心の もちぬしとなる
 しかし、激励をうけた 子どもは 自信を おぼえる
 寛容にであった 子どもは 忍耐を おぼえる
 賞賛をうけた 子どもは 評価することを おぼえる
 フェアプレーを経験した 子どもは 公正を おぼえる
 友情を知る 子どもは 親切を おぼえる
 安心を経験した 子どもは 信頼を おぼえる
 可愛がられ 抱きしめられた 子どもは 世界中の愛情を 感じることを おぼえる
 
いかがでしょうか。
お子さんは、ご両親の作る環境で育っていくことを、忘れてはいけないと思
います。受験されるお子さんは、同世代のほんの一部の子ども達の一人です。
ほとんどの子ども達は、こういった受験準備をせずに、小学生になります。
算数を例に取れば、加減乗除から分数の領域まで、数字も記号も使わずに学
習し、「話の記憶」では、中高学年で習う「長文の読解」を文字も使わずに
学習するわけですから、家庭学習は、そのことを理解した上で、無理のない
ように進めていただきたいのです。
お子さんが嫌がるときは、スパッと止めましょう。
そして、寝静まった頃に、お子さんの寝顔を見ることですね。
お母さんの気持ちも、切り替えられると思います。
大切なのは、お子さん自身の将来、歩むべき道ですから……。
 
年長さんになりましたが、元気に通っていますか。
集団生活への適応力をきちんと身につけるのも、合否の鍵となる大切なポイ
ントです。
楽しく過ごせるように心がけてください。
少しでもお兄さん、お姉さんらしくなったところが見えたときは、ほめてあ
げましょう。
第40号でもお話ししましたが大切なことですから繰り返します。「さすが
お兄さん(お姉さん)!」は、子どもに自信を持たせ、「お兄さん(お姉さ
ん)なんだから!」は、不満をつのらせがちで、賢いお母さんの口にする言
葉ではありません。
子ども達は、お母さんの何気ない言葉にも、敏感に反応していることを忘れ
ないでください。
 
「地震、雷、火事、台風」、自然の前に何とも人間は無力な存在であること
を、またしても痛感させられました。余震が異常ですね。これ以上被害が出
ないように、何とか穏便に収まってほしいものです。幼児は自分で身を守る
すべを知りません。しっかりと教えておくのも親の大切な仕事です。今回も
飲料水の不足が深刻のようです。「我が家の防災対策」、チェック済みと思
いますが、油断大敵です。肝に銘じておきましょう。
(次回は、「構成力・観察力(3)」についてお話しましょう)
 

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>名門幼稚園の保育方針 私立幼稚園編(12)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第24
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私立幼稚園編(12)
 
ここで紹介する情報は、私が説明会や過去のホームページなどから得たものが
中心になっており、説明会、見学会、募集人員に関する情報は、昨年度のもの
であることをお断りしておきます。本年度の情報は、各園のホームページをご
覧ください。(筆者)
 
日出学園幼稚園
本学園の初代理事長、青木要吉は、若き日にアメリカの大学で学び、民主主義、
自由を肌で感じ、学校創立の夢を抱き、帰国後、日本の教育のよさを十分に研
究した後に、夢を実現すべく、1934年(昭和9年)に小学校と幼稚園を設立、
1947年(昭和22年)に中学校、1950年に高等学校を開校し、現在に至
っています。
 
本園は、2014年に創立80周年を迎えました。
学園は新しい校舎を竣工し、2009年(平成21年)夏、元中学高校跡地に
新築された園舎へ移転。園舎は、これまでの雰囲気であった木のぬくもりを残
し、園庭は、従来と同様、木々に囲まれ砂地で、芝生、池など、園児達に心を
育む園のキャッチフレーズである、「太陽と自然と友だちと、遊びを通して生
きる力を養う」保育に欠かせない環境となっています。
 
学園の校訓は、
     誠 (なおく 至誠を基として中正の道を尚(とうと)ぶこと)
     明 (あかるく 明朗快活にして、責任を重んずること)
     和 (むつまじく 和衷協同して、苦楽をともにすること)
ですが、幼稚園では、やさしい言葉で、より具体的に、以下のような教育目標
を掲げています。
 
【教育目標】  
   ・じょうぶで、いきいきとした子ども
   ・自分から進んで遊びに取り組み、工夫して発展させる子ども
   ・友だちと力を合わせて活動できる子ども 
   ・物事を素直に感受し、喜びや悲しみを共感できる子ども
 
土の感触を楽しみながら体を鍛え、夢中になって遊べる環境から、共生の心を
育む保育の姿勢がうかがえます。それを裏付ける園長の言葉があります。
 
「太陽と土と友達」に恵まれた幼稚園生活の中で幼児期の体と心を育みます。
日々の遊びや生活を通して基本的な習慣を身につけ、さまざまなことにチャレ
ンジする意欲を育てます。
 
ところで、学園長 青木貞雄が、情報化社会について、かつて次のように話さ
れていました。
 
「(前略)昨今、ITという言葉で表現されているように、身の回りにはあら
ゆる情報があふれ、いつでも・どこでも、瞬時にその情報は得られます。ます
ます、情報化社会は発展していくことでしょう。しかし、大切なことは、それ
らの情報に惑わされることなく、自分にとって必要なものは何か、何が本物な
のかを見分ける能力を養っていくことだと思います」
 
情報といえば、幼稚園や小学校の受験につき物の怪情報である「うわさ」もそ
の一つです。第三者から見れば、ほとんどが「そんなバカな!」と、笑って済
ませるものばかりですが、当事者にとっては、深刻な問題になりかねません。
妙なうわさに心を惑わす前に、「何が本物なのか!」を見極める、冷静な判断
力が大切です。迷っている時、頼りになるのはお父さん方ですから、しっかり
と手綱を握ってあげてください。
 
昼食は、原則として弁当ですが、その理由は、
「保護者の方に手作りのお弁当を作っていただくことにより、親子の関わりを
大切にしています」
このことです……。前にも触れましたが、弁当をきちんと作っているお母さん
方の真心は、食べている子ども達が、よく知っているはずです。なにしろ、世
界に一つしかない、専用のレストランで作られた、好みにあった弁当だからで
す。「親の手作り」が少なくなっている時だけに、オーバーですが、幼児期の
弁当は、親子の大切な絆を作る、ほんの身近なひと時かもしれないとなると、
手は抜けませんね。小学校も弁当ですが、業者に委託して学校へ弁当を届ける
システムを、今年の夏をめどに実施の予定です。
 
併設の小学校には、内部での試験を考慮し、従来、希望者全員、進学していま
したが、入学定員を大幅に減らしたこともあり、今後は全員というわけにはい
かないのでは。今年から新設された「Q&Aコーナー」をご覧ください。なお、
他校を併願する場合は、外部受験者と同じ扱いになります。
 
平成23年4月から、未就園児クラス「ふたば」を開園しました。
園のクラス名は、園庭にある木や花がその由来となっており、入園前の子ども
達は、ふたばの時期、「広い場所で、同年齢の子ども達が、満足するまで遊ぶ
ことを体験できる」、そんなことを願い生まれたクラスだそうです。おうちの
方と一緒に、室内や園庭で友達や先生と、制作遊び・リズム遊びや簡単なゲー
ムを楽しむものですが、当園への入園を確定するものではありません。    
 
また、平成24年4月より小学校と連携した「わくわくドキドキ」を短縮した
「わくドキプロジェクト」が始まりました。ホームページには、退任された小
学校の二見校長自ら、園児達に実験をする様子を紹介しています。
   
【募集人数】3年保育(3歳児)…約45名、2年保育(4歳児)…約10名
なお、出願は、平成28年度から「出願WEB」入力、ホームページからの出
願になっています。
【説明会】 平成28年9月10日(土)・16日(金) 10:00~11:30 
      園庭開放、保育見学などの日時は、ホームページをご覧ください。
 
【Q&Aコーナー】
Q 通園時間の制限はありますか?
A 制限はありません。市川市をはじめ、船橋市・松戸市・習志野市・千葉市
・江戸川区・荒川区・江東区等々、様々な地域から通園しています。
 
Q 通園バスはないと聞きましたが、送り迎えは保護者でなければいけないの
ですか?
A いいえ、祖父母・親戚の方・シッターの方等の送り迎えも認めています。
ただし、安全の為に事前に届けを出して頂いています。
 
Q 在園の方はどのように通園していますか?
A 徒歩・自転車・公共交通機関・自家用車など、それぞれのご家庭に合わせ
た集団で通園しています。自転車の方には専用の駐輪場があります。車の方
は駐車場の確保をお願いしています。
 
Q 預かり保育はありますか?
A はい、朝8時から保育後は17時まで有料の預かり保育をしています。
 
Q 給食はありますか?
A はい、週に一度月曜日に「わくドキらんち」としてみんなで同じ「らんち」
を食べる日を設けています。栄養士から食育の話を聞く日もあり、好き嫌い
をなくすきっかけになっています。
 
Q 課外活動はありますか?
A 月曜日は「わくドキくらぶ」として、茶道・日舞・合気道など日本の伝統
文化に触れる機会を設けています。火曜日は年中のスポーツクラブ、木曜日
は年長のスポーツクラブがあります。又、
平成27年度より金曜日に「リズム・アンサンブル」のクラブが始まりました。
全て希望制です。
 
Q 卒園後の進学先はどうなっていますか?
A 進路は各ご家庭の方針によって決まります。年によって差がありますが、
8割強が併設の日出学園小学校、あと2割弱が他私立・国立小学校や公立小
学校へ進学しています。
 
Q 併設小学校への推薦制度はありますか?
A 日出学園小学校第一志望者は、園長推薦により外部受験の方に先立って
入学を認められます。また、入学金の優遇処置があります。
 
Q 入園の為に特別な準備は必要ですか?
A 特別な準備は必要ありません。3歳児4歳児として必要な生活を充分に
することを心がけてください。
 
Q 幼稚園の見学はできますか?
A はい、できます。見学ご希望の方は、電話でお申し出ください。
 
Q 未就園児のクラスはありますか?
A 「ふたば」という名称で、親子で参加する2歳児保育を行っています。
火曜コース・木曜コース・土曜コースがあります。
 
Q 文字や数字は教えないのですか?
A 教えています。子ども達は、興味を抱いた時に爆発的にしかも喜びをも
って学んでいきます。自ら「わかった!」という喜びが将来の学習へ意欲的
につながります。年少・年中期には、日常の生活や遊び、絵本の読み聞かせ
等を通して、興味や関心を高めていきます。年長は幼小連携カリキュラムの
下、小学校に進んでからの学びを促進する指導の中で文字や数を教えていま
す。
 
昭和学院幼稚園
本学院は、1940年(昭和15年)に昭和女子商業学校として発足し、現在、
幼稚園、小学校、中学校(2校)、高等学校(2校)、短期大学をもつ総合学園で、
幼稚園から短大まで、新築改装され、素晴らしい学園となっています。建学の
精神は、創立者、伊藤友作の定めた校訓「明敏謙譲」が示すように、「明朗にし
て健康、自主性にとみ、謙虚で個性豊かな人間を育てる」ことにあります。
 
【教育目標】 
幼稚園では、生活習慣を身につけ、集団生活への理解と態度を育てるとともに、
豊かな情操と創造力を養い、心身の発達を助長します。特に子どもをのびのび
と育て体力を高めること、また、「やるべきこと」「やってはならないこと」
をはっきり判断できる道徳心を養うことに努めます。
 
【幼稚園教育の5つの目標】 
  ◇ 健全な心身の基礎を養います。
  ◇ 人への愛情や信頼感を育てます。 
  ◇ 自然など身近な事象への興味や関心を育てます。
  ◇ 日常生活の中で言葉への興味や関心を育てます。
  ◇ 多様な体験を通して豊かな感性を育てます。
   
【教育の特色】  
○のびのび教育
のびのびと遊ばせる中で、健康と道徳心を高める教育、一人ひとりの個性を伸
ばす教育につとめています。
○体力づくり
戸外遊び・散歩・リズム遊びなどで、丈夫な体を作ります。また体力の向上の
ために週1回専任講師による体育教室 (正課・課外)を開設しています。
○英語教室の開設
国際語としての英語を獲得できるよう新英語プログラムを導入し毎日40分の
英語教育を実施しています。
○ 図書コーナーの開設
 読み聞かせや絵本貸し出し・お母さん方への図書貸し出しを行っています。
○園内給食の実施
週3回みんなで同じ食材にふれながらバランスのよい給食を食べることで、健
康な心と体をはぐくむ食育につとめます。
〇多彩な課外活動
子どもたちの旺盛な好奇心に応える様々な課外教室を開講しています。
〇預かり保育「おひさまクラブ」
子育て支援の一つとして、預かり保育を始めました。就労の方、急な用事など
緊急な時はもちろん、お母さんのリフレッシュにも利用できます。
○未就園児の教育
幼稚園にスムーズに入れるよう希望者を対象に未就園児の教育活動(ひよこク
ラブ・どんぐりクラブ)を実施しています。
○小学校との連携
小学校との連携を密にし、本学院小学校への進学の便を図っています。
H25年 昭和学院小学校 35名 他私立 3名 公立 20名
○短大との交流
もこもこ・こどもセンターとの連携および教育実習生徒の交流を通し、幅広い社
会性を身につけます。 
 
「やるべきこと」「やってはならないこと」をはっきり判断できる道徳心を養
う、「のびのびと遊ばせる中で、健康と道徳心を高める教育」とありますが、
とても大事なことです。「のびのびと遊ばせる」中で、社会性や協調性を育て
るのが、自由保育の目的です。そこには、みんなで守らなければならないルー
ルがあります。本来、子ども達は、ルールを守るのが大好きですから、「やる
べきこと・やってはならないこと」が、きちんと身につくのです。
しかし、「のびのび育てる」ことが、どうやら誤解されているようです。「の
びのび育てる」は、決して自由奔放に育てるのではないことを、ご両親はきっ
ちりと考えなくては、やがて「自己中」となって、子ども達に跳ね返ってきます。
また、「叱るべき時に叱らない育児」が、まかり通っている気がします。です
から、「やるべきこと・やってはいけないこと」が、身につかないのではない
でしょうか。何回も繰り返しますが、こういったことはご両親が、責任を持っ
て教えるべきです。もっとも、本メールマガジンをお読みになっている皆さん
方には、こういったことをないがしろにしていないと思いますが、いかがでし
ょうか。
 
また、本園の特色の中に、「図書室は、園児、母親に図書を貸し出し、機会を
設けて読み聞かせや読書を奨めています」とありますが、幼児期に大切なのは、
話の読み聞かせであり、親子の対話です。
道徳と同じように、情操教育の要は、ご両親の育児の姿勢です。よくいわれて
いる言葉に、「家事の好きな子に非行少女はいない」がありますが、これに
「読書の好きな子に非行少年、少女はいない」を加えてもいいのではないでし
ょうか。
こういったことは、幼児期の育児の姿勢、取り巻く環境が、大きな影響を与え
るものです。「三つ子の魂百まで」は、幼児期に体験したことは、大きくなっ
ても、その影響から逃れられないことをいっている、先人の知恵、「育児の鉄
則」ではないでしょうか。
 
ところで、本園の英語教育は半端ではありません。年少組 週1回 30分程
度、年中組 週5日 1回30分~40分、年長組 週5日 1回40分、思
わず目を見張りますね。ホームページには詳しいカリキュラムも紹介されてい
ますから、ご覧ください。
 
最近、希望者を対象にした未就園児の教育活動が増えてきましたが、本園では
「ひよこクラブ・どんぐりクラブ」を開設しています。地域の人々や小学校在
学中の保護者の要請に応えて始めたそうですが、母子で体操をしたり、歌った
り、絵を描いたり、制作をするなどして、楽しいひと時を過ごす会で、ステッ
プ1がひよこクラブ、十分に慣れるとステップ2のどんぐりクラブへ進むそう
です。また、平成25年度より、預かり保育「おひさまクラブ」を開設しまし
た。
いずれも詳しくは、ホームページをご覧ください。
 
【募集要項】  年少組  約60名  年中組  若干名 
(これは昨年のもので、説明会の日程も未定 4月19日現在)
【Q&Aコーナー】はありません。
  (次回は「幼稚園の求める子ども像」についてお話ししましょう)

さわやかお受験のススメ<保護者編>第7章(1)端午の節句です 皐月 

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2017さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第24号-
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第7章(1) 端午の節句です    皐 月
 
物の本によると、皐月(さつき)のいわれは、この月は田植えをする時期で、
早苗(さなえ)を植える「早苗月」から「さつき」となったそうです。「五月
晴れ」と書いて「さつきばれ」と読みますが、こちらの方が親しみやすいです
ね。
 
★★端午の節句★★
5月といえば端午の節句、別名「菖蒲の節句」。端午の「端」は「はじめ」と
いう意味で、最初の午(うま)の日のことですが、午の音読みが「ご」であるこ
とから、5月の5日が端午の節句として祝われるようになりました。また男の
子が初めて迎える端午の節句を初節句といい、健康で、たくましい男性に成長
することを願う行事で、事の起こりは江戸時代だそうです。昔は3月3日が
「ひな祭り」で女の子の節句、5月5日を男の子の節句として祝ったものです
が、今は男の子も女の子も元気よく育つようにとお祝いする「子どもの日」の
方が、なじみやすいのではないでしょうか。床の間に、さまざまな幟(のぼり)
を背にした神武天皇を中心に、武者人形や兜(かぶと)を飾った記憶がありま
す。
 
枕草子にも、平安時代の5月5日の情景が描かれています。
 
   節は、五月にしく月はなし。
   菖蒲、蓬などのかほりあひたるも、いみじうをかし。
                    (枕草子 第四十六段)
 
以前にも紹介しましたが、五節句を定めたのは江戸幕府で、端午の節句のルー
ツは、お武家さん、お侍の世界です。お侍さんの家では、立派な侍になるよう
に、鯉のぼりを立て、鎧(よろい)や兜、鍾馗(しょうき)や金太郎、桃太郎
のような勇ましい人形を飾って武運長久を祈り、お家安泰を願ったのです。そ
れがいつの頃か定かではありませんが、家を継ぐことになる男の子の誕生と成
長を祝うための節句として、一般庶民の中にも定着したもので、戦いから身を
守る兜や鎧を飾り、端午の節句に欠かせない風物詩となっているのです。その
経緯は、5月に読んであげたい本で紹介しますが、伝説「コイのぼりのはじま
り」に記されています。この日に、家の屋根や軒先に、菖蒲の葉や蓬をのせた
り、菖蒲を入れた風呂に入ったりしたものです。それで、この日を「菖蒲の節
句」ともいいます。
 
今では、軒先に菖蒲の葉や蓬を見ることはできませんが、男の子のいる家では、
菖蒲湯をやっているのではないでしょうか。スーパーマーケットなどで菖蒲を
売っていますから。             
菖蒲湯に入って、菖蒲の根っこを額に当て、鉢巻きをしたものです。こうする
と、風邪を引かなくなるし、頭もよくなるといわれたのです。確かに、匂いが
強いですから、風邪薬の感じはありましたが、頭脳明晰になるとは、子ども心
にも信じていませんでした。どちらかといえば、けんかに強くなるイメージは
ありました。菖蒲の葉は、先が細長くとがっているので、刀のような感じがす
るからです。新聞紙で折ってもらったかぶとをかぶり、木で作った刀でちゃん
ばらごっこ。これが、私たちの遊びの定番でした。「ちゃんばら」は、「チャ
ンチャンバラバラ」の略で、歌舞伎の立ち回りや、映画の殺陣(たて)をまね
たごっこ遊びのことですが、今どき、こんな遊びをする子はいないでしょうね。
 
余談ですが、お母さん方、兜を折れますか。パソコンで「兜の折り方」を検索
すると、簡単なものから複雑なものまでヒットできます。孫のリクエストで
18工程もある兜に挑戦しましたが、これは難しい。最後に「お疲れ様でした! 
最後までありがとうございました」のコメントの下に、さんざん失敗した紙を
足元に散らかした女性が、パソコンの前でうなだれている写真が載っていまし
たが、これが傑作で、思わず笑ってしまいました。中々うまく折れませんから、
ほっとしますね(笑)。(「折り紙 かぶとの折り方 NAVERまとめ」より)
 
そして、私には楽しみでしたが、粽や柏餅を食べる日です。粽や柏餅は、おい
しかったのですが、蓬で作った草餅は、子どもにとっては匂いが強烈で、喜ん
でいただきますとはなりませんでしたが、何しろ蓬の葉には、悪魔を追い払う
力があるといわれ、私は男の子だけに、食べざるをえない雰囲気があり、否応
もなかったのです。しかし、今の蓬の草餅は、おいしいですね。匂いといい、
味といい、まるで違ったものを食べている感じがします。
                   
★★なぜ、鯉のぼりなのでしょう★★           
鯉は硬骨魚で、鱗(うろこ)が36枚あるといわれ、別名、六六魚(りくりく
ぎょ)と呼ばれているそうですが、実際には31枚から38枚ほどで、泥沼の
川や池に棲み、2本の口ひげを備え、食用、観賞魚として珍重されるばかりか、
立身出世の象徴ともされています。
「なぜ、鯉のぼりなのか」、その理由は文部省唱歌に歌われています。鯨はい
くら体が大きくても、鮫はいかに強そうだからといっても、端午の節句の主役
になる資格はありません。
その答えは、3番の「百瀬の滝」を昇って竜になるにありそうです。
 
   鯉のぼり (文部省唱歌)
        作詞 不明
        作曲 広田 竜太郎
    一、いらかの波と 雲の波   重なる波の 中空を 
      橘かおる   朝風に   高く泳ぐや 鯉のぼり
      
    二、開ける広き  その口に  船をも呑まん 様(さま)見えて
      ゆたかに振う 尾鰭(おひれ)には  物に動ぜぬ  姿あり
                   
    三、百瀬の滝を  昇りなば  忽(たちま)ち竜に なりぬべき
      わが身に似よや 男子(おのこ)ごと  空に躍るや 鯉のぼり 
 
中国の黄河の中流にある竜門の滝には、下流からいろいろな魚が、群れをなし
てさかのぼってくるそうです。見たわけではありませんが、何しろ清流逆巻く
滝です。他の魚達は、ギブアップしても、鯉だけは滝を昇りきって、竜になる
言い伝えがあり、そこから出世する糸口となる関門を「登龍門」といい、
「鯉の滝昇り」として、立身出世のシンボルとなったのです。流れに水をさす
ようですが、昇りきれない鯉もいたのではないでしょうか。納得できる言葉が
あります。
 
「点額」という言葉があり、これは『額にケガをする』という意味で、流れを
昇らずにケガをした魚にたとえ『落伍者』『落第生』のことを表しています。
 (目からうろこ!日本語がとことんわかる本 日本社 講談社 刊P134)
 
また「鯉の一跳ね」といって、水揚げされた鯉は一度跳ねるだけで、あとはじ
たばたせずに生きており、しかも「まな板の鯉」といって、まな板の上にのせ
られても、きっちり覚悟を決め、悠々と横たわっている姿から、潔い、強い魚
として、お侍さんから尊ばれていたのです。川に潜り鯉を捕まえる時は、両手
で胸に抱くようにするとじっとしている話をリバーツーリスト野田知佑氏の随
筆で読みましたが、この習性を狙ったものでしょうか。
 
そして「五月の鯉の吹き流し」といい、鯉のぼりの中は空っぽで、何も入って
いません。さわやかな風を腹いっぱいに流し込んで泳ぐ、はらわたのないのび
やかな姿が「腹黒く」もなく「腹に一物」もない、さっぱりとした男らしい気
性を表しています。ですから、男の子の節句には、世の中で役に立つ、たくま
しくて立派な人物になってほしいとの願いをこめて、鯉のぼりを立てたのです。
 
ところで、鯉のぼりの一番上に飾る「吹き流し」は、滝や雲をなぞらえたもの
で、風になびきながら泳ぐ鯉の姿を、美しく引き立てています。吹き流しは、
青、赤、黄、白、黒の五色で、木火土金水の五行を表わしています。五行とは、
簡単にいえば、古代中国で考えられていた、人間の生活に必要な材料を表した
ものですが、これにも訳があります。
 
五行とは、木・火・土・金・水の5つの要素で、自然界、人間界のすべての現
象をつかさどるものとする。木から火、火から土、土から金、金から水、水か
ら木が生まれ、水は火に、火は金に、木は土に、土は水に勝つとする。
そして、それぞれを表す色として木に青、火に赤、土に黄、金に白、水に黒が
あてられたが、後に最上の色とされる紫に変わり用いられるようになった。
また、木には仁、火には礼、土には信、金には義、水には智という道徳観があ
てられた。
    (日本の年中行事百科3 夏 民具で見る日本人のくらしQ/A P32
                     監修 岩井 宏實 河出書房新社 刊)
 
この五行には、病気を引き起こすもとと考えられていた「邪気」を払う力があ
ると信じられていました。しかも、鯉をとって食おうとする竜は、この五色が
大嫌いだったそうです。ですから、竜は近づくことができず、鯉は五色の吹き
流しに守られ、五月の空を、さわやかな薫風にのり、悠々と泳いでいるのです。
最近は、黒に代わって緑や紫が使われていますが、黒と白では縁起が悪いから
ではなく、本来、黒でなくてはいけない理由があるわけです。そういえば、船
旅で別れを惜しむときに、五色のテープを使っていますが、もしかしたら、海
に棲むといわれていた竜から、身を守るためのセレモニーかもしれません。
     
しかし、最近は郊外に出ないと、悠々と泳ぐ鯉のぼりの姿を見かけなくなりま
した。端午の節句が、子どもの日と改められても、男の子の健やかな成長を願
う親心には、変わりはないと思うのですが。マンションや団地のベランダに小
さな鯉のぼりが泳いでいると、「やっているな!」とほほえましくなります。
 
プロ野球の好きな方へ、広島東洋カープは、なぜ「カープ(鯉)」なのでしょ
うか。命名の由来は、何と城の名前です。原爆ドームのすぐそばにある広島城
(築城 毛利輝元)は、別名を「鯉城(りじょう)といい、そこから『広島カ
ープ』となったもので、城の名前をつけている球団は、他にありません。原爆
で倒壊した天守閣は、昭和33年に復元されましたが、学生時代に訪れた時、
中御門跡付近には原爆でこげた石垣があり、風化されてなるものかと訴えてい
るような気がしました。G7の外相が爆心地を訪れましたが、どこかの国の方
こそ、広島平和記念資料館に足を運び、残虐非道、その記録を見るべきではな
いだろうか。
 
話題を変えて、今年の日本人の大リーガー、ファンである松井秀喜がいないの
で寂しい限りですが、ヤンキースのマー君、1勝したとはいえ前途多難なよう
ですね。マーリンズのイチロー、日米通算で参考記録とはいえ、ローズの
4256本に続く4215本で2位、何とも素晴らしい。前田、幸先良く2勝、
安心して見ていられるレッドソックスの上原、ちょっと心配なレンジャーズの
ダルビッシュ有、マリナーズの岩隈、「山椒は小粒でもピリリと辛い」的な存
在、ちなみに英語では、“Small head but great wit”というそうですが、ブ
ルーワーズの青木、ムネリンこと川崎にも頑張ってほしいですね。
松井は、平成26年に師匠の長嶋氏と共に国民栄誉賞を背番号にちなみ5月5
日に東京ドームで受賞しました。私がドームに行くと、必ずホームランをかっ
飛ばしてくれ感激したもので、星陵高校時代、甲子園で敬遠される姿を見て、
その態度が潔く、以来、応援していました。松井は怪我さえしなければもっと
活躍できたのでは。ヤンキースのユニホームを着て若手にアドバイスをしてい
る映像を見ましたが、人柄が愛されていたことがわかりますね。次期監督候補、
ジータの参謀になれるかどうか、楽しみが増えました(笑)。
 
ところで、日本球界に復帰した選手が、満足に働けない姿を見るにつけ、本場
の野球のすさまじさを想像できます。日程と試合数を見ただけでも、エネルギ
ーを搾り取られる感じがしますから、技術の前に体力と精神力、これが秀でて
いなければ活躍する場はないですね。イチローの凄さがわかります。
 
大リーガーといえば、忘れてならないのは野茂英雄投手で、日本の野球界は、
快く渡米させなかったことを思い出します。とかく開拓者には、逆風が吹きが
ちですが、それを乗り越える実力も、精神力も、体力も備えた、すばらしい選
手でした。彼には国民栄誉賞をもらう資格が十分あるのでは。「名球界ベース
ボールフェステバル2016」で、例のトルネード投法を久しぶりに見ました
が、少し太ったとはいえ、往年のしなるようなホームは、全く変わっていない
のには脱帽しました。
 
かつて名勝負といわれた野茂と清原某、対決を見たくて西武球場へ足を運びま
したが、無冠の帝王の名が泣いていますね。父親は、子どもにとって限りなく
大きな存在。消すことのできない傷、誰が癒すのか。
また、バドミントンの某選手、厳しい鍛錬に心は鍛えられなかったのか。「何
とかバカ」といわれ恥ずかしくないのか。何のために体をいじめ、力をつけた
のか。流した汗は何だったのか。これでおしまいではないか。
 
池波正太郎は、「自由というものは人間の社会生活にはなく、個人の胸の内に
大きく存在する」(「男のリズム」P167 角川文庫刊)、国府台女子学院
 平田史郎学院長は、「訓練されていない個性は野性である」とおっしゃって
いますが、こういったことをキチンと子どもに教えるのも、私たち親の務めで
はないだろうか。偉そうなことをほざいてなんですが。(苦笑)
 
(次回は、「第7章(2)なぜ、しょうぶ湯なのでしょうか」などについてお
話しましょう)

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試問題を分析する 構成力・観察力に関する問題(1)

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第41号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★説明会情報★
○立教女学院小学校
日時 5月7日(土)10:00~11:30 於:聖マリア礼拝堂
保護者対象 予約不要
 
○東洋英和女学院小学部
日時 5月7日(土)13:00~
保護者対象 予約不要
終了後 校内見学/質問コーナーあり(参加は自由)
 
○青山学院初等部
日時 5月14日(土)9:30~
終了後、校内見学
事前申込受付を行う場合には、4月中にホームページで通知。
 
○日出学園小学校 お父さんための説明会
日時 5月19日(木)・5月20日(金)18:30~
要 申し込み (1か月前より受付開始)
 
いずれも詳しくは、ホームページをご覧ください。
 
★★入試問題を分析する★★
[8]構成力・観察力に関する問題(1)
 
基本は図形ですが、その他に模倣や同図形、異図形の発見などがあります。
 
[図形合成の問題]
三角形、正方形、長方形、菱形、円形などの形についての理解力を問う問題で
す。
これも、かなり難しいですね。
 
◆プレート合成
★(数枚のプレートが置かれている)
「三角のプレートを使って、お手本と同じものを作りなさい」 
 
難しくて、どこがどうなっているのか、わからないものがあります。とにかく
プレートを持って悩んでいても始まりません。しかも時間は限られています、
45秒程ですから、迅速な対応が求められます。
 
問題集でやる場合、プレートがついていれば、それを切り取り利用できますが、
ない場合は、少し厚手の紙で同じ物を作ってあげましょう。そして、問題集に
取り組む前に、お子さんにいろいろな形を作らせて遊ばせ、「おもしろいな!」
と興味を持たせることが大切です。プレート構成の意味が理解できてから、挑
戦しましょう。
 
◆分割合成
★(5つに切り離されたプレートが、バラバラに置かれている)
「プレートをうまく組み合わせて、もとの円い形にしましょう」
 
三角形、正方形、長方形、円形が4つから5つに分割されたものを、元の形に
復元する問題で、ジグソー・パズルのように、絵が描かれている場合は、かな
りできますが、真っ白なパネルでは、苦労しますね。
お子さんにさせてみるとわかりますが、「△とは、□とは」と、定義を前提に
せずに、どんどんと作っていきます。
言うまでもありませんが、円は、外は曲線です。
三角は、3本の線で囲まれて、角は3つです。
四角は、4本の線で囲まれて、角は4つです。
しかし、子ども達は、これを無視して取り組みますが、しばらくすると、「で
きました!」となるのですから、やはり、遊びの感覚ですね。図形の定義を抜
きにした構成力で、本当に不思議なものです。
ただし、完成した時には、△、□、○などを言葉でいえるようにしておきまし
ょう。
三角形は「さんかく」、正方形は「ましかく」、長方形は「ながしかく」、円
形は「まる」でいいでしょう。
 
★「左の形を作るには、右の長四角の中の、どれを使えばよいです
か。3つずつ探して○をつけなさい」
 
先程、パネルでやった問題を、プリントで答える応用問題となります。いきな
り問題集をやると、直ぐにお手上げになりかねませんから、プレートを使い、
基礎トレーニングを十分積んでから挑戦しましょう。その基礎トレーニングで
すが、またしても折り紙の登場です。形がそろわないとうまく構成できません
から、きちんと折り、丁寧に切ることが大切です。角を合わせて2回折ると4
個の三角ができますから、それをお子さんに切らせます。
 
2枚使って三角を作ります。
次に四角です。
この四角を作るときに、角と角を合せて蝶々を作ることを覚えると、4枚で真
四角を作るときに役に立ちます。
平行四辺形もできますが、名称は、覚える必要はありません。
今度は、4枚で三角と四角と長四角を作ります。
三角は二通りできます。
 
ここで、お母さん、挑戦しましょう。お子さんが三角4枚で作った四角を使い、
それより大きな四角を作ってください。かつて、東京女学館小学校で出題され
た問題ですが、頭が固いとできません。
 
今度は、四角を折ってみましょう。
上下の辺を合わせて折り、広げて折っていない方を同じように折ると四角が4
つできます。三角は、何回切っても三角に変わりはありませんが、四角は、長
四角と四角の繰り返しですね。
 
次に、円形です。コンパスがなくても、茶わんを使えば描けます。
半分に折ると扇形ができます。さらに、半分に折ると4個の扇形ができます。
バラバラにして組み立てられれば、円と扇形の構成がわかります。
 
ところで、○の分割で、ケーキを3人、5人、6人で分けるといった問題があ
りますが、子ども達には難問です。○を三等分、五等分、六等分に分けたもの
を作り、それを切り取り、形を覚えておきましょう。
この問題を解くときに、器用に分けられる女の子がいるものです。
「ママが、ケーキを切るのを見て、粘土でまねをしたの!」
お手伝いをしながら、5つ、6つに分けたのを見て、
「ママ、すごい!」
と驚き、実験して覚えたそうです。やはり、体験学習は、貴重な財産になって
いますね。
 
同じ体験ですが、「丸い粘土の固まりを使い、同じ大きさの玉を3個作りなさ
い」といった問題で、粘土の固まりを板の上にのせ、手でゴシゴシとこすり、
細長い棒状に伸ばして、それを三等分し、3個の玉を作った子がいました。
「ママとクッキーを作ったとき、こうすれば同じ大きさに作れると教わったの!」
と嬉しそうに話してくれたものです。こういった日常生活での体験が、大きな
知恵となっていることがよくわかります。生活体験、学校側の狙いもここにあ
るわけです。
 
少し脱線しますが、3個に分けた玉を一つに丸めて、「○が3個でも1個にな
る」という子ども達がいるものです。つまり、1+1+1=3ではなく1だと
いうわけです。3個の玉を、もとの固まりに丸めると1つの固まり[○]になり
ますから、確かに[1]になります。
これは、「ある量のものをいくつに分けても、もとの量は変わらない」という
「量の保存」のことですが、量と数の違いは、粘土で説明するとわかりやすい
でしょう。
私がお預かりした子ども達の中にも何人かいました。いずれもペーパーテスト
をしない難関校に入りましたが、こういったことにこだわるお子さんには、き
ちんと説明してあげることが大切です。小学校4年生で習う分数の基本です。
 
最後に、作った形を真四角、長四角、三角、円といった形でまとめてみましょ
う。どこかで見たことはないでしょうか。そうです、積み木の箱です。一つの
形を作ってきちんと収納されていませんか。 図形の基本ですね。
三角2つで四角が、四角2つで長四角、長四角2つで四角、扇形4つで円がで
きます。積み木を片付けながら図形の構成を学習しているわけです。スケッチ
ブックなどにそれぞれの形を描き、その枠内にしまう練習もやってみましょう。
 
積み木は、頭脳のトレーニングになる遊びです。
遊んでいる子どもには玩具の一つですが、幼児期の図形学習や構成力、観察力
や立体感覚を養うために欠かせない大切な教具です。巧緻性のところでお話し
た「手は第二の脳」を思い出してください。手を使う作業は、目でとらえた情
報を脳に伝え、それをいかに行動に表すかを脳が考え、正しい指示を出し、手
先が適切に作業をする、体と脳の共同作業だとお話しました。
 
こういった共同作業をスムーズにできる子の知的な能力が高いといわれるのは、
それだけ試行錯誤を積み重ね、苦労をしながら、自発的に学習し、理解したも
のであり、先天的な能力だけではないと思います。しかも、子ども自身は、
「図形や構成力のお勉強!」などと思って、取り組んでいるわけではないので
すが、構成力がつくだけではなく、夢中になって取り組むことで、集中力や学
習意欲も培われます。
 
子どもは、単に記憶にだけ頼るのではなく、身体全体を使い、学習をしていま
す。子どもの遊びは、すべて、何らかの学習につながっているのです。「遊び
はいけないこと」と考えるお母さん方がいると聞きますが、それは間違いです。
幼児期の遊びは、工夫する力を培う大切な作業であり、学習の場と考えましょ
う。考え行動することから、自発性が養われていくからです。
 
これで基礎トレーニングは、終わりです。基礎をしっかり理解してから、問題
集に挑戦しましょう。三角形、四角形のパネルつきのゲーム感覚の教材を選ん
でください。図形の問題に強くなると、考える力がつきます。複雑な問題にな
ると時間もかかりますから、集中力や持久力もつきます。 
 
スムーズにできないと、苛立つお母さん方がいるようです。
「……! ……? ……こうやるのかな!」などと、お子さんが一所懸命に考
えている時には、口を出さないことです。
「お母さん、これ、どうなっているのかな……?」
などと助け舟を求めてきたときにアドバイスしてあげましょう。お母さんにも
根気が必要です。その心構えが、お子さんの持久力や取り組む意欲や自発性を
育てるからです。
 
先程の、お子さんが作った□を使って、それより大きな□を作る問題ですが、
中心に集まっている4つの頂点を、底辺を軸に、それぞれ左、右、上、下へ裏
返しにします。お子さんの作った□の外側に、4つの三角の屋根ができ、大き
な□となるはずです。仕掛けがわかると何でもないように思えますが、「コロ
ンブスの卵」と同じですね。日能研のキャッチフレーズではありませんが、
「□(シカク)いアタマを○(マル)くする」、子どもとの付き合いで大切なのは、
親の既成概念、思い込みを押しつけないことです。
      (次回は、「構成力 観察力2」についてお話しましょう)
 

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>名門幼稚園の保育方針 私立幼稚園編(11)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第23
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私立幼稚園編(11)
 
ここで紹介する情報は、私が説明会や過去のホームページなどから得たものが
中心になっており、説明会、見学会、募集人員に関する情報は、昨年度のもの
であることをお断りしておきます。本年度の情報は、各園のホームページをご
覧ください。(筆者)
 
森村学園幼稚園 
かつて森村学園は、都内港区の高輪にありましたが、1980年に、田園都市
線つくしの駅から約5分、緑の森に囲まれた横浜市緑区に移転しました。当時、
目白に本部をおく幼児教育研究所にいましたので、渋谷駅から乗り換え、つく
しの駅に着いたときは、かなり遠くへきた気がしたものです。今ほど開発は進
んでおらず、緑に囲まれた学園は素晴らしい環境で、広い園庭で遊ぶ子ども達
の姿から、園のキャッチフレーズでもある、「自然の中ですくすくと」を実感
しました。
 
学園の創立者、森村市左衛門は、幕末から大正にかけて活躍した実業家で、ノ
リタケ、日本ガイシ、TOTOなど「森グループ」の創設者。日本女子大の設
立にも貢献した後、1910年、「花をつくるより人をつくろう」と決意し、
自宅の庭に理想とする幼稚園と小学校を新設、これが学園の始まりです。船舶
王といわれた山下亀三郎が、「船は沈められてしまうが、人材を育てる学校を
つくっておけば国家に役立つ」と考え創設したのが桐朋学園、むかしの実業家
は、教育の重要なことを考え実践しました。
 
学園は、「正直・親切・勤勉」を礎とする15ヵ年、幼小中高の一貫教育、こ
れを園児達にわかるように、やさしく言い換えると以下のようになります。
 
 正直 「ごまかさないこと」です。よい子のお友だちは、決してお父さまや
    お母さまのことをごまかしません。お友だちのこともごまかしません。
    そしてなにより、自分をごまかすことは絶対にしません。“正直”で
    あるということは、自分のことを含めて、決して人をごまかさないこ
    とをいうのです。
 
 親切 「やさしいこと」です。よい子のお友だちは、お父さまやお母さま、
    兄弟に対してもやさしいです。お友だちに対してもやさしいです。そ
    してなにより、よい子のお友だちは、自分のことを大事にします。
    “親切”であるということは、自分をも含めて、すべての人にやさし
    いということなのです。
 
 勤勉 「全力でとりくむこと」です。よい子のお友だちは、お父さまやお母
    さまの前で力を出し切ります。お友だちとも全力でお付き合いをしま
    す。そしてなによりも、自分のために何ごとに対しても全力でとりく
    みます。“勤勉”であるということは、いつも自分の力を惜しみなく
    出し切ることをいうのです。
 
誰のこともごまかさず、常に全力で取り組むからこそ、人間はやさしい人でい
ることができるのです。すべての人が正直・親切・勤勉であることによって、
世の中はとても暮らしやすい世界になり、それによって文化や科学も限りなく
発展していくのです。森村っ子には世界の真のリーダーになってほしい。森村
市左衛門先生はそういう願いを込めてこれらの言葉を森村っ子の心の柱になさ
ったのです。そして幼稚園はこの森村教育の出発点になるのです。
 
頭の痛い言葉が、並んでいます。私達、大人こそ、正直・勤勉・親切であるべ
きで、子ども達に望む前に、襟を正し、よい手本を示すべきではないでしょう
か。
 
少し長くなりますが、藤原 伸介園長からのメッセージを紹介しましょう。
     
森村学園幼稚園は、保護者の皆さまにとって、とても手間隙のかかる幼稚園で
す。
たとえば、森村学園の幼稚園には通園バスがありません。毎日保護者のみなさ
まに、お子さまと手をつないでの送迎をお願いしています。手をつなぐことで
お子さまとのコミュニケーションをしっかりととっていただくと同時に、ご挨
拶の大切さや公共のマナーを自然と学んでほしいと思っています。
森村学園の幼稚園には給食がありません。毎日おうちの方に手作りのお弁当を
作っていただいています。質、量ともに、それぞれの子どもにあった食事を作
っていただくことによって、子ども達はお弁当を完食することができ、そこで
初めて本当の意味で“ごちそうさま”の意味を学ぶことができるからです。
森村学園の幼稚園では、園での教育にしっかり手間隙をかけています。
たとえば、森村学園幼稚園では、読み書きそろばんを教えていません。幼稚園
でそれを教えてしまえば、手っ取り早く小学校教育にアプローチすることがで
きるかもしれませんし、受験学力の育成にはより有効かもしれません。しかし、
家庭を離れた初めて家族以外の人と時空を共にする子どもたちにとって、幼稚
園で学ぶべき最も大切なことは何でしょうか。私たちは、いろいろな人がいる
ことを認める心を育んだり、約束を守る大切さや我慢することを学んだり、み
んなと力をあわせて達成する喜びを体験したりすることこそが、大切だと思っ
ています。私たちはそれを、この恵まれた自然環境を最大限に活用して、“遊
び”という手段を通じて、子どもたちに教えていきたいと考えています。これ
は読み書きそろばんを教えるよりずっと手間隙のかかる仕事です。
 
森村学園幼稚園は、元気で明るい未来を担っていく子どもたちが、人生で初め
て社会生活を体験するそのステージで、健やかに育っていくよう、みんなが手
間隙惜しまず子どもたちに愛情を注いでいく空間なのです。
 (平成27年4月のホームページより)   
 
先週、紹介しました文字、数を学習する桐蔭学園幼稚部のあとに何ですが、い
かがでしょうか。
「いろいろな人がいることを認める心を育む」、「約束を守る」、「我慢する」、
「みんなと力をあわせて達成する喜びを体験する」などを身につけるのが、幼
稚園生活の基礎、基本です。こういったことを等閑(なおざり)にして、早期
教育に取り組むのは間違いであることに、賢明なお母さん方はお気づきだと思
います。
   
【教育目標】
◇明るくじょうぶで素直な子ども
◇みんなといっしょにやっていける子ども
◇自分で考え、工夫できる子ども
◇情緒豊かな子ども
 
子どもらしい子どもとは、こういった発達を遂げている子のことです。
 
30数年前の説明会で聞いた話ですが、駆け出しの新米時代でしたから、新鮮
に聞こえ、幼児教育の指針が見つかったような気がしたものです、いささかオ
ーバーですが(笑)。文言は正確ではありませんが、このような話でした。
 
幼児教育で大切なことは、「やるべきこと」「やらなくてはいけないこと」を、
きちんと教えることであり、本来幼児は何にでも興味を持つ意欲的存在である
はずが、日常生活では、「いけません! だめです!」と禁止や抑制の言葉が
多くなりがちで、その結果、幼児のやる気や意欲を摘み取っています。これは
親の責任で、幼児は環境から大きな影響を受け、親の過保護、過干渉が子ども
を駄目にしています。「三つ子の魂百まで」といわれているように、三歳とい
えば性格の土台作りにあたる大切な時期で、将来に大きな影響を与えるだけに、
二度と来ないこの時期を預かる私どもの責任の重さを痛切に感じています。
(中略)
        1 甘やかさない。
        2 過干渉にならない。
        3 長い目でじっくり育てる。
        4 遊びながら学ばせる。
        5 偏らずいろいろな遊びに取り組ませる。
これが、伸びる子に育てるお母さん方の役目です。   (鈴木 昭 園長)
 
過保護、過干渉の育児について戒める、中国の話を紹介しましょう。
 
 五香の儀式の意味
中国において、生まれた赤ちゃんには乳をやる前に、 
  ○ まず、酢をなめさせる。
  ○ つぎに、塩をなめさせる。
  ○ そのつぎに、苦い薬をなめさせる。
  ○ 四番目は、トゲのあるかぎかずらをなめさせる。
  ○ 最後に、砂糖をなめさせる。
この「五香の儀式」を行ったという。このように生まれた赤ちゃんには、人生
は、「すっぱく」「からく」「苦く」「痛い目」に遭わなければ、甘いものに
ありつけないことを、身をもって体験させるのである。今もこの習慣が残って
いたとすれば、すばらしいことであると思う。何しろ、生まれたときから過保
護に育てすぎている。
親としては愛情を注いでいることになるのだろうが、ひよわな人間が多すぎる。
ちょっと困難なことに直面すると、簡単にギブアップしてしまう。
(「目からウロコが落ちる本」 P20 笠巻 勝利 著 PHP文庫
 PHP研究所 刊)
   
ところで、私事で恐縮ですが、学園が移転後の高輪の地に億ションが建築され、
その9階に旧伸芽会の教室があり、そこに住まいを構えていた三浦夫妻のお子
さんの受験準備を、私がお手伝いをする可能性があったらしいのですが、引越
しをされ実現しませんでした。三浦夫人とうより百恵ちゃんは、日本の歌手に
は珍しいジャズ的なリズム感があり、ドラムを少しかじっていたものですから、
「プレイバック」には度肝を抜かれました。楽しみにしていたのですが、残念
でした(笑)。
 
【説明会・公開イベント】 
既に公表済み。いずれも予約制、ホームページの「イベント申し込みページ」
をご覧ください。
 
【募集人数】  3年保育(3歳児 男・女) 約40名
        2年保育(4歳児 男・女) 約20名  
                    (28年度のものです)
【Q&Aコーナー】  Q&A
(1)幼稚園生活について
Q: 登園・降園時間について教えてください。
A: 登園時間は8時50分~午前9時10分までの間に登園して下さい。た
だ、お子様がスムーズに遊びに入れるよう、この時間帯の早めに登園して下さ
ることをお勧めします。
降園時間は通常、年少児は13時30分、年中児は13時40分、年長児は
13時50分です。
また半日保育の日は年少組が11時20分降園で、その後10分ずつ遅れて年
中・年長の順に降園します。
 
Q: 園児の通園方法や時間に制限がありますか。
A: 保護者の方が送迎してくださることが原則です。交通手段については、
特に制限はありません。お車をご利用の場合、学園内に車を入れることは危険
防止上、お断りしています。また、路上駐車は固くお断りいたします。通園時
間の制限も特に設けていません。
 
Q: 制服はありますか。
A: 特に制服は定めていません。お弁当を入れるためのバスケットが指定用
品です。この他に上履き・園庭履き・体操着・防災頭巾は指定した品を使って
いただいています。なお、通園時の利便性を考慮し、ご希望でご利用いただけ
る“通園ユニホーム”をご用意しています。
 
Q: 給食はありますか?
A: 給食は行っていません。月曜日、火曜日・木曜日・金曜日はお弁当を持
参して下さい。なおお弁当の際に牛乳をご用意いたします。
 
Q:預かり保育の制度はありますか。
A:平成27年度は午前保育の水曜日に限り、午後2時までの預かりを実施し
ています。また課外保育として、ご希望の方を対象に体操教室とプール教室を
開催しています。(詳細は略)
※平成28年度よりお預かり保育「子どもの森」を開設しています。「子ども
の森」についてはホームページをご覧ください。
 
(2)初等部への進学について
Q:初等部へ進学する際に、試験がありますか。
A:特に試験はありません。幼稚園からの推薦で進学が決まります。
 
Q:初等部への推薦条件を教えてください。
A:現在の初等部の環境の中で、周りに迷惑をかけることがなく、集団生活を
送ることができるかどうかが基準になります。
 
(3)入園考査について
Q:入園考査ではどのようなところを見るのですか。
A:そのお子さんが、みんなと一緒に遊ぶことができるレベルまで成長してい
るかどうかを見ます。
みんなと一緒に楽しく遊ぶには「人のお話を聞こうとする姿勢がある」「自分
の気持ちを伝えようとする姿勢がある」「お約束を守ろうとする姿勢がある」
などの基本的な姿勢と、「一緒に行動するだけの身体的成長が伴っている」こ
とが求められます。そうした観点が備わっているかどうかを中心に拝見させて
いただきます。
 
Q:入園考査はどのように行われるのですか。
A:考査は7人程度でグループを作り、約45分間、先生達とお友達とで一緒
に遊んでいただく形で実施いたします。考査終了後保護者面接をさせていただ
き、総合結果で合否を判定いたします。
 
Q:保護者面接は両親がそろった方がいいですか。またどのようなことが聞か
れるのでしょうか。
A:できるだけご両親でお越しください。ただし、お仕事などの関係でどうし
ても難しい場合は、必ずしもその限りではありません。ご質問させていただく
内容は、志望動機やご家庭でのお子様の様子など、一般的な内容で、所要時間
は約7分程度を予定しています。
 
Q:試験日を選択することはできますか。
A:2年保育は11月1日(日)のみの試験ですので、日にちは選択できませ
んが、午前か午後のいずれかを選択していただくことが可能です。3年保育は
11月2日(月)または3日(火)のいずれかをお選びいただくことができま
す。(時間帯は原則として午前中を予定していますが、都合により一部午後に
なることがございます。)ご希望は願書先着順に割り振らせていただきますの
で、出願が遅くなった場合はご希望に沿えないことがあります。あらかじめご
承知おきください。
       (平成28年4月現在のホームページより)
 
(次回は、私立幼稚園紹介の最終回、日出学園幼稚園と昭和学院幼稚園のお話
をしましょう)
 

さわやかお受験のススメ<保護者編>第6章(4)四月に読んであげたい本 

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2017さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第23号-
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第6章(4)四月に読んであげたい本 
 
落語の「野ざらし」に、よく似た話です。「親切は、人のためならず」といっ
たものですが……。子どもでさえわかる悪いことをやっている大人の多い世の
中ですから、「渡る世間は鬼ばかり」で、「地獄の沙汰も金次第」では、こう
いうおじいさんは、いなくなるでしょう。
 
◆むすめのしゃれこうべ◆   小沢 清子 著 
むかし、あるところに、村人から用事を頼まれては、わずかな礼金をもらい生
活をしている、じいさまがいました。
ある年のお釈迦さまの日に、酒を飲もうとしていたところへ、急ぎの使いを頼
まれ、ひょうたんに酒を入れて出かけました。野には、かすみがかかり、桜も
菜の花も、今が盛りと咲いています。「花見酒」としゃれたじいさまは、桜の
木の下に座ると、しゃれこうべがころがっていたのです。じいさまは、出会っ
たのも縁と思い、しゃれこうべに酒をたらして一緒に飲みました。
その帰りに同じ所へさしかかると、年の頃、十六、七の美しい娘がいたのです。
三年前に花に誘われ、ここまで来たが、胸が苦しくなり死んでしまい、今度、
三年忌の法事があるので、一緒に家まで行ってくれないかと頼まれます。花見
酒を飲んだしゃれこうべが娘だったのです。
行ってみれば、大きな屋敷で、尻込みするじいさまは、娘にせかされ屋敷に入
ったのですが、不思議なことに、じいさまの姿は見えないらしく、だれも気づ
きません。坊さまのお経が終わると、法事の膳が運ばれましたが、じいさまに
は、食べたこともない料理ばかり。
夢中になって食べていると、下女が誤って皿を割ったのです。主人は、客の前
で怒りだし、見ていた娘は、「三年前と変わらぬ、ととさまなんか見たくない」
と姿を消してしまいます。
とたんに、じいさまの姿は、人に見えるようになったので、事の次第を話し、
骨を持ち帰り、手厚く葬ったのです。じいさまは、娘の恩人として家に引き取
られ、幸せに暮らしたのでした。              
春休みのおはなし 四月 花さかじい 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修
                   日本民話の会・編 国土社 刊
 
三代目、桂三木助師匠の名人芸を思い出します。新宿の末広演芸場で聞いた時
のことですが、演じる師匠と聞く客が一体となって楽しんでいました。何とも
和やかな雰囲気で、気がねなく大声で笑ったものです。
最近、みんなで大笑いする機会が、少なくなっていないでしょうか。自己中の
人は、笑い顔を見せませんね。「笑う門には福きたる」ともいわれていますが。
新宿のバーで知り合った春風亭小柳枝師匠の話を聞くために末広に出かけます
が、若い人はあまりいませんね。人情話なんか、かったるくて聞く気がしない
のでしょうか。「人情」を辞書で引くと、「人として自然にそなわっている、
心の動き、特に愛情、情け、思いやり」(岩波 国語辞典)とあります。人の
情けは、楽しく生活を過ごすための潤滑油の役割を果たしていたのですが、
「プライバシーの重視」とか何とかで影が薄くなってしまいました。
落語は、笑いながら学べるエスプリの塊のようなもので、すぐれた話芸は心に
沁みこむものですが、その火を消すのも今、生きている私達なんですね。三木
助師匠の左甚五郎の逸話を語る長編落語(CD約45分)「ねずみ」や「三井
の大黒」は、いつ聞いても心が和み、励まされたものでしたが……。
 
ところで、文中に、「霞がかかり、桜も菜の花も、今を盛りと…」とあります
が、これを読むと文部省唱歌の「朧月夜」を思い出します。「早春賦」のとこ
ろでもお話ししましたが、中学生の頃まで、この歌も、お姉さん達の歌声でな
ければ「承知できない。許せない」と、なぜか、かたくなに信じていたのです。
大好きな歌でしたが、歌うことには抵抗がありましたね。しかし、こういう風
情を味わえる時代があったことは、確かなのです。そこかしこに、自然は息吹
いていました。
 
よく知られている与謝野蕪村の句に、
   菜の花や 月は東に 日は西に
があります。
春の日暮れを思い描ける好きな句の一つですが、司馬遼太郎の随筆の中に、こ
の句について語るところがあります。代表作の一つである「坂の上の雲」、先
進国に追いつくために、富国強兵と駆け足で上がってみた雲は、大きな犠牲を
払った太平洋戦争で、雲散霧消してしまいました。NHKでドラマ化されまし
たが、氏は映画化されることを望んでいなかったはずですが、どうしたことで
しょうか。学校で習った「日本史」は面白くありませんでしたが、幕末から明
治時代の歴史は、氏の著書で楽しく学べます。私たち親も含めてですが、若者
に欠けているのは、歴史に対する認識ではないでしょうか。司馬遼太郎、永井
路子さん、澤田ふじ子さん、諸田玲子さんなどの歴史小説を読んでほしいです
ね。教科書ではわからなかったことが、たくさん書かれています。外国人と対
等な付き合いをするには、自国の文化を知らなければならないのですが……。
 
堤上に立てば、月は東の生駒山系にのぼり、日は西のかなたはるか一の谷の雲
間に沈む。両岸(淀川)の野は、菜の花の黄があるのみである。
  (「以下、無用なことながら」(489頁)文春文庫
               司馬遼太郎 著 文芸春秋社 刊)
 
朧月夜には、黄色が似合いますね。
 
       朧月夜
         作詞 高野 辰之
         作曲 岡野 貞一
 
    一 菜の花畠に 入日薄れ
      見わたす山の端 霞ふかし
      春風そよふく 空を見れば
      夕月かかりて にほひ淡し
 
    二 里わの火影(ほかげ)も、森の色も
      田中の小路を たどる人も
      蛙(かわず)のなくねも 鐘の音も
      さながら霞める 朧月夜
   里わ(里曲・さとみの誤読 人里の辺り) 
   にほひ(“におい”の旧仮名遣い)
 
ところで、現在、文部省は文部科学省といわれていますから、文部省唱歌も文
部科学省唱歌といわなければならないのかなと検索したところ、以下のような
回答にヒットしました。
 
文部省唱歌という呼称は法律や何かで規定されたものではありません。明治時
代に文部省が教科書用にした唱歌が自然発生的にそう呼ばれているので、文部
科学省とは直接に関係を持たないのです。ということで、回答としては「なり
ません」か「できません」です。
(文部省唱歌jp.ask.com/)
 
次は、本当に皮肉な話ですが、信仰について考えさせられます。修行中の坊さ
まと、生きものを殺す仕事をしている猟師との心眼の話です。小泉八雲氏も
「常識」という題で書いています。まさに常識ですが、妙な宗教にはまる若者
も、その原因を指摘する声はいろいろ聞こえてきますけれど、一つは、良識に
欠けている隙をつかれるのではないでしょうか。
 
神を感じるのは心であり、理性ではない  パスカル〔パンセ〕
まことに神の本質を言い当てている。理性ではない、心に祀る神を、人間は悪
用、あるいは乱用している。神の御名において、神の御心のままに、などと自
分にとって都合のよいところだけをすくい取りして、人間の声を天声に変えて
しまう。
    (忘れかけていた人生の名言・名句 森村 誠一 著 P226
                     角川 春樹 事務所 刊)
 
良識は、健全な一般人が共通に持っている思慮分別のことではないでしょうか。
良識は、自己を鍛錬して身につけるものであり、共生するための掟と考えてい
ます。価値観の多様化で、当たり前のことが当たり前と考えられなくなってい
ないでしょうか。小さいときの情操教育は、思慮分別の基本を作るものと思い
ます。お手本はご両親で、作る場所は家庭であり、第三者にゆだねるものでは
ありません。
 
◆とうとい仏さまの正体◆   谷 真介 著 
むかし、京都の愛宕山に、名高いお坊さんがいました。お坊さんは修行中で、
小僧さんを一人置き、小さなお堂から、めったに出なかったそうです。このお
坊さんのところへ、里から一人の猟師が、食べ物を持って、よく訪ねるのでし
た。
ある年のこと、猟師が久しぶりに訪ねると、お坊さんは「近ごろ、夜になると
普賢菩薩様が、白い象に乗りお姿を現す」というのです。そこで猟師は、一夜
を山のお堂で過ごすことにしました。すると、真夜中のこと、東の山から月が
昇るような光が、お堂に差し込み、白い象に乗った菩薩様が現われたのです。
お坊さんは、一心にお経を唱えています。猟師は、おかしなことに気づきまし
た。お坊さまの目にはともかく、お経一つ読めない自分の目に、どうして菩薩
様のお姿が見えるのだろう……、このことです。猟師は、弓を矢につがえ、菩
薩の胸に向けて矢を放ちました。びっくりしたお坊さんは、大声で戒めました。
ところが、今まで明るく見えていた後光が消え、何ものかが谷底へ転げ落ちる
音がしたのです。猟師は、真の仏様なら矢が刺さるわけがないといいました。
夜の明けるのを待って、谷底を調べに行くと、大きな古狸が一匹、胸を射られ
て、仰向けに転がっていたのでした。
  日づけのある話 365日
     四月のむかしばなし 谷 真介 編・著 金の星社 刊 
 
世界的なベストセラーとなった「ダ・ヴィンチ・コード」(「最後の晩餐」の
斬新な解説には脱帽!)に、信仰について以下のような話があります。
 
「世界中すべての信仰は虚構に基づいているんだよ。信仰ということばの定義
は、真実だと想像しつつも立証できない物事を受け入れることだ。古代エジプ
トから現代の日曜学校にいたるどんな宗教も、象徴や寓話や誇張による神を描
いている。象徴は、表しにくい概念を表現するひとつの方法だ。それを丸呑み
しないかぎり、さほど問題を生じない。(中略)信仰を真に理解する者は、そ
の種の挿話が比喩にすぎないと承知しているはずだ」
  (「ダ・ヴィンチ・コード」(下)P57-58
ダン・ブラン 著 越前敏弥 訳 角川書店 刊)
 
「信者には神聖なことかもしれないが、信者でない者には、おかしな話になる
ものだよ」と明治生まれの親父はよくいっていましたね。しかし親父は、「天
皇陛下様は神聖にしておかすべからず」が口癖でしたから、説得力に欠けてい
ましたが、言わんとすることは理解でき、若い頃、宗教にはまることはありま
せんでした。
 
東日本大震災が起きたとき、小泉八雲の作品で江戸時代にあった津波の話を思
い出したのですが、資料がなく残念に思っていたところ、月刊誌で見つけまし
たので紹介しましょう。
大震災後、64年ぶりに小学校の教科書に復活しました。
 
高台の田んぼにいた庄屋(村落の長)五兵衛は、強い地の揺れを感じた。眼下
の村では、人々が祭りの準備に忙しかった。そこから、もう少し遠くに眼をや
ると―海がどんどん後退し干潟になってきている。これは―伝え聞いた「あれ」
ではないか。五兵衛は立ちすくんだ。すぐ避難させねば―しかし下りていって
説明する暇などない。彼は火打石を取り出し、とりいれたばかりの稲の束に火
をつけた。燃え上がった束で次々に火をつけてまわった。村人が炎と煙に気づ
き、何をしている、やっと収穫した稲に火をつけてまわるとは―と、いっせい
に駆け上がってきた。村の男女・子供までが燃え上がる稲むらの前の五兵衛を
取り囲み非難しようとした。その時、彼は人々の背後を指さした。眼にする限
りの海が白い巨大な壁になって村に襲いかかってきた―。
これは、戦前の小学校・国語教科書に載っていた「稲むらの火」の「あらすじ」
で、原作は小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の作品。安政年間、紀伊・和歌
山を襲った大地震・津波での実話を伝えたものです。
      「稲むらの火」挿話の教訓 諏訪 澄 著   
      WiLL 5月緊急特大号 P42  ワック株式会社 刊
 
主人公、五兵衛のモデルは、醤油醸造業(現・ヤマサ醤油)の家督を継いだ浜
口五陵。震災後故郷の紀州広村に千五百両の私財を投じ、高さ5メートル、長
さ600メートルの堤防を築き、村民の離散を防ぐ。感謝を込め「浜口大明神」
を祀ろうとすると、「神にも仏にもなるつもりはない」と叱りつけて辞退。4
メートルの津波が襲った1946年の昭和南海地震では堤防により、流失家屋
は2軒だけ。国指定史跡となった「広村堤防」は、大きく育った樹木に覆われ、
自然の中に溶け込んでいる。(インターネットで「広村堤防」を見ることがで
きます)
 
東京新聞“筆洗”に出ていたコラムの抄訳ですが、自然と共生するには「想定
外はない」ことを真摯に受け止め、「広村堤防」のように住んでいる人々の生
活を考え、大胆に計画、構築できないものでしょうか。
国民の安全と教育は行政の要であり、長期的な視野に立った計画でなければで
きません。
5年たった今現在、原発事故の収束はおろか、住む町に帰れない人々がいるこ
とを、私達は忘れようとしているのではないでしょうか。
「何かできることはないか」などと力んでみても、できないのが現実ですから、
せめて節電を心がけ、原発だけに依存しない生活を営み、次世代の人々にバト
ンタッチをしたいものですが、これだけ電気に依存する便利な生活に慣れてし
まうと、こんな考えは絵空事で、説得力などありません。「その国の発電量は
文化のバロメーター」、誰の言葉か思い出せないのですが、これは確かではな
いでしょうか。
 
最後は、むかし話ではおなじみの動物の恩返しです。動物でさえ恩を返すのに、
人間は、あだで返す話をよく聞きます。「動物でさえ」などといったら、動物
たちから抗議文が来るかもしれません。「動物は」に訂正しておきましょう。
 
春に来て子を育て秋に南の国へ帰り、そして生まれた所へ帰り子育てをする、
不思議な習性を持つツバメ。近くの関越高速道路の陸橋の下に、よく巣をかけ
ていたツバメが、ここ数年、全く姿を現さなくなりました。
また、ここ2、3年のことですが、10月頃になると日暮近くにスズメやムク
ドリの大群が、ねぐらを求めて東上線川越駅前の街路樹に群がっていました。
およそ300羽もいるでしょうか、その騒々しいこと。アルフレッド・ヒッチ
コックの名作「鳥」ではありませんが、小さなスズメやムクドリでも、あれだ
け数がそろうと怖いですね。もっとも、糞害ですが(笑)。ところが、平成
25年に駅前の街路樹は、新しい駅前広場に改築されるため伐採され一本もな
くなり、帰ってきた鳥たちは、電信柱や近くのビルの屋上で羽を休めていまし
たが、昨年の秋は、ほとんど姿を見せませんでした。引っ越し先を見つけたの
でしょうか。人間にとって快適な環境でも、残念ながら恩恵を受けない生き物
が、たくさんいるということですね。ツバメも同じではないでしょうか。「地
球にやさしく」と自然環境を守る運動に参加を呼びかけられた時、「人間の存
在自体が自然環境の破壊になっているのに」などと、したり顔で言っていた自
分を思い出しました。年は取ってもいささかも貢献していませんね、「地球に
やさしく」に(笑)。
 
◆つばめの恩返し◆   高津 美保子 著
ある日のこと、一人暮らしのじいさんが、飯を食べて縁側で休んでいたところ、
一羽のつばめが、けがをして落ちてきました。薬をつけて包帯し、介抱したと
ころ元気になり、南の国へ帰っていったのです。   
次の年、一羽のつばめがやってきて、庭にいたおじいさんの頭の上に、真っ黒
な大きな粒を一つ、落としていきました。ふんかと思ったらすいかの種です。
育ててみると、とても大きなすいかになりました。食べようと包丁を入れたと
ころ、種が飛び出したかと思うと、小さな大工どんや木びきどんとなり、十日
もすると立派な家を作り上げたのです。それだけではなく、どこからか米の俵
や味噌桶、醤油樽などを、次々と担いできて、部屋をいっぱいにし、「なくな
れば、また来ます」と、どこへともなく姿を消してしまったのです。それから
と言うもの、おじいさんは、何不自由なく暮らしたのでした。
※木びきどん(木をのこぎりでひき木材にする人)  
 四月のおはなし  あたまにさくら 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修
                   日本民話の会・編 国土社 刊
 
小さな命を大切にする昔話は、情操教育に欠かせないもので、幼い心に、こう
いった刺激を、たくさん与えてあげたいものです。
ところで、1月下旬のことでしたが、「深谷ねぎ」で知られる埼玉県深谷市の
あるお宅に、どうしたことか雀が舞い込み、今では家族の一員として過ごして
いると埼玉新聞に出ていました。人懐っこい雀で「ピーちゃん」と呼ばれ近所
でも評判とか。事の起こりは、奥さんが近所の十字路で小学生の交通指導をし
ていた時に肩に止まり、「人懐っこいスズメだこと」と感心していたのですが、
奥さんが家に帰るとついてきて、追っても、追っても家に入ってき、そのまま
住み着いてしまったそうです。ご主人の手に乗り餌を食べている写真も出てい
ました。「舌切り雀」のような話でほほ笑ましくなりましたが、ツバメといい
スズメといい、あの小さな体のちっこい脳に、どのような働きがあるのか、不
思議ですね。
 
名物「深谷のねぎ」、これがねぎかと信じがたいほど甘みがあり、生でガリガ
リとかじって食べられるのにはびっくりしました。焼くと甘みが増し、ねぎの
イメージが変わったことを覚えています。親父はこれを肴に、焼酎をストレー
トでグビリと飲んでいましたが、嫌いではない私も、この真似はできません(笑)。
 
(次回は、「第7章(1) 端午の節句です 皐月」についてお話しましょう)
 

昨秋の入試キーポイント その3 【国府台女子学院小学部】

2016年度 小学校入試のキーポイント

☆国府台女子学院小学部
 ・入試内容
  受験されたご家族のアンケート内容から、例年通りと言って良い内容でした。
  1日目にペーパーテスト・行動観察、2日目に親子面接という内容で、運動テストは実施されませんでした。
  ペーパーテストでは、記憶の問題が毎年のように出題されています。難易度が高いので、直前に取り組むだけでは対応が難しいでしょう。継続して「記憶する」ことに慣れておくことがポイントです。
  行動観察の時に、静かに待つことができるか、基本的な生活習慣が身についているかという課題も出題されています。
  面接は親子面接です。親子で第三者に改まって話す機会が少ないご家庭は、事前に親子面接の練習をしておくと、当日、心に余裕が持てるようです。
 
 

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