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さわやかお受験のススメ<保護者編>創刊号

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2020さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -創刊号
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情報教育歳時記 日本の年中行事と昔話
豊かな心を培う賢い子どもの育て方
 
創刊号
 
立教小学校からペーパーテストをなくし、行動観察型の試験に変更したのは、
田中司元校長が就任した平成14年からで、運動や制作テストも実施され、最
近では、シャイな男の子のもっとも苦手とする「ダンス」まで行われています。
 
田中元校長の説明会での話は、「幼児期にふさわしい教育」についてでしたが、
私には自信をつけさせていただいた貴重な話でした。文言は正確ではありませ
んが、その一部を紹介しましょう。
 
「ゼロ歳から6歳までの幼児期は、人間の一生でいちばん大切な教育が行われ
る時です。もっとも大切なのは、『対話』です。子どもの言うことをよく聞き、
やりたいことをしっかりとつかむことです。親がしっかりと聞いてくれ、受け
止めてくれることで、子どもは安心感をもちます。人間にとって安心感ほど大
切なものはありません。『対話の反対は沈黙ではなく、命令と要求』です。家庭
内で対話が成立する、これが育児期でいちばん大切だと思います。
 
 次は、『本の読み聞かせ』です。現代の情報は、映像で入ってきます。映像は
視覚と聴覚を通して、瞬時にわかる反面、頭の中でイメージを作る想像性が欠
如していく気がします。読み聞かせる母親の、話しかける父親の言葉を聞きな
がら、情景や動物、人間の姿を思い浮かべることが、人間にとっていちばん重
要な能力だと思います。
 
 イメージする力を育てることは、文学的な分野と考えられがちですが、自然
科学的な発想は、少ないデータをもとに発展させ、それぞれの世界をイメージ
できたわけです。分子や原子はどんな格好をしているのか、太陽はどんな姿を
し、宇宙はどのようになっているかを見た者はいません。わずかな情報から、
科学者が創ったイメージの世界です。
 読み聞かせは、子どものイメージする力を育てると共に、子どもの世界を一
緒に楽しむ、豊かな時間でもあるのです」
 
当時、淑徳幼稚園の課外保育で「進学教室」を担当していたのですが、園児た
ちが授業に集中できず、試行錯誤を積み重ね、やっと見つけたのが、先生のお
っしゃった「対話」であり「本の読み聞かせ」であったのです。聞いていた私
は、思わず「その通り!」と叫びたくなりました。
 
幸運なことに、模索していた最中に、永田久先生の書かれた「年中行事を『科
学』する」(日本経済社 刊)という素晴らしい本に巡り会え、紹介されている
さまざまな情報をもとにカリキュラムを作っていました。年中行事を取り上げ、
その月にふさわしい昔話を紹介しながら、授業を進めていたのです。集中でき
なかった園児たちが、日本の四季の素晴らしさを教えてくれる年中行事や昔話
に興味を持ち、楽しむようになったのです。「対話」と「本の読み聞かせ」の大
切なことを実証してくれたのは、幼い園児たちでした。
 
小学校の入学試験は、文字も数字も使わずに行われます。ペーパーテストには、
多くの場合、答えは出ていますが、設問はどこにも書かれていません。あらか
じめ録音された設問を聞きながら、言語の領域の問題である「話の記憶」では、
中学年から高学年で学ぶような「長文の読解」を文字を使わずに解き、「数の問
題」では、数字や+-×÷の記号を使って計算せずに、○を書いて、1年生で
習う足し算、引き算、2年生で習う掛け算、3年生で習う割り算、4年生で習
う分数まで解いています。
 
小学校の入試で大切なのは、言葉を聞き取り、「イメージ化する力」、「考える力」、
「推理、思考する力」なのです。
 
こういった能力を培うには、「対話」と「本の読み聞かせ」がいかに大切である
か、その経緯を紹介するのが、本メールマガジンの狙いです。ご両親には、年
中行事の由来を理解していただき、それをお子さんとの対話にアレンジして話
をし、その月にふさわしい昔話を読んであげてほしいのです。
 
この1年間、志望校合格を目指し、ご家庭でできる入試に必要な能力を、お子
さんとご一緒に楽しみながら、培ってみませんか。微力ながら、応援させてい
ただきます。                   
 
               めぇでる教育研究所 所長 藤本紀元

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さわやかお受験のススメ<保護者編>事の始まりは、ある幼稚園の進学教室からでした

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2020さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第2号
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
情操教育歳時記  日本の年中行事と昔話  
-事の始まりは、ある幼稚園の進学教室からでした-
           
私は、長い間、幼児教育のパイオニアである旧伸芽会教育研究所でお世話にな
っていました。「情操を育むために、年中行事と昔話が大切な役目を果たしてい
るのではないか」と模索していたのは、幼児教育の本質が少しわかりかけてき
た、50歳になった頃ではなかったでしょうか。平成元年に、「年中行事を『科
学』する」という素晴らしい本にめぐり合い、進むべき道が見えてきました。
 
そして、この考えに「間違いはない」と自信らしいものが出てきたのは、ある
経験からでした。
創刊号でもお話ししましたが、当時私は、約10年間にわたり、板橋にある淑
徳幼稚園の課外保育であった進学教室を担当していたのですが、後半の5年間
は、一人で年中組と年長組を指導することになりました。この間の子どもたち
のやり取りとお母さん方の反応から、年中行事と昔話を組み合わせた「情操教
育歳時記」といった何とも大仰なタイトルですが、気軽に読んでいただける本
を作ってみようと思い始めていたのです。育児の専門家ではない「わたし流の
育児書」というわけです。
 
私どもの研究所の教室へやってくる子どもたちは、全員、「受験のために勉強に
きている」といった意識が、しっかりと培われていましたから、授業もやりや
すかったのです。「幼児教室は、こういうものだ」と思っていた私には、この進
学教室は、まさに青天の霹靂で、勝手が違い、思わぬ苦労をしました。
 
その日の保育が終わった後に、同じ教室でやるのですから、子どもたちにとっ
ては、「自分たちの土俵に変な先生が入ってきた、エイリアン!」といった感じ
だったのでしょう、いつものように授業を始めることができなかったのです。
そのために、まず、授業に集中できる雰囲気を作ることからはじめました。試
行錯誤を積み重ねながらできあがったのは、授業の前に、その月の行事、11
月でしたら七五三をテーマに、昔からの言い伝えを子どもたちにわかるように
話し、その月に関係ある昔話をするといった方法でした。
 
回を重ねる内にわかったのは、子どもたちは、「フランダースの犬」や「アルプ
スの少女ハイジ」を知っていても、「一寸法師」や「花さか爺さん」などの昔話
を、あまり知らないことでした。しかし、話をしてみると、熱心に聞いてくれ
るのです。それならばと、徹底的に昔話をすることにしたのですが、年長組は
週2回で月8回、1年間で、ざっと96の話をすることになり、少々心配にな
りました。「絵本を見ながら読んであげればいいか!」と気軽に考えていた私は、
子どもたちから思わぬしっぺ返しを食い、悪戦苦闘が始まったのです。
 
それは、本を見ながら話す時と見ないで話す時では、子どもの興味を示す様子
が、微妙に違うことでした。話を覚えている場合は、子どもたちの目を見なが
ら話をしますから、目をそらす子はいません。「目をそらさない」は、話をしっ
かりと聞く基本的な姿勢です。本文でも紹介しますが、「大勢の子どもたちに、
話を読み聞かせる重要なポイントは、話を記憶することだ」と教えてくれたの
は、進学教室の子どもたちでした。
 
毎週2つの話を記憶するのは大変でしたが、子どもたちは私の話を楽しみに待
ってくれ、授業にもスムーズに入れるようになりました。見つけた時には私も
驚きましたが、「シンデレラ物語」とそっくりな話である「ぬかふくとこめふく」
を話した時の、子どもたちの驚いた顔を忘れることができません。
 
ある時、椋 鳩十の動物の話をしてみました。すると、次の時間にもとリクエ
ストがあり、動物たちの話に興味があることもわかりました。そこで、長編で
もある「丘の野犬」をアレンジして話したところ、何と熱心に聞いてくれ、涙
さえ浮かべる子も出てきたのです。この時ばかりは、今、思い出しても、ぞく
ぞくするほど感激したものです。
 
進学教室の役目は、併設する淑徳小学校での勉強に、スムーズに対応できる力
を身につけることでした。小学校へは、受験勉強をし、力をつけてきた大勢の
子どもたちが入学してきます。そういった子どもたちに共通しているのは、「話
を聞く姿勢」が身についていることで、小学校の受験でもっとも大切なのは、
この「話を聞く力」なのです。ペーパーテストを例にとっても、プリントの上
にダミーを含めて、答は出ていますが、「設問」はどこにも書かれていませんか
ら、話を聞き逃すと、解答できないわけです。
 
昔話や年中行事のいわれなどを聞きながら、子どもたちは意識することなく、
「話を聞く姿勢」を身につけてきたのです。こうなるとしめたもので、授業は
私の仕事でしたから、後は楽なものでした。集中さえできれば、問題を解く力
もつき、面白くなりますから、取り組む意欲も違ってきます。難易度の高い問
題にも挑戦し始め、当時、毎月1回行われていた2,000名近くの子どもが
参加する公開模擬テストで、10番以内に入る子も出てきたのです。
 
さらに、思わぬ収穫になったのは、お母さん方の反応でした。授業終了の5分
ほど前に、お母さん方に集まっていただき、今日取り組んだ問題を解説しなが
ら、家庭学習の要点を説明し、今月の行事とその日に話した昔話を紹介してい
ました。
 
すると、「先生、ママが菱餅を買ってきて、何で三色なのか、先生と同じ話をし
てくれたんだよ」と、女の子がいない家庭にもかかわらず、「おひなさまを飾る
わけや、菱餅の色」について、子どもに話をするお母さんも出てきたのです。
話してくれる子どもたちは、みんなうれしそうでした。四季折々の行事の意味
を説明してきたことが、話で終わらずに、各ご家庭で祝ってくれるようになっ
たのです。このことです……。
 
ここからは「わたし流の解釈」ですから、軽い気持ちで読み流してください。
話を聞こうとしなかった子どもたちが、なぜ、楽しみに授業を待ってくれるよ
うになったのか、それは子どもたちの心の中に、幼いながらも、何らかの刺激
を求める小さな芽が、しっかりと培われてきていたからだと考えました。後で
詳しくお話しますが、その小さな芽は、分化され始めた「情緒」だったのです。
「情緒とは、喜怒哀楽の感情の表れたもの」と考えていただければ、わかりや
すいと思います。きっかけを与えたのが、昔話であり年中行事であったわけで
す。育まれてきた小さな芽である情緒に刺激を与えてあげれば、素直に反応を
することもわかりました。そうでなければ、あれほど真剣に話を聞くはずがな
いからです。
 
私の話でさえ一所懸命に聞くのですから、ご両親の話であれば、もっと歓迎す
るはずです。「パパがね、先生が話してくれた『おぶさりてえのおばけ』の本を
買ってきてくれたんだよ!」とうれしそうに話してくれる子どもたちも増えて
きました。創刊号でもお話しましたが、話を聞く姿勢は、幼児教室や塾で身に
つくものではなく、ご両親の「本の読み聞かせ」や「対話」から育まれるもの
です。
 
こういった体験を何とか記録に残し、皆さま方に読んでいただきたいと考え、
できあがったのが、このメールマガジンです。話を聞く姿勢さえ身につけば、
小学校の受験は、決して難しくありません。また、年中行事を、ご家庭で楽し
むことにより、楽しい思い出がたくさん残り、それが豊かな情操を育む礎にな
っていることも否めない事実です。
 
小学校の入試に季節の行事が出題されるのは、なぜでしょうか。知識として知
っているかを判断しているのではありません。四季折々の行事を楽しむ、ご家
庭の文化があるかどうかを見ているのではないでしょうか。家庭の文化は、ご
両親の育児の姿勢であり、それが受験する小学校の建学の精神や教育方針と限
りなく近ければ、それが志望理由になるわけです。
 
この1年間、お子さんは受験勉強に励むわけですから、ご両親にも勉強をして
いただき、ご家庭の文化を築き上げてほしいと思います。話を聞く姿勢が身に
つくのも、豊かな情操が育まれるのも、ご両親の育児の姿勢次第です。小学校
の受験で必要な能力の基礎、基本は、「ご家庭で培われる」ことを学習していた
だき、お子さんと三人四脚で、ゴールを目指して頑張ってほしいと願っていま
す。
         
次回は「本の読み聞かせ」についてお話しましょう。

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