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めぇでるコラム : 2016年11月 2ページ目

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>創刊号

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2018さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            創刊
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テレビどころか、国会まで登場して話題になった「保育園落ちた日本死ね」、
実情は異なりますが、私立の附属幼稚園の入園も、非常に難しい時代がありま
した。バブル経済の崩壊が始まった平成元年前の頃ですが、「何はともあれ、
幼稚園から高校、大学まで進める一貫教育制度のある私学へ」と、私学志向ブ
ームとなり、その結果、「おむつをつけた子が受験勉強を」とマスコミが非難
し、いわゆる「受験戦争の低年齢化」が指摘されたものでした。当時の幼稚園
は、三種の神器といわれた「送迎バス、給食、長時間保育」がもてはやされて
いましたが、今はどうなっているでしょうか。
 
親子で入園準備を気軽に体験できる2、3才児を対象にした未就園児クラスを
設け、入園後も給食、長時間保育を行い、課外保育も英語から各種のスポーツ
などを実施、共稼ぎの家庭を応援する預かり保育も充実してきたようです。
また、桐蔭学園幼稚部の特色でもある「文字、数を使った幼小一貫指導」を始
め、一貫教育制度ならではの保育の充実を目指す幼稚園もあります。
 
ところが、雙葉小学校附属幼稚園や暁星幼稚園など附属の幼稚園の多くは、先
に紹介した三種の神器はないばかりか、入園が困難なことは、昔から変らない
ようです。狭き門をくぐるために、かなり難しい準備をしなければならないな
どと噂があるようですが、果たしてそうでしょうか。バブル経済全盛期の頃、
過熱気味の入園試験に関して、痛烈に非難した幼稚園があります。仙川にある
桐朋幼稚園で、年間雑誌「桐朋教育」に、このような記事が掲載されたことが
ありました。
 
好奇心旺盛で、年齢相応の 無邪気さがある子
「幼稚園入試のための塾も盛んだと聞くが、そこでの学習が「ハイ、よくでき
ました」「まだ、ダメですね」的な評価が伴うものばかりだとすれば、そこで
の体験は「できる子・知っている子はイイ子」とか「できない子・知らない子
はダメな子」という観念を植えつけてしまう。そのような観念を持った子ども
は、「できたかどうか」ばかりが気になって、自分なりに判断して行動する姿
勢がなくなる。このことは大いに問題があると私たちは考えている。(中略)
選考に当って、子どもを見るのではなく親の育児の仕方をみているといえるか
もしれない。実際、「年齢相応の無邪気さがある子どもであることが大事」と
考えるものにとって、過保護・過干渉・教育要求の過剰などは、親にとって都
合の「イイ子ちゃん」を作るとは考えられても、好奇心旺盛な「年齢相応な子」
を育てるとは考えにくい」
 
ご両親が、偏差値教育を受けてこられて影響もあるかもしれませんが、倍率の
高いことを気にしているようでは、こういった準備に手を染めてしまうお母さ
ん方も、また、増えているのではないでしょうか。狭き門であるとはいえ、こ
ういった準備を歓迎している幼稚園はありません。
 
では、どういった子を求めているのでしょうか。白百合学園幼稚園は、平成9
年に、開設以来、初めて入園説明会を行ないましたが、当時の清水園長は、こ
うおっしゃっていました。
 
「私どもが希望しておりますのは、小さい時から、入園テストとか、面接を受
けて訓練されることではなく、むしろ日常の生活の中で、特に、お父さま、お
母さま方の、生きたお手本の中で育てられたお子さま方、そして、年齢相応に
基本的な生活習慣が、これは完全にできませんから、ある程度身についている
お子さま、明るく、素直で、生き生きとしているお子さま、そういった子ども
達を希望しております」
 
「お父さま、お母さま方の、生きたお手本の中で育てられたお子さま」とおっ
しゃっていましたが、育児とは、この文言が全てではないでしょうか。すると、
先に紹介した桐朋幼稚園の、「選考に当って、子どもを見るのではなく親の育
児の仕方をみているといえるかもしれない」が、幼稚園受験のポイントである
ことも、ご理解頂けると思います。
 
わたし流に言えば、「2、3歳児にふさわしい、知育・徳育・体育の3つの能
力を、バランスよく育てること」です。幼稚園側が重視しているのは、「健康
な体と心、情操の安定した子」で、子ども達は、そういった育児が必要な時期
にさしかかっています。2歳から4歳の幼児に、何が必要なのでしょうか。
 
何やら響きの重い言葉が並びましたが、決して難しい育児を志すわけではあり
ません。「過保護・過干渉・教育要求の過剰」にならないように心がけ、ご両
親の考えにふさわしい保育を実践する幼稚園を選ぶことが大切で、合格のポイ
ントは、ここにあるからです。そのためにも少し遠回りになりますが、お子さ
んの赤ちゃん時代からの育児を振り返り、今何をすべきかをご一緒に考え、そ
して名門の幼稚園の保育について、説明会で伺った話などを紹介し、幼稚園選
びの参考にして頂きたいと思います。
育児しながらの受験、大変なことにチャレンジする皆さん方へ、微力ながらお
手伝いをさせて頂きます。
 
 平成28年11月
  めぇでる教育研究所
  所長 藤本 紀元
 

さわやかお受験のススメ<保護者編>創刊号

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2018さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -創刊号-
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私立小学校の受験は、NHKで放映された「お入学」などで、多くの人に知ら
れるようになりました。受験の際、学校側は受験生の保護者の皆さん方に、
「建学の精神」や「教育方針」、入学試験などに関する説明会を行っています
が、私が情報を得るために参加し話を聞き始めてから、大手幼児教室の幼児教
室にかつて在籍していたころを
含めると、30数年になります。
 
慶應義塾幼稚舎の教育理念である「独立自尊」や雙葉小学校の校訓である「徳
においては純真に、義務においては堅実に」など、文字だけ見ていると、何や
ら近寄りがたい雰囲気がありますが、先生方の解説を伺っていると、いずれも
育児に関する具体的なアドバイスであることに、新鮮な驚きを感じたものでし
た。もっとも、受験生は5,6歳の幼児であり、参加されている保護者の皆さ
ん方は子育て奮闘中とあってみれば、こういった話になるのも当然ですが、後
で役に立つと考え、できるだけメモを残すようにしました。
 
幼児教育に関する私自身のコンセプトは「手作りの教育」で、最も力を入れて
いたのは、「話を聞く姿勢を身につけること」でした。本文で詳しくお話しし
ますが、そのきっかけとなったのは、淑徳幼稚園の課外保育であった「進学教
室」での貴重な経験でした。そして、「やってきたことに間違いはなかった!」
と実感できたのは、立教小学校の田中司元校長先生から、同校の説明会で伺っ
たお話でした。文言は正確ではありませんが、「幼児期にふさわしい教育」に
ついて、こうおっしゃったのです。
 
「ゼロ歳から6歳までの幼児期は、人間の一生で一番大切な教育が行われる時
です。最も大切なのは「対話」です。子どものいうことをよく聞き、やりたい
ことをしっかりとつかむことです。親がしっかりと聞いてくれ、受け止めてく
れることで、子どもは安心感を持ちます。人間にとって安心感ほど大切なもの
はありません。「対話の反対は沈黙ではなく命令と要求」です。家庭内で対話
が成立する、これが育児で大切だと思います。
 
次は、「本の読み聞かせ」です。現代の情報は、映像で入ってきます。映像は
視覚と聴覚を通して、瞬時に分かる半面、頭の中でイメージをつくる想像性が
欠如していく気がします。読み聞かせる母親の、話しかける父親の言葉を聞き
ながら、情景や動物、人間の姿を思い浮かべることが、人間にとって一番重要
な能力だと思います。イメージする力を育てることは、文学的な分野と考えら
れがちですが、自然科学的な発想は、少ないデータをもとに発展させ、それぞ
れの世界をイメージ化できたわけです。分子や原子はどんな格好をしているの
か、太陽はどんな姿をし、宇宙はどのようになっているかを見た者はいません。
わずかな情報から、科学者が創ったイメージの世界です。読み聞かせは、子ど
ものイメージする力を育てると共に、子どもの世界を一緒に楽しむ、豊かな時
期でもあるのです」
 
「その通り!」と叫びたい気持ちになったことを、昨日のように覚えています。
「子どものイメージする力を育てる」、これではないでしょうか。「対話と読
み聞かせ」は、幼児期における育児の原点と考え実践していた私は、「やはり、
間違っていなかった」と自信を持ったものです。「言葉のキャッチボールを楽
しみ、昔話を読んであげ、そして年中行事を楽しむ家庭」から、間違いなく情
操豊かな子どもが育ちます。これが家庭の文化です。
 
価値観が多様化し、“anything goes”何でもありの世の中から、
家庭の文化を築くことがないがしろにされているために、家庭教育の低下が始
まったのではないでしょうか。こういった傾向に歯止めをかけるには、子ども
達が小さい頃から、家庭の文化を築き上げることが大切だと考えました。「三
つ子の魂百まで」は、幼児期に体験したことを土台に人格が形成されることを
教える先人の知恵です。
 
知識を詰め込むことに熱心な親より、豊かな情操を培うことに心を注ぐ賢いご
両親こそ、子ども達にとっては、そうあってほしい親の姿です。子どもと一緒
に年中行事を楽しみ、話を読み聞かせるご両親のもとから、「元気で、明るく、
素直な子」が育ちます。これは国立、私立小学校の求める子ども像でもあり、
知識を詰め込まれた偏った指導を受けた子どもではありません。
 
本メールマガジンは、小学校を受験される子ども達の情操面を育み、合格の決
め手となる話を聞く姿勢を身につけるために、どのようなことが大切であるか、
悪戦苦闘した進学教室での体験をもとに構成したものです。合格の一助となれ
ば幸いです。
 
平成28年11月吉日
めぇでる教育研究所 所長 藤本紀元
 

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