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めぇでるコラム : 2023小学校受験: 2022年5月

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>よくある質問

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第47号★
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★説明会速報★
 
5月、6月、7月は多くの学校で学校説明会が開かれます。今年はWEBでは
なく来校しての開催が戻ってきました。
受験校を知るには、学校へ行くのが一番だけに、受験生をお持ちの保護者の皆
さん方は、直接学校を訪問をできる貴重な機会を逃さないようにしたいですね。
 
慶應義塾幼稚舎は、説明会と学校見学を7月に行うようですが、説明会は昨年
同様動画配信となっています。一方、早稲田実業学校初等部はオンラインでの
説明会となっています。
雙葉小学校は学校での開催に戻りました。白百合学園小学校も昨年同様学校で
の開催ですが、東京女学館小学校はオンラインでの開催。まだまだ学校によっ
て様々ですので、こまめにホームページをチェックしましょう。
 
 
 
早稲田実業学校初等部の学校説明会ですが、過去にこういった話がありました。
○どんな子どもに来てほしいか。
 ・早実、大好きな子。
 ・早稲田大学へ行って勉強をしたい子。
 ・規則正しい生活のできる子。
 ・人の話を最後までしっかりと聞ける子。
 ・自分のことは自分でできる子。
 ・基本的な生活習慣、しつけの身に付いている子。
「9月2日(土)の学校見学会に、ぜひ、お子さん同伴で参加してほしい。私
の願いは、お子さんがこの学校へ来て、学びたい、勉強したい、友達と遊びた
いと思っていただけることです。これだけでお子さんのモチベーションが上が
るからです」
橋詰敏長、初等部校長(当時)の話です。見学して、モチベーションが上がり、
「早実、大好きな子」になってくれれば、親として、これほどありがたいこと
はないのですが。 
 (平成29年5月28日〈日〉午後1時~2時30分 於 大隈講堂より)
 
 
 
 
さて、今回は、皆さんからこの時期によく受ける質問を、紹介しましょう。
 
                
Q「折り紙をする時、折り方が雑できちんと出来上がらないのですが、どのよ
 うなことに注意すればよいのでしょうか」
         
A「折り紙は、一枚の紙から立体を作り出す大変楽しい作業ですが、一つひと
 つきちんと折らなければ、本に出ているような作品にならないだけに、子ど
 も達の失望も大きいようです。
 まず、折り紙を半分に折り、長四角を作ってみましょう。
 机の上で、上と下の辺を両手できちんと重ねます。左手の人差し指で重ねた
 辺の真ん中をずれないように押さえ、右手の人差し指を左手の人差し指のと
 ころから下の折り目の真ん中に向かいまっすぐに下ろしてしっかり押さえま
 す。
 
 右人差し指で真ん中をしっかりと押さえながら、押さえた指のところへ左手
 の人差し指を並べ、左端まで指を滑らし、折り目をつけます。 
 次に、左人差し指を真ん中に戻し、しっかりと押さえ、右人差し指で右端ま
 で指を滑らせながら、折り目をつけます。
 それを広げ、90度回転させ、同じ作業をし、正方形が4つできるように折
 ります。
 次に、今使った折り紙の角と角を合わせ三角形に挑戦しましょう、作業手順
 は同じです。
 
 文章にすると、敬遠したくなりますが、お母さん方がお手本を示してあげれ
 ば、難しいことではありません。
 
 折り紙がうまくできない原因は、こういった基本の折り方がきちんとできて
 いない場合にもあるようです。
 いきなり作品に挑戦せずに、四角と三角の折り方の基本をマスターすると、
 折り紙も楽しくなると思います。
 何事も基本が大切ですが、その作業は退屈でつまらないことが多いものです。
 それにまじめに取り組むのが、技術を身につけるコツであることは、皆さん
 方も経験されていることではないでしょうか。
 「ゆっくり、じっくり、丁寧に」、これしかありませんね。
 
 
 
Q糊を使うのを嫌がるのですが。
 
A現代っ子のもっとも苦手とする作業ではないでしょうか。
 ご家庭では、セロハンテープやリップ・スティック型の糊を使っていると思
 います。
 最近は、入試でもこういった接着剤を使用することもありますが、今の段階
 では、ふたのついた、つぼ型の容器に入った、幼児用の糊を使ってほしいも
 のです。
 これには、いろいろと教育的な配慮がされているからです。
  
 ふたを開けるにも、左右の微妙な力のバランス感覚を学べます。
 そして、使う量、適量を指に取るには、目分量、勘が必要です。
 多ければベタベタ、少なければはがれます。
 さらに、つけ方です。
 糊が、全体に滞りなく行き渡るには、かなりの練習が必要です。
 そして、貼ります。
 これだけのことをやり、作業が終わると手を拭き、ふたをして片付けるので
 すから、面倒に思うのも無理はないかもしれませんが、ここで手抜きすると
 不器用になるのではないでしょうか。
 
 もっとも厄介なのは、適量を取り、貼ることです。
 はじめは、折り紙を4分の1に切ったものを使い、上の真ん中に少しつけ、
 スケッチブックなどに貼る練習をしましょう。
 次に、四隅に糊をつけて貼り、それができれば糊を真ん中に縦に伸ばしてつ
 け、左右に伸ばす練習をしましょう。  
 ステップを踏んでいけば、必ずできるようになります。
 「不器用なのね!」などと、絶対にいわないことです。
 
 加えて、幼児期に身に付けておかなければならない「汚れたらきれいにする」
 という大切な生活習慣を身につけることができます。
 大切な、大切な生活習慣です。
 
 つぼ型の糊には、教育的な配慮がしてあるという理由は、こういったことな
 のですが、いかがでしょうか。
 
 
 
Q早生まれなのですが、幼い絵しか描けません。上手になるでしょうか。
 
A入試を控えると、こういった心配をするお母さん方が増えているようですが、
 お子さんの絵の描き方を思い返してみましょう。 
 
 2歳は点や線の殴り書きで、3歳から円や四角らしきものが描け、ある時、
 突然、頭から手足がニョキニョキと出ている人間を描いたと思います。
 やがて、頭と体が分かれ人間らしくなりますが、手は電信柱のようにまっす
 ぐ伸びたままで、やっと年中の終り頃に手も下に降り、人間と認められる絵
 になったのではないでしょうか。
 このようになるまで4、5年かかる子もいますから、幼児にとって絵を描く
 のは、大変な仕事でもあるのです。
  
 そして、基本的な生活習慣と同じように、絵を描く作業は、速成も、いろい
 ろなテクニックを駆使しての促成もできません。
 お子さんの成育史が、そのまま姿を現すものではないでしょうか。
 ご両親の遺伝もあるかもしれません。
 お子さんは、楽しく絵を描いていますか、そうであれば心配ありません。
 お子さんが描いている絵は、現時点で最高の作品であることを認めてあげま
 しょう。
 そして、幼い絵でも描きたい目的があるのですから、そこを見つけて褒める
 ことです。
 他の子ども達と比べて評価するのは、賢いお母さん方のすることではありま
 せん。
 ましてや、早生まれの子ども達にとっては、大変迷惑な話です。
 楽しく描ける雰囲気を作ってあげることが大切です。
 
 ところで、最近コロナ禍で減っていますが、4、5人のグループで1枚の絵
 を描かせる学校が増えてきました。共同作業ですから、お互いにコミュニケ
 ーションが図れるかも大切なポイントになっています。使いたいクレヨンが
 1本しかない場合、「それが使えるようになるまで何もしないお子さんがい
 る」と聞きますが、学校側は、社会性や協調性といった集団生活への適応力
 を見ているのではないでしょうか。引っ込み思案の多い男の子、通っている
 教室の先生に聞いてみましょう。
 
余談になりますが、ある小学校のオープンスクールで、1年生全員の描いた絵
が、幼い絵まで全て展示されていました。子どもの成長をありのままに受けと
めている教育方針に感動したものです。展示された子どもがいやな思いをしな
い指導、私たち親こそ、そういった目で子どもの成長を見ることが大切ではな
いでしょうか。
 
 
  (次回は、「志望校選びのポイント」についてお話しましょう)
 

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>学校説明会で確かな情報を(3)

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
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 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第46号★
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学校説明会で確かな情報を (3)
 
  ★紹介したい説明会でのエピソード(2) 
 
 
[入試情報]
 雙葉小学校説明会
     日 時 7月22日(金)、24日(日)
     場 所 雙葉小学校
     申 込 6月20日(月)午前10時から申し込みサイトよりお申
         し込みください。
 
          詳しくはホームページをご覧ください。
          
  
東日本大震災を受け、平成24年の49回目のメルマガでは、「説明会速報 
立教小学校(6月9日)」で次の話を紹介していました。数年後には、いわゆる
コロナ禍に関するエピソードが出てくるかもしれませんね。
 
  震災に対していろいろと対応を考えている。
  校舎は古いが理論上は震度7に耐えられる建物、震度5以上の予知情報が
  校内に流れるようになっている。
  乾パン二千食、水や毛布の備蓄もあり、グランドの奥にある水車小屋の下
  には井戸があり水は豊富。立教大学が通勤難民四千人あまりを収容、乾パ
  ンを配り、学生食堂では炊き出しをした。池袋周辺にいれば安全を確保で
  きるので心配いただくことはない。現在、停電になっても発信できる緊急
  メールを準備している。
  大学院には放射線物理学科の専門の先生がいて、給食の食材、水道水の放
  射能値を測定するなど、学院の組織的なバックアップもあるので安心でき
  る体制にある。
        (緊急メールは、現在完備されている)
        
さて、説明会へお子さんを連れてこないでほしいと明言している学校もありま
すが、そういった条件がある場合は別として、お子さんを会場へ連れていかな
ければならない事情のある方もいます。1時間から2時間ほどかかる学校もあ
りますから、子どもは退屈します。
 
ある学校の説明会、体育館で行われたため、後ろの所に子ども達が遊べるよう
な空間があったのです。そこで、子ども達が走り回りはじめました。うるさい
のですが、親が注意をしません。             
見かねた校長先生が、                      
「元気な子と不作法な子は違います」               
とおっしゃったのですが、それでも注意する親が現われません。学校の教育方
針と違うことをやっているにもかかわらず……、もっとも、出るに出られなく
なってしまったのかも知れません。   
 
これは、その逆の話ですが、赤ちゃんを胸に抱いたお母さんが、会場の外の廊
下で立ったまま話を聞いていました。恥ずかしい話ですが、「遅刻しないよう
に」などとおこがましくもアドバイスしている私自身が、渋滞に巻き込まれ5
分ばかり遅刻したことで、偶然、この光景に出会ったのでした。先生との話の
様子から、会場へ入るようにすすめられても、辞退しているようでした。終わ
って廊下に出た時、何と同じ所にお母さんがいるではありませんか。約1時間
半、大変だったと思います。この学校の教育方針は、「心身ともに強く、心の
やさしい子」の育成です。お母さんは、出身者ではなかったでしょうか。
 
この話も、機会があれば、必ず、紹介することにしています。
 
 育児ないないづくし
   暖房きかせて寒さがない        冷房きかせて暑さがない  
   おやつが過ぎて空腹がない       歩かせないので疲れがない 
   おもちゃのやり過ぎで興味がない    テレビの見過ぎで考えない 
   何でもホイホイ我慢がない       点数以外に関心がない   
   わかっているけど行わない       これではまともに育たない
 育児を「育自」と置き換えて、育児を通して育自するお母さんを求めます。
 
こうおっしゃっていました。
育自は誤植ではありません、自らを育てることです。「育児を通して育自する
お母さんになりましょう」と何やら偉そうに私は言っていますが、種を明かせ
ば、その根拠はここにあるのです(笑)。
 
次の話は、あるミッション系の学校で伺った話です。
母親の学歴が高くなる一方で、育児が下手になっているといわれています。核
家族化、少子化の進む環境のもとでの育児ですから、決して母親だけの責任で
はありません。しかし、バブル経済全盛期の頃に聞いた話ですから、考えさせ
られてしまいます。子どもを取り巻く環境は、あまり変わっていないどころか、
むしろ悪くなっていると思われるからです。
文言は正確ではありませんが、以下のような話でした。
     
  現代の価値観は多様化したとはいえ、世界各国のシスターから、日本人と
  いえば、商売に道徳は無用とばかりに、自己の利益だけを求めるイメージ
  が強くなるばかりと聞かされています。その歪みを正すのが教育に携わる
  私たちの使命です。教育が、こうまで荒廃した原因は、あまりにも豊かに
  なり過ぎ、お金が評価の基準になって、そこには精神的な絆がないからで
  す。教育の危機は、心を大切にしないことから発しています。
  学卒のママが多くなる一方で、いたわり合う心、思いやりの心を持った子
  が少なくなっているのはなぜでしょう。それは、心を育てるより知識を与
  えることに夢中になっているからです。無理に知識を詰め込もうとすると
  過干渉になりがちで、素直な感情を押さえつけ、その結果、子どもの心は
  屈折してしまうのです。
 
30年以上前になりますが、すでに過保護、過干渉な育児の弊害を指摘してい
ます。これは小学校受験だけではなく、早期教育や稽古事にもいえるのではな
いでしょうか。子どもが、あることを学習するために、ふさわしい成長をして
いない状態で、いろいろなことを詰め込むのは、幼児に適した教育とはいえま
せん。
 
では、幼児期にふさわしい教育とはどういうものでしょうか。
立教小学校の田中司元校長の話を、文言は正確ではありませんが紹介しましょ
う。
 
  0歳から6歳までの幼児期は、人間の一生でいちばん大切な時期です。最
  も大切なのは、対話です。子どものいうことをよく聞き、やりたいことを
  しっかりとつかむことです。親がしっかりと聞いてくれ、受けとめてくれ
  ることで、子どもは安心感を持ちます。人間にとって安心感ほど大切なも
  のはありません。対話の反対は沈黙ではなく、命令と要求です。家庭内で
  対話が成立する、これが育児でいちばん大切だと思います。
 
  次は、本の読み聞かせです。現代の情報は映像で入ってきます。
  映像は視覚と聴覚を通して、瞬時にわかる反面、頭の中でイメージを作る
  想像性が欠如していく気がします。読み聞かせをする母親の、話しかける
  父親の言葉を聞きながら情景や動物、人間の姿を思い浮べることが、人間
  にとっていちばん重要な能力だと思います。イメージする力を育てること
  は、文学的な分野と考えがちですが、自然科学的な発想は、少ないデータ
  をもとに発展させ、それぞれの世界をイメージすることでできたわけです。
  分子や原子は、どんな格好をしているか、太陽はどんな姿をし、宇宙はど
  のようになっているか見た者はいません。わずかな情報から科学者が創っ
  たイメージの世界です。読み聞かせは、子どものイメージする力を育てる
  とともに、子どもの世界を一緒に楽しむ豊かな時間でもあるのです。
 
  3番目は、ご家庭の中に自然を楽しむ文化をもってほしいのです。神様が
  創った自然の美しさ、素晴らしさにかなうものを、人間は作っていないと
  思います。気をつけないと、人間が作ったものだけに囲まれて生活するこ
  とが可能な時代になりました。土を踏んだことのない子もいます。土、石、
  葉っぱ、虫、砂といった地球を作っていく素材を、子どもが肌で感じるこ
  とが大切です。休日に、森や海岸、川原や野原へ、弁当とシートを持って
  出かけ、自然って美しいな、風って気持ちがいいぞ、葉っぱはきれいだ、
  石ころにはいろんな形があって面白いな、何もプログラムを作らずに、ゆ
  ったりと、そこにいるだけで素晴らしい、そういう自然の楽しみ方、それ
  は非常に高い文化ではないかと思います。
 
対話、読み聞かせ、自然を楽しむ文化、考えさせられることばかりですが、特
にお母さん方は、「対話と読み聞かせ」については、ついこの間までキチンと
実行していたはずです。
 
お子さんの赤ちゃん時代です。      
 
何もわからない乳飲み子に、一所懸命、話しかけませんでしたか。
赤ちゃん言葉を懸命に理解しようとしませんでしたか。
こういった姿は、無償のほほ笑みと共に、この世で最も美しい姿といわれてい
ます。
        
ところが、受験準備に夢中になりすぎると、「命令と要求」の日々になりがち
です。でも今は、大丈夫なのです。心配なのは、夏休み以降です。
 
ちなみに、田中元校長が就任した年から、立教小学校はペーパーテストを廃止
しました。
男の子の多くが苦手とする、音楽に合わせて体を動かすテストがあり、思わず
笑ってしまいましたね。照れ屋で気が弱く繊細な神経の子が多いからです。運
動会で楽しくダンスをしているのは女の子ではないでしょうか。お父さん方も
何やら照れくさそうに踊っていますね(笑)。
 
2021年度から校長に就任した田代校長が副校長の時には、脳科学者の話を
例に、18歳を超えると脳の成長の差はなくなるが、それまでは女子の成長が
速いので、小中高が別学で、大学は共学が理想的な教育環境、「手前みそなが
ら」と自慢されており、なるほどと納得できました。別学が禁止されていたア
メリカでは、2006年に法が改正され、公立の学校でも別学を選択できるよ
うになっているそうです。
 
 
最後に、平成9年6月に、白百合学園幼稚園が、創立以来、初めて説明会を開
催したときにうかがった話を紹介しましょう。幼稚園を受験されるお母さん方
への話ですが、小学校の受験も、基本的には同じことだからです。
 
あいにくの雨の中、熱心なお母さん方が、およそ500名、幼稚園のプレイル
ームは、立錐の余地なしといった状態でした。(第2回目以降は、学園内の講
堂で行われていますから、園舎に入るという貴重な経験をしました!) 校訓
である三訓、「従順、勤勉、愛徳」の説明、モンテッソーリ教育の目的、敏感
期、縦割り保育のメリットを話された後に、幼稚園側が望む子ども像について、
次のように話されたのでした。
 
  私どもの希望しておりますのは、小さいときから、入園テストですとか、
  面接テストを受け訓練された子ではなく、むしろ日常の生活の中で、特に、
  お父さま、お母さまの、生きたお手本の中で育てられたお子さま方、それ
  から年齢相応に基本的な生活習慣が、これは、まだ完全にできませんから、
  ある程度、身についているお子さま、明るく、素直で、いきいきしたお子
  さま、そういう子ども達を期待しております。
 
いかがでしょうか。
「お父さま、お母さまの生きたお手本の中で育てられたお子さま方」云々は、
幼稚園、小学校の受験は、まだ、中間報告ですが、お子さんを通して、ご両親
の育児の集大成を判定しているということです。
 
 
ところで、小学校の受験は、「はじめにご両親の育児の方針ありき」とお話し
ましたが、その根拠となっている話を紹介しましょう。残念ながら、今では手
に入りませんが、慶應義塾幼稚舎が願書に同封していた小冊子「第一学年入学
志願者心得 入学受験について」に書いてあったことです。
 
  甚だ当たり前のことであるが、子供は手塩にかけて育てるものである。
  「両親が手塩にかけて、心を尽くして育ててきた我が子を、受け取らない
  学校があるなら、行かなくても一向に差し支えない」
  というように考えられないものであろうか
 
 
学校説明会は、建学の精神や教育理念を話すだけではなく、こういった育児に
ついての話があることから、小学校の受験は、ご両親の育児の姿勢が問われて
いることが、おわかりいただけたと思います。問題集だけを頼りにし、机の上
だけで受験準備はできません。子どもは、ご両親の作った環境で育っていきま
す。基本的な生活習慣やあいさつ、言葉遣い、運動能力といったものは、ご家
庭できちんとやっていかなければ、幼児教室や塾などで、受験に必要なノウハ
ウの指導を受けても身につかないでしょう。
 
だらだらと食事をし、衣服の着脱ができないようでは、暁星小学校のような俊
敏性を求めるテストに対応できません。
 
すぐ疲れておんぶをせがむようでは、筑波大学附属小学校や昭和学院小学校の
ような熊歩き(四足歩き)をやれといってもできないでしょう。
 
自立心や意欲が培われていないと、かつての白百合学園小学校のように立った
ままで試験を受けることも難しいのではないでしょうか。
 
過保護になっていれば、話を理解し、素早く、積極的に取り組まなければなら
ない幼稚舎のような、行動観察型の試験をクリアできるとは考えにくいことで
す。
 
学校側が試験を通して知りたいのは、「知育、徳育、体育の三つの能力が、就
学前の子どもにふさわしく、バランスよく培われているか」であり、知的な能
力だけを判定しているのではありません。こういった能力を育み、意欲のある
子に育てるのはご両親であり、試験を受けるのはお子さん自身ですが、判定さ
れているのはご両親であることを、納得いただけたのではないでしょうか。
 
 
 
数々のエピソードは、以前にもお話ししました「心を鍛える賢い子どもの育て
方」や「おとうさん、おかあさんの受験対策」(私のお勧めは、他校を受験さ
れる方々にもお役に立つと自負しています慶應義塾幼稚舎編)の一部を紹介し
たもので、説明会へ参加する前にお読み頂き、万全の態勢で秋に向かってほし
いと願っています。詳しくはめぇでる教育研究所のホームページ、「出版物・
問題集のご案内」をご覧ください。
    
 
   (次回は、「よくある質問」についてお話しましょう)

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>学校説明会で確かな情報を(2)

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第45号★
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学校説明会で確かな情報を (2)
 
 
★説明会情報★
 昭和学院小学校
   2022年度オープンスクール日程
   第1回オープンスクール・学校説明会 5月14日(土)満席
   第2回オープンスクール・学校説明会 5月21日(土)満席
   第3回オープンスクール・学校説明会 6月 4日(土)満席
   第4回オープンスクール・学校説明会 6月22日(水)受付中
   第5回オープンスクール・入試説明会 9月10日(土)
   運動会               5月28日(土)非公開
   体験教室(年長児のみ定員160名) 6月25日(土)5/16~受付
   学芸発表会             10月1日(土)
 
 
 
紹介したい説明会でのエピソード(1) 
 
施設見学会をしているときに、「?」といったものに出会うときがあります。
例えば、
学習院初等科の入試説明会は四谷の初等科で行われますが、体育館へ渡る廊下
は道路の下を貫通させたものですから、かなりの勾配になっており、しかも狭
いため、「おさない・かけない・しゃべらない・もどらない」と混乱をさける
ために4つの約束の語頭をつなげた「おかしもの約束」の標語が掲げられてい
ます。これは阪神・淡路大震災以後、消防庁による教育安全指導のガイドライ
ンに紹介されたことから、防災教育の標語として全国に普及したもので、当初
は「おはし(おかし)」(「は」は走らない)だったが、津波による避難の原
則でもある「戻らない」が追加されたそうです。 (synodos.jp/fukkou/10522 
より)
 
かつて早稲田実業学校初等部のホームページにも「おかしもの約束を守り、警
察署、消防署の協力のもとに、子ども達が安全に避難できるように指導してい
る」と出ていました。
沖縄のとよみ小学校では「おかしもちの約束」があり、「ち」は「近づかない」
だそうですが、海に囲まれているだけに切実な思いが伝わってきます。
自然災害だけは、何とか穏便に願いたいものですが、同時に、その時はどうす
ればよいか、子ども自身でできることは、普段からきちんと教えておく、これ
も親の大切な仕事です。
 
さて、今回からエピソードについてお話しますが、何と言っても四ツ谷の雙葉
小学校の説明会ですね。
開催されたのは、昭和61年9月のことでした。
やめていた説明会を再開した理由は、妙なうわさを学校側が否定することにあ
ったのです。
 
以来、平成元年まで続け、その後、実施していませんでしたが、同18年から
再開されました。昨年、一昨年はオンラインでの説明会でしたが、今年は学校
での開催予定となっています。
 
さて、再開された時のことですが、「何か不祥事があったのでは!」と危惧し
ていたのですが、大勢の人々を収容する施設がなかったのが直接の理由で、新
しく講堂ができたために再開したとのことでした。
 
うわさといったものが、どういうものであるかを明白にしてくれた説明会でし
たから、当時のメモを紹介しましょう。
 
    雙葉小学校説明会
    日 時 昭和61年9月26日(金)
    場 所 小学校ホール 5階 参加者 約500名
 
およそ10年ぶりに再開された説明会でもあり、5階のホールは超満員で熱気
にあふれていました。
 
入学定員に対して多数の応募者があるため、心ならずもテストを行っている事
情を説明され、テストに関しては、特別に勉強しなくてもできる問題を作って
おり、総合的に判断して知能点だけではなく、「子どもらしく、一所懸命に頑
張る意欲のあるお子さん、コツコツ努力をするお子さん」を求めており、内向
的な性格でも頑張るお子さんであれば歓迎すると、雙葉小学校の求める子ども
像について、具体的に話されました。
 
ついで、悪質なうわさが広まっていることに関して、雙葉学園はミッション系
の学校であり、キリストの精神に反するような不正入学が許されるわけがない
と明言された後に、
 
 (1)受験と宗教は別問題で、僧侶の娘さんも入学している。
 (2)学校関係者の紹介がないと不利とは、単なるうわさ。紹介者を通して
    面会することはあるが、それが考査に有利になることはない。
 (3)お金を積むと入れるという裏口入学は、これもまったくの嘘。正規の
    お金(考査料)以外は、一銭も受け取らない。合格を発表する前に、
    考査料以外、頂くことはない。
    
この三点について強調され、つまらぬうわさに惑わされないようにとの注意が
ありました。
 
また、大学への進学率が高いことから、小学校の時に入れておけばと考える方
が多いのですが、授業に関して特別なカリキュラムはなく、たまたま、そのよ
うな結果が出ているだけですから、進学校とお考えにならないでくださいと述
べられました。
(この件については、毎年、説明会で力説されていますし、入学されたほとん
どのお母さん方も「のんびりとした学校です」とおっしゃっています)
 
なお、登校時間は、年間を通して午前8時15分、四ツ谷駅のラッシュアワー
は8時からで、その時間に通学できるかどうか、慎重に考えてくださいとのこ
とでした。
 
裏口入学を策したお母さんが不合格になり、「どうなっているのか!」と、直
接、学校へ電話をしたことから事件が発覚し、驚いた学校側が事実無根と否定
するための説明会でもあったのです。       
 
当時のうわさとして、                
「どこそこの神父さんの紹介状がなければダメ」    
「信者の娘さん、絶対有利」             
「合否は親の職業で決まり」             
などがありましたが、今でも根強く残っているようです。 
再開された説明会でも、うわさに過ぎないと否定されました。
うわさは、単なるうわさに過ぎないと、惑わされない強い信念を持つことも大
切です。
それを支えるのはお父さんの役目ですから、きちんとサポートしてください。
お母さん方は、こういったうわさに弱いからです。
 
ちなみに、校庭の一角には、幼稚園、小学校に在籍されてから聖心女子学院へ
進まれた上皇后美智子さまが、ご成婚(昭和34年4月10日)前に来校され、
記念樹として贈られたメタセコイヤの苗木3本の内1本が、修道院の裏側に中
高の校舎と頭を並べるほど成長した姿を見ることができます。
 
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平成13年に白百合学園小学校が、創立以来、初めての説明会を開催したとき
も、何か不祥事があったのではと思いましたが、そういったことはなく、受験
されるご父母の強い要望によりとのことでした。
 
平成25年まで学校見学会だけ行っていた横浜雙葉小学校は、26年から説明
会を再開しましたが、これは昭和60年代に開催していたときにうかがった話
です。
 
本校の入学試験は、「一日体験入学方式」ともいわれ、昼休みにお弁当を食べ
る時間が設けられていました。文言は正確ではありませんが、話の内容を再現
すると、こうなるのです。
 
     「お弁当は、いつもお母さんが作ってくれるのですか」
     「ウウン、今日は特別なの」
     「そうですか、それでは、おいしいでしょうね」
     「ウン、でも、残しちゃダメといわれたの」
     「どうしてですか」
     「残すと点数が悪くなるから」
     「……?」
 
残すと、どうして減点されるのでしょうか。
 
初めて来た所で、知らない子どもばかりの中で食べるのですから、緊張して残
す子もいるかもしれません。
それよりも、弁当を食べることで、子ども達はいろいろなサインを出している
と思います。
ご家庭の教育方針がどうなっているのか、これほどわかりやすいものはないで
しょう。
食事は三度のことですから、絶対に、つけ焼刃はききません。
 
基本的な生活習慣が、きちんと身についているかを判定することも、小学校の
入学試験では、大切なポイントだからです。
 
学校側が見たいのは、
「集団生活の中で、子どもはどうあるべきかを、親がしっかりと考えて、やさ
しく、あるいは厳しくしつけることを、ご両親の責任において教育しているか
どうか」
ではないでしょうか。
 
今の話と似ていますが、以前、紹介しましたが大切なことですから繰り返しま
す。
 
国立市にある桐朋学園小学校の説明会で、当時の校長であった鈴村先生が、た
またま会場に現われ、こういった話をされたのです。
本校は、仙川にある姉妹校、桐朋小学校と同様、面接をやっていませんが、そ
の理由として、
 
 「親御さんに『趣味は何ですか』とお尋ねしても、本当は、競輪、競馬が大
  好きでも『読書と音楽鑑賞です』と取り繕うでしょう。でも、私どもでは、
  お子さんを二日間預かりますから、どういった育児をなさっているかわか
  ります。ですから、私どもは面接をしません」
 
と、例によって文言は正確ではありませんが、こうおっしゃったのです。
試験を受けているのはお子さんですが、判定されているのはご両親であること
が、よくわかる話ではないでしょうか。
 
 
(次回は、「学校説明会で確かな情報を (3)」についてお話しましょう)
 

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>学校説明会で確かな情報を (1)

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第44号★
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<説明会情報>
 成蹊小学校
  参加できる行事は例年とは変更となっています。
  ・第1回学校説明会 
    2022年5月28日(土) 詳細公表:5月12日(木)
                  予約  :5月16日(月)~            
  ・運動会
    一般公開中止
  ・オープンスクール
    2022年 6月9日(木)
  ・第2回学校説明会 
    2022年9月3日(土)
  ・文化祭
    2022年10月9日(日)
 
  詳しくは、ホームページをご覧下さい。
 
本年度も、新型コロナウィルス感染症の影響で、日程や実施方法が変更されま
すので、こまめに志望校のホームページを開き、確認しておくことが大切です。
 
 
 
 
学校説明会で確かな情報を (1)
 
 
小学校の受験で最も重視されるのは、「志望理由」です。
 
出身者の方には問題ありませんが、そうでない方々には、学校に関する情報、
例えば、建学の精神や教育方針、その学校ならではの特色、主な年間行事やク
ラブ活動、合宿などの校外活動、学童保育、併設校への進学状況、併設校のな
い場合の進学実績やそのための対策、通学時間やご主人の転勤にともなう復学
制度、自己推薦や単願等応募の方法などわからないことが多いと思います。
 
そういったハンディキャップを解消するために行われているのが学校説明会で
す。過去には説明会をやっていない学校もありましたが、現在では、ほとんど
の学校で開催しています。
 
最近の傾向として、夏休み前に学校説明会を、休み後に入試説明会と2回行う
学校が増えてきました。しかし、幼稚舎、雙葉小学校のように学校説明会だけ
行っているところもあります。そして、Webでの事前予約の必要な学校が増
えています。当日になって気づいても手の打ちようがありませんから、注意し
てください。
 
東日本大震災後、多くの方が通学に不安を感じたのではないでしょうか。各学
校のホームページにも「災害対策」が掲載されていますが、大切なのは、「我
が家の震災対策」で、「登校・下校時に災害が起きた時の対策」です。学校側
が公表する震災対策を、わが子の通学に、どのように活かせるか、慎重に考慮
するのも保護者の義務です。今年もその説明があると思いますので、正しい情
報をもとに不安を解消しておきましょう。しかし、何といっても大切なのは、
お子さん自身の自立心と行動力です。そういった育児に徹することも親の仕事
ではないでしょうか。
 
また、学童保育、アフター・スクールに力を入れる学校が増えています。日本
女子大学附属豊明小学校、聖心女子学院初等科もそのひとつです。お母さん方
がお仕事をもっている場合、具体的にどのようになっているか、情報を確認し
ておきましょう。
 
横浜雙葉小学校は、説明会は映像の配信に、オープンスクールは検討中となっ
ています。
 
日本女子大学附属豊明小学校は、5月に行われる学校説明会、オープンスクー
ルは早々に満席になりました。入試説明会が5月21日(日)から動画配信形
式で行われます。運動会は9月24日(土)に西生田の大学のグランドで開催
されます。いずれも事前申込制。
 
雙葉小学校は、7月22日(金)、24日(日)に開催。Webで事前申し込み。
 
白百合学園小学校は、学校説明会を6月25日(土)に開催。Webでの事前
申込が6月1日より。学校見学会は8月29日(月)、30日(火)に行われ
ます。
 
聖心女子学院初等科は、第1回を6月11日(土)、第2回を9月3日(土)
に実施。オープンスクールが8月に予定されています。いずれもHPから予約
が必要です。
 
青山学院初等部の第1回目説明会は5月14日(土)ですが既に満席。同じ内
容で第2回説明会が9月3日(土)に実施されます。以前いずれも保護者のみ。
親子で校舎を見学できる「オープンスクール」は検討中。
 
東洋英和女学院小学部は、5月14日に学校説明会を4回実施。
 
立教小学校は今年も3回開催。第1回6月2日(木)はオープンスクールと個
別質問、第2回7月2日(土)は説明会と個別質問、第3回9月10日(土)
は説明会のみとなっています。「(1)(2)(3)はそれぞれ内容が異なる」
と明記されています。事前の申し込みはありませんが、対象は保護者のみとな
っています。
 
慶應義塾幼稚舎は、5月7日時点では発表がありません。
昨年度は動画配信でしたが、例年は、1時間程度、自尊館(講堂)で行われま
す。幼児同伴は不可。校内見学はありますが、説明会会場以外の校内立ち入り
はできません。都会では珍しくなった土のグランドと真中に立つ大きな欅、毎
年、七夕飾りを見ることができます。自尊館のエントランスには、福澤諭吉直
筆の書「人間萬事戯来戯去」(人生は本来戯れにすぎないと悟ること KEIO 
YOCHISHA SCHOOL GUIDEより)の額が掲げられています。
 
成蹊小学校の説明会は、当初は、大学の合同授業などで使う大きな教室でやっ
ていましたが、やがて小学校の体育館になり、それでも入場しきれなくなり学
校近くの武蔵野市民文化会館で行っていました。平成26年からは学園内で開
催しています。
初めて授業参観で校舎に入ったとき、何やらうなぎの寝床といっては失礼でし
ょうけれど、そんな感じがしましたが、新装成った校舎は、むかしの面影を一
新し、すばらしい環境になっています。
 
日出学園小学校は、昼間、参加できないお父さん方に「お父さんのための説明
会」を5月18日(水)、19日(木)に6時から開催しますが、既に満席。
親子体験会や運動会についてはまだ発表がありません。
 
日出学園小学校のように夜の説明会もあります。
 
2020年4月より校名を小野学園小学校から変更した品川翔英小学校は6月
10日(金)7時から「ナイト学校説明会」を開催。
 
東京女学館小学校は、6月11日(土)にオンライン説明会、9月4日(日)
に入試説明会を実施予定。
 
江戸川学園取手小学校は、5月28(土)に説明会と1日体験入学があります。
 
暁星小学校は、「学校説明会についてはWEBでの限定期間の動画視聴を予定
しておりますが、コロナの状況次第で、WEB動画視聴および本校講堂での説
明会の開催も検討」とのこと。
 
 
       (以上の情報は、5月7日(土)現在のものです)
 
 
 
まず、こういった説明会や公開授業などの日程を正確につかんでおくことが大
切です。
ホームページを利用すれば、説明会の開催日時や入試日程、学校の歴史や建学
の精神、参加できる学校行事などの他、学校によっては、「よくあるQ&A」も
用意されており、簡単に検索できますから大いに利用しましょう。
 
説明会では、学校案内や要覧などの配布があり、市販されているガイドブック
などからは得られない情報も公開され、そういった資料をもとに、学校の沿革
や教育内容などの詳しい解説が行われています。
 
9月以降の説明会では願書も配布され、具体的な入試日程の説明や願書記入上
の注意、健康調査書に関する諸注意、考査料の振込みに関する注意などを詳し
く解説する学校もあります。
 
また、立教小学校や立教女学院小学校、成蹊小学校のように、授業を公開する
オープンスクールを実施したり、ビデオを使って授業の様子や年間の主な行事
などを紹介する学校もあります。
 
上記学校の参加者は保護者対象となっていますが、国府台女子学院小学部、昭
和学院小学校などのように、説明会中にお子さんを預かってくれるところもあ
ります。(本年度は国府台女子学院は同伴可で預かりなし、となっています。)
 
説明会は5月から始まり、多くは9月以降に集中して開かれますが、最近は、
6月、7月に行う学校が増えていますから注意が必要です。こういった情報を
しっかりと確保しておくことも、ご両親の大切な役目です。学校によっては、
面接で説明会に参加した感想を聞かれたり、アンケート用紙に記入を求めたり
することもあります。
 
多くの学校では、質疑応答の時間を設けていますが、特別に時間を設定してい
ない学校もあります。しかし、説明会終了後、個人的に質問をする機会はあり
ますから、何か問題のある場合は、この時間を利用し解消しておきたいもので
す。「母子家庭は不利」「仕事を持つ母親は不利」「信者は有利」「出身者、
兄弟姉妹がいれば有利」など、いわゆる噂に心を痛めている方々は、直接、処
方箋をいただいて、つまらない悩みは解決しておきましょう。
 
学校によっては、「心配事がある場合は、電話で問い合わせてほしい」と、相
談の窓口のあることを説明しているほどです。しかし、電話で済ませるより、
説明会で直接、お聞きしておくべきでしょう。もしかすると、面接の時に再度、
お会いするかもしれないからです。
 
かつては、入学後、経済的な心配が起きた場合には、奨学金制度のあることを
公表している学校もありましたが、青山学院初等部のホームページのQ&Aの
欄にも、「学費等の支援給付制度が定められている」と発表しています。
 
また、転勤の可能性のある場合、復学できるか確かめておきましょう。
 
問題を抱え込まずに積極的に利用し、すっきりとした気持ちで秋を迎えたいも
のです。
 
ところで、説明会は、小学校の講堂や体育館で行われると思われがちですが、
外部でやっている学校もあります、早稲田実業学校初等部等です。
 
早稲田実業学校初等部が第一回目の説明会を行ったときは、国立の初等部の校
舎は建築中で、大学の大隈講堂を使用しましたが、満員になるほど参加者が多
く、初等部内には収容できる施設はないようですから、ここで開催することに
なったのでしょう。入学式も、当講堂で行われました。建物が古くなったため
に改築されていた2年間は文京シビックの大ホールで開催されたこともありま
した。今年は5月29日(日)大隈講堂で開催される予定です。
9月3日(土)に学校見学会を行う予定。
 
思い出に残っているのは、学習院初等科の説明会です。
当初、男児と女児に分けて四ツ谷の迎賓館のすぐそばにある初等科の正堂(講
堂のこと)で行っていました。現在、初等科の建物は新築されましたが、当時
の校舎内はかなりの年月を経ており、歩く廊下はぎしぎしと音がし、質実剛健
を教育目標とする学校らしい雰囲気を感じたものです。また、正堂の正面には
菊の御紋が二つ蒼然と輝き、皇室の方々が通われる学校であることが伝わって
きたものでした。こういった学校の歴史や雰囲気を実感できた貴重な体験でし
た。
5月の学校説明会は既に満席ですが、入試説明会が9月3日からWEBで、学
校見学会が9月10日(土)に行われます。
 
 
 
◆参加するときの注意点 
 
説明会へ参加するときに注意してほしいことをお話しましょう。
 ・筆記用具、メモ用紙を持参する。
 
 ・上履きが必要な場合がありますから、スリッパ、靴を入れる袋を持参する
  かどうかを確かめておく。
 
 ・雨の日は、雨傘用のビニール袋を学校側で用意しているとは限りません。
  特に、梅雨にさしかかる時期ですから用意しておきましょう。
 
 ・ハイヒールで廊下を歩くとき、音に注意を。立教小学校は禁止しています。
  Q・なぜ、ハイヒールでの来校は禁止されているのですか。
  A・学校の校庭は人工芝になっています。その上をハイヒールなど、かか
   との高い靴で歩くと、人工芝を傷つけてしまいます。また、ハイヒール
   などかかとの高い靴で校舎内を歩くと、大きな音がする可能性が考えら
   れ、授業などの学校生活に影響する可能性が考えられます。
   従って、ハイヒールなどかかとの高い靴での来校は、ご遠慮いただいて
   おります。もし、ハイヒールなどかかとの高い靴を履いてこられた場合
   には、校内に入る際に、運動靴などにお履き替えいただきたいと考えて
   います。ご配慮をお願いいたします。
      (立教小学校ホームページ 「よくいただく質問」より)
 
 ・学校によっては、お子さんを連れてくることを遠慮してほしいという場合
  がありますから確認を。
       
 ・お子さん同伴の場合は、むずかることもありますから、いつでも外に出ら
  れるように、後方の出入口の席に座る気配りを。1時間から長いところで
  は2時間にもなりますから、退屈しない工夫を。
  「受験生ならびにお子様のご来場はお断りします」等明記されている学校
  もありますので、よく確認してください。
 
 ・授業参観の場合は、同伴者と絶対に話をしないこと。生徒は授業中です。
  これが守られていません。「学校側では、ひそかにチェックしている」と
  いうことはないとは思いますが、こういった怪情報は広めたいですね、生
  徒のためにも。
 
最後のことについては、あきれてしまった経験があります。
昭和61年、雙葉小学校が説明会を再開した時でした。
会場は5階のホールでしたから階段を上ることになりますが、各階の踊り場に
立て札があり、そこには文言は正確ではありませんが、
「生徒は授業中です。静粛に願います」
と書かれてあったのです。
階段をおしゃべりしながら歩く、お母さん方の無神経さを理解できませんでし
た。学校側に、先を読まれているのですから。友達と一緒に参加されるお母さ
ん方、厳に慎んでください。
 
また、立教小学校など授業参観をかねている場合、始業時間前に集合しますか
ら、朝の交通状態を頭に入れておきましょう。
利用する交通機関は、ラッシュアワーで混雑していますし、時間も通常よりか
かります。
駅からタクシーでと思っていても、簡単に乗れるとは限りません。
もちろん、自家用車での来校は禁止されています。どこの学校にも、車を収容
する広い駐車場はないからです。
 
ところで、授業参観の場合、1年生の教室が人気の的になりがちですが、高学
年の教室は空いていますから、じっくりと見学できます。ある学校で、非常に
厳しい先生の態度に接し、「やるじゃないですか!」と感動さえ覚えたもので
す。見学者がいようがいまいが眼中にない先生の態度が、建学の精神そのもの
だったからです。
 
連休、いかがでしたか。お子さんの通う幼稚園再開しましたか。しばらく、調
子が狂うかもしれません。気をつけてあげましょう。
 
  (次回は、「学校説明会で確かな情報を(2)」を紹介しましょう)
 

 


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