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めぇでるコラム : 2024小学校受験: 2022年7月
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>幼児に必要なのは、 勉強ではなく学習です。
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
「めぇでる教育研究所」発行
「2024さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>」
現年中児のお子様をお持ちの方々へ
2024年度入試(2023年秋に実施)を成功に導く手引きです。
★第5号★
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幼児に必要なのは、 勉強ではなく学習です。
ある年の白百合学園小学校の親子面接で、こういった質問があったそうです。
「何かお勉強をしていますか。どういうお勉強ですか」
「…………?」
こうなってしまったお子さんが、多かったのではないでしょうか。
模擬親子面接で、こういった質問をするのは控えますが、どのような受験準備
をされているのか聞きたくなるときがあります。それは、ペーパーテストの成
績は良いのですが、行動観察型のテストでは、それほど点数が取れていない場
合です。幼児に「勉強をしていますか」とは聞けませんから、いけないと思い
ながら誘導尋問をします。
「幼稚園から帰ったら、どんなことをしますか」
「お教室へ行ったり、お母さんとプリントのお勉強をしています」
「お勉強は楽しいですか」
ここで、お母さんを見るお子さんがいます。どうやら勉強が楽しくないようで
すね。
しかし、そうはいえませんから、お母さんの顔を見て、そして、うつむいてし
まいます。
後で、親子関係が険悪になると困りますから、
「楽しいようですね。ところで……」
と話を変えます。
多くの子ども達に聞いても、受験準備は勉強だといい、女の子は「お勉強」と
いいます。
しかし、どういった勉強をしているかまでは、説明できません。
話の記憶から数量、推理・思考、図形、構成と勉強している領域は広く、取り
組んでいる内容も複雑だからです。
学校側は、何を聞きたかったのでしょうか。
それはともかくとして、教育の二文字から「勉強と学習」といった二つの言葉
が浮かんできます。
では、勉強とは、どのような意味があるのでしょうか。
辞書を引くと、こう書いてあります。
「1.そうする事に抵抗を感じながらも、当面の学業や仕事などに身を入れる
こと。
2.将来の大成・飛躍のために一時忍ばなければならない、つらい経験」
(「新明解国語辞典」三省堂 刊)
幼児期には、「つらい経験」はあまりさせたくないものです。
一方で、学習を辞書で引くとこう書いてあります。
「習い学ぶこと。とくに、学校などで系統的に勉強すること」
(岩波国語辞典第三版 岩波書店 刊)
この「習い学ぶ」ことから、キリスト、釈迦、マホメッドと共に、世界の四大
聖人である孔子の話を思い出します。
「論語物語」の中にある「うぐいすの声」です。
テーマは君子に関することですが、学習について、息子の鯉(お祝いに王様か
ら鯉をいただいたのが命名の由来だそうです)に説明するシーンがあります。
論語を研究したことはないのですが、印象に残っています。もしかすると私の
誤解であって、専門家の先生から叱責を受けるかもしれませんが、「わたくし
流」に解釈して紹介しましょう。
文言は正確ではありませんが、ダイジェストすると、こういった話になります。
早春の朝、庭を散歩する孔子が、「ホーホケキョ」と鳴くうぐいすの声を聞き、
息子の鯉に、「お父さんうぐいすが鳴いたね。今に、赤ちゃんうぐいすが鳴く
よ」というと、「ケッキョ!」と不器用に鳴く声が聞こえてきます。
「この赤ちゃんうぐいすは、親の鳴き方を一所懸命に真似て、繰り返し、繰り
返し練習するのだよ。赤ちゃんうぐいすにとって、学ぶということは、親の鳴
き方を真似するのであり、習うということは、何回も練習し、失敗を重ねるこ
とであって、やがて、親鳥のように、鳴けるようになるのだよ」
このように、幼児の教育は、「勉強」ではなくて「学習」ではないでしょうか。
受験勉強も「強いて勉める」のではなく、「学び習う」のが望ましく、また、
そうあるべきだと思います。
「そんなの理想でしょう。大人でも解けないような問題が出ていますよ。何で
あんなに難しい問題がでるのですか。できなければ合格しないということでし
ょう!」
そのような声も聞こえてきそうです。ごもっともですといいたいのですが、難
しい問題でも、きちんと段階を踏んでいけば、できるようになります。多くの
場合、取り組み方が間違っているからできないだけです。
歩けない我が子を、無理やり歩かせようとしましたか。
十分に“はいはい”をさせ、つかまり立ちができ、少し歩いてはよろけて倒れ
る、これを繰り返すことで、やっと歩けるようになったわけです。発育段階を
無視せず、一歩一歩、ゆっくりと時間をかけて見守った、あたたかい愛情があ
ったからではないでしょうか。
また、しっかりと“はいはい”をして筋肉を鍛えるなど、さまざまな条件を乗
り越えた結果でもありますが、そこには「歩きたい」と願う本能があり、その
ために試行錯誤をいとわない意欲や行動力があったからです。
知的な能力を培うのも、同じだと思います。
幼児が、いろいろなことを知りたがるのは、一人で生きていくための知恵を備
えるためではないでしょうか。
幼児が、一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことによ
って学習していきます。いわゆる「体験学習」です。記憶力も大切な能力です
が、知的な能力は、記憶だけに頼った勉強だけで、身につくものではありませ
ん。
一度泳げるようになると、十数年泳がなくても、泳ごうと思えば泳げます。と
ころが、英単語などは使わなければ、簡単に忘れてしまいます。泳ぎは、体が
記憶している中枢神経系統に、記憶は大脳神経系統に属しているからだといわ
れています。幼児は日常の家庭生活を通して、また、幼稚園や保育園、近所の
友達との関わりから、さまざまな能力が開発されていくのです。
さらに、幼児にとって大切なのは、「遊び」です。
幼児の遊びは、仕事です。
大人は仕事をするとき、報酬を考え取り組みますが、幼児の仕事には、金銭的
な報酬は何もありませんし、要求もしません。
しかし、一人で生きていくための知恵は確実に身につき、自立を促します。こ
こで言う「遊び」は、ゲームをやっていて、つまらないからやめるといったよ
うな遊びとは違います。ですから全力をあげ、夢中になって取り組んでいるの
です。
遊びには、一人遊びと仲間遊びがありますが、ここでは、一人遊びを考えてみ
ましょう。
一人遊びを見ていると、子どもが夢中になっている様子がよくわかります。
それも道具は、ウルトラマンと怪獣の人形だけで、大激戦が繰り広げられてい
ます。
番組を撮影する監督も顔負けの映像が、子どもにはリアルタイムでポンポンと
浮かんでいるのでしょう。
子どもの想像力や空想力は、大人の比ではありません。
台本を書いて、セットを組み、主演から脇役、対戦相手の怪獣、そして本人し
かわからない奇妙な効果音まで流し、監督までやっているのですから驚きです。
しかも、こんなにすごい想像力を働かしながらも、もっとおもしろく遊べる方
法はないものかと工夫しています。
ですから、子どもは遊びに夢中になれるのです。
どうしたらもっと面白くなるかと、いろいろなアイデアを考え、その中から、
「これが、いいぞ!」
と選び、遊びの場に引き出します。
やってみたところが今一だとすると、
「なんだ、おもしろくないな。カット、カット!」
と駄目出しをして、また新しい台本に挑戦し始めます。
「考え、実践し、評価し、新しい遊びを見つける」、幼児の遊びは、これの繰
り返しで、そこから新たな力が育まれていきます。
まさに大人顔負けのPDCAサイクルですね。
しかも、だれも教えていません。すごいことです。
教えてくれなくても、こんなに夢中になって取り組めるのです。
それは、一歩でも前進したい本能的な要求であり、そこから得た知恵が、自力
で生きる力になっているからです。
こういったすばらしい潜在能力を利用しない手はないと思います。
幼児の教育は、「体験学習」で培われ、「教えない教育」に基づいたものであ
るべきだと思います。
「教えない教育」とは、本人が教わっていると思わずに、たくさんのことを学
んでいる教育のことです。
赤ちゃん時代から、お母さん方の育児の姿勢は、「体験に基づいた教えない教
育」に徹してきたはずです。
言葉を語りかけたとき、おむつを外したとき、スプーンやはしを使えるように
したとき、恐い顔をして、教え込んだでしょうか。
失敗しても怒らない、できるようになるまで「忍の一字」で待ってあげたはず
です。
「うちの子は、まだできないから」
ときちんとお手本を見せるという愛情があったからこそ、お子さんもそれに応
えて成長したのではないでしょうか。
受験準備も同じです。
できる、できないだけにこだわらず、どうすれば楽しく学習できるか、一緒に
考えてあげましょう。
それには、遊びの感覚を取り入れることです。
机の上で問題集を広げてする受験勉強は、基本的な力が備わっていなければ、
苦痛になるだけです。
お父さんやお母さんとの学習が面白ければ、そして楽しければ、お子さんは、
一所懸命に挑戦するはずです。
受験勉強の第一歩は、ここから始めるべきだと思います。
暑さに負けず、昆虫採集や外遊びをする子ども達を見かけます。水筒を持って
いますが、帽子をかぶっていない子がいます。お子さんはいかがですか。
外から帰ってきた時は、手洗い、うがいを励行してください。良い習慣は、毎
日の積み重ねから身につくものだからです。
(次回からは、「家庭でできる楽しい受験準備」についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>お子さんは、幼稚園(保育園)で、どのように評価されていますか。
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「めぇでる教育研究所」発行
「2024さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>」
現年中児のお子様をお持ちの方々へ
2024年度入試(2023年秋に実施)を成功に導く手引きです。
★第4号★
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
お子さんは、幼稚園(保育園)で、どのように評価されていますか。
前号に続き、第二は、社会性や協調性といった集団生活への適応力です。
小学校は集団生活ですから、社会性や協調性が育まれていなければ、スタート
でつまずくことになりかねません。しかも、こういった能力は、多くの場合、
ご家庭で培われるものです。
ある年の光塩女子学院初等科の説明会で、
「行動観察のテストでのお子さんの様子は、日頃、かかわりのある周囲の大人、
特に、ご両親の社会性や付き合い方が反映されるといわれています。明るく、
けじめのある付き合いができるかどうかが表れるからです」
とおっしゃっていましたが、まさにその通りではないでしょうか。
長年、幼児教育に携わり、教えられたのは、「お母さん方の子どもに与える影
響力には、計り知れないものがある」ことです。
共働きが増え、子育てもご両親分担される家庭が増えています。
それでも、幼児期はお母さん方の育児の姿勢次第で、子どもは育つといっても、
決してオーバーな表現ではありません。それほど、お母さん方は、絶対的な力
を持っています。そのことを、お母さん方自身が、強く意識してほしいと思い
ます。お子さんのために。
では、どういった子育てが集団生活への適応力を育むのでしょうか。また、育
まないのでしょうか。
以下「お母さん」と書いてありますが、「お母さん」を「お父さん」に置き換
え、ご両親ともにチェックしてみましょう。
◆チェックシート(1)
[チェック方法]
はいの場合[○] いいえの場合[×] どっちともいえない場合[?]
1.お子さんのやっていることを見ていると手を貸しがち。 [ ]
2.お子さんのやっていることを見ていると口を出しがち。 [ ]
3.他人の子どもはちっとも可愛くない。 [ ]
4.けんかの原因をわが子だけから聞き、相手に談じ込む。 [ ]
5.公開模擬テストの偏差値に何が何でもこだわる。 [ ]
6.入試に関するうわさが気にかかり心を痛める。 [ ]
いろいろと出ましたが、全部[×]であれば、理想的なお母さんになれますが、
いかがでしょうか。
[?]は、若干、その気配があるかもしれないという場合です。
5.6.については、今の段階では関心はないと思いますが、来年の今頃は、
おそらく心を悩ますことになるかもしれませんので、覚えておいてください。
少し、解説しておきましょう。
[1.過保護型のお母さん]
こういったタイプのお母さんに育てられると、お母さんが何でも手伝いますか
ら、お子さんは、我慢をするといった忍耐力に欠け、わがままになりがちです。
何事も自分一人で取り組む機会が少ないために、工夫する力、想像力や独創力
が育ちにくく、基本的な生活習慣も身についていない場合が多いですから、集
団生活への適応力にも、不十分なところがありがちです。
[2.過干渉型のお母さん]
「こうしなさい」「ダメ」「早くしなさい」など、命令、禁止、要求、抑制の
言葉が多い環境のため、自立心や自発性、積極的にやろうとする意欲が育ちに
くく、何かをするときに、お母さんの指示を待つ消極的な子どもになりやすい
ものです。
[3.溺愛型のお母さん]
お母さんの愛情を一身に受け幸せそうですが、愛情を注ぐお母さんが、情緒不
安定な場合が多く、そのため叱られはしないかと、絶えずお母さんの顔色を見
る子になりがちです。大人の前ではよい子でも、子どもらしさに欠け、陰で弱
い子をいじめるといった問題を起こす子どもになりやすいといえます。
[4.自己中心型のお母さん]
「学校が、先生が、友達が悪い!」と、何かにつけて他人のせいにし、責任を
取ろうとしませんから、子どもも真似をし、社会性や協調性に欠け、集団生活
になじめず、孤立する恐れがあります。いわゆる「自己中心型」のお母さんで
す。小学校が、もっとも歓迎しないお母さんです。いわゆる、モンスターペア
レント、モンペですね。
[5.知育偏重型のお母さん]
子どもの生まれ月、月齢や発育段階を考えずに、能力以上のことを要求するた
めに、何事にも自信が持てず、極端に失敗を恐れ、落ち着きがなく、積極的に
取り組む意欲が表れにくい子になりがちです。お母さんは、「何回言ったらわ
かるの!」などの言葉が多くなるようです。
[6.付和雷同型のお母さん]
親が選んだ受験にもかかわらず、「コネ次第」「出身者有利」「職業で決まり」
などいった怪情報、噂などに振り回され、「わが子をみてください」といった
信念がないため、親子で受験地獄に陥りやすいといえます。「○○ちゃんは、
できるのに…」といった比較する言葉を不用意に使い、お子さんの心に傷を残
すことになりがちです。
いかがでしょうか。
気の弱いお母さん方にとっては、気が滅入ってしまうような言葉ばかり出てき
ましたが、実際には、こういったお母さん方が、いるわけではありません。お
母さん方の心の中に潜んでいるのではないかと思われる、“潜在的な欲求”を
表したものです。これらが表面に出るか、きちんと押さえこむことができるか
で、お子さんの社会性や協調性は、培われていくものです。それが学校側のい
う育児の姿勢なのです。
公立、私立を問わず、小学校では、「知育・徳育・体育の三つの能力が、年齢
にふさわしく、バランスよく育っている気力のある子」を求めています。こう
いったお子さんに共通しているのは、社会性や協調性といった集団生活への適
応力がきちんと身についていることです。ご両親がバランスの取れた育児を心
がけた結果といえるわけです。バランスのよい育児とは、紹介しました6つの
タイプに偏らない育児のことです。
次に、日常生活で、どのような育児が行われているかをチェックしてみましょ
う。
偏った育児になっているかどうか、これだけでも判定できます。
◆チェックシート(二)
[チェック方法]
今回は、○か×で判定してください。
1.ご両親であいさつをしていますか。 [ ]
2.お子さんはご両親の話をきちんと聞いていますか。[ ]
3.お子さんの話をきちんと聞いてあげていますか。 [ ]
4.お子さんに呼ばれて「ハイ」と答えていますか。 [ ]
5.お子さんが何かできるようになったとき褒めていますか。 [ ]
6.お子さんが悪いことをしたときに本気になって叱りますか。[ ]
7.何かお手伝いをさせていますか。 [ ]
8.お子さんは約束を守っていますか。[ ]
9.本を読んであげていますか。 [ ]
10.「なぜ、どうして」に答えてあげていますか。[ ]
11.指示はきちんと出していますか。 [ ]
12.お子さんが泣いても「駄目なことは駄目」といえますか。 [ ]
13.「おんぶ」をせがまれると、いつでもおんぶしていますか。[ ]
14.「早くしなさい!」という言葉が多くありませんか。 [ ]
15.何か欲しがったときにはすぐに与えますか。[ ]
16.お子さんに好き嫌いはありますか。 [ ]
17.お子さんがテレビのチャンネル権を握っていませんか。 [ ]
18.じっと座っているのを苦手としていませんか。 [ ]
19.遊んで帰ってきたお子さんの洋服の汚れが気になりますか。[ ]
20.叱った後、後悔することはありますか。[ ]
チェックする項目は、望ましい育児の姿勢を中心に作ってみました。
[1]から[12]までは「はい」、[13]以降は「いいえ」が理想ですが、
いかがでしょうか。今度は、どちらともいえない「?」のマークはありません
が、是非とも、ご両親で頑張ってほしいことだからです。
前回お話しました生活習慣や、こういったことを毎日の生活の中で、ご両親が
心がけていけば、自ずと集団生活の適応力である「社会性」や「協調性」は培
われ、学校側の歓迎するお子さんに育つものです。
心配な点がありましたら、幼稚園や保育園の先生に、「私どもの子どもは、集
団生活に何か問題はないでしょうか」と聞いてみましょう。
「少し、問題があるようですね」といった答えがあった場合は、「大変、問題
がある」と考え、ご両親の育児の姿勢をチェックする必要があると思います。
ところで、幼児教育に携わる者にとって、モンテッソーリの著書は必読の書で
すが、ある著書の中に、こういった言葉があります。
「親や教諭は、自分の考えや力で子どもを支配してはいけない。今、こ
の子に何をしてあげるべきか、何を成すべきではないか、ということを
知らなくてはならない。子どもが、今、成すべきこと、今、成し遂げる
べきことを、自力でさせてあげることだ」
ここから、相良敦子氏の「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」(講談社)
という名著が生まれたのですが、この本の題名のように、基本的な生活習慣や
集団生活への適応力などは、子どもが一人でできるように、一人で参加できる
ように手伝う姿勢が、大切ではないでしょうか。「命令と強制」だけでは、こ
ういった適正能力は育まれません。
なお、この本は、白百合学園小学校を受験されるお母さん方、特に、モンテッ
ソーリ教育に縁がなかった方には、是非、読んでほしいと思います。すると、
なぜ、本学園の入学試験の難易度が高いかがわかるからです。
注 マリア・モンテッソーリ
イタリアのローマで医師として精神病院で働き、知的障害児へ感覚
教育を実施し知的水準を上げる効果をみせ、1907年に設立した貧困
層の健常児を対象とした保護施設「子どもの家」において、独特の教育
法を完成させた。以後、モンテッソーリ教育を実施する施設は「子ども
の家」と呼ばれるようになった。 ウィキペディア フリー百科
事典より
夏はこれからが本番です。夏休みになっても、通園中と同じようにタイムスケ
ジュールをきちんと守り、楽しく生活できるよう心がけましょう。
(次回は、「幼児に必要なのは、勉強ではなく学習です」
についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>基本的な生活習慣
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「めぇでる教育研究所」発行
「2024さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>」
現年中児のお子様をお持ちの方々へ
2024年度入試(2023年秋に実施)を成功に導く手引きです。
★第3号★
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
お子さんは、朝起きてから寝るまで、どのくらいのことを自力でできますか。
まず、基本的な生活習慣のことです。
一言でいえば、「誰の世話にもならず、自力で生きていくために培われた、年
齢にふさわしい適応能力」のことで、食事・睡眠・排泄・清潔感・衣服の着脱
の5つが基本といわれています。
これは皆さん方が、今まで手がけてきたことばかりではないでしょうか。
おそらく、3歳頃からお子さん自身が自分でやる機会も増え、できることも増
えていったと思います。
その時から賢明なお母さん方は、手を抜き始めたのではないでしょうか。
お子さんの自立の始まりです。
ですから、3歳を過ぎても子どものやっていることをみて、手を貸そうとすれ
ば過保護であり、口を挟もうとすれば過干渉の育児になり、実際に手を貸し、
口を出していると、いやな言葉ですが、超過保護であり、超過干渉の育児にな
りがちで、お子さんの自立は阻まれてしまいます。
お子さんを取り巻く環境はいかがでしょうか。
20項目あげてみましたが、早生まれのお子さんでは、まだ無理なことも入っ
ていますし、今の時点でこれらのすべてが、きちんとできていなければいけな
いということではありません。
受験を考えていないお子さんの場合は、年長になる来年の4月をめどにして間
に合いますが、受験されるお子さん方には、少し厳しくなりますが、幼児教室
の新学期が始まる、今年の11月を目安にして頑張ってみましょう。
目的は、自立心を養うことです。
幼児教室では、手のかかるお子さんは歓迎されませんし、入室テストで断られ
ることもあるからです。
1.毎朝一人で起きられますか。
2.歯磨き、洗顔を一人でできますか。
3.風呂で体を洗い、洗髪できますか。※
4.衣服の着脱はできますか。
5.ボタンの掛け外しはできますか。
6.食事は一人でできますか。
7.箸やスプーンの持ち方に気になることはありますか。
8.食事に時間はかかりますか。
9.幼稚園へ行くときの準備は一人でできますか。
10.幼稚園から帰ってきたとき一人で着替えができますか。
11.外から帰ってきたとき、手洗い、うがいはできますか。
12.おもちゃ等遊んだものを片付けられますか。※
13.自分の身の回りの整理整頓はできますか。※
14.ハンカチやティッシュペーパーを使えますか。※
15.はさみで形の切り抜きができますか。
16.ひもを結べますか。(かた結び)※
17.靴をはくことができますか。
18.玄関で靴をそろえて脱げますか。
19.毎朝、決まった時間にトイレに行っていますか。
20.早寝、早起きをし、睡眠は10時間以上とっていますか。
※は無理をしないことです。
3.洗髪は、幼児には大事業ですから急がせる必要はありません。
毎年、年長の夏に2泊3日の合宿に出かけていた頃の経験ですが、いやがる男
の子には、耳をしっかりと押さえさせ、シャンプーも少しだけつけてすばやく
洗ってあげると、意外に「何だ、ぼくにもできる!」となり、合宿から帰って
きたわが子の変わった様子に驚かれるお母さん方がいましたが、怖がるからや
らせなかった場合が多いものです。
7.箸を正しく持ち、他人の世話を受けずに食事ができることは、排泄と共に
集団生活でも最も大切なことです。
立教女学院小学校の説明会で以前、「今年も箸を使うような問題が出たとして
も、できるだけ速く物をはさみ移動させることを競っているのではなく、生活
習慣としてみせていただきます」とおっしゃっていましたが、箸をきちんと持
って食事のできるお子さんは、筆記用具を正しく持てていますから、お母さん
方の育児の姿勢、しつけがわかるわけで、決してタイムを争わせているわけで
はありません。
筆記用具の持ち方は書写の基本であり、小学校の勉強の初めの一歩につながる
大切な適正能力です。「点図形模写」などの出題の意図はここにあるのです。
11.幼児にとっては難しい習慣で、これこそご両親がしっかりとお手本を見
せることが大切です。
インフルエンザの予防のために、うがいを励行されたと思いますが、これが習
慣になっているようですね。
「外から帰ってきた時は、手を洗いましょう」は、清潔感を身につける大切な
習慣です。
13.整理整頓ですが、男の子は苦手ですね。
「まだ、小さいから、今にできるようになる」と思っているようではできるよ
うになりませんし、その度にうるさく注意するだけでは身につきません。
整理の仕方がわからない場合もあります。
「君は、まだ小さくてできないから、先生が手伝うよ」と一緒に片付けている
と、それが習慣になって1ヶ月もしないうちに自分から片付け始める子もいま
す。
おもちゃを箱に乱雑にしまう子は、片付ける手順がわからない場合が多いもの
です。
文句を言う前に、なぜできないのか、その原因を考えてあげましょう。
我が家の長男も片付けが苦手でしたが、長女が「こうするのよ!」と言っては
やらせていました。女の子は、小さい時からお母さんをしっかり観察して、真
似をしていますね。ままごと遊びをしているお子さんを見て、赤面することは
ありませんか(笑)。
そして、お父さん方に一言、「置きっ放しにしないで! だらしがないんだか
ら」などとお母さん方から苦情が出ていませんか。出ている場合は、反省して
ください。
お母さん方へも一言。お子さんの前で、こういった乱暴な言葉は、絶対に使わ
ないでください。
小さい時から、父親の存在をないがしろにする言動は、厳に慎むべきです。
子ども達は、強いお母さんを歓迎しているわけではありません。言われたお父
さんより、聞いている子ども達の方が、大いに傷つくことを忘れないでくださ
い。
同様に、お父さん方、お母さんに乱暴な言葉を投げつけるのは、やめましょう。
14.男の子は、手でこすって始末したり、ズボンで拭いたりしがちですが、
どうしてティッシュペーパーやハンカチを使うか、時間をかけて教えましょう。
衛生感覚を身につける大切な生活習慣です。
15.こういった手作業、関係のないように思えますが、切る、折る、貼ると
いった作業は、自立心と深いかかわりを持っています。
誰の手も借りずに、はさみを使えることは、脳と筋肉が、ある目的のために、
自主的に共同作業をやっていることになるからです。
自らやろうとする意欲の育まれていることがわかりますから、出題されるので
す。
こういった基本的な生活習慣の身についている子は、試行錯誤を積み重ね、工
夫し、努力をしていますから、自立心や自発性が培われ、それが集団生活への
適応力を育むもとにもなっているのです。
さらに、加えておきたいのは、「あいさつができますか」ということです。
「おはようございます」「いただきます」「ごちそうさま」「いってきます」
「ただいま」「ありがとう」「ごめんなさい」「おやすみなさい」は、ご両親
が率先して行うことで、きちんと身につくものです。
特に、「ありがとう」「ごめんなさい」と素直にいえる子は、情緒も安定して
います。
あいさつは、人とのかかわりをスムーズに行うための潤滑油であり、次回にお
話します、集団生活への適応力にも大きな影響を与えるものです。
基本的な生活習慣は、自力で生活できる適応能力のことです。
小学校の入学試験は、「初めての所へ行って、初めて会った同じ年の子ども達
の中に入り、初めて会った先生の言うことを聞き、適切に対応できるか」を判
定されることであり、頼りになるのは自分自身だけで、誰も助けてくれません。
「子離れできないお母さん」「お母さん離れのできないお子さん」では、入学
試験に対応できないことをご理解いただけたのではないでしょうか。
どこの学校でも、「基本的な生活習慣が身についているかをみたい」といって
いるのは、「適応能力」が身についているかを知りたいからです。
最近の説明会でよく聞く、「当たり前のことが当たり前にできない」の意味は、
知的な能力ではなく生活習慣のことです。
まず、こういったことからしっかりと育てていくことが、合格への道を歩むこ
とになるのです。
ただし、繰り返しお願いしておきますが、お子さんの生まれ月を無視すること
は、成長を阻害するおそれもありますから、慎重に取り組んでいただきたいと
思います。
もうすぐ夏本番です。お子さんの健康管理には十分に気をつけてください。
(次回は、集団生活への適応力についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>先手必勝といっても、あおっているのではありません
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★第2号★
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先手必勝といっても、あおっているのではありません
創刊号を含めて10月まで20回近く配信できますが、この間に家庭でやらな
ければならないことをしっかりと行い、身につけることができれば、11月か
ら始まる幼児教室の新年長クラスでの学習は、お子さんにとって楽しい教場と
なるはずです。
これから6つのことについてお話しますが、どれから始めるかといった優先順
位はありません。
子ども達は幼稚園や保育園で、国語、算数、社会といったように、教科別に時
間を区切って学習しているわけではありませんが、あらゆる事柄に、先生や友
達と様々な関わりを持ちながら学んでいますから、ご家庭でも臨機応変に取り
組んでいただきたいと思います。
★お子さんは、自力でどのくらいのことができますか。
基本的な生活習慣のことです。
朝起きてから夜寝るまで、お母さんはどのくらい手を貸しているでしょうか。
「自力でできることがたくさんあるお子さんの知的な能力は高い」といわれ
ています。
また、3歳過ぎてお子さんのやっていることを見て手を貸し、口を出すのは、
過保護、過干渉の育児といわれ、お子さんの自立を妨げます。
皆さん方はいかがでしょうか。
★お子さんは幼稚園や保育園へ通うことを楽しみにしていますか。
社会性や協調性といった集団生活への適応力です。
光塩女子学院初等科の説明会では、社会性のお手本はご両親とおっしゃって
いました。
「少し元気がありすぎるようですね」などといわれていませんか。
「元気な子と無作法な子は違う」「明るい子とけじめのない子も違う」とも
いわれていますが、お子さんはいかがですか。
★お子さんはお母さんの目を見て話を聞き、話をしていますか。
話の聞ける子は相手の目を見ていますが、その瞳は輝いています。
話をする子の表情は、いつも楽しそうです。
幼稚園や保育園、外から帰ってきたときに、「ママ、あのね!」と話しかけ
てきますか。
そして、きちんと聞いてあげていますか。
後で詳しくお話ししますが、「小学校の入試でもっとも大切なこと」と覚え
ておいてください。
★折り紙やあやとり、点図形やお絵描きに興味を持っていますか。
色を塗る、紙を切る、折り紙を折る、紐を結ぶ、糊で貼る、箸で摘むなどの
手作業は、その年齢にふさわしい発達を遂げるもので、その時期を逃すと苦
手意識を持ち、手をださなくなるともいわれています。
また、点図形は、書写の基本練習にもなっており、多くの学校で出題されて
いる訳は、ここにあるのです。
絵は心の窓ともいわれ、描かれた1枚の絵からお子さんの情緒の発達状態も
わかります。
入試問題に絵を描かせる学校が増えていますが、絵はスケッチブックとクレ
ヨンを与えて、すぐ描けるものではありません。
また、「手は第二の脳」ともいわれ、知的な能力の発達と深い関わりを持っ
ています。
お子さんは、「塗る・切る・折る・結ぶ・貼る・摘む・書く・描く」といっ
た手作業に興味を示していますか。
★数量に関して直感力は働きますか。
入学試験というと数量の問題が重視されているようですが、子ども達は数字
を使い加減乗除で答えを出すわけではありません。
直感で多少を見極めることから始め、○を使って答えを求めます。
お子さんに、クッキーが3つと5つの入った皿を見せ、「多い方を食べてい
いですよ」といったとき、数えることなく5枚のクッキーの入った皿を取る
ことができるでしょうか。
また、容量が同じ2つのコップの一方に、少しだけ多く入れておき、「多い
方を飲んでいいですよ」といったとき、さっと多い方のコップを取れるでし
ょうか。
これは、決して卑しいことではなく、「about(アバウト) おおよそ
の感じ=直感力」で判断した結果で、数量に関しては、まず、こういった直
感力が働くことから始まります。
お子さんは、いかがでしょうか。
★5分も歩かないうちに「おんぶ!」などといいませんか。
現代の子は、スタミナ不足といわれています。
なぜ、赤ちゃんは「はいはい」を繰り返し、繰り返しするのでしょうか。
ご存知のように、やがて歩き始めるための筋肉の鍛錬になっているのです。
幼児期には、敏感期といわれる「もっとも著しく発達する時期」があります。
言葉の敏感期を逃すと、映画に出てくる動物に育てられた子供のように話の
できない人間になってしまいます。
筋肉も同じで、身体全体を使い、遊ぶことで発達するものです。
小学校に入ると余分なエネルギーをかけない省エネ運動を覚えますが、幼稚
園、保育園時代は全力で身体を動かします。
お子さんは、部屋で一人だけで遊ぶ省エネ運動に入っていませんか。
以上6つの項目を挙げてみました。
問題がなければ、ご両親の育児の姿勢にぶれはなく、お子さんは順調に育って
いるといえます。
「入学試験を控えている子どもにとって、知的な能力を鍛える項目がないよう
に思えますが」と心配なさる方もあるかもしれません。
ご安心ください。
こういったことがきちんとできるお子さんの知力は、十分に発達しているもの
です。
なぜなら、こういったことはすべて、自力でやらなければ身につかないことば
かりで、そのためには、試行錯誤を積み重ね、考え、工夫し、自発的に挑戦し、
自分のものにしているからです。
「自分のものにする」、これは幼児が自力で身につけた知恵です。
その知恵を土台にして、知的な能力は発達していくものです。
お母さん方、もしくはお父さん方も得意な料理は、レシピを見ないで、調味料
も計量カップを使わずに、作っているのではないでしょうか。
試行錯誤の結果、お子さんやご家族が好む料理にできあがっているはずです。
それと同じです。
知的な訓練だけを先行させるのは、ともすると、その時期に必要な成長を支え
る、大切な手順を抜くことになり、なかなか理解できないことが起きがちで、
そこから苦手意識が幅を利かせることになるのです。
「プロセスの重視」、幼児の学習は育児と同様、プロセスをなおざりにするこ
とはできません。
かつて桐朋小学校の説明会で、「私どもは試験といえどもプロセスを重視して
います」とおっしゃったことがありますが、皆さんはどうお考えでしょうか。
来週から、6つの領域の基本的な学習のプロセスについてお話していきたいと
思います。
(次回は、「基本的な生活習慣」についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>創刊号
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- 年中から挑戦される皆さんへ -
小学校の入学試験は、文字も数字も使わずに、でも、かなりハイレベルな問題
で構成されています。
例えば、どこの学校でも出題されている「話の記憶」は、あらかじめ録音され
たナレーションを聞き、物語の内容を理解し、設問に答えますが、その内容は
小学校の中学年から高学年にかけて学ぶ「長文読解」に匹敵するほど難しいも
のです。
また、「数量の領域」では、1年生で学ぶ足し算、引き算、2年生で学ぶ掛け
算、3年生で学ぶ割り算、4年生で学ぶ分数まで出題され、数字や加減乗除の
記号(+-×÷)を使わずに、ただ○を書いて答えます。
こんなにも難しいことに挑むにもかかわらず、ペーパーテストには、答えは全
て、イラストなどで描かれていますが、設問はどこにも書かれていません。で
すから、話を聞く力が備わっていなければ、どうにもならないのが小学校の受
験なのです。
こういった情報は、市販されている過去の問題集、いわゆる過去問などに詳し
く紹介され、行きわたっていますから、受験を考えられている保護者の皆さん
方も、よく理解されているのではないでしょうか。
そのためでしょうか、家庭学習をしっかりやり、年長の夏休みから幼児教室へ
通う、短期合格達成型、こんな言葉はありませんが、このように考える保護者
の方が増えていることも確かでしょう。
ただ、現場の先生方から「もう少し早く教室へきてくれさえすれば」と悔やむ
声を耳にすることが少なからずあります。何が足りなかったのでしょうか。
これは、小学校の入学試験の難しさを表したもので、いやな言葉ですが、知的
なレベル、偏差値が高いだけでは、合格は不可能だということです。一昔前は、
「出身者有利」「コネがあるから」など怪情報、妙な噂があったのですが、そ
ういったことではなく、学校側の求めている子は、「知育・徳育・体育の3つ
の能力が、年齢相応にバランスよく育まれている子」なのです。
ある年の聖心女子学院初等科の説明会で「聖心の求める子ども像」をこうおっ
しゃっていました。文言は正確ではありませんが、紹介しましょう。
・心身ともに健康で子どもらしい子。
・身の回りのことをきちんとできる子。
・人の話をきちんと聞ける子。
・じっくりと取り組む根気のある子。
・友達と仲良くできる子。
・わがままを言わず我慢のできる子。
そのためには、以下のことを大切にしてほしい。
・実際に体を動かし、いろいろな体験を積むこと。
・心を安定させること。
・他人を大切にすること。
・褒めて子どもを育てること。
・規律正しい態度を育てること。
・どんな時でも笑顔で明るく挨拶すること。
・過ちをしたときには、素直に謝ること。
「人の話をきちんと聞くことができ、身の回りのことをきちんとできる子」と
は、基本的な生活習慣が身に付いている子であり、「規律正しい態度を育てる
こと」とは、そういったことを心がけて育児をする保護者のことなのです。
基本的な生活習慣とは、「他人の手を借りずに自力でできなければならないこ
と」であり、それは「規律正しい態度を育てるご両親から育まれる」からです。
こういった大切なことが等閑(なおざり)にされているように感じることがあ
ります。学校側も説明会で、「当たり前のことが当り前にできないお子さんが
増えている」と指摘しています。
例えば、あるミッション系の女子校の説明会で、「箸の正しい持ち方」をスラ
イドで上映しながら紹介し、「今年度、あえてこの場で申し上げますが、もし、
テストの中で箸を使う場面がございましたら、箸で物を運ぶ速さを競っている
のではなく、正しい箸の持ち方ができているかを見ていることをご理解頂きた
い。テストの趣旨はそこにあります。日本の文化でもある箸の使い方を、きち
んと身に付けてほしいと考えます」、文言は正確ではありませんが、こうおっ
しゃっていました。箸の持ち方がおかしければ、筆記用具の正しい持ち方にな
っていません。食事は日に3度のことであり、お母さん方の育児の姿勢がはっ
きりと表れるわけです。
また、入試の問題に「点図形模写」がありますが、模写は書写の基本ですから、
背を伸ばし、きちんとした姿勢で、正しく筆記用具をもって書いているかがわ
かるから出題されているのです。
学校側のいう「当たり前のこと」とは、こういった基本的な生活習慣をきちん
と身に付けることなのです。
問題集に取り組む前に、やっておかなければならない「育児の基本」なのです。
その準備期間を7月から10月の4ヶ月に絞り、どういったことを心がけてご
家庭でやっていかなければならないかを、過去に出題された問題などを紹介し
ながら進めていきますから、納得して頂けると思います。
何事も「はじめの一歩」が大切です。しっかりと基本的な生活習慣を身に付け、
11月からの本格的な学習に、無理なく、より効果的に臨めることを願い発信
するのが、本メールマガジンの狙いです。
「ゆっくり、じっくり、確実に」を目標に、来年の秋には志望校から招待状を
頂けるよう、微力ながらに応援致します。一緒に頑張りましょう。
めぇでる教育研究所 職員一同
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