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2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★志望校選びの10のチェックポイント(2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第52号)
  年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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志望校選びの10のチェックポイント(2)
 
★説明会情報★
7月5日は、舎長が交代した慶應義塾幼稚舎の説明会です。
 
[四]宗教教育について
 第四は「宗教教育に、何を期待しているか」です。
 
「宗教教育について、よく分からないのですけれども」とか「信者でなければ
いけないのでしょうか」とおっしゃる方がいます。
宗教教育、例えば、キリスト教の場合は、キリストの教えに基づいた教育が行
われますから、入学試験に際しても、信者でなければ不利といった噂のもとに
なっているようです。
本来、ミッション系の学校は、宗教を布教することを目的としていますが、だ
からといって、信仰を強制することはありません。
「在学中に洗礼を受けなければならない」といった怪情報もあるようですが、
それも単なる噂に過ぎません。
説明会でも、
「信者でなくても結構ですし、お坊さんや神主さんのお子さんもいます。国籍、
宗教、学歴、職歴、一切、関係ありませんが、条件といえば、日本語がわかる
ことです」
とおっしゃっています。
入学後、お子さんは、キリストの教えにしたがった生活を始めます。
例えば、食事の際にお祈りをしますが、その時に、「私は知らん」と、勝手に
食事をしてもらっては困るということであり、学校の行事は、イースター、み
こころ祭のように、宗教が中心となっていることを了解してほしいといったこ
となのです。
また、信者でない方のために「宗教講座」などを設けて、親子で学んでほしい
といっていますから、何ら心配はありません。
 
それよりも大切なのは、宗教教育を通して、お子さんに何を学ばせたいかなの
です。
皆さんは、お子さんを育てるときに、
「嘘をついてはいけません」
「自分のことは自分でしなさい」
「人に迷惑かけてはいけないよ」
「ありがとうという気持ちを大切にしようね」
と、常々、いっているのではないでしょうか。
これは、みんな宗教教育の基礎、基本です。
キリスト教にしても、イスラム教にしても、仏教にしても、全ての宗教に共通
している教えです。
キリスト教は愛を、イスラム教は施与(施し与えること)を、仏教は慈悲の心
を教えると考えるとわかりやすいでしょう。
 
こういったことを大切にしていれば、学校側のいう「ご家庭の育児の方針と学
校の教育方針が一致していること」になるのです。
 
最近では、価値観の多様化する世の中で、小さい時から絶対的な価値観、例え
ば、幼稚園で、「これは白色です」と教わったことは、大学へ行っても変わら
ない指導を受けられる教育、「心の教育」といいますか、そういったブレのな
い建学の精神に基づいた教育を受けさせたいと考えるご両親が増えていること
も確かです。
知識だけを詰め込む知育偏重型から、感情と意志を育む情意育成型の教育、こ
れが私学の大きな特徴でもあるわけです。
 
宗教教育について、非常にわかりやすい話があります。
15、6年前に、あるミッション系の学校の説明会で聞いた話で、文言は正確
ではありませんが紹介しましょう。
この学校は日記指導に力を入れているのですが、ある年のこと、一年生が絵日
記に、 
「昨日、お父さんとお母さんがけんかして、私は、さみしかったです」
と書いてきたそうです。
読んだ先生は、一年生の子が「さみしかった」と表現したことに感激して、五
重丸の花丸をつけて返しました。
喜んだ子どもは、家に帰って来て、
「ママ、見て!」
と嬉しそうに見せたものです。
ほめられると思っていた子どもは、お母さんから、
「あなたは、なぜ、こんなことを書いたの!」
と怒られてしまいました。
日記を書くもう一つの目的は、「嘘をついてはいけない」ことを教えることな
のです。
日記を通して、宗教教育を実践しているわけです。
「昨日、帰ったら、ママに叱られました」
と、子どもは、正直に書くわけです。
すると、もっと大きな花丸がついて返ってきたので嬉しいのですが、お母さん
には、もう見せません。
怒られるとわかっていますから。
後日の父母会の折り、お母さんは先生から、
「この間、こういうことがあったのではないでしょうか。実は、私たちは、作
文を通して、子どもに嘘をいってはいけないと教えています。正直に書いたお
子さんを叱るのは、お母さんが、『都合の悪いことは嘘をついてもいいのよ』
というのと同じではありませんか。『嘘をついてはいけない』というのが私達
の教育の基本ですから、ご家庭でも、これをきちんと守ってください」
 
いかがでしょうか、これはわかりやすい話だと思います。
宗教教育は、学校の礼拝堂や日曜学校の教会でお祈りをして讃美歌を歌うとい
った表面的なことではなく、日常生活に、限りなく密着しているわけです。
 
また、説明会で、讃美歌を歌い、牧師さんの講話(聖書の話)を聞き、お祈りを
し、「アーメン」と唱和する学校があります。
教会へ一度も行ったことがなくて、ミッション系の学校を希望されるお父さん
方に、是非とも参加してほしいのです。
それは、青山学院初等部の説明会です。
第2回目の学校説明会は、9月6日(土)に米山記念礼拝堂で午前9時30分
から行われますが、 セキュリティーの都合上、運転免許証、健康保険証など
氏名と住所を確認できるものを持参することになっています。
違和感を覚えたら、志望校選びを真剣に考え直すべきでしょう。
最近では、立教小学校も「開会(閉会)礼拝」を行っていますが、「アーメン」
と唱和される方は少ないですね。
今年も2階の隅っこで聞いていましたが、手を合わせ瞑目するお母さん方は、
いませんでした。
昨年は新任の若いチャプレンが「キリスト教信仰にもとづく愛の教育」について、
およそ15分、熱心にお話しされました。信者にするために入学させる方は少
ないでしょうから、「信者になることを強制される」といった誤解が生じるの
ではと思いましたが、今年はわずか5分ほどでした。
前任のチャプレンは、「宗教の香りのする学び舎」といっていましたが、何と
なく思いは伝わってきませんか。
かつて、あるミッション系の説明会で校長先生は、「信者でない方々に宗教上
の儀式、お祈りなどを強制するのはいかがなものか考え、私どもはやりません」
と言っていたことを思い出しました。
宗教の香りは、入学後から、ほのかに漂ってくるものではないでしょうか。
 
[五]通学距離と所要時間
次は、「通学距離と所要時間」についてです。
 
国立大学附属小学校の場合は、地域指定や通学時間に制限がありますから、条
件を満たさない場合は、受験できません。 
私立でも、桐朋小学校は通学地域を指定し、所要時間は60分以内、乗車時間
は40分程度、乗り換えは2つまで、桐朋学園小学校も50分程度、雙葉小学
校は1時間以内、入学後引越しされてもこの条件を守ることになっていますが、
多くの私学の場合、通学時間、距離は、ご父兄の判断に任せています。
 
通学に1時間かかるとして考えてみましょう。
8時までに登校するには、遅くとも7時前には家を出ます。
その前に食事、着替えなどの準備が必要ですから、お子さんは6時に起床、お
母さんは、朝食の支度のため5時半には起きることになるでしょう。
週五日制が徹底されても、毎週五日間、この時程が繰り返されます。
さらに、学校が都心にあれば、ラッシュアワーに通学ということも考えられま
す。
心身共に健康でなければ、通い切れません。
 
ここで、三つだけ質問しておきましょう。
その一、お子さんは、十分ぐらい歩くと、「おんぶして!」といいませんか。
その二、遊園地などで迷子になった時に、係の人に名前と住所を聞かれたらい
    えますか。
その三、電話をかけられますか。
住所も、電話番号もいえる子に、
「ディズニー・ランドへ行ったとき、迷子になったらどうしますか」
と聞くと、答えられないお子さんがいます。
こういったちぐはぐなことが、入試準備として行われているようです。
迷子になったら、制服を着ている係の人に、住所と名前をいえば、場内に放送
して、親に知らせてくれます。
何のために住所や電話番号を覚えておくかを教えずに、面接のために記憶させ
ているから、いえるけれども、それを使って何をするかがわからないのです。
これが、記憶だけに頼る受験準備のマイナス点ではないでしょうか。
目的が分からないで知識だけを詰め込んでしまうと弊害が起きるもとだと思い
ます。
「覚えさせておけば事足りる」といって教え込んだことは、幼児期には余り役
に立たないものです。
 
かつて、ある学校の説明会で、
「登下校中に、関東大震災級の地震が起きた場合、学校としては、とるべき手
段がありません」
といったことから、
「学校の近くに住む子が有利、遠方からの通学者は不利」
といった噂が流れました。
東日本大震災以降、安全に通学できることも、学校選びの重要な条件になった
ようですが、近くに住む子が有利といった噂が、再び流れ始めているそうです。
私学の小学校へは、多方面から時間をかけて通学するのですから、各校も万全
の体制で臨んでいます。
そんな噂に心を惑わされる前に、そういった災害が起きた場合を想定し、もし、
電車やバスに乗っている時はどうしたらよいかなど、幼い子どもなりに対処で
きる、そういった育児をしっかりと心がけるべきではないでしょうか。
第50号でも紹介しましたが、早稲田実業学校初等部は、入学後三日目から一
人で通学します。
そういったことからも、子ども達の自立を妨げる過保護、過干渉の育児は、絶
対に止めるべきです。
 
通学距離、所要時間は、単に物理的な距離、時間ではなく、こういった精神的
な面も考慮すべきではないでしょうか。
 
[六]健康状態
「健康状態」についてですが、これは小学校受験で、もっとも大切なことです。
健康といっても体だけではなく、心身共に健康であることです。
小学校受験は、いってみれば、「初めての場所で、初めて会った同世代の子ど
もの集団に入り、初めて会った先生の指示を聞き、理解し、即座に対応する」
ことです。
自分だけが頼りの戦いです。
 
まず、話を聞く姿勢が身についているかです。
前にもお話しましたが、小学校の試験は、中高大学の試験と比べて、著しく異
なることがあります。
ペーパーテストを考えてみましょう。
通常、テストには、設問があり、それを読んで答えるわけです。
ところが、小学校のテストには設問がなく、逆に、答えが全部、出ています。
後は、スピーカーから流れてくる先生の指示を聞いて解答していきます。
中高大の試験では、やっているうちに、
「あぁ、これは苦手だから飛ばそう。時間が余ったら後でやろう!」
と自分のペースで挑戦できますが、小学校の試験は、これができません。
「用意、ドン!」ではありませんが、始まればそのまま流れていきます。
途中であっても、
「ハイ、そこまで!」
といわれれば、そこでやめないと、次の設問の説明が始まりますから、ついて
いけなくなります。
マイペースは、認められません。
話を聞く力を身につける、これは試験だけではなく、何かを学習するためにも
っとも必要な基本的な態度です。
話を聞けなければ、何事も始まりません。
話を聞く姿勢は、親子の対話から、話の読み聞かせから、指示をきちんと出す
ことから身についてくることを、くどいほどお話してきた理由は、ここにある
のです。
 
次に、お母さんの手を借りないで、どのくらいのことが出来るかです。
お子さんの一日の行動をチェックしてみましょう。
お母さんが、どのくらい手を貸しているかを知ってほしいのです。
衣服の着脱、歯磨き、洗顔、食事、排便、身辺の整理など、就学前には身につ
けておかなければならない「基本的な生活習慣」ですが、いかがでしょうか。
こういった生活習慣が身についていることは、子ども自身が、試行錯誤をしな
がら学習をした結果です。
幼児期は、この試行錯誤こそ大切な学習なのです。
試行錯誤は、工夫をすることから起こります。
手作業の得意な子の知的な能力が高いのは、試行錯誤を繰り返し、その手順を、
きちんと学習し、覚えているからです。
単なる記憶ではありません。
自分の頭と体を使って、
「こうしたらこうなるぞ、こうしたらまずいかな、こうやったらうまくいった
ぞ!」
と学習しているのです。
オーバーにいえば、 
「だれにも頼らず、一人で生きていくための生活の知恵」
を学んでいるのです。
小学校の受験とは、問題集を買って、勉強して、「合格!」とはなりません。
そのことを、ものの見事に表現した言葉があります。
この話も何回も紹介しましたから、もう耳にたこができているかも知れません
ね。
ある年のミッション系の学校の校長先生のおっしゃったことです。
「受験に必要な知識や礼儀作法なるものを泥縄式に詰め込んで、『受験準備、
こと足れり』とお考えでしたら、それは誤りであることに気付いてほしい」
日常生活での積み重ねが、五歳か六歳の秋に現われるのです。
つまり、ご両親の育児の姿勢が、そのまま現れます。
これが小学校の受験なのです。
 
最後に、社会性や協調性といった集団生活への適応力が培われているかです。
これは幼稚園や保育園の先生方に聞けば、すぐにわかります。
先生方は、お母さん方に遠慮して、なかなか本当のことをいってくれません
が、例えば、
「うちの子、集団生活ではどうでしょうね」
と尋ねたとき、
「多少、問題があるようですよ」
といった返事が返ってきたときは、ものすごく問題があると考えて、日常生
活を、きちんとチェックすべきです。
多くの場合、集団生活に問題が起きるのは、ご家庭の育児の姿勢に原因があ
ります。
繰り返しますが、過保護、過干渉の育児です。
 
三歳を過ぎてもお子さんのやっていることを見て、手を貸したくなれば過保
護であり、口を出したくなれば過干渉の育児といわれています。
過保護な育児からは、わがままで、我慢のできない子が、過干渉の育児から
は、消極的で引っ込み思案な性格の子になりがちです。
こういった環境で育てられていると、集団生活への適応力は、育まれません。
困るのは、お子さん自身です。   
ちなみに、最近の脳科学者の研究によれば、集団生活への適応力の基本は、
6歳頃までに身につくもので、その時期を逃すと臨界期といって、どうにも
修正が効かなくなり、社会性や協調性を身につけるために、本人が非常に苦
労するといわれています。
 
「お泊り保育」があると思いますが、どういった状態であったか、必ず聞く
ようにしてください。
親の元を離れたお子さんの本当の姿を見ることができるからです。
最近、行動観察型のテストで、集団生活への適応力を判定する問題が増えて
いますが、学校側は、何を見たいのか、おわかりいただけたのではないでし
ょうか。
 
お子さんの心身の健康状態は、いかがですか。
三鷹でひょうが降るなど、はっきりしない天気が続いていますが、日差しは
 
暑い夏の近いことを告げているようです。
受験準備に無理は禁物、心身共に健康であることに留意されて頑張りましょ
う。
(次回は「志望校選びの10のチェックポイント(3)」についてお話しま
しょう)
 

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