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めぇでるコラム
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>ご家庭で楽しくできる受験準備(3)★★養ってほしい数感覚 2 ★★
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「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
現年中児のお子様をお持ちの方々へ
2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第10号>
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★★養ってほしい数感覚 2 ★★
[アバウトから正確に]
さて、何回も続けていく内に、お子さんは、たとえば10と5では、10の方が多いとわかると、今度は数字で多少の判定をはじめます。
そこまでわかってきましたら、「では、いくつ違いますかゲーム」に切り替えましょう。
ゲームのやり方は、同じです。
最初は、同じマークから始めましょう。
1枚ずつカードをめくり、お子さんが8、お母さんは3が出たとします。
お子さんは、「ぼくの勝ち!」と宣言して、その違いを調べます。
この場合も、[8-3=5]ではなく、数の少ない方のカードの[3]を覚え、数の多い[8]のカードのマークを3個、指で押さえて隠します。
そして残ったマークを数え、「ぼくの方が5個多い」と、必ず、言葉で判定結果を言うようにします。
今度は、お子さんのカードが4、お母さんのカードが7で、お母さんが勝った場合も、「ぼくの負け!」とお子さんに宣言をさせ、お母さんのカード[7]を使い、4個を指で押さえ、残ったマークを数えて、「ぼくの方が3個少ない」とお子さんに判定させ、結果を言うようにします。
お母さんは、一切、言葉をはさむ必要はありません。
正解の場合は「ピン、ポン!」、間違った場合は「ブッ、ブー!」と警告する程度にし、ゲームの進行は、お子さんに任せます。
このゲームは、正確に「いくつ違うか」を判定するものですから、スピードは必要ありません。
先程も触れましたが、[10と9]、[8と7と6]のカードでは、マークの配列が[4と3]の違いに気づけば、どこをどう押さえて隠せばよいかもわかり、真ん中のマークの数だけで判定で
きるようになると、自然とスピードアップしますが、答えは、必ず、口頭でキチンと言えるようにします。
4種類のカードをまぜてやるのは大変ですから、2種類、10回戦で十分ですが、お子さんが希望する場合は挑戦してみましょう。
これができるようになれば、次に同じマークのカードを4枚並べ、「一番多いものと少ないもの」を見分けるゲームをやってみましょう。
指でさして、答えさせます。
これも直感で判定させたいのですが、ここまで、かなりゲームの量をこなしたことになりますから、数字とマークの数の関係で、わかるお子さんも出てくるでしょう。
例えば、[5、3、7、9]のカードが、並んだとします。
「9が一番多くて、3が一番少ない」と、数字でいえるようになれば、もう、カードでのゲームは、卒業してもいいでしょう。
ところで、数字は抽象的ですから、数詞がつかなければ、幼児には具体的な数は、わかりにくいものです。
[1]といってわからないことでも、「りんごが1個」となると、頭にりんごが1個浮かび、具体的な数を把握できるわけです。
トランプは、5のカードであれば、数字の5とマークが5個ありますから、抽象的な数字をマーク5個で具体的に表しています。
小学校の入試では、数字を使った計算はやりません。
ですから、1は○が1個、2は○が2個、10は○が10個であることが理解できれば、十分なのです。
数の多少がわかれば、トランプでのゲームを卒業し、数字のない遊びへ進みます。
しかし、お子さんがゲームを面白がるようでしたら、楽しみながら続けてあげましょう。
ここまで進むと、数字を書きたいお子さんも出てくるでしょう。
その場合、[0・5・7・8・9]の書き順を、きちんと教えてください。0は上から左回りで書き、下から右回り、時計回りで書くのは○(マル)です。
8は〇を2個縦に書きがちで、自己流で覚えてしまうと、直すことになりますから、小学生になってから苦労します。
そして、数字を覚えても、問題集や模擬テストなどでは、「絶対に数字を使って答えてはいけない」と約束しましょう。答が合っていても、得点にはならないからです。当然のことですが、入学
試験で数字を使って答えては、絶対に合格しません。設問のどこにも、数字で答えなさいとの指示はないからです。新しいことを覚えると、つい、使いたくなるものです。ここで、きちんと押さ
えておきましょう。
次の遊びは、お母さんが教材を作ります。
トランプより少し大きい長四角のカードを20枚(1から10まで各2枚ずつ)作り、ハートやスペードの代わりに●で表します。
トランプに慣れていますから、最初はマークと同じ配置にしましょう。
慣れてきたら、市販されている問題集などを参考に、オリジナルカードを作ってあげましょう。
市販されているシールを貼って作ると、きれいなカードができます。
最初のゲームは、直感で見分けた「多少の違い」をやってみましょう。
今度は数字がありませんから、直感が頼りです。
きちんと見分けられれば、「いくつ違うか」のゲームに挑戦しましょう。
今度は、トランプより大きいですから、答えも出しやすいと思います。
それもできるようになれば、4枚並べ、直感で「一番多いものと、一番少ないもの」を当てるゲームに進みますが、お母さんが意図的にカードの配置をした方がいいと思います。
[1・2・3・4][1・10・5・8]のように、[1と10]が入ったものばかりでは、緊張感に欠けるからです。カードをうまくアレンジしてあげましょう。
市販されている「数量の問題集」などを参考にされるのもいいですが、難易度を考えて選んでください。
慣れてきましたら、「二番目に多いものと、二番目に少ないもの」に挑戦してみましょう。
やり方は「一番多いものを見つけ、それより少ないもの(その次に多いもの)が二番目」になり、「一番少ないものを見つけ、それより多いもの(その次に少ないもの)が二番目に少ないもの」になります。
最初は戸惑うかもしれませんが、あくまでもゲーム感覚で、楽しみながらやってください。
ここではお子さんとお母さんでのゲームを題材としましたが、お父さんと対戦しても良いですね。
それから、幼児の場合は、何事においても誕生日、生まれ月を考慮する必要があります。
衣服の着脱、歯磨き洗顔などの基本的な生活習慣はもちろんのこと、こういった遊びを通した知的なトレーニングにも、十分に注意してほしいと思います。
「隣の○○ちゃんができるのに、なぜ、うちの子はできないのかしら」と思う前に、必ず、生まれ月を考えましょう。
早生まれのお子さんには、無理をしないように気をつけてください。
「できなくても、できるまで待ってあげる」、この気持ちが大切です。
お子さんのおむつを外すとき、お母さん方はどうしましたか。
粗相をしても、叱り飛ばさなかったはずです。
その心は、「まだ、できないから待ってあげる」であり、その心は「今に、必ずできる」ではなかったでしょうか。
待ってくれたから、お子さんは期待に応えたのです。
知的な能力の開発も、同じです。
いや、知的なことだけに慎重な対応が必要なのです。
できなくても、あせる必要はありません。
幼児は、体験を積んでいないからできない場合が多く、決して能力だけに問題があるわけではありません。
いろいろと体験させ、待ってあげましょう。
待ってあげるお父さんやお母さんのやさしい心が、必ず、できるように導くからです。
待ってあげるやさしい思いやりから、頑張る意欲は育ってきます。
お子さんの、今ある姿を見て、自信を持ちましょう。
こういった遊びで、十分に数感を養ってから、○を使った数の多少、和(合わせていくつ)、差(いくつ違うか)、対応(いくつ必要か)、分割(分けるといくつ)といった問題に進むのが、幼
児にふさわしい算数の学習であることを、ご理解いただけたのではないでしょうか。
ゆっくり、じっくり、しっかりと、ゲーム感覚で楽しんでください。
最後に、トランプの絵札は、普通、11はJ、12はQ、13はKとアルファベットで表されています。
Kはキングで王さま、Qはクイーンで王女さまの頭文字であることはわかりますが、Jは何を表しているのでしょうか。
Kはキングで王さま、Qはクイーンで王女さまの頭文字であることはわかりますが、Jは何を表しているのでしょうか。
これは、「ジャック」という名前の頭文字からとったものだそうです。
ジャックとは、イギリスではありふれた名前の代名詞で、日本では「太郎」にあたると考えればわかりやすいでしょう。
よくある名前を付けることで、名もない一兵士を象徴させているそうです。
騎士道の精神ではないでしょうか。
連日の猛暑が少しやわらぎ、台風が来るなど、少しずつ秋の気配が漂い始めたようです。
体調を崩さないように注意してあげましょう。
(次回は、「第二の脳を鍛えましょう1」についてお話しましょう)
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2024年9月 6日 12:48
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2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>★★手は第二の脳 1★★
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「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
現年中児のお子様をお持ちの方々へ
2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第11号>
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★★手は第二の脳 1★★
ペーパーテストの対策は、ご家庭でも問題集などを使い、十分過ぎるくらい行われているようですが、ものを作る作業、制作やモールにおはじきを通す、糸を結ぶ、箸を使うといった手作業の問
題に関しては、教室や塾の指導にお任せの場合が多いのではないでしょうか。
いわゆる、巧緻性の問題です。
辞書を引くと、「きめこまかく上手にできていること」となっています。
聞き慣れない言葉ですが、小学校の入学試験では、きちんとやっておかなければならない重要な項目の一つです。
「塗る、折る、切る、貼る、結ぶ、摘む」などの手作業の他に、制作や絵を描く、手本と同じものを書く模写の問題などがあります。
なぜ出題されるのかというと、このような手作業からは、誰かに手伝ってもらわずに自分で思っているように作らなければならないので、自立の状態がわかります。筆記用具の持ち方からは基本
的な生活習慣やしつけの状態が、制作やお絵描きからは、幼児が自分の考えを表す大切な方法、手段ですから情緒の発達状況が、模写からは、観察力、模写力、集中力が判定できるので、出題さ
れるわけです。
こういった作業は、子どもの発育段階と密接な関係があり、その年令にふさわしい経験を積んで身につくものですから、手を抜くとできません。
学校側は、年令にふさわしい経験を積んでいるかを見たいのです。
さらに、もう一押ししておきましょう。
なぜ、筆記用具の持ち方から基本的な生活習慣やしつけがわかるのでしょうか。
それは、食事をするように箸を持ち、一本抜くと、正しい筆記用具の持ち方になっているからです。
妙なボールペンの持ち方で字を書いている人がいますが、小学校の勉強が始まる前に、身についてしまう場合が多いようです。
「名は体を表す」ともいいますが、字もそうではないでしょうか。
メールではわからなくても、書いた字を見れば一目瞭然です。
かなり先の話ですが、履歴書を書く時にあわてても間に合いません。デジタルの時代ですが、まだまだアナログ、ペンで字を書くということは残るのではないでしょうか。
「たかが筆記用具の持ち方」などと思う前に、お子さんのための大切なしつけと考え、取り組みましょう。ご両親もお子さんと一緒に、今一度、正しい持ち方を確認してみましょう。
巧緻性の問題が、「ご両親の育児の姿勢を評価している」といわれる理由は、ここにあるからです。
年中から年長にかけて、たいへん重要なことですから、4回に分けてお話しましょう。
ただし、巧緻性は、子どもの発育状態と密接な関係がありますから、お子さんの月齢を十分に考慮しながらお読みください。
◆基礎作業編◆
●塗る●
まず、「塗る」から考えてみましょう。
簡単なようですが、子ども達は、大変な作業をやっているのです。
たとえば、クレヨンで、円の中をはみ出さないように塗ることを考えてみましょう。
まず、左手で紙を押さえます。
そして、右手でクレヨンを持ち、はみ出さないように注意しながら、できるだけ丁寧に、白い部分が残らないように、まんべんなく塗ります。この一連の作業を、試験の場合を想定し分析してみ
ましょう。
まず、最初に、先生の模範演技を見て、頭脳の司令塔にある何とかいう神経に、目と耳から情報がインプットされます。
説明終了と同時に、きちんと理解した脳から指示が出ます。
「右手で赤のクレヨンを持って、左手は、画用紙が動かないように、しっかりガードしなさい。
まず、黒く印刷されている円の内側を、円に沿って、はみ出さないように描きなさい。
次に左から右へ塗る反復作業を根気よくやりなさい。
左上の方、少し塗りが足りません、至急、補足しなさい。
残り時間は、あと30秒程です。
スピードを上げなさい」
目は手元を、指示どおりにやっているか見ています、監視カメラですね。
リアルタイムで、次々と正確な報告が届きます。
それに従い、即座に指示が出ます。
話を聞き取る力が備わっていないと、こうはいきません。
きっちりとした指示が出ないことには、手の方も、動きません。
このことです……。
手先の器用な子の知的な能力は高いといわれています。
それは、持って生まれたものではないと思います。
頭も使わなければ、よくなりません。
試行錯誤を積み重ねることで手順を覚え、その度に司令塔から指示が出、手先もそれに応えて頑張ります。
記憶する力がつき、手先も器用になるのです。
いってみれば、頭と目と耳と手の合同訓練ですね。
これがバラバラでは、おかしなことになります。
目がきちんと見ていないと、状況がわかりません。
耳がしっかりと聞いていないと、指示されていることが理解できません。
わからない状態ですから、脳からの指示も、不正確になります。
この意味不明、「……わかりません」の状態で作業が始まると、どうなるでしょうか。
色を塗れば線からはみ出します。
折り紙を折れば、グチャグチャに折ります。
はさみで切れば、ギザギザだらけです。
糊を使えば、量を無視してベタベタに貼ります。
紐を結べば、ユルユルです。
こうなるでしょうね、合同練習不足です。
最近、こういう子が増えているそうです。
この責任の一端は、ご家庭の教育にありではないでしょうか。
過去問などを買い求めて知的なトレーニングは、積極的になさっているようですが、こういったことこそ、ご家庭で時間をかけ、ゆっくりと、じっくりやってほしいのです。
お子さんと一緒にやりましょう、簡単にできますから。
それに、問題集を使っての勉強と違い、腹を立てないで済みます。
たとえば、色塗りです。
5センチの正方形を縦、横4個ずつ作って、色を塗らせましょう。
色を決めて、斜めに塗ると、きれいな模様ができます。
最初は、この程度から始めて、ます目を増やしてあげましょう。
後で出てくる系列完成の学習にもなります。
・・・・・・・・・・・・・
・ 赤 ・ 緑 ・ 青 ・ 赤 ・
・・・・・・・・・・・・・
・ 緑 ・ 赤 ・ 緑 ・ 青 ・
・・・・・・・・・・・・・
・ 青 ・ 緑 ・ 赤 ・ 緑 ・
・・・・・・・・・・・・・
・ 赤 ・ 青 ・ 緑 ・ 赤 ・
・・・・・・・・・・・・・
こういった遊びから、脳も手先も鍛えられ、美醜の感覚も育ってきます。
塗り絵の苦手な男の子は、こういった遊びをしていないのではないでしょうか。
大人には何でもないことが、幼児にはとてつもなく難しいということがたくさんあります。
何事もそうですが、基本的な作業をおろそかにしないことです。
塗る問題でも難しいものがあります。
★鉛筆を使い、一番目の四角を最も濃く塗り、二番目は少し薄く、三番目はそれより薄く塗りなさい。
日本女子大学附属豊明小学校で、よく出題されています。
今の段階では、まだ難しいですが、こういった問題もあることを覚えておきましょう。
●折る●
「折る」は、折り紙の登場です。
これから折り紙には、いろいろな領域でお世話になりますから、常備しておきましょう。
折ってみるとわかりますが、メーカーにより色が微妙に違い、厚さにも変化があり、硬いもの、柔らかいものがあります。
柔らかいものだけ使っていると、硬いものは折りにくくなります。
最初は柔らかいものを使い、うまく折れるようになれば硬いものも使ってみましょう。
折り紙は、楽しいものです。
何しろ、1枚の紙から、立体作品ができるのですから、すぐれものです。
簡単なものから始めましょう。
大切なのは、最初の一折りで、ここを、キチンと押さえましょう。
スピードは、必要ありません。
丁寧に、しっかりと折ることが大切で、一つ一つの作業は、まさに巧緻性そのものです。
さらに、折り紙は、手順を忘れると完成しませんから、記憶力もつき、一石二鳥の効果を期待できます。
基本は、折り紙の角をきちんと揃えて半分に折り、長四角と三角を作ることです。
正確にきれいに折るには、指先の力も鍛えなければなりません。
うまく折れない場合には、紙をちぎりましょう。
新聞紙で十分です。
最初はうまくちぎれなくても心配ありません。
きちんとちぎれるようになるには、いろいろと工夫する必要があります。
これは、とても大切なことで、教える前に挑戦させてください。
「子どもが、考え、工夫する前に、教え込んでしまう」のは、決してよいことではありません。
育児が過保護や過干渉のタイプのお母さん方は、とかく教えがちですが、まず、子どもにさせることです。
うまくちぎれるようになるには、工夫が必要です。
工夫してできるようになれば、やる意欲も育ちます。
できたことから達成感を味わえるからです。
大人から見れば「何だ!」と思えることが、子どもにはすばらしい発見でもあるのです。
ちぎった紙を使って、1つに丸めた後折り紙などで包み、ボールを作ってみましょう。
はさみを使わずに、紙をちぎってものを作るテストがあることも覚えておいてください。
なお、「千切る」であって、「裂く」ではないのでご注意ください。
また、機会があれば、お母さんが折ったものを広げて、どういった線ができているか見せてあげましょう。
あまりにもきれいな幾何学的な模様に、きっと驚くと思います。
左右、上下が対称になっているなどと難しい説明はいりませんが、やがて挑戦しなければならない対称図形の学習に役に立ちます。
以前、暁星小学校では、少し工夫しないと難しいと思える折り方をさせました。
日本女子大学附属豊明小学校では、座布団に正座をして折り紙をしたこともありました。
ところで、最近では、鶴を折れない保護者がいるようです。
お子さんは、さみしがりませんか。
お子さんばかりに要求せず、練習し、お子さんの期待を裏切らないようにしてください。
(次回は「手は第二の脳 2」についてお話しましょう)
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2024年9月13日 12:48
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>ご家庭で楽しくできる受験準備(3)養ってほしい数感覚 1
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「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
現年中児のお子様をお持ちの方々へ
2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第9号>
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ご家庭で楽しくできる受験準備
(3)養ってほしい数感覚 1
[数感はアバウトの感覚から]
奇妙なタイトルだと思われるかもしれませんが、「話の記憶」と共に、ほとんどの学校で出題されている「数量」の問題に対処するには、語感と同様に数感を養っておくことが大切です。
受験準備となると、すぐに問題集を使用した勉強と考えられがちですが、幼児の場合は、その前にやらなければならないことがあります。
物を使った具体物での学習です。
これをきちんと体験しておかないと、「お勉強は覚えるもの」、記憶に頼るものとなり、幼児にとっては、つらい受験準備となりがちだからです。
前にもお話しました「学習と勉強の違い」を思い出してください。
特に、年中から年長にかかる時期には、教える人、特にお母さん方は、「すずめの学校の先生」にならない注意が必要です。
トランプを用意してください。
トランプはさいころと共に、数感を養う優れた教具です。
問題集に取り組む前に、数に関する感性、数感を鍛えておきましょう。
「数感教育」の大切なことを教えてくれたのは、香川大学名誉教授だった故小林茂広先生でした。
後で紹介しますが、「幼稚園の年長さんでもつるかめ算を解けますよ」と、実に衝撃的な学習の仕方を教えてくれた先生です。
その時のことです。
「2歳の幼児でも数がわかるよ」と、2つのさいころを使った、面白い遊びを見せてくださったのです。
幼児が、さいころをふると6が出ました。
次に先生がふると3が出たのです。
すると先生は、
「キミの勝ちだよ」
といって、幼児に勝ったことを教えます。
最初は、きょとんとしていましたが、数回続けているうちに、どうやら、たくさん黒丸のある方が勝ちであることが、幼児にもわかってきました。
しばらくすると、先生がいわなくても、
「ぼくの勝ち?」
といい始めました。
数字を使った引き算ができなくても、「数の多少」を理解できるのです。
1と6であれば、●と●●●●●●であり、2と3のときは●●と●●●で、子どもの頭の中は、おそらく、「6の方に黒い丸がたくさんあるぞ!」であり、2と3のときは、「3の方が少しだ
け多いかな?」といった、おおよその見当、推量であり、「アバウト(about)の感覚」なのです。
見た感じで「どっちが多いかな」と直感で判断するわけです。
大切なのは、この直感力を培うことです。
例えば、2枚のお皿にクッキーを5個と4個に分けて入れておき、お子さんに、
「多い方をとっていいよ」
といったときに、数えずに5個入ったお皿をとれば、直感力は順調に発達しているといえます。
おやつの時に試してみましょう。数の多少を見分ける力が身についているかがわかります。
この直感力を鍛える遊びを紹介しましょう。
数えなければ不安で、答えを出せない子ども達と、よく一緒に遊んだゲームです。
トランプは、4種類のマークの数と同じ数字が書かれていますから、これを利用します。
まず、1から10までのカードを用意してください。
1はA、エース(ACE)のAとマークが1個しかありませんが、1個だけ書かれていますから、1と説明します。
そして、マークの数を数えながら、1から10まで並べ、マークの数と数字は同じであることを確かめます。
この時の数え方は、「イチ、ニ、サン」と漢語読み、音読みにします。11・12・13と10以上の数え方にも対応できるからです。なお、7は掛け算を思い出してください、「シチ」です。
最初は、ハートのマーク1組でいいでしょう。
よくきって積み上げ、ジャンケンで順番を決め、1枚ずつめくり、勝ち負けを争います。
例えば、お子さんが先にめくり、8が出たとします。
お母さんがめくると4が出たとします。
そこで、どちらが勝ったかお子さんに聞きます。
そのとき、[8-4=4]でお子さんの勝ちとするわけではありません。
また、ハートの数を数えて、8個と4個ですから、多い方の8のカードを4個押さえ、8の方が4個多いとするのでもありません。
数の多少を、見た感じ、直感で決めることを約束します。
初めは戸惑いもあるでしょうが、やっている内に、トランプのマークの並び方に、ある決まりがあることがわかるはずです。
それに気づけば、瞬時に判断できるようになるでしょう。
間違えたときは、「ブッ、ブー」と警告をします。
答を教える必要はありません。カードは2枚ですから、すぐわかります。勝者が2枚のカードをもらえます。これを繰り返していると、直感で見分けられるようになり、数えなくては不安であっ
たことも解消できます。
終わったところで、お互いのカードを2段に並べて比べます。
お子さんのカード □□□□□□
││││
お母さんのカード □□□□
1対1対応で差が出ますから、計算しなくても、その差が答えになります。
直感で判断することに慣れれば、カードを増やしましょう。
ハートとダイヤといった組合せがいいでしょう。
マークの色が違うと混乱する場合もあるからです。
10枚増えると5回戦から10回戦になり、慣れてくればスピードもあがります。
次に、スペードとクローバーでやってみましょう。
形や色が違っても、数は同じであることがわかれば、いよいよ4組のカードを使います。
40枚で争いますからゲームとしても面白くなり、スピードがあがれば集中力も働き、俊敏な判断力もついてきます。
40枚になると、結果を判定するのに、横に並べるのも大変ですから、一工夫します。
お互いに自分で取ったカードを1枚ずつ置きながら、5枚単位で段を作ります。
5枚で一固まりに分ける習慣がつくと、数の合成、分解にも役立ちますし、算数の足し算、引き算の計算に、すぐに対応できます。
手持ちがなくなったときにストップをかけ、そこから「1枚、2枚」と数え勝負を決めます。
下の図のように、■のカードの部分で、8対0でお子さんの勝ちとなります。
お子さんのカード
□□□□□ □□□□□
□□□□□ □■■■■
■■■■
お母さんのカード
□□□□□ □□□□□
□□□□□ □
5枚の固まりに分けるのに慣れれば、10の固まりで数えてみましょう。
算数の勉強で最初につまずく、繰り上がりや繰り下がりの計算にも、スムーズに対応できます。
余談になりますが、このカードの並べ方を、あまり手先の器用ではないお子さんにさせると、面白がってやることから優れたトレーニングになり、器用になるといった効果も期待できます。
本題に戻って、過去の入試問題集などで、例えば
「みかん10個と8個の絵があり、多い方に○をつけなさい」
といった多少の判定をする問題が5問あり、制限時間は15秒であれば、1つ1つ数えていては、とても時間内に終わりません。
学校側が知りたいのは、計算して答えを出すのではなく、「直感力が養われているか」ではないでしょうか。
数の多少だけではありません。
2枚のハンバーグや2つのコップに入ったジュースを見て、
「ぼくの方が小さいじゃん!」
「私の方が少ないわ!」
とこだわるのは、アバウトの感覚で「量の違い」を見分けているのであり、決して卑しいのではなく、直感力が順調に養われている証(あかし)ですから心配ありません。
この違いを小学校へ入ってから「数」は加減乗除で、「量」はデシリットル(dL)、リットル(L)、「重さ」はグラム(g)、キログラム(kg)、「長さ」はセンチメートル(cm)、メートル(m)、キロメートル(km)と正確な計算、単位として学んでいくわけです。
年中から年長の頃は、直感で見分ける機会をたくさん持つことが大切です。
なぜなら、「直感は、経験の積み重ねで養われる力」だからです。
室外と室内との温度差に体も驚くでしょうから、体調には気をつけてください。
(次回は、「養ってほしい数感覚 2」についてお話しましょう)
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2024年8月30日 12:48
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>ご家庭で楽しくできる受験準備(2)「話の読み聞かせ」のすばらしい効用 2
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「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
現年中児のお子様をお持ちの方々へ
2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第8号>
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(2)「話の読み聞かせ」のすばらしい効用 2
前回お話しましたように、話の読み聞かせは、「語彙」を増やし、「イメージをふくらます空想力や想像力」「話を聞く力」「構成力や思考力」「表現力」「物事に取り組む意欲」といった能力の開発に、はかりしれない影響を与えています。
しかも、誰かに命令され、要求されて、やっているわけではありません。
子どもは、自発的に、積極的に楽しみながら能力を培っているのです。
これだけではありません。
さらにもっとすばらしい能力の開発に貢献しているのです。
しかもそれは、小学校の入学試験で、重要なものばかりなのです。
「竜宮城って面白い所だな。絵に描いてみようかな?」
となると、絵画の領域です。
ファンタジーの世界で夢もふくらみます。
絵を描こうとする動機は純粋です。
幼児にとって、この「……かな?」と思ったときが、好奇心の芽を育む、絶好のチャンスなのです。
「小学校の入学試験に、絵を描かせる学校があるから、絵画教室へ行きましょう」
これでは、動機が不純です。
絵を描くことが好きになれるとは思えません。
これは何も絵だけではなく、ピアノや英会話といった早期教育にも同じことがいえるのではないでしょうか。
応接間の飾りものになっているピアノを見かけますが、ショパンやリストの名曲を弾いてほしいと、怒っているかもしれませんね。
ところで、最近、絵を描くことを、嫌がる子どもが増えていると聞きます。
その原因は、想像力が培われる前に、大人の求める望ましい上手な絵を描くことを、期待するからではないでしょうか。
感性が磨かれていなければ、絵は描けません。
[(環境+五感が受けた刺激)×(好奇心+観察力)÷そしゃく力=描かれた絵]
妙な式らしきものですが、冗談です。
専門家の先生方に、叱り飛ばされますね。
でも、感性は、子ども自身が、与えられた環境の中で、自らの力で養ってきた自前の性能ではないかといいたいのです。
親が、注文をつけ始めると、面白くない絵になると思います。
そこには、子どもにはない、大人の感性が入り込むからではないでしょうか。
どなたがおっしゃったのかわかりませんが、大人の手垢のついた絵です。
まだ、あります。
昔話をはじめ、子どもの読む本の多くは、善いことを勧め、悪いものを懲らしめる「勧善懲悪」から成り立っています。
正義は、必ず勝ちます。
倫理、道徳、善悪について、襟を正して教えなくても、きちんと学習しています。
いってみれば、お子さま用の「修身、道徳講座」です。
「情操教育の基礎、基本」を学習しています。
このことです……。
これからは、わたしども流の勝手な解釈ですから、深く詮索なさらずにさらっと読み流してください。
3歳頃から、自立が始まります。
そして、毎日、いろいろな経験をしながら、さまざまな感情も培われてきます。
これが、情緒です。
未分化であった情緒が、5歳頃から分化されます。
今までは、いってみれば、玩具箱の中に乱雑に入れられていた玩具が、「自動車はここ」、「縫いぐるみはこっち」、「ままごと道具はあっち」というように、次第に整理される状態になるので
す。
まだ、整然とはいきませんが。
つまり、未分化だった情緒が分化され、大人にみられる情緒が現れてきます。
喜び、悲しみ、怒り、恐れ、心配、快いといった情緒です。
ついこの間までは、嬉しくても、悲しくても、お腹がすいても、泣くしか表現できなかったことを思えば、格段の進歩です。
ですから、いろいろな話を聞き、喜怒哀楽など心の動きを誘い起こされ、幼いなりに、自我を作っていると思います。
大胆にいえば、正しいこと、悪いことの分別を学習しているのです。
修身、道徳講座のシミュレーション学習ではないでしょうか。
まだ、あります。
これがもっとも大切だと思います。
お父さんやお母さんが感情をこめて読んであげると、子どもは真剣に聞きます。
気持ちをこめて聞くものです。
そこから、人の話を静かに、行儀よく聞く姿勢が身につきます。
これは、小学校へ入って勉強するために、きちんと身につけておきたい「基本的な学習態度、心構え」です。
話が聞けないようでは、いくら漢字が読めても、足し算や引き算ができ、九九をそらんじていても、学習効果をあげることはできません。
小学校の先生方に聞いてみると、みなさん、そうおっしゃっています。
それほど、話を聞く姿勢を身につけることは、大切なのです。
小学校の入学試験も、同じです。
大切なことですから繰り返しますが、ペーパーテストには、答えは書いてありますが、どこにも設問はありません。
話を聞いていなければ、何も答えられません。
行動観察型や他の試験も同じです。
話をきちんと聞き、理解していなければ、どうにもなりません。
合否の鍵は、「話を聞く姿勢ができているかどうか」にかかっているのです。
それを、あまり本を読んであげずに、
「人の話はきちんと聞きなさいと、いつもいっているでしょう!」
恐い顔をして、厳しく、何十回いっても、無駄です。
子どもは、自分の好きな本を読んでもらい、静かに聞くことで、話を聞く姿勢を、意識することなく、身につける訓練になっているのです。
話を聞けない子になる原因の一つに、話を聞きたがる大切な時期に、読み聞かせが少なかったことも、あるのではないでしょうか。
さらにすごいと思うのは、前にも少し触れましたが、
「言語能力を高めるためのお勉強ですよ!」
といった意識は、ご両親にも子どもにも、まったくないはずです。
自主的に、積極的に、しかも楽しく学習しています。
これこそ「教えない教育」のもっとも効果的な方法ではないでしょうか。
「教えない教育」とは、誤解を恐れず、わたし流にいえば、「本人は勉強だと思わないのに、ものすごい勉強をしている」ことです。
何かを学ぼうとする気持ち、「学習意欲」が身につきます。
しつこいですけれども、まだ、あります。
ご両親、特にお母さんの表情豊かな、優しい語りかけが、何よりのスキンシップとなります。
ですから、子どもの好きな本をたくさん読んであげるお母さんは、子どもに慕われます。
それは、お母さんとお子さんが、同じ土俵に上がり、同じ気持ちで、物語の世界を楽しんでいるからです。
お母さん方は、こんな荒唐無稽な話などありえないと思っても、また、少し抵抗を感じる言葉があっても一切、無視して、子どものレベルに合わせて読んであげています。
視線は同じ高さですから、心が通うのです。
視線の高さが違ってくると、命令と忍従の関係になりがちで、そこには、教えてあげるという姿勢が表われ、子どもがもっとも嫌う母親に変身するからです。
しかし、一つだけいっておきましょう。
いくら本の読みきかせがすばらしいといっても、お子さんが興味を示さない本では、あまり効果はありません。
「少年少女 世界名作全集 全十巻」など買いそろえても、無駄かもしれませんね。
「本当は、『かちかち山』の話をしてほしかったのに……」
こういったずれは、小さいときからありがちです。
気をつかってください、無神経は駄目です。
(お断り 実際に「少年少女 世界名作全集 全十巻」が発売されていたとしても、その本とは一切関係ありません)
一緒に図書館へ行って、最初は、お父さんやお母さんが選んであげ、あとは、お子さんに任せてみましょう。
そして、お子さんが選んだ本は、たとえ年齢にふさわしくない幼い内容であっても、いやな顔をせずに読んであげ、自分で選べたことをほめましょう。
それから、お父さん、お母さんの勧める本を選んであげる、こういった手続きも必要です。
読書の芽は、自主的に育まれなければ、親が期待するように育たないからです。
また、図書館には、紙芝居がたくさんあります。
本に興味を示さない場合は、これを利用しましょう。
動画と違い紙芝居は、親子で向き合いますから、お子さんの表情がよく見え、話を理解しているかだけではなく、どういったことに感情が刺激されるか、何に興味があるかなどがわかるからです。
このように幼児期は、知識を詰め込み、文字や数字を使った計算を教えるより、心をこめて本を読んであげ、心の通った会話がたくさんできる環境を作るべきです。
そういう時期なのです。
小学校受験でもっとも重視されるのは、「話を聞く姿勢ができているかどうか」なのです。
そこから、ご両親の育児の姿勢がわかります。
普段から、会話が弾み、本をたくさん読んであげる環境であれば、自ずと培われてくる能力だからです。
これは、塾や幼児教室だけに任せて身につく力ではありません。
ご両親が、ご家庭で育てていくものです。
小学校受験の第一歩は、ここから始まり、合格を勝ち取る力となることを忘れないでいただきたいと思います。
まだまだ暑い日が続きます。健康管理には十分、注意してあげましょう。
(次回は「数感をみがこう」についてお話しましょう)
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2024年8月23日 12:48
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>ご家庭で楽しくできる受験準備(2)「話の読み聞かせ」のすばらしい効用(1)
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「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
現年中児のお子様をお持ちの方々へ
2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第7号>
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ご家庭で楽しくできる受験準備
(2)「話の読み聞かせ」のすばらしい効用 (1)
本を読んであげる「話の読み聞かせ」は、とても大切です。
動画で見る「フランダースの犬」や「アルプスの少女ハイジ」などのアニメの作品は、映像と語りだけではなく、臨場感を盛りあ
げる音楽や効果音まで駆使し、瞬く間に物語の世界へ誘い込まれ、楽しいものです。
これほど便利なものはありませんが、反面、幼児が疑問を抱いても、教えてくれない不便な点もあります。
幼児には、ご両親の「生」の声が何よりです。
5歳頃になると、絵が主役であった絵本から、字の多い絵本に変わり、話も筋道立てて進む物語になっていると思います。
ここで、お父さんやお母さんに本を読んでもらっていることを少し考えてみましょう。
読んでもらっているときの子どもの頭の中は、どうなっているのでしょうか。
絵を見ながらですから、大人が読んでくれる言葉を絵に置き換える、映像化するといった作業が、フルスピードで進んでいるので
はないかと思います。
絵本や図鑑、テレビや実際に見た映像が浮かんでいるのでしょう。
ところが、聞いたことがない言葉が出てくるとストップがかかります。
「お母さん(お父さん)、オニタイジって、どういうこと?」
やさしいお母さんは、お子さんの言葉に置き換えて説明します。
そこでお子さんは意味を確かめ、納得し、新しい言葉を覚えて、「語彙」が増えます。
そして、一人になると、まだ、字を読めないはずですが、何やらブツブツと言いながら絵本を見ています。
あれは、本当に不思議ですね。
おそらく、読んでもらった本が面白かったから、お母さんの言葉を思い出しながら確かめているのだと思います。
絵を見ながら、記憶した言葉をもとに映像を描き、イメージ化しているのです。
考え、想像しているのです、しかも「言葉」でです。
これは、すごいと思いませんか。
それが証拠に子どもは、とかく同じ本を何回も繰り返し、飽きもせずに読んでくれとせがみます。
それも読んでいる途中に、
「ママ(パパ)、ありがとう。そこまででいいです」
といったことが、しばしば起こりがちです。
そこまでのところを忘れてしまったのかどうかわかりませんが、それ以降、話が進まなくなり、イメージ化が中断してしまう、と
大人は考えてしまいます。
しかし、子どもとしては、読んでもらって全てがつながったから、そこまででいいのでしょう、あとは覚えていますから。
話を一所懸命に覚えようとしていることに違いはありません。
そこから「記憶力」がつきます。
さらに繰り返し読んでもらうことで、描かれた映像は、より鮮明になり、そこから、「空想力や想像力」が培われるのではないで
しょうか。
ところで、昔話を何か思い出してください。
昔話だけではありませんが、幼児の読む本は、「起承結」で成り立っているのではないでしょうか。
「起承転結」の「転」はなく、話は複雑になっていません。
江戸時代の漢学者、頼山陽が、漢詩を説明するために「京都西陣帯屋の娘」と題して、面白い例を残しています。
京都西陣帯屋の娘 (起)
姉は十八、妹は十六 (承)
諸国の大名は刀で殺し (転)
姉妹二人は目もとで殺す(結)
「ショコクノダイミョウって、ナンですか?」
余計なものが入ってくると、すっきりしなくなります。
帯屋の娘の話は、帯屋の娘で終わらなければ、子どもは承知しません。
桃太郎が、鬼退治をしたついでに、海賊までやっつけるとはなりません。すっきりと終わって、「めでたし、めでたし」が、昔話
には欠かせない決まりです。
さらに物語は、「序破急」と快適なテンポで進みます。
浦島太郎の竜宮城で過ごしたひと時が、何十年であっても何ら差し支えありません。話は快く聞けるように仕組まれていますし、
簡潔明瞭ですから、「話を理解する力」がついてきます。
しかも、話は、「むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました」で始まります。
「むかし、むかし」は、「いつ」と時間の設定ですが、いつのことだかわかりません。
「あるところ」は「場所」ですが、どこだかわかりません。
「おじいさんとおばあさん」は「だれ」と大切な登場人物ですが、名前もさだかではありません。
みんな「あいまい」です。
その「あいまい」なままに、話は、「何を」「なぜ」「どのように」と展開します。
これも考えてみると大変なことです。
時代はいつでも、場所はどこでも、名前がなくても、何ら不都合なことはありません。
奈良時代であろうが平成時代であろうと、北海道だろうが沖縄であろうと、みんな、「むかし、むかし、あるところに」で済ませ
てしまいます。
時代考証も、場所の設定も、登場する人物像をイメージ化する面倒な説明もありませんから、すっきりとした気持ちで話に入って
いけるのです。
これを仮に、
「江戸時代の元禄十五年、大晦日をむかえる二日前の朝、上総の国は蒲郡、大字蒲、字大和村の一本杉の近くに、四代目の山之上
太郎左衛門というじいさまと花というばあさまが住んでいました」
とやられては、聞いてみようかなという気持ちにもなれないでしょう。
「ママ、もう眠いから……」
こうなるに違いありません。
ところで、昔話は、
いつ(when)
どこで(where)
だれが(who)
なにを(what)
なぜ(why)
どのように(how)
といった[5W1H]から成り立っていますが、これは文章を書くときや情報を伝える時の基本で、小説や新聞、テレビのニュー
スなども、この形式(フォーム)で構成されています。
ということは、話を聞きながら[5W1Hのフォーム]を、小さいときから学んでいることになります。
これは、すごい知恵ではないでしょうか。
もちろん、子ども達が、「いつ、どこで、だれが」などと意識して聞いているわけではないでしょうが、理路整然とセオリーどお
りに話は進んでいきますから、楽しく話を聞き、その話を覚えることで、筋や物事を考える、「思考力や構成力」が、おのずと身
についてきます。
そして、子どもは、話を覚えると話したがります。
誰かに聞いてもらいたいのです。
それには、自分自身が話をよく理解しなければできませんから、そのための訓練が、自発的に始まります。
それが、「表現力」につながります。
しかも、「覚えなさい!」といわれて覚えたのでもなく、「話してみなさい!」といわれて訓練したものでもありません。
自ら、積極的に努力して得た力です。
こんなに大切な能力開発を、誰にもいわれずに挑戦しているにもかかわらず、
「パパ、『桃太郎』の話、知っている?」
「ああ、知っているよ。桃太郎が猿と犬と雉の家来を連れて、鬼退治にいく話だろう!」
と無造作に応じてしまっては、せっかく積んできたトレーニングの成果を試せません。
子どもは、話したいのです。
成果を試したいのです。
「うん、パパも子どもの頃は、よく知っていたけど、どういう話だったかな?」とやさしく受けてあげましょう。
お子さんは、一所懸命に話すはずです。
そして話し終えた時には一言、「よく覚えたな、偉いぞ!」とほめてあげることです。
お父さんにほめられて、不愉快になるはずはありません。
「よし、今度は『カチカチ山』を覚えるぞ!」
となり、新しい話に挑戦します。
記憶力どころか、「物事に取り組む意欲」を培うことになります。
しかも「自発的」にです。
30度越えの日々、自然が相手だけにどうしようもありませんが、お子さんの健康管理には十分に気を付けてください。
(次回は、「話の読み聞かせ」のすばらしい効用(2)」についてお話しましょう)
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2024年8月16日 12:48
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>ご家庭で楽しくできる受験準備(1) 身につけてほしい話を聞く姿勢
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「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
現年中児のお子様をお持ちの方々へ
2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第6号>
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ご家庭で楽しくできる受験準備
(1) 身につけてほしい話を聞く姿勢
今回からしばらく、家庭でできる受験準備の基本的なことについてお話ししましょう。
小学校の入学試験には、文字を使えませんから、ペーパーテストには答えは出ていますが、設問は、どこにも書かれていません。
このことです……。
一回で説明を理解できなければ、それまでです。
設問が書かれていれば、難しい問題は後回しにして、時間があれば挑戦できますが、小学校の試験は、これができません。
まず、設問を聞き、「はじめ!」の合図で取り組み、「そこまで!」と声がかかればやめて、次の設問を聞きます。
「もう少しでできるぞ!」と続けていると説明を聞き逃すことになり、次の問題に挑戦できません。
「約束を守る」の項目に、チェックが入る学校もあるようです。
そういったことから考えると、もっとも厳しい試験方法ではないでしょうか。
さらにやっかいなことには、慶應義塾幼稚舎のようにペーパーを用いない「行動観察型」のテストでは、先生の指示を聞き取り、理解し、考えをまとめ、自分自身の意見をいったり、話をしたり、思ったことを絵に描いたり、身体で表現しなければなりません。
しかも、生まれて初めて入った場所で、初めて会った同年代の子ども達とグループを組み、初対面の先生の指示を聞き、理解し、すぐに行動に移さなければなりません。
機敏に対応できる能力が求められます。
このように、話を聞く姿勢ができていなければ、小学校の入学試験には対応できません。ですから、まず、ご家庭で心がけてほしいのは、お子さんが「話をきちんと聞けるようにする」ことです。
それには、ご両親が「お子さんの話をきちんと聞く姿勢」を示すことが大切です。
「こうしなさい!」「こうしなければダメ!」と注文をつけるのではなく、逆に、お子さんの話に耳を傾けてあげる、話を聞いてあげることが大切なのです。
これは、簡単なようですが、あまりできていないのではないでしょうか。
幼児の話は一本道ではなく、あっちへ飛んだり、脱線したり、一回で完結せずに、予想のつかない展開となりがちです。
そこを辛抱強く聞いてあげ、
「○○君(ちゃん)、こういうことだったのね」
などと簡単にまとめてあげれば、
「何だ、そういうことか!」
と、本人は意識しなくても話の仕方の学習にもなっているのです。
幼稚園や保育園から帰ってくるなり、
「ママ、あのね、きょう……」
などと話しはじめた時には、何はさておき聞いてあげましょう。
話したい意欲に燃えているのですから、「話の仕方の学習時間」と考えて、真剣に聞いてほしいのです。
聞いてもらうと、子ども心にも快感が生じます。
そこから、「人の話はきちんと聞かなければいけないこと」も学習できるのです。お母さんは、「話をきちんと聞きましょう!」と、柳眉を逆立て命令しているわけではありませんが、お子さん自身は「話をきちんと聞く学習の基本」を学んでいるわけです。お父さんも同様です。
これも「教えない教育」の一つの例です。
話を聞いてもらえたお子さんは、身も心もすっきりとし、
「ようし、今日は、プリントを5枚、頑張るぞ!」
となれば、一石二鳥ではありませんか。
お母さんにも経験ありませんか。
会社から帰ってきたお父さんに、テレビのワイドショーなどで仕入れた情報を披露しようとした時に、
「疲れているからあとにしてくれ!」
「疲れているからあとにしてくれ!」
などといわれれば、ムッとしませんか。
お子さんも同じです。
力関係でお母さんに勝てませんから、黙るしかないのです。
せっかくの学習チャンスを無駄にしています。
この無駄は、はかり知れない大きなものであることを肝に銘じておきましょう。
スキンシップにも影響がでます。
お子さんの話を聞けないお父さん、お母さんは、命令と要求が多くなりがちです。
立教小学校の説明会で、「対話の反対は沈黙ではなく、命令と要求」とおっしゃったのは、田中司元校長でしたが、幼児の場合は、まさにその通りではないでしょうか。
お子さんが急に黙ったり、プッとふくれたり、不満げな様子を示す時は、「命令や要求が実行されている」と考えましょう。
子ども達が、もっとも嫌がるお父さん、お母さんであることに気づいてほしいですね。
ところで、特にお母さん、お子さんの赤ちゃん時代を思い出してください。
お子さんは、「ママ!」の一言で、一方的に会話を済ませてはいませんでしたか。
「お腹がすいた」
「水を飲みたい」
「おむつを取り替えて」
「汗をかいて気持ちが悪いの」
「日光浴をしたい」
「抱っこして」
「淋しいからそばにきて」
「テレビをつけて」
「頭が痛いの」
「お散歩に連れてって」
など、書き出すときりがありませんからやめますが、選択肢はこんなものではなかったはずです。
お母さん方は、「ママ!」の一言で、何を要求しているかを的確に判断し、適切な処置をしていたのではないでしょうか。
このことを思い起こせば、つたない話でも、聞いてあげるのは楽ではありませんか。
お子さんが、「ねえ、ママ!」といったときには、素直に話を聞いてあげるように心がけましょう。もちろんお父さんもです。
イエス・キリストも、「忙しい毎日の中で、その時にあたって最善の行動とは何かを考えなければならない」とおっしゃっていますが、子どもの話をゆっくり聞いてあげる、これもその時
に最優先すべきことと考えるべきではでしょうか。何もキリストにお出まし願うこともありませんが(笑)。
もう一つ、思い出してほしいのです。
赤ちゃんが、なぜ、話せるようになったか、このことです。
自然に話せるようになったわけではありません。
映画「ジャングルブック」は、赤ちゃんの頃から狼達に育てられ、言葉をまったく話せなかった少年が主人公でした。
言葉は、その学習時期を過ぎると臨界期といって、どうにもならなくなり、身につかないそうです。
ここでも、お父さん、お母さんの涙ぐましい努力が、あったはずです。
「ママ(パパ)、おみじゅ!」
と、お子さんがいったとします。
お母さん(お父さん)は、どのように対応されたか覚えているでしょう、それほど昔の話ではありませんから。
「のどが渇いたので、お水が飲みたくなったのね!」
こういっていたはずです。
そこで、お子さんは、
「ノドガ カワク、ミズヲ ノミタイ」
といった言語の学習をしていたわけです。
この語りが、おうむがえしが、会話の学習の基礎となり、今のように話せるようになったわけです。
「主語が『私』で、述語が『飲みたい』、目的語が『水』で、形容詞が、副詞が……」と教えたわけではありませんが、かなり、理詰めに話せるようになっています。
お父さん、お母さんとの学習が、苦にならなかったからです。
なぜでしょうか。
それは、やはりお父さん、お母さんが、話ができるように、やさしく対応してあげたからです。
その心は、「まだ、話せないから」といった配慮があり、無理に教え込まなかったからではないでしょうか。
話をじっくりと聞いてあげ、言葉のシャワーを繰り返し浴びせかけた結果であり、これも「教えない教育」であったわけです。
誤解をされると困りますから繰り返し説明しますが、「教えない教育」は何も教えないのではなく、教わっている本人が、意識することなく、楽しく、大変な学習をしていることです。
そして、面接で、丁寧な言葉で話してほしいとお考えでしたら、お母さん自身が、響きのよい言葉を使うことです。
「ご飯よ、○○ちゃん!」ではなく、「ご飯ですよ、○○くん(さん)!」と話しましょう。
言葉遣いやあいさつは、一朝一夕に身につくものではありません。
親が率先して、よいお手本を見せることです。
さらに、指示は、正確に出すように心がけましょう。
「ねえ、○○ちゃん、あそこにある、あれとって!」
「あそこの、あれ」といわれても、わかっているのは指示を出したつもりのお父さん・お母さんだけで、聞いているお子さんには、何が何だかわかりません。
何だろうと迷っていると、
「何をぐずぐずしているの!」
と、怒気を含んだ催促になりかねません。
「これ、それ、あれ、どれ」といった「こ・そ・あ・ど言葉」
は、使わないことです。
「こ・そ・あ・ど言葉」は、文章が煩雑になるのをさけるために使う「代名詞」です。
代わりの言葉ではなく、名詞をきちんと使いましょう。
「○○くん、ダイニングのテーブルの上にある料理の本を、お母さんのところへ持ってきてください」と指示がきちんと出ていれば、「いい加減に聞いたらまずいことになるぞ!」と、お子さんもわかります。
◆話を聞いてあげる。
◆きれいな言葉を使う。
◆指示をきちんと出す。
保護者に、こういった配慮があれば、お子さんも、保護者の願いに応えるはずです。
心当たりがありましたら、早速、実行しましょう。
暑い日が続くようです。清涼飲料水は控えめに、家で作った麦茶などで、渇きをしのぎましょう。
(次回は、「本の読み聞かせの素晴らしい効用 1」についてお話しましょう)
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2024年8月 9日 12:48