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2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★夏休みの過ごし方(1)

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第56号)
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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夏休みの過ごし方(1)
 
東京、横浜、埼玉、千葉の小学校の入学試験本番まで、後3ヵ月有余、「夏を
制するものは受験を制す」ともいわれています。
夏休みの過ごし方に、合否の鍵があるといっても過言ではありません。
大切な日々を有効に過ごすポイントは、ご両親の考え方にあります。
 
まずは、何といっても健康管理です。
幼稚園が休みになると、生活のリズムが狂いがちです。
幼稚園があるときと同じように、規則正しい生活のリズムを崩さないことです。
1日のスケジュールを立て、それにしたがった、メリハリのある生活を送りま
しょう。
ただし、あれもこれもと、過密なスケジュールでは、お子さんの負担を増やす
だけで、かえってマイナスになりかねません。
余裕を持って、計画を立てることです。
遊び時間をきちんと配慮してあげましょう。
 
知的な能力は高いが、体力に不安がある子が多いのも、小学校受験の特徴でし
ょう。
机の上での勉強だけではなく、体を十分に動かす時間を設けましょう。
買い物などに出かけるときは、車を使わずに歩き、汗を流す機会を作ることで
す。
十分も歩かない内に、「おんぶ!」をせがむようでは、とても受験に対応でき
ません。 
肉体的なスタミナがなければ、精神力も弱いものです。
一所懸命に頑張る意欲や耐久力は、入試に欠かせない大切な要素です。
運動教室にお任せだけでは、真のスタミナはつきません。
冷房の効いた快適な環境から、失うものもたくさんあります。
お父さんにも手伝ってもらい、一緒に汗を流しましょう。
お父さんのリフレッシュにも、役立ちます。
夏休みの間は、ゴルフバッグに封をしておきましょう。
 
ところで、夏休みに入ると、友達と遊ぶ時間が、不足しがちです。
受験一色になると、友達との遊びを悪いことと考えるお母さん方がいると聞き
ますが、それは間違いです。
社会性や協調性といった集団生活への適応力に欠ける子は、どこの学校からも
歓迎されません。
行動観察型のテストでは、こういったところがはっきりと表れます。
集団生活への適応力は、問題集をこなすだけでは養われません。
最近、友達が家に来て遊ぶ機会も、少なくなっていると聞きます。
自分の家と全く違う生活習慣があるなど、本来は、貴重な体験をする機会でも
あるのですが、あまり歓迎されていないようです。
せめて、同じ年齢の子がいる親戚を訪ね、違った生活を送るのも貴重な体験に
なるのですが。
 
また、一人遊びも大切です。
遊びを通して自発性、考える力はもちろんのこと、一所懸命に取り組む意欲や
持久力もついてきます。
入学試験に備えて、親が勝手に子どもの遊ぶ時間まで管理するのは、いかがな
ものでしょうか。
何から何まで管理していると、無気力、無関心、無感動、無表情な「指示待ち
子ども」になりかねません。
遊びを通して培われる力こそ、子どもにとっては、大切な財産になることを、
忘れないようにしてほしいのです。
今年の3月に任期前に辞任し、現場の教師に復帰した加藤三明元幼稚舎長は、
毎年説明会で「5歳のわが子を、受験のためにスポイルしないでほしい」とお
っしゃっていました。
受験準備は、早稲田実業初等部の教育目標ではありませんが、「ゆっくり、じ
っくり、しっかり」と余裕を持って取り組みたいものです。
 
ここで一言。
夏の幼稚園や保育園の行事に、お泊り保育があると思います。
その時の様子を先生からうかがっておきましょう。
家族から離れて生活した時、今まで気づかなかったお子さんの一面が、現れる
こともあるからです。
泣き出してしまうお子さんもいて、先生方も意外な思いをする話を、よく耳に
します。
入学試験は、「生まれて初めての場所に入り、生まれて初めて会った先生の指
示に従い、初めて会った同年代の子ども達とグループを組み、いろいろなこと
に取り組む」からです。
心配なところが見つかった場合は、育児が過保護、過干渉になっていないかを
チェックし、自信を持って取り組める気持ちを育ててあげましょう。
特に、過干渉になりがちなお母さん方、口を挟む前に「1,2,3,4,5」
と数えましょう。
そんなわずかな間でも、お子さんに考えさせる時間を与えていることに気づい
てほしいのです。
 
★家庭でできる具体的な受験準備 
次に、ご家庭でできる具体的な受験準備についてお話しましょう。
本メールマガジンを通して、しつこく触れてきましたので、またかと思われる
でしょうが、大切なことですから繰り返します。
 
1.聞き取る力をつけるには
小学校の入学試験は、話を聞き取る力がついているか、いないかで決まります。
ペーパーテストには設問はありませんし、行動観察型のテストでは、先生の話
を聞かなければ、何もできません。
本を読んであげましょう。
耳と目から入ってくる情報から好奇心は刺激を受け、言葉を映像化する作業が
フル回転で行われ、記憶する意志が自然と働きます。
一人になったとき、本を見ながらお母さんに読んでもらった言葉を、筋道立て
て思い出しているのです。
語彙がふえることで言語力、
イメージが豊かになることで想像力、
話を筋道立てて思い出すことで思考力、
より正確に覚えようとすることで記憶力、
言葉や絵、身体で表現することで表現力、
そして、何よりも大切な集中力、話を聞き取る力、話を聞く姿勢が身につきま
す。
「本の読み聞かせ」に最初に触れたのは、およそ10年前になりますが、立教小
学校の田中司元校長で、今年も田代教頭が力説していました。
さらに、お子さんと話をする時間をたくさん作り、よい聞き手に徹してあげま
しょう。 
言葉は、とにかく話をしなければどうにもなりません。
どんな拙い表現でもよく聞いてあげ、お母さんが正しい言い方に直してあげま
しょう。 
言葉のキャッチボールを楽しんでください。
「対話の反対は沈黙ではなく、命令と強制」といったのも田中元校長でした。
含蓄のある言葉ではないでしょうか。
 
そして、正しい指示を出しましょう。
「ユキちゃん、そこにある、あれ取って」
などと言っていないでしょうか。
これでは、指示を出した本人しか理解できません。
「ユキちゃん、テーブルの上にあるお料理の本を、お母さんのところまで持っ
てきてください」
「これ・それ・あれ・どれ」は代名詞ですから、きちんと名詞に置き換え、丁
寧なことばで応対しましょう。
 
面接の折りに、「デス、マス」を自然に使って話をさせたければ、お母さんが
お子さんの前で、響きのよい言葉をたくさん使ってあげることです。
心地よい言葉は、使ってみたくなるものです。
 
また、あいさつは、きちんとするように心がけましょう。
そして、用事を頼み、お手伝いをしてもらったときは、必ず「ありがとう」と
感謝のことばをかけてください。
こういった気配りから、お子さんの心の中に、相手を思いやる心も育まれてき
ます。
 
さらに、しりとり、同頭語、同尾語、反対語、短文の復唱などは、言葉遊びと
して、楽しみながら学習すれば、お子さんは喜んで挑戦するはずです。
 
この時期になると、「お話作り」を苦手とするお子さんが増えてくるようです。
前にもお話しました、「ママ(パパ)、あのね!」方式を採用してみましょう。
話す相手がお父さんやお母さんであれば、プレッシャーもかからず、気軽に話
せるからです。
そして、親が作った話を覚えこませるようなことはせずに、自分で思っている
ことを、自分の言葉で話せるように、しっかりと聞き手にまわり、上手、下手
は、二の次と考えることです。
こういった課題は、とにかく、言葉が出なければ、どうしようもないからです。
「こんなこと言ったら笑われるかな!」とか「これでは、ママに叱られるかし
ら?」などと思い始めると、言葉は出てきません。
どんな内容でも相槌を打ち、よく聞いてあげてから、
「こうした方が、ママはいいと思うけど、ユキちゃん、どうかしら?」
と、お子さんの話を認めてあげ、導いてあげると、お子さんは納得してついて
くるものです。
言葉が出ないのは、お母さんがしゃべりすぎの場合も考えられます。
「何とかしなければ」とお母さんがあせれば、お子さんは苦手意識を持ち始め
ます。
自信をなくしますから消極的になりがちで、これでは行動観察型の試験に対応
できません。
お子さんの話に耳を貸し、うなずき、認めてあげてから、お母さんが考える方
向へ、「ゆっくり、じっくり、しっかり」と導いてあげましょう。
 
2.考える力をつける
最初のところでもお話しましたが、トランプは、数字と同じ数のマークがかい
てありますから、数感を養うすぐれた教材です。
1枚ずつカードを出しあって勝敗を争えば、直感で多少を見分ける力がつきま
す。
これを繰り返していると不思議なもので、引き算の練習をしているのではない
のですが、 
「6と3では、6の方が3つ多い」
「10と8では2つ違う」
と多少の学習になります。
数の違うカードを5枚並べ、いちばん多いもの、少ないもの、2番目に多いも
のなどの学習もできます。
 
ところで、数え方ですが、たとえば、15個あるリンゴを、お子さんはどのよ
うに数えていますか。
1 1,2,3,4と1個ずつ指で押さえて正確に数える。
2 2,4,6,8と2個ずつ押さえて数える。
3 3,6,9と3個ずつ押さえて数える。
4 4,8,12と4個ずつ押さえて数える。
5 5,10,15と5個ずつ押さえて数える。
5は最も速い方法ですが、幼児の手の大きさから考えると、5個ずつ押さえる
のは容易ではありませんから、無理をしないことです。
できれば、3個ずつ、掛け算の3の段、3とびをマスターすると、早く、正確
に数えられます。
    
15個のおはじきをばらばらに置き、2からやってみましょう。
言葉と数が一致しないと、に(二),し(四),ろく(六),や(八),とお(十)
と数えられても「や、っていくつ?」といったように混乱しがちです。
これを理解させましょう。
数を訓読みで覚えると、一日を除き、日にちに対応できます。
15の場合、十までいったところで元へ戻り、二、四で止め、1個あまりで
14個、つまり、数え終わったときの四を十にくっつければ14となり、それ
に余った1を加えれば15となることを教えます。
この場合、トランプの10と4のカードを使うとわかりやすいと思います。
理解できたら、おはじきは、どんな並べ方でも簡単にできますから、どんどん
並び替えて挑戦してみましょう。
以下、同じように、3,4にも取り組みたいのですが、3をマスターできれば
最高と考え、後はできる場合は挑戦してもかまいませんが、絶対に無理をさせ
ないで下さい。
そして、5の5個押さえる方法ですが、たとえば、7個のリンゴを数えるとき、
5個の集まりを手で押さえれば、残り2個ですから、合計7個であることがわ
かります。
いきなり5の数え方を教えず、きちんと段階を踏んであげましょう。
大人が考えるほど簡単ではないからです。
 
合成、分解も、カードを使うと面白く学習できます。
10のカードを使い、マーク1つを指で押さえれば[1と9]であることがわ
かります。
同様に、2つ押さえて[2と8]、3つ押さえれば[3と7]であることもわ
かります。
以下、同様にして挑戦しましょう。
[10]は[1]が10個集まっていると考えれば、楽しく取り組めるはずで
す。
 
3個の合成、分解について、遊びながら学ぶ方法を紹介しましょう。
おはじきを5個、横に並べます。
1個指で押さえて左へ少し移動させ、次に、左から2番目のおはじきを1個左
に動かすと[〇・〇・〇〇〇]となり、以下同じように、左から3番目のおは
じきを1個左へ動かすと[〇・〇〇・〇〇]、4番目のおはじきを左へ動かす
と[〇・〇〇〇・〇]となり、これをスケッチブックにかいておきます。
元に戻して、最初に2個左へ動かす組み合わせの場合は、[〇〇・〇・〇〇]
[〇〇・〇〇・〇]となります。
これもスケッチブックにかいておきます。
再び、元へ戻し左へ3個動かす場合は、[〇〇〇・〇・〇]しかできません。
これもスケッチブックにかいておきます。
1[〇・〇・〇〇〇]
2[〇・〇〇・〇〇]
3[〇・〇〇〇・〇]
4[〇〇・〇・〇〇]
5[〇〇・〇〇・〇]
6[〇〇〇・〇・〇]
1と3と6、2と4と5は同じ組み合わせであることがわかりますから、
[〇・〇・〇〇〇]と[〇・〇〇・〇〇]の二通りの組み合わせになることが
わかります。
 
興味を示した時は、6,7,8,9,10、それぞれ何通りずつできるか、お
子さんと遊びながら探してみましょう。
ただし、嫌がる場合は、絶対にさせないで下さい。
できないと、合成、分解の問題に、苦手意識を持ちがちですから。
 
トランプは、神経衰弱からは記憶力が、7並べでは1から13までの数列や系
列完成、下のように並べると上から、下から、左から、右から何番目、黒を中
心に左斜め上、右斜め下といったように位置の問題の学習にもなります。
      □□□
      □■□  
      □□□ 
その他、オセロやおはじきなどで分割を、積み木では、立方体を積み重ねるこ
とで、見えないところにある数の発見、模倣構成、四方図形なども楽しく学習
できます。
積み木の四方図形は、斜面を正面から見る場合、子ども達は「……?」となり
がちですが、実際に積み木を使ってやってみると、理解できます。 
プリント学習に疲れたときなどにゲーム感覚でこういった遊びをすると、気分
転換にもなります。
数量や推理・思考、図形など、苦手な分野の問題は、じっくりと時間を使える
夏休みにこそ、全力で取り組みましょう。
 
ここで問題を。
折り紙を磁石で持ち上げたいのですが、どうすればできるでしょうか。
実験は、遊びの感覚で取り組むことが大切です。
 
夏休みに入りました。猛暑が続いていますが、夏はこれからが本番です。頑張
りましょう。
(次回は、「夏休みにできる家庭学習2」についてお話しましょう)
 

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