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めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>お子さんは、朝起きてから寝るまで、どのくらいのことを自力でできますか。

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        「めぇでる教育研究所」発行
2021さわやかお受験のススメ現年中児 今から始める小学校受験
            第3号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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お子さんは、朝起きてから寝るまで、どのくらいのことを自力でできますか。
 
まず、基本的な生活習慣のことです。
一言でいえば、「誰の世話にもならず、自力で生きていくために培われた、年齢
にふさわしい適応能力」のことで、食事・睡眠・排泄・清潔感・衣服の着脱の
5つが基本といわれています。
これは皆さん方が、今まで手がけてきたことばかりではないでしょうか。
おそらく、3歳頃からお子さん自身が自分でやる機会も増え、できることも増
えていったと思います。
その時から賢明なお母さん方は、手を抜き始めたのではないでしょうか。
お子さんの自立の始まりです。
ですから、3歳を過ぎても子どものやっていることをみて、手を貸そうとすれ
ば過保護であり、口を挟もうとすれば過干渉の育児になり、実際に手を貸し、
口を出していると、いやな言葉ですが、超過保護であり、超過干渉の育児にな
りがちで、お子さんの自立は阻まれてしまいます。
お子さんを取り巻く環境はいかがでしょうか。
 
20項目あげてみましたが、早生まれのお子さんでは、まだ無理なことも入っ
ていますし、今の時点でこれらのすべてが、きちんとできていなければいけな
いということではありません。
受験を考えていないお子さんの場合は、年長になる来年の4月をめどにして間
に合いますが、受験されるお子さん方には、少し厳しくなりますが、幼児教室
の新学期が始まる、今年の11月を目安にして頑張ってみましょう。
目的は、自立心を養うことです。
幼児教室では、手のかかるお子さんは歓迎されませんし、入室テストで断られ
ることもあるからです。
 
 1.毎朝一人で起きられますか。
 2.歯磨き、洗顔を一人でできますか。
 3.風呂で体を洗い、洗髪できますか。※
 4.衣服の着脱はできますか。
 5.ボタンの掛け外しはできますか。
 6.食事は一人でできますか。
 7.箸やスプーンの持ち方に気になることはありますか。
 8.食事に時間はかかりますか。
 9.幼稚園へ行くときの準備は一人でできますか。
10.幼稚園から帰ってきたとき一人で着替えができますか。
11.外から帰ってきたとき、手洗い、うがいはできますか。
12.おもちゃ等遊んだものを片付けられますか。※
13.自分の身の回りの整理整頓はできますか。※
14.ハンカチやティッシュペーパーを使えますか。※
15.はさみで形の切り抜きができますか。
16.ひもを結べますか。(かた結び)※
17.靴をはくことができますか。
18.玄関で靴をそろえて脱げますか。
19.毎朝、決まった時間にトイレに行っていますか。
20.早寝、早起きをし、睡眠は10時間以上とっていますか。
        ※は無理をしないことです。
 
3.洗髪は、幼児には大事業ですから急がせる必要はありません。
毎年、年長の夏に2泊3日の合宿に出かけていた頃の経験ですが、いやがる男
の子には、耳をしっかりと押さえさせ、シャンプーも少しだけつけてすばやく
洗ってあげると、意外に「何だ、ぼくにもできる!」となり、合宿から帰って
きたわが子の変わった様子に驚かれるお母さん方がいましたが、怖がるからや
らせなかった場合が多いものです。
 
7.箸を正しく持ち、他人の世話を受けずに食事ができることは、排泄と共に
集団生活でも最も大切なことです。
立教女学院小学校の説明会で以前、「今年も箸を使うような問題が出たとして
も、できるだけ速く物をはさみ移動させることを競っているのではなく、生活
習慣としてみせていただきます」とおっしゃっていましたが、箸をきちんと持
って食事のできるお子さんは、筆記用具を正しく持てていますから、お母さん
方の育児の姿勢、しつけがわかるわけで、決してタイムを争わせているわけで
はありません。
筆記用具の持ち方は書写の基本であり、小学校の勉強の初めの一歩につながる
大切な適正能力です。「点図形模写」などの出題の意図はここにあるのです。
 
11.幼児にとっては難しい習慣で、これこそご両親がしっかりとお手本を見
せることが大切です。
インフルエンザの予防のために、うがいを励行されたと思いますが、これが習
慣になっているようですね。
「外から帰ってきた時は、手を洗いましょう」は、清潔感を身につける大切な
習慣です。
 
13.整理整頓ですが、男の子は苦手ですね。
「まだ、小さいから、今にできるようになる」と思っているようではできるよ
うになりませんし、その度にうるさく注意するだけでは身につきません。
整理の仕方がわからない場合もあります。
「君は、まだ小さくてできないから、先生が手伝うよ」と一緒に片付けている
と、それが習慣になって1ヶ月もしないうちに自分から片付け始める子もいま
す。
おもちゃを箱に乱雑にしまう子は、片付ける手順がわからない場合が多いもの
です。
文句を言う前に、なぜできないのか、その原因を考えてあげましょう。
我が家の長男も片付けが苦手でしたが、長女が「こうするのよ!」と言っては
やらせていました。女の子は、小さい時からお母さんをしっかり観察して、真
似をしていますね。ままごと遊びをしているお子さんを見て、赤面することは
ありませんか(笑)。
 
そして、お父さん方に一言、「置きっ放しにしないで! だらしがないんだから」
などとお母さん方から苦情が出ていませんか。出ている場合は、反省してくだ
さい。
お母さん方へも一言。お子さんの前で、こういった乱暴な言葉は、絶対に使わ
ないでください。
小さい時から、父親の存在をないがしろにする言動は、厳に慎むべきです。
子ども達は、強いお母さんを歓迎しているわけではありません。言われたお父
さんより、聞いている子ども達の方が、大いに傷つくことを忘れないでくださ
い。
同様に、お父さん方、お母さんに乱暴な言葉を投げつけるのは、やめましょう。
 
14.男の子は、手でこすって始末したり、ズボンで拭いたりしがちですが、
どうしてティッシュペーパーやハンカチを使うか、時間をかけて教えましょう。
衛生感覚を身につける大切な生活習慣です。
 
15.こういった手作業、関係のないように思えますが、切る、折る、貼るとい
った作業は、自立心と深いかかわりを持っています。
誰の手も借りずに、はさみを使えることは、脳と筋肉が、ある目的のために、
自主的に共同作業をやっていることになるからです。
自らやろうとする意欲の育まれていることがわかりますから、出題されるので
す。
 
こういった基本的な生活習慣の身についている子は、試行錯誤を積み重ね、工
夫し、努力をしていますから、自立心や自発性が培われ、それが集団生活への
適応力を育むもとにもなっているのです。
 
さらに、加えておきたいのは、「あいさつができますか」ということです。
「おはようございます」「いただきます」「ごちそうさま」「いってきます」「た
だいま」「ありがとう」「ごめんなさい」「おやすみなさい」は、ご両親が率先し
て行うことで、きちんと身につくものです。
特に、「ありがとう」「ごめんなさい」と素直にいえる子は、情緒も安定していま
す。
あいさつは、人とのかかわりをスムーズに行うための潤滑油であり、次回にお
話します、集団生活への適応力にも大きな影響を与えるものです。
 
基本的な生活習慣は、自力で生活できる適応能力のことです。
小学校の入学試験は、「初めての所へ行って、初めて会った同じ年の子ども達の
中に入り、初めて会った先生の言うことを聞き、適切に対応できるか」を判定
されることであり、頼りになるのは自分自身だけで、誰も助けてくれません。
「子離れできないお母さん」「お母さん離れのできないお子さん」では、入学試
験に対応できないことをご理解いただけたのではないでしょうか。
どこの学校でも、「基本的な生活習慣が身についているかをみたい」といってい
るのは、「適応能力」が身についているかを知りたいからです。
 
最近の説明会でよく聞く、「当たり前のことが当たり前にできない」の意味は、
知的な能力ではなく生活習慣のことです。
まず、こういったことからしっかりと育てていくことが、合格への道を歩むこ
とになるのです。
ただし、繰り返しお願いしておきますが、お子さんの生まれ月を無視すること
は、成長を阻害するおそれもありますから、慎重に取り組んでいただきたいと
思います。
 
梅雨明けすれば、すぐ夏本番です。お子さんの健康管理には十分に気をつけて
ください。
 
   (次回は、集団生活への適応力についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>夏休みの過ごし方(2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
2020さわやかお受験のススメ小学校受験編
            第54
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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夏休みの過ごし方(2)
 
小学校は夏休みに入りますが、この週末も雙葉小学校などでの学校説明会が行
われたり、小学校の夏休みを利用したオープンスクールや体験会を実施する学
校もあります。
学校のことをより良く知るには、実際に訪問するのが一番です。漏れることの
ないように、志望校はもちろん、気にかかる学校の予定をしっかり把握してお
きましょう。 
 
今回は、前回に続き、夏休みの過ごし方についてお話しましょう。
 
3.観る力をつける
動物園、植物園、博物館、水族館、プラネタリウムなどを利用して、観ること
で名称、種類、性質、形、大きさ、色、用途などがわかります。
図鑑人間、驚くほど知っていますが、残念ながら大きさのわからない子がいま
す。
本物を見せてあげてください。
ただし、お子さんが興味を示さないときは、あまり効果はないでしょう。
「今度の日曜日は休みだから、水族館でも行こうか」ではなく、「パパ、ラッコ
ってどうやって貝を食べるのかな?」といったように「かな?」の二文字がつ
いたときは、何はさておき連れて行きましょう。
疑問の芽が、好奇心を刺激しているからです。
 
そして、観てきたことを絵日記に描ければ素晴らしいですね。
なぜなら、絵日記は、体験したことを思い出しながら、整理して、映像化し、
記録することですから、知的な訓練にもなっているのです。ただし、絵の巧拙
にはこだわらないようにしましょう。楽しく描けることが何よりも大切だから
です。
かつて、慶應義塾幼稚舎で、画家が使うイーゼルを立て、絵を描かせましたが、
その目的は「子ども達の顔をみたかったから」と舎長はおっしゃっていました。
夢中になって描いている子ども達の表情は「素晴らしい!」の一言に尽きるか
らです。
 
似ているところ(類似点)と違っているところ(差異点)を見つけ、話をさせ
ることも大切です。
言葉は、実際に話してみなければ、どうにもならないものです。自分で考えた
ことを、自分の言葉で話す機会をたくさん作ってあげましょう。野菜(キャベ
ツときゅうり)、花(さくらと朝顔)、果物(りんごとみかん)、乗り物(飛行機
と客船)などの組み合わせです。お子さんの話したことで、妥当性がある場合
は、正解です。
 
たとえば、「自転車とオートバイの違うところをいってください」の問題のとき、
「仮面ライダーはオートバイに乗るけど、自転車に乗って来ない」
といった子がいましたが、お母さん方はどう対処されますか。
「テレビのせいだわ!」と柳眉を逆立てる前に、とりあえず間違いではありま
せんから、まず、その考えもいいけれどとうなずき、「仮面ライダーを知らない
外国の人にお話ししてわかるかしら?」といえるお母さんになってほしいので
す。すると、お子さんは、自分の考えを認めてもらいましたから、人力と動力
の差に話が進むはずです。まず、認めてあげ、それから、正解に導いていくこ
とが大切です。私が現役の時、もっとも印象に残っている答えは、「花火と雪だ
るまは似ている」でしたが、どんな答えか想像してみてください。
 
さらに、朝顔やひまわり、家庭菜園で栽培した野菜などの観察絵日記(成長過
程や咲いた花の数、色、葉の形など)を描いてみましょう。成長の変化に気づ
く目が育ちます。
また、種まき、発芽、葉、花、種といった成長の過程を観察することで、科学
的にものを学ぶ姿勢も養うこともできます。
郊外の畑では、ナスやキュウリの小花を見せてください。鮮やかな紫色と黄色
の花にびっくりするのではないでしょうか。
 
また、幼児用のプールや風呂を利用して、浮くものや沈むものを実験してみま
しょう。
スイカは絶対に浮かないと思っている子がいますが、お子さんはどうでしょう
か。迷っている時は実物で実験するしかありません。最近は、小さなスイカ、
小玉スイカが出回っていますから見せてあげましょう。
手に持たせた時「沈む!」といったのは、野球の硬球とゴルフボールでした。
水がいっぱい入っているビンと少し空気が入っているビンなど、興味を示すは
ずです。
 
磁石につくものを探してみましょう。アルミ缶とスチール缶では、「うん?」と
なるはずです。砂場は、放し飼い動物の共同便所化したときもありましたが、
夕方にシートをかぶせるなど清潔になっているようですから、磁石を入れるの
も面白いので、実験してみましょう。
しかし、コンセントなどに近づけると危険ですから、使う場合は目を離さない
で、終わったら手の届かないところへ片付けるようにしましょう。
前回の折り紙を磁石で持ち上げる問題ですが、折り紙の下にクリップなどを置
くと持ち上げることができます。
 
4.絵を描くことに興味を持たせる 
絵を描くことを嫌う子が増えていると聞きますが、事実なら困ったことです。
絵は、言葉や身体表現と同様、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感が受けた
刺激から観察力が働き、記憶したことがらを表したものといえます。
幼児の描く絵は写生ではなく、イメージ化したものと考えてあげましょう。
「絵は心の窓」ともいわれています。
お子さんの、心境が表れているのです。
絵の巧拙にこだわる必要はありません。
お子さんが、描けた絵を見ながら話を弾ませる、よい聞き手に徹することです。
お子さんが、絵を描くときの顔を見たことがあるでしょうか。楽しそうに描い
ていれば、心配ありません。先程の舎長の話ではなりませんが、夢中になって
描いているときの表情は、楽しそうで、素晴らしいものだからです。
 
5.ものを作る意欲を育てる
最近の入学試験でも、制作は重要な課題の一つになっています。
「折る、塗る、切る、貼る、組み立てる、結ぶ」は、幼児教育の基礎、基本で
すから、当然なのですが、知的なトレーニングに力を入れがちではないでしょ
うか。
 
「手は第二の脳」で詳しくお話しましたが、たとえば、つぼ型の容器に入った、
ふたのついた糊には、教育的な配慮がなされています。
左手で持ち、右手でふたに付いている取っ手を上にあげないとふたは開きませ
ん。
適量をとらなければなりません。少なければはがれやすく、多ければベタベタ
になります。
まんべんなく塗るには適量をとり、左手で紙を押さえ、右手で、のびろのびろ
と丁寧に塗らなくてはなりません。
そして、ふたを閉め、手を拭きます。
汚れた手をきれいにするのは、清潔感を身につける基本的な生活習慣の一つで
す。
リップスティック型の糊は、粘着力もあり、手も汚れませんが、大切な作業を
省いています。
体験しない分、不器用になるということでしょう。家庭では、ふたつきの糊を
使ってほしいですね。
 
セロテープの使い方、丁度良い長さに切るのは難しいものです。必要な分を切
る作業、そして貼る作業、といったように「切る」と「貼る」を分けてみまし
ょう。はさみの使い方、紙の折り方、ちぎり方、こういった作業がスムーズに
できないと、制作は面白くないでしょう。
得意な子ども達は、お母さん方が、こういった作業の重要なことを理解し、こ
まめに自分で扱う機会を作っていると思います。
また、材料となる箱や、紙コップ、モールやリボン、もしかしたら、穴あけパ
ンチなども用意しているのではないでしょうか。
苦手な作業は、じっくりと時間をかけ、出来るようにしてあげましょう。
通っている教室にお任せだけではなく、家でも制作に励んでください。
 
折り紙は、巧緻性と記憶力を高める大切な遊びです。
かつて、暁星小学校では、5個作らせました。
簡単なものを、丁寧に折ることが大切です。雑に折ると、出来栄えも悪く、そ
れが子どもたちの興味をひかない原因になっているからです。
折り紙の得意な子は、姿勢もよく、物事を丁寧にする習慣も身に付いていると
いえます。
 
粘土遊びも大切な作業です。
砂場で遊ぶ機会が少なくなっているようですから、せめて、粘土で造形のおも
しろさを体験させておきたいものです。
「子どもの頃、砂場で遊ばなかったためか、最近の学生は、塑像作りが苦手の
ようだ」と東京藝術大学の彫刻科の教授がおっしゃっていたそうです。
折り紙と同様、立体作りは、子どもにとって楽しい学習になっていることを忘
れてはいけないと思います。
 
ここで問題です。
小さなみかんほどの粘土の塊があります。これを3つの同じ大きさの丸い形に
作ってください。(解答は最後にあります)
手先の作業として、輪ゴムつなげやクリップを長くつなげる遊びは、頭の疲れ
ているときなど、気分転換にもなります。
 
6.身体を動かし、体力と持続力を育てる
ボールつき、縄跳びは、バランスを必要とする全身運動です。
広い場所もいりません。お父さんの出番です。目標を決めて、できるだけ長く
できるように挑戦させましょう。お父さんと共に頑張ったことが試験に出れば、
一所懸命にやらない子はいません。持久力や耐久力もついてきます。
また、散歩に連れ出し、歩くことの楽しさも教えてください。車中心の生活で
は、足腰が鍛えられず、スタミナ不足では、我慢する力も育ちません。
クーラーのある快適な生活は、半面、汗をかかない不自然な環境でもあるわけ
ですから、汗をかく運動は、ぜひ、行ってください。
 
教室へは、電車で通いましょう。お子さんと電車に乗ることで、歩くことで、
たくさんのことを学習できます。電車内で時々見かけますが、お子さんと一緒
の時は、スマホを見るべきではなく、対話の楽しさを味わうべきです。スマホ
をほしがる小学生に聞くと、「ママだって、見てるもん!」と答える子が多く、
「ママが見ているから面白いに違いない」と思っています。子どもたちに「何
の遊びが好きなの?」と尋ねると「ゲーム」と答える昨今です。子どもの見て
いる時にゲームなどするなと言いたい。しっかり観察されていることを肝に銘
じておきたいものです。何事も、親が手本です。
 
そして、お母さん、お子さんと一緒に歌を歌い、踊りましょう。
身体表現をやってください。楽しい思い出が残っていれば、試験場でお子さん
も一所懸命にやります。
今までは、女子だけの別学の学校では、必修科目と考えましょうといってきま
したが、立教小学校では、ここ数年、音楽にあわせて身体表現をしましたから、
受験される方は準備をしておきましょう。
町内で盆踊り大会があると思いますが、お父さん、照れないでお子さんと一緒
に踊ってください。男の子は、恥ずかしがり屋が多いですから、その鎖を切っ
てあげましょう。
 
この夏は、お子さんの負担になる旅行はさけ、秋に備えて健康管理に留意して
ください。
そして、起こしてならないのは事故です。ちょっとした油断が恐いのです。
親として、監視の目(管理の目ではありません)は、絶対にゆるめないことで
す。
 
夏休みの講習会も始まります。楽しく通えることが第一で、そういった雰囲気
を作ってあげましょう。毎日学ぶことから身についた学習習慣を、家庭でも楽
しくできるように、うまく利用することです。
そして、苦手な領域は、時間をかけて理解できるように、決して感情的になら
ずに、気持ちを落ち着け、「ゆっくり、じっくり、しっかり」を目標に、お子さ
んと共に頑張ってください。
 
そして、健康管理にはくれぐれも注意してあげましょう。
 
  答え 花火と雪だるまの似ている点 
    「花火は消えて、雪だるまはとける。形が残らない」(絶句!)
  
丸い粘土の塊を粘土板の上で、手で押さえながら棒状に伸ばし、それを3等分
して丸めると、ほぼ同じ大きさの丸い塊を作ることができます。お母さんと一
緒にクッキーを作ったときに教わった子が、実際にやって見せてくれました。
     
ある年のこと、3つに分けた塊を一つに戻した時、「先生、1+1+1=
1になりますね」といった子がいました。皆さん方は、どう説明します
か。分数の基本です。以前お話しました、「量の保存」を思い出してくだ
さい。
(次回は、「今年の説明会 前半編」についてお話しましょう) 
 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>面接ケース・スタディー3

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2020さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第37号
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面接 ケース・スタディ編(3)
「頭を押さえつけないで、ママ!」
 
入室の時も、ご家庭の雰囲気が伝わってきます。
さわやかな印象を与えるのは、ご両親の自信にあふれた、余裕のある態度です。
お子さんの教育に最もふさわしい幼稚園を選んだ確信があるからですね。
 
お父さんを先頭に、お子さん、お母さんの順で入室します。これが普通でしょ
う。
そして、椅子に腰かける前にあいさつをします。
ところが、ここで問題が起きるようです。
お子さんが、あいさつをしない場合があります。
さて、お母さんなら、どうしますか。
 
あわてて、お子さんに、
「ごあいさつは!」
というだけではなく、頭を押さえつけて、無理やり、あいさつをさせるお母さ
んがいるそうです。
「あら、あいさつできなかったのね。緊張しているのだわ!」 
面接官に、自分の責任だといわんばかりに、頭を下げるお母さんもいるそうで
す。
どちらのタイプでしょうか、お母さんは……。
 
幼稚園の先生方も、お子さんが、あいさつをしなかったからマイナス5点、な
どと評価するのは考えにくいことです。
受験生は、幼児です。
初対面の先生方と大人のようなあいさつをする方が、かえって、不自然ではな
いでしょうか。
そのときの、お母さんの態度が問題になると思います。
 
思わず、頭を押さえつけてまで、あいさつをさせようとするのは、こういった
場面で、あいさつのできない子は、母親のしつけが悪い、母親の責任とでも考
えるのでしょうか。
「普段、私は、ちゃんとあいさつをするように教えています。できなかったの
は、子どものせいで、私の責任ではありません!」
などと弁解しているのと同じではないでしょか。
あいさつができなかったという、表面上のことだけにこだわっています。
どうして、あいさつができなかったかを、少しも考えずに、言い訳をしていま
す。
そこが、保護者として許されないのです。
そうではないでしょうか。
 
頭を下げられたお母さんからは、
「私のしつけがいたりませんでした。子どもの責任ではありません」
とお子さんをかばう姿勢が見られます。
雰囲気にのまれて、コチコチになっているわが子を、冷静に見ています。
このことです。
言い訳をしていません。
 
こういう謙虚なお母さんに育てられていれば、どのようなお子さんか想像でき
ます。
先生方は、そこを見ているのではないでしょうか。
 
以前にもお話しましたが、あいさつや言葉遣いは、毎日の生活の積み重ねから、
自然と身につくものです。
この「自然」という言葉が曲者で、何もしなくて身につくはずはありません。
よく、「そのうちにできるようになるから、うるさく言う必要はない」などとお
っしゃる方がいますが、考え直された方がいいでしょう。
何といっても、ご両親の率先垂範です。
このよいお手本があって、初めて自然と身につくものです。
核家族化や少子化の進む環境では、おそらく、よその人とあいさつする機会も
少ないのではないでしょうか。
それならば、機会を作ってあげるべきです。
 
これも、合格されたお母さんから聞いた話です。
「スーパーやコンビニなどで会計をするときに、必ず、こちらからあいさつす
るようにしました。特に、年配の方を選びました。あいさつすると必ず、応え
てくれますし、娘にも『こんにちは、お嬢さん』と言葉をかけてくれたからで
す。何回か続くと、いつの間にか習慣になり、図書館などでも、必ず、自分か
らあいさつをするようになりました。身についた秘訣とは大げさですが、もう
一つあるのです。それは、あいさつすると、『お嬢ちゃん、えらいですね』とほ
めてもらえたからです」
ほめられて、いやな気持ちになるはずはありません。
話はここで終わらずに続きがあるのです。
「パパ、ユキはね、今日、図書館できちんとごあいさつできたのよ、えらいで
しょう!」
「それはすごい。ユキは、やはり女の子だな」
大好きなパパにほめられて、うれしそうな顔が、目に浮かびませんか。
ご両親の作戦勝ちです。
 
「あいさつぐらいできますよ」
とおっしゃるお母さんが多いのですが、あいさつのできる相手は、普段から顔
見知りの人達ではないでしょうか。
問題は、初対面の人と挨拶できるかどうかです。
幼児は、初めてのことは苦手で、緊張しがちです。
今、紹介したお母さんのように、工夫することが大切だと思います。
また、「ごあいさつは!」と催促ばかりしていると、パブロフの条件反射ではあ
りませんが、言われなければできない子になりかねません。
古い話で恐縮ですが、太平洋戦争時、連合艦隊司令長官であった山本五十六は、
こう言っています。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
文言は正確ではないかもしれませんが、大人でも、こうなのです。
 
やはり、ご両親の率先垂範しかないでしょう。
2歳から3歳にかけては、模倣の時期といわれています。
大切なのは、よいお手本をたくさん見せ、できたときには褒めることではない
でしょうか。
 
  (次回は、面接ケース・スタディ編4をお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<保護者編>第10章 終戦記念日、このことです 葉月(2)

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2020さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第37号
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第10章  終戦記念日、このことです   葉 月(2)
 
★★なぜ、鳩は平和のシンボルなのでしょうか★★
神社、仏閣、さらに大きな公園には、なぜか鳩がいます。
いないと何か物足りない気がする不思議な存在でしたが、最近では、糞害など
で問題になり、駅などでは「餌を与えないで!」といった看板が目立ちます。
しかし、オリーブの枝をくわえた鳩は、依然として、平和のシンボルとなって
います。なぜ、鳩なのでしょうか。事の起こりは、聖書物語でおなじみの「ノ
アの方舟」なのですから驚きです。
   
 「人間の邪悪さにあきれた神エホバは、大洪水を起こしてすべてを一掃しよ
うと考えました。しかし、正しい人、ノアだけは救おうと、神は彼に方舟をつ
くるように命じました。
 ノアは人々に馬鹿にされながら巨大な方舟を作り、そこに家族と動物のつが
いを乗せました。やがて神が予告したとおり大雨が降りはじめ、陸地はすべて
海に沈みました。          
 数日後、水が引いたことを確かめるため、ノアはまずカラスを放ちました。
しかし、カラスはどこにも羽を休める場所を見つけることができないまま戻っ
てきました。
 それから一週間後、ノアは鳩を放ちました。やがて鳩はオリーブの小枝をく
わえて戻ってきました。そこでノアは洪水が引いたことを知りました」
 
 この物語から、「鳩+オリーブの小枝=平和」という図式ができあがったので
ある。そして、「オリーブの小枝をくわえた鳩」が平和の象徴として世界中に広
まったきっかけは、1949年にパリで開催された「国際平和擁護会議」に、
パブロ・ピカソが鳩のポスターを描いたからだといわれている。
(「今さら誰にも聞けない555の疑問」        
  平川 陽一 編 株式会社 廣済堂出版 刊 P348)
 
映画「天地創造」を思い出します。
歴史に「イフ」はありませんが、しかし、あえて「もしも」です、最初に栄誉
ある偵察の任務を与えられたカラスが、オリーブの小枝をくわえて帰還してい
れば、カラスが平和の使者として、君臨していたことになります。
でも、悪食のカラスには、オリーブの小枝は似合いませんし、イベントなどで
鳩のかわりに真っ黒なカラスが一斉に飛び立つのでは、黒い稲妻のようで、何
やら不吉なムードに包まれそうです。
煙草のピースのデザインも変わっていたでしょうし、イトーヨーカ堂のロゴマ
ークにもなれなかったに違いありません。
煙草のピースですが、ヘビースモーカーであった私は、両切りにフィルターの
付いていないピースの愛好家の一人で、今でもそばでピースを吸われると、あ
の何とも言えない上品な香りに、クラクラとします。他の煙草の煙は今の私に
は単なる嫌な煙です。吸わない人には限りなく迷惑な煙害であることを、愛煙
者は十分に承知して吸ってほしいですね。禁煙してわかったのですが(笑)。
 
鳩は、一時、情報を伝える貴重な鳥として、脚光を浴びた時代がありました。
伝書鳩です。
足に情報を括り、さっそうと目的地へ向かった、貴重な鳥でもあったのですが、
電信技術の進歩にはかなわず、いまでは引退し、伝書鳩レースとして、昔の面
影を残すだけになりました。帰巣本能を利用したものといわれていますが、そ
のメカニズムは、解明されていないそうです。 
しかし、まだ、主役として活躍している鳩もいます。手品で使われている、あ
の鳩です。マジシャンの使う白い小型の鳩は銀鳩と呼ばれ、観賞用としても人
気があるそうです。
ところで、都会では、鳩とカラスが厄介者になりつつあるのも、不思議な縁で
すね。
 
最近、知ったことですが、五輪憲章にある開会式の項で「聖火への点火に続い
て、平和を象徴する鳩が解き放たれる」と明記されていた文言も消えてしまっ
たそうです。ソウル五輪で、聖火台で羽を休めていた鳩が焼け死んでから、使
わなくなったと聞いたのですが、リオデジャネイロの入場式では使われません
でした。「五輪栄誉賞」の授賞式には登場したそうですが、残念ながら映像を見
ていません。
 
それにしても、東京五輪、何かとすっきりしませんね。「そもそもオリンピック
は、競技大会ではありませんか」と憎まれ口を叩きますが、選手抜きの祭典に
なっているのではありませんか。だったら止めればいい。切磋琢磨している選
手の皆様には申し訳ないですよね。聖火リレーの出発点が、福島に決まったと
か、でも、間に合うのかしら、そっちも心配ですね。
 
ところで、鳩の鳴き方ですが、実際に聞いてみると、「ズズーポッポー ズズー
ポッポー」と妙な鳴き方です。これを「ポッポ ポッポ」と表現したのは、童
謡「鳩ポッポ」で、作詞は東くめ、作曲は瀧廉太郎、明治23年(1899)
のことでした。それまでの童謡は、文語体で難しかったのですが、子どもが楽
しく歌えるよう口語体にした童謡の第1号だそうです。現在、ほとんど歌われ
ておらず、よく歌われている ♪ポッポッポ 鳩ポッポ♪は「鳩」という題名
で、この歌とは全く違う曲です。「鳩ポッポ」は、音は悪いですがYouTubeで聞
けます。
  (大人の雑学 日本雑学研究会編 幻冬舎 刊P225より要約)
 
               ★なぜ、海の水は塩辛いのでしょう★★
平和のシンボルの話から一転して、自然の摂理についてお話しましょう、など
と気取ることはないのですが。
夏といえば、海水浴。海水パンツではなく、赤い褌(ふんどし)をしめて泳い
でいました。初めて海で泳いだとき、不覚にも海水を飲んでしまい、その辛い
こと、喉をゼイゼイならしながら鼻水を出した顔はゆがみ、こりているはずな
のに、またしても海水を目に入れたときの、あの痛さに泣いた記憶があります。
当然です。海水約4リットルには、およそ100グラムの塩が含まれていますか
ら、塩辛いわけですし、目に入れば痛いわけです。
 
では、なぜ、塩辛くなるのでしょうか。
有史以前の地球は、火山が爆発し続ける、灼熱地獄でした。やがて火山活動も
沈静化し、豊富な水から植物が生え、動物が生息し、人間も地球の住民として
存在するようになったのです。火山活動により、いろいろな物質や鉱物が、地
上にばらまかれましたが、塩分もその一つで、地表からしみ込んだ塩分や岩石
に含まれている塩分が、雨に流され、河川の水に溶け込み、海に流れ着いたた
めに塩辛くなったのです。
     
海水ができたのは、今から38億年前、地球上に生物(バクテリア)が生ま
れたころで、地球誕生から約7億年たっていました。
当時の海水は、塩酸を含む酸性で、岩石に含まれるカルシウムやナトリウム
を溶かし、ナトリウムは海水中の塩素と一緒になって食塩になりました。
 海水の成分はその頃から現在までほとんど変わっていません。
(「雑学特ダネ新聞 読売新聞大阪編集局 著 PHP研究所 刊 P283)
 
この海水ですが、どこから出てきたのでしょうか。
最近の説では、溶岩は地球の内部にあるマグマがかたまったもので、その内部
には10%ほどの水が含まれており、それが火山活動の時に地表や海に吹き出し、
38億年かけてしみ出した結果、今の海になったそうです。
 
そして、当時から成分は変わらないそうですから、驚かされますね。
人間は、生物の生態系や地形などを、地球に相談することなしに変えています
が、しっぺ返しを食うことはないでしょうか。
 
ところで、海水が太陽に温められ、蒸発して雲となり、それが雨となって地上
に戻ってくる原理を知ったとき、
「なぜ、雨は塩辛くないのかなぁ?」
と母に尋ねたところ、塩水を入れた鍋を七輪(土製のこんろ)に乗せて沸騰さ
せ、その蒸気を割り箸にあて、ついた水滴をなめさせてもらったことを覚えて
います。まったく辛くはないのですが、その割り箸で鍋の中の湯につけて口へ
運ぶと辛いのです。塩分は海に残り、水だけが蒸発することがわかりました。
でも、酸性雨は別物で、これは恐ろしい。もっと「地球にやさしい暮らしをし
てほしい」と、地球自身が警告を発している気がしてなりません。
 
★★海水浴は治療の一種だった!★★
昔から、夏になれば、川や海で泳ぐものだと思っていましたら、これは、とん
でもない間違いだそうです、ご存知でしたか。そういわれてみれば、時代劇で、
子どもたちが泳ぐ姿を見たことがありません。「水練」といって武芸の一つでし
た。こういうことだそうです。
 
 海水浴は、病気を治す方法の一つとして始まりました。はじめは海に入って
も泳がずに、波打ちぎわで遊ぶだけでした。海水の塩分が体を刺激し、食欲が
出て体重が増えるので、健康にいいといわれていたのです。1885年に神奈
川県の大磯に、日本で最初の海水浴場が作られて、次第に泳いで遊ぶ海水浴と
なりました。
(心をそだてる 子ども歳時記12か月 監修 橋本 裕之
  講談社 刊 P64)
 
小学生の頃から、川や海で泳いでいましたから、夏になれば真っ黒に日焼けし
たものです。瀬戸内海の底まで澄んで見えるきれいな海に育った私は、東京に出
てきて、波がドーンと砕ける江ノ島の海岸に立ったとき、これが海かと信じられ
ないほど汚く見えました。当時 (昭和25年頃)は、打ち寄せる波が砂を掘り
返すので汚れていたように見えたのですが、そこで大勢の人が泳いでいるので
すから、びっくりしたものです。
 
高度成長時代に入り、河川や海洋汚染がすすみ、公害をもたらし、日本の至る
所で自然は壊され、無残な姿をさらけだしていました。自然と無邪気に遊べる
のは、子ども時代だけです。川や海で泳げないなど、私には想像できないこと
でした。10数年前になりますが、日本はおろか世界中の川や湖沼をカヌーで
旅をするリバー・ツーリングのスペシャリスト、野田知佑氏の本を読むたびに
憤慨していたものですが、憤慨しても何も始まらないだけに、虚しくなるだけ
でした。
 
ところが、最近、多摩川は地域の人々や関係者などの努力により、鮎が遡上す
るほど清流が戻り、「江戸前の鮎」を食べられるようになりました。それについ
ては少し気になることがあります。平成24年は1、194万尾、25年は6
45万尾、26年は541万尾、27年は435万尾、28年は463万尾、
29年は158万尾と減少していることでしたが、30年は994万尾と平成
24年に次ぐ大量の遡上。自然を壊すのは簡単ですが、もとに戻すには、大変
な資金と労力と時間がかかります。地道な努力を続けることで、日本の自然は
息を吹き返し、子ども達に自然を返してあげることができるのではと大いに期
待をしています。
 
この鮎ですが、縄張り意識が強く、他の鮎が近づくと攻撃する習性があり、こ
れを利用したのが「鮎の友釣り」で、おとりの鮎を釣り竿につけ、縄張に近づ
け、攻撃する瞬間を狙って吊り上げるそうですが、最近、過密放流が原因か、
鮎自身が群れるようになり、このやり方では釣れなくなっていると新聞に出て
いましたが、世の中、うまくいかないもんですね(笑)。
 
話を戻しまして、野田知佑氏のエッセーは、どれを読んでもわくわくさせられ
ます。
特に、カヌー犬、ガクとの生活は、痛快そのものです。ガクの親は、野田氏と
椎名誠氏ですが、ガクは、人間だと思い込んでいるところがおもしろい。ガク
がご主人に内緒で外泊し(?)、朝帰りして言い訳する様子が、人間らしくて、
笑い転げましたね(大笑い)。
ちなみに、「岳物語」の主人公は、椎名氏の長男で、岳とガクが親友(?)であ
るところが、また、おかしい。「岳物語」は、私にとっては、父親とは何である
かを考えさせられた本でした。また、母親である渡辺一枝さんのエッセー「時
計のない保育園」も、育児の心構えを教えてくれた本でした。目下、岳の3人
の子どもを相手に、「孫はすべてが宝物」と語るエッセー「孫物語」が、笑わせ
てくれます。
 
ところで、「海水が、どうして辛いのか」と、その経緯を語るおもしろい民話が
残されています。図書館の紙芝居で見たのですが、廃館されてしまい、著者と
出版社がわかりません。確か、青森から沖縄まで、広い範囲で残っている民話
ではなかったかと思います。四国の場合は、阿波の鳴門となって、今も回り続
けているとなっていたような記憶があるからです。
 
◆塩ひき臼◆
 金持ちで欲張りの兄と、貧乏で正直な弟がいました。
  ある年越しの晩、弟が兄のところへ米を借りにきますが、断られます。家に
帰ろうと山道を歩いていると、白いひげを生やしたじいさんに会い、尋ねら
れます。
   「この夜ふけに何をしているのだ」
   「年神様に備える米がない」
  といったところ、小さなきび饅頭をくれ、こういったのです。
 「そこの森の神様のお堂の裏にいくがよい。そこに穴があり、住んでいる小
人が饅頭を欲しがるから、石の引き臼となら交換してもよいといいなさい。
必ず、欲しがるから」
  そこで、弟は出かけていくと、小人はしきりに饅頭を欲しがり、二つとない
宝物だが仕方がないといって、交換したのです。もと来た道へ引き返してみ
ると、まだ、じいさんはいて、こういったのです。
  「その引き臼を右に回せば欲しいものが限りなく出てきて、左に回すと止
まるものだ」
 家に帰って、むしろの上に臼を置き、
  「お米よ、出ろ! お米よ、出ろ!」
   といいながら右に回すと、米が出てくるではありませんか。
 そこで、餅や塩鮭などを出し、よい年越しをしたのです。
翌日には、屋敷や土蔵、お祝いの料理やら酒を出し、親戚や知り合いを招き、
盛大な祝い事をしたのでした。驚いた兄は、これには何か訳在りと探りを入
れ、石臼の秘密を見つけ、盗み出したのです。兄は、遠くで長者になろうと
船で逃げ出します。途中で腹が減り、臼と一緒に盗んできた菓子や餅を食べ
たのですが、甘いものばかりなので、塩気が欲しくなりました。そこで、
  「塩、出ろ!」
   といって臼を右に回すと、塩があふれ出てきました。これで十分だと思
い、止めようとしましたが、その方法がわかりません。臼は、勝手に回り続
け、塩でいっぱいになってしまった船は、兄を乗せたまま、海の底へ沈んで
いったのでした。臼は、今も続けて塩を出しているので、海の水は辛いので
す。
 
こういった話であったと思います。
金持ちだが欲張りの兄、貧乏だが正直な弟も、むかし話の約束事ですね。
よく似ている話が、グリム作の「うまい粥」です。
塩の代わりに出すものはお粥で、止め方がわからず困り果てて、持ち主に返す
結末が異なっています。
 
ところで、最近、「花火のできない子どもが増えている」そうですが、我が家の
周りでも、小さな子どもがいなくなったせいもありますが、見かけませんね。
マンションではやる場所がない、近所の公園は花火禁止、花火を楽しむ空間が
ないということでしょうか。夏の夕涼みの楽しみの一つであり、日本の夏の風
物詩でもある花火。子ども達が楽しむ手持ち花火は、狭い場所でも、バケツに
水をくみ、その上で楽しんだものですが、皆さん方はどうしていますか。
記憶に残る夏の思い出を作ってあげたいものです。
 
(次回は、「日本に富士山はいくつぐらいあるでしょうか」などについ
てお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>先手必勝といっても、あおっているのではありません

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        「めぇでる教育研究所」発行
2021さわやかお受験のススメ現年中児 今から始める小学校受験
            第2号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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先手必勝といっても、あおっているのではありません
             
創刊号を含めて10月まで17回配信できますが、この間に家庭でやらなけれ
ばならないことをしっかりと行い、身につけることができれば、11月から始
まる幼児教室の新年長クラスでの学習は、お子さんにとって楽しい教場となる
はずです。
これから6つのことについてお話しますが、どれから始めるかといった優先順
位はありません。
子ども達は幼稚園や保育園で、国語、算数、社会といったように、教科別に時
間を区切って学習しているわけではありませんが、あらゆる事柄に、先生や友
達と様々な関わりを持ちながら学んでいますから、ご家庭でも臨機応変に取り
組んでいただきたいと思います。
 
★お子さんは、自力でどのくらいのことができますか。
 基本的な生活習慣のことです。
 朝起きてから夜寝るまで、お母さんはどのくらい手を貸しているでしょうか。
 「自力でできることがたくさんあるお子さんの知的な能力は高い」といわれ
 ています。
 また、3歳過ぎてお子さんのやっていることを見て手を貸し、口を出すのは、
 過保護、過干渉の育児といわれ、お子さんの自立を妨げます。
 皆さん方はいかがでしょうか。
 
★お子さんは幼稚園や保育園へ通うことを楽しみにしていますか。
 社会性や協調性といった集団生活への適応力です。
 光塩女子学院初等科の説明会では、社会性のお手本はご両親とおっしゃって
 いました。
 「少し元気がありすぎるようですね」などといわれていませんか。
 「元気な子と無作法な子は違う」「明るい子とけじめのない子も違う」とも
 いわれていますが、お子さんはいかがですか。
 
★お子さんはお母さんの目を見て話を聞き、話をしていますか。
 話の聞ける子は相手の目を見ていますが、その瞳は輝いています。
 話をする子の表情は、いつも楽しそうです。
 幼稚園や保育園、外から帰ってきたときに、「ママ、あのね!」と話しかけ
 てきますか。
 そして、きちんと聞いてあげていますか。
 後で詳しくお話ししますが、「小学校の入試でもっとも大切なこと」と覚え
 ておいてください。
 
★折り紙やあやとり、点図形やお絵描きに興味を持っていますか。
 色を塗る、紙を切る、折り紙を折る、紐を結ぶ、糊で貼る、箸で摘むなどの
 手作業は、その年齢にふさわしい発達を遂げるもので、その時期を逃すと苦
 手意識を持ち、手をださなくなるともいわれています。
 また、点図形は、書写の基本練習にもなっており、多くの学校で出題されて
 いる訳は、ここにあるのです。
 絵は心の窓ともいわれ、描かれた1枚の絵からお子さんの情緒の発達状態も
 わかります。
 入試問題に絵を描かせる学校が増えていますが、絵はスケッチブックとクレ
 ヨンを与えて、すぐ描けるものではありません。 
 また、「手は第二の脳」ともいわれ、知的な能力の発達と深い関わりを持っ
 ています。
 お子さんは、「塗る・切る・折る・結ぶ・貼る・摘む・書く・描く」といっ
 た手作業に興味を示していますか。
 
★数量に関して直感力は働きますか。
 入学試験というと数量の問題が重視されているようですが、子ども達は数字
 を使い加減乗除で答えを出すわけではありません。
 直感で多少を見極めることから始め、○を使って答えを求めます。
 お子さんに、クッキーが3つと5つの入った皿を見せ、「多い方を食べてい
 いですよ」といったとき、数えることなく5枚のクッキーの入った皿を取る
 ことができるでしょうか。
 また、容量が同じ2つのコップの一方に、少しだけ多く入れておき、「多い
 方を飲んでいいですよ」といったとき、さっと多い方のコップを取れるでし
 ょうか。
 これは、決して卑しいことではなく、「about(アバウト) おおよそ
 の感じ=直感力」で判断した結果で、数量に関しては、まず、こういった直
 感力が働くことから始まります。
 お子さんは、いかがでしょうか。
 
★5分も歩かないうちに「おんぶ!」などといいませんか。
 現代っ子は、スタミナ不足といわれています。
 なぜ、赤ちゃんは「はいはい」を繰り返し、繰り返しするのでしょうか。
 ご存知のように、やがて歩き始めるための筋肉の鍛錬になっているのです。
 幼児期には、敏感期といわれる「もっとも著しく発達する時期」があります。
 言葉の敏感期を逃すと、映画に出てくる動物に育てられた子供のように話の
 できない人間になってしまいます。
 筋肉も同じで、身体全体を使い、遊ぶことで発達するものです。
 小学校に入ると余分なエネルギーをかけない省エネ運動を覚えますが、幼稚
 園、保育園時代は全力で身体を動かします。
 お子さんは、部屋で一人だけで遊ぶ省エネ運動に入っていませんか。
 
以上6つの項目を挙げてみました。
問題がなければ、ご両親の育児の姿勢にぶれはなく、お子さんは順調に育って
いるといえます。
「入学試験を控えている子どもにとって、知的な能力を鍛える項目がないよう
に思えますが」と心配なさる方もあるかもしれません。
ご安心ください。
こういったことがきちんとできるお子さんの知力は、十分に発達しているもの
です。
なぜなら、こういったことはすべて、自力でやらなければ身につかないことば
かりで、そのためには、試行錯誤を積み重ね、考え、工夫し、自発的に挑戦し、
自分のものにしているからです。
「自分のものにする」、これは幼児が自力で身につけた知恵です。
その知恵を土台にして、知的な能力は発達していくものです。
 
お母さん方も得意な料理は、レシピを見ないで、調味料も計量カップを使わず
に、作っているのではないでしょうか。
試行錯誤の結果、ご主人やお子さんが好む料理にできあがっているはずです。
それと同じです。
知的な訓練だけを先行させるのは、ともすると、その時期に必要な成長を支え
る、大切な手順を抜くことになり、なかなか理解できないことが起きがちで、
そこから苦手意識が幅を利かせることになるのです。
「プロセスの重視」、幼児の学習は育児と同様、プロセスをなおざりにするこ
とはできません。
かつて桐朋小学校の説明会で、「私どもは試験といえどもプロセスを重視して
います」とおっしゃったことがありますが、皆さんはどうお考えでしょうか。
来週から、6つの領域の基本的な学習のプロセスについてお話していきたいと
思います。
 
西日本豪雨災害から一年。過去の災害の復興もままらぬうちに、先日も九州地
方の大雨のニュースに不安が広がりました。幸い、大きい被害は報告されなか
ったようですが、私も被災の経験があり、泥流、土石流、流木、どれも恐ろし
いものです。いっときも早い復興を願ってやみません。
  (次回は、「基本的な生活習慣」についてお話しましょう)
 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>夏休みの過ごし方(1)

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        「めぇでる教育研究所」発行
2020さわやかお受験のススメ小学校受験編
            第53
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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夏休みの過ごし方(1)
 
◇説明会情報◇
7月6日に慶応幼稚舎の説明会がありました。
小雨の中、第二会場まで案内があり、例年通り、多数の参加者があった模様
です。
 
説明会では、教育方針、校内の様子、行事について説明がありました。
武田舎長先生から、「幼稚舎は福沢諭吉の思想、教育理念に基づいている。
有名だから…人気校だから…という理由で受験するのではなく、理念に共感
して我が子を託したいと思う方に受けてもらいたい」というお話がありまし
た。
 
また、行事も数多くあり、行事内容も多彩なところに、とても魅力を感じま
した。説明会後、希望者には校内見学ができました。
伝統校の中にも、最新の設備があり、すばらしいと思いました。
 
東京、神奈川、埼玉、千葉の小学校の入学試験本番まで、後3ヵ月有余、「夏
を制するものは受験を制す」ともいわれています。夏休みの過ごし方に、合
否の鍵があるといっても過言ではありません。
一昨年の慶應義塾幼稚舎の説明会で、大島前会長先生が、志願者の多い中、
入学試験を通して選抜せざるを得ない実状を述べられたうえで、「入学試験
のために、5、6歳の幼い子ども達に、不自然な生活態度を強いることを望
んでいません」と保護者の方への心構えをお話しされました。
大島前舎長ではありせんが、不自然な生活態度を強いることなく、大切な日々
を有効に過ごすポイントは、ご両親の考え方にあります。
 
まずは、何といっても健康管理です。幼稚園が休みになると、生活のリズム
が狂いがちです。幼稚園があるときと同じように、規則正しい生活のリズム
を崩さないことです。1日のスケジュールを立て、それにしたがった、メリ
ハリのある生活を送りましょう。 ただし、あれもこれもと、過密なスケジ
ュールでは、お子さんの負担を増やすだけで、かえってマイナスになりかね
ません。余裕を持って、計画を立てることです。遊び時間をきちんと配慮し
てあげましょう。
 
知的な能力は高いが、体力に不安がある子が多いのも、小学校受験の特徴の
ようです。机の上での勉強だけではなく、体を十分に動かす時間を設けまし
ょう。買い物などに出かけるときは、車を使わずに歩き、汗を流す機会を作
ることです。十分も歩かない内に、「おんぶ!」をせがむようでは、とても
受験に対応できません。 
肉体的なスタミナがなければ、精神力も弱いものです。一所懸命に頑張る意
欲や耐久力は、入試に欠かせない大切な要素です。運動教室にお任せだけで
は、真のスタミナはつきません。冷房の効いた快適な環境から、失うものも
あります。お父さんにも手伝ってもらい、一緒に汗を流しましょう。お父さ
んのリフレッシュにも役立ちます。夏休みの間は、ゴルフバッグに封をして
おきましょう。
 
ところで、夏休みに入ると、友達と遊ぶ時間が、不足しがちです。受験一色
になると、友達との遊びを悪いことと考えるお母さん方がいると聞きますが、
それは間違いです。
社会性や協調性といった集団生活への適応力に欠ける子は、どこの学校から
も歓迎されません。
行動観察型のテストでは、こういったところがはっきりと表れます。集団生
活への適応力は、問題集をこなすだけでは養われません。
 
最近、友達が家に来て遊ぶ機会も、少なくなっていると聞きます。
自分の家と全く違う生活習慣があるなど、本来は、貴重な体験をする機会で
もあるのですが、あまり歓迎されていないようです。せめて、同じくらいの
年齢の子がいる親戚を訪ね、違った生活を送るのも貴重な体験になるのです
が。
 
また、一人遊びも大切です。
遊びを通して自発性、考える力はもちろんのこと、一生懸命に取り組む意欲
や持久力もついてきます。入学試験に備えて、親が勝手に子どもの遊ぶ時間
まで管理するのは、いかがなものでしょうか。何から何まで管理していると、
無気力、無関心、無感動、無表情な「指示待ち子ども」になりかねません。
遊びを通して培われる力こそ、子どもにとっては、大切な財産になることを、
忘れないようにしてほしいのです。
 
任期前に辞任し、現場の教師に復帰した加藤三明元幼稚舎長は、毎年説明会
で「5歳のわが子を、受験のためにスポイルしないでほしい」とおっしゃっ
ていました。受験準備は、早稲田実業初等部の教育目標ではありませんが、
「ゆっくり、じっくり、しっかり」と余裕を持って取り組みたいものです。
 
ここで一言。
夏の幼稚園や保育園の行事に、お泊り保育があると思います。その時の様子
を先生に伺っておきましょう。家族から離れて生活した時、今まで気づかな
かったお子さんの一面が、現れることもあるからです。泣き出してしまうお
子さんもいて、先生方も意外な思いをする話を、よく耳にします。入学試験
は、「生まれて初めての場所に入り、生まれて初めて会った先生の指示に従
い、初めて会った同年代の子ども達とグループを組み、いろいろなことに取
り組む」からです。心配なところが見つかった場合は、育児が過保護、過干
渉、自由放任になっていないかをチェックし、自信を持って取り組める気持
ちを育ててあげましょう。
特に、過干渉になりがちなお母さん方、口を挟む前に「1,2,3,4,5」
と数えましょう。そんなわずかな間でも、お子さんに考えさせる時間を与え
ていることに気づいてほしいのです。
 
    ★家庭でできる具体的な受験準備 
次に、ご家庭でできる具体的な受験準備についてお話しましょう。
本メールマガジンを通して、しつこく触れてきましたので、またかと思われ
るでしょうが、大切なことですから繰り返します。
 
 1. 聞き取る力をつけるには
小学校の入学試験は、話を聞き取る力がついているか、いないかで決まりま
す。ペーパーテストには設問はありませんし、行動観察型のテストでは、先
生の話を聞かなければ、何もできません。
本を読んであげましょう。
耳と目から入ってくる情報から好奇心は刺激を受け、言葉を映像化する作業
がフル回転で行われ、記憶する意志が自然と働きます。一人になったとき、
本を見ながらお母さんに読んでもらった言葉を、筋道立てて思い出している
のです。
語彙がふえることで言語力、
イメージが豊かになることで想像力、
話を筋道立てて思い出すことで思考力、
より正確に覚えようとすることで記憶力、
言葉や絵、身体で表現することで表現力、
そして、何よりも大切な集中力、話を聞き取る力、話を聞く姿勢が身につき
ます。
 
「本の読み聞かせと対話」の効果を、説明会で最初に力説されたのは、平成
14年に就任した立教小学校の田中司元校長でした。
さらに、お子さんと話をする時間をたくさん作り、よい聞き手に徹してあげ
ましょう。 言葉は、とにかく話をしなければどうにもなりません。どんな
拙い表現でもよく聞いてあげ、お母さんが正しい言い方に直してあげましょ
う。言葉のキャッチボールを楽しんでください。
「対話の反対は沈黙ではなく、命令と強制」といったのも田中元校長でした。
含蓄のある言葉ではないでしょうか。
 
そして、正しい指示を出しましょう。
「ユキちゃん、そこにある、あれ取って」
などと言っていないでしょうか。
これでは、指示を出した本人しか理解できません。
「ユキちゃん、テーブルの上にあるお料理の本を、お母さんのところまで持
ってきてください」
「これ・それ・あれ・どれ」は代名詞ですから、きちんと名詞に置き換え、
丁寧なことばで応対しましょう。
   
面接の折りに、「デス、マス」を自然に使って話をさせたければ、お母さん
がお子さんの前で、響きのよい言葉をたくさん使ってあげることです。心地
よい言葉は、使ってみたくなるものです。
 
また、あいさつは、きちんとするように心がけましょう。
 
そして、用事を頼み、お手伝いをしてもらったときは、必ず「ありがとう」
と感謝のことばをかけてください。こういった気配りから、お子さんの心の
中に、相手を思いやる心も育まれてきます。
 
さらに、しりとり、同頭語、同尾語、反対語、短文の復唱などは、言葉遊び
として、楽しみながら学習すれば、お子さんは喜んで挑戦するはずです。
 
この時期になると、「お話作り」を苦手とするお子さんが増えてくるようです。
前にもお話しました、「ママ(パパ)、あのね!方式」を採用してみましょう。
話す相手がお父さんやお母さんであれば、プレッシャーもかからず、気軽に
話せるからです。
そして、親が作った話を覚えこませるようなことはせずに、自分で思ってい
ることを、自分の言葉で話せるように、しっかりと聞き手にまわり、上手、
下手は、二の次と考えることです。
こういった課題は、とにかく、言葉が出なければ、どうしようもないからで
す。
「こんなこと言ったら笑われるかな!」とか「これでは、ママに叱られるかし
ら?」などと思い始めると、言葉は出てきません。
どんな内容でも相槌を打ち、よく聞いてあげてから、
「こうした方が、ママはいいと思うけど、ユキちゃん、どうかしら?」
と、お子さんの話を認めてあげ、導いてあげると、お子さんは納得してつい
てくるものです。
 
言葉が出ないのは、お母さんがしゃべりすぎの場合も考えられます。
「何とかしなければ」とお母さんがあせれば、お子さんは苦手意識を持ち始め
ます。自信をなくしますから消極的になりがちで、これでは行動観察型の試
験に対応できません。お子さんの話に耳を貸し、うなずき、認めてあげてか
ら、お母さんが考える方向へ、「ゆっくり、じっくり、しっかり」と導いてあ
げましょう。
 
2. 考える力をつける
最初のところでもお話しましたが、トランプは、数字と同じ数のマークがか
いてありますから、数感を養うすぐれた教材です。
1枚ずつカードを出しあって勝敗を争えば、直感で多少を見分ける力がつき
ます。
これを繰り返していると不思議なもので、引き算の練習をしているのではな
いのですが、 
「6と3では、6の方が3つ多い」
「10と8では2つ違う」
と多少の学習になります。
数の違うカードを5枚並べ、いちばん多いもの、少ないもの、2番目に多い
ものなどの学習もできます。
 
ところで、数え方ですが、たとえば、15個あるリンゴを、お子さんはどの
ように数えていますか。
a  1,2,3,4と1個ずつ指で押さえて正確に数える。
b  2,4,6,8と2個ずつ押さえて数える。
c  3,6,9と3個ずつ押さえて数える。
d  4,8,12と4個ずつ押さえて数える。
e 5,10,15と5個ずつ押さえて数える。
eは最も速い方法ですが、幼児の手の大きさから考えると、5個ずつ押さえ
るのは容易ではありませんから、無理をしないことです。
できれば、3個ずつ、掛け算の3の段、3とびをマスターすると、早く、正
確に数えられます。
    
15個のおはじきをばらばらに置き、aからやってみましょう。
言葉と数が一致しないと、に(二),し(四),ろく(六),や(八),と
お(十)と数えられても「や、っていくつ?」といったように混乱しがちで
す。これを理解させましょう。数を訓読みで覚えると、一日を除き、日にち
に対応できます。
15の場合10までいったところで元へ戻り、2、4で止め、1個あまりで
14個、つまり、数え終わったときの4を10にくっつければ14となり、
それに余った1を加えれば15となることを教えます。
この場合、トランプの10と4のカードを使うとわかりやすいと思います。
理解できたら、おはじきは、どんな並べ方でも簡単にできますから、どんど
ん並び替えて挑戦してみましょう。
 
以下、同じように、c,dにも取り組みたいのですが、cをマスターできれ
ば最高と考え、後はできる場合は挑戦してもかまいませんが、絶対に無理を
させないで下さい。
 
そして、eの5個押さえる方法ですが、たとえば、7個のリンゴを数えると
き、5個の集まりを手で押さえれば、残り2個ですから、合計7個であるこ
とがわかります。いきなりeの数え方を教えず、きちんと段階を踏んであげ
ましょう。大人が考えるほど簡単ではないからです。
    
合成、分解も、カードを使うと面白く学習できます。
10のカードを使い、マーク1つを指で押さえれば[1と9]であることが
わかります。
同様に、2つ押さえて[2と8]、3つ押さえれば[3と7]であることも
わかります。
以下、同様にして挑戦しましょう。
[10]は[1]が10個集まっていると考えれば、楽しく取り組めるはず
です。
    
トランプは、神経衰弱からは記憶力が、7並べでは1から13までの数列や
系列完成、下のように並べると上から、下から、左から、右から何番目、黒
を中心に左斜め上、右斜め下といったように位置の問題の学習にもなります。
         □□□
         □■□
         □□□
その他、オセロやおはじきなどで分割を、積み木では、立方体を積み重ねる
ことで、見えないところにある数の発見、模倣構成、四方図形なども楽しく
学習できます。
積み木の四方図形は、斜面を正面から見る場合、子ども達は「……?」とな
りがちですが、実際に積み木を使ってやってみると、理解できます。 
プリント学習に疲れたときなどにゲーム感覚でこういった遊びをすると、気
分転換にもなります。    
数量や推理・思考、図形など、苦手な分野の問題は、じっくりと時間を使え
る夏休みにこそ、全力で取り組みましょう。    
 
ここで問題を。
折り紙を磁石で持ち上げたいのですが、どうすればできるでしょうか。実験
は、遊びの感覚で取り組むことが大切です。
 
夏はこれからが本番です。頑張りましょう。    
(次回は、「夏休みにできる家庭学習2」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>面接ケース・スタディー2

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2020さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第36号
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面接 ケース・スタディー編 (2)
「あれっ、あの人………?」
 
何が起こるかわからないのが、幼児の世界です。
今まで静かに待っていたユミちゃんは、係りの先生が呼びに来たので、立ち上
がりました。
面接室の前まで来たのですが、中をのぞいたところで、急に、お母さんの後ろ
に隠れてしまったのです。
何が起きたのでしょうか。
 
「幼稚園の先生とお話しをするだけだから、こっちへ出てきなさい!」
お母さんが、振り返るなり、ユミちゃんの手を強く引っ張ったのです。 
いやいやをしながら、今にも泣き出さんばかりです。
困ったことに、面接をする先生方からは、よく見える位置でした。
 
「パパと手をつないでいこうね!」
この一言で、先生方の前まで進みましたが、心は不安で、いっぱいです。
見かねた先生が、
「今日は、ユミちゃんですね!」
と声をかけてくれたのですが、返事をしたユミちゃんの声は、当然のごとく、
小さく、かぼそかったのです。
それこそ消え入るような声でいえたのがやっとでした。
「大きな声で答えなければ、先生方に聞こえないでしょう!」
きつい追い打ちです、何を考えているのでしょうか。
 
このような事態になったのは、実は、ユミちゃんがシスターを見るのは、初め
てだったからです。
それで、びっくりしてしまったのでした。
よく聞く話です。
気配りが足りません、あまりにも不用意ではないでしょうか。
 
入園説明会などは、
「小さなお子さんをお連れにならないでください」
といっていますし、普段、園内には入れません。
しかし、いくらでも方法はあります。
外からの見学は自由ですから、降園時などに行ってみましょう。
 
「一人っ子で、私が余りにも手をかけ過ぎたせいでしょう、初めての人と会っ
たり、初めてのところへ行くと、すっごく、用心深くなるんです。主人も『見
せておいたほうがいいよ』と心配し、それで、受験する幼稚園の周りを何回も
散歩とかにぃ、出かけました。
ある時、シスターさんが出てこられたのです。
娘は、予想通り、私の後ろに隠れ、スカートを力いっぱい握りしめているんで
す。
私は、『こんなチャンスはないわ!』と自分にいい聞かせ、意を決し、
『今日は!』
と、あいさつしました。
すると、シスターさんもあいさつしてくださったばかりか、娘に向かって、
『今日は、お嬢さん!』
と言葉をかけてくれたのです。
小さな声でしたが、娘もあいさつでき、力が入っていたスカートを握る手もゆ
るみ、
『ママ、だあれ?』
と聞かれ、私の説明に納得し、うなずいていました。
面接が終わったあとで、
『ママ、この間の、おばちゃまですよね?』
といった程度の認識なんですが、やはり、見せておいてといっては失礼ですが、
よかったと思います」
 
この気配りです。
シスターには悪いのですが、見たことのない子には、奇妙な感じを与えないで
しょうか。
怒られそうですが、映画で見るようなシスターとは違いますし、普段、見慣れ
ていないはずだからです。
当日が本番では、ユミちゃんのようになりかねません。
しかし、お母さん、「すっごく」や「散歩とかにぃ………」は、もう卒業しま
しょう、お子さんのためですよ。
 
また、幼児の初体験は、大人の想像を遥かに越えた大変なものです。
たとえば、園舎です。
校舎に比べれば小さい建物ですが、それでも幼児にとっては、相当、大きく見
えます。
それだけで、萎縮してしまうのが子どもです。
見慣れておくことも大切ではないでしょうか。
できれば試験前に、お父さんにはひげをそってもらい、当日、着ていくだろう
スーツを着、3人で出かけておきましょう。
初めての場所は、大人でも緊張しがちだからです。
 
まだ、あります。
入試当日は、大勢の親子が集まります。
お子さんは、そんな体験をしていないはずです。
「どうなっているのだろう?」
ほとんどの子は、驚いています。
「ママ、帰る!」
こういう子もいるそうです。
びっくりして、感情の揺れ動く気持ちを、しっかりと理解しておきましょう。
 
ましてや、動揺しているわが子に、
「聞こえないでしょう!」
と追い打ちをかけるようでは、母親、いや、保護者としていかがなものでしょ
うか。
私は、その資格なしだと思います。
見ているシスターの心も、おそらく怒りでふるえていたはずです。
こういう無神経な母親には、試験を受けてもらいたくないでしょうね。
合格するはずはありません。
 
幼い子どもの、微妙な心のざわめきを察知できないようでは、保護者とはいえ
ません。
幼稚園の受験の難しいことを、しっかりと心に刻んでいただきたいと思います。
 
これからが夏本番です。お子さんの健康管理には、充分に気をつけてあげまし
ょう。
(次回は、面接ケース・スタディー編 3についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<保護者編>第10章 終戦記念日、このことです 葉月(1)

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2020さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第36号
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第10章  終戦記念日、このことです   葉 月(1)
 
物の本によれば、葉月のいわれは、季節は秋になり、木の葉が落ちる「葉落
月」の略されたものが親しみやすいですね。この他に、稲穂の「発月」、雁
が渡ってくるので「初来月(はっきづき)」、南から台風の風が吹きはじめ
るので「南風月(はえつき)」などの説があるそうです。
 
★★終戦記念日★★
8月といえば、終戦記念日です。8月15日、忘れてはならない日です。こ
れは、季節の行事と違いますから、おかしな話と思うかもしれません。しか
し、私たち日本人は、この日を忘れてはならないのです。とにかく、大勢の
人が亡くなりました。戦場で230万人、原爆、空襲で70万人、およそ3
00万人の命が奪われたといわれています。この中には、戦場となったアジ
アをはじめ他国の人々は含まれていませんから、犠牲者はさらに増すはずで
す。この事実だけでも、戦争は絶対に許せません。
 
最近、「なぜ、日本は世界を相手に戦争をしなければならなかったのか」、
その真相を明らかにする書物も多く出版され、知らなかった経緯を知る機会
も増えてきました。その最たるものは、「あの戦争は、日本の自衛戦争であ
った」といった、日本と戦った連合国最高司令官、ダグラス・マッカーサー
元帥の言葉でしょう。
 
私は、長い間、宣戦布告もせず、真珠湾を奇襲攻撃し、戦争を始めたのは日
本であると思っていました。ところが、上智大学名誉教授である渡部昇一先
生の数々の著書や文芸春秋の名編集長であった堤堯氏の「ある編集者のオデ
ッセイ(戦争の仕掛人はルーズベルト大統領)」、西尾幹二氏の「日米百年
戦争」(徳間書房 刊)、山崎豊子さんの「二つの祖国」(上下 新潮社 刊)
などには、マッカーサー元帥の言葉を裏づける事実が証明されているではあ
りませんか。
 
そして、テレビでも放映された清朝が崩壊していく経緯を書いた破天荒な作
品、浅田次郎氏の「蒼穹の昴」 (4巻 講談社 刊)で、欧米人は、肌の色の
違う人種を決して認めない「人種差別」と「宗教の違い」を指摘し、「気づ
かないでいると大変なことになる」と憂慮していたことが現実となり、「石
油」を絶たれ、戦争でしか解決できないように追い込まれた結果、開戦のや
むなきに至ったのが、戦争の大きな原因ではなかったでしょうか。「日本は
戦争をしたくてやったのではない。仕掛けてきたのはアメリカやイギリスの
白人達だ!」と親父は、常に激怒していましたが、今は、その気持ちがよく
わかってきました。
 
とは言え、戦争は、人間の引き起こす最も愚劣な罪悪です。しかし、戦時中
は、全国民が真剣に戦争をしていたのも事実です。国家権力は絶対で、国民
は逆らえません。これが恐い。たとえば、赤紙1枚で、たった1つの生命を
交換させられたのです。その赤紙は、わずか1銭5厘(当時の葉書の値段)、
1銭5厘です……。
 ※赤紙 兵を集める召集令状のこと、淡赤色の紙を用いたもので、俗に赤
紙という。(広辞苑)
 
「戦争反対」の四文字は、禁句の時代でした。叫ぶのも命がけです。非国民
と弾劾されながら、特高(特別高等警察の略。戦前の警察制度で政治思想関
係を担当した課の警察官のこと)の監視を逃れ、どれだけの人が戦えたか。
このことです……。その記録さえ、わずかしか残っていないのではないでし
ょうか。戦時体制になれば、国を挙げて戦争に協力しなければなりません。
しかも、それが正義、正論として、まかり通ります。協力しなければ非国民
となり、生活できなくなるのですから。
 
若いお父さんやお母さん方は、知らないかもしれませんが、日本の軍隊が他
国の地で戦ったことを、その国の人々は忘れません。日本人なら、広島と長
崎を忘れられないのと同じです。
昭和20年8月6日、午前8時15分、B29 爆撃機 エノラ・ゲイ号、
原爆の名前はリトルボーイ、死者約14万人。
同年8月9日、午前11時2分、B29 爆撃機 ボックス・カー号、原爆
の名前はファットマン(太った男)、死者約7万人。リトルボーイとファッ
トマンで死者約21万人、ふざけた名前に腹立たしくなります。いまだに後
遺症で苦しんでいる日本人がいることを、アメリカ人は知っているのだろう
か。
「戦後、原爆投下によって日本の降伏が早まったと、アメリカは宣伝したが、
それは全くの嘘である。新型爆弾の実験をしたかったというのが、本当のと
ころであろう」とは、左翼系の新聞が書きそうなことですが、朝日新聞と徹
底的に戦った故渡部昇一先生の指摘です。
 
いや、同年3月の東京大空襲も同じです。東京だけではありません。長い歴
史と文化遺産のある奈良、京都の一部を除き、多くの都市で大勢の人々が殺
されました。日本の木造家屋を燃やしやすいように、B29という爆撃機か
らガソリンをまき、焼夷弾(建造物を焼き払う目的で使う、燃やす薬剤を入
れた投下爆弾や砲弾)を落としていったのです。しかも、命を奪われたほと
んどの人が、武器をもたない非戦闘員、ごく普通の市民です。
 
「永遠の0」でデビューした百田尚樹氏の作品に「海賊とよばれた男」があ
ります。第二次世界大戦から1970年代まで、石油の生産を独占していた
7社、国際石油資本「セブンシスターズ(7人の魔女)」と出光興産の創業
者、出光佐三(いでみつ さぞう)の戦いは、アメリカの戦略で石油を断た
れ、南方に侵出しなければならなかった、戦争を始めなければならなかった
恨みを晴らすかのような凄まじい闘魂には、涙なくして読めませんでしたが、
それ以上にショックを受けたのは、この数字でした。
 
驚くべきデータがある。財団法人「日本殉職船員顕彰会」の調べによれば、
大東亜戦争で失った徴用船は、商船3,575隻、機帆船2,070隻、漁
船1,595隻の計7,240隻。そして戦没した船員、漁民は60,00
0人以上に上る。彼らの戦死率は約43パーセントと推察され、これは陸軍
軍人の約20パーセント、海軍軍人の約16パーセントをはるかに上回る数
字である。自ら身を守る手段を持たない船乗りたちは、命懸けで貴重な物資
を日本に運び続けたが、それでも国内の需要を満たすことができず、国民は
慢性的な物質不足に苦しんでいた。
 (「海賊とよばれた男」 上巻 P373 講談社 刊) 
 
銃器や魚雷など武器を何も持たない船が、重装備をした軍艦に沈められたの
は、先にもお話しした日本の各都市をじゅうたん爆撃で徹底的に焼き尽くし
たのと同じではないですか。戦争で犠牲になるのは、国の根底を支える名も
無き普通の人々、つまり、私達です。平和ぼけしている日本人は、この事実
を忘れかけていないでしょうか。(合掌)
 
ですから、子どもに戦争の悲惨なこと、二度と繰り返してはならないことを、
しっかりと伝えておきたいのです。何とか主義や何とかという思想のもとで、
戦争反対を叫ぶのとは違います。平和運動さえ派閥ができ亀裂が生じます。
これも、争いを生むもとですから、用心しなくてはいけません。戦争は、ゲ
ームと違います。リセット、やり直しはできません。ゲーム・オーバーで、
本当に「ゲーム・セット」ですから。現代っ子は、いとも簡単に人を殺めま
す、殺します。人間は、お互いに、労わりあう心がなければ生きていけませ
ん。人間として、生きとし生ける者の掟、それは「共生」「ともいき」では
ないでしょうか。これを、責任をもって教えるのは、ご両親の大切な仕事で
す。
 
しつこく繰り返しますが、幼児期に必要なのは、知識を詰め込むのではなく、
情操豊かな子に育つ環境を作ることです。そこから、自分自身で考え、行動
する力が身につくからです。価値観が多様化し、「何でもありの人生観」を
もつのも自由ですが、「共に生きる」意識がぜい弱では、やはり、偏った考
えしか身につきません。などと年がいもなく青いことをほざいていますが、
恥をかくついでにもう一言、「共生の反対は自己中心、自己中」です。自己
中は、恥じることを知らない人のことです。ハードボイルドの作品は、刺激
が強すぎてあまり読まないのですが、レイモンド・チャンドラーの作品「プ
レイバック」には、「タフでなくては生きていけない。やさしくなければ生
きる権利はない」という忘れられない言葉があります。あまりにも強烈で座
右の銘にできませんが、心だけはタフでありたいと念じています。
 
ところで、1982年6月の国連軍縮特別総会で、ケロイドの広がる自身の
写真を振りかざしながら、「ノーモア・ヒバクシャ」を訴えた日本原水爆被
害者団体協議会の代表委員、山口仙二さんが平成25年7月6日に亡くなり
ました。核兵器の犠牲者の存在を世界に知らしめた、鬼気迫る歴史的な瞬間
でしたが、どれだけの人がその業績をたたえ、冥福を祈ったでしょうか。
 
2016年5月27日、オバマ前大統領は、原爆慰霊碑の前で演説をしまし
たが、その碑に刻まれている「安らかに眠ってください。過ちは繰り返しま
せぬから」は、核保有国が言うべき言葉ではないか。その国の首脳者こそ、
国立広島原爆死没者追悼平和祈念館に足を運び、地獄絵図を見るべきではな
いか。大統領が爆心地を訪問したとはいえ、核兵器の廃絶を、本気になって
考えた人々が、世界中にどれほどいたか、そのことを思うと、暗澹たる気持
ちにならざるを得ません。2017年7月に採択された「核兵器禁止条約」、
核保有が戦争の勃発の抑止力になる、アメリカの核の傘の下にいるから安全、
だから日本は賛成しないでは、持った方が勝ちの世界になります。何時まで
たっても国の安全をアメリカの力に頼っていては、本当の独立国といえない
でしょう、情けない。
 
戦後、74年を迎え、戦争も原爆も、何やら遠い昔の出来事として、風化さ
れているのではないでしょうか。しかし、忘れてはならないことです。事実
は事実として、きちんと語りつがれなければ、戦争のために亡くなった人た
ちは浮ばれませんし、申し訳ないではありませんか。これこそ、「現代の民
話ではないだろうか」と、今月に紹介する本の解説者、米屋陽一氏はおっし
ゃっています。
 
浅はかにも、万物の霊長などと威張っていますが、人間だけではないでしょ
うか、殺し合うのは。
それも、憎しみをこめて、徹底的に……。他の動物も同じ仲間同士、争いま
すが、負けのサインを出すと、攻撃しないものです。満腹のライオンは、し
ま馬がそばを通っても襲いません。本当に、人間って、不思議な動物です。
極限状態になると、何をしでかすかわからないのですから。宗教と民族の問
題がからむと、必ず、泥沼に落ち込みます。  
ニューヨークにある世界でも有数なブロンクス動物園には、鉄格子をはめ込
んだ檻、「鏡の間」があり、その前に立つと、人間の上半身が鏡に映り、そ
の鏡の上には、こう書かれてあるそうです。 
THE MOST DANGEROUS ANIMAL IN THE WORLD
(世界で最も危険な動物)
 
2016年7月1日、バングラデシュの首都ダッカで起きた武装集団のテロ
事件、被害に遭われた7名の同胞の方々に、何の落ち度があったのか。2度
とあのようなテロ事件を起こしてもらいたくない。
テロも怖いが、直ぐ近くに、核弾頭を装填したミサイル開発に力を入れてい
る国があることに、もっと恐怖を感じなければいけないのではと思いますが、
若い皆さん方は、どうお考えでしょうか。トランプ大統領のツイッター外交
により再開した米朝会談、その成果はこれからでしょう。
 
ところで、少しひっかかる言葉があります。「終戦記念日」です。
これで、親父と大げんかになったことがありました。
「敗戦記念日ではないのですか」
「ばか者! わが日本は、神州不滅の国や。日本は敗けん。天皇陛下様にお
かれては、人民の犠牲をすくのうするために、戦いをお止めになさったの
や!」
アジアの国々を戦火に巻き込んだモンスターの正体を確認しなければ、「戦
争を起こした東洋の鬼畜」と非難だけされ、やがてこの国は、元気のない国
に成り下がってしまうのではないでしょうか。
 
国際化などといわれていますが、自国が起こした戦争だからと、むやみに平
身低頭して謝るだけでは、他国から馬鹿にされるだけです。きちんとした見
識をもっていなければ、国際人として通用しないことを、もっと真剣に考え
るべきではないでしょうか。特に、これからの日本を背負ってたつ若い人達
は、自虐史観ではなく、自身の歴史観を身につける必要があります。「なぜ、
日本は戦争を起こしたか」、書店をのぞけば情報は山ほどあります。自分自
身のためです、わが子のためです。お読みになって、自身の考えを持ち、お
子さんに伝えるべきではないでしょうか。「水に流す」は、日本民族独特の
解決の仕方で、外国では絶対に通用しません。
渡部昇一先生の遺作となりましたが、「渡部昇一の少年日本史」(致知出版 
刊)」も、お薦めしたい1冊です。既刊の「[増補]決定版 日本史」(扶養文
庫刊)が基になっているのではないかと思いましたので、その本から紹介し
ましょう。これが自虐史観の正体です。
 
アメリカは、日本のような天然資源もない「持たざる国」がなぜ近代戦を戦
えたのかを分析し、「その源は日本精神にある」という答えにたどり着いた
のである。その「日本精神」を破壊するために、勝者が敗者を裁くという公
平性の全くない東京裁判で、「戦前の日本は悪い軍国主義で、侵略国家であ
る」と決めつけた。そして日本に戦争責任のすべてをなすりつけ、日本人に
自分たちが悪かったという負の意識を徹底的に刷り込んだ、いわゆる「東京
裁判史観」である。
    ([増補]決定版 日本史 P278 扶養文庫 刊)
 
 ところで、童謡に反戦歌があるのをご存知ですか。
 「里の秋」です。       
 
    里の秋
      作詞 斉藤 信夫   作曲 海沼 実 
 
      一 静かな静かな 里の秋
        お背戸に木の実の落ちる夜は
        ああ、母さんと ただ二人
        栗の実煮てます 囲炉裏端
 
      二 明るい明るい 星の空
        鳴き鳴き夜鴨の 渡る夜は
        ああ、父さんの あの笑顔
        栗の実食べては 思い出す
 
      三 さよならさよなら 椰子の島  
        お船に揺られて 帰られる
        ああ、父さんよ ご無事でと  
        今夜も母さんと 祈ります  
     *お背戸(裏口のこと)  
 
終戦の年(1945年 昭和20年)の12月に、NHKの「外地引き上げ同
胞激励の午後」という番組で発表された曲で、兵隊になって戦地に行ったお
父さんが、引き上げ船に乗って帰ってくる、その日を待っている親子の気持
ちを歌ったものです。確か、古賀さと子さんという、可愛い童謡歌手が歌っ
ていたと記憶しています。しかし、当時は、こういった歌であるとは知りま
せんでした。なぜ、反戦歌になるのか、疑問に思われる方、「里の秋」でア
クセスしてみましょう。
作曲者の海沼実は、児童合唱団「音羽ゆりかご会」の設立者で、川田正子、
孝子、美智子の三姉妹をはじめ多くの童謡歌手を育てたことでも知られてい
ますが、若い皆さん方には、「みかんの花咲く丘」「見てござる」「あの子
はたあれ」などの作曲者といった方が、うなずけるのではないでしょうか。
 
ところで、戦後、外地で苦労された人々の話はたくさん残されています。山
崎豊子さんの「不毛地帯」も忘れられない小説の一つですが、完成させてほ
しかったと悔やむ作品があります。平成26年2月に新潮社から1巻のみ発
売された「約束の海」です。“海上自衛隊の潜水艦と釣り船が衝突、若き士
官を待ち受ける苛烈な日々。その父は昭和16年、真珠湾攻撃で捕虜となり
生き残った特攻隊員、「この日本の海を二度と戦場にしてはならぬ!」”、
これがキャッチフレーズ。残念ながら山崎さんは平成25年9月29日に亡
くなり、未完の大作となってしまいましたが、残された構想を読むと3巻の
予定で、最後まで読みたくなりますね。(残念)
 
かつて、森村誠一氏が、友人であった「木枯し紋次郎」など380数冊の著
者、故笹沢佐保の絶筆となった未完の「海賊船幽霊丸」を完成させた例もあ
ります。「海賊と呼ばれた男」の百田尚樹氏に完成させてほしいと思ってい
たのですが、「殉愛」を読み、「違うかな?」と諦めました。……が、「カ
エルの楽園」を読み、「今こそ、韓国に謝ろう」を読み、「何とかなるので
は!」などと、またしても期待を持ってしまいました(笑)。
(次回は、「なぜ、鳩は平和のシンボルなのでしょうか」などについ
てお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>創刊号

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        「めぇでる教育研究所」発行
2021さわやかお受験のススメ現年中児 今から始める小学校受験
            創刊号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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2021 さわやかお受験のススメ
現年中児 今から始める小学校受験  創刊号
 
一時、小学校の受験者が減ったこともありましたが、ここ数年、増加する傾向
にあり、2019年4月には、東京農業大学稲花(とうか)小学校が世田谷に
開設され、小学校も増えています。
現在、全国の私立小学校は213校、関東地方は、東京都54校、神奈川県3
1校、埼玉県5校、千葉県10校、茨城県7校の計107校(東京都教育委員
会 30年度版より)となっています。
 
私学には独特の建学の精神、教育理念、伝統と歴史があり、宗教教育、男女別
学、大学(高校)までの一貫教育制度などが歓迎され、そういった環境のもと
で教育を受けさせたいと考えるご両親が増えているからではないでしょうか。
 
さらに、小学校側も、様々な計画を実施していますが、最も注目されているの
は、田園調布雙葉小学校や日本女子大学附属豊明小学校などが、幼児教室対象
の学校説明会を開催したことではないでしょうか。
日本女子大学附属豊明小学校は、今年も2月に開催し、学校の求める子どもと
その家庭像を公表しましたが、いわゆる名門小学校が、学校をアピールする会を
持つなど考えられないことでした。
 
また、学童保育、アフター・スクールが充実したことも見逃せません。
記憶に間違えがなければ、初めて取り組んだのは、ノーベル賞をめざして開校
された さとえ学園(さいたま市)ではなかったでしょうか。複合型教育と命
名され、正課の授業後、特色あるアフタースクールプログラムを多数開発した
もので、習い事を含め、全て学校内でやってしまうシステムです。初めて訪れ
たとき、校内に水族館があり、度肝を抜かれたものでした。
 
その後、淑徳小学校、昭和学院小学校、聖徳大学附属小学校(最長19時、自
家用車でのお迎え可)、そして日本女子大学附属豊明小学校が「JWUほうめいこ
どもクラブ」を、聖心女子学院初等科が「ジョアニークラブ」を、国府台学院
小学部も少し目的は違いますが「オリーブグリーンルーム」を開設し、一層の
充実を目指し、共働きの家庭を応援する貴重な制度に成長しています。
受験者が増えてきたのも、こういった共働きの家庭を応援する学校の姿勢が、
歓迎されているのではないでしょうか。
 
最近、家庭での学習と公開模擬テストの受験だけで、幼児教室へは年長の夏休
み頃から通い、無事合格と考えるご両親のいることも事実ですが、その結果、
あと一歩足りなかったと悔やむご両親の増えていることも確かなのです。学校
側は、定員割れをしても厳しい態度で評価をする姿勢を見せていますし、専願、
推薦でも、入学が叶わないケースも出ています。
 
「入試に必要な知識や礼儀作法なるものを泥縄式に詰め込み、『受験準備、事
足れり』と考えるのは、誤りであることに気づいてほしい」
 
これはあるミッション系の校長先生が、バブル経済全盛期頃の、「何が何でも私
学へ」と過熱気味の受験準備を鋭く批判した言葉ですが、ここが小学校受験の
難しいところなのです。やはり年中から時間をかけ、無理なく準備することが
大切で、7月から10月の4ヶ月間は貴重な準備期間でもあるのです。
 
「泥縄式では通用しません」、その意味を一つ一つ解説し、お子さんには何が必
要なのか、そして学校を選ぶご両親には何が求められているかについて、じっ
くりと説明し、納得していただき、お子さんにとって最もふさわしい学校へ入
学していただけるようになることが、本メールマガジンの狙いです。
 
「教育の道は、家庭の教えで芽を出し、学校の教えで花が咲き、社会の教えで
実がなる」、これは明治初期の頃文部省が高等科(現在の5、6年生)の家庭に配
布したものだそうですが、学校選びは、「芽生えた芽に、どのような花を咲かせ
るか」に尽きるのではないでしょうか。
 
「明日は今日より昨日より」を目標に、「ゆっくり、じっくり、しっかり」と一
緒に頑張ってみませんか。微力ながら応援させていただきます。
 
                めぇでる教育研究所 所長 藤本 紀元

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>建学の精神、教育方針の理解の仕方 (2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
2020さわやかお受験のススメ小学校受験編
            第52
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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建学の精神、教育方針の理解の仕方 (2)
 
★説明会情報★
6月22日に行われた白百合学園小学校の学校説明会は、雨模様の中今年もたく
さんの参加者で講堂がうまりました。
 今年は校長先生がかわり、初めての説明会となりました。しかし、さすがに
伝統ある学校ですから、ぶれることのない「建学の精神と教育方針」のお話を
聞くことができました。
 また、昨年に続き3年生の合唱、「一年桜組の一年間」という映像の上映に加
え、6年生3名による「最上級生として」というテーマの発表がありました。
いずれも入学してからの子どもたちの様子がよくわかる、すばらしいものでし
た。
 
 
もやしっ子をなくすためにサッカーを取り入れた学校といえば、暁星小学校で
す。今は、どうでしょうか。もやしっ子は、たくましくなり、全国高校サッカ
ー選手大会に出るほどの実力を備え、強豪といわれるまでになりました。
サッカーは、かなり、過激なスポーツです。手は使えませんから、体を張った
足技が、ものすごいですね、このことです。
サッカーは、まさしく格闘技です。ワールドカップを見ていても、「ここまでや
るか!」といったプレーが随所に見られました。ですから、イエロー・カード
やレッド・カードと、反則に厳しいペナルティーを与えます。「ルールを守って
戦うフェアーな精神の持ち主」であることも大切な条件です。さらに、11人
で戦うゲームですが、一人ひとりは、敵を自分に引き付けておき、ぎりぎりの
ところで味方にパスをつなぎ、最後にゴールにシュートを決めるチャンスを勝
ち取れるのは、たった一人です。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬あり」ではありませ
んが、犠牲的な精神が求められます。チームワークです。フェアーな戦いとチ
ームワーク、ここに学園の教育の礎があるのではないでしょうか。
 
小学校の門には、「困苦や欠乏に耐え、進んで鍛練の道を選ぶ気力のある少年以
外は、この門をくぐってはならない」と書かれた額が掲げられています。今年
の説明会は暁星学園の講堂で行われますが、その日は校舎見学もできます。
貴重な機会ですから、額を拝み、1階にあるチャペルで少し時間を過ごしてみ
ましょう。何か感じることがあるはずだからです。
 
数年前の説明会では、小学校時代、運動の苦手だった子が、友の誘いでサッカ
ーに挑み、サッカーチームの一員となったばかりか、切磋琢磨して難関校へ合
格、共に励ましながら目標を達成する「鍛える教育」の成果を作文で披露しま
したが、よくわかる話でした。
 
高校までの一貫教育に関しては、そのまま大学へ進んでしまうより、社会へ出
る前に受験勉強をし、その厳しさを体験させるべきだと考えるお父さん方が多
いようで、進学状況を見ても、生徒はしっかりと応えていることもわかります。
 
「宗教教育」「別学の教育環境」「高校までの一貫教育制度」に期待すること、
プラス、「困苦や欠乏に耐える気力のある少年」をどのように解釈するか、ここ
がポイントではないでしょうか。「質実剛健」だけでは、説明しきれないのでは
と考えます。
以前、佐藤前校長が説明会で、暁星小学校の求める子ども像として、日本昔話
のキャラクターでもある「気は優しくて力持ち」といっていましたが、この比
喩はわかりやすいのではないでしょうか。一昨年から吉川直剛校長になりまし
たが、同じ話を聞くことができました。
 
青山学院初等部は、ミッションスクールは別学が多い中で、めずらしく共学で
す。ランドセルも通信簿もありません。これが、青山の教育方針です。
ランドセルは、昭和40年に廃止しています。その理由は、ランドセルは、「学
校追従型のシンボル」と考えているからだそうです。1に勉強、2に勉強、3、
4がなくて5も勉強です、現代っ子は。
家で宿題やら予習やら復習をひたすらこなす前に、「家庭で、きちんと身につけ
なければならないことがありませんか」ということではないでしょうか。
家庭でしっかりとやらなくてはならない基本的な生活習慣や躾、言葉遣い、そ
して情操教育が、なおざりにされていないでしょうか。青山は、家庭での教育
を重視しているということです。
 
通信簿は、相対評価が多いものです。
5が2人いれば1も2人といった評価ですから、通信簿は相手との比較表にな
りがちです。比較表ではなく、学習の質を問うのが勉強の評価ではないでしょ
うか。ですから、期末試験の結果や出てきた偏差値といった評価をする資料の
ない状態で、先生と子ども、先生と保護者が、直接、話し合うそうです。
通信簿がないことは、結果よりプロセスを重視する学習観ではないでしょうか。
自分で考え、判断して、行動する、自発性です。結果さえよければそれでいい
という価値観と違い、思考力、判断力、行動力を育てる教育で、新学習指導要
領が掲げる“アクティブ・ラーニング”と同じではないでしょうか。
 
ところで、意外に知られていないことがあります。
初等部のHPを開き、「教育」のところの「国内短期留学・止揚学園」をご覧くださ
い。30数年前、ある本を読み知ったのですが、「すべてが教場」の意味を理解
できたものでした。青山学院は、こういう教育を実施している学校でもあるの
です。
 
「宗教教育」「共学」「大学までの一貫教育制度」に期待することは何でしょう
か。「共学」を忘れがちですが、これも大きな特徴です。そういったことから、
まとめてみましょう。
 
国府台女子学院のことを、千葉の白百合学園とさえおっしゃるお母さん方がい
ました。小学部の入学試験の難しさといい、大学への進学状況を見ても、「さも
ありなん」と思わざるをえないほど実績を上げています。一昨年の4名に続き、
昨年度も、医学部への進学が5名あったとのこと、「社会で活躍できる女子を育
てる」方針が着実に実を結んでいるのではないでしょうか。
 
価値観が多様化し、社会全般が「エニシング・ゴーズ、何でもあり」の風潮を
歓迎するムードがありますが、そういったウイルスに感染することなく、小さ
い頃から一つの価値観に基づいた教育を受けさせたい、そう考えるご両親が増
えていることも事実です。
 
仏教に基づく教育を行い、女子だけの、高校までの一貫教育校です。
月毎に行われる仏教行事は、本学院の教育理念である「敬虔・勤勉・高雅」を
身につけるための、貴重で重要な教養、教化となっています。「教養は、徳をみ
がき、人格を高めること」で、「教化は、キョウゲと読み、人を教え、よい影響
を与えて善に導くこと」だそうです。となると、教育理念である「敬虔・勤勉・
高雅」を、どのように解釈するかが問題になってきます。
 
たいへん難しい言葉です。HPにも解説がありますが、わたくし流に考えると、
こうなります。
「敬虔」は、仏につつしんで仕えることから、深く敬って態度をつつしむさま。
「勤勉」は、勤めて骨を折ることから、何事も一所懸命。
「高雅」は、気高く、雅(みやび)やかなことから、だれからも愛される気品。
 
このように置き換えてみると、わかりやすいのではないでしょうか。「つつまし
く、一所懸命に頑張る、心のやさしい子」といった子ども像が浮かんできます。
そういった子どもに育ってほしいと考え、育児の基本にしているご両親であれ
ば、学校の教育方針と一致していることになります。
以前、教育理念を俳句もどきに、
       ひたむきで つつしみぶかく みやびやか
などとお母さん方に紹介していたこともありました(笑)。
 
ある年の説明会で、平田史郎学院長は、不作法で言葉遣いの乱暴な者を評して、
「訓練されていない個性は野性である」とおっしゃっていました。
創立記念日に招かれ、講堂に案内されたとき、左手に数珠を持ち、私の左側に、
腰をかがめながら先導してくれた、児童のその姿が何とも優雅であったことが
印象に残っています。また、1年生が、きちんと挨拶をするのにも驚かされま
した。宗教教育は、形から入って心を作っていくものと思っていましたが、納
得したものです。
 
女子だけの環境については、「女子だけだからいいのです。女の子しかいないの
で、男子のする仕事までやることになり、体験の幅が豊かになります」といわ
れ、共学にする予定は、まったくないと断言しています。今年の幼児教室対象
説明会でも、女子教育の効果を医師国家試験の合格率や大学合格率のデータを
元に、強調していました。
こういったことをヒントに、「宗教教育」「女子だけの教育環境」「高校までの一
貫教育制度」に期待することをまとめてみましょう。
 
2回に分けて、「私学の建学の精神、教育方針の理解の仕方」について、「おと
うさん、おかあさんの受験対策」(めぇでる教育研究所 刊)からピックアップ
して紹介しましたが、これは、あくまでも「わたし流の考え」にすぎません。こ
ういった解釈を情報として公表するのには、少し、心配があります。それは、
幼稚舎が作文を止め、面接を廃止した理由が、あまりにも「傾向と対策化され
ている現状から意味がないと判断したから」とおっしゃったことと同じ理由か
らです。一つの考え方、ヒントとしてお読みいただき、ご自身の言葉でお話し
できるようにしていただきたいと、老婆心ながらお願いしておきたいと思いま
す。
 
間もなく夏休みに入りますが、夏休みの講習会に参加し、キチンと計画を立て
て、乗り切りましょう。「夏を制する者は秋を制す」、この気持ちで頑張ってく
ださい。
     (次回は、「夏休みの過ごし方」についてお話ししましょう)

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