めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試問題を分析する   推理・思考に関する問題(3)

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第39号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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(4) 推理・思考に関する問題(3) 
 
◆入試情報◆
◎神奈川私立小学校フォーラム
日時 5月8日(祝)10:00~15:00
場所 新横浜プリンスホテル5F
横浜雙葉小学校他29校参加 幼児広場開催予定。
詳しくは「神奈川私立小学校フォーラム」のホームページをご覧ください。
 
◎横浜雙葉小学校 
学校説明会 4月23日(土)午前中 (申し込み不要)
学校見学会 5月12日(木)午前中 (要 事前の申し込み)
オープンスクール 6月25日(土)午前中 (要 事前の申し込み)
詳細は、4月1日以降、本校ホームページに掲載。
 
[科学性の問題]
(風の吹く向き、影や水に映っている絵を見て)
◆ 下の絵で、おかしなところに×をつけなさい。
 
問題集に取り組む前に、以下の実験をしておくと、好奇心の触角となる「ナゼ、
ナゼ、ドウシテ?」の探査用アンテナを張りはじめます。
風の吹く様子は、ぶら下げたひもにドライヤーで風をあててみましょう。
影は、お日さまの出番ですが、懐中電灯でもわかりやすいでしょう。
水に映る様子は、前回の実験で使った画用紙を縦にして半分に折り、上の部分
に矢印↑や▲を描いてみましょう。そして、色を塗り、重ねて、よくこすりま
す。どのように写るかががわかれば、直ぐに理解できるでしょう。
 
磁石にくっつくもの、水に浮くもの、沈むもの、これも同じです。磁石を持た
せて、十分も遊んでみると、わかります。おもちゃ箱には、いろいろなものが
入っていますし、部屋の中にも、実験用の教材は豊富です。しかし、うっかり
コンセントに近づけると危険ですから、よく説明しておき、絶対に一人ではや
ってはいけないと約束し、実験中も監視の目をゆるめないことです。 
缶はアルミ製とスチール製を用意しましょう。「エッ!」となるはずです。 
砂の中に磁石を入れると面白いのですが、最近の砂場は衛生上、問題がありま
すから勧められません。砂場で砂鉄を採集し、紙の上にのせ、下から磁石をあ
ててみましょう。これは、子どもにとっては、驚きの現象となるはずです。
少し難しいかもしれませんが、どうすれば折り紙を磁石で持ち上げることがで
きるか、挑戦してみましょう。ヒントは、クリップなど磁石にくっつくものを
利用することです。
 
コップや空き缶は、どんなときに浮き、沈むのでしょう。  
ジュースの入ったビンは、浮くでしょうか。
水をいっぱい入れたビンと、少し空気を入れたビンでは、どうなるでしょうか。
1円玉、10円玉は、どうですか。
紙は、条件で変わります。
輪ゴムも面白いですね。
さつま芋は浮くでしょうか。
すいかも面白いのですが、今は、丸ごと買いませんから、ピンチヒッター、メ
ロンでどうでしょう。
 
ところで、昔、大関に小錦という大きなお相撲さんがいましたが、プールで泳
いでいるのをtれビデ見て、「どうして、あんなに大きなお相撲さんが、水に
浮くのですか?」と真剣な顔をして質問した子がいました。皆さんは、どのよ
うに説明しますか。
 
その他に、植物の成長の段階や昆虫の生育状態を、絵を並べて答える問題もあ
ります。
朝顔やひまわり、チューリップなど家で栽培できるものを、お子さんと一緒に
育てながら、観察絵日記をつけるのも、効果がありますね。
おたまじゃくし、めだか、やごなどは、川にはいくらでもいましたが、今は、
その気になって出かけて探しても、いません。
♪春の小川は さらさらいくよ♪
などという風景は、どこにあるのでしょうか。
本物に勝るものはありませんからお勧めできませんが、図鑑などで説明するし
かないでしょう。
「手に入らない、見ることができない」といっても、興味や関心の芽は育てて
おきたいものです。
 
文部省唱歌「春の小川」の情景は、どこにあったかご存知でしょうか。
渋谷を流れていた河骨川だそうで、今はコンクリートで固められた汚れた川、
宇田川と呼ばれ、東急東横線の渋谷駅前の歩道橋から見ることもできますが、
あまり見栄えのよい景色ではありませんから、お勧めできません。歌碑は、小
田急線の代々木八幡駅付近の線路沿いに建てられています。
ところで、平成25年3月から東急東横線の渋谷駅は地下にもぐって副都心線
と乗り入れになり、川越から元町・中華街まで乗り換えなしに行けるようにな
り、横浜雙葉小学校の説明会に出かけましたが、地下鉄を利用するたびに思う
ことは、すべて電気が頼りですから、電気が止まると、後期高齢者は、あの階
段を上り下りできませんね。停電の場合、どうなるのでしょうか。蛇足ながら、
目下、渋谷駅周辺は、再開発事業が進行中、46階建ての高層ビルが建つそう
で、街の様子が変わってきました。
 
[鏡映像]
これも勘違いしやすい問題ですね。
「左と右が、反対に映るんですよ!」
理論上は、そうですが、子どもには難しい問題です。
「お母さん、どうして左と右が反対になっているのに、上と下は変わらないの?」
こうなると、収拾がつきません。
鏡の前で、いろいろなポーズをとって、遊んでみましょう。右手を上げると鏡
の中の自分は、左手を上げていることに気づかせます
 
わかってきたら、子どもと向き合って、「鏡ゲーム」で遊びましょう。お母さ
んが鏡になり、子どもが右手をあげたら、どちらの手を上げますか。左手です
ね。お母さんのいうとおり、左右が反対に映っているのですが、理論的なこと
は、どういうふうに映るかが、よくわかってからにしましょう。
 
ところで、実際に出題されたかどうかわかりませんが、問題集にこのようなも
のがありました。
 
(子どもが、鏡の前で右手を上げている)
◆どのように映っているか4枚の絵から選びなさい。
 
鏡は手前にあり、どのように映っているかわからない仕掛けになっています。
子どもの絵を180度回転させなければわかりませんが、「鏡ゲーム」でやっ
てみると、右手に歯ブラシを持っている子は、鏡の中では左手に持っているこ
とがわかります。
 
ところで、鏡は不思議です。
左右が逆になるのに、なぜ、上下は、そのまま映るのでしょうか。      
「そんなこともわからないの。壁に掛かっているからだよ。足元に置いたら、
先生の姿は、逆さまになっているでしょ!」
こういって、鏡を私の足元に置いた子がいましたが、お父さんがお母さんの使
っている等身大の姿身を床に置いて見せてくれたそうです。
幾何学的にいえば、逆転しているように見えるのは、左右ではなく前後(奥行
き)だそうですが、理屈抜きです。このお父さんのように、実際にどう映って
いるかを見せることが大切で、幼児の学習は、これに限ります。難しい原理や
定理は、大きくなって学力がつき、疑問に思ったその時に、自分で調べること
ができるからです。
 
[四方図形]
最後は、四方図形です。
真ん中に、旗を持ったくまの縫いぐるみの人形があり、それを前後左右から見
ると、どう見えるかを答える問題です。
 
これも実験です。
大きめのコーヒーカップをテーブルの上に置いて、前、右、後、左と、回り方
はどちらからでもいいのですが、スケッチブックに描いてみると、すぐにわか
ります。
前から見るのと後ろから見るのとでは、逆になります。
右側から見えた持つところは、左側からは見えません。
これがわかれば理解できます。
 
しかし、積み木の四方図形は難しいですね。
二等辺三角形を上から見ても、横から見ても長方形に見えるのですが、これが
なかなか理解できないようです。傾斜を平面としてとらえるのは難しいですね。
底辺が四角の場合は四角に、長四角の場合は長四角に見えることを、よく確か
めておきましょう。
円柱もそうですね。
上から見ると○ですが、横から見た場合は、長さにより違いますが、四角や長
四角にも見えます。
扇形も、見る位置を変え、上から見ると長四角に見えます。
積み木をいろいろな角度から見て、スケッチブックに描いてみましょう。傾斜
が平らに見えるのは、描いてみると「なるほど!」と理解できます。
 
もう一押ししておきましょう。
対称図形でやった矢印です。
これを切り抜いて、お母さんが持って、子どもの前に立ち、
「お母さんから見たら、この矢印、どっちに向いていますか?」 
「(ぼくから見ると左向きだから、お母さんから見ると逆だな。)
お母さん、右向きでしょ!」
「ピン、ポン!」
しっかりと理解している証拠です。
 
しかし、こんなにややこしい四方図形などを、どうして出題するのでしょう。
毎年、出題している小学校があります。「これは思うに」などと気取ることでも
ありませんが、物は、見る方向によって、いろいろな形に見えますから、ある方
向からだけ見るのではなく、いろいろな方向から見ることが大切なのだといって
いるのではないでしょうか。 
子どもも、同じです。
子どもの能力をある方向から、たとえば、知的な能力だけで判断してはいけない
ということですね。子どもの持つ様々な能力を、きちんと見極めてあげるのが、
親の大切な仕事ではないでしょうか。
ところで、出題頻度の高い小学校は、愛子さまの通っていた学習院初等科で、掲
げる教育目標は、「視野の拡大と個性の尊重」ですが、学校にお伺いしなければ
わかりませんが、考え過ぎでしょうね(笑)。
 
いかがでしたか。
推理思考の問題は、やってみると、子どもの日常生活と、深くかかわりを持って
いることがわかります。幼児の試験ですから、判じ物のような試験をするわけは
ありません。問題集だけで知識を教え込むのではなく、子どもの周りには、たく
さんの教材がありますから、これを利用することが大切です。好奇心をそそるよ
うに仕向けていくのが、賢明な方法であり、問題意識を持たせることです。
「なぜ、どうして?」という疑問の芽を育ててあげましょう。そういった疑問を、
小学校に入ってから系統立てて勉強していくわけです。
 
問題集を広げ、鉢巻きを絞めて、机の上でガンガン、ビシビシと教え込むだけが
受験準備ではありません。前にもお話しましたが、記憶力は学習効果を高める大
切な能力の一つですが、記憶力だけに頼るのは、やはり、拙いのではないでしょ
うか。本物の力は、体験を伴った学習から培われるものです。疑問の芽を育てる
環境から、子どもの意欲は培われることを肝に銘じておきたいものです。この意
欲こそ、あすの学習につながるからです。
 
思い出してください。子どもが「わからない!」といったときは、本当のわから
ないのです。理解できない問題は決して無理をせず、お母さんも考え一緒に悩ん
でください。お父さんもお母さんに任せるだけではなく、共に学んでください。
そして、「あしたは、今日より、きのうより」の気持ちを大切に頑張りましょう。
 
桜、満開ではないでしょうか。桜といえば昔話の「花さかじじい」を思い出しま
す。「花さかじじい」「桃太郎」「さるかに合戦」「舌切り雀」「かちかち山」
は日本の五大昔話ですが、お子さんに読んであげているでしょうか。また、それ
ぞれ歌がありますが、「かちかち山」の作曲は瀧廉太郎で、YouTubeで視
聴できます。お子さんと一緒に歌ってみましょう。特に男の子、歌うことを苦手
としがちですが、お母さんと一緒に歌っていないからではと思います。ここ数年、
立教小学校では、歌や踊りを取り入れていますが、昨年は早稲田実業学校初等部
でも同じような課題がありました。学校側の狙いは……? 考えてみましょう。
(次回は、(5)「記憶に関する問題」についてお話しましょう)
 

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

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