めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>よく受ける質問

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第48号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★説明会速報★
早稲田実業学校初等部 学校説明会
○どんな子どもに来てほしいか。
 ・早実、大好きな子。
 ・早稲田大学へ行って勉強をしたい子。
 ・規則正しい生活のできる子。
 ・人の話を最後までしっかりと聞ける子。
 ・自分のことは自分でできる子。
 ・基本的な生活習慣、しつけの身に付いている子。
「9月3日(土)の学校見学会に、ぜひ、お子さん同伴で参加してほしい。私
の願いは、お子さんがこの学校へ来て、学びたい、勉強したい、友達と遊びた
いと思っていただけることです。これだけでお子さんのモチベーションが上が
るからです」
橋詰敏長、初等部校長の話です。見学して、モチベーションが上がり、「早実、
大好きな子」になってくれれば、親として、これほどありがたいことはないの
ですが。 
(5月29日〈日〉午後1時~2時30分 於 大隈講堂より)
 
昨年は6月3日に梅雨入り。今年はかなり遅れそうです。季節の変わり目は、
とかく陽気も不順となりがちです。夏を迎える前に体調を崩さないよう、健康
管理にも十分気を配ってください。
さて、今回は、皆さんからこの時期によく受ける質問を、紹介しましょう。
 
Q「折り紙をする時、折り方が雑できちんと出来上がらないのですが、どのよ
 うなことに注意すればよいのでしょうか」
 
A「折り紙は、一枚の紙から立体を作り出す大変楽しい作業ですが、一つ一つ
 きちんと折らなければ、本に出ているような作品にならないだけに、子ども
 達の失望も大きいようです。
 まず、折り紙を半分に折り、長四角を作ってみましょう。
 その時に、合わせる辺と辺をきちんと重ね、左手の親指と人差し指で摘むよ
 うに持ち、右手の親指と人差し指で、折った部分の真ん中をしっかりとつか
 み、折り目をつけます。
 それをテーブルの上に置き、右人差し指で真ん中をしっかりと押さえ、押さ
 えた指のところへ左手の人差し指を並べ、左端まで指を滑らし、折り目をつ
 けます。 
 次に、左人差し指を真ん中に戻し、しっかりと押さえ、右人差し指で右端ま
 で指を滑らしながら、折り目をつけます。
 それを広げ、90度回転させ、同じ作業をし、正方形が4つできるように折
 ります。
 次に、今使った折り紙の角と角を合わせ三角形に挑戦しましょう、作業手順
 は同じです。
 
 文章にすると、敬遠したくなりますが、お母さん方がお手本を示してあげれ
 ば、難しいことではありません。
 折り紙がうまくできない原因は、こういった基本の折り方がきちんとできて
 いない場合にあるようです。
 いきなり作品に挑戦せずに、四角と三角の折り方の基本をマスターすると、
 折り紙も楽しくなると思います。
 何事も基本が大切ですが、その作業は退屈でつまらないことが多いものです。
 それにまじめに取り組むのが、技術を身につけるコツであることは、皆さん
 方も経験されていることではないでしょうか。
 「ゆっくり、じっくり、丁寧に」、これしかありませんね。
 
Q 糊を使うのを嫌がるのですが。
A 現代っ子のもっとも苦手とする作業ではないでしょうか。
 ご家庭では、セロハンテープやリップ・スティック型の糊を使っていると思
 います。
 最近は、入試でもこういった接着剤を使用することもありますが、今の段階
 では、ふたのついた、つぼ型の容器に入った、幼児用の糊を使ってほしいも
 のです。
 これには、いろいろと教育的な配慮がされているからです。
  
 ふたを開けるにも、左右の微妙な力のバランス感覚を学べます。
 そして、使う量、適量を指に取るには、目分量、勘が必要です。
 多ければベタベタ、少なければはがれます。
 さらに、つけ方です。
 糊が、全体に滞りなく行き渡るには、かなりの練習が必要です。
 そして、貼ります。
 これだけのことをやり、作業が終わると手を拭き、ふたをして片付けるので
 すから、面倒に思うのも無理はないかもしれませんが、ここで手抜きすると
 不器用になるのではないでしょうか。
 
 もっとも厄介なのは、適量を取り、貼ることです。
 はじめは、折り紙を4分の1に切ったものを使い、上の真ん中に少しつけ、
 スケッチブックなどに貼る練習をしましょう。
 次に、四隅に糊をつけて貼り、それができれば糊を真ん中に縦に伸ばしてつ
 け、左右に伸ばす練習をしましょう。  
 ステップを踏んでいけば、必ずできるようになります。
 「不器用なのね!」などと、絶対にいわないことです。
 
 ところで、私が現役時代、制作などで他の接着剤を使わなかったのは、手が
 汚れないからです。
 「汚れたらきれいにする」は、幼児期に身に付けておかなければならない、
 大切な、大切な生活習慣だからです。
 砂場で遊ばせない母親と真面目にけんかしたのも、同じ理由からです。
 そういう元気な時もありました(笑)。
 
 つぼ型の糊には、教育的な配慮がしてあるという理由は、こういったことな
 のですが、いかがでしょうか。
 
Q 早生まれなのですが、幼い絵しか描けません。上手になるでしょうか。
A 入試を控えると、こういった心配をするお母さん方が増えているようです
 が、お子さんの絵の描き方を思い返してみましょう。
 2歳は点や線の殴り書きで、3歳から円や四角らしきものが描け、ある時、
 突然、頭から手足がニョキニョキと出ている人間を描いたと思います。
 やがて、頭と体が分かれ人間らしくなりますが、手は電信柱のようにまっす
 ぐ伸びたままで、やっと年中の終り頃に手も下に降り、人間と認められる絵
 になったのではないでしょうか。
 このようになるまで4、5年かかる子もいますから、幼児にとって絵を描く
 のは、大変な仕事でもあるのです。
  
 そして、基本的な生活習慣と同じように、絵を描く作業は、速成も、いろい
 ろなテクニックを駆使しての促成もできません。
 お子さんの成育史が、そのまま姿を現すものではないでしょうか。
 ご両親の遺伝もあるかもしれません。
 お子さんは、楽しく絵を描いていますか、そうであれば心配ありません。
 お子さんが描いている絵は、現時点で最高の作品であることを認めてあげま
 しょう。
 そして、幼い絵でも、描きたい目的があるのですから、そこを見つけて褒め
 ることです。
 他の子ども達と比べて評価するのは、賢いお母さん方のすることではありま
 せん。
 ましてや、早生まれの子ども達にとっては、大変迷惑な話です。
 楽しく描ける雰囲気を作ってあげることが大切です。
 
ところで、最近、4,5人のグループで1枚の絵を描かせる学校が増えてきま
したが、共同作業ですから、お互いにコミュニケーションが図れるかも大切な
ポイントになっています。使いたいクレヨンが1本しかない場合、「それが使
えるようになるまで何もしないお子さんがいる」と聞きますが、学校側は、社
会性や協調性といった集団生活への適応力を見ているのではないでしょうか。
引っ込み思案の多い男の子、通っている教室の先生に聞いてみましょう。
 
5日(日)は、「カトリック学校フェア 2016」が、聖心女子大学で開催
されます。
雙葉小学校は、昨年まで学校で行われる説明会では、質疑応答の時間は設けて
ありませんでしたが、プログラムによれば、個別相談校として参加しています。
相談事のある方、参加されてはいかがでしょうか。
(次回は、「志望校の決め方」についてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

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