めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>名門幼稚園の保育方針 私立幼稚園編(11)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2018さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第29
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私立幼稚園編(11)
ここで紹介する情報は、私が説明会や過去のホームページなどから得たものが
中心になっており、説明会、見学会、募集人員に関する情報は、平成29年度
(平成28年秋実施)のものであることをお断りしておきます。本年度の情報
は、各園のホームページをご覧ください。
 
森村学園幼稚園 
かつて森村学園は、都内港区の高輪にありましたが、1980年に、田園都市
線つくしの駅から約5分、緑の森に囲まれた横浜市緑区に移転しました。当時、
目白に本部をおく幼児教育研究所にいましたので、渋谷駅から乗り換え、つく
しの駅に着いたときは、かなり遠くへきた気がしたものです。今ほど開発は進
んでおらず、緑に囲まれた学園は素晴らしい環境で、広い園庭で遊ぶ子ども達
の姿から、園のキャッチフレーズでもある、「自然の中ですくすくと」を実感
しました。
 
学園の創立者、森村市左衛門は、幕末から大正にかけて活躍した実業家で、ノ
リタケ、日本ガイシ、TOTOなど「森村グループ」の創設者。日本女子大の
設立にも貢献した後、1910年、「花をつくるより人をつくろう」と決意し、
自宅の庭に理想とする幼稚園と小学校を新設、これが学園の始まりです。船舶
王といわれた山下亀三郎が、「船は沈められてしまうが、人材を育てる学校を
つくっておけば国家に役立つ」と考え創設したのが桐朋学園、むかしの実業家
は、教育の重要なことを考え実践しました。
 
学園は、「正直・親切・勤勉」を礎とする15ヵ年、幼小中高の一貫教育、こ
れを園児達にわかるように、やさしく言い換えると以下のようになります。
      
正直 「ごまかさないこと」です。よい子のお友だちは、決してお父さまやお
   母さまのことをごまかしません。お友だちのこともごまかしません。そ
   してなにより、自分をごまかすことは絶対にしません。“正直”である
   ということは、自分のことを含めて、決して人をごまかさないことをい
   うのです。
 
親切 「やさしいこと」です。よい子のお友だちは、お父さまやお母さま、兄
   弟に対してもやさしいです。お友だちに対してもやさしいです。そして
   なにより、よい子のお友だちは、自分のことを大事にします。“親切”
   であるということは、自分をも含めて、すべての人にやさしいというこ
   となのです。
 
勤勉 「全力でとりくむこと」です。よい子のお友だちは、お父さまやお母さ
   まの前で力を出し切ります。お友だちとも全力でお付き合いをします。
   そしてなによりも、自分のために何ごとに対しても全力でとりくみます。
  “勤勉”であるということは、いつも自分の力を惜しみなく出し切ること
   をいうのです。
 
誰のこともごまかさず、常に全力で取り組むからこそ、人間はやさしい人でい
ることができるのです。すべての人が正直・親切・勤勉であることによって、
世の中はとても暮らしやすい世界になり、それによって文化や科学も限りなく
発展していくのです。森村っ子には世界の真のリーダーになってほしい。森村
市左衛門先生はそういう願いを込めてこれらの言葉を森村っ子の心の柱になさ
ったのです。そして幼稚園はこの森村教育の出発点になるのです。
 
頭の痛い言葉が、並んでいます。私達、大人こそ、正直・勤勉・親切であるべ
きで、子ども達に望む前に、襟を正し、よい手本を示すべきではないでしょう
か。
 
少し長くなりますが、藤原 伸介園長からのメッセージを紹介しましょう。
     
森村学園幼稚園は、保護者の皆さまにとって、とても手間隙のかかる幼稚園で
す。
たとえば、
森村学園の幼稚園には通園バスがありません。毎日保護者のみなさ
まに、お子さまと手をつないでの送迎をお願いしています。手をつなぐことで
お子さまとのコミュニケーションをしっかりととっていただくと同時に、ご挨
拶の大切さや公共のマナーを自然と学んでほしいと思っています。
森村学園の幼稚園には給食がありません。毎日おうちの方に手作りのお弁当を
作っていただいています。質、量ともに、それぞれの子どもにあった食事を作
っていただくことによって、子ども達はお弁当を完食することができ、そこで
初めて本当の意味で“ごちそうさま”の意味を学ぶことができるからです。
森村学園の幼稚園では、園での教育にしっかり手間隙をかけています。
たとえば、
森村学園幼稚園では、読み書きそろばんを教えていません。幼稚園でそれを教
えてしまえば、手っ取り早く小学校教育にアプローチすることができるかもし
れませんし、受験学力の育成にはより有効かもしれません。しかし、家庭を離
れた初めて家族以外の人と時空を共にする子どもたちにとって、幼稚園で学ぶ
べき最も大切なことは何でしょうか。私たちは、いろいろな人がいることを認
める心を育んだり、約束を守る大切さや我慢することを学んだり、みんなと力
をあわせて達成する喜びを体験したりすることこそが、大切だと思っています。
私たちはそれを、この恵まれた自然環境を最大限に活用して、“遊び”という
手段を通じて、子どもたちに教えていきたいと考えています。これは読み書き
そろばんを教えるよりずっと手間隙のかかる仕事です。
 
森村学園幼稚園は、元気で明るい未来を担っていく子どもたちが、人生で初め
て社会生活を体験するそのステージで、健やかに育っていくよう、みんなが手
間隙惜しまず子どもたちに愛情を注いでいく空間なのです。
(平成27年4月のホームページより)   
 
先週、紹介しました文字、数を学習する桐蔭学園幼稚部のあとに何ですが、い
かがでしょうか。
「いろいろな人がいることを認める心を育む」、「約束を守る」、「我慢する」、
「みんなと力をあわせて達成する喜びを体験する」などを身につけるのが、幼
稚園生活の基礎、基本です。こういったことを等閑(なおざり)にして、早期
教育に取り組むのは間違いであることに、賢明なお母さん方はお気づきだと思
います。
   
【教育目標】
◇明るくじょうぶで素直な子ども
◇みんなといっしょにやっていける子ども
◇自分で考え、工夫できる子ども
◇情緒豊かな子ども
 
子どもらしい子どもとは、こういった発達を遂げている子のことです。
 
30数年前の説明会で聞いた話ですが、駆け出しの新米時代でしたから、新鮮
に聞こえ、幼児教育の指針が見つかったような気がしたものです、いささかオ
ーバーですが(笑)。文言は正確ではありませんが、このような話でした。
   
幼児教育で大切なことは、「やるべきこと」「やらなくてはいけないこと」を、
きちんと教えることであり、本来幼児は何にでも興味を持つ意欲的存在である
はずが、日常生活では、「いけません! だめです!」と禁止や抑制の言葉が
多くなりがちで、その結果、幼児のやる気や意欲を摘み取っています。これは
親の責任で、幼児は環境から大きな影響を受け、親の過保護、過干渉が子ども
を駄目にしています。「三つ子の魂百まで」といわれているように、三歳とい
えば性格の土台作りにあたる大切な時期で、将来に大きな影響を与えるだけに、
二度と来ないこの時期を預かる私どもの責任の重さを痛切に感じています。
(中略)
1 甘やかさない。
2 過干渉にならない。
3 長い目でじっくり育てる。
4 遊びながら学ばせる。
5 偏らずいろいろな遊びに取り組ませる。
これが、伸びる子に育てるお母さん方の役目です。
(鈴木 昭 園長)         
 
以前に紹介しました、過保護、過干渉の育児について戒める、中国の話を思い
出してください。
 
五香の儀式の意味
中国において、生まれた赤ちゃんには乳をやる前に、 
○ まず、酢をなめさせる。
○ つぎに、塩をなめさせる。
○ そのつぎに、苦い薬をなめさせる。
○ 四番目は、トゲのあるかぎかずらをなめさせる。
○ 最後に、砂糖をなめさせる。
この「五香の儀式」を行ったという。このように生まれた赤ちゃんには、人
生は、「すっぱく」「からく」「苦く」「痛い目」に遭わなければ、甘いも
のにありつけないことを、身をもって体験させるのである。今もこの習慣が
残っていたとすれば、すばらしいことであると思う。何しろ、生まれたとき
から過保護に育てすぎている。
親としては愛情を注いでいることになるのだろうが、ひよわな人間が多すぎ
る。ちょっと困難なことに直面すると、簡単にギブアップしてしまう。
(「目からウロコが落ちる本」 P20 笠巻 勝利 著 PHP文庫
 PHP研究所 刊)
 
構い過ぎではないでしょうか。
目一杯可愛がるのは3歳までで、自立の時代に入る3歳からは、過保護は子
ども達にとって、迷惑な愛情になりかねません。
   
ところで、私事で恐縮ですが、学園が移転後の高輪の地に億ションが建築さ
れ、その9階にそのころ私がお世話になっていた大手幼児教室の教室があり、
そこに住まいを構えていた三浦夫妻
のお子さんの受験準備を、私がお手伝い
をする可能性があったらしいのです
が、引越しをされ実現しませんでした。
三浦夫人というより百恵ちゃんは、
日本の歌手には珍しいジャズ的なフィー
リング、リズム感があり、ドラムを
少しかじっていたものですから、
「プレイバック」には度肝を抜かれました。
楽しみにしていたのですが、残念でした(笑)。
 
【説明会・公開イベント】 
既に公表済み。いずれも予約制、ホームページの「イベント申し込みページ」
をご覧ください。
 
【募集人数】  3年保育(3歳児 男・女) 約40名
  2年保育(4歳児 男・女) 約20名 
(29年度のものです)
【Q&Aコーナー】  Q&A
(1)幼稚園生活について
Q: 登園・降園時間について教えてください。
A: 登園時間は8時50分~午前9時10分までの間に登園して下さい。
ただ、お子様がスムーズに遊びに入れるよう、この時間帯の早めに登園して
下さることをお勧めします。
降園時間は通常、年少児は13時30分、年中児は13時40分、年長児は
13時50分です。
また半日保育の日は年少組が11時20分降園で、その後10分ずつ遅れて
年中・年長の順に降園します。
 
Q: 園児の通園方法や時間に制限がありますか。
A: 保護者の方が送迎してくださることが原則です。交通手段については、
特に制限はありません。お車をご利用の場合、学園内に車を入れることは危
険防止上、お断りしています。また、路上駐車は固くお断りいたします。通
園時間の制限も特に設けていません。
 
Q: 制服はありますか。
A: 特に制服は定めていません。お弁当を入れるためのバスケットが指定
用品です。この他に上履き・園庭履き・体操着・防災頭巾は指定した品を使
っていただいています。なお、通園時の利便性を考慮し、ご希望でご利用い
ただける“通園ユニホーム”をご用意しています。
 
Q: 給食はありますか?
A: 給食は行っていません。月曜日、火曜日・木曜日・金曜日はお弁当を
持参して下さい。なおお弁当の際に牛乳をご用意いたします。
 
Q:預かり保育の制度はありますか。
A:平成27年度は午前保育の水曜日に限り、午後2時までの預かりを実施
しています。また課外保育として、ご希望の方を対象に体操教室とプール教
室を開催しています。(詳細は略)
※平成28年度よりお預かり保育「子どもの森」を開設しています。「子ど
もの森」についてはホームページをご覧ください。
 
(2)初等部への進学について
Q:初等部へ進学する際に、試験がありますか。
A:特に試験はありません。幼稚園からの推薦で進学が決まります。
 
Q:初等部への推薦条件を教えてください。
A:現在の初等部の環境の中で、周りに迷惑をかけることがなく、集団生活
を送ることができるかどうかが基準になります。
 
(3)入園考査について
Q:入園考査ではどのようなところを見るのですか。
A:そのお子さんが、みんなと一緒に遊ぶことができるレベルまで成長して
いるかどうかを見ます。
みんなと一緒に楽しく遊ぶには「人のお話を聞こうとする姿勢がある」「自
分の気持ちを伝えようとする姿勢がある」「お約束を守ろうとする姿勢があ
る」などの基本的な姿勢と、「一緒に行動するだけの身体的成長が伴ってい
る」ことが求められます。そうした観点が備わっているかどうかを中心に拝
見させていただきます。
 
Q:入園考査はどのように行われるのですか。
A:考査は7人程度でグループを作り、約45分間、先生達とお友達とで一
緒に遊んでいただく形で実施いたします。考査終了後保護者面接をさせてい
ただき、総合結果で合否を判定いたします。
 
Q:保護者面接は両親がそろった方がいいですか。またどのようなことが聞
かれるのでしょうか。
A:できるだけご両親でお越しください。ただし、お仕事などの関係でどう
しても難しい場合は、必ずしもその限りではありません。ご質問させていた
だく内容は、志望動機やご家庭でのお子様の様子など、一般的な内容で、所
要時間は約7分程度を予定しています。
 
Q:試験日を選択することはできますか。
A:2年保育は11月1日(日)のみの試験ですので、日にちは選択できま
せんが、午前か午後のいずれかを選択していただくことが可能です。3年保
育は11月2日(月)または3日(火)のいずれかをお選びいただくことが
できます。(時間帯は原則として午前中を予定していますが、都合により一
部午後になることがございます。)ご希望は願書先着順に割り振らせていた
だきますので、出願が遅くなった場合はご希望に沿えないことがあります。
あらかじめご承知おきください。
 (平成29年5月現在のホームページより)
 
(次回は、私立幼稚園紹介の最終回、日出学園幼稚園と昭和学院幼稚園のお
話をしましょう)

 

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