めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>後半の説明会より

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        「めぇでる教育研究所」発行
    2019さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            第64号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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後半の説明会より
9月は猛暑が続き、参加した説明会は暁星小学校だけでしたので、6月7日に
行われた立教小学校の佐々木学校長の話の一部を紹介しましょう。
 
暁星小学校 9月15日(土)15:00~16:15
中高の聖堂(講堂のこと)が改築中のため、ここ2年続けて上智大学の10号
館講堂で行われましたが、今年も同講堂で開催。願書の販売はなく、願書のコ
ピーが用意されていました。昨年、座席が足りずに、100名程の父母が立っ
たままで話を聞くことになり、チャプレンの話が終わった後、床に座っていい
とのことになりましたが、室内は土足で、リノリュームの床の上、スーツ姿の
お母さん方、抵抗があったのでは。約1時間30分、大変だったのではないで
しょうか。それを解消するために、今年は予約制になり、午前、午後と2回開
催。同じく予約制となった慶應義塾幼稚舎は、入り口で提示した参加票を台帳
と照合し確認しましたが、本校はチェックだけでスムーズに入室。
チャプレンの話は、昨年までスライドを使って約25分の説明が、スライドも
使用せずに約5分、校長の教育理念の話があり、昨年に続き6年生の作文を披
露、教頭の諸注意があり終了。その後希望者を対象に、壇上で個別相談を実施。
参加者は推定、 約400名
 
【マリア会と暁星学園の建学について】   山崎 スクールチャプレン
私どもの学校は、幼稚園から高校までの一貫教育校、カトリック教会の男子修
道会のマリア会に属するミッション系の130年の歴史を歩んできた学校。そ
の中で宗教的な行事を行い、児童、保護者、教職員のためにカトリックの教え
や聖書のことについて勉強会を行っている、これがスクールチャプレンの主な
仕事。日本語では学園付司祭。
 
1888年に派遣されたマリア会の5人の修道会の一人、創立者、フランスの
G・Jシャミナード神父は今年4月、生誕257周年を迎えた。フランス革命
の混乱の中で、騒然とした社会のもと、いろんな学校が閉鎖され教育もままな
らない状況下にあって、今一度、人間は何者かによってこの世に活かされてい
る、命を与えられているものというキリスト教の根本的な考えを後世に伝える
ために、若者達の教育を通して、1817年にマリア会を創設した人物。18
16年には、男子のマリア会の姉妹関係にある「汚れなきマリア修道会」、女子
の修道会を創立。調布にある女子校の光華学園が、1949年に創立され、姉
妹校となり、今日に至っている。
お子さんが、縁があって学園で学ぶようになれば、幼稚園から高校までの一貫
教育の中で、子ども達はより良い環境のもとで、先輩達が命懸けでイエスの道
を伝えようとしてくれた恩を噛みしめながら、子ども達に「こういう生き方も
あるよ」「こういう考え方が正しいよ」と先輩達の心を伝えることができる、そ
ういったバックボーンに支えられた学園。
 
暁星の命名の由来はありませんでしたから、昨年の話を紹介しておきましょう。
ただし、文言は正確ではありません。
 
校章について。(画面には校名と校章)
設立母体はカトリックの男子修道会マリア会、校名は1888年に創立した時か
ら採用されている。
私達にイエス・キリストをこの世界に産んでくださった母親であるマリア様を
尊敬し、暁星学園の共通の校名、名称をどうするかと考えた時に、1880年
に日本に来た5名の会員達が考え、聖母マリア様に関連した名称を選ぼうとし
た。マリア会の創立者達は、星という、伝統的にマリア様を象徴する名称を選
んだ。宵の明星、明けの明星があるが、明けの明星は、夜明け前に東の空にひ
ときわ明るく輝き、まるで太陽を先導するかのように輝き、太陽が昇るにつれ
自分はその存在を静かに薄めていく暁の星。そのようにカトリックで大切にさ
れている、イエス・キリストを私達に与えてくださったマリア様を星という名
前で表す習慣もあったので、暁の星、暁星という呼び名を選んだ。
数年後に、校章をデザインするにあたり、光り輝く暁の星、それを賞賛する意
味合いを込め、月桂樹の葉で支えるデザインを選んだ。マリア様のように悪の
誘惑に負けずに、神様の教えに従い、正しく誠実に生涯を送られたマリア様を
校章として頂きながら、そこで学ぶ園児、児童もまた悪の誘惑に負けずに誠実
に生きてほしい。一人ひとりが光り輝く星のように周りの人々を照らし導いて
くれる、そういう人間に成長してほしいとの願いを込めて校章は、開校5年目
に採用したと聞いている。
 
これも紹介されませんでしたが、富士山を背景に暁の星の上に描かれたイエス
を抱くマリア、「暁の星の聖女」と呼ばれている絵。5期生として入ってきた山
本新次郎が、外交の仕事でヨーロッパに滞在中、日本にカトリックの教えを伝え
るために助ける絵ということで、イタリアの有名な女流画家(名前は不明)に
描いてもらったもの。下の入江の絵は、新次郎が幼い頃過ごした片瀬江ノ島で
あろう。小学校にも複製が飾られている。
この絵が何とも素晴らしく、小学校のチャペルの正面に向かって左側の最初の
ステンドグラスの絵が、これではないでしょうか。今年も願書の発売された当
日だけ、校舎見学が可能で、参加された方には、必ず見てくださいと勧めてい
たのですが、残念。HPの学校長挨拶の背景にある絵がそれです。
 
【学校教育について】    吉川直剛 校長
入り口でお配りした資料の中に小さなパンフレットがあるが、そこに暁星小学
校の教育理念、教育目標、教職員の構成、学校行事、一日の生活、沿革と周辺
の環境、住居地域別児童数、マリア会などについて書いてあるが、教育理念に
ついて少し付け加えたい。
 
「キリスト教の教えに基づき、十全な人格の形成を目指す」と赤字で書かれてあ
り、毎日、全校の始業の祈りから始まり、各学級で、食前、食後、終業の祈り
と、4回の祈りを学校生活の中で行っている。始業の祈りは毎朝の朝礼で全児
童が、その祈りの中に「キリストの教は、神を愛し、人を愛することです」と
いう言葉がある。「神を愛し人を愛する」言葉は、校庭に校訓として碑が設立さ
れている。始業の祈りはさらに続き、「ぼくたちはこの御教えを守りキリストの
心をぼくたちの心といたします」と、これが本校の教育の基盤。「十全な人格」
とは、心と体の調和の取れた人格の形成を目指す、これが建学の精神で、この
願を、心も体も頭もしっかりと鍛え、バランスの取れた子に育つよう、日常の
教育活動にあたっている。全国に2万校の小学校があるが、3校しかない男子
校の一つ。
 
前任者の佐藤正吉校長は、理想の子ども像として、「気は優しくて力持ち」とい
っていたが、これからの社会においては、「優しさや」「思いやり」がとても大
事になってくると思う。人と人との関係はますます、大切になる世の中になる
のでは。しかし、優しさ、思いやりは、決してひ弱ではないたくましさが重要
となる。小学校時代は、子どもの自立、躾が大事だと考えている。善悪の判断
ができる、しっかりした生活習慣を身につける、そうしたことを大切にするこ
とが、人格形成の土台であると信じている。日常の学校生活を通して、これか
らの時代に自立して生きていく人間になることを願い、鍛えることを重視して
いる。
 
正門に掲げてある「困苦と欠乏に耐え、進んで鍛錬の道を歩む、気力のある少
年以外はこの門をくぐってはならない」という言葉が、本校の教育姿勢を端的
に示していると考えている。
以下、DVDで学校生活を紹介、 約20分。(校舎内に全員の寝袋のある紹介
はなかった)
6年生の作文の朗読、約3分、「鍛える厳しさもある。頭も心も立派に育ててく
れる素晴らしい学校だと思う」といった内容。
 
「子ども達が、10年後、20年後の社会の中で、生き生きと自立して生活で
きる、そのために基本である小学校教育をどう続けていくか、これが私どもの
基本的な理念です。本校の教育をご理解頂き、本校へお越し頂きたいと心から
願う次第です」
                       
【入試に関する諸注意、留意点、よくある質問について】 泉 教頭
この話は、どこの学校にも通じる基本的なことですから、詳しく紹介しておき
ましょう。
 
本校の入学試験は、次の2点を選択の観点としている。
1点目は、入学試験は受験生が学校生活や学習集団の中で、十分に過ごしてい
けるかを見る。従って、紹介状や推薦状は必要ない。本人の実力を第一とする。
1次合格者は約160名、2次は暁星幼稚園の園児と合わせて、約200人が受験。
2次合格者は約80名となり、園児を含め120名の合格者を選定する。
 
2点目は保護者の皆様の選定。
1つは面接試験、ご家庭での教育、育児の方針を伺ったり、本校の教育活動に
ご理解、ご協力をいただけるかを親子面接でみさせていただく。
 
2つ目は、提出書類の約束事や手続きの締め切りを守っていただいているか。
提出書類、願書も審査の対象となる。
志願者の名前や住所など、必要な項目を間違いなく記入する。
右上の日にちは願書を記入した日を書く。(忘れられがち)
毎年、書類の不備な方がいる。記入漏れ、誤記、印鑑の押し忘れなどないか見
直ししてほしい。
「これまでの教育」は、現在通われている幼稚園、保育園。何回も転園された方
も最終園でよいが、最近変わられた場合は書いてもよい。
現住所が同じである場合は記入の必要なし。
「緊急連絡先」は日中に連絡の取れる所で、お母さん方の携帯電話が多い。
 
備考欄には、受験に際し、配慮、考慮してほしいことを記入。
  海外生活が長く日本語の理解に少し難がある。
  手をけがして当日身体的に不自由なところ、(骨折や捻挫など)具体的に書
く。
  兄が在学中(学年)、父親が卒業生(卒業年度)
  保護者、本人がカトリック信者である。
  転居の予定などを記入してほしい。
 
提出方法は、平成30年10月2日(火)必着、同封の「10月2日配達日指定
の簡易書留」のみ受け付け。日付を間違うと受理できない。
 
受験票や時程表、試験に関する知らせは、10月20日(土)に簡易書留で発
送予定。                                     
届かない場合は学校へ連絡してほしい。
 
【よくある質問】
1 通学地域の制限。
  特に設けていない、保護者の判断に任せる。
  ただし、通学時間は、お子さんの学校生活や家庭生活に大きな影響を与
  えるので考慮してほしい。通学の平均時間は50分程度。
  緊急時の迎えをお願いしているので考慮してほしい。
  1年生は最初の1カ月くらいは保護者に送迎をお願いしている。
  最近、引き取りを専門にする業者があるが、学校としては、はっきりと
  確認できる方を望んでいる。
 (子ども自身が知らない場合があった、これは駄目)
  本校は弁当、準備される時間も考慮してほしい。
2 国籍や宗教について
  国籍や宗教は問わないが、キリスト教に基づく宗教の授業、行事は参加し
  てもらう。
3 親子面接について
  原則お子さんとご両親で。
  どちらかが出席できない場合は、願書の備考欄にその旨を記入。
  急な場合は、面接日に書面で面接官に提出。
  親権者以外の面接は不可。
(4 月齢の考慮はあるのか。
  生年月日順(8月→12月→4月→7月)のグループ分けで考慮して
  いる。今年は説明無し。これは昨年度のもの)
★今年度の受験番号順は、12月⇒4月⇒8月⇒11月と決定。(9月1
9日のHPで公表)
4 海外転勤による復学制度。
  2年以内に復学することを原則としているが、ケース・バイ・ケースで対処
  している。
  復学制度は、本校へ4月に入学した児童に適応されるもので、入学前
  に転勤する場合は、適応されない。
5 寄付金などの扱い。学債はない。寄付金は合格決定後任意で募集。
6 大規模な地震の発生、インフルエンザなど緊急時の対応について。
  東京都や千代田区の関係機関から指導が行われるような緊急時の場合、
  中止、延期などの処置をとる場合がある。その際の連絡はホームページで
  行うので確認を。
  なお、インフルエンザなど感染症にかかっている場合は、入校を断って
  いる。受験できない。当日、回復している場合は、医師の治癒証明書を提
  出する。
7 ゼッケンについて。
  試験当日ゼッケンを受付で受験生個人用として付与、2次試験を受け
  る際には持参する。
8 受験票などの忘れ物はないように。
9 遅刻はいかなる場合も認めていない。
  公共交通機関の遅延の場合は、遅延証明書を提出する。
10小学校の前の通りは坂の途中で狭く、自家用車、タクシーでの来校は
  交通の妨げにな るので、遠慮してほしい。駐車場もなし。(二合半
  坂 急勾配)
 
運動会は、10月13日(土)、雨天順延。      以上
 (日時などは、必ず募集要項で確認してください)
配布されたリーフレットの裏面に紹介されている校歌、作詞 北原白秋、作曲 
山田耕作となっていますが、「耕筰」では。HPには山田耕筰と掲載されていま
す。 どうでもいいことですが(笑)。    
                          
本校の教育について 立教小学校 佐々木 正 学校長
 お子様の誕生から今日まで、深い愛情を惜しみなく注ぎ、子育てという人と
して最も尊いものをなさっていらっしゃる、人としての土台作りをなされてい
る保護者の皆様には深く敬意を表したい。皆様は、この世界へ運んでいただい
たお子様を育て導いていらっしゃる。時が経つのを忘れるほど、お子様を見つ
められたのではないだろうか。首がまだ座らない間、怖くて抱っこできなかっ
たが、首も座りお子さんを抱っこし、小さな生きものを実感したのではないだ
ろうか。泣いた、笑った、ハイハイした、ヨチヨチ歩いたと、お子様を中心に
子育てをされてきたと思う。何らの報酬を求めない家族の愛ではないか。お子
様がそこにいるだけで、お子様に注がれる無条件の愛が尊い。
 
 校門を入って直ぐ左に、本校設立3年目、1950年の母の日に除幕式が行われ
た小さな母子像がある。その台座には「汝を生めるものを喜ばせよ」と記され
ている。私達がお預かりしたお子さん達に、まず気づいてほしいことは、保護
者やたくさんの皆さん方から、惜しみなく注がれた愛のことだ。
 そして、その像に向き合うように建てられているのが、本学院の創設者ウイ
リアムズ主教の像。困難な時代に神の愛と自由を伝えようと、安政の大獄があ
った1859年に来日。10年以上の苦難の時期を祈りながら待ち1874年、今から
144年前、立教学院の基を創られた方。この方が教えてくださった神の愛を土
台とし、保護者の方々の愛を手本として歩んできた。その道が立教小学校の歩
んできた71年間の愛の教育と呼ばれるものだ。
 
 私は「愛は聞くこと」、人間の聞く行為は、自らを無にしてしっかりと向かい
合って聞く、そのことから始まると考えている。お子さまが言葉を話さない頃
から、その泣き声を聞き分け、何が必要なのかを的確にわかったお母様、お父
様方のような聞き方のことだ。
 立教小学校の愛の教育は、沢山の愛に支えられ、お子さまが自立した自分、
アイ“I”英語の自分という意味を育てる教育だ。そして人を愛し、互いに愛し
合う価値を尊び、実践する人と成長することを目指している。人は愛されてい
るという実感によって、自分の存在の意味がわかってくる。安心して自分の世
界を広げていこうと挑戦する力が湧いてくる。
 真の学びはいつも変容を伴う。それは今までの自分を変えていくというチャ
レンジだ。そのチャレンジに進む勇気は、人との競争では身につかないものだ
と考えている。点数の競争、勝ち負けの世界では、常に気になるのは結果であ
り、失敗であり、そこに安心して自分を変えていく本当の学ぶ楽しさは、身に
つかない。人と手をつなぐこと、人の良さに気づくと共に、自分の良さを安心
して出していける。仲間と一緒に賢くなっていこうと学び合う経験からチャレ
ンジを楽しむ勇気が備わってくると私は確信している。(「立教の教育」から一
部要約)
 
以前にも紹介しましたが、「教育のもとは家庭の教えで芽を出し、学校の教えで
花が咲き、世の教えで実がなる」、これは明治初期に文部省から配布された[家
庭の心得]ですが、学校の選択は、ご両親が手塩にかけて育ててきた芽に、ど
んな花を咲かせてあげたいのか、これに尽きるのではないでしょうか。頑張っ
てください。
(次回は、「直前の心構え」についてお話し致します)

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