めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>保育方針を知ること、これがはじめの一歩です

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第10
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保育方針を知ること、これがはじめの一歩です。
 
バブル経済全盛期の頃、閉園される幼稚園のある中で、倍率10倍前後の難関
を突破しなくてはならない幼稚園もあるという、妙な現象が起きたことがあり
ました。中学校、高校、大学までの一貫教育制度をとる幼稚園や小学校の受験
です。この現象を「受験戦争の低年齢化」とマスコミは取り上げ、テレビでN
HKが「お入学」を、TBSでは「お受験」を放映し、いわゆる「お受験騒動」
が起きたのでした。
 
受験戦争という言葉から、ねじり鉢巻きで勉強する幼児の姿が浮かんできそう
ですが、幼児教育の専門家が指導する教室では、そんなことはありえない話な
のです。一時のお受験騒動は影をひそめたとはいえ、妙なうわさは根強く残っ
ているようです。怪情報なるものに心を惑わされないためにも、「幼稚園の受
験とは、どういうものか」について、お話ししましょう。
 
お母さん方の関心の的は、どのような子どもを歓迎しているかではないでしょ
うか。
うわさの一つに、何でもできる頭のよい子があります。これが本当であれば、
受験準備は大変です。しかし、受験生は、2、3歳の幼児ですから、そんなこ
とは信じられません。
2、3歳の幼児の知的能力の差など、具体的に出るのでしょうか。まだ、明ら
かな差など出ない時期だと思います。
 
ですから、入園テストは、子どもの知的な能力だけを判定するわけではありま
せん。自分のことは自分でやっていこうとする意欲や能力が、集団生活をスム
ーズに送れる適応力などが、年齢にふさわしく育っているか、また、通園し、
園の生活を楽しく過ごせる体力が、どのくらい身についているかをみていると
思います。
 
つまり、園側が望む子どもとは、「元気で、明るく、子どもらしい子」です。
元気は、心身共に健康な子です。
明るくは、円満な家庭で育てられた、情緒の安定している子です。
子どもらしいとは、年齢にふさわしい発育をしている子です。
例えば、この時期に身につけておきたい基本的な生活習慣をみても、お母さん
がお子さんの月齢や成長に合わせ、無理をせず、ゆったりと、大らかな気持ち
で育てていることがわかるお子さんです。
 
こういったことは、育児の結果として表れるものです。子ども達は、ありのま
まの姿を、試験会場で正直に見せてくれるそうです。まだ、人間を始めて2、
3年です。いろいろなことができなくて、当然でしょう。ですから、入園テス
トの判定は、親の面接がポイントになるわけです。
 
ここを誤解すると、とんでもない受験準備をすることになるでしょう。問題集
を買いこんで、受験用の知識なるものを詰め込むなどは、その典型的な例です。
とにかく、お母さん方は、偏差値教育の洗礼を受けた元受験戦士だからです。
繰り返しますが、受験生は、2、3歳の幼児です。そのようなことをする前に、
やることがあります。将来、どういったお子さんになってほしいか、そのため
には、どのような教育環境に入れてあげるのがいいのか、このことです。そし
て、ご両親の意見が一致すれば、どの幼稚園がふさわしいか、保育の方針や学
園全体の教育環境などを知ることです。
 
こんな話を聞いたことがあります。
「お父さんにうかがいましょう。なぜ、この幼稚園を選ばれたのですか。志望
理由をお聞かせください」
「はい。保育施設、環境がすぐれていますので、のびのびと個性を育ててくれ
ると思い、志望させていただきました」
いかがでしょうか、幼稚園を選ぶ理由になっているでしょうか。
 
これでは、どこの幼稚園にも当てはまります。個性を育てたいとおっしゃって
いますが、個性のない回答になっていませんか。昔と違い、どこの幼稚園も保
育施設は充実しています。名門といわれる幼稚園は、都心の一等地や環境のす
ぐれた所にありますし、都心から離れれば、武蔵野の面影を残す素晴らしい自
然に恵まれた所にあります。
 
ところで、平成4年度から施行された「幼稚園教育要領」により、保育の方針
は一斉保育から自由保育となり、一人ひとりの個性を伸ばしていく保育に変わ
りました。自由保育といっても、自由奔放な保育ではありません。大胆に言え
ば、みんなで一斉に同じことを強制的にやるのは止めて、自発的に活動できる
ようにする保育です。
 
例えば、知識や理解力を培うにも、自分自身で考え、工夫する機会や経験をた
くさん持たせ、自分勝手な考え方ではなく、客観的なものの見方や考え方を身
につけるように指導することです。従来のムチを振りながら歌を教えるといっ
た童謡「すずめの学校の先生方式」である他律の保育ではなく、自律を培う保
育です。次回紹介するお茶の水女子大学附属幼稚園の教育目標には、このこと
がきちんと書かれています、当然ですが。
 
ですから、過保護や過干渉な環境の育児では、どこの幼稚園からも歓迎されな
いことになるわけです。それを証明するために、応募者の多い幼稚園の保育の
方針を、幼稚園案内などに書かれていることだけではなく、入園説明会で、ど
のように話されているかなどを紹介しましょう。名門といわれている幼稚園で
は、何とも素朴な保育を目指しています。それが当然なのです。幼稚園は、勉
強をする所ではなく、保育をする所です。保育とは、「幼児を保護して育てる」
ことです。
生まれて初めて、親のもとを離れても楽しいことがたくさんあることを知り、
自立心や協調性、社会性など集団生活への適応力を育む所です。しかも、ほと
んどの幼稚園が、「給食無し、通園バス無し、短時間保育」です。制服、制帽
のない幼稚園さえあります。
 
早期教育にはまり込みやすいお母さん方にも、是非、読んでほしいと思います。
誤解されると困りますが、私はすべての早期教育が駄目だ、止めなさいと言う
のではありません。
子どもには、それぞれの適性があり、育っていく環境も違います。音楽、芸能、
スポーツなどは、親の遺伝もあるかもしれません。そこを見極めた上での早期
教育も駄目だとは言いません。私が言うのは、ごく普通の子ども達のことです。
知的な能力だけを高めようとする知育偏重型のバランスを崩した育児です。
 
名門といわれる幼稚園では、どのような保育が行われているかを知ってもらえ
れば、今、お子さんに何が必要なのかを、わかっていただけるのではないでし
ょうか。どこの幼稚園も大切にしているのは、心の教育、情操教育です。そこ
を理解してもらえればと思います。
今、お子さんは、そういう時期にさしかかっているからです。
 
育児に、教育に、ご両親は、信念を持っていただきたいのです。先程も申し上
げましたが、どういったお子さんに育てたいのか、このことです。受験準備に
だけ心を奪われる前に、きちんと話し合うべき問題なのです。なぜなら、幼稚
園受験のはじめの一歩は、ここから始まるからです。
 
次回から入園説明会で聞いた話を中心に、保育の方針などを解説しましょう。
なお、紹介する幼稚園は、国立附属を除き、筆者が入園説明会へ参加した幼稚
園で、選択した理由は何もありません。
(次回は、国立大学附属幼稚園についてお話ししましょう)

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