めぇでるコラム

2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★夏休みの過ごし方(2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第57号)
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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夏休みの過ごし方(2)
 
前回に続き、夏休みの過ごし方についてお話しましょう。
 
3.観る力をつける
(See)ではなく(Watch)です。
動物園、植物園、博物館、水族館、プラネタリウムなどを利用して、観ること
で名称、種類、性質、形、大きさ、色、用途などがわかります。
図鑑人間、驚くほど知っていますが、残念ながら大きさのわからない子がいま
す。
本物を見せてあげてください。
ただし、お子さんが興味を示さないときは、あまり効果はないでしょう。
「今度の日曜日は休みだから、水族館でも行こうか」ではなく、「パパ、ラッ
コってどうやって貝を食べるのかな?」といったように「かな?」の二文字が
ついたときは、何をさておき連れて行きましょう。
疑問の芽が、好奇心を刺激しているからです。
そして、観てきたことを絵日記に描ければ素晴らしいですね。
なぜなら、絵日記は、体験したことを思い出しながら、整理して、映像化し、
記録することですから、知的な訓練になっているのです。
ただし、絵の巧拙にはこだわらないようにしましょう。
楽しく描けることが何よりも大切だからです。
 
似ているところ(類似点)と違っているところ(差異点)を見つけ、話をさせ
ることも大切です。
言葉は、実際に話してみなければ、どうにもならないものです。
自分で考えたことを、自分の言葉で話す機会をたくさん作ってあげましょう。
野菜(キャベツときゅうり)、花(さくらと朝顔)、果物(りんごとみかん)、
乗り物(飛行機と客船)などの組み合わせです。
お子さんの話したことで、妥当性がある場合は、正解です。
 
たとえば、「自転車とオートバイの違うところをいってください」の問題のと
き、
「仮面ライダーはオートバイに乗るけど、自転車に乗って来ない」といった子
がいましたが、お母さん方はどう対処されますか。
「テレビのせいだわ!」と柳眉を逆立てる前に、とりあえず間違いではありま
せんから、まず、その考えもいいけれどとうなずき、「仮面ライダーを知らな
い外国の人にお話ししてわかるかしら?」といえるお母さんになってほしいの
です。
すると、お子さんは、自分の考えを認めてもらいましたから、人力と動力の差
に話が進むはずです。
まず、認めてあげ、それから、正解に導いていくことが大切です。
 
さらに、朝顔やひまわり、家庭菜園で栽培した野菜などの観察絵日記(成長過
程や咲いた花の数、色、葉の形など)を描いてみましょう。
成長の変化に気づく目が育ちます。
また、種まき、発芽、葉、花、種といった成長の過程を観察することで、科学
的にものを学ぶ姿勢も養うことができます。
 
また、幼児用のプールや風呂を利用して、浮くものや沈むものを実験してみま
しょう。
スイカは絶対に浮かないと思っている子が、いるものです。
丸ごと1個買うご家庭は少ないのではないでしょうか。
水がいっぱい入っているビンと少し空気が入っているビンなど、興味を示すは
ずです。
 
磁石にくっつくものを探すのもおもしろいのですが、コンセントなどに近づけ
ると危険ですから、使う場合は目を離さないで、終わったら手の届かないとこ
ろへ片付けるようにしましょう。
前回の折り紙を磁石で持ち上げる問題ですが、折り紙の下にクリップなどを置
くと持ち上げることができます。
 
4.絵を描くことに興味を持たせる 
絵を描くことを嫌う子が増えていると聞きますが、事実なら困ったことです。
絵は、言葉や身体表現と同様、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感が受けた
刺激から観察力が働き、記憶したことがらを表したものといえます。
幼児の描く絵は写生ではなく、イメージ化したものと考えてあげましょう。
「絵は心の窓」ともいわれています。
お子さんの、心境が表れているのです。
絵の巧拙にこだわる必要はありません。
お子さんが、描けた絵を見ながら話を弾ませる、よい聞き手に徹することです。
お子さんが、絵を描くときの顔を見たことがあるでしょうか。
夢中になって描いているときの表情は、楽しそうで、素晴らしいものです。
 
5.ものを作る意欲を育てる
最近の入学試験でも、制作は重要な課題の一つになっています。
「折る、塗る、切る、貼る、組み立てる、結ぶ」は、幼児教育の基礎、基本で
すから、当然なのですが、知的なトレーニングに力を入れがちではないでしょ
うか。
 
「手は第二の脳」で詳しくお話しましたが、たとえば、つぼ型の容器に入った、
ふたのついた糊には、教育的な配慮がなされています。
左手で持ち、右手でふたに付いている取っ手を上にあげないとふたは開きませ
ん。
指で適量をとらないと、少なければはがれやすく、多ければベタベタになりま
す。
まんべんなく塗るには適量をとり、左手で紙を押さえ、右手で、のびろのびろ
と丁寧に塗らなくてはなりません。
そして、ふたを閉め、手を拭きます。
汚れた手をきれいにするのは、清潔感を身につける基本的な生活習慣の一つで
す。
リップスティック型の糊は、粘着力もあり、手も汚れませんが、大切な作業を
省いています。
体験しない分、不器用になるということでしょう。
家庭では、ふたつきの糊を使ってください。
 
セロテープの使い方(適当な長さに切れない。切って貼るのではなく、必要な
分を切り、そして貼るといったように「切る」と「貼る」の作業を分けてみま
しょう)、はさみの使い方、紙の折り方、ちぎり方、こういった作業がスムー
ズに出来ないと、制作は面白くないでしょう。
得意な子ども達は、お母さん方が、こういった作業の重要なことを理解し、こ
まめに自分で扱う機会を作っていると思います。
また、材料となる箱や、紙コップ、モールやリボン、もしかしたら、穴あけパ
ンチなども用意しているのではないでしょうか。
苦手な作業は、じっくりと時間をかけ、できるようにしてあげましょう。
通っている教室にお任せだけではなく、家でも制作に励んでください。
 
折り紙は、巧緻性と記憶力を高める大切な遊びです。
かつて、暁星小学校では、5個作らせました。
簡単なものを、丁寧に折ることが大切です。
折り紙の得意な子は、姿勢がよく、物事を丁寧にする習慣も身に付いているよ
うです。
 
粘土遊びも大切な作業です。
砂場で遊ぶ機会が少なくなっているようですから、せめて、粘土で造形のおも
しろさを体験させておきたいものです。
「子どもの頃、砂場で遊ばなかったためか、最近の学生は、塑像作りが苦手の
ようだ」と東京藝術大学の彫刻科の教授がおっしゃっていたそうです。
折り紙と同様、立体作りは、子どもにとって楽しい学習になっていることを忘
れてはいけないと思います。
ここで問題です。
テニスボールほどの大きさの粘土の塊があります。これを3つの同じ大きさの
丸い形に作ってください。(解答は最後にあります)
手先の作業として、輪ゴムつなげやクリップを長くつなげる遊びは、頭の疲れ
ているときなど、気分転換にもなります。
 
6.身体を動かし、体力と持続力を育てる
ボールつき、縄跳びは、バランスを必要とする全身運動です。
広い場所もいりません。
お父さんの出番です。
目標を決めて、できるだけ長くできるように挑戦させましょう。
お父さんと共に頑張ったことが試験に出れば、一所懸命にやらない子はいませ
ん。
持久力や耐久力もついてきます。
散歩に連れ出し、歩くことの楽しさも教えてください。
車中心の生活では、足腰が鍛えられません。
教室へは電車で通いましょう。
お子さんと電車に乗ることで、歩くことで、たくさんのことを学習できます。
スタミナ不足では、我慢する力も育ちません。
 
クーラーのある快適な生活は、半面、汗をかかない不自然な環境でもあるわけ
ですから、汗をかく運動は、ぜひ、行ってください。
 
そして、お母さん、お子さんと一緒に歌を歌い、踊りましょう。
身体表現をやってください。
楽しい思い出が残っていれば、試験場でお子さんも一所懸命にやります。
今までは、女子だけの別学の学校では、必修科目と考えましょうといってきま
したが、立教小学校では5年続けて音楽にあわせて身体表現をしましたから、
受験される方は準備をしておきましょう。
 
この夏は、お子さんの負担になる旅行はさけ、秋に備えて健康管理に留意して
ください。
そして、起こしてならないのは事故です。
ちょっとした油断が恐いのです。
親として、監視の目(管理の目ではありません)は、絶対にゆるめないことで
す。
 
夏休みの講習会、元気に頑張りましたか。
身についた学習習慣を、家庭でも楽しく学習できるように、応援してあげまし
ょう。
そして、苦手な領域は、時間をかけて理解できるように、決して感情的になら
ずに、気持ちを落ち着け、「ゆっくり、じっくり、しっかり」を目標に、お子さ
んと共に頑張ってください。
もうすぐ直前講習会が始まり、仕上げの段階に入ります。
健康管理には、くれぐれも注意してあげましょう。
 
答え 丸い粘土の塊を粘土板の上で、手で押さえながら棒状に伸ばし、それを
3等分して丸めると、ほぼ同じ大きさの丸い塊を作ることができます。
(次回は、「今年の説明会 前半編」についてお話しましょう) 
 

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