めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>名門幼稚園の保育方針 私立幼稚園編(3)

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
         「めぇでる教育研究所」発行
   「2019さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第21
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
私立幼稚園の教育方針 (3)
 
 
【幼稚園に関する新しい情報は、各園のホームページをご覧ください。ここで
紹介する情報は、私が説明会や過去のホームページから得たものが中心になっ
ていること、また募集人員、説明会の日程は平成30年度(平成29年秋実施)
のものであることをお断りしておきます】
 
 
■桐朋幼稚園
 
小学校は共学ですが、中学からは男子は国立にある桐朋学園中学校、高等学校
へ、女子は本園のある仙川の桐朋女子中学校、女子高等学校へ分かれ別学にな
ります。高校から大学への進学状況は、男女共に有名校で占められ、東大を始
め早大、慶大と、その数は半端ではありません。
大学の音楽部は、世界のマエストロ、小澤征爾氏の出身校です。
 
子どもたちの未来のために、桐朋幼稚園は変わりました。
○2年保育から3年保育へ
 1955年設立以来、2年保育を実施してきました。しかし、子どもが育つ
 環境が大きく変わり、ゆったりとした時間の流れの中で、心身を使い、人と
 かかわり、思い切り遊ぶ経験などが少なくなってきました。(中略) 
  そこで桐朋幼稚園では、1学年を26名とし、2年保育から3年保育へ移
 行しました。連続した3年間で、子どもも親も桐朋教育に触れ、ゆっくりと
 育つ良さを感じる保育を積み重ねていきたい。子どもも親も、ゆっくりと成
 長することを保証される時間や環境が失われている今、それを園が保障する
 ことが必要だと考えたからです。(中略)
○定員数
 3歳児26名(男女13名)、4歳児26名(男女13名)、5歳児26名(男女
 13名)、計78名
 
【保育の方針】 
保育の原点は子どもです。
桐朋幼稚園では、子どもが地に足をつけて育っていくことをなによりも願って
います。親が子どもの未来に夢を持つのは当たり前ですが、その前にまず、人
間として自分の力で生きていける「根」を持たなければなりません。それをし
っかりと根づかせることを、私たちは最大の目標にしています。幼児であって
も、まぎれもない一人の人間だからです。
   
花を咲かせる時ではなく、大地にしっかりと根を張り、自らの人生を切り拓い
ていく素地を育む、これが本園の保育の原点です。大人の手垢のついた、促成
栽培された子ども達を求めていないということですね。
 
説明会では、大人の都合のいい子を育てるのではなく、子ども自身が生活をす
るうえで、何が大事なのかを身につけることが大切だと指摘していますし、試
験に関しても訓練された子や口の達者な子が有利になるようなことはしないし、
早生まれの子に関しては、統計的手法により月齢を考慮しているとおっしゃっ
ています。
 
かつての説明会で小学校の推薦について、本園には「附属」といった言葉はな
く、園では独自の保育を実施しているので、推薦権は幼稚園にあるとも言って
います。幼稚園は小学校の下請けではないという意味で、遅刻や欠席が多いと
推薦しない場合もあるそうです。遅刻は、ご両親の育児の姿勢であり、ご家庭
の顔です。ルーズと判断されますから、推薦されなくても仕方がないでしょう。
規律を守ることは、集団生活をスムーズに送るための基本的な約束事です。欠
席が多いのは健康管理にも問題はありますが、稽古事などで子どもの時間が奪
われることへの警鐘ではないでしょうか。入園されたからには、園を中心とし
た生活に徹してほしいということです。友達を作り、そして仲良く遊べること、
これが子ども達にとって、もっとも大切な仕事だからです。
 
通園時間は、幼児の足で40分以内、電車は各駅停車、利用できる交通機関は
2つまでで、乗り換えは1回、通園範囲も私学の幼稚園にしては、かなり厳し
く指定しています。通園するのは幼児ですから、無理のない範囲が望まれるの
も当然でしょう。
 
学園では、年間雑誌「桐朋の教育」(第48号発売中)の中で、園から高校ま
での試験の内容を公表していますが、桐朋小学校内にある出版部に行かないと
手に入りません。そこには、桐朋の求める子ども像、試験の方法、通園範囲に
ついて詳しく紹介されていますが、ここ3年ばかり購入していないので、もし
かすると掲載されていないかもしれません。
 
ある年の「幼稚園の入学試験」の一部を紹介しましょう。
    
○好奇心旺盛で 年齢相応の 無邪気さがある子
幼稚園入試のための塾も盛んだと聞くが、そこでの学習が「ハイ、よくできま
した」「まだダメですね」的な評価を伴うものばかりだとすれば、そこでの体
験は「できる子・知っている子はイイ子」とか「できない子・知らない子はダ
メな子」という観念を植えつけてしまう。そのような観念をもった子どもは、
「できたかどうか」ばかりが気になって、自分なりに判断して行動しようとす
る姿勢がもてなくなる。このことは大いに問題があると私たちは考えている。
(中略)選考にあたって、子どもを見るのではなく、親の子育ての仕方を見て
いるといえるかもしれない。実際、「年齢相応の無邪気さのある子どもである
ことが大事」と考えるものにとって、過保護・過干渉・教育要求の過剰などは、
親にとって都合の「イイ子ちゃん」を作るとは考えられても、好奇心の旺盛の
「年齢相応な子」を育てるとは考えにくい。
 
 
過保護、過干渉に加え、「あなたのためです!」といった教育要求の過剰は、
とかく、親のエゴから起きがちで、成長をしっかりと踏まえたものでなければ、
子ども達を苦しめるだけではないでしょうか。過保護、過干渉、自由放任も程
度問題で、「甘えさせる、厳しくする、自由にさせる」ことも必要です。育児
は「あれか、これか」ではなく、「あれも、これも」といった柔軟な考えを持
つことが大切で、偏らない子育てが、子ども達には有り難いのではないでしょ
うか。光塩女子学院初等科の影森一祐校長の受け売りですが(笑)。
 
 
愛には、報われることを目標とするエロス的愛と、与えるだけでまったくお返
しを期待しないアガペー的愛があることは言われているが、親でありながら、
エロス的愛しか持たぬものもけっこう多いのである。
(完本 戒老録 自らの救いのために P86 曽野 綾子 著 祥伝社 刊)
 
かつて、聖心女子学院には幼稚園もあり、作家の曽野綾子さんは、幼稚園から
大学へ進んだ才媛ですが、ある随筆の中で「幼稚園の入園テストは、名前と年
を聞かれただけでした」と語っていました。戦後に廃園となりましたが、今幼
稚園があると、「面接だけ」とはいかないでしょうね(笑)。
現在、聖心女子学院は、小中高、六三三制から四四四制へ移行されています。
詳しくは学院のホームページをご覧ください。
 
ところで、桐朋小学校の募集人員は、2004年から72名(平成29年度の
募集要項には、男子36名、女子36名の表示はありません)になり、低学年
は1クラス24名の少数制を実施しています。募集人員72名の中には、幼稚
園からの進学者が40名含まれていますから、実際は32名の狭き門となって
います。そのため、幼稚園への受験者が増えているのではないでしょうか。と
懸念していましたが、3年保育に移行し募集人員は26名になり、14名減で
すから、幼稚園が狭き門になり、小学校は少しですが広くなりました。
 
【募集人員】 3歳児 26名 4歳児26名
【入園考査】 2017年11月(入園2018年4月)
          3歳児 11月3日(金)から4日(土)までの1日
          4歳児 11月1日(水)から2日(木)までの1日
【入園考査説明会】
 2017年 5月27日(土) 9:30~11:00 
   〃   7月15日(土) 10:00~11:30  
   〃   9月 9日(土) 10:00~11:30
         於 幼稚園図書室、5月27日以外はお子様同伴不可で実施。
 
【Q&Aコーナー 】 入園案内Q&A
 入園考査についてのよくある質問と答え
 
Q: 入園考査に特別な準備は必要ですか?
A: 特別な準備は全く必要と考えておりません。普通の生活をたっぷりとし
   てきた子どもが十分に力を発揮できるようにと考えています。
    
Q: 通園条件があるとうかがったのですか。
A: 4、5歳児の体力や健康を考慮し、通園可能なエリアを設けています。
 
   (以下の情報は、「2017年度入園考査のご案内の通園条件」から抜
    粋したものです)
   保護者による送り迎えを原則としています。
   スクールバスによる園児の送迎は行っておりません。また、自家用車お
   よび自転車などによる送迎は認めておりません。
   自宅からの通園時間と交通事情等を考慮して、通園範囲を決めています。
 
   通園条件は、次の3点を満たすものとします。
   1.次の各市・各区に住んでいること。
     渋谷区、新宿区、杉並区、世田谷区、中野区、目黒区、稲城市、国
     立市、小金井市、狛江市、多摩市、調布市、日野市、府中市、三鷹
     市、武蔵野市、川崎市麻生区、川崎市多摩区
 
   2.利用する交通機関(電車またはバス)は、2系統まで(乗り換えは
     1回)。ただし、新宿駅からJR・私鉄・バスなどへの乗り継ぎは
     認めておりません。
 
   3.通園に要する時間は60分以内とします。(交通機関は、各駅停車
     を利用するものとし、乗車時間は40分程度まで)
 
   ※通園範囲以外でも出願できますが、合格された場合は所定の手続きに
    よる通園範囲への転居が入園の条件となります。
 
Q: 小学校への推薦はありますか。
A: 進学については、桐朋小学校への推薦制度があります。
 
  (平成30年3月現在のホームページから転載したものです)
 
 
■国立学園附属かたばみ幼稚園
 
併設校は、小学校だけの特殊な教育環境で、ほぼ全員が中学受験を目指します。
小学校の受験は、実力一本で決まりとはならないでしょうが、中学校は、親の
面接があるとはいえ、本人の実力次第です。中高一貫教育で力をつけ、目指す
大学へ無事合格、描かれる卒業後のばら色の青写真、中学受験が過熱するわけ
です。と言っても、かたばみ幼稚園が火をつけたのではありません。
そういう考えが、根強く支持されているということです、念のため。
 
JR国立駅を降りると、春爛漫の頃には、まっすぐに伸びるメインストリート
の両側にある見事な桜並木が、目に飛び込んできます。本園は、一橋大学の裏
側に当たる閑静な住宅街に囲まれたところにあります。
 
国立学園小学校の設立者、堤廉次郎は、早くから教育環境の重要さを認識し、
樹林の美しいこの国立の地に、模範的な学園都市の建設を企画し、東京商大
(現一橋大学)の誘致をはじめ、諸文化設備の計画と共に、その一環として幼
児教育の重要性にかんがみ、1954年(昭和29年)4月、本園を開設し、
1983年には、幼稚園教育の新しい方向を求めて、新園舎を完成。
 
【園名の由来】
道端にしっかりと根を張って咲くかたばみの花、愛らしいピンクの花弁が、人
の心を慰めてくれる。ここで育つ子ども達も、この花のように「やさしさ」
「たくましさ」「かしこさ」を備えた子どもに成長するようにとの願いを込め
て「かたばみ幼稚園」と名づけました。
 
【教育理念】
21世紀を「やさしく、たくましく、かしこく」生き抜く子どもを一緒に育て
ていきましょう。
入園当初、集団生活に戸惑い心細い思いをしていた子どもたちもが、3年後、
心も身も大きくなって卒園していきます。まぶしいほどの成長ぶりです。本園
の成長の過程で子ども達は何度も問題や壁に突き当たるでしょう。その時私た
ち教師は、子ども自身が問題に「気づき」どうしたらいいのかを自分の力で一
生懸命に「考え」、さらに自ら「行動」に移していけるように導きます。主体
は子どもたち。教師はあくまでもサポート役です。そうした日々の積み重ねが、
子どもたちを自信にあふれた人間に育てていくのです。本園での経験が、将来、
21世紀を積極的に生き抜くための原動力になることを願ってやみません。
 
【教育目標】 
開園以来、一貫して「豊かな人間性を培う」ことを目標として、集団の中にあ
って、一人ひとりが持つ「個性と創造性」を発揮できる子ども。個を大切にし
ながら、「協調性と愛情」を持って友達と接し行動できる子ども。これが私た
ちの願う具体的な目標です。さらに私たちが願う子ども像は、自ら気づき、考
え、行動しながら、21世紀をやさしく、たくましく、かしこく生きぬく力を
身につけた子どもです。
 
【子どもたちを健やかに育てる環境】 
〔クラス集会〕 
友達とかかわりあうことにより、一日の活動を豊かにします。
朝の会、帰りの会と一日に2回行います。健康調査をすると共に、今日一日の
遊びの準備や一日を振り返ります。
また、明日の遊び予定を話し合い、期待を持って登園できるようにします。
当番活動や係り活動、そして園生活のルールについて話し合い、園級集団を密
にします。
 
〔チャレンジタイム〕 
遊びながら体力、挑戦する心、やり遂げる気持ちが身につきます。
子どもたちは、「できるようになりたい。」という向上心にあふれています。
そういった意欲的な気持ちを大切に育てるのがチャレンジタイムです。昨日で
きなかったことができるようになったとき、子どもたちの瞳は輝きます。この
輝きは、さらに高い目標を目指す意欲へとつながるでしょう。なにごとにも積
極的に取り組む心と身体を育てます。
   
〔自由遊び〕 
課題を通して、探求する心や行動することの大切さを育みます。
クラスや年齢の枠を取り払って、一緒になって遊ぶ機会が多いのが、幼稚園と
いう集団生活の魅力です。自由遊びを通して、子ども達は友達を求め、遊びを
創造し、ルールを守り、多くのことを体験していきます。その過程で、譲り合
う心、年下をかばう心、年上から学ぶ心が育ってきます。自由遊びは、子ども
達の心が大きく成長する大切な時間です。
 
〔課題遊び〕 
課題を通して、探求する心や行動することの大切さを育みます。
本園の最も力を入れている教育方法が、課題遊びです。発達段階に応じた工作、
作業、運動などの課題に取り組みながら、その過程で生じる問題に対して子ど
もたちが自分の力で考え、行動し、解決する力を育てます。同時に、工夫する
楽しさ、作品を完成する喜びを伝えます。1年間の遊びの成果は、毎年2月の
作品展で発表します。
 
こういった保育から、
 ・気づき、考え行動する子ども
 ・やさしさ、たくましさ、かしこさを、自ら表出できる子ども
 ・個性的で創造的な行動ができる子ども
 ・協調的で愛情のある行動ができる子ども
の育成であることが伝わってきます。
 
平成25年度から、あずかり保育「きらきらクラブ」が始まりました。夏、冬、
春の休業期間も行っています。詳しくは、ホームページをご覧ください。
 
受験の際には、幼少一貫教育に期待することをまとめておくことが大切です。
受験する方は中学受験を目指していると思いますが、小学校の説明会に参加し、
たとえば、「習熟度別クラス編成」は、どういったシステムになっているかを
知っておくことも大切ではないでしょうか。
 
ところで、国立には、国立学園小学校の他に、桐朋学園小学校、国立音楽大学
附属小学校、国分寺には早稲田実業学校初等部が、吉祥寺には成蹊小学校、三
鷹台には立教女学院小学校があり、受験者の皆さん方から不謹慎と怒られそう
ですが、週刊誌の中吊り広告風に言えば、「武蔵野は小学校受験の激戦地!」
となっているようです。
 
【募集人員】 平成29年度募集人員
       A日程  3年保育男女約35名  2年保育男女約15名
       B日程  3年保育男女約15名  2年保育男女約10名
             1年保育男女若干名
 
【説明会】第1回 平成29年 6月3日(土) 午前9時30分~正午
         於 幼稚園ホール
     第2回   〃   9月5日(火) 午前9時15分~正午
         於 幼稚園ホール (2回目はお子さん同伴不可で実施)
 
【Q&Aコーナー】 よくあるご質問
Q: 見学は、させて頂けますか。
A: 平成30年度新入園児募集については、6月3日(土)と9月5日(火)
   に説明会と保育見学を予定しております。また、6月と10月に数日の
   保育見学日を設けております。詳しくは「入園・転(編)入について」
   のページをご覧ください。
 
Q: 通園時間に制限があるのですか?
A: はっきりしたきまりはありませんが、親子にとって無理のないようにし
   てください。(約1時間以内)
 
Q: 入試の時、生まれ月による考慮はしていただけるのですか?
A: はい、考えております。月齢は考慮いたします。
 
Q: 国立学園小学校への進学は、出来るのですか?
A: 単願制度があり、希望者は進学できます。
 
Q: 保育時間はどうなっていますか?
A: 月・火・木・金 9:00~14:00
   水 9:00~12:30
 
Q: 給食はあるのですか?
A: 本園では、お弁当です。(月・火・水・木・金)
   (水)(金)は、希望する方は給食があります。
 
Q: バスの送迎はありますか?
A: ありません。お子さまの送り迎えは、保護者が行います。駐車場を借り
   て車での送り迎えを行っている方もいます。
 
Q: 面談は、両親そろっていないといけないのですか?
A: おそろいでなくても、結構です。保護者お一人でもかまいません。
   (平成30年3月現在のホームページから転載したものです)
 
 
(次回は、白百合幼稚園についてお話ししましょう)
 

過去の記事

全て見る