めぇでるコラム

2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する -合否を判定する必須十項目-★★[6]推理・思考に関する問題(1)

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第35号>
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★★入試問題を分析する★★
 
 
[6] 推理・思考に関する問題(1)
 
系列完成、欠所補完、図形、科学性に関するもの、鏡映像などの問題ですが、これもかなり難しいですね。知能指数(IQ intelligence quotient 知能検査で得られた精神年齢を、実際の年齢で割り、百倍した数で、100が普通程度を表す)を調べる知能テストに、このような形式の問題があるのは、お母さん方もご存じだと思います。
 
かつて、この種の問題が小学校入試の基本であった頃に、「IQが120以上でなければ合格しない!」とのうわさがまことしやかに流れたことがありました。ある小学校の説明会で校長先生が、「IQが120位ないと入学してから大変ですよ」とおっしゃったのですが、これに尾ひれがつき、「140以上なければ合格できない!」と姿を変え、指数を上げるために繰り返し練習することが行われたものでした。
 
事の真相を知っていましたから、無責任なうわさが恐くなり、「そんなことをしていると、お子さんの実際の知能指数がわからなくなるからやめなさい」と、その弊害を保護者の方にお話したことがあります。
 
本来、知能テストは、たとえば5歳の子どもなら、他の多くの5歳の子どもと比べて、知能の発達の度合いを調べるテストで、訓練をし、無理に上げるものではありません。今は、そういったうわさも誤解も、姿を消したようですね。
 
 
 
[系列完成]
 
動物や果物、記号やさいころの目などが、ある決まりで並び、ところどころに空欄がもうけてあり、そこに入るものを考える問題で、おもしろいことに美醜の感覚やリズム感まで刺激を与えていることがわかります。
 
    ○△□○△□○△□○△□○△□○△□
    ●○△●▲○▲□●○△●□○▲●
 
上段は、見た目もきれいで、リズミカルで心も落ち着きます。
下段は、見た目も煩わしく、不協和音が聞こえそうで、心もいらだちます。
きれいな並び方には、一定の決まりや規則性があり、それを見つける問題です。
 
 1  リンゴ・バナナ・ミカン・リンゴ・バナナ・ミカン・リンゴ・( )
 2  □○△( )□○△◎( )○△◎
    ↑     ↑
   (左人差し指)(右人差し指)
 
3つか4つ、多くても5つまでの系列ですから、上の問題のように、「リンゴ・バナナ・ミカン・リンゴ・バナナ・ミカン・リンゴだから、バナナだな!」と口調もなめらかで、抵抗なく出てきます。
 
下のような問題は、ちょっと困ります。
しかし、左右の人差し指で、同じものを(この場合は□)押さえて、右へ1つずつ移動させると、□○△◎の決まりであることがわかります。
これを「お引っ越しゲーム」といったりしますが、決まりを見つけるゲーム感覚でやると、子どもは面白がって挑戦します。
 
このゲーム感覚ほど、子どもの学習意欲に刺激を与えるものはないでしょう。
 
身の回りに注目してみましょう。
この決まりを守っているものが、たくさんあると思います。
ブラウスやセーターの図案、カーテンの模様、台所やふろ場のタイル、外に出れば、舗装された道路のタイルなど、きちんとした決まりで並んでいませんか。
お子さんと一緒に、決まりを見つけるのも楽しいものです。
大切なのは、こういったことから好奇心の芽を養うことです。
好奇心は、やる気を起こす起爆剤で、その意欲から自発性も芽生えてきます。
 
 
 
[欠所補完]
 
文字通り、欠けているところを補い完成させる問題で、ジグソーパズルの感覚で取り組めます。
 
全体の中で欠けている部分を推理し、4枚程の中から、そこに入るものを見つけます。正解は1枚でダミーが3枚入っていますから、それを除いていけばいいわけです。
 
直感力のすぐれている子は、サッと見つけますが、それで安心して、「うちの子、頭、いいわ!」などと早合点をすると、後々、困ったことになりがちです。   
選択肢は、わずか4枚で、確率四分の一ですから、偶然に答えが見つかる場合もあるからです。
 
時間が、かかってもかまいません。
1枚、1枚、比べて、
「これは、ここが違っている! これも違う!」
と、辛抱強く比較していくことが大切です。
 
繰り返しますが、この違いを見つけることは、観察力を培う大切な作業です。
しかも、根気が必要ですから持久力もつきます。
そこから、じっくりと物事に取り組む姿勢も身につきます。
 
以前にも紹介しましたが、イソップ物語の「うさぎとかめ」の話を思い出してください。油断をいさめた寓話ですが、ひらめき型とじっくり型の話として読むと、幼児期の教育のあり方について、重要なヒントになっているのではないでしょうか。
 
このイソップの話、明治時代の小学生の教科書の題名は、何と「油断大敵」です。
 
ウサギさんはひらめき型の直感派で、カメさんはじっくり型の思考派です。
小学校の低学年までは、断然、直感派がリードをします。
 
選択肢が2つか3つの場合は、直感力の優れているひらめき型のウサギさんは、あまり苦労することなく答えを選び出せます。じっくり型のカメさんは、選択肢が少なくても、一つ一つ検証して答えを出しますから、時間はかかりますが、試行錯誤を重ねることで、きちんと答えを出します。
 
ところが、分数や小数、光合成といった、目に見えない世界の学習が始まる中・高学年になると、思考派が徐々に頭角を現します。
 
じっくり型の思考派のカメ型タイプの子は、欠所補完の問題でも、一枚一枚、きちんと比べて納得していますから、慎重に考えながら物事に取り組む習慣が身につきます。
 
しかし、どちらがいいのだろうなどと、決めてかかるのはどうでしょうか。
いろいろなタイプの子がいて、当然です。
 
「じっくり型の、思考派の、カメ型のタイプは理系だな!」と思い込み、「何で、もっと、じっくりと考えないの!」となるようでは、子どもには迷惑な話になりかねません。
問題集をやる時などに、答えが間違っていると、こう言いがちではないでしょうか。
 
しかも、そういう時の大人は、恐い顔をしていますから、子どもも考えようとせずに、隣の絵をさっと指差したりします。
それも間違っていると、
「何回、言ったらわかるの。考えなきゃ駄目だと言っているでしょう!」
これでは何回やっても同じです。
子どもは、怒られたくない一心で答えているだけですから、考えていません。
保護者の方には、考える時間をあげていないことに気づいてほしいですね。
 
幼児の場合、正解を求めるだけが学習ではありません。
なぜ、「どうしてなの?」「どういう風に考えたの?」と聞いてあげられないのでしょうか。
不思議な気がしますね。
 
「正解は一つしかない」と信じて疑わないからではないでしょうか。
 
答えは間違っていても、意外に、面白いところへ目をつけているときもありますから、その理由を聞いてあげましょう。
 
それから間違っていることを説明してあげれば、子どもも納得します。
こういったことをしてあげずに、子どもの考えを無視して、繰り返し、ひたすら正解なるものを求めていると、大人の顔色を見て答えはじめます。
これでは学習ではなく勉強です。
「強いて勉めるのが勉強」であることを思い出してください。
大人の気持ちを満足させるためにやっているようなものですから、やめた方がいいですね。
 
大人は何とか工夫しますが、できるように配線が組みこまれないとできないのが子どもです。
 
子どもが「わからない」という時は、「本当にわからない」のです。
 
そこを考えてあげないと、お子さんはパニック状態に陥りがちです。
いやな思いをさせては、小学校へ入る前から勉強嫌いな子になりかねません。
「忍の一字」で過ごした、おむつを外した時のことを思い出してください。
 
ところで、「うさぎとかめ」の負けたウサギはどうなったかご存知でしょうか。
「カメに負けた駄目ウサギ」として、ウサギ村から追放されますが、「子ウサギをえさに差し出せ!」と脅迫してきた狼を負かし、無事、ウサギ村へ復帰します。
 
余談になりますが、ホワイトデーの習慣は日本生まれ、中国、台湾、朝鮮など東アジアの一部で定着しているが、欧米にはない。記録として残っている元祖は、昭和48年(1973)に不二家とエイワが協力し、チョコレートのお返しにキャンディやマシュマロを贈ろうと「メルシーバレンタイン」キャンペーンを開催したとの記事が読売新聞にある。その中でホワイトには「幸福を呼ぶ」「縁起が良い」という意味があるということで、1ヶ月後に設定したと伝えている。(「ウィキペディア フリー百科事典)より要約)
 
デコレーションケーキといい、お菓子屋さんのたくましい商魂ですね。
 
そのホワイトデーですが、バレンタインデーは様々なバリエーションが出てきましたが、ホワイトデーはどうなっていくのでしょうか。
 
 
(次回は 「推理・思考に関する問題(2)」についてお話しましょう。)

 
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