めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>名門幼稚園の保育方針 私立幼稚園編(4)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第16
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私立幼稚園編(4)
 
3月3日はひな祭り。といえば、思い出すのは童謡「うれしいひなまつり」で、
お母さん方も歌ったのではないでしょうか。ところが、作詞者のサトウハチロ
ウは、二つの誤りを悔い、破棄したいと思っていたそうです。その誤りの一つ
は、2番の「お内裏様とおひな様」で、「内裏雛」は、天皇、皇后の姿をかた
どった「殿と姫」の両方を表し、「おひな様」は男雛と女雛で一対を表すので、
同じことを繰り返すことになるからです。もう一つは、3番の「赤いお顔の右
大臣」ではなく「左大臣」で、さらに大臣ではなく随身、近衛兵(宮中警備の
兵士)の長官だそうです。なぜ、間違ったまま歌われてきたか不思議な気がし
ますが、訂正のしようがありませんから、承知して歌うしかありませんね。
(拙著 メルマガ「年中行事と昔話 17号より」)
 
【筆者からのお願い】
ここで紹介する幼稚園に関する情報は、私が過去の説明会やホームページから
得たものが中心になっており、説明会、見学会、募集人員等の情報は昨年度の
ものであることをお断りしておきます。本年度の情報は、各園のホームページ
をご覧ください。(筆者)
 
白百合学園幼稚園
宗教教育を行い、幼稚園から女子だけの環境で、大学まである総合学園です。
宗教教育や別学の経験のない方、特にお父さん方へ、3年保育からご縁があっ
た場合、大学まで19年間、お嬢さんは女子だけの教育環境になりますが、い
かがでしょうか。もっとも、半分以上の生徒は、学部の関係でそのまま大学へ
進まずに外に出るようですから、あまり心配することはありませんが、入園テ
ストの面接で、「女子だけの学園ですが」の質問に口ごもるようでは心配です。
平成9年からは開設以来行われていなかった入園説明会を実施し、校訓とモン
テッソーリの教育、縦割り編成のメリットなどについて、具体的な説明があり
ます。
 
【本学園の目的】 
本学園は幼稚園から大学に至るまで一貫して、キリスト教的精神に根ざした価
値観を養い、神と人の前に誠実に歩み、愛の心で社会に奉仕できる女性を育成
することを目的としています。
 
【保育目標】 
本学園の教育目標に基づき、幼児にふさわしい生活環境を与え、その中でモン
テッソーリ教育法による保育を行い、宗教性、知性、情操を養い、その人間形
成のための習慣を確立させると共に、ひとりひとりのもっている可能性を円満
に伸ばすことに重点をおきます。
 
【本学園のモットー 校訓】 
従 順  良心に従って正しい行動がとれるように。
勤 勉  意思の強い自律性にとんだ子どもとなれるように。
愛 徳  心身ともに健康で協調性にとみ、喜んで人につくし、人からも愛さ
     れるように。
 
校訓をどのように解釈するかですが、初めての説明会で清水園長から、以下の
ような説明がありましたので、紹介しておきましょう。
 
校訓である三徳については、
「幼稚園では、もう少し具体的に、『強く、やさしく、まっすぐに』と教えて
おります。このようなことを、小さい時期から、毎日の生活の中で体験し、積
み重ねながら追求していくようにしています」
 
モンテッソーリ教育については、
「モンテッソーリ教育法は、子どもが得られる環境における自由を基本にすえ
た教育であると定義されております。ですから、モンテッソーリの幼稚園では、
一人ひとりの子どもの自由が保障されています。
そして、子ども自身が主人公として、誰からも強制されたり、支配されたり、
あるいは拘束されたりせずに、自分がしたいことを、したいだけすることがで
きる、そういうことが許される環境が整えられているわけです。
しかし、子どもが主人公で自由が保障されているといっても、自由奔放、好き
勝手にするわけではありません。モンテッソーリの自由は、一定制限付の自由
で、また規律の中での自由であり、そこには責任が伴います。自由と規律、そ
れを切り離すことはできません。丁度一枚のコインの裏表のようなものだとモ
ンテッソーリはいっています。
規律に従うことは、人の命令や強制に従うのではなく、自分の自由意志で選ん
で従うので、そのためには、まず自分自身の精神をコントロールするための強
い意志の訓練が必要です。子ども達は、規律に喜んで従います。積極的に守ろ
うとします。ですから、このような環境を整えることが大切なのです」
   
モンテッソーリ教育で重視されるもう一つの特徴である「敏感期」については、
「子どもの誕生から6歳までの時期は、人間の一生を支配する人格の基礎がで
きる大きな時期です。この時期が、いろいろな意味で無視できない敏感力、集
中力の働く時期がありまして、これをモンテッソーリは「敏感期」と呼んでい
ます。この敏感期と集中現象、これがモンテッソーリ教育の鍵とされ、非常に
重要視されています。
作業を通して、子ども達はお仕事といっていますが、こういったことを経験し
た子ども達が、心に大きな喜びと満足感を覚えます。そして人との協調性、社
会性が豊かになり、ただ自由性だけではなく、人のことを考えたり、思ったり、
人を愛する心が自然と育ってきます」
 
マリア・モンテッソーリ
イタリアのローマの女医として精神病院で働いていたモンテッソーリは、知的
障害児への感覚教育法を施し、知的水準を上げる効果をみせ、1907年に設
立した貧困層の健常児を対象とした保育施設「子どもの家」において、独特の
教育法を完成させた。
以後、モンテッソーリ教育を実施する施設は「子どもの家」と呼ばれるように
なった。  (ウィキペディア フリー百科事典)
 
さらに、縦割り編成(年長、年中、年少といった同年齢のクラス編成ではない
システム)のメリットについては、
「縦割り編成のメリットはたくさんありますが、その中で主なものとしまして
は、社会性が育ちます。そして上下関係がありますので、お互いの尊敬心、や
さしい思いやりの心、そういったことが自然と保育の中で育っていく、とても
すばらしい編成だと思っております」
 
先にも紹介しましたが、幼稚園が望む子ども像については、
「私どもが希望しておりますのは、小さい時から、入園テストとか面接を受け
て訓練されることではなく、むしろ日常生活の中で、特にお父さま、お母さま
の、生きたお手本の中で育てられたお子さま方、そして年齢相応に基本的な生
活習慣が、これはまだ完全にできませんから、ある程度、身についているお子
様方、明るく、素直で、いきいきとしているお子様、そういった子ども達を希
望しております」
 
そして最後に、宗教については、
「先程も申し上げましたが、幼稚園だけではなく、小学校、中学、高校、大学
を通して、宗教教育をかなり深くいたしますので、信仰する、しないは自由で
すが、やはりお家の方々のご理解がなければ難しいと思いますので、そういう
点はお含みおきいただきたいと思います」
 
「お父様、お母様の、生きたお手本の中で育てられたお子様」、この文言で、
すべては決まりです。幼児は、ご両親の作った環境で育ちます。育児は、子ど
もを育てながら自らを育てる、「育自」することに尽きるのではないでしょう
か。
 
当時を振り返ると、説明会を開催したことで、本園に関してのおかしな噂でも
あった「何でもできる頭のいい子」「言葉の達者な子」「目端がきく子」など
は打ち消されました。受験生は、2、3歳の女の子です。「目端がきく子」と
は「頭がよくて、気転の利く子」ではなく、「明るく、素直で、いきいきとし
ている子」であったわけです。
しかし、うわさや怪情報は本当に困ったものです。信じる者が悪いとか、見識
が足りないなどといえるのは当事者ではないからで、受験をされるお母さん方
は、しばしば「わらにもすがる」思いに追い込まれがちです。頼りはお父さん
方で、受験はお子さんと三人四脚で挑戦すべきです。
 
説明会は、平成21年から母子手帳持参が条件になりました。
内容もモンテッソーリ教育だけではなく、育児全般にわたり詳しい説明が2回
に分けて行われていると、参加されたお母さん方からうかがいました。
モンテッソーリ教育については、ホームページに解説がありますのでお読みく
ださい。特に、動画で紹介している「お仕事の様子」は、何ともほほ笑ましいの
ですが、やっている内容を見て、ギョッとしますね。小学校の入学試験が難し
いのも、納得できる「お仕事」もあるからです。
私事ですが、平成9年から毎年参加し、貴重な話を受験されるお母さん方に伝
えてきましたが、
12年目でその機会を失うことになり残念に思っています。
 
【募集人員】 3年保育 45名  2年保育 15名
 
【説明会・見学会】
  第1回説明会・見学会 5月 9日(土) 於 学園講堂
  第2回見学会      5月13日(水) 
  第2回説明会      9月 5日(土) 於 学園講堂
※母子手帳持参で実施
 
【Q&A コーナー】はありませんが、「入園前に」のコーナーで、
・在籍して感じたこと ・教育方針について ・教育内容について ・施設について
以上の項目別に、保護者(年少保護者3名、年中保護者8名、年長保護者4名)
のアンケートが掲載されていましたが、昨年に続き今年も2月23日現在、削
除されています。初めて受験される方には貴重な情報であっただけに、残念な
気がします。
 
(次回は、雙葉小学校附属幼稚園、田園調布雙葉小学校附属幼稚園についてお
話ししましょう)

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