めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試問題を分析する[10] 運 動

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        「めぇでる教育研究所」発行
    2018さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第43号)
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試問題を分析する★★
 
[入試情報]
5月13日(土)10:00~立教女学院小学校(入試説明会)
        13:00~東洋英和女学院小学部(第1回学校説明会)
5月20日(土) 9:30~青山学院初等部(第1回学校説明会)
 
学校(入試)説明会が始まりました。ミッション系の学校が続いていますが、
信者でない方にお勧めしているのは、青山学院初等部の説明会です。チャプ
レン(学校にいる牧師さんのこと)の行う開会礼拝、賛美歌を歌い、講話
(聖書の話)を聞き、アーメンと唱和し、それから部長の話が始まります。
例年、賛美歌を歌うのは信者の方か、お母さん方ですね。多くのお父さん方
は歌っていないようです、私もそうですが(笑)。この雰囲気に違和感があ
る場合は、考え直した方がいいのではないでしょうか。
持参するものなど注意事項がありますから、必ず、ホームページで確認して
からお出かけください。
 
聖徳大学附属小学校の校長に三須吉隆先生が就任しました。第1回の説明会
は5月27日(土)に行われます。自家用車での送迎を考えている方、説明
会で確認しておきましょう。
 
[10] 運 動
集団と個別があります。
 
[集団で行う運動]
先生と同じ体操を機敏にこなす模倣体操、タンバリンのリズムに合わせて行
進をしながらスキップやケンケン、ケンパー、グーパーなどをするもの。
左右の手を開いて、親指から順番に閉じたり、開いたりする指の屈伸、片足
一本で立つ片足バランスや登り棒、縄跳び、ボールをついたり投げたり、ド
リブルをするボール遊び、かけっこ、ジグザグ行進などを先生と一緒にしま
す。
 
これは、試験ですが競争ではありません。
先生のやっていることをよく見て、その通りにできるかどうか、指示行動で
す。
スキップ、ケンケン、ケンパー、グーパーなどは、幼稚園でやっていて得意
だろうと思っていたのですが、そうでもないようです。また、友達とこうい
った遊びをすることも少なくなっているのではないでしょうか。
少子化の影響で近所に同年齢の仲間がいない、また、不幸なことですが、幼
児を取り巻く屋外での環境は、決して安全とはいえず、家での一人遊びが増
えているようですが、やはり、不自然ですね。
 
でも、やってできないことはありません。
ご両親の出番ですね、お子さんも喜びます。
お父さんやお母さんと一緒にやってできるようになっていれば、教室でも簡
単にでき、先生方も他のことに時間を有効に利用できます。巧緻性と同様、
教室や塾にお任せだけでは、効率のよい受験準備はできません。そして、実
際の入学試験で、お父さんやお母さんと一緒にやった運動が出たとき、子ど
も達は間違いなく一所懸命にやります。楽しい思い出が、残っているはずだ
からです。
 
かつて、このようなことがありました。
ボールを使う運動が出題される男子校の受験で、お父さんは海外へ単身赴任
中。通い始めてから3か月ほどたった時、少し太めであったお母さんがスリ
ムになってきたので、お子さんに聞いたところ、毎日のように近所の公園で
ボール遊びをしているとのことでした。見事に合格しましたが、ご挨拶にみ
えた初対面のお父さんが、一番うれしそうでしたね。直接、手を貸せなかっ
たお父さんだけに、気持ちは痛いほどわかりました。その分、お母さんが一
所懸命に代役を果たし、お子さんには楽しかったに違いありません。難しい
問題にもギブアップせず、懸命に挑んできたのは、こういったお母さんの頑
張りがあったからでした。
 
逆に、苦しい思い出しか残っていない場合は、
「先生、これ試験ですか。試験でなかったらやりたくありません」
こうなるのではないでしょうか。
前にも紹介しましたが、説明会で聞いた本当にあった話です。
偏差値の高い小学校でしたから、かなり厳しい受験準備に追われ、子どもの
日常生活のすべてが、受験に結びついていたのでしょう。
話をされた校長先生は、悲しそうにおっしゃっていましたが、帰るとき電車
で一緒になったお母さん方が、
「難しい問題が出るのだから、仕方がないでしょうに!」(この語尾、いや
ですね)
などと、なぜか高い偏差値の話で盛り上がっていました。
「準備に適切でないところがあるのでは、とお母さん方は考えないのでしょ
うか」
といいたくなりましたが、偏差値だけをあげる準備に夢中になっているお母
さん方は、聞く耳を持たないものです。
ご両親が心を一つにして、受験に取り組んでいるとは、とても思えません。
お母さんだけが夢中になっているケースが、多いものです。しかし、子ども
に自身にとって負担になる準備は、やがて、壁にぶつかります。チックの症
状などが出てくるようでは、誰のための受験なのでしょうか。
 
また、運動は知的な能力と関係ないからと無関心な方がいますが、それは間
違いです。
知育、徳育、体育の三つの能力が、年齢にふさわしく、バランスよく育って
いなければ、偏った発育をしがちです。
お薦めしたいのは、縄跳びやボールつきです。
縄跳び、これは全身運動ですから、体重計恐怖症のお母さん方にも効果があ
ります。
ボールつき、これも全身のバランスが必要ですから、贅肉を取り除いてくれ、
心地よい汗は、ストレスの解消にもなります。
サッカーが盛んですから、けるのは上手ですが、つくのは苦手ですね。 
親が見本を示して、一緒に汗を流しましょう。
繰り返しますが、第三者だけに任せるものではありません。試験に出るから
ではなく、これくらいの運動ができないようでは心配です。
 
中には、息切れする子がいますね。
スタミナ不足です。
最近、こういった男の子が増えているようですが、持久力を見るテストもあ
ります。
スタミナ不足は、取り組む意欲にも悪い影響を与えます。
お子さんと一緒に歩いてみましょう。
5分もしない内に、「パパ、おんぶ!」とせがむようでは、お子さんは運動
不足です。
 
「床にかかれた印に従いケンケンパーをしながら進み、乾いた雑巾で敷いてある
マットまで雑巾がけをし、そばに置いてあるかごに雑巾を入れ、箱からドッジボ
ールを取り出し、ラインの前で後向きになり、ボールをつきながら後向きで進み、
ボールを箱にしまい、車輪のついた丸い板に正座し、手でこぎながらジグザグに
かかれた線の通りに、置かれている椅子にぶつからないように進む」
 
かつて、ある名門校で実施された運動テストです。
学校側の出題意図を考えてみましょう。
通学時間に1時間かかる場合、これで息切れするようでは、「無理ではないで
しょうか!」となるのは当然です。
 
ところで、以前、巧緻性のところでお話したことですが、お子さんは筆記用
具をきちんと持って、しっかりとした線を書いていますか? 弱々しく頼り
ない線を引いているようでは、腕の筋肉の発達不足、つまりは運動不足が考
えられます。チェックしてみましょう。
 
[個別で行う運動]
跳び箱、平均台、マットなどを使った運動をいくつか組み合わせて、先生の
模範演技を見てから一人ひとり行うものです。
 
★「先ず、ケンパーで平均台の側まで行き、平均台を渡り、真ん中
 で後向きになって進みます。下りたところの円の中で『止め!』
 といわれるまでボールをつきます。次に跳び箱にのぼり、元気に
 飛び下り、最後にマットの上で芋虫ゴロゴロをしてマットの外に
 出て、得意のポーズをやって終わりです。先生のやるのを、よく
 見ていてください」
 
かなり、きついです。
しかも、しっかりと模範演技を見ていないと、どうにもなりません。
指示の理解と積極的に挑戦する意欲、行動力を見ているのでしょう。
こういったことを、いきなり本番でやるのは無理ですし、「お父さんの出番
です」などといわれても、マットの代用品はありますが、跳び箱、平均台は、
家にないからできないのではと思われがちですが、その心配はありません。
普段から、体を動かし、筋肉に刺激を与えていれば、対応できます。
基礎体力さえついていれば、順応性の高い子どもには、難しいことではあり
ません。
 
ところで、素朴な疑問ですが、途中で忘れてしまったら、どうすればいいの
でしょう。
先生に聞いても、いいのでしょうか。
最初の挑戦者は、こういう心配もありますね。
聞くのはまずいでしょうが、自分で覚えているとおり、堂々とやるべきでし
ょう。
 
また、途中で平均台から落ちてしまった場合、やり直ししてもいいのでしょ
うか。
いいと思いますね。
チャレンジャー精神です。
失敗を恐れる子など、子どもらしくありません。
落ちて泣く子もいるそうです。
なぜ、泣くのでしょうか。
たかだか平均台から、落ちただけではありませんか。
泣くのは、落ちたら駄目、失敗したら減点されることを知っているからでし
ょう。
悲しくなりますね、こういうことで泣き顔をみせるのは……。
小さいときから失敗するのは、悪いことだなどと教え込まれたら、「失敗は
成功のもと」とはいえなくなるではありませんか。
苦手なことが増えるのは、失敗を恐れるからではないでしょうか。
 
平均台から落ちても、
「先生、やりなおしてもいいですか!」
笑っていえる子、絶対に合格すると思います。
信じていますよ、試験監督の先生方!
 
やはり、体を動かすことは、第三者だけに任せっぱなしは、よくないと思い
ます。
ゴルフは年を取ってからでもできますが、幼児期は、二度と戻ってきません。
夏休みは、体力づくりにも考慮してください。頑張りましょう。
スキンシップですよ、お父さん、お母さん。
 
(次回は、「説明会」についてお話ししましょう)
 

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