めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<保護者編>創刊号

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2019さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -創刊号-
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情報教育歳時記 日本の年中行事と昔話
豊かな心を培う賢い子どもの育て方
 
創刊号
 
私は以前勤めていた某大手幼児教室で、毎月1回行われていた公開模擬テスト
の解説
を担当していました。いろいろな問題に強くなるには、各種の過去問を
上手に
利用することを勧めましたが、こと「話の記憶」に関しては、この方法
は通用
しなかったようでした。そこで、昔話や童話をたくさん読んであげ、興
味を持
って聞く姿勢を身につけるようにと考え、そのように話していました。
小学校
の受験で最も大切なのは、「話を聞く姿勢が身についていること」です。
入学試
験のプリントには、答えはイラストなどで描かれていますが、設問は、
どこに
も書かれていませんから、話を聞き取れなければ、どうにもなりません。
 
当時、私は、淑徳幼稚園の課外保育であった「進学教室」を担当しており、そ
こでも昔話をたくさん読んであげ、これが大変効果がありましたので、日本の
四季折々の行事と組み合わせ、カリキュラムを作ってみました。これは、子ど
も達に話を聞く姿勢を作り上げただけではなく、お母さん方にも年中行事の意
味をお話することで、各家庭で楽しむといった効果も表れてきました。
 
指導内容を充実させるために、もう1冊の本、永田 久先生の書かれた「年中
行事を科学する」(日本経済新聞社 刊)を参考にカリキュラムを作っていた最
中に、実にタイミングよく、素晴らしい話を聞くことができ、「間違っていなか
った!」と自信を深めました。その話とは、立教小学校の説明会で伺った田中
司元校長先生の「幼児期にふさわしい教育」でした。少し長くなりますが、そ
の一部を紹介しましょう。メモから再現したものですから、文言は正確ではあ
りません。
 
ゼロ歳から6歳までの幼児期は、人間の一生でいちばん大切な教育が行われる
時です。もっとも大切なのは、「対話」です。子どもの言うことをよく聞き、や
りたいことをしっかりとつかむことです。親がしっかりと聞いてくれ、受け止
めてくれることで、子どもは安心感をもちます。人間にとって安心感ほど大切
なものはありません。「対話の反対は沈黙ではなく、命令と要求」です。家庭内
で対話が成立する、これが育児でいちばん大切だと思います
 
次は、「本の読み聞かせ」です。現代の情報は、映像で入ってきます。映像は視
覚と聴覚を通して、瞬時にわかる反面、頭の中でイメージを作る想像性が欠如
していく気がします。読み聞かせる母親の、話しかける父親の言葉を聞きなが
ら、情景や動物、人間の姿を思い浮かべることが、人間にとっていちばん重要
な能力だと思います。イメージする力を育てることは、文学的な分野と考えら
れがちですが、自然科学的な発想は、少ないデータをもとに発展させ、それぞ
れの世界をイメージしてきたのです。分子や原子は、どんな格好をしているの
か、太陽はどんな姿をし、宇宙はどのようになっているかを見た者はいません。
わずかな情報から、科学者が創ったイメージの世界です。読み聞かせは、子ど
ものイメージする力を育てると共に、子どもの世界を一緒に楽しむ、豊かな時
間でもあるのです。
 
いかがですか。
本メールマガジンは、進学教室での体験をもとに、博識な永田先生が科学的に
解説された年中行事を参考に、田中元校長先生の考えを実現すべく作り上げた
ものです。「対話」と「本の読み聞かせ」は、情操豊かな子を育てます。特に昔
話は、勧善懲悪で、幼い子ども達の心に、正義感を植えつけます。余談ですが、
いじめの起きる原因の一つは、正義感の欠如にあるのではないかと考えていま
す。
 
鍛える教育を実践している暁星小学校の描く理想像は、日本昔話のキャラクタ
ーでもある「気は優しくて力持ち」であり、聖心女子学院初等科では、「心身と
もに強く、心のやさしい子」を掲げています。こういった子ども達は、ご両親
の心がけ次第で育つもので、それが家庭の文化です。年中行事や本の読み聞か
せに挑戦してみませんか。微力ながら応援致します。
               めぇでる教育研究所 所長 藤本紀元

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