めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>名門幼稚園の保育方針 私立幼稚園編(8)

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
         「めぇでる教育研究所」発行
   「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第20
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
 
私立幼稚園編(8)
 
ここで紹介する情報は、私が説明会や過去のホームページから得たものが中心
になっており、説明会、見学会、募集人員に関する情報は、昨年度のものであ
ることをお断りしておきます。本年度の情報は、各園のホームページをご覧く
ださい。(筆者)
 
光塩女子学院幼稚園 
本園は、幼稚園から高等科までの一貫教育校ですが、すべてが同じ敷地内にあ
るのではなく、幼稚園は少し離れた中野駅寄りにある珍しいロケーションにな
っています。
また、在園児数、200名を超える大きな幼稚園で、男の子もいますが、併設
校は女子だけですから女の子が多く、初等科への進学は、内部試験による選考
となっています。
選考にもれた場合は、一般の児童と入学試験を受けることになります。
 
設立母体は、13世紀にスペインを発祥地として、世界各地に広がったカトリ
ック・メルセス宣教修道会です。今世紀に、マドレ・マルガリタ修道女により
宣教会に改められ、以来、今日に至るまで、常に社会の必要にこたえて貢献す
るための活動を続け、日本における教育活動の場として、高円寺に設立された
学園です。
 
【教育目標】 
キリスト教的世界観を土台とした、自己に厳しく他人にやさしい人間を養い、
校名の由来ともなる「世の光、地の塩として社会に貢献できる」人間形成を、
幼児期から培うことを目的としています。
また、自主性に富み、正しい判断力、強い意志力、自己の行為に責任を持ち、
しかも情緒豊かな感謝の心を持ち温かい円満な人間として育つよう、幼稚園と
家庭が一体となって努力しています。
■ 日常生活の中でのけじめ、しつけを心がける。
■ 宗教・祈りを通して敬愛の心、感謝の心を、はぐくむ。
■ 宗教的な視野と自他に対しての理解を深めるため、“愛と奉仕”の実践の
  機会を持つ。
 
光塩女子学院の校名の由来である「あなたたちは世の光である、あなたたちは
地の塩である」については、初等科の教育理念がわかりやすいので紹介しまし
ょう。
 
(中略)人間は惜しみなく自己を他人に開くことができたときに、本当の自分
に成長する真理を私たちの校名に刻みました。すなわち、ろうそくの、自ら燃
えて他を照らし、塩の、自ら溶けて味をつけるように、本物の愛に生かされた、
成熟した女性に育つこと、ここに光塩の理念があります。
 
ろうそくは、己自身を燃やして周りに灯りをともし、塩は、料理など目に見え
ないところで効果を上げ、腐敗を防ぐ、人間の生活に欠くことのできない調味
料であり、防腐剤です。ろうそくや塩のように、他のものを生かしながら、自
らの使命を全うすること、これが本学院の基本的な教育理念です。
 
【保育の特色と内容】
明るく素直に 
生き生きと伸びる 
心豊かにたくましく
キリスト教世界観に基づき、かけがえのない子ども一人ひとりの心身の成長を
大切にします。一人ひとりの成長に必要なものを見つけ、園全体で丁寧で細や
かな保育をめざしています。
 
◇感謝の心、思いやりの心を育てる
集団生活の中で、様々な経験を通し、自分だけでなく他の人を思いやる気持ち
や感謝の心を育てます。
◇伸び伸びと遊べる環境
広い園庭での外遊びの機会を積極的に取り入れ、夏には裸足で水遊びや砂遊び
を思い切り楽しみます。また、年長組では、集団ならではの遊び(鬼ごっこ、
大縄跳び、ドッジボールなど)を経験します。
様々な年齢の友達と交わる縦割りの保育や、男児だけで集まりを楽しむ機会も
取り入れています。男女共学です。
(筆者注: 女子だけではないことを強調しているところが面白いですね)
 
◇ けじめのある生活
一斉保育と自由遊びをバランスよく取り入れ、話を聞くときは聞く、遊ぶとき
は遊ぶ、けじめのある生活を大切にします。
 
◇ 自分から挨拶のできる子ども
すすんで挨拶ができるように、園全体で気持ちの良い挨拶を交わすようにして
います。発達年齢に応じて、良いこと悪いことへの判断力を培い、「ありがと
う」「ごめんなさい」「はい」「いいえ」が言葉と行動で表せるよう家庭と協
力していきます。
 
◇ 専門講師による指導
体操教室、歌唱指導、英語、宗教(神さまのお話)
サッカー教室(課外活動 週1回)など。
 
◇ 預かり保育
1.保育終了~16時迄。 
2.保護者の就労、通院、介護などの理由のある場合は18時迄。
 
普通、遊戯会や運動会などの練習以外は、一斉に何かやる機会は少ないのです
が、自由保育と一斉保育の組み合わせ、いいですね。「何でもありの自由保育」
と誤解すると、入園できません。また、ボランティア活動として、キリスト教
世界観に基づき、世界中の様々な国のためにと、年間を通し、エコキャップ活
動、チャリティ―バザー、島田療育センター(障害者施設)への奉仕活動、子
ども達も、世界中の様々な環境にある人々を考える機会でもあるクリスマス献
金に取り組んでいます。
 
説明会の他に、園庭開放(おひさまキッズ)も行われています。いずれも予約
は不要ですが、上履きと靴を入れる袋が必要です。
また、未就園児を対象とした、2歳児、3歳児クラス「そら組」、満3歳児保
育「ことり組」がありますが、いずれも、詳しくはホームページをご覧くださ
い。
 
【募集人員】
一次 男女児 約120名 (3年保育、2年保育含む)
二次 男女児 若干名(3年保育、2年保育、1年保育含む)
【入園説明会】 (※編集者注 平成27年実施済の前年度の情報です)
5月14日(木) 午前9時30分~1時間程度
6月10日(水) 午前9時30分~1時間程度
9月18日(金) 午前9時30分~1時間程度
2016年2月3日(水) ことり組・そら組 午後13時30分~午後14時10分
  事前予約必要なし 上履きと外靴持参 
  お子様はなるべくお連れにならないでの条件で実施。
【園庭解放】
自由に園内を見学可能。本年度の日程は4月以降のホームページをご覧ください。
【Q&A コーナー】はありません。
 
聖学院幼稚園
小学校の正門から入ると、広い運動場の左側に園舎と緑の木々に囲まれた園庭
が、右側には中学、高校の校舎があり、シンボルでもある時計台が目に入りま
す。平成24年12月に完成した耐震力の優れた新しい園舎は、室内も広く、
明るく、のびのびと遊ぶ子ども達の姿が印象的でした。
聖学院は、幼稚園から大学まで、プロテスタント派のキリスト教に基づく教育
を行う総合学園です。
本園は、1912年(明治45年)、アメリカのディサイプルス派の宣教師、
ミセス・プレースによって中里幼稚園として創立され、1940年(昭和15
年)、女子聖学院付属幼稚園になりましたが、戦争のため1944年(昭和
19年)11月に閉園。
その後、1949年(昭和24年)4月、宣教師、ミセス・ヘンドリックスに
より再開され、1966年(昭和41年)に聖学院幼稚園と改称され、今日ま
で、いつの時代にも変わらず、子どもの人権を尊重した保育を続けています。
 
◇教育方針 
「神を仰ぎ、人に仕える」の精神のもと、子どもたちが謙虚な心で神を礼拝し、
生命の尊さを知り、感謝と奉仕の心を持てるように願っています。
集団の中で、「遊び」と「ことば」を大切に、発育段階に応じた保育を行い、
一人ひとりの個性と能力を伸ばし、元気な子どもになるように心掛けています。
 
「よく遊ぶ よく祈る」
*こころを育てる保育を
*他者を思いやるということ
 
集団の中での「遊び」とは、遊びながら、先生や友達との関わりを持ち、さま
ざまなことを体験させることでしょう。もちろん、自発性を培う一人遊びも必
要ですが、これから始まる集団生活をスムーズに過ごすためには、やはり、自
分でしなければならない基本的な生活習慣を身につけるために、頑張る子に育
てたいものです。
 
集団の中での「ことば」とは、毎日の生活を通して、自分で思ったことや感じ
たことを、自分の言葉で、どのように相手に伝えるか、その表現の仕方でしょ
う。幼児は、ちょっとしたいさかいからでも、たくさんのことを学習していま
す。自分で体験することが、何といっても大切で、そういった保育の方針が伝
わってきます。
 
「よく遊び よく祈る」の「祈る」について、ホームページで園長はこうおっ
しゃっています。
 
「祈るということは、自分のためにするのではありません。
病気やけがで休んでいる子がいたら、子どもたちはその子の回復のために祈り
ます。また災害のニュースを知ったときには、被災された方々のために祈りま
す。もちろん、東日本大震災以降、被災された方々、また愛する者を失うなど、
いまだ悲しみの中にいる方々のための祈りは今も続いています。
子どもたちは他者のために祈ることによって、人を思いやる気持ちが育つので
す」
 
「祈ることによって、人を思いやる気持ちが育つ」、耳の痛い言葉ですね。
「赤いろうそくと人魚」などで親しまれている童話作家、小川未明の作品に、
信仰とは何かを考えさせられる「頭を下げなかった少年」があります。「無心
に祈る」のは、見返りを期待しない幼子にしかできないことで、「自分に都合
よく作りあげた神は大人の幻想に過ぎない」などと、いい加減な解釈で信者の
方から怒られそうですが、一度は読んでおきたい名作の一つです。頭を下げな
かった少年に、神様はいきな計らいをするラストがさわやかです。
 
かつて、ホームページの「先生のことば」の中に、次のようなメッセージが入
っていましたので、その一部を紹介しましょう。
 
「(前略) さて、幼稚園に入り、友達付き合いが始まると、今まで以上に今
日あったことなどを、お母様にお子さんが話される場面が多くなると思います。
そんな時どんなに忙しくても、話がまだるっこくても、是非、ゆっくり聞いて
あげてほしいと思います。
そして、できるだけ、「よくお話しできたわね」などと褒めてあげてほしいと
思います。(中略)私たちは、忙しい毎日の中で(中略)イエス様が言われた
ように、その時にあって最善の行動とは、何かを考えなければならないのだと
思います。
子どもの話をゆっくり聞いてあげる、これもその時の最優先かも知れません」
 
「ママ、あのね!」と子ども達がいったときには、必ず、耳を傾ける、やさし
いお母さんになってあげましょう。
 
なお、2017年度入試の公開保育、体験入園(要予約)、説明会の日程は、
既に発表されています。詳しくはホームページを、「預かり保育」については、
Q&Aコーナーをご覧ください。
 
【募集人員】 3年保育: 約40名  2年保育: 約10名
 
【Q&A コーナー】
Q クリスチャンでないと入園できませんか?
A 入園に際して、クリスチャンであるかどうかは関係ありません。本園がキ
リスト教保育を行っていることを理解していただきたいと思います。
 
毎日短い時間ですが讃美歌を歌いお祈りの時を持ちます。その他「母の日礼拝」
「収穫感謝礼拝」「クリスマス礼拝」などの特別礼拝の他、毎月の誕生日にも
神様にいただいた命に感謝し礼拝を守ります。
(「入園をお考えの方 キリスト教保育について」より))
 
Q 預かり保育はありますか?
A はい、あります。在園児を対象に週4回預かり保育を実施しています。
(有料・3才児は2学期から)
 原則として月・火・木・金の週4回(保育終了~17:00)。
休園日(長期休暇を含む)には実施しておりません。また行事等で実施できな
い場合があります。
 
Q 保育時間について教えてください。
A 月曜から金曜の平日に保育を行います。水曜は午前保育、土曜は原則お休
みです。
  年 少 9:00~13:40 (水 11:20まで)
  年 中 9:00~13:50 (水 11:30まで)
  年 長 9:00~14:00 (水 11:40まで)
※月・火・木・金の週4回(保育終了~17:00まで)預かり保育を実施し
ています。
 
Q 給食はありますか?
A はい、あります。月曜と金曜の週2回です。食育の観点から、安全安心の
食材を使い、栄養バランスにも細心の配慮をしています。
 
Q 制服はありますか?
A 服装は原則自由です。(園帽と体操着は指定) 当園の教育理念である
「よく遊ぶ」に適した動きやすい恰好であれば、清潔で着なれたもの、お気に
入りのものが一番です。画一性よりもお子さんの自発性、個性を大切にしたい
と考えます。
 
Q 職員構成について教えてください。
A 園長・チャプレン・主幹・幼稚園教諭10名
  音楽、英語、ハンドベルの専任教師、警備員、事務職員
 
Q 小学校進学について教えてください。
A 聖学院小学校への推薦制度があります。毎年6~7割程度の園児がこの制
度を利用して進学しています。
   (平成28年3月22日現在のホームページより転載)
 
(次回は、立教女学院短期大学附属幼稚園天使園、川村幼稚園についてお話し
ましょう)
 

過去の記事

全て見る