めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>名門幼稚園の保育方針 私立幼稚園編(9)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2020さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第27号
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私立幼稚園編(9)
 
説明会が始まりました。
ホームページで日程を確認して、できるだけ多くの説明会に参加しましょう。
肌で感じる情報、案外、的を射ている場合が多いのも確かなようです。
 
ここで紹介する情報は、説明会や過去のホームページなどから得たものが中心
になっていますが、川村幼稚園の説明会、見学会、募集人員に関する情報は、
令和元年のものです。
 
立教女学院短期大学附属幼稚園 天使園
廃園になりましたが、どういった幼稚園であったか紹介しておきましょう。
武蔵野の面影を残す井の頭公園の近くの高台に、立教女学院の広大なキャ
ンパスがありますが、天使園は正式には裏門になる坂下門を入ったすぐ左
側の、短期大学の瀟洒(しょうしゃ)な学び舎の中にありました。
 
本園は、1970年(昭和45年)、キリスト教聖公会の精神に基づいて、
幼児の健全な発達を目指した保育を行い、あわせて本短期大学教育・研究
施設としての役割を担っています。一人ひとりの子どものよさを伸ばすた
めに、4歳児組、5歳児組共、合計男女約20名の、少人数による保育を
行っています。よりよい保育の実現のために、幼児教育科の教員が研究活
動を行い、保育運営に関わるなど、本園教諭と連携しています。
 
毎年、このように紹介していたのですが、立教女学院短期大学は、2018年
度以降の学生募集を停止し、2017年度入学生の卒業をもって閉鎖、従って
天使園も、2018年度以降の園児募集を停止し、2017年度入園児が卒園
した2019年3月31日に閉園されました。わずか40名の小さな施設、小
学校の併設園になり、推薦入学できるだけではなく、国立大学附属の幼稚園と
同様、学生が保育に参加する非常にユニークな幼稚園であっただけに、残念で
すね。説明会での温かな雰囲気が忘れられません。2年保育も雙葉、田園調布
雙葉、暁星、学習院など少なくなりました。
私たちの年代では、東洋英和、東京女学館、学習院、立教女学院は、短大の名
門校でした。英和は四年制となりましたが、時の流れを切々と感じますね。残
念ですが、……。
 
説明会の参加者は40名ほどでしたから、「また、今年も来ている、塾の方!」
といった印象持たれていたのではないかと思います(笑)。
自由保育が始まったのは平成4年。それ以前の駆け出しの頃、一斉保育時代に
説明会でうかがった話ですが、「監視や強制ではない保育」という言葉には、
新鮮な響きがあったことを今でも覚えています。文言は正確ではありませんが、
こうおっしゃっていました。
 
幼稚園生活は、毎日が、決して楽しいことばかりではなく、様々
なことが起こりがちで、悔しい思いをする時もあり、そういった
時には自ら友達とのかかわりを考え、工夫し、友達のよいところ
を見つけることができるような環境を作っていきたい。監視や強
制ではなく、子どもが先生を必要とした時、適切な助言ができる
ように心がけています。
 
小学校と同様、制服はありませんでした。推薦入学できるようになっただ
けに、ご近所の女のお子さんをお持ちのお母さん方には、非常に酷な話と
なったようです。
 
川村幼稚園
幼稚園には男の子もいますが、小学校から大学院まで、女子だけの別学で、
宗教色のない総合学園です。
登園時のJR山手線目白駅は、三つの幼稚園、本園と学習院幼稚園、日本
女子大学附属豊明幼稚園の園児たちの姿を見ることができます。おもしろ
いことに、学園内で、もっとも駅から近いのが中学、高校で、体力的に弱
い園児は、短大と中高の校舎の間を歩き、学園本部前を通り、小学校の前
を経て、区立目白児童館の前を通って、やっと到着する一番奥にあります。
大学と大学院は、千葉県の我孫子市にあります。
本学園は、1927年(昭和2年)に開設され、学園の創立者、川村文子
が掲げた「感謝の心」と「女性の自覚」の教育理念が、脈々と受け継がれてい
ます。
 
【教育目標】  
「感謝の心」をもとにして、みんなと仲よく元気よく やさしい心を持て
る子どもになりましょう。
    ○ 豊かな「こころ」  
    ○ のびやかな「からだ」
    ○ 工夫する「あたま」
 
【教育目標達成に向かう取組】
    ◇ 集団のなかで伸びやかに
      感謝の心を大切にした情操教育を基本に、日々の指導にあたっ
      ています。(言葉で理解させる指導は難しいので、成長してか
      ら園での生活を振り返り、納得してもらえればと思っています。
      例えば、順番を守ったり、「貸して」 「どうぞ」ということを集
      団生活の中で自然な流れで導くことにより、子ども達は、生涯
      大切にするべきルール
      を素直に学んでいきます。また、)家庭生活の延長線上にある
      幼稚園を目指し、本人・家庭・園の三位一体の教育を心がけて
      います。
 (  )内は現在のホームページは掲載されていません。
     ◇ はじめの一歩を緩やかに
      親から離れて初めての集団生活を開始する「はじめの一歩」で
      あることを念頭に、ゆっくり、あったかな場を整えます。子
      ども達の心の安定をはかるとともに、個々の発達段階をよく
      見極めた援助をし、元気に一人で活動する力の基礎を作り
      ます。
 
     ◇ 行事を通して健やかに
      日本に伝わる伝統と、その中にある礼儀を体得するとともに、
      季節や自然に気づき、大事に思えるように、より多くの行事
      を取り入れています。また、友達との協力や達成感を味わい、
      その過程で自分の存在や自分を支えてくれる人の存在を知る
      ことで、落ち着きのある豊かな心を持ち合わせた子どもの育
      成を目指します。
 
「感謝する心」といった情操面の教育、礼儀作法や言葉遣いは、幼児期に身に
つくものです。これらは、決して幼稚園の先生方にお任せするものではなく、
ご家庭でご両親が、責任を持ってしつけるものです。
「躾」という字は、「身を美しくする」から成り立っています。また「仕付け」とも
書きますが、これは「服などの縫い目を正しくするために、仕付け糸で縫い、
仮に押さえておくこと」ですが、押さえておくことで、きちんと縫えるわけで
す。この「押さえ」こそ、ご家庭の教育方針であるべきではないでしょうか。
また、「“しつづける”がつまって“しつけ”になった」という解説を本で読ん
だのですが、うっかり題名と著者名を書き損じてしまい、勝手に転用させても
らい著者には申し訳ありませんが、これもわかりやすいですね。
 
その具体的なカリキュラムとして実施されているのが「蓼科修養会」です。
団体生活の訓練と精神教育を目的として、昭和36年から始まり、年長組
が7月に2泊3日の予定で、学園の蓼科山荘で行われていますが、ここに
も3つの柱があります。
   ○豊かな自然に触れ、自然を愛する気持ちを養う。
   ○集団生活を通して、自主的態度を助長する。
   ○規律を守る習慣を身につける。
 
2泊3日、父母のもとを離れて生活する、確実に何かをつかめる三日間となり
ます。これは子ども達だけではなく、子どものいない生活は、ご両親にも素晴
らしい体験になるはずです。かつて、毎年夏に、年長児を対象に2泊3日の合
宿を行っていた経験からわかるのですが、特にお母さん方にとって空白の二日
間は、育児の何たるかを実感させられる、絶好の機会となっているに違いあり
ません。
本園のことではなく一般的な話ですが、夏に行われているお泊り保育などで泣
くのは、男の子が多いそうで、過保護になっていると、こうなりがちです。入
園後は、お泊り保育などでの様子を聞いておきましょう。お子さんを客観的に
見る大切な機会だからです。
 
また、本園の特徴に、「行事を通して健やかに」とありますが、節分や七夕と
いった日本の伝統ある行事が、幼稚園や保育園のイベントとして行われている
傾向にあるだけに、ご家庭でもお子さんと一緒に楽しんでほしいということで
しょう。
園庭には、四季を楽しめる草木や花があり、笹は七夕祭り、薄(すすき)はお
月見に利用しているそうです。都内では薄を見るのも珍しくなっているだけに、
園児が楽しく遊ぶ姿が目に浮かぶようです。かつての車のコマーシャルではあ
りませんが、幼児期は「物より思い出」が大切です。幼児期の楽しい思い出は、
季節折々の年中行事で楽しむことから生まれるのではないでしょうか。
 
預かり保育「にじ組」、満3歳児保育「つくし組」、アフタースクール・セミナ
ーについては、ホームペ-ジをご覧ください。
 
 「教育の三本の柱」と「三本」が掲げられていますが、これも訳ありでした。
学園の「三羽の鶴」の徽章(きしょう)は、三つの玉は川村の川を、鶴は「尊
厳の崇高」「平和と愛の心」「豊かさ」「永遠の向上」を表し、「三」という数字は、
古来、古今東西を通じて基本的な数であるから「三羽」となり、中央で真っ
直ぐ進もうとする鶴が「園児・児童・生徒・学生」で、それを左右から支え
導いている鶴が「保護者・学園・教員」を表し、この三者は学園生活では、
何れも欠くことができない関係を表しているそうです。
 
女子は、小学校へ原則として、全員進学できます。
 
ホームページの「Q&A」のところに、こういったものがありました。
Q 子どもが考査中に泣いてしまったら不合格でしょうか
A たとえ泣いても会場に入っていただければ、泣いている原因とそ
  の状況をみながら判断しています。
 
 「泣いたら不合格になる!」といううわさもありますが、本園は心配ありませ
ん。
幼稚園の受験は、「親のもとを離れても楽しいことがある」を体験しているかが
ポイントになるのですが、それでも受験生は幼児ですから、何が起きるかわか
りません。こういった配慮は、親としてありがたいですね。
 
「幼稚園で遊ぼう」などのイベントや説明会の日程は、既に公表されています。
詳しくはホームページをご覧ください。
  
【募集人数】 3歳児男女  30名  4歳児男女  10名
【説明会】 2019年6月1日(土) 7月14日(日) 9月1日(日)
      10:00より
       要予約
【Q&A コーナー】  Q&A
 
★日常生活について
Q:通園時間に制限はありますか
A:通園時間に制限は特に設けていませんが、通園は保護者の方にお願いし
  ています。東京都内はもちろん埼玉県、千葉県、時には神奈川県から通
  う園児も在籍しています。
 
Q:幼稚園と保護者の連絡はどのようにとっていますか
A:毎日の送迎の中で日々の報告を行っています。また、月1回園だよりを
  発行しています。
  5月と12月、その他必要に応じて保護者会を開き、7月・12月には
  個人面談を行っています。
 
Q:給食はありますか
A:あります。給食の他に、週に一度水曜日をお弁当の日としています。毎
  月のメニューを検  討するため、教職員・管理栄養士による委員会を開
  催し、行事食や旬のものを取り入れ、材料の産地を確認した上でメニュー
  作りをしています。
 
★入園考査について
Q:事前にある保護者面接はどのようなものですか?
A:保護者の方に、ご家庭のことやお子様のことなどを質問しながら、愛情
  豊かに育っているか、また入園後、園とご家庭との協力関係が上手くで
  きるかどうかを推し量るためのものとお考えください。
 
Q:入園考査で行う「心身発育状況・健康面からの総合審査」はどのような
  ものですか?
A:子どもらしい安定した月齢相応の基本的なことができるか、また、集団
  生活に対応できるかどうか、さらに園生活を営む上で、運動機能等に支障
  がないかなどを見ています。
 
Q:早生まれが不利になることはありますか?
A:上記にありますが、一人ひとりの月齢を加味して全体の試験を行ってい
  ます。
 
Q:子どもが面接で泣いてしまったら不合格でしょうか?
A:たとえ泣いても試験会場に入ってさえいただければ、泣いている原因と
  その状況をみながら判断しています。
 
Q:子どもの審査は個人、集団のどちらですか?
A:集団で遊ぶ様子を拝見します。
 
Q:男の子も入園できるのですか?
A:はいできます。しかし、男の子の在籍数は少ないのが現状です。
      (令和元年5月6日現在のホームページより転載したものです)
 
(次回は、桐蔭学院幼稚部、湘南白百合学園幼稚園についてお話しま
しょう)   

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