めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験> 創刊号

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        「めぇでる教育研究所」発行
 さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
            (創刊号)
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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さわやかお受験のススメ <現年中児 今から始める小学校受験> 創刊号
 
ここ数年、私立小学校への受験者は減る傾向にあるようです。
もっとも受験者の多い慶應義塾幼稚舎でも、2015年度(2014年11月
受験)は、男子908名(987名)、女子624名(620名)、
計1,532名(1,607名)で75名減、慶應義塾横浜初等部は、
男子650名(728名)、女子514名(529名)、計1,164名
(1,257名)で93名減、多くの小学校で受験者が減っているのは事実で
しょう。(カッコ内は2013年11月受験者数)
ところが、こういった現象にもかかわらず、私立小学校は増えています。全国
の私立小学校は213校、東京都53校と一番多く、神奈川県31校【日本大
学藤沢小学校 4月に開校】、埼玉県5校、千葉県9校、茨城県7校【開智望
小学校 4月に開校】の105校で、関東1都4県で全体の48%、約5割を
占めています。
 
受験者が減り学校が増えたことから、私学のお受験も楽になったと考える方が
増えていると聞きます。しかし、難関校は相変わらず難関校であり、年中から
2年間かけて慎重に準備しなければ、合格の二文字を得ることは出来ません。
事実、自宅学習を積み重ね、夏休みの講習会から幼児教室に通い、志望校への
合格を目指す保護者も増えているようですが、あと一歩及ばず、「もう少し早
く準備をしておけば……」と後悔する話をよく耳にするようになりました。何
が足りなかったのでしょうか。
 
思い出すのは、バブル経済全盛期に、私立小学校への受験が過熱気味で、一人
で何校も受験するのが当たり前の風潮になり、マスコミが「受験戦争の低年齢
化」と騒ぎ立てた時、あるミッション系の学校説明会で校長先生は、「入試に
必要な礼儀作法や知識を泥縄式に詰め込み、『受験準備、事足れりと』お考え
になるのは、誤りであることに気づいてほしい」とおっしゃったものでした。
小学校の入学試験は、速成は出来ないことを的確に表現した言葉です。「なぜ、
速成出来ないか」、それは私立小学校の望む子どもとは、「知力、徳力、体力
が年齢相応に育った気力のある子」で、試験を通してこれらを判定しているか
らです。
 
知力といえば、知的な能力と早合点される方が多く、勿論、理解力・判断力・
記憶力・推理思考力・観察力・思考力などをテストを通して判定しますが、こ
の知力の中には、幼児独特の成長の証である基本的な生活習慣や手先の巧緻性
なども含まれ、そこから自立心が培われているかもわかるのです。
 
徳力は、社会性や協調性といった集団生活への適応力が身に付いているか、つ
まり自律心が培われているかを判定します。自由保育では一斉に何かをする機
会が少ないせいでしょうか、現代っ子は、試験場でグループを組み、何かに挑
戦することが、どうやら苦手のようです。
 
体力は、持久力や耐久力、行動力、そして機敏性や俊敏性を問われる運動能力
を判定しますが、こういったことは日常生活で鍛えていくものですから、生活
環境がわかるのです。
 
そして、気力とは、耐久力や持続力があり、思いやりの心や譲る心が培われ、
そして明朗で快活な性格であるかをみているわけで、育児が過保護や過干渉で
ないことがわかるのです。
 
試験の方法も変わってきました。
平成4年から幼稚園の保育の方法が、これまでの一斉保育から自由保育になり、
ペーパーを使わない行動観察型の試験が増えてきました。詳しくは本文でお話
ししますが、「一人ひとりの個性を育てる」自由保育の方針が、試験の方法に
影響を与えた結果で、ペーパーテストでは判定出来なかったことが、行動観察
型の試験で可能になったのです。ペーパー試験しかやっていなかった立教小学
校は、今ではペーパーテストをやめ行動観察型に切り替え、男の子達が苦手な
ダンスまで試験に取り入れていますが、学校は何を判定しているか考えてみま
しょう。
 
また、あるミッション系の校長先生は、「人は躾や言葉遣い、挨拶や礼儀作法
を刷り込まれて生まれてくるわけではありませんから、私どもでは、子ども達
が嫌がっても強制的に教えます」とおっしゃっていましたが、そういったこと
がなおざりにされている子はいりませんということです。
 
さらに、自己中な風潮に対し、「訓練されていない個性は野性である」と言い
切った校長先生もいます。
 
こういったことを総合的に判定するのが小学校の入学試験です。集団生活の中
で、お子さんはどうあるべきか、親がしっかりと考え、やさしく、あるいは厳
しくしつける、ご両親の責任において、しっかり育児をしているかをみている
のです。基本的な生活習慣やしつけ、集団生活への適応力は、小学校生活をス
ムーズに過ごすための基礎、基本です。試験を受けるのはお子さんですが、判
定されているのはご両親です。こういったことは、付け焼刃では身につきませ
んから、速成は絶対に不可能なのです。
 
「ゆっくり、じっくり、的確に進めていく」、これが小学校受験のキーポイン
トです。年中の7月から10月にかけて、ご家庭でしっかりとやるべきことが
たくさんあり、この4カ月の地道な努力が、知力アップにもつながり、合格へ
の道を確実に歩めるのです。
 
来年の秋、希望する小学校から招待状を頂けるように、お役に立つ情報をお届
けいたします。頑張りましょう! 応援します。
 
 
平成27年7月
めぇでる教育研究所  所長 藤本 紀元
 

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