めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>学校説明会で確かな情報を (3)

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第47号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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学校説明会で確かな情報を (3)
★紹介したい説明会でのエピソード(2) 
 
[入試情報]
早稲田実業学校初等部説明会
 日 時 2016年5月29日(日)
 第1回目 10:00~11:30
 第2回目 13:00~14:30
 ※1回目も2回目も内容は同じ。
 場 所 早稲田大学 大隈講堂
   最寄り駅 ・東京メトロ東西線 早稲田駅 下車 5分
        ・JR山手線 高田馬場より都営バス「早大正門」行き
          「早大正門」下車 徒歩1分
 予約不要 上履き不要
 
カトリック学校フェア 2016
 日 時 2016年6月5日(日) 9:30~15:00
 場 所 聖心女子大学 1号館、3号館 マリアンホール
     ・東京メトロ日比谷線 広尾駅 
     (2番 天現寺橋 聖心女子大学方面 出口 下車約3分)
     ・JR渋谷駅東口 または恵比寿駅より都バス
    「日赤医療センター前」行 終点「日赤医療センター前」下車約3分 
(注)場所は白金にある聖心女子学院(初等科 中・高等科)ではなく、広尾に
   ある大学です。
 「来場の際の注意とお願い」など詳しくは、ホームページをご覧ください。
 
平成24年の49回目のメルマガでは、「説明会速報 立教小学校(6月9日)」
を紹介していましたが、これこそ「こんなことがあったんだな」とエピソード
の一つになってほしいものです。
 
震災に対していろいろと対応を考えている。
校舎は古いが理論上は震度7に耐えられる建物、震度5以上の予知情報が校内
に流れるようになっている。
乾パン二千食、水や毛布の備蓄もあり、グランドの奥にある水車小屋の下には
井戸があり水は豊富。立教大学が通勤難民四千人あまりを収容、乾パンを配り、
学生食堂では炊き出しをした。池袋周辺にいれば安全を確保できるので心配い
ただくことはない。現在、停電になっても発信できる緊急メールを準備してい
る。
大学院には放射線物理学科の専門の先生がいて、給食の食材、水道水の放射能
値を測定するなど、学院の組織的なバックアップもあるので安心できる体制に
ある。
(緊急メールは、現在完備されている)
 
さて、説明会へお子さんを連れてこないでほしいと明言している学校もありま
すが、そういった条件がある場合は別として、お子さんを会場へ連れていかな
ければならない事情のある方もいます。1時間から2時間ほどかかる学校もあ
りますから、子どもは退屈します。
 
ある年の説明会の会場で、後ろの所に子ども達が遊べるような空間があったの
です。そこで、子どもが走り回りはじめました。うるさいのですが、親が注意
をしません。
見かねた校長さんが、
「元気な子と不作法な子は違います」
とおっしゃったのですが、それでも注意する親が現われません。学校の教育方
針と違うことをやっていることに気づかないのでしょうか。もっとも、出るに
出られなくなってしまったのかも知れません。
 
これは、その逆の話ですが、赤ちゃんを胸に抱いたお母さんが、会場の外の廊
下で立ったまま話を聞いていました。恥ずかしい話ですが、「遅刻しないよう
に」などとおこがましくもアドバイスしている私自身が、渋滞に巻き込まれ5
分ばかり遅刻したことで、偶然、この光景に出会ったのでした。先生との話の
様子から、会場へ入るようにすすめられても、辞退しているようでした。終っ
て廊下に出た時、何と同じ所にお母さんはいるではありませんか。約1時間半、
大変だったと思います。この学校の教育方針は、「心身ともに強く、心のやさ
しい子」の育成です。お母さんは、出身者ではなかったでしょうか。
 
この話も、機会があれば、必ず、紹介することにしています。
 
育児ないないづくし 
 暖房きかせて寒さがない        冷房きかせて暑さがない  
 おやつが過ぎて空腹がない       歩かせないので疲れがない 
 おもちゃのやり過ぎで興味がない    テレビの見過ぎで考えない 
 何でもホイホイ我慢がない       点数以外に関心がない   
 わかっているけど行わない       これではまともに育たない 
 
育児を「育自」と置き換えて、育児を通して育自するお母さんを求めます。
 
こうおっしゃっていました。
育自は誤植ではありません、自らを育てることです。「育児を通して育自する
お母さんになりましょう」と何やら偉そうに私は言っていますが、種を明かせ
ば、その根拠はここにあるのです。
 
次の話は、あるミッション系の学校でうかがった話です。
母親の学歴が高くなる一方で、育児が下手になっているといわれています。核
家族化、少子化の進む環境のもとでの育児ですから、決して母親だけの責任で
はありません。しかし、バブル経済全盛期の頃に聞いた話ですから、考えさせ
られてしまいます。子どもを取り巻く環境は、あまり変わっていないどころか、
むしろ悪くなっていると思われるからです。
文言は正確ではありませんが、以下のような話でした。
 
現代の価値観は多様化したとはいえ、世界各国のシスターから、日本人といえ
ば、商売に道徳は無用とばかりに、自己の利益だけを求めるイメージが強くな
るばかりと聞かされています。その歪みを正すのが教育に携わる私たちの使命
です。教育が、こうまで荒廃した原因は、あまりにも豊かになり過ぎ、お金が
評価の基準になって、そこには精神的な絆がないからです。教育の危機は、心
を大切にしないことから発しています。
 学卒のママが多くなる一方で、いたわり合う心、思いやりの心を持った子が
少なくなっているのはなぜでしょう。それは、心を育てるより知識を与えるこ
とに夢中になっているからです。無理に知識を詰め込もうとすると過干渉にな
りがちで、素直な感情を押さえつけ、その結果、子どもの心は屈折してしまう
のです。
 
30年前になりますが、すでに過保護、過干渉な育児の弊害を指摘しています。
これは小学校受験だけではなく、早期教育や稽古事にもいえるのではないでし
ょうか。子どもが、あることを学習するために、ふさわしい成長をしていない
状態で、いろいろなことを詰め込むのは、幼児に適した教育とはいえません。
 
では、幼児期にふさわしい教育とは、立教小学校の田中司元校長の話を紹介し
ましょう。
田中先生は、平成17年に諸橋先生と交代されましたが、「本の読み聞かせ」
は、想像力を培う大切な方法と考え、授業に取り入れていた私に、大きな自信
を与えてくれた貴重なお話でした。
 
0歳から6歳までの幼児期は、人間の一生でいちばん大切な時期です。最も大
切なのは、対話です。子どものいうことをよく聞き、やりたいことをしっかり
とつかむことです。親がしっかりと聞いてくれ、受けとめてくれることで、子
どもは安心感を持ちます。人間にとって安心感ほど大切なものはありません。
対話の反対は沈黙ではなく、命令と要求です。家庭内で対話が成立する、これ
が育児でいちばん大切だと思います。
 
次は、本の読み聞かせです。現代の情報は映像で入ってきます。
映像は視覚と聴覚を通して、瞬時にわかる反面、頭の中でイメージを作る想像
性が欠如していく気がします。読み聞かせる母親の、話しかける父親の言葉を
聞きながら情景や動物、人間の姿を思い浮べることが、人間にとっていちばん
重要な能力だと思います。イメージする力を育てることは、文学的な分野と考
えがちですが、自然科学的な発想は、少ないデータをもとに発展させ、それぞ
れの世界をイメージすることでできたわけです。分子や原子は、どんな格好を
しているか、太陽はどんな姿をし、宇宙はどのようになっているか見た者はい
ません。わずかな情報から科学者が創ったイメージの世界です。読み聞かせは、
子どものイメージする力を育てるとともに、子どもの世界を一緒に楽しむ豊か
な時間でもあるのです。
 
3番目は、ご家庭の中に自然を楽しむ文化をもってほしいのです。神様が創っ
た自然の美しさ、素晴らしさにかなうものを、人間は作っていないと思います。
気をつけないと、人間が作ったものだけに囲まれて生活することが可能な時代
になりました。土を踏んだことのない子もいます。土、石、葉っぱ、虫、砂と
いった地球を作っていく素材を、子どもが肌で感じることが大切です。休日に、
森や海岸、川原や野原へ、弁当とシートを持って出かけ、自然って美しいな、
風って気持ちがいいぞ、葉っぱはきれいだ、石ころにはいろんな形があって面
白いな、何もプログラムを作らずに、ゆったりと、そこにいるだけで素晴らし
い、そういう自然の楽しみ方、それは非常に高い文化ではないかと思います。
 
対話、読み聞かせ、自然を楽しむ文化、考えさせられることばかりですが、お
母さん方は、「対話と読み聞かせ」については、ついこの間までキチンと実行
していました。
お子さんの赤ちゃん時代です。
何もわからない乳飲み子に、一所懸命、話しかけませんでしたか。赤ちゃん言
葉を懸命に理解しようとしませんでしたか。こういった姿は、無償のほほ笑み
と共に、この世で最も美しい姿といわれています。        
ところが、受験準備に夢中になりすぎると、「命令と要求」の日々になりがち
です。でも今は、大丈夫なのです。心配なのは、夏休み以降です。
 
ちなみに、田中元校長が就任した年から、立教小学校はペーパーテストを廃止
しました。
昨年も男の子の多くが苦手とする、音楽に合わせて体を動かすテストがあり、
思わず笑ってしまいましたね。照れ屋で気が弱く繊細な神経の子が多いからで
す。運動会で楽しくダンスをしているのは女の子ではないでしょうか。お父さ
ん方も何やら照れくさそうに踊っていますね(笑)。
昨年の説明会では、田代教頭が脳科学者の話を例に、18歳を超えると脳の成
長の差はなくなり、それまでは女子の成長が速いので、小中高が別学で、大学
は共学が理想的な教育環境、「手前みそながら」と自慢されていましたが、な
るほどと納得できました。別学が禁止されていたアメリカでは、2006年に
法が改正され、公立の学校でも別学を選択できるようになったそうです。
 
最後に、平成9年6月に、白百合学園幼稚園が、創立以来、初めて説明会を開
催したときにうかがった話を紹介しましょう。幼稚園を受験されるお母さん方
への話ですが、小学校の受験も、基本的には同じことだからです。
 
あいにくの雨の中、熱心なお母さん方が、およそ500名、幼稚園のプレイル
ームは、立錐の余地なしといった状態でした。(第2回目以降は、学園内の講
堂で行われていますから、園舎に入るという貴重な経験をしました!) 校訓
である三訓、「従順、勤勉、愛徳」の説明、モンテッソーリ教育の目的、敏感
期、縦割り保育のメリットを話された後に、幼稚園側が望む子ども像について、
次のように話されたのでした。
 
私どもの希望しておりますのは、小さいときから、入園テストですとか、面接
テストを受け訓練された子ではなく、むしろ日常の生活の中で、特に、お父さ
ま、お母さまの、生きたお手本の中で育てられたお子さま方、それから年齢相
応に基本的な生活習慣が、これは、まだ、完全にできませんから、ある程度、
身についているお子さま、明るく、素直で、いきいきしたお子さま、そういう
子ども達を期待しております。
 
いかがですか。
「お父さま、お母さまの生きたお手本の中で育てられたお子さま方」云々は、
幼稚園、小学校の受験は、まだ、中間報告ですが、お子さんを通して、ご両親
の育児の集大成を判定しているということです。
 
ところで、小学校の受験は、「はじめにご両親の育児の方針ありき」とお話し
ましたが、その根拠となっている話を紹介しましょう。残念ながら、今では手
に入りませんが、慶應義塾幼稚舎が願書に同封していた小冊子「第一学年入学
志願者心得 入学受験について」に書いてあったことです。
 
甚だ当たり前のことであるが、子供は手塩にかけて育てるものである。
「両親が手塩にかけて、心を尽くして育ててきた我が子を、受け取らない学校
があるなら、行かなくても一向に差し支えない」
というように考えられないものであろうか
 
学校説明会は、建学の精神や教育理念を話すだけではなく、こういった育児に
ついての話があることから、小学校の受験は、ご両親の育児の姿勢が問われて
いることが、おわかりいただけたと思います。問題集だけを頼りにし、机の上
だけで受験準備はできません。子どもは、ご両親の作った環境で育っていきま
す。基本的な生活習慣やあいさつ、言葉遣い、運動能力といったものは、ご家
庭できちんとやっていかなければ、幼児教室や塾などで、受験に必要なノウハ
ウの指導を受けても身につかないでしょう。
 
だらだらと食事をし、衣服の着脱ができないようでは、暁星小学校のような俊
敏性を求めるテストに対応できません。
 
すぐ疲れておんぶをせがむようでは、筑波小学校のような熊歩き(四足歩き)
をやれといってもできないでしょう。
 
自立心や意欲が培われていないと、かつての白百合学園小学校のように立った
ままで試験を受けることも難しいのではないでしょうか。
 
過保護になっていれば、話を理解し、素早く、積極的に取り組まなければなら
ない幼稚舎のような、行動観察型の試験をクリアできるとは考えにくいことで
す。
 
学校側が試験を通して知りたいのは、「知育、徳育、体育の三つの能力が、就
学前の子どもにふさわしく、バランスよく培われているか」であり、知的な能
力だけを判定しているのではありません。こういった能力を育み、意欲のある
子に育てるのはご両親であり、試験を受けるのはお子さん自身ですが、判定さ
れているのはご両親であることを、納得いただけたのではないでしょうか。
 
数々のエピソードは、以前にもお話ししました「心を鍛える賢い子どもの育て
方」や「おとうさん、おかあさんの受験対策 全26巻」(私のお勧めは慶應
義塾幼稚舎編)の一部を紹介したもので、説明会へ参加する前にお読み頂き、
万全の態勢で秋に向かってほしいと願っています。詳しくはめぇでる教育研究
所のホームページ、「出版物・問題集のご案内」をご覧ください。
 
北海道では夏日、沖縄より暑い日が続いているようですが、夏日になったり4
月中旬の陽気に戻るなど、梅雨入り前の不安定な天候が続いています。健康管
理には十分、注意してあげましょう。
(次回は、「よくある質問」についてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

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