めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>願書の書き方

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第58号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★願書の書き方★★
 
志望校も決まれば、願書の記入となります。
 
願書は、ご両親の考え方や性格など、いろいろなことが浮かび上がってくるも
のです。
面接される先生方は、この願書を読まれて面接に臨むわけですから、いってみ
れば、学校側が知ることのできる唯一の情報であり、書き方によっては、それ
が決め手となりかねません。
志望理由やご家庭の教育方針、お子さんの性格や育児の留意点、職業、通学経
路など、記入されたデータをもとに質問が始まるわけですから、親としての責
任は、限りなく重いものです。
 
簡潔で、的を射た表現から、面接は和やかな雰囲気で進み、お互いのコミュニ
ケーションが成り立ちます。
逆に、要領を得ない、冗漫な表現では、悪い印象を与えかねません。
 
ほとんどの願書には、「楷書で丁寧に記入し、使用する筆記用具は黒の万年筆
かボールペン」と注意を促しています。
達筆な草書で書かれた願書は、注意を無視することになり、見た目はきれいで
あっても、簡単に読み切れませんから、何百通の願書を読む立場になれば、こ
れほど思いやりの欠けた願書もないでしょう。
また、記入欄いっぱいに小さな字で書き込むのもどうでしょうか。
もし、あなた自身が面接を担当する先生の立場でしたら、どういった願書を歓
迎するでしょうか。
やはり、一点一画を丁寧に、読みやすく書くことが大切だと思います。
 
また、書き慣れているからと、サインペンを使用することは避けましょう。
サインペンは水に弱く、にじんで願書を汚したり、字、そのものが消えたりし
がちだからです。
 
●願書記入に関しての留意点
 
・氏名で齋(斎、斉)、澤(沢)、邊(辺)、壽(寿)など、普段、略字で書
 き慣れている方は注意しましょう。
 氏名の「ふりがな」は、ひらがなで書かれている場合は「ひらがな」で、カ
 タカナの場合は「カタカナ」で記入します。
 
・現住所は、住民登録票に記載されている通りに記入します。
 やりがちなミスは、
 〔東京都新宿区○○町4ー5ー6 メゾン△△△△ ××号〕
 といった住所の記入です。
 住民登録票には、以下のように表記されているはずです。
 〔東京都新宿区○○町4丁目5番地6号 メゾン△△△△ ××号〕
 
・職業は、簡潔に記入しますが、説明をしなければわからない場合もあります。
 記入欄は限られていますから、面接の折りに質問を受けることを考え、わか
 りやすく説明できるようにしておきましょう。
 自営業の方は、年収や従業員数等を尋ねられたケースもありましたから、ま
 とめておきましょう。
 私学はご家庭の経済力に依存しており、経済的な基盤が安定しているかを確
 認していると考え、的確に応じることが大切です。
 
 職業を持っている母親は不利といわれているので、書くことを躊躇されるお
 母さん方がいると聞きますが、これも噂の一つです。
 入学後の送迎や、緊急時のお迎え、学校の行事や参観など、きちんと出席し、
 協力できれば問 題はありません。
 緊急時のお迎えについては、東日本大震災以後、速やかに対応できることも
 求められています。
 学校側に不安を与える条件がなければ、専業主婦より、苦労をするわけです
 から、もっと自信を持ってください。
 
・通学方法、所要時間は、電車の場合は、各駅停車を利用した時間を、乗り換
 えがある場合は、それに要する時間、自宅から最寄りの駅、駅から学校まで
 といった歩く時間は、子どもの足でかかる時間を記入します。
 駅から学校までの時間は、学校側から○○分と指定している場合もあります
 ので、読み落とさないように注意しましょう。
 
 通学時間は、多くの場合、ラッシュアワーを避けるようにはなっていますが、
 地域によっては、その時間帯になることもありますし、バスの場合は渋滞な
 どから、時間がかかることもあります。
 正確な時間を知るためにも、登校時間に合わせて出かけ、所要時間を把握し
 ておきましょう。
 乗り換えがある場合、特に、地下鉄などは、迷路のような所もありますから、
 注意が必要です。
 私は青山学院初等部、東京女学館小学校、聖心女子学院初等科へ行く時に、
 副都心線を利用しますが、渋谷駅で、いつもうろうろしてしまいます。
 上記の学校の他に、幼稚舎、立教女学院小学校(制服がないので推定?)、
 昭和女子大附属小学校の生徒達の姿を見かけますが、みんな何の苦もなく乗
 り換えています、当たり前の話ですが(笑)。
 
・写真は、カラーでも白黒でも可、写真屋さんで撮らなくてもスナップ写真で
 も可、といっている学校もあります。
 制限があるとすれば、3ヵ月以内に撮影されたもので、本人と確認できるも
 のです。
 「○○写真館ご用達の写真でなければ合格しない」は、単なる噂ですが、気
 になさる方は、ご利用ください。
 メールマガジンで「噂といっていたから撮らなかったので不合格になった」
 などと、あとでいわれても困りますから・・・、冗談ですが。
 
・性格、長所、短所ですが、正直に書きましょう。
 子どもは、演技できませんから、試験場のどこかで、あらわれるものです。
 短所の表現には、十分に気をつけてください。
 「気が短くて飽きやすい」などと書かれる方はいないと思いますが、これで
 は、保護者として失格でしょう。
 「だれが、そのように育てたのか」と思われるだけです。
 親の愛情の伝わる表現の仕方があるものです。
 短所は、育児でうまくいかなかったところが表われているといえますし、遺
 伝もあると考えられますから、お子さんだけの責任ではありません。
 
・ミッション系の学校の願書には、宗教について書く欄があります。
 そこへ「無し」「無宗教」などと書かれる方がいますが、これはどうでしょ
 うか。
 日本人であればどこかの宗派に属しているはずですから明記しましょう。
 「仏教だと不利」は、噂にすぎません。
 
・誤字や略字に注意が必要です。
 働(仂)、卒(卆)、言(云)、その他 問、職、点、第など。
 
願書の記入上の注意に関しては、9月から始まる説明会でもやっていますし、学
習院初等科、青山学院初等部では、記入例を細かく記した資料も同封されていま
す。
それでも、印鑑の押し忘れや、記入漏れなどがあると注意を促していますから、
記入例や注意書きにしたがって、慎重に書くべきです。
 
書き損じた場合は、修正液を使用してもよいという学校もありますが、やはり、
願書は「お願いの書」ですから避けるべきで、そのためにも何部かコピーを取り、
下書きをすべきでしょう。昨年、白百合学園小学校の説明会では、願書だけ別売
していましたが、私の見落としかもしれませんが、今年はありませんでした。
 
また、慶應義塾幼稚舎や早稲田実業学校初等部などの願書のように、志望理由な
どを書く欄に線の引いてあるものは書きやすいものですが、雙葉小学校や白百合
学園小学校、日本女子大学附属豊明小学校の面接書類のように、白紙で線がなく、
書く欄も広い場合は、あらかじめ鉛筆で薄く線を引き、万年筆かボールペンで記
入した後、完全にインクが乾いてから消しゴムで線を消せば、字も揃い、読みや
すくなります。
なお、願書に関する情報は、平成27年度(平成26年11月受験)のものであ
ることをお断りしておきます。
 
最後に、「主人は字が下手なものですから、私が書いた方がよいでしょうか」と
いった質問をよく受けますが、一点一画、丁寧に書けば、決して読みづらい願書
にはならないと思います。
また、「主人が書かなければ合格しない」ともいわれているようですが、これも
おかしな話で、どうやら、願書の最後のところなどに、「記入者」と書かれてい
るところから、こういった噂が流れているようです。
 
「字が下手」「主人が書く」などは、どうでもよいとはいいませんが、一点一画、
丁寧に書かれ、志望理由などが要領を得たものであれば、それで十分ではないで
しょうか。
「形を繕うより心」です。
わが子のために心から、その学校への入学を希望されているならば、そこには、
自ずとご両親の心意気が表われているはずです。
 
 「願書は、ご家庭の顔」といわれる理由は、ここにあるのです。
 
盛夏、お元気にお過ごしでしょうか。盆休み、一息入れましょう。
     (次回は、「面接について」お話ししましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

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