めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>創刊号

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2018さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            創刊
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テレビどころか、国会まで登場して話題になった「保育園落ちた日本死ね」、
実情は異なりますが、私立の附属幼稚園の入園も、非常に難しい時代がありま
した。バブル経済の崩壊が始まった平成元年前の頃ですが、「何はともあれ、
幼稚園から高校、大学まで進める一貫教育制度のある私学へ」と、私学志向ブ
ームとなり、その結果、「おむつをつけた子が受験勉強を」とマスコミが非難
し、いわゆる「受験戦争の低年齢化」が指摘されたものでした。当時の幼稚園
は、三種の神器といわれた「送迎バス、給食、長時間保育」がもてはやされて
いましたが、今はどうなっているでしょうか。
 
親子で入園準備を気軽に体験できる2、3才児を対象にした未就園児クラスを
設け、入園後も給食、長時間保育を行い、課外保育も英語から各種のスポーツ
などを実施、共稼ぎの家庭を応援する預かり保育も充実してきたようです。
また、桐蔭学園幼稚部の特色でもある「文字、数を使った幼小一貫指導」を始
め、一貫教育制度ならではの保育の充実を目指す幼稚園もあります。
 
ところが、雙葉小学校附属幼稚園や暁星幼稚園など附属の幼稚園の多くは、先
に紹介した三種の神器はないばかりか、入園が困難なことは、昔から変らない
ようです。狭き門をくぐるために、かなり難しい準備をしなければならないな
どと噂があるようですが、果たしてそうでしょうか。バブル経済全盛期の頃、
過熱気味の入園試験に関して、痛烈に非難した幼稚園があります。仙川にある
桐朋幼稚園で、年間雑誌「桐朋教育」に、このような記事が掲載されたことが
ありました。
 
好奇心旺盛で、年齢相応の 無邪気さがある子
「幼稚園入試のための塾も盛んだと聞くが、そこでの学習が「ハイ、よくでき
ました」「まだ、ダメですね」的な評価が伴うものばかりだとすれば、そこで
の体験は「できる子・知っている子はイイ子」とか「できない子・知らない子
はダメな子」という観念を植えつけてしまう。そのような観念を持った子ども
は、「できたかどうか」ばかりが気になって、自分なりに判断して行動する姿
勢がなくなる。このことは大いに問題があると私たちは考えている。(中略)
選考に当って、子どもを見るのではなく親の育児の仕方をみているといえるか
もしれない。実際、「年齢相応の無邪気さがある子どもであることが大事」と
考えるものにとって、過保護・過干渉・教育要求の過剰などは、親にとって都
合の「イイ子ちゃん」を作るとは考えられても、好奇心旺盛な「年齢相応な子」
を育てるとは考えにくい」
 
ご両親が、偏差値教育を受けてこられて影響もあるかもしれませんが、倍率の
高いことを気にしているようでは、こういった準備に手を染めてしまうお母さ
ん方も、また、増えているのではないでしょうか。狭き門であるとはいえ、こ
ういった準備を歓迎している幼稚園はありません。
 
では、どういった子を求めているのでしょうか。白百合学園幼稚園は、平成9
年に、開設以来、初めて入園説明会を行ないましたが、当時の清水園長は、こ
うおっしゃっていました。
 
「私どもが希望しておりますのは、小さい時から、入園テストとか、面接を受
けて訓練されることではなく、むしろ日常の生活の中で、特に、お父さま、お
母さま方の、生きたお手本の中で育てられたお子さま方、そして、年齢相応に
基本的な生活習慣が、これは完全にできませんから、ある程度身についている
お子さま、明るく、素直で、生き生きとしているお子さま、そういった子ども
達を希望しております」
 
「お父さま、お母さま方の、生きたお手本の中で育てられたお子さま」とおっ
しゃっていましたが、育児とは、この文言が全てではないでしょうか。すると、
先に紹介した桐朋幼稚園の、「選考に当って、子どもを見るのではなく親の育
児の仕方をみているといえるかもしれない」が、幼稚園受験のポイントである
ことも、ご理解頂けると思います。
 
わたし流に言えば、「2、3歳児にふさわしい、知育・徳育・体育の3つの能
力を、バランスよく育てること」です。幼稚園側が重視しているのは、「健康
な体と心、情操の安定した子」で、子ども達は、そういった育児が必要な時期
にさしかかっています。2歳から4歳の幼児に、何が必要なのでしょうか。
 
何やら響きの重い言葉が並びましたが、決して難しい育児を志すわけではあり
ません。「過保護・過干渉・教育要求の過剰」にならないように心がけ、ご両
親の考えにふさわしい保育を実践する幼稚園を選ぶことが大切で、合格のポイ
ントは、ここにあるからです。そのためにも少し遠回りになりますが、お子さ
んの赤ちゃん時代からの育児を振り返り、今何をすべきかをご一緒に考え、そ
して名門の幼稚園の保育について、説明会で伺った話などを紹介し、幼稚園選
びの参考にして頂きたいと思います。
育児しながらの受験、大変なことにチャレンジする皆さん方へ、微力ながらお
手伝いをさせて頂きます。
 
 平成28年11月
  めぇでる教育研究所
  所長 藤本 紀元
 

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