めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>学校説明会で確かな情報を(2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
2020さわやかお受験のススメ小学校受験編
            第45
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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学校説明会で確かな情報を (2)
 
★紹介したい説明会でのエピソード(1) 
 
★説明会情報
 暁星小学校
  令和元年9月7日(土)9時30~  於 暁星学園講堂
  Webでの事前申込制(申込開始は5月中旬を予定)
  校舎見学あり、スリッパ持参。お子さん同伴不可。
  前年度まで四谷の上智大学で行われていましたが、今年は学園内での開催。
 
説明会が始まりました。
明日18日(土)は、学習院の学校説明会が四谷の初等科で行われます。体育
館へ渡る廊下は道路の下を貫通させたものですから、かなりの勾配になってお
り、しかも狭いため、「おさない・かけない・しゃべらない・もどらない」と混
乱をさけるために4つの約束の語頭をつなげた「おかしもの約束」の標語が掲
げられています。これは阪神・淡路大震災以後、消防庁による教育安全指導の
ガイドラインに紹介されたことから、防災教育の標語として全国に普及したも
ので、当初は「おはし(おかし)」(「は」は走らない)だったが、津波による避
難の原則でもある「戻らない」が追加されたそうです。
(synodos.jp/fukkou/10522 より))
かつて早稲田実業学校初等部のホームページにも「「おかしもの約束を守り、警
察署、消防署の協力のもとに、子ども達が安全に避難できるように指導してい
る」と出ていました。
沖縄のとよみ小学校では「おかしもちの約束」があり、「ち」は「近づかない」
だそうですが、海に囲まれているだけに切実な思いが伝わってきます。
自然災害だけは、何とか穏便に願いたいものですが、同時に、その時はどうす
ればよいか、子ども自身でできることは、普段からきちんと教えておく、これ
も親の大切な仕事です。
 
ところで、立教女学院短期大学は2018年度以降の募集を停止し、2017
年度入学生の卒業とともに閉鎖。附属幼稚園天使園も2019年3月31日閉
園されましたが、小学校への推薦入学が決まり、わずか20名の募集に希望者
が殺到していたのではないでしょうか。ネットの情報では、少子化の影響で短
大を希望する生徒が減ったからと出ていましたが、私達の世代では、学習院、
青山(2019年以降の募集を停止)、東洋英和、東京女学館、立教女学院は短
大の名門で、英和は四年制大学になりましたが、時代の流れでしょうか、寂し
いですね。
 
さて、今回からエピソードについてお話しますが、何と言っても四ツ谷の雙葉
小学校の説明会ですね。
開催されたのは、昭和61年9月のことでした。
やめていた説明会を再開した理由は、妙なうわさを学校側が否定することにあ
ったのです。
以来、平成元年まで続け、その後、実施していませんでしたが、同18年から
再開され、今年は7月19日(金)・20日(土)に行われます。
再開された時のことですが、「何か不祥事があったのでは!」と危惧していたの
ですが、大勢の人々を収容する施設がなかったのが直接の理由で、新しく講堂
ができたために再開したとのことでした。
うわさといったものが、どういうものであるかを明白にしてくれた説明会でし
たから、当時のメモを紹介しましょう。
 
    雙葉小学校説明会
    日 時 昭和61年9月26日(金)
    場 所 小学校ホール 5階 参加者 約500名
 
およそ10年ぶりに再開された説明会でもあり、5階のホールは超満員で熱気
にあふれていました。
 
入学定員に対して多数の応募者があるため、心ならずもテストを行っている事
情を説明され、テストに関しては、特別に勉強しなくてもできる問題を作って
おり、総合的に判断して知能点だけではなく、「子どもらしく、一所懸命に頑張
る意欲のあるお子さん、コツコツ努力をするお子さん」を求めており、内向的
な性格でも頑張るお子さんであれば歓迎すると、雙葉小学校の求める子ども像
について、具体的に話されました。
 
ついで、悪質なうわさが広まっていることに関しては、雙葉学園はミッション
系の学校であり、キリストの精神に反するような不正入学が許されるわけがな
いと明言された後に、
 
 1 受験と宗教は別問題で、僧侶の娘さんも入学していること。
 2 学校関係者の紹介がないと不利とは、単なるうわさ。紹介者を通して
   面会することはあるが、それが考査に有利になることはない。
 3 お金を積むと入れるという裏口入学は、これもまったくの嘘。正規の
   お金(考査料)以外は、一銭も受け取らない。合格を発表する前に、
   考査料以外、頂くことはない。
    
この三点について強調され、つまらぬうわさに惑わされないようにとの注意が
ありました。
 
また、大学への進学率が高いことから、小学校の時に入れておけばと考える方
が多いのですが、授業に関して特別なカリキュラムはなく、たまたま、そのよ
うな結果が出ているだけですから、進学校とお考えにならないでくださいと述
べられました。
(この件については、毎年、説明会で力説されていますし、入学されたお母さ
ん方も「のんびりとした学校です」とおっしゃっています)
 
なお、登校時間は、年間を通して午前8時15分、四ツ谷駅のラッシュアワー
は8時からで、その時間に通学できるかどうか、慎重に考えてくださいとのこ
とでした。
 
裏口入学を策したお母さんが不合格になり、「どうなっているのか!」と、直接、
学校へ電話をしたことから事件が発覚し、驚いた学校側が事実無根と否定する
ための説明会でもあったのです。
 
当時のうわさとして、
「どこそこの神父さんの紹介状がなければダメ」
「信者の娘さん、絶対有利」
「合否は親の職業で決まり」
などがありましたが、今でも根強く残っているようです。
再開された説明会でも、うわさに過ぎないと否定されました。
うわさは、単なるうわさに過ぎないと、惑わされない強い信念を持つことも大
切です。
それを支えるのはお父さんの役目ですから、きちんとサポートしてください。
お母さん方は、こういったうわさに弱いからです。
 
ちなみに、校庭の一角には、幼稚園、小学校に在籍されてから聖心女子学院へ
進まれた美智子上皇后陛下が、ご成婚(昭和34年4月10日)前に来校され、
記念樹として贈られたメタセコイヤの苗木3本の内1本が、修道院の裏側に中
高の校舎と頭を並べるほど成長した姿を見ることができます。
 
蛇足になりますが、雙葉小学校は、昭和50年代には説明会を開催していたそ
うですが、その頃、私は某財団法人で新入社員教育をやっていました。40代
の半ば頃から幼児教育に携わるようになりましたが、大卒の若者や社会人と幼
児の教育、どちらが難しいかといえば、幼児ですね。お母さん方が、根気よく
お子さんと接している様子を見るたびに、「かなわないな!」と何度も自信をな
くしたものでした(笑)。
 
平成13年に白百合学園小学校が、創立以来、初めての説明会を開催したとき
も、何か不祥事があったのではと思いましたが、そういったことはなく、受験
されるご父母の強い要望によりとのことでした。
 
平成25年まで学校見学会だけ行っていた横浜雙葉小学校は、26年から説明
会を再開しましたが、これは昭和60年代に開催していたときにうかがった話
です。本校の入学試験は、「一日体験入学方式」ともいわれ、昼休みにお弁当を
食べる時間が設けられていました。気が滅入るどころか、落ち込みましたね。
文言は正確ではありませんが、話の内容を再現すると、こうなるのです。
 
     「お弁当は、いつもお母さんが作ってくれるのですか」
     「ウウン、今日は特別なの」
     「そうですか、それでは、おいしいでしょうね」
     「ウン、でも、残しちゃダメといわれたの」
     「どうしてですか」
     「残すと点数が悪くなるから」
     「……?」
 
残すと、どうして減点されるのでしょうか。
初めて来た所で、知らない子どもばかりの中で食べるのですから、緊張して残
す子もいるかもしれません。
それよりも、弁当を食べることで、子ども達はいろいろなサインを出している
と思います。
ご家庭の教育方針がどうなっているのか、これほどわかりやすいものはないで
しょう。
食事は三度のことですから、絶対に、つけ焼刃はききません。
基本的な生活習慣が、きちんと身についているかを判定することも、小学校の
入学試験では、大切なポイントだからです。
学校側が見たいのは、
「集団生活の中で、子どもはどうあるべきかを、親がしっかりと考えて、やさ
しく、あるいは厳しくしつけることを、ご両親の責任において教育しているか
どうか」
ではないでしょうか。
 
今の話と似ていますが、以前、紹介しましたが大切なことですから繰り返しま
す。
国立市にある桐朋学園小学校の説明会で、当時の校長であった鈴村先生が、た
またま会場に現われ、こういった話をされたのです。
本校は、仙川にある姉妹校、桐朋小学校と同様、面接をやっていませんが、そ
の理由として、
 「親御さんに『趣味は何ですか』とお尋ねしても、本当は、競輪、競馬が大
好きでも
 『読書と音楽鑑賞です』と取り繕うでしょう。でも、私どもでは、お子さん
を二日間
  預かりますから、どういった育児をなさっているかわかります。ですから、
私ども
  は面接をしません」
 
と、例によって文言は正確ではありませんが、こうおっしゃったのです。
試験を受けているのはお子さんですが、判定されているのはご両親であること
が、よくわかる話ではないでしょうか。
 
  (次回は、「学校説明会で確かな情報を (3)」についてお話しましょう)

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