めぇでるコラム

2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第28号)
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試問題を分析する★★
 
[二]合格を判定する必須十項目
 
出題範囲は、4、5歳児の発達段階を逸脱していないことがわかりました。次
は、試験の内容です。小学校の入学試験は、以下の十項目にまとめられます。
 
     1. 話に関する問題
     2. 数量に関する問題
     3. 常識に関する問題
     4. 推理・思考に関する問題
     5. 記憶に関する問題
     6. 構成力・観察力に関する問題
     7. 巧緻性に関する問題
     8. 社会性に関する問題
     9. 言語に関する問題
     10.運動に関する問題
 
これらの領域を全部、マスターしておけば、試験に関して、一応の受験準備は、
できたことになるはずです。いや、そうではありません、面接が残っています。
面接と志望校の選び方については、以前にも申し上げましたが、当研究所発行
の「面接 ここがポイント 小学校編」と「おとうさん、おかあさんの受験対
策」(幼稚舎をはじめ 20 校を取り上げ、学校別に志望理由を中心に質問の
狙いを解説した20冊の小冊子)、CD版「面接克服、ここがポイント
~That’s a Plenty」を参考にしていただければ幸いです。なおCD版はパソ
コンで簡単に読める電子版書籍と同じです。
 
ここでは、入学試験の内容を理解していただきたいと思います。
「必須十項目」を最後までお読みになると、基本的な事項をしっかりと理解し
ておけば、難易度の高い問題にも対応出来ることがわかります。しかも、自宅
で、幼稚園で、友達や一人遊びの中で、毎日、やっている事柄や日常、見慣れ
ている科学的な原理や自然現象、一定の決まりや法則、基本的な生活習慣やし
つけ、公衆道徳、そして集団生活への適応力などが中心になっていることもわ
かります。
 
ただ、試験問題を意識していませんから、気づかないだけです。受験生は、5、
6歳の幼稚園児です。しつこくいいますが、小学校側としても、難問、奇問で
試験をする理由はありませんし、幼児が経験できる範囲内の問題でなければ、
入学試験として適切ではないからです。
 
さらに、文字も数字も使えません。ですから、数字を書かせる問題や、文字を
使って文章を書かせることもありません。以前、ある学校で、解答に絵ではな
く文字が書かれてあって、それに〇をつけさせたことがありました。一時、な
くなりましたが、再び、出題されているようです。その是非は、受験されるご
両親の決めることで、第三者がとやかくいうことではありません。それが学校
の方針であれば、そういった準備も必要になります。志望校別の過去問を見れ
ば、わかることですから、目を通しておいてください。
 
しかし、あえて考えてみましょう。
たとえば、皇室の方が通われる学習院初等科の入学試験で、文字や数字を使っ
た試験を行った場合、どうなるでしょうか。学習院幼稚園では、当たり前です
けれど、文字や数字を使った指導をしていません。幼稚園の子は、全員、進学
しますから、困ったことになりませんか。幼稚園から上がってくる子は、大変
なハンディキャップを背負うことになります。
       
その逆を考えてみましょう。
幼稚園で文字や数の勉強をすると、今度は、小学校側が困ります。
「先生、それ、幼稚園で習いました!」
「……?」
これでは、幼小一貫教育になりません。
 
こんな話を聞いたこともあります。あるミッション系の共学の学校の説明会で
した。
 
「試験を受けて入ってくる子と、幼稚園から上がってくる子に、学習範囲のこ
とで、明らかな差がある現状から、早期教育に苦言を呈さざるを得ません」
 
このように嘆かれていましたが、こういうことです。幼稚園では、文字や数を
使った指導を一切やっていませんが、受験して入学する子は、塾などで習って
いるから、差が出るのです。スタートラインに立った時から、凸凹だとおっし
ゃりたかったのでしょう。
 
ですから、文字を書かせたり、数字を使った計算などの試験はありません。し
つこいですが、文字や数字を使っての指導は義務教育からです。幼児期に必要
なのは、文字より言葉であり、数字より数量に関する概念、意味や内容のこと
です。今までお読みいただいて、納得できたのではないでしょうか。
 
ただし、文字や数字は、読める必要はあります。
 
暁星小学校などでは、季節の行事と関係のある月の数字に印をつける(母の日
は5月だから5に○をつける)といった問題や、動物、果物、そして数字の描
かれている1枚の絵をしばらくの間見て、今出ていた同じ絵と数字に○をつけ
るといった記憶の問題もあるからです。
 
また、解答用紙に名前を記入する学校もありますから、読み書きできるように
しておきましょう。
 
そして、文字を書きたがる場合は、正しい筆順(特に、文字では、と・も・や
・よ、など、数字では5・7・8・9・0など)を教えてください。自己流で
間違えた筆順を覚えてしまうと、子ども達は入学後に直されますから、それが
面白くなく、小学校の勉強の第一歩でつまずきかねないからです。
 
さて、来週から十項目について説明をしますが、学習の順序を考え、少し順番
を入れ替えてみました。
1.巧緻性の問題
2.言語の問題
3.話に関する問題
4.数量に関する問題
5.常識に関する問題
6.推理・思考に関する問題
7.記憶に関する問題
8.構成力・観察力に関する問題
9.社会性に関する問題
10.運動に関する問題
このような順番で話を進めたいと思います。なぜなら、巧緻性と言語こそ、小
学校受験の基礎、基本であり、今この時期にきちんと身につけておきたいこと
だからです。
  (次回は、「巧緻性の問題」についてお話しましょう)
 

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