めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★ [5] 常識に関する問題(2) 

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第34号★
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≪ 説明会情報 ≫
 
 ●日出学園小学校 第1回学校説明会(オンライン)
      日 程 3月5日(土) ~ 3月20日(日)ごろ
   3月3日まで、学校ホームページから申込できます。       
  
 ●第10回キリスト教学校合同フェア
  3月21日(祝・月)10:00~15:00
  今年はオンラインでの開催になります。
  学校案内は青山学院中等部1階エントランスで入手することができます。
  特設ページが3月1日に公開予定ですので、チェックしてみてください。
 
 
 
★★入試問題を分析する★★
 
 [5]常識に関する問題 (2)
 
 
[公衆道徳・躾に関する問題]
 
公園の中で、いろいろなことをしている子どもの絵を見て、やってはいけない
ことをしている子どもに×をつけたり、服を一人で着たり、後片付けができて
いない絵などから、自分一人でできた方がいいと思うものに〇をつけたりする
問題です。いうまでもありませんが、入学試験のために身につける知識ではな
く、しつけであり、マナーであり、基本的な生活習慣ですから、ご両親の育児
の姿勢、教育方針をみています。 
                                 
次にお話するのは、実際にあったことです。
電車に乗ると、子どもは、なぜか、外を見たがります。それは、いいのです。
しかし、靴を脱がない子がいます。お母さんの言葉、ショックでした。
「○○ちゃん、お靴脱ぎますか、脱ぎませんか?」
「脱ぎたくないの」
「そうですか」
これで、おしまいです……!
良いのでしょうか。
 
着ている制服から、大学まである総合学園の幼稚園であることがわかりました。
親は、一貫教育制度のある附属幼稚園に入れて、子どもの人生航路の設計図な
るものを、小さい頃からキッチリと引いてあげているにもかかわらず、他人様
と共存して生きるために最低限必要なルールは、子どもの判断に任せていいの
でしょうか。
 
いいわけはありません、これは逆です。
 
人生航路は自分で開いていくものですが、しつけは親が責任をもって子どもに
身につけさせるものです。このような考え方を「子どもの自主性を認める」と
はいいません。
 
「放任」です。
 
親の責任を放棄していることに気づいてほしいのですが、こういう保護者が増
えているように感じます。誰がかわいそうって、子どもです。後で困るのは、
子ども自身ですから。
 
試験で電車の中で悪いことをしている子に×をつけても、実際に電車に乗って、
靴を脱がずに外を見ているのでは、おかしいですよね。これは常識であり、守
るべきルールです。知識として知っていても「実際にはできない」、どういう
ことでしょう。
 
これは知識と知恵の差です。
知識は知っているだけで、知恵は知っていることを実行する心の働きです。幼
児期の知識の詰込みは、こういう結果になりがちではないでしょうか。こんな
本末転倒なことを許していると、幼児の世界も、おかしくなります。
 
「三つ子の魂百まで」は、幼児期に身につけたことは、大人になっても、その
まま受け継いでいくことを戒めた先人の知恵です。良い習慣をきちんと身につ
けてあげるのは、お子さんにとっても幸せであり、大切な財産になると思いま
す。「習慣は第二の天性である」と古代ローマの政治家、哲学者であるキケロ
もいっています。何も哲学者を出すこともありませんが、「大切だ」といいた
いのです。
 
 
 
[その他の問題]
  
果物や野菜を、縦や横から輪切りにしたものから、何であるかを推理する問題
もあります。
これも体験でしょう。
 
子どもは、見えないところを見たがるものです。りんごやみかんを食べるとき、
ただ、皮を剥くだけではなく、縦や横に輪切りにして、見せてあげましょう。
喜びます。
野菜なら、ピーマンなどを切ってみせると、不思議そうに見ています。ついで
に、匂いもかがせてみましょう。玉ねぎなどは、涙を流しても見たがります。
 
「どうしてレンコンはあんなにたくさん穴があいているのかな?」と聞かれる
こともあるでしょうね。子どもの質問はするどいですね。今はインターネット
で簡単に調べられますから、お子さんが「なぜ?」と聞いてきたときには後回
しにせず、きちんと答えてあげましょう。
その場しのぎでは子どもの信頼を裏切ることになります。
 
そして、野菜や果物を水の中に入れ、浮かぶか沈むか、実験してみましょう。
「すいかは、絶対に浮かばない!」と思い込んでいるお子さんが、かなりいま
す。見たことがないのです。丸ごと一個のすいかを買う機会は少ないでしょう
が、お子さんが疑問を持ったときには、説明するより見せることです。
 
また、動物の足の絵から、その動物が何かを考えたりする問題もあります。
かなり昔の話で、時効も成立しているはずですから紹介しましょう。ある国立
の名門大学の学生さんが、「鶏には足が4本ある」と真面目な顔でいい、話題
になったことがありました。見たことがないのです。
幼児には、見せるしかありません。動物園や牧場の出番です。
 
「今度の日曜日、ゴルフの予定もないから動物園に行くぞ!」
「……。」
お父さんの都合でお子さんに興味がない時に、動物園に行っても効果はありま
せん。
「お父さん、にわとりの足、どうなっているのかな?」
この「かな?」がついた時、子どもが興味を示した時が、絶好のチャンスです。
ジィーっと見ています、飽きもせずに。観察力だけではなく、集中力や持久力
もつきます。
 
最後に、絵を見て話をする問題です。
これは、たくさん本を読んでもらっている子は、得意です。たとえば、かぐや
姫の絵だとします。読んでもらったことのない子は、話せませんね。本を読ん
であげることは、以前にも説明しましたが、言語の学習から情操教育まで、大
変な学習になっています。
 
話を聞く姿勢ができている子は、本を読んでもらうことが好きです。しかも、
本人も保護者も勉強をしているとは思っていません。教えない教育の成果です。
しっかり読んであげましょう。読んであげられるのも卒園までです。一人で読
めるようになるのも、後わずかだからです。読めるようになると、もう頼みに
きません。そうなると、保護者の読書時間も増えます。親の本を読む姿は、最
高の教材です。読書の好きではないお子さんは、やはり、ご両親もあまり好き
ではないようですね。
 
テレビの内容にもよりますが、視聴時間の長さと教養の深さは、反比例するそ
うです。スマートフォンで動画を見ることも同じですね。
保護者である私たちも気を引き締めて、ですね。
 
絵を見て話をする問題については、言語のところでお話しましたから、もう一
度ご覧ください。「お母さん(お父さん)、あのね方式」です。
 
その他に、新幹線やブルドーザーなどの絵を見て名称と用途、花の名前と咲く
季節などをたずねる問題があります。昔話に出てくる「きね」「うす」「いろ
り」、雪国ではおなじみの「つらら」、「ほうき」「はたき」「ちりとり」と
いった昔の掃除道具三点セットなど、普段、目にしなくなったものには、出会
ったときにきちんと説明しておきたいものです。
 
最後になりましたが、2017年2月、千葉県私立小学校フェアで伺った話を
紹介しましょう。
暁星国際学園の学園長、田川茂氏(当時90歳を越えていました。)の「親は
教育に哲学を持ちなさい」という話は、説得力がありました。お子さんにどの
ような教育を受けさせたいか、これは学校選びの基礎、基本であり、「はじめ
に学校ありきではなく、ご家庭の教育方針ありき」であるべきだということで
すね。「教育の道は家庭の教えで芽を出し、学校の教えで花が咲き、世の教え
で実がなる」ともいわれています。「どんな花を咲かせるか」、素直に肯けま
した。また、「哲学を学ばない者は、先生をしてはいけない」も痛烈でした。
様々な先生がいる時代、私学が歓迎される理由は、こういったことにもあるの
ではないでしょうか。
 
      
 (次回は、[6]推理・思考に関する問題についてお話しましょう)
 

 

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