めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★(2)言語に関する問題 (2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第32号)
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試問題を分析する★★
                 
★入試情報速報★
本年度の小学校合同相談会が始まります。
◇中央線沿線小学校合同相談会
 2月15日(日)  10:00~15:00  於 国立学園小学校
            成蹊小学校、桐朋学園小学校他14校
 
◇城北・埼玉・茨城地区私立小学校合同相談会
 3月1日(日)  11:00~15:00  於 星美学園小学校
            日本女子大学附属豊明小学校他10校
 
◇千葉県私立小学校合同相談会
 2月22日(日) 11:00~15:00  於 市川グランドホテル
            国府台女子学院小学部他8校
詳しくは、ホームページをご覧ください。
 
[3]話に関する問題
話を聞き、設問に答える問題で、「話の記憶」といわれ、ほとんどの学校で出
題されています。
 
◆「桃太郎」の話をテープで聞いたり、ビデオで見た後、
・おじいさんは、どこへ、何をしに行きましたか。正しい絵に〇をつけなさい。
・桃太郎の家来に□をつけなさい。
 
こういった設問があって、10秒から20秒の間に、絵の描かれている解答用
紙に、指示された○や□などをつけて答えます。狙いは、「話を聞く姿勢と理
解する力が身についているか」、このことです。これから始まる小学校での勉
強の基本であって、最も大切な学習態度です。いくら、九九を諳んじ、難しい
漢字の読み書きができても、人の話を聞けないようでは、あまり意味がありま
せん。
学校の勉強は、幼稚園の自由保育と違って一斉授業ですから、話を聞いていな
ければ、訳のわからないことになります。話を聞く姿勢を身につけるには、話
の読み聞かせや対話が、いかに大切であるかについて、すでに触れましたので、
ご理解いただけ、実行されていると思いますが、少し、復習しておきましょう。
 
「話の記憶の問題」は、単に記憶力を見ているわけではありませんから、問題
集を買い、それだけで訓練して鍛え、身につけるものではありません。それは
本末転倒な話です。話をキチンと聞く姿勢は、普段の会話や読書を通して培わ
れるものです。一朝一夕に身につくものではなく、やはり毎日の積み重ね、育
児の結果として表れてきます。ですから、どこの学校でも実施しているわけで
す。
 
しかし、本当に話の聞けない子がいます。その子の育てられている環境は、わ
がままな言動が許されている場合が多いものです。 かわいい、かわいいで、
子どもを悪くしています。やはり、子どもの責任ではありませんね。
 
話の記憶の問題には、長編と短編があります。
といっても、400字詰め1枚程度から3枚ほどの長さですが、皆さんはどち
らが難しいと思いますか。短い方が記憶しやすいと思われるのではないでしょ
うか。やってみるとわかりますが、物語風になっていると、案外、想像力が働
き、イメージ化しやすいようです。短編は、あっという間に終わってしまい、
想像力が働かない場合があります。あらかじめ短編であるとわかっていれば、
それなりに対処できますが、聞いてみなければわからないだけに、難しいです
ね。
 
そして、やっかいなのは文字を使えませんから、文章を読み直すことも、答え
の絵に、○や△、□といった記号の指示をする設問も、聞き直すこともできま
せん。ですから、聞き逃すと答えようがないことです。さらに、クレヨンで指
定された色で記号をかくこともあります。子ども達は、よくぞパニックになら
ないものだと感心してしまいます。「長文読解だな!」などと簡単に済ませる
ほど、やさしい問題ではありません。
 
普段から、お子さんとの対話を大切にし、お子さんの話に耳を傾けましょう。
対話の反対は沈黙と思いがちですが、立教小学校の元校長であった田中司先生
は、「命令と要求」とおっしゃっていました。「命令と要求」が多くなれば、
対話など成り立ちませんね。僭越ながら、非常に的を射た指摘だと思います。
 
そして、お父さん、お母さん、お子さんに読書をしている姿を見せてください。
これが何よりの手本になるからです。さらに、お子さんがいるときに、ワイド
ショーなどを見るのは止めましょう。お断りしておきますが、すべてのワイド
ショーが駄目だといっているわけではありません。お子さんと一緒のときに見
なくていいものは止めてほしいといいたいだけです。どなたがおっしゃったの
か忘れましたが、「テレビを見る時間と教養は反比例する」そうですよ、内容
にもよりますが。海外に住み帰国されたお母さん方が驚かれるのは、あまりに
もテレビが、生活の中に入り込んでいることだそうです。
 
また、お子さんが読書に集中しているときは、「お使いに行きますよ!」など
と、中断することは避けてあげましょう。夢中になって取り組んでいるときこ
そ、素晴らしい学習時間になっているからです。あらかじめ伝えておく、やさ
しいお母さんになってほしいですね。
 
寝る前に本を読んであげる、これも大切です。毎日続けることで、間違いなく
言語能力を育むことができるからです。昨年6月に横浜雙葉小学校は説明会を
再開しましたが、挨拶に立たれたシスター田中順子学園長は、「添い寝をしな
がら本を読んであげることが少なくなっているのではないでしょうか」と懸念
されていました。DVDなど素晴らしい作品もありますが、幼児期にはお父さ
ん、お母さんの生の声が、何と言っても大切なのです。
 
会話を弾ませ、話を読んであげることから話を聞く姿勢は身についてきます。
小学校の入学試験は、文字を使用しないだけに、話を聞く姿勢が身についてい
なければどうにもならないからです。
 
最後に、「話の記憶」が苦手なお子さんへ、こういったことをやってみましょう。
私が現役のときに、この方法で苦手意識を取り除くことができたからです。お
子さんがよく知っている話を使います。
 
Q「『浦島太郎』の話を知っていますか。では、先生がいくつか尋ねますから
教えてくださいね。
浦島太郎は、子ども達がいじめていた動物を助けてあげました。何を助けたの
ですか」
A「亀さんです」
Q「そうですね。そのお礼にどこへ連れて行ってもらいましたか」
A「竜宮城です」
Q「そこにいたお姫様の名前は何といいましたか」
A「乙姫様です」
Q「たいやひらめもいて楽しく過ごしました。そして、帰ることになりお土産
をもらいました。何をもらったのですか」
A「玉手箱です」
Q「そのとき、浦島太郎と乙姫様は、何か約束をしましたね」
A「開けてはいけないと約束しました」
Q「そうですね。また、亀さんに送られて家に帰りましたが、両親はいました
か」
A「いいえ、いませんでした」
Q「近所の人々やお友達はいましたか」
A「誰も知っている人はいませんでした」
Q「知っている人は誰もいない。浦島太郎は、どんな気持ちになったでしょう
か」
A「寂しくなりました」
Q「そう、寂しくなったんだね。では、ここからが問題です。では、なぜ、浦
島太郎は、約束を破って玉手箱を開けたのでしょうか。あなたは、どう考えま
すか」
 
いろいろな答えが出てきますが、自分の考えを言えたことを褒め、評価はしま
せん。
たとえば、「何が入っているか知りたかったから開けました」と子どもが言えば、
それを認めてあげ、
「そうじゃないでしょう。寂しくなったからでしょう」などと大人の考え方を押
し付けないことです。「寂しい経験」をしなければ、この言葉は出てきません。
 
ところで、この方式に子ども達が興味を持ち始めると大変でした。話の筋を覚
え、質問を作らなければならないからです。お母さん方にお子さんの愛読書を
聞き、質問を作ったものでした。最も苦労したのは「アルプスの少女 ハイジ」
や「フランダースの犬」で、わが子が小さい頃、テレビで見ていた記憶はあり
ますが、実際に本を読んだことがないからです。
 
しかし、子ども達は興味を持つことで、確実に力をつけました。おかしかった
のは、子ども達は、次週に使う教材となる本を、繰り返し、繰り返し読んでも
らい、準備をしていたそうです(笑)。私も大変
でしたが、お母さん方も苦労したようです。子ども達が夢中になって取り組ん
だのも、勉強ではなく「Q&A」を、ゲーム感覚で楽しんでいたからではなか
ったでしょうか。
 
こういった苦労は、楽しい思い出となって残るだけではなく、お母さん方から、
「読書の好きな子になっています」と聞くたびにうれしくなったものでした。
 
受験準備は、楽しくやりたいものです。
(次回は、「数量に関する問題1」についてお話しましょう)
 

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