めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★私立幼稚園編(8)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
              第20号
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私立幼稚園編(8)
 
幼稚園に関する情報は、各幼稚園のホームページをご覧ください。ここで紹介
する情報は、説明会や過去のホームページなどから得たものが中心になってい
ることをお断りしておきます。
 
東京は、春一番が吹かずに桜の開花宣言、3年ぶりだそうです。川越も喜多院
や新河岸川の桜が見事ですが、まだ少し時間がかかるようです。
 
光塩女子学院幼稚園 
本園は、幼稚園から高等科までの一貫教育校ですが、すべてが同じ敷地内にあ
るのではなく、幼稚園は少し離れた中野駅寄りにある珍しいロケーションにな
っています。
また、在園児数、200名を超える大きな幼稚園で、男の子もいますが、併設
校は女子だけですから女の子が多く、初等科への進学は、内部試験による選考
となっています。
選考にもれた場合は、一般の児童と入学試験を受けることになります。
 
設立母体は、13世紀にスペインを発祥地として、世界各地に広がったカトリ
ック・メルセス宣教修道会です。今世紀に、マドレ・マルガリタ修道女により
宣教会に改められ、以来、今日に至るまで、常に社会の必要にこたえて貢献す
るための活動を続け、日本における教育活動の場として、高円寺に設立された
学園です。
 
【教育目標】 
キリスト教的世界観を土台とした、自己に厳しく他人にやさしい人間を養い、
校名の由来ともなる「世の光、地の塩として社会に貢献できる」人間形成を、
幼児期から培うことを目的としています。
また、自主性に富み、正しい判断力、強い意志力、自己の行為に責任を持ち、
しかも情緒豊かな感謝の心を持ち温かい円満な人間として育つよう、幼稚園
と家庭が一体となって努力しています。
 ■ 日常生活の中でのけじめ、しつけを心がける。
 ■ 宗教・祈りを通して敬愛の心、感謝の心を、はぐくむ。
 ■ 宗教的な視野と自他に対しての理解を深めるため、“愛と奉仕”の実
   践の機会を持つ。
 
光塩女子学院の校名の由来である「あなたたちは世の光である、あなたたち
は地の塩である」については、初等科の教育理念がわかりやすいので紹介し
ましょう。
 
(中略)人間は惜しみなく自己を他人に開くことができたときに、本当の自
分に成長する真理を私たちの校名に刻みました。すなわち、ろうそくの、自
ら燃えて他を照らし、塩の、自ら溶けて味をつけるように、本物の愛に生か
された、成熟した女性に育つこと、ここに光塩の理念があります。
 
ろうそくは、己自身を燃やして周りに灯りをともし、塩は、料理など目に見
えないところで効果を上げ、腐敗を防ぐ、人間の生活に欠くことのできない
調味料であり防腐剤です。両方共に、他のものを生かしながら、自らの使命
を全うすること、これが本学院の基本的な教育理念です。信者でない私が言
うのもなんですが、「…である」と肯定しているところに「かけがえのない存
在」の意義があるのではないでしょうか。
【保育の特色と内容】
明るく素直に 生き生きと伸びる 心豊かにたくましく
 
◇ 感謝の心、思いやりの心を育てる
集団生活の中で、様々な経験を通し、自分だけでなく他の人を思いやる気持
ちや感謝の心を育てます。
◇ のびのびと遊べる環境
広い園庭での外遊びの機会を積極的に取り入れ、夏には裸足で水遊びや砂遊
びを思い切り楽しみます。また、年長組では、集団ならではの遊び(鬼ごっ
こ、大縄跳び、ドッジボールなど)を経験します。
様々な年齢の友達と交わる縦割りの保育や、男児だけで集まりを楽しむ機会
も取り入れています。男女共学です。
(筆者注: 女子だけではないことを強調しているところが面白いですね)
◇ けじめのある生活
一斉保育と自由遊びをバランスよく取り入れ、話を聞くときは聞く、遊ぶと
きは遊ぶ、けじめのある生活を大切にします。
◇ 自分から挨拶のできる子ども
すすんで挨拶ができるように、園全体で気持ちの良い挨拶を交わすようにし
ています。発達年齢に応じて、良いこと悪いことへの判断力を培い、「あり
がとう」「ごめんなさい」「はい」「いいえ」が言葉と行動で表せるよう家
庭と協力していきます。
 
◇ 専門講師による指導
体操教室、歌唱指導、リトミック、英語、宗教(神様のお話)、サッカー教
室(預かり保育時間内)があります。
※預かり保育 保育終了~16時迄。 
 保護者の就労、通院、介護などの理由のある場合は18時迄。
 
普通、遊戯会や運動会などの練習以外は、一斉に何かやる機会は少ないので
すが、自由保育と一斉保育の組み合わせ、いいですね。
「何でもありの自由保育」と誤解すると、入園できません。
 
説明会の他に、園庭開放(おひさまキッズ)も行われています。いずれも予
約は不要ですが、上履きと靴を入れる袋が必要です。(3月24日現在、本
年度の日程は公表されていません)
 
なお、未就園児を対象とした、二歳児、三歳児クラス「そら組」、満三歳児
保育「ことり組」がありますが、詳しくはホームページをご覧ください。
 
【募集人員】 一次 男女児 約120名 (3年保育、2年保育含む)
       二次 男女児 若干名(3年保育、2年保育、1年保育含む)
【Q&A コーナー】はありません。
 
聖学院幼稚園
小学校の正門から入ると、広い運動場の左側に園舎と緑の木々に囲まれた園
庭が、右側には中学、高校の校舎があり、シンボルでもある時計台が目に入
ります。
平成24年12月に完成した耐震力の優れた新しい園舎は、室内も広く、明
るく、のびのびと遊ぶ子ども達の姿が印象的でした。
聖学院は、幼稚園から大学まで、プロテスタント派のキリスト教に基づく教
育を行う総合学園です。
本園は、1912年(明治45年)、アメリカのディサイプルス派の宣教師、
ミセス・プレースによって中里幼稚園として創立され、1940年(昭和
15年)、女子聖学院付属幼稚園になりましたが、戦争のため1944年
(昭和19年)11月に閉園。
その後1949年(昭和24年)4月、宣教師、ミセス・ヘンドリックスに
より再開され、1966年(昭和41年)に聖学院幼稚園と改称され、今日
まで、いつの時代にも変わらず、子どもの人権を尊重した保育を続けていま
す。
 
教育方針 神を仰ぎ、人に仕える 
「神を仰ぎ、人に仕える」の精神のもと、子どもたちが謙虚な心で神を礼拝
し、生命の尊さを知り、感謝と奉仕の心を持てるように願っています。
集団の中で、「遊び」と「ことば」を大切に、発育段階に応じた保育を行い、
一人一人の個性と能力を伸ばし、元気な子どもになるように心掛けています。
 
集団の中での「遊び」とは、遊びながら、先生や友達との関わりを持って、
さまざまなことを体験させることでしょう。もちろん、自発性を培う一人遊
びも必要ですが、これから始まる集団生活をスムーズに過ごすためには、や
はり、自分でしなければならない基本的な生活習慣を身につけるために、頑
張る子に育てたいものです。
 
集団の中での「ことば」とは、毎日の生活を通して、自分で思ったことや感
じたことを、自分の言葉で、どのように相手に伝えるか、その表現の仕方で
しょう。幼児は、ちょっとしたいさかいからでも、たくさんのことを学習し
ています。自分で体験することが、何といっても大切で、そういった保育の
方針が伝わってきます。
 
「よく遊び よく祈る」の「祈る」について、ホームページで園長はこうお
っしゃっています。
 
「祈るということは、自分のためにするのではありません。
病気やけがで休んでいる子がいたら、子どもたちはその子の回復のために祈
ります。
また災害のニュースを知ったときには、被災された方々のために祈ります。
もちろん、東日本大震災以降、被災された方々、また愛する者を失うなど、
いまだ悲しみの中にいる方々のための祈りは今も続いています。
子どもたちは他者のために祈ることによって、人を思いやる気持ちが育つの
です」
 
「祈ることによって、人を思いやる気持ちが育つ」、耳の痛い言葉ですね。
「赤いろうそくと人魚」などで親しまれている童話作家、小川未明の作品に、
信仰とは何かを考えさせられる「頭を下げなかった少年」があります。「無
心に祈る」のは、見返りを期待しない幼子しかできないことで、自分に都合
よく作りあげた神は大人の幻想に過ぎない、などといい加減な解釈で信者の
方から怒られそうですが、一度は読んでおきたい名作の一つです。頭を下げ
なかった少年に、神様はいきな計らいをするラストがさわやかです。
 
かつて、ホームページの「先生のことば」の中に、次のようなメッセージが
入っていましたので、その一部を紹介しましょう。
 
「(前略) さて、幼稚園に入り、友達付き合いが始まると、今まで以上に
今日あったことなどを、お母様にお子さんが話される場面が多くなると思います。
そんな時どんなに忙しくても、話がまだるっこくても、是非、ゆっくり聞い
てあげてほしいと思います。
そして、できるだけ、「よくお話しできたわね」などと褒めてあげてほしい
と思います。(中略)私たちは、忙しい毎日の中で(中略)イエス様が言わ
れたように、その時にあって最善の行動とは、何かを考えなければならない
のだと思います。
子どもの話をゆっくり聞いてあげる、これもその時の最優先かも知れません」
 
「ママ、あのね!」と子ども達がいったときには、必ず、耳を傾ける、やさ
しいお母さんになってあげましょう。
 
なお、例年、公開保育、体験入園を行っていますが、本年度の予定はすでに
公表されています。詳しくは、ホームページをご覧ください。
 
【募集人員】 3年保育: 約40名  2年保育: 約10名
【Q&A コーナー】はありません。
 
(次回は、立教女学院短期大学附属幼稚園天使園、川村幼稚園についてお話しましょう)
 

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