めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[6] 推理・思考に関する問題(2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第39号)
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★★入試問題を分析する★★
[6] 推理・思考に関する問題(2)
 
小学校の遠足以来、訪ねる機会がなかった大宮公園の桜を見てきました。月曜
日の午前中のこともあり、人も少なく、満開の桜を堪能してきました。カラオ
ケで騒ぐ人も、酔っ払いもいない静かな公園、満開の桜に酔いました(笑)。
 
[図 形]
重ね図形、回転図形、対称図形などですが、かなり難しいですね。
問題集を買ってきて、「さぁ、やるぞ!」方式は失敗しがちです。
まず、お母さんがやってみましょう。
やってみるとわかりますが、折り紙やセロハン紙、それとA4位のビニールで
できている袋や書類入れ、画用紙などを用意しておくと役に立ちます。
遊びの感覚を忘れないことが大切で、特に女の子は、推理の問題を苦手としが
ちですから注意しましょう。
 
★重ね図形
2枚の絵を重ねるだけですから問題なさそうですが、何事も実験することが大
切です。
1枚の紙にひまわりの花を描いて、それを透明な書類入れに挟み、今度は茎と
葉っぱを、その上に描かせます。
書類入れに挟んだ紙を引き出して比べると、2枚の絵に分かれていることがわ
かります。
これを理解した後に、自分の好きな絵を、同じ要領で描かせます。 
面白がって描くはずで、上下左右、そのままに重なることがわかれば問題ない
でしょう。
 
★回転図形
言葉で説明すると、難しいですね。
こういった矢印[↑]を描いて実験すると、わかりやすいものです。
a ↑ a がお手本です。これを右に回すと90度、回転したことになり、
b → b になります。
c ↓ b を右に回すとc になり、180度回転したことになります。
d ← c を右に回すとd になり、270度回転したことになります。
   dを右に回すとaに戻るわけです。
 
もちろん、幼児の世界ですから、90度といっても理解できません。
ですから、90度は「グルリ」です。
180度は「グルリ、グルリ」と繰り返します。
回転図形にはかなり難しい問題がありますから、理解できるまで、こういった
矢印や上下の形が違っているものを使って、子どもと一緒にゲームの感覚でや
ることです。
チューリップの花などを描かせてやってみるのも、いいでしょう。
 
問題によっては、錯覚を起こしやすいですから、その場合は切り抜いて、条件
に合わせて動かし、どのように変化していくか、その様子をしっかりと確かめ
させましょう。
大切なことは、上下、左右がどうなるかを見極めることです。
プリントをぐるぐる回す子がいますが、初めのうちはいいのですが、これが習
慣になると、推理する力はつきません。
ただ、変化する様子を見つけているだけです。
この種のテストの目的は、推理・思考する力が、年齢にふさわしく培われてい
るかを判定する問題ですから、仕掛けが理解できれば、プリントを回すことは
やめて、考える力を養いましょう。
 
★対称図形
正直にいって難しいです。
大人でも音をあげたくなる問題があります。
ここでも問題集先行型は、失敗しがちです。
折り紙の出番ですね。
はさみも使いますから、手先も器用になります。
1枚の折り紙を半分に折った背の側(山折りになっている側)に、図形などが
描かれており、それを広げた場合にどうなるか、それを推理する問題です。
 
半分に折った折り紙に、何回も描いては切る、この実験を繰り返し、対称を理
解することですね。
折った背の側に描かなければ、形はできてもバラバラ事件になります。
まず、これに気づかせます。
雪だるま、クリスマスツリー、チューリップなど左右が対称の絵から始めて、
図形に移っていくのが無理のない方法です。
マスターできたら、四分の一に切った折り紙を使い、いろいろな対称図形を切
り取り、その両方をスケッチブックに貼りましょう。
この貼り方にも、工夫が必要です。
「手は第二の脳」でも詳しくお話しましたが、糊の使い方は難しいものです。
最初は、折り紙の上部左右の二ヶ所に、切り取ったものには上のところの一ヶ
所に、ほんの少しだけ糊を付け、貼る練習をしましょう。
繰り返し練習をすることで、糊の適量も、全体に薄くのばすこともわかってき
ます。
これは、とても大切な作業ですから、家でしっかりと身につけてください。
そして、汚れた手はタオルなどできちんとふき取ることも大切です。
こういったことまで教室で指導を受けるのは、時間の無駄遣いと考えましょう。
うまく貼れない場合は、箸の使い方やボタン掛けにもその影響が出ているので
はないでしょうか。
繰り返しますが、幼児の手作業は、脳と運動機能の連携作業であることを思い
出してください。
 
難しい問題があります。
これも実験で克服できます。
半分に折った画用紙と、はっきりと色のつくクレヨン、赤色か黒色を用意しま
す。
折った画用紙の左側中央に矢印←を描いて、しっかりと色を塗ります。
そして、上の左端に三角▲、下の折り線のそばに四角□■を書きます。
きちんと塗らないと実験は成功しません。
そして、点線から半分に折って重ね、上からゴシゴシと擦ります。
これも、しっかりと擦らないと写りません。
そして、ひろげます。
まったく逆向きになるはずです。
矢印は→、上の左端の三角は右端に、下の□■は■□と、これも逆になってい
ます。
折り線に近い■は、逆になっても線に近く、線から遠い□は線から離れていま
す。
この実験で、位置や向きが逆になることを確かめて、問題に挑戦しましょう。
難しい問題は、半分に折った紙に、黒色か赤色で問題と同じように線を引き、
重ねて擦ります。
そして、どのようになったかを、子どもに説明させましょう。
口でいえないときは、まだ十分に理解していませんから、再び、実験です。
 
同じことですが、半分に折った紙に矢印を描いて、はさみで切って広げてみま
しょう。
左右が逆になっていることを確かめられます。
手先も器用になりますし、後で出てくる巧緻性にもつながっていきます。
これを十分に理解してから、問題に取り組みましょう。
「右側に折って重ねるのだから、左と右が逆になるの!」
こんな乱暴な説明をするお母さんはいないと思いますが、言葉だけで説明して
も、わかりません。
まだ、左右の弁別もあやしいのですから、とにかく、実験を繰り返すことです。
 
スタンプの問題や湖に映った逆さ富士のように、水に映るとどうなるかといっ
た問題も一緒で、半分に折った紙の左側に、○、□、△を真ん中から半分に分
け、左側に色を塗り、合わせてこすり、変化の様子を確かめてから、問題集に
挑戦しましょう。
特に、スタンプの問題は、大人でも錯覚しやすいですから、しっかりと実験を
し、どのように変化するかを見極めることが大切です。
 
推理の問題は、いきなり問題集でやるのは、やめた方が賢明で、いたずらに混
乱するだけではないでしょうか。
まず、ご両親で学習し、理解をしておくことですね。
そして、実験、実験の繰り返しです。
実験は、疑問を解決する楽しい学習であり、遊びの感覚で取り組めますから、
子どもたちも喜ぶはずです。
このことを、忘れないでほしいですね。
(次回は、推理・思考に関する問題(3)についてお話しましょう)
 

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