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めぇでるコラム : 2014年4月

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[8]構成力・観察力に関する問題(1)

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        「めぇでる教育研究所」発行
 
     2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第42号)
 
 新年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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★★入試問題を分析する★★
[8]構成力・観察力に関する問題(1)
 
基本は図形ですが、その他に模倣や同図形、異図形の発見などがあります。
 
[図形合成の問題]
三角形、正方形、長方形、菱形、円形などの形についての理解力を問う問題で
す。
これも、かなり難しいですね。
 
◆プレート合成
★(数枚のプレートが置かれている)
「三角のプレートを使って、お手本と同じものを作りなさい」
 
難しくて、どこがどうなっているのか、わからないものがあります。
とにかくプレートを持って悩んでいても始まりません。
しかも時間は限られています、45秒程ですから、迅速な対応が求められます。
 
問題集でやる場合、プレートがついていれば、それを切り取り利用できますが、
ない場合は、少し厚手の紙で同じ物を作ってあげましょう。
そして、問題集に取り組む前に、お子さんにいろいろな形を作らせて遊ばせ、
「おもしろいな!」と興味を持たせることが大切です。
プレート構成の意味が理解できてから、挑戦しましょう。
 
◆分割合成
★(5つに切り離されたプレートが、バラバラに置かれている)
「プレートをうまく組み合わせて、もとの円い形にしましょう」
 
三角形、正方形、長方形、円形が4つから5つに分割されたものを、元の形に
復元する問題で、ジグソー・パズルのように、絵が描かれている場合は、かな
りできますが、真っ白なパネルでは、苦労しますね。
お子さんにさせてみるとわかりますが、「△とは、□とは」と、定義を前提に
せずに、どんどんと作っていきます。
いうまでもありませんが、円は、外は曲線です。
三角は、3本の線で囲まれて、角は3つです。
四角は、4本の線で囲まれて、角は4つです。
しかし、子ども達は、これを無視して取り組みますが、しばらくすると、「で
きました!」となるのですから、やはり、遊びの感覚ですね。 
図形の定義を抜きにした構成力で、本当に不思議なものです。
ただし、完成した時には、△、□、○などを言葉でいえるようにしておきまし
ょう。    
三角形は「さんかく」、正方形は「ましかく」、長方形は「ながしかく」、円
形は「まる」でいいでしょう。
 
★「左の形を作るには、右の長四角の中の、どれを使えばよいです
か。3つずつ探して○をつけなさい」
 
先程、パネルでやった問題を、プリントで答える応用問題となります。
いきなり問題集をやると、直ぐにお手上げになりかねませんから、プレートを
使い、基礎トレーニングを十分積んでから挑戦しましょう。
その基礎トレーニングですが、またしても折り紙の登場です。
形がそろわないとうまく構成できませんから、きちんと折り、丁寧に切ること
が大切です。
 
角を合わせて2回折ると4個の三角ができますから、それをお子さんに切らせ
ます。
2枚使って三角を作ります。
 
次に四角です。
この四角を作るときに、角と角を合せて蝶々を作ることを覚えると、4枚で真
四角を作るときに役に立ちます。
平行四辺形もできますが、名称は、覚える必要はありません。
今度は、4枚で三角と四角と長四角を作ります。
三角は二通りできます。
 
ここで、お母さん、挑戦しましょう。
お子さんが三角4枚で作った四角を使い、それより大きな四角を作ってくださ
い。
かつて、東京女学館小学校で出題された問題ですが、頭が固いとできません。
 
今度は、四角を折ってみましょう。
上下の辺を合わせて折り、広げて折っていない方を同じように折ると四角が4
つできます。三角は、何回切っても三角に変わりはありませんが、四角は、長
四角と四角の繰り返しですね。
 
次に、円形です。
コンパスがなくても、茶わんを使えば描けます。
半分に折ると扇形ができます。
さらに、半分に折ると4個の扇形ができます。
バラバラにして組み立てられれば、円と扇形の構成がわかります。
 
ところで、○の分割で、ケーキを3人、5人、6人で分けるといった問題があ
りますが、子ども達には難問です。
○を三等分、五等分、六等分に分けたものを作り、それを切り取り、形を覚え
ておきましょう。
この問題を解くときに、器用に分けられる女の子がいるものです。
「ママが、ケーキを切るのを見て、粘土でまねをしたの!」
お手伝いをしながら、5つ、6つに分けたのを見て、
「ママ、すごい!」
と驚き、実験して覚えたそうです。
やはり、体験学習は、貴重な財産になっていますね。
 
同じ体験ですが、「丸い粘土の固まりを使い、同じ大きさの玉を3個作りなさ
い」
といった問題で、粘土の固まりを板の上にのせ、手でゴシゴシとこすり、細長
い棒状に伸ばして、それを三等分し、3個の玉を作った子がいました。
「ママとクッキーを作ったとき、こうすれば同じ大きさに作れると教わったの!」
と嬉しそうに話してくれたものです。
こういった日常生活での体験が、大きな知恵となっていることがよくわかりま
す。
 
少し脱線しますが、3個に分けた玉を一つに丸めて、「○が3個でも1個にな
る」という子ども達がいるものです。
つまり、1+1+1=3ではなく1だというわけです。
3個の玉を、もとの固まりに丸めると1つの固まり[○]になりますから、確
かに[1]になります。
これは、「ある量のものをいくつに分けても、もとの量は変わらない」という
「量の保存」のことですが、量と数の違いは、粘土で説明するとわかりやすい
でしょう。
私がお預かりした子ども達の中にも何人かいました。
いずれもペーパーテストをしない難関校に入りましたが、こういったことにこ
だわるお子さんには、きちんと説明してあげることが大切です。
小学校4年生で習う分数の基本です。
 
最後に、作った形を真四角、長四角、三角、円といった形でまとめてみましょ
う。  
どこかで見たことはないでしょうか。
そうです、積み木の箱です。                
一つの形を作ってきちんと収納されていませんか。
図形の基本ですね。
三角2つで四角が、四角2つで長四角、長四角2つで四角、扇形4つで円がで
きます。 
積み木を片付けながら図形の構成を学習しているわけです。
スケッチブックなどにそれぞれの形を描き、その枠内にしまう練習もやってみ
ましょう。
 
積み木は、頭脳のトレーニングになる遊びです。
遊んでいる子どもには玩具の一つですが、幼児期の図形学習や構成力、観察力
や立体感覚を養うために欠かせない大切な教具です。
巧緻性のところでお話した「手は第二の脳」を思い出してください。
手を使う作業は、目でとらえた情報を脳に伝え、それをいかに行動に表すかを
脳が考え、正しい指示を出し、手先が適切に作業をする、体と脳の共同作業だ
とお話しました。
 
こういった共同作業をスムーズにできる子の知的な能力が高いといわれるのは、
それだけ試行錯誤を繰り返し、苦労を重ね、自発的に学習し、理解したもので
あり、先天的な能力だけではないと思います。
しかも、子ども自身は、「図形や構成力のお勉強!」などと思って、取り組ん
でいるわけではないのですが、構成力がつくだけではなく、夢中になって取り
組むことで、集中力や学習意欲も培われます。
 
子どもは、単に記憶にだけ頼るのではなく、身体全体を使い、学習をしていま
す。
子どもの遊びは、すべて、何らかの学習につながっているのです。
「遊びはいけないこと」と考えるお母さん方がいると聞きますが、それは間違
いです。
幼児期の遊びは、工夫する力を培う大切な作業であり、学習の場と考えましょ
う。
考え行動することから、自発性が養われていくからです。
 
これで基礎トレーニングは、終わりです。
基礎をしっかり理解してから、問題集に挑戦しましょう。
三角形、四角形のパネルつきのゲーム感覚の教材を選んでください。   
図形の問題に強くなると、考える力がつきます。
複雑な問題になると時間もかかりますから、集中力や持久力もつきます。 
 
スムーズにできないと、苛立つお母さん方がいるようです。
「……! ……? ……こうやるの!」
などと、子ども達が試行錯誤している時に、口を出さないことです。
「お母さん、これ、どうなっているのかな……?」
相談されたらアドバイスしてあげましょう、お母さんにも根気が必要です。
その心構えが、お子さんの持久力や取り組む意欲や自発性を育てます。
 
先程の、お子さんが作った□を使って、それより大きな□を作る問題ですが、
中心に集まっている4つの頂点を、底辺を軸に、それぞれ左、右、上、下へ裏
返しにします。
お子さんの作った□の外側に、4つの三角の屋根ができ、大きな□となるはず
です。
仕掛けがわかると何でもないように思えますが、「コロンブスの卵」と同じで
すね。
日能研のキャッチフレーズではありませんが、「□(シカク)いアタマを○
(マル)くする」、子どもとの付き合いで大切なのは、親の既成概念、思い込
みを押しつけないことです。
 (次回は、「構成力 観察力 2」についてお話しましょう)
 

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