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めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>受験までの1年間のスケジュール

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        「めぇでる教育研究所」発行
2020さわやかお受験のススメ現年中児 今から始める小学校受験
            第15
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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受験までの1年間のスケジュール
 
「入試の準備は、いつ頃から始めるのがよいのでしょうか」
よく受ける質問です。
年少の11月から2年間かけて、無理なく進めていくのが理想ですが、皆さん
方は、来年の秋に受験されるわけですから、この1年間、どのような予定で進
めていくかを考えてみましょう。
 
ほとんどの幼児教室は、11月が新学期で、次年度受験の新年長クラスはここ
から第一歩が始まります。  
11月から7月まで、基礎知識を身につける講座が続きます。
           
この月から、年長向けの公開模擬テストも始まります。
年中から準備をはじめているお子さんは、模擬テストを受けていますから、既
にご存じのことですが、結果表には、得点から総合順位、偏差値まで、ある時
期から、志望校への合否判定も添付されてきます。
結果表にある男女別の順位は、男子校、女子校を受ける際の判定の基準に、男
女の総合評価は、共学の学校の判定基準としても利用できます。
テストの内容は、2月頃から始まる「合否を判定する10項目」で、詳しく解
説する予定です。
また、幼児テスト特有の生活習慣や、しつけ、社会性などの判定もついてきま
す。
「意外に、内弁慶だった」などと、普段、皆さん方が気づかないお子さんの素
顔を見ることもできます。
これは、非常に大切なことですが、案外、軽く見られている傾向にあります。
チェックが入った場合、ご両親の責任と考え、お子さんを取り巻く環境を、真
剣に考えてあげましょう。
なぜなら、多くの場合、ご家庭の育児の姿勢に原因があるからです。
 
12月の後半には冬期講習会が、3月の後半には春期講習会があり、2月頃か
ら志望校別講座など、さまざまな目的を持った講座も始まります。
教室によっては、レベルの高い特別講座を設け、難関校への準備も始まります。
          
5月の後半から7月中旬にかけて、学校見学会や説明会が始まります。
普段、学園内に入れませんから、できるだけ多くの説明会へ参加することをお
薦めします。
ミッション系の学校に関心がなくても、ぜひ、一度は参加しておきたいもので、
宗教教育の目的が、わかるからです。お勧めは青山学院初等部です。
「別学の学校はどうも」とお考えの方も、別学の学校を訪ねてみましょう。立
教小学校の田代教頭の「男子だけの良さ」の話は面白く、共学にはないものを
見つけることもできるからです。
雙葉小学校のようにはがきで申し込んだり、学習院初等科、聖心女子学院初等
科、慶應義塾横浜初等部、日出学園小学校などWebでの予約システムや参加用
紙をダウンロードして持参する学校が増えてきました。慶應義塾幼稚舎、暁星
小学校も、今年から事前申込制になりました。受験を考えている小学校のHP、
ホームページには今年の説明会の日程や予約の有無などを見ることができます。
どこの学校のHPも充実していますから、ご覧になることをお勧めします。
 
授業参観をかねている場合は、とかく1年生の教室が注目の的になりがちです
が、上級生の教室もこの機会に参観してみましょう。参加者も少なく、思った
より厳しい学習風景に出くわすこともあります。
                  
説明会の日程は、各幼児教室で発表される一覧表を参考にし、うっかり忘れた
などのミスがないように、充分、注意しましょう。学校によっては、説明会を
1回しか開催しないところもあるからです。
学校見学会や運動会、文化祭などの行事に参加できるところもありますが、こ
ういった情報は、各学校のHPに紹介されていますから、しっかりと調べてお
きましょう。
 
面接で、説明会や行事に関して印象を尋ねられる場合もあります。普段、入れ
ない校舎に入り、子どもたちの遊ぶ様子から、意外な側面を見ることもでき、
学校選びの重要なポイントにもなります。
そして、トイレの場所も確認しておきたいものです。後で、役に立ちますから。
30年は、暁星小学校は上智大学で、白百合学園小学校は学園の講堂で開催し
たため校舎見学がなく、慶應義塾幼稚舎は外からの見学だけでした。ただし、
暁星は願書発売の初日だけ校舎見学は可能でした。白百合は作品展などで校内
に入る機会があります。
 
なお、最近は、昭和女子大附属小学校の「自己推薦型入試」、日出学園小学校の
「第一志望入試」といったように推薦制度を設ける学校が増えています。各学
校の本年度の入試要項がHPで公開されていますから、どういった形式になっ
ているかチェックしておきましょう。
 
ところで、夏になると、ほとんどの幼稚園でお泊まり保育があると思います。
親のもとを離れて生活することで、どのくらい自立心が培われているかもわか
ります。一人っ子の場合は、とかく、過保護、過干渉の環境となりがちです。
また、幼稚園や保育園の先生から保護者会の折りなどに、「少し、社会性に問題
があるようです」などと言われている場合は、大いに問題があると考え、日頃
の育児の姿勢をチェックする必要もあるでしょう。
       
7月の後半から、夏期講習会が始まります。                  
「夏を制するものは、秋を制する」と言われているほど大切な時期で、幼稚園
の休みを、いかに計画的に利用するかがポイントとなってきます。
基本的な生活習慣は、この時期までにきちんと身につけておくべきです。
かなりハードなスケジュールになりがちですから、旅行や里帰りなどは、お子
さんを中心に、計画しておきたいものです。
 
ご両親、特に、お父さん方の意識を高めるために、模擬面接指導も始まります。
この指導は、できるだけ早い時期に受けておくべきです。「たかが、面接!」な
どと侮っていては、失敗します。ほとんどの教室で6月頃から始めていますが、
ここ数年、申し込みが9月に集中する傾向にあるようです。毎年、お子さんの
普段では考えられない応答、態度を見て、びっくりされるお父さん方がいます。
模擬面接は、どういった答えをするかのテストではなく、お子さんが、初めて
の先生方とどういった話ができるかを見てもらうのが大きな目的です。9月で
は、マイナス面がわかっても、わずかな期間では修正の効かないのが幼児です。
特に難関校の場合は、夏休みの前に済ませ、マイナス点を修正し、9月に再度
挑戦されることをお勧めします。
 
8月の後半から9月にかけて、直前講座が始まり、中断していた説明会も開始
され、願書も配布されます。
9月の後半から10月にかけて、願書の受け付けが始まります。
日程の関係で、出願してみないと併願が可能かどうかわからない場合がありま
す。
何校も出願する場合もあることを、頭に入れておいてください。
なお、今年の聖心女子学院初等科では、HPで願書の書き方を紹介しています。
また、日出学園小学校のように出願もWebで行う学校もありますのでHPで
見ておきましょう、今後も増えると思われるからです。
 
早いところでは、9月の中旬から面接が始まります。
そして、お子さんは直前の特別講習や個別の指導などを経て、ご両親は面接に
備えて心を一つにして、試験に臨むことになるわけです。
 
幼児教室や塾の選び方は、ご両親で研究されることです。             
お母さん任せでは、手に負えません。                      
お父さんも一緒になって考えましょう。                     
そして、任せたからには、先生方のアドバイスに従い、家庭学習などもこなし
ていくべきで、幼児教室の掛け持ちはさけるべきです。                   
指導の方針に違いがあれば、迷ってしまうのはお子さん自身だからです。      
 
公開模擬テストは、指導の結果をチェックできる大切な試験ですから、毎月1
回は受けるべきでしょう。
理解できていないところは、体験不足の結果と冷静に受けとめ、対応すること
が大切で、偏差値や順位に一喜一憂し、感情的にならないことです。
直前になれば、他の教室への他流試合も、本番になれるために必要ですが、あ
まり早くから挑戦するのは、お子さんにとっては、会場が変わるたびに緊張感
を強いられることになりがちですから、慎重な対応が求められます。
全統オープン等、小学校を会場とする模擬テストも上手に利用しましょう。
 
こういったスケジュールで1年間を過ごすことになります。
メールマガジンもこれに従って、ご両親で取り組むべきことを説明していきま
すが、メールマガジンの進め方として、面接と志望校選びについては、どうし
ても来年の8月以降になりますので、ご両親の心の準備として、当研究所で発
行している次の本と冊子、CDをお薦めいたします。
最も大切な学校選びのポイントと願書の書き方、面接に関しては、
 「面接、ここがポイント 小学校編」(書籍)
 志望理由についてのアドバイスは、
 「おとうさん、おかあさんの受験対策 全25巻」(冊子)
 「心を鍛える賢い子どもの育て方」(CD版)
で詳細に解説しています。参考にしていただければ幸いです。
詳しくはHPをご覧ください。
 (次回は「最近の入試の傾向」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>試験当日の留意点、アフターケアも慎重に

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        「めぇでる教育研究所」発行
    2019さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            第66号 最終回
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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◆◆試験当日の留意点◆◆
 
季節の変わり目、朝晩、気温の変化の激しい毎日が続いています。体調を崩し
やすいですから、お子さんの健康管理には、十分注意してください。
 
今回は、試験当日の留意点とご両親の心構えについてお話しましょう。
 
1.募集要項を読み直し、持参するものの一覧表を作っておき、慎重にチェック
 をしましょう。
 受験票、面接票、当日のスケジュール表(出願後に学校側から送られてきた
 資料)、募集要項、上履き(学校によってはご両親用も)、運動靴(雨天の
 場合は雨具の他に、お子さんの着替えやソックスなど)、携帯電話(万一の
 交通事故に備え)、スイカ、パスモなど。
 親子一緒の控室のところは、お子さんが静かに待てるようなものも用意する
 といいでしょう。
 
2.当日は、いつもと変わらない朝を迎えてください。
 学習院のように試験当日に両親面接があると、ご両親が緊張しがちです。
 いつもは「行ってくるよ」と会社へ出かけるお父さんが、一所懸命に駄洒
 落を飛ばすのですが、全くうけなくて、かえって、「パパ、どうしたの?」
 と怪しまれてしまったと、笑いながら話してくれたお父さんがいました。
 いつもと同じように、平常心を心がけましょう。
 
3.いかなる場合でも、遅刻は認められません。
 特に、バスを利用する場合は、注意が必要です。
 朝は、渋滞する可能性がありますから、事前によく調べておきましょう。
 説明会でも開始間際にタクシーで、あわてふためきながらやって来るお母
 さん方を見ました。
 事故による渋滞や電車の遅れなどの場合は、他の交通手段も考えておきた
 いものです。
 そして、携帯電話で学校に問い合わせ、指示を求めましょう。
 そのためにも電話番号を登録しておくことです。
 ただし、校門の所で必ず、電源を切ることをお忘れなく。
 
4.所定の手続きを指示に従い、あわてずに行いましょう。
 頭をひねるような難しいことはありませんが、時間ぎりぎりに到着となる
 と、気のあせりからミスを
 しがちで、そういったときは、いつもと違ったご両親になっているものです。
 そばで見ているお子さんは、どういった心境になるでしょうか。
 控室で一息入れずに試験場へ向かい、すぐにテストです。
 まわりは、知らない子ばかりです。
 お子さんがいつものような状態で、テストを受けられるはずはありません。
 それまで全力を尽くしてきたとしても、この一瞬で、すべてが台無しにな
 る可能性もあります。
 十分な配慮が必要です。
 
5.服装は、動きやすく、着馴れたものを。
 新品の革靴をはかせるようなことは止めましょう。
 学校へ着けば履きかえるのですから。
 靴擦れでもしたら、運動テストどころではありません。
 髪の毛の長い女の子は、運動の時に困らないようにしておきましょう。
 リボンが気になりマット運動ができなかった話を聞いたことがあります。
 袖の長いブラウスなどは、制作の時に邪魔になることも考慮しておきまし
 ょう。
 女の子は、お気に入りのブラウスなどを着せると、汚れが気になり、集中
 できません。
 
6.テストの前に用便をすませておきましょう。
 幼児教室へ通っている方は、教室へ入る前に、必ず、やっていると思いま
 す。
 白百合学園小学校のように校舎見学の機会がない場合は特に、集合時間間際
 でトイレの場所を慌てて探すことのないよう、時間に余裕を持って行くよう
 にしましょう。
 テスト中にトイレとなると、それまでです。
  
7.いつものように教室へ送り出しましょう。
 控室で、「話をきちんと聞くのですよ」などと、くどくど注意するお母さん
 方がいるようです。       
 そういうことが、みんなプレッシャーになってしまいます。
 また、大勢の子どもを見て、驚き、緊張している様子が見えたときは、お
 子さんが、もっとも安心する態度で接してあげましょう。
 よく聞く話ですが、しゃがんで、お子さんの目を見ながら手を握ってあげ、
 「いつもと同じなのよ」
 というのが効果的なようです。
 お子さんの性格によっても違いますが、こういったことも起こりえると考
 えておきましょう。
 
8.万一の急病に備え、常備薬を持参しましょう。
 幼稚園の遊戯会、ピアノなどの発表会の前の晩に、熱を出した経験のある
 お子さんは注意が必要です。
 直前に、インフルエンザなどの感染症にかかった場合は、必ず学校側に連絡
 し、指示に従ってください。
 
9.テストの時間によっては、昼食の用意をしておきましょう。
 近所のレストランなどをあてにしていると、「日曜日で休み」となりかねま
 せん。
 一口で食べられるサンドイッチやおにぎり、飲み物も自動販売機などで購
 入せず、小さい水筒などを用意しておきたいものです。
 
10.幼稚園や保育園、幼児教室などの友達と会うことも考えられます。
 緊張しているときに友達と会うと、ほっとして舞い上がるお子さんがいま
 す。
 あいさつ程度にし、お子さん同士がふざけ合うことのないようにしましょ
 う。
 
11.行動観察や運動テストなどで、子ども同士のトラブルが起こる場合もありま
 す。
 先生から事情を聞かれたときは、はっきりと答えることです。
 男の子は、これが苦手なようです。
 
12.お子さんがテスト中の控室では、たとえ友達や顔見知りの人がいても、お互
 いに遠慮して話し込まずに、本を持参し静かに読むようにしましょう。
 「携帯電話の電源は切るか、マナーモードにしてください」とある場合は、
 スマートフォンも使用禁止です。
 
入試本番まであとわずか、風邪を引かないように注意しましょう。
お子さん、お母さんはもちろんのこと、お父さん、外出先から帰ったときは、
必ず、手洗いとうがいを励行してください。
そして、お母さん、お子さんにとっては、お母さんの明るい笑顔が頼りです。
精神的なコンディションを崩さないことも、ご両親の大切な役目です。
ここが正念場と考え、頑張ってください。
 
ご両親の心構え
 ★アフターケアも慎重に★ 
昨年の7月から始まった「さわやかお受験のススメ 小学校受験編」も、最終
回を迎えました。
長い間、拙い連載を読んでいただいた方に、お願いをしておきたいことがあり
ます。
言うまでもなく小学校の受験は、お兄さんやお姉さんが在学している場合はと
もかく、ご両親が我が子のためによかれと考えてはじめたことです。
もとより、子どもたちが、
「ぼくは、幼稚舎へ行きたい」
「私は、雙葉へ……」
と、希望されたわけではありません。
にもかかわらず、子どもたちは、一所懸命に頑張りました。
年中の頃から、受験勉強をはじめ、そして今、直前の講習会を終え、最終特訓
を経て、試験を迎えようとしています。
 
考えてみると、これはたいへんなことです。
基礎指導から実践指導、集団指導や個別指導、冬、春、夏の講習会、毎月行わ
れた公開模擬テスト、絵画教室などなど、同年代の子ども達が、ほとんど経験
しないことをやってきたことになります。
それに加えて家庭学習があります。
これが、子どもたちには、もっとも厳しかったのではないでしょうか。
とかく、お母さん方は、合格の二文字のために熱くなりがちです。
「なぜ、ぼくだけ、勉強しなくてはいけないのかな?」
と子どもたちに疑問を持たせてしまったことも、あったのではと思います。
でも、お母さん方の気持ちに応え、頑張りました。
子どもたちは、本当にえらいと褒めてあげたい。
         
ですから、全員に、希望された学校から招待状が送られて来て欲しいと思わざ
るを得ません。
それほど子どもたちは頑張り、頑張り続けたのですから。
しかし、残念ながら、すべての子どもたちに、招待状が送られてくるわけでは
ありません。
「試験前なのに縁起でもない!」とお腹立ちの方も、心を静めてお読みくださ
い。
 
都心の幼稚園によっては、全員が受験というところもありますが、そういった
環境であれば、幼稚園側の配慮もあるでしょうし、ご両親もお子さんも、それ
なりの指導をきちんと受けられていると思います。
しかし、普通の幼稚園や保育園からの受験の場合は、そうはいかないのではな
いでしょうか。
わが子、一人だけが受験といったことも考えられます。
         
一昔前は、受験を意識させないで済ませるように、また、合格しなかったこと
を、子どもたちにわからないように配慮したものです。
しかし、現状では難しいのではないでしょうか。
数校受験する子どもたちもたくさんいますから、わかっているはずです。
合格すれば何ら問題はありませんが、結果が出なかった場合は、傷つく恐れも
あるでしょう。
このことです……。
 
今は、学校内で合格を発表せずに郵送やWebで知らせるところが増えてきまし
たが、以前は、ほとんどの学校が校内に掲示していたものです。
私は、できる限り発表を見に行きました。
合格された方は、掲示板の前からいつまでも去ろうとしません。
不合格の方は、悄然と去っていきます。
気障で申し訳ありませんが、「倍率十倍の難関校」の文字からは浮かばない、厳
しい現実を実感させられたものでした。
 
そんなときに、ある学校で、とんでもない親子を見てしまったのです。
お母さんが早足で出口に向かい、お子さんが、
「ママ、ごめんね!」
と、泣きながら追いかけていくのです。
若いお母さんは、一言も口をきかず、むっとした顔をして出ていってしまいま
した。
こんな残酷な仕打ちは、いくら親でも許せません。
いちばん傷ついているのはお子さん自身であることに気づかない親であれば、
受験などする資格はないと思いました。
 
最近は、携帯電話で、大声で知らせている母親もいます。
気持ちはわかりますが、ぐっと喜びをかみしめて、そっと知らせる配慮も必要
です。
立場が逆であった場合のことも考えましょう。
 
ところで、不合格のときはお子さんに、どのように説明するか決めているでし
ょうか。
残念ながら合格しなかったご両親からは、
「公立の小学校から通知は来ますから、子どもには、私学の合否については知
らせないことにしています」
と、答える方が多いものです。
みなさん、お子さんにあった方法で対処なさることと思いますが、注意してほ
しいのは、ちょっとした言葉なのです。
 
「○○ちゃんは入ったのに、何で、あなたは駄目なんでしょう」
お母さんは、わが子をかわいそうに思い、つぶやいたこの一言で、お子さんは、
深く傷つき、劣等感を持ちがちなのです。
不用意な言葉が、お子さんに与える影響を考えてあげましょう。
とにかく、お子さんは、頑張ったのですから。
 
頑張ったことは、必ず、将来、芽を吹きます。
正しい指導を受けてさえいれば、子どもたちは、同年代の子が体験しなかった
ことを、たくさん学習しています。
国語の領域でいえば、「話の記憶」は、小学校の中学年から高学年にかけて学習
する長文読解の問題を、文字を使わず、耳から聞き取るだけで挑戦してきまし
た。
算数の領域では、「数」の問題で、1年生で習う足し算、引き算、2年生で習う
掛け算、3年生で習う割り算、4年生で習う分数まで、数字や+-×÷などの
記号を使わずに学習してきました。
さらに、話を聞く姿勢、指示を理解し迅速に対応する行動力、自分で頑張る意
欲などを身につけたはずです。
 
ご両親も、心を一つにして、お子さんをバックアップしてきました。
学校を選んだ段階で育児をふりかえり、やはり間違っていなかったと確認し、
このことには反省しなければいけないと、話し合われたのではないでしょうか。
受験をしなければ、こういった経験をすることはなかったはずです。
驚かすようで申し訳ありませんが、これから先、ご両親が、これ程までに心を
一つにして、何かに取り組むということは、あまりないのではと思います。
まさに、育児のゴールデンアワーでもあったわけです。
 
文言は正確ではありませんが、慶應義塾幼稚舎の舎長を辞任され教諭に戻られ
た加藤三明先生は、説明会でこうおっしゃっていました。
 
 「受験に合格しなかった方は、もしかすると親子ともども、敗北感を味わう
ことになるかもしれま
 せん。しかし、これはあくまでも幼稚舎の受験に限ったことで、人生の敗北
ではありません。ま
して、子どもがそういうことを思い続けていたら、本当に恐ろしいことで
す。われわれが5歳の子に、本来は行うべきではない入学試験という罪な
ものを施していて言うのもなんですが、小学校受験をぜひ、最終目的だと
思わないでいただきたい。まだまだ、ほんの人生の始まりです。小学校の
受験で、お子様をスポイルしないでほしいというのが、私の願いです」    
                     
5歳の秋は、お子さんの人生の終着点ではなく、通過点と考えましょう。
不合格という結果を、お子さんが背負っていくことのないようにしてあげてく
ださい。
小学校の受験は、ご両親がお考えになり始めたことですから、終わりもきちん
と対処していただきたいと思います。
 
この連載を通して、ご両親、特にお母さん方にわかっていただきたかったのは、
「過保護や過干渉な育児から、子どもたちを解放する」ことでした。
過保護な育児では、わがままな子になりがちで、相手を思いやる気持ちは育ま
れません。
過干渉な育児では、消極的で依頼心の強い子になりがちで、積極的に物事に取
り組む意欲は育ちません。
これから、小学校での集団生活を通して、共に生きる「共生」を学んでいくこ
とが大切です。
それには、相手を思いやる気持ちが育まれていなければ、スムーズに対応でき
ません。
また、学校生活を楽しくすごし、学習面で好奇心という触角を張りめぐらせ、
いろいろなことを学んでいくには、積極的に取り組む意欲が育まれていること
が大切です。
 
家庭学習で、お母さん方は、この2つのことを教えてきたと思います。
できない問題があっても、明日できればいいと励ましませんでしたか。
できるようになったとき、一緒に喜び、褒めてあげたでしょう。
子どもたちは、お母さん方のやさしい気持ちに応え、ステップアップしてきた
のではないでしょうか。
お母さん方の頑張れと励ます言葉とやさしい気持ちから、子ども達の心に「思
いやりの気持ち」と「できるまで頑張る意欲」が育ってきたのです。
 
この2つが育っていれば、たとえ不合格になっても、子どもたちは大きく成長
しているはずです。
同年代の子どもで、こういったことを経験できるのは、私学の小学校が最も多
い東京都でさえ、就学児童およそ10万3千人の内、応募者を公表している私
立小学校(37校)の応募者は約1万2千名に過ぎませんから、受験準備をす
るのも限られた子どもたちなのです。(2017年度 東京都志願者数 小学校
受験研究所 「お受験じょうほう」より)
しかし、正しい指導を受けられた子ども達は、十分にエキスを与えられた根と
同じように、必ず、芽を出し、ご両親が期待する花を咲かせます。
子どもたちを信じて、試験場に送り出してあげてください。
運悪く、結果が出なくても、あたたかく見守ってあげるご両親であって欲しい
と思います。
 
「あしたは、今日より、きのうより」は、今は亡き、いずみたく氏の作曲され
た某財団法人の社歌の題名で、断りもなく私の座右の銘にさせていただいてい
ます。
また、「育児しながら育自するお母さん」であれば、親子の絆は、生涯、ほころ
びることはありません。
この二つこそ、子育ての鉄則ではないでしょうか。
 
さらに一言、拙著のメールマガジン「日本の年中行事と昔話」の4月に出てき
ました、剣豪、塚原卜伝の作とも言われている剣の極意を紹介しましょう。
「映るとも 月も思はず 映すとも 水も思はぬ 広沢の池」
これは理想的な親子関係をあらわしているのではないでしょうか、私の勝手な
解釈ですが。「子は親の背を見て育つ」、口でうるさくいうより、良いお手本を
見せることが大切だと思います。
       
皆さま方に、希望された小学校から、招待状が届くことを、心からお祈り申し
上げます。
ベストを尽くせるように頑張ってください。
ご健闘を祈ります。
 
最後まで、拙文をお読みいただきまして有難うございました。
      平成30年10月吉日
             めぇでる教育研究所 所 長 藤本 紀元
 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>直前と当日の心構え

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2019さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第49号 最終回
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直前と当日の心構え 
 
すっかり冷え込みましたね。我が家のコスモスも、何やら戸惑ったようで元気
がありません。
お子さんは、ちょっとしたことで体調を崩しがちです。心身の健康管理には、
十分に気を配りましょう。
また、妙なうわさなどに惑わされることなく、リラックスして過ごすように心
がけてください。
 
【直前の心構え】
入園テスト直前、何とかしてベストの状態で試験に臨ませてあげたいのは、お
母さん方の切なる願いでしょう。しかし、特別なことをすると、かえってコン
ディションを崩しやすいのが幼児です。いつもと変わらない生活を続けること
が大切です。ただし、試験時間が朝早い場合は、その時間帯に合わせた生活に
切り替える必要もありますが、いきなり替えるのではなく、少しずつ余裕を持
って行うべきです。
 
入試に必要な知的なトレーニングは、通っている教室の先生方にお任せし、カ
ッとなりやすいお母さん方はやるべきではありません。ご両親は面接に備え、
最後の特訓に挑戦してください。
 
着ていく服も決まっているはずですから、休みなどに3人そろって正装し、幼
稚園まで行ってみましょう。お子さんも慣れることで、特別な気持ちになるこ
とも防げます。そして、楽しい雰囲気を作ってあげましょう。「受験する幼稚園
だよ!」などと言わないことです。
 
さて、これからと言うよりも、もうとっぷりと浸かっているお母さん方もいる
かもしれませんが、やっかいなのは怪情報、うわさです。
雙葉小学校が昭和60年代に3回ほど説明会を開催しました。その動機ですが、
裏口入学を策したお母さんの子が不合格になったために、その理由を学校側に
電話で問いただし、驚いた学校側は、「そんな馬鹿げたことは、絶対にありませ
ん」と否定するためでした。同時に、「どこそこの神父さんの紹介がなければ合
格しない」、「信者でなければ不利」などといったうわさは、単なるうわさであ
って、怪情報なるものに惑わないでほしいと訴えたものでした。
 
うわさとは、根も葉もない根拠のない話に過ぎません。当事者であるお母さん
方は、とかく「藁(わら)にもすがる」心境に陥り、疑心暗鬼にかられるよう
ですが、後で振り返ると、「ナンダ!」となるものばかりです。受験料をとるか
らには公平でなければ、法律に触れる詐欺行為ではありませんか。犯罪です。
気にかかるうわさを耳にした場合は、お父さんに話してみましょう。おそらく、
笑顔で否定してくれるはずです。頼みますよ、お父さん!
 
【当日の留意点】
次に、試験当日の留意点を挙げておきましょう。
1.募集要項を丁寧に読み直し、持参するものなどのチェックリストを作り、
慎重にチェックをしましょう。
信じられない話ですが、受験票を忘れたお母さんがいたそうです。
極度の緊張からでしょう。
リストを作っておけば、忘れることもありません。
幼稚園によっては、募集要項を持参してほしいといっているところもあり
ますから、特別な記載事項には、十分に注意してください。
 
2.当日は、いつもと変わらない朝を迎えましょう。
お子さんの試験と面接が同時に行われる場合は、ご両親が緊張しやすいで
すから、リラックスした気持ちで臨めるように、平常心を心がけましょう。 
また、お母さんが試験に参加する場合も、とかく緊張しがちです。
教室で体験済みと思いますから、その経験を生かしてください。
親子テストの留意点については、以前、お話ししましたが、普段、ご家庭
で遊ぶ延長と考え、楽しく参加することが大切です。
そして、主役は、お子さんであることを忘れないでください。
 
3.いかなる理由でも遅刻は認められないと覚悟をしておきましょう。
特に、バスを利用する場合は、要注意です。
朝は渋滞する可能性がありますし、雨天などでは、どこで渋滞が始まるか
わからないからです。
電車でさえも、改札システムのトラブル、事故など、何が起こるかわかり
ませんから、そういう場合は携帯電話で幼稚園に問い合わせ、指示を求め
ましょう。
そのためにも電話番号を登録しておきたいものです。
ただし、電源は、門のところで切ることをお忘れなく。
控室で呼び出し音が聞こえては、受験資格なしと考えてください。
 
4.所定の手続きを指示に従いながら、あわてずに行うことです。
頭をひねるような難しいことはありませんが、時間ぎりぎりに到着となる
と、気のあせりからミスをしがちです。
そんな時、お子さんが普段、見たことのない顔になっているはずです。
それまで、全力を尽くしてきたとしても、この一瞬で台無しになることも
ありえます。やはり、余裕をもって到着することです。
ただし、暁星幼稚園の説明会で注意がありましたように、あまり早く行っ
てもお子さんが退屈してしまうこともあるので、30分以内が適当ではな
いでしょうか。
 
5.服装は、動きやすく、着慣れたものを。
幼稚園により、いろいろと注意がありますから、それに従ってください。
また、通われている教室の先生方のアドバイスで、準備はできていると思
います。
清潔感は、さわやかな印象を与えます。
 
6.テスト前に用便を済ませましょう。
2歳のお子さんは、おむつをつけている場合もあります。
ある幼稚園の説明会では、「入園する4月までに取れますから、隠すような
ことはしないで下さい。隠してもわかりますから」とおっしゃっていまし
た。
自然でいいと思いますが、これは、ご両親の見識です。
よく話し合って決めてください。
 
7.控室では退屈しないように絵本などを持っていきましょう。
ぬいぐるみを手放せないお子さんがいるようですが、その日だけ取り上げ
るとパニックになります。
原因があるはずですから、そこを取り除いてあげましょう。
 
8.万一の病気に備え、常備薬を持参しましょう。
何が起こるのか、予測のつかないのが幼児です。
特に、気温の差が激しい時です。
細心の注意を払ってください。
喘息の発作が出やすいときですから、きちんとした対応策を考えてくださ
い。
直前に感染症にかかった場合は、必ず、連絡を取り、幼稚園の指示に従い
ましょう。
 
9.テスト時間によっては、昼食の用意が必要になるでしょう。
一口で食べられるサンドイッチなどを用意し、飲み物も小さな水筒に入
れ持参しましょう。
 
10.教室や塾などの友達と会う可能性もあります。
緊張しているときに友達と会うとホッとし、舞い上がるお子さんもいます。
2、3歳の子は、もとに戻るにはどうしたらよいかを知らないだけに、厄
介なことになりがちです。
そういったときはどうするか、対策を立てておきましょう。
 
11.お子さんがテスト中の控室では、たとえ友達や顔見知りの方がいても、話
し込むようなことはせず、静かに本を読んで過ごすことです。
当然ですが、「電源をお切りください」とある場合は、スマートフォンも見
ることはできません。
 
残りわずかになりました。
これからが正念場と考え、毎日を、大切に過ごしてください。
お母さん方のいらいらした様子や元気の無い表情が、お子さんにどれだけ不安
を与えるか、しっかりと考えられる賢いお母さんになりましょう。
うわさなどに惑わされない、強い心を持ったお母さんであることが大切です。
お父さん、しっかりサポートしてください。
お母さんは、わが子のことになると、信じられないほど熱くなりがちです。
お母さんの気持ちになって、やさしくリードしてあげましょう。
そのやさしさが、お母さんの心の支えになるのですから、頑張ってください。 
 
昨年の11月から始まった「さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」も、
最終回を迎えました。長い間、つたない連載をお読みいただいた皆様方に、最
後のお願いがあります。
 
言うまでもありませんが、幼稚園の受験は、ご両親がお子さんのためによかれ
と考えてはじめたことです。お子さん自身が、「ぼく、暁星幼稚園へ行きたい
の!」「わたしは雙葉幼稚園へ!」と希望したわけではありません。何だかよく
わからないけれど、当日を迎えてしまったというところでしょう。
 
教室へはじめていった時、泣き叫んで部屋に入れなかったお子さんもいたと思
いますが、今では教室が休みの日など、
「ママ、どうして?」
などと、不満そうな態度を示すようになっていないでしょうか。
「ママと離れても、楽しいことがたくさんあること」を学習していれば、幼児
期前期は、すばらしい体験をしたといえます。
 
子どもたちにとって、お父さん、お母さん以外の人である先生や友だちと、仲
良く遊びながら学んだことは、この先、いろいろなところで生きてきます。2、
3歳は、遊びといっても並行遊びが中心ですから、仲間同士で何かをするとい
った経験は、なかなかできないものです。また、幼児教育の専門家によって作
られたカリキュラムによる知的な学習を、この時期に体験できたのは、同年代
のほんの一握りの子どもたちでもあるのです。ですから、正しい指導を受けて
いれば、貴重な体験をしたことにもなるわけです。
 
そして待合室で待つ間、同じように国立、私立の幼稚園を志望するお母さん方
と育児の情報交換もでき、役に立ったこともあったと思います。さらに、ご両
親もわが子の教育について、真剣に考え、話し合い、いろいろな幼稚園の説明
会へ参加され、保育方針などを聞くことにより、幼児期の育児で何が大切であ
るかを学ばれたのではないでしょうか。どこの幼稚園でも、過保護、過干渉の
育児を戒めていませんでしたか。
 
核家族化、少子化が続く中で、育児に取り組み、そして受験まで経験するのは、
本当に大変なことであったと思います。「ご苦労さまでした」とねぎらいの言葉、
いや、「よく頑張りました」と褒めてあげたい気持ちでいっぱいです。
 
それほど、育児は大変な仕事です。
育児と受験、全く違った領域の問題のように思えますが、幼稚園選択の大切な
ポイントは、ご両親の育児の姿勢と幼稚園の保育方針が一致していることにあ
るのですから、密接な関係にあることもご理解いただけたのではないでしょう
か。
 
しかし、こんなに努力をなさっても、残念ながらすべての方に、希望される幼
稚園から招待状が届くわけではありません。名門の併設園は、幼稚園といえど
も狭き門です。それを承知の上で受験されるのですから、不合格になった時の
ことも、しっかりとご両親で話し合っておくことが大切です。
 
決して、「うちの子は駄目ね」とか「私達の育児の方法が間違っていた」などと
落ち込まないことです。まだ、2、3年の人生経験しかない幼子の、吹き出し
始めた、小さな、小さな、かわいい芽なのです。幼児期前期は、将来、大輪を
咲かせるための大切な準備期間です。期待した結果が出なくても、幼い子ども
なりに、ご両親の期待に応えるべく、頑張ったのではないでしょうか。
 
そして、ご両親も、力を合わせて最善の努力をされたのですから、そこで経験
した様々なことは、これからの子育てに、必ず、生きてきます。そういったこ
とが心の支えになり、お子さんの将来を導く羅針盤になっていくはずです。3
年保育で縁がなくても2年保育で、2年保育で縁がなくても小学校受験があり
ます。わが子の教育は、広い視野で計画を立ててあげるべきではないでしょう
か。
 
試験当日は、面接があったり、お母さん自身が一緒に試験を受けたり、いろい
ろとプレッシャーがかかるかもしれませんが、大らかな気持ちで臨み、お子さ
んに負担になるようなことは、絶対になさらないようにしてください。
 
結果が出なくても、本人にはわからないで済みますから、ご両親の胸にしまい
こみ、失望し、がっかりした姿を、お子さんに見せないことです。ご両親は、
わが子を守る保護者であることを、決して忘れてはいけません。わが子に非が
あるのではなく、ご両親に運がなかったと考え、これからの育児に生かしてほ
しいと思います。
 
「明日は今日より昨日より」(あしたは きょうより きのうより)、これは、
日本のミュージカルに大きな足跡を残された、故いずみたく氏の作曲された、
ある財団法人の社歌の題名ですが、子育ての鉄則ではないでしょうか。また、
「育児」は「育自」であることも忘れてはならないと思います。2、3歳の秋
は、到着点ではなく、一つの通過点と考えましょう。そして、「明日は今日より
昨日より」を自身を励ます杖とし、「育自」を心がける賢いお母さんになってほ
しいと願っています。
 
皆様方に、希望された幼稚園から招待状が届くことを、心からお祈り申し上げ
ます。
頑張ってください。
 
最後まで拙文をお読みいただきまして有難うございました。
    平成30年10月吉日                       
            めぇでる教育研究所 所長 藤本紀元
 

さわやかお受験のススメ<保護者編>第13章 七五三でしょうな 霜月(3)

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2019さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第49号 最終回
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第13章 七五三でしょうな(3)  
【11月に読んであげたい本 2 終わりにあたり】
 
やりました! 
京都大学の本庶佑特別教授がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。免疫を
抑制する分子「PD-1」を発見した業績が評価されたもの。今日は平和賞が発表
されます。文学賞は来年に延期、村上春樹氏、ホッとしているかもしれません
ね、お祭り騒ぎですから。
                   
本題に入りまして、学生時代に映画で見た記憶があります。迫真の姥捨ての世
界を描いた深沢七郎の「楢山節考」を、木下惠介がメガホンを取ったもので、捨
てられるおばあさん、おりん役を田中絹代、背負っていく息子は高橋貞二とい
っても50年ほど前の話ですから、若い皆さん方には、何のことやらわからな
いかもしれませんが、歌舞伎を見ているような導入部が印象に残った、怖い映
画でした。映画は恐かったのですが、ここでは、殿様を諌める話になっていま
す。
 
◆うばすて山◆   吉村 輝夫 著
むかし、ある所に、年を取ったおっかあと息子が暮らしていました。その頃、
年寄は60歳になると山へ捨て、守らないと殺される掟があったのです。おっ
かあが60歳になったとき、山の奥までおぶって行ったのですが、捨てること
は出来ず、山を下り、家の裏に穴を掘って、隠したのです。          
ある時、殿様が村の者に、「灰で縄を作ってこい」といってきました。灰は燃え
かすですから、縄などなえません。みんなが困っているのでおっかあに相談す
ると、「わらで縄をきつく縛って、塩水につけてから燃やしてごらん」というの
で、やってみると出来たのです。
すると今度は、「きれいに磨いた丸い棒を出して、どっちが根っこか調べてこい」
というのです。太さも堅さも同じですからわかりません。また、おっかあに相
談すると、「水に入れて、先の沈んだ方が根っこだ」と教わり解決します。
今度は、「玉に糸を通してこい」という。見ると、玉に糸の通る穴があいていま
すが、曲がっているので、糸など通るわけがありません。そこで、おっかあに
聞くと、「小さな蟻を捕まえて糸の先に縛り、穴の口に蜜を塗り、塗っていない
方の穴へ蟻を入れると、蟻は蜜の匂いに誘われ穴の中を進むはずだから、糸を
通せる」というのでした。やってみると、糸は通ったのです。
喜んだ殿様は、「こういった知恵は、どうして生まれたのか」と尋ねます。そこ
で、「60を過ぎたおっかあに教えてもらい、年寄は、何でもよく知っているも
のです」と、震えながら告白したのです。決まりを破っていますから死刑です。
しかし、殿様は感心し、掟を改めたのでした。息子は褒美をもらって家に帰り、
穴蔵からおっかあを出し、仲良く暮らしたのです。
   寺村 輝夫のむかし話
 日本むかしばなし 4 寺村 輝夫・文/ヒサ クニヒコ・絵 
  あかね書房 刊 
 
これと、そっくりな話が、チベットにあります。「賢い大臣」です。中国の唐の
時代の話で、皇帝の1人娘をめぐり、7つの国の王子さまが結婚を争うのです
が、その知恵比べとして皇帝から出された問題が、この話に出てくる殿様の難
題と同じでした。灰で縄をなう代わりに、五百頭の親馬と子馬を放ち、それぞ
れ親子に分ける課題になっています。チベットの人は、馬の扱いになれている
からでしょう。その親子の分け方ですが、チベットの賢い大臣は、親馬におい
しい牧草をたっぷりと与え、それから子馬を放します。すると親馬は、子馬に
むかっていななきます。その声を聞いて、子馬は母馬のところへ、一頭も間違
わずに行くのです。後の二題は同じで、見事に解決し、お姫様はチベットへ嫁
ぐ話です。
 
何度も言いますけれど、こういう話に出会うと嬉しくなります。遠くチベット
から陸を旅し、海を渡り、何百年も時を費やし、日本に伝わってくるのですか
ら、これは大変なことです。このように、昔話が長く語り継がれるのは、時代
が変わっても、共感する心に変わりがないからでしょう。
 
この話の馬の親子の様子が目に浮かぶ童謡、「おうま」があります。
(1)おうまのおやこは なかよしこよし いつでもいっしょにポックポック
リあるく
(2)おうまのかあさん やさしいかあさん こうまをみながらポックリポッ
クリあるく
最近、知ったのですが、この歌の作曲者、松島彝(つね)は、国府台女子学院
の校歌の作曲者で、暁星学園、東洋英和女学院は、北原白秋、山田耕筰の大御
所コンビ、日出学園は、西条八十、山田耕筰、聖徳大学附属小学校は、サトウ
ハチローの作詞と、私学の校歌も、有名人の手がけたものがあり、うかつにも
見逃していました(苦笑)。
 
ところで、年寄が増える高齢化社会です。
老後こそ人様に迷惑をかけないで生きたいものです。核家族化が進み、老後の
世話を誰が見てくれるのかと、老人受難の時代と嘆いても、若者からみれば、
これだけ多くなった年寄りの面倒をみるのですから、若者受難の時代だと言わ
ざるを得ないでしょう。頼りは親子の絆ですが、これは小さい時に決まるよう
な気がします。過剰な愛情からは、強い絆は生まれないのではないでしょうか。
アルツハイマーになったら、頼りは連れ合いです。何だか寂しい話ですが、現
代版「姥捨て山」、あちこちで聞かれます。年を取ってからの生き方にこそ、充
実感を持ちたいものだと思います。体の健康も大事ですが、心の健康も大切で
す。生きがいは、自分で作るものです。歳月で培われた知恵があるではないで
すかなどと、いきがることもありませんが(笑)。子どもの成長だけを生きがい
にするのは、子どもにとっても迷惑な話です。ましてや、「老後の面倒を子ども
に」と願うのは、年寄りのエゴではないかと考えます。「幼子に自立心を養え」
などと偉そうなことを言ってきましたが、年寄りこそ健康である限り、自立心
を強く持つべきではないでしょうか。ただし、若い皆様方には、「孝行のしたい
時分に親はなし」とならないようにお願いしておきましょう。
 
それはさておき、秋も深まってきました。紅葉狩りも、日本の風物詩に欠かせ
ない絶景の一つでしょう。♪秋の夕日に照る山もみじ♪ 童謡「もみじ」の世
界ですが、もみじという木があるわけではなく、カエデ科の木、ナラ、クヌギ
など赤や黄色に色づく落葉樹をもみじといい、「紅葉狩り」は「梨狩り」「きの
こ狩り」「潮干狩り」などと違い、木の枝や葉を取るのではなく、色づいた木の
葉を見て楽しむものですね。枝を折る不心得者もいますが、やめてほしいです
ね。
 
♪ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 見つけた♪
私の住む川越市の郊外には、こういった秋の気配を楽しめる自然が残っていま
す。一幅の絵になるような、郊外でよく見かける素朴な晩秋の景色です。柿が
たわわに実り、桜の落ち葉からは、ほのかな香りが漂う、そんな雑木林を散歩
できる幸せを、月並みな表現で恥ずかしい限りですが、噛みしめています。こ
こ数年、やってくるようになった鴨が、間もなく今年も近くを流れる不老川に
戻ってくるでしょう。どういう仕組みになっているのでしょうか、不思議です
ね。作年の春のことでしたが、その鴨親子に石を投げている子どもたちがいて
叱りつけましたが、何と女の子でした。愕然としましたね。家庭での教育をし
っかりとやらねばいけないと思うのは、年寄りの愚痴であればいいのですが。
 
ところで、雑木林を散歩していたときのことですが、ポトンと何か落ちてくる
音がしたので探してみると、かなり大きな丸いどんぐりでした。風が吹くたび
に、ポトン、ポトンと落ちて来るのでびっくりしましたね。その時に思い出し
たのは、「どんぐりころころ」の歌でした。私は、「どんぐりころころ どんぐ
り子」だと思っていたのですが、進学教室の歌姫こと、まいちゃんが、「先生違
うよ。♪どんぐりころころ どんぶりこ♪ですよ」と言って歌ってくれたこと
でした。向田邦子さんもある随筆で、野口雨情の「赤い靴」の歌詞、「異人さん
に連れられて」を「いい爺さんに連れられて」、土井晩翠の「荒城の月」の「め
ぐる盃」を「ねむるさかづき」と覚えていたと読んだことがありますが、誤っ
て覚えてしまうことは結構あるようですね(笑)。
 
枯葉といえば、私たちの世代では、イブ・モンタン、ジュリエット・グレコの
歌ったシャンソン「枯葉」と、マイルス・デイビスの名演奏を忘れることはで
きません。シャンソンもモダンジャズも、どこかへ消えてしまったようでさみ
しい限りですが、夜中、ひそかにレコード盤へ針を下ろし聴いているファンも
いるのではないでしょうか。私もその一人です。モンタン、グレコの心にしみ
る歌声、デイビスのミュートをきかせたトランペットの音色と小粋なソロ(即興
演奏)も、静かな秋の夜が似合います。月を肴に人肌のかん酒で過ごすひと時、
晩秋は、人生をゆっくりと考えさせる自然の恵みかもしれません。
やはり、日本の四季は、素晴らしいですね。(感謝)
 
           【最終回にあたり】
思い返せば、幼児教育ほど難しく、奥の深いものはないと痛感させられること
ばかりでした。むずかる子どもたちを、巧みにあやしてしまうお母さん方や保
育園、幼稚園、幼児教室の先生方を見るにつけ、「これはかなわない」と何度も
弱気になったものでしたが、その度に心の支えとなったのは、この言葉でした。
 
 心に火を点ける
  凡庸な教師はただしゃべる。
  少しましな教師は理解させようと説明する。
  優れた教師は自らやってみせる。
  本当に優れた教師は生徒の心に火を点ける。 
    ウィリアム・アーサー・ワード (19世紀のイギリスの教育学者)
 
おこがましくも、教師の代わりに「親」を、生徒の代わりに「子ども」と置き
換えると、「本当に優れた親は子どもの心に火を点ける」となりますが、親を4
0数年やって、「まさにその通りだな」とうなずかざるを得ません。私の好きな
響きのいい言葉に置き換えると、「わが子の心に火をともす」となりますが、こ
れこそ育児の究極の目的、ご両親の仕事ではないでしょうか。
 
本メールマガジンの情報の基礎となっている「年中行事を『科学』する」(産経
新聞社 刊)の「まえがき」で永田久先生は、「年中行事は民族を象徴する。年
中行事を知ることは民族の歩みを知ることである」と述べています。将来に目
を向けることも大切ですが、私たちの祖先が、どのように歩んできたかを、日
常生活を通して知ることも、意義があると思います。なぜなら、年中行事やむ
かし話には、幼い子どもたちが、楽しく生きるために心の糧となるヒントが、
たくさん詰まっているからです。
 
思惑通りになったかどうかわかりませんが、お子さんの小さな心に、ささやか
な灯火を点火できればと願い挑戦してみました。若い皆様の育児の参考になれ
ば幸いです。最後まで拙文をお読みいただきまして有難うございました。
 
お子さんの健やかな成長を、心からお祈りすると共に、素敵なお父さん、お母
さんになっていただきたく、一遍の詩を紹介しましょう。ここ数年、雙葉小学
校の説明会で配布されているものです。「この詩のプリントと入学試験は関係あ
りません」と校長先生はおっしゃっていましたが、私には、とても難しいこと
でしたが……(苦笑)。
 
                ★親の祈り★
        神さま
        もっと よい私にしてください。
        子どものいうことを よく聞いてやり
        心の疑問に 親切に答え
        子どもを よく理解する私にしてください。
        理由なく 子どもの心を傷つけることのないように
        お助けください。
        子どもの失敗を 笑ったり 怒ったりせず
        子どもの小さい間違いには目を閉じて
        よいところを心から褒めてやり
        伸ばしてやることができますように。
        大人の判断や習慣で
        子どもを しばることのないように
        子どもが自分で判断し
        自分で正しく行動していけるよう
        導く智恵をお与えください。
        感情的に叱るのではなく
        正しく注意してやれますように。
        道理にかなった希望は、できるかぎりかなえてやり
        彼らのためにならないことは
        やめさせることができますように。 
        どうぞ 意地悪な気持ちを取り去ってください。
        不平を言わないように助けてください。
        こちらが間違ったときには
        きちんとあやまる勇気を与えてください。
        いつも穏やかな広い心を お与えください。
        子どもといっしょに成長させてください。
        子どもが心から私を尊敬し慕うことができるよう
        子どもの愛と信頼にふさわしいものとしてください。
        子どもも私も 神さまによって生かされ
        愛されることを知り
        他の人々の祝福となることができますように。
        
        平成30年10月吉日
          めぇでる教育研究所 所長 藤本 紀元
お断り 
本文中に紹介しました作家名を、現役の男性には氏、亡くなられた方は敬称を
略しました。女性には、清少納言を除き全てさんをつけましたが、呼び捨てす
る勇気がなかったからです(笑)。

さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>★★手は第二の脳 4★★

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        「めぇでる教育研究所」発行
2020さわやかお受験のススメ現年中児 今から始める小学校受験
            第14
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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★★手は第二の脳 (4)★★
 ●模 写●                         
模写は、文字通り、お手本をまねて写すことです。図形と点図形の模写があり
ます。関西では、点図形を点結びともいいます。
 
図形の模写については後で詳しくお話ししますが、幼児にとって、非常に難し
く、また面倒な問題でもあり、今の段階で挑戦するのは酷なことですから、○
△□の描き方についてだけお話ししておきましょう。
 
〇△□といった図形の模写は、文字を書くときの基礎トレーニングです。          
 
○は、下から時計まわりに描きましょう。上から左回りに描くのは数字のゼロ
です。  
 
△は、頂点から左斜め下へ、そこから頂点に戻って右斜め下へ、最後に左から
右へ底辺を描きます。頂点から左斜め下へおり、いきなり右方向へ底辺を描き、
今度は左斜め上の頂点を目指すのは、大人の使う簡略法で、書写違反です。
 
□は、漢字の国がまえと同じです。左上から下におりて、そのまま戻らずに、
左回りで一周する子がいますが、これも書写違反です。  
 
今の段階で、○△□を正しく描けるようにしておきましょう。きちんと描ける
子は、文字もきれいに書けるようになります。文字には、筆順がありますから、
当然なのですが。           
 
点図形は、対称図形が多く、きれいですから楽しく取り組めます。簡単な問題
でも、きちんと線を引き仕上げましょう。面白いことに、性格までも姿を表し
ます。直線がよじれたり、点と点をつなぐときに脱線をしたり、通過すべき点
を外す子は、何をやっても雑になりがちです。スピードにこだわっているので
しょうが、描けていればいいのではありません。最初が大切で、ゆっくりと丁
寧に、時間をかけて、きれいに描くことです。
 
そして、忘れられがちなことですが、姿勢が悪ければ線も乱れます。背筋をき
ちんと伸ばし、左手でペーパーを押さえてかく習慣をつけましょう。ローマの
哲学者キケロは、「習慣は第二の先生なり」といっています。「習慣は、いつし
かその人の内部に深くしみこみ、生まれつきの性格のようになる」という意味
で、とても大切なことです。
何も偉そうに哲学者を引き合いに出すこともありませんが……(笑)。  
                                 
点図形は、立体の模写ができれば卒業ですが、大人には簡単に思えても、子ど
もには難しい作業です。 どこから始めればよいのか、わからない問題もあり
ます。必ずしも点と点を結ぶとは限らずに、サードとショートの間を抜くヒッ
トのように、点と点の間を抜けていくものもあります。
これは、納得するのに時間がかかります。
「点と点を結ぶのに、何で抜かすのですか?」
こう思っている子がいますが、こだわるから仕掛けに気づき間違いません。で
すから、じっくりと取り組む根気が必要です。どこがどうなっているのか、試
行錯誤をさせた方が、後で効果が表れます。観察力と集中力、そして、持久力
や忍耐力も身につきます。 さらに、全体のバランス感覚を養うのにも役立ち
ます。なぜなら、隅から隅まで、全体をきちんと見なければならないからです。 
絵を描くときにも、それが生きてきます。
                                       
ところで、頼りない線を引く子がいますが、鉛筆をしっかり持てていないから
で、おそらく箸の持ち方もおかしいでしょう。問題集をやる以前の問題で、こ
れを解決してから挑戦しましょう。                      
ただし、箸の持ち方は、食事の時に注意をしないことです。三度、三度、同じ
こといわれていては、気が滅入ります。文句をいわれているお子さんの気持ち
を察してあげましょう。キチンとした線が引けるようになれば、箸も正しく持
てるはずです。このトレーニングに取り組むのが、先ではないかと思います。           
 
Bか2Bの鉛筆で、直線や曲線、円などをなぐり書きをさせると効果が表れま
す。これは、スピードをあげてもかまいません。なぜなら、速く書くには鉛筆
をしっかりと持たねばなりませんし、どの辺を持てばよいかもわかるからです。
力み過ぎはいけませんが、そのバランスも、やっている内にマスターできます。
そして、指や腕の筋肉を鍛えましょう。鉄棒、雲梯や登り棒、縄跳び、ボール
つき、ブランコ、シーソーなどで、楽しく遊びながら握力がつきます。このよ
うな、遊びを通した筋肉トレーニングも必要です。あえていえば、今日まで見
過ごしてきた、ご両親の責任ではないでしょうか。
 
12号で、箸を使った問題を紹介しましたが、ああいった問題があるからとい
って、箸を使い、物を摘まむ訓練をするのは、試験がある以上仕方がないこと
ですが、出題の意図を考えれば、基本的な生活習慣が身についているか、しつ
けはきちんとできているかといった、子どもの成長過程を見ることにあるので
すから、本末転倒なことをやっていることに気づいてほしいですね。
 
書道の先生が、箸を持ち、その内の1本を抜き取った時、筆を持つ形ができて
いれば、箸をきちんと持って食事をしていることになるとおっしゃっていまし
たが、お子さんはいかがでしょうか。ペーパーテストが始まると、先生方が一
斉に筆記用具の持ち方を見るのは、育児の姿勢を判定するためといわれるのも、
やはり根拠があるのです。
 
大切なことですから、あえて繰り返しますが、立教女学院小学校の学校説明会
で、教頭先生は、憮然とした表情でこうおっしゃいました。
 
  「あえてこの場で申し上げますが、テストの中で、箸を使う場面がありま
したら、箸で物を運ぶ速
さを競っているのではなく、正しい箸の持ち方ができているかを見ているこ
とをご理解いただきたい。テストの趣旨はそこにあります。日本の文化でも
ある箸の持ち方を、きちんと身につけてほしいと考えています」
 
ここ数年、繰り返し同じ話をするということは、筆記用具のおかしな持ち方を
する子がいるということでしょうか。しかも、受験生は女の子です。お子さん
は大丈夫でしょか。箸をきちんと持てていれば、筆記用具も正しく持っている
ことになります。小学校の国語の授業は、正しい筆順で文字を書くことから始
まります。国語は、すべての教科の基礎、基本です。
 
なぜ、入学試験に、図形や点図形の模写があるか、お分かりいただけたのでは
ないでしょうか。
「たかが、○△□の書き方など」と侮っていると、お子さんは小学校のスター
トでつまずきかねないことをしっかりと考える、賢いお母さんになってほしい
ですね。
(次回は、「受験までの1年間のスケジュール」についてお話しいたしましょう)

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試直前の心構え

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        「めぇでる教育研究所」発行
    2019さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            第65号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試直前の心構え ★★
 
既に模擬面接も終え、面接の心構えもできていると思いますが、合否のカギを
握るといわれている「志望理由」について、念入りにチェックし、自然に話せ
るように練習をしてください。プレッシャーをかけるようで申し訳ありません
が、小学校受験合否のポイントは、「お父さん方の志望理由5割、子どもの成長
度5割」であることを思い出し、頑張りましょう。お子さんのためです。
 
入試直前の心構え
★ベストコンディションを作る 
入試直前、何とかベストコンディションで試験を受けさせてあげたいと、お母
さん方は計画を立てることでしょう。例えば、外から帰ってきたときは、手を
洗い、うがいをさせることから、栄養のバランスを考えた食事、早寝、早起き
をさせ、睡眠時間を十分にとるなど、配慮しなければならないことがたくさん
あります。
 
その1つに、時間の管理があります。
朝、8時半から試験が始まる場合、起きてから学校までかかる時間を逆算し、
その時間帯に合わせ、生活のリズムを作り直す必要があります。人間の脳は、
目を覚ますと、すぐにフル回転するものではなく、スイッチを入れれば、パッ
と光る電球のようにはいかず、柔軟なお子さんの頭でも、2、3時間かかると
もいわれているようです。こういった試験時間に対処できるコンディション作
りも親の大切な役目となります。
 
 ◆家庭学習について 
家庭学習をどのように進め、ベストの状態を保っていくかも難しい問題となり
ます。直前のことですから、もう苦手な問題は克服されていると思いますが、
「あなたはできる。これだけ頑張ったのだから大丈夫ですよ!」とあたたかい
言葉で励ましてください。
 
そして、ここが大切なのですが、得意な問題の場合、お子さんも自信がありま
すから、お母さんの読んでいる設問を、よく聞いていないこともありがちです。
「お母さんが読み終わるまでしっかりと聞き、始めといわれたら始め、終わり
といわれたら、きちんと止めること」、この約束を徹底することです。点図形、
模写、同図形(異図形)発見、系列完成、図形、しりとりなど、設問を聞かなく
てもできる問題があります。しかし、最後まで聞かないと指示される記号(○、
×、//など)がわかりません。皆が出来るやさしい問題であれば、このミス
を挽回することは不可能でしょう。
 
さらに、次のページに移る指示があっても、その問題にこだわっていると、明
らかにチェックの入る学校もあると聞きます。
また、制作や、ごっこ遊び、運動テストなども、話を聞いていなければ、うま
くできません。最後まで聞かずに勝手にやり始めると、当然、「指示の理解」や
「約束事を守れるか」などにチェックが入ります。
「先生のいうことを聞いてから始める、そして止める」、これを徹底させましょ
う。
 
「何回、教えたらわかるの!」             
「これができなければダメなの!」           
「そんなことができなければ、小学生になれません!」  
メールマガジンを読んでいらっしゃる皆さん方は、こういった言葉を使ってい
ないと信じていますが、励ましているつもりが、逆の効果になってしまうもの
です。
 
試験場でできない問題があると、トイレにいってしまう子どもがいるそうです。
なぜでしょうか。
「先生、トイレ!」                               
と言われれば、先生はトイレに連れて行くしかないでしょう。
「その時間にいなかったから、問題をやらなかった」
と言い訳を作っているとしたら、 これは恐ろしいことではありませんか。5
歳の子どもが言い訳を考える、こんな気持ちに追い込んではかわいそうです。
お母さんが怖いのです。最近は、怖いお父さんもいるようですね。
中には、「できない!」といって泣きだす子ども達もいると聞きます。                
ご両親方の合格をさせたいという気持ちは、痛いほどわかりますが、言葉がけ
には十分に注意しましょう。不用意な言葉は、自信を失わせます。情緒が不安
定になるような言葉は、絶対に使わないでください。
 
また、テスト会場で、隣の子の答案をのぞくお子さんがいるそうです。これは、
いわゆるカンニングではありません。正解であるにもかかわらず、隣の子の答
えを見て訂正してしまうのです。                                               
なぜでしょうか……。やはり、自信が無いのです。                                
 
隣の答案をのぞく子にしないためにも、
「あなたが思ったとおりでいいのですよ」
と、自分の考えたことに自信を持たせましょう。
「お母さんは、一所懸命に考えて頑張る子、大好きなの。それでもわからなけ
れば、仕方がないことなのよ」
と、笑って励ましてください。
ただし、「一所懸命、考えてもわからない場合」と、約束しましょう。
 
よくできるお子さんでも、できない問題にぶつかるとパニックになってしまう
ケースがあるようです。
できる子だけに、厄介なのです。「できない」ことにこだわり、次の問題に取り
組めないのです。こういったことも十分に考えられますから、「あなたが考えて
もできないような問題なら、他の子もできませんよ。大丈夫、自信を持って、
次の問題に挑戦しましょう」といった言葉がけも必要ではないでしょうか。
 
 ◆試験についての説明 
次に、試験について、どう説明するかです。
以前は、子ども達に試験といったイメージを与えないようにしたものですが、
これだけ情報が広がり、いろいろと体験をしていると、そうはいかないでしょ
う。受験する学校での公開模擬テストやホームグラウンド以外の教室や、他の
幼児教室、塾などで試験を受けることから、お子さん自身も心積もりはできて
いるかと思いますが、やはり、プレッシャーはかかります。心身共に強い子ど
もは、そうはいません。「頑張れ!」といわれれば、本当に頑張る子もいれば、
その一言で駄目になってしまう子もいます。
ピアノなどのお稽古ごとの発表会や幼稚園のお遊戯会などの前夜になると、突
然、腹痛や発熱する神経過敏なお子さんには、「今日は、いつもの教室と違って、
ここの学校でやるのですよ」といった説明がいいのではないでしょうか。控室
でゼッケンをつけ試験場に入り、テストの内容も、ほとんどの場合、教室で受
けているのと同じだからです。「パパ(ママ)の言うとおりだ!」と安心し、そ
して頑張るのが子ども達です。お子さんの性格をよく知っているのはご両親で
すから、こういったことにも注意し、当日の朝を迎えてあげましょう。
 
 ◆怪情報、うわさについて 
一時ほどではなくなりましたが、厄介なことが一つあります。それは、怪情報、
うわさです。
以前、昭和60年代に開かれた四谷雙葉小学校の説明会の様子を紹介しました
が、うわさとは、多くの場合、根も葉もない、単なるうわさに過ぎません。当
事者であるお母さん方は、とかくわらをもつかみたくなる心境になりやすいで
しょうが、そこにつけ込むのがうわさです。後で思い出すと「ナンダ!」とな
るものばかりのはずです。
「受験する前に、もう合格者は決まっている!」
「紹介者がなければ駄目!」
といったことが本当なら、受験料を取る学校は、まさに詐欺行為ではありませ
んか。司直が許すわけがないのです。税務署も同様です。
 
「紹介者がなければ駄目!」
といったことが本当であれば、今年の暁星小学校の説明会でも、「紹介状や推薦
状は必要ありません。本人の実力を第一とする」とおっしゃったことが、うそ
になります。マリア様が、うそをお見逃しになるわけがありません。
 
また、青山学院初等部のホームページのQ&Aのコーナーには、
Q「紹介状や推薦状の必要はありますか」
A「必要ありませんし、用意されても受け取りません」
とあります。
 
さらに、幼稚舎のホーページのQ&Aコーナーには、
A「入学試験に関して、舎長および教職員との面会は一切できません」
と掲示されていますが、ほとんどの学校で、校長先生はもちろんのこと、教職
員の方々が、受験に関する面談に応じることはありませんし、お断りしている
はずです。
 
気になるうわさに心を痛めるようでしたら、お父さんに聞いてみましょう。お
そらく、一笑されるはずですから。お願いしますよ、お父さん!
 
「暑さ寒さも彼岸まで」とは、猛暑を経験しただけに、ありがたいものですが、
初秋は、とかく気候が不順になりがちとはいえ、昨年と同様、今年も少し異常
ではないでしょうか。健康管理には、十分、注意してあげましょう。そして、
お母さん、保護者であることを忘れずに、頑張ってください!
 
昔の曲ですが、大橋節夫作詞、作曲の「幸せはここに」(YouTubeで聴けます)
があります。
    秋の夜は更けて すだく虫の音に
    疲れた心いやす わが家の窓辺
    静かに ほのぼのと 幸せはここに
お子さんの寝顔を見ながら、すだく虫の音に、耳を傾ける余裕を持ちましょう。
 (次回は、「当日の留意点とご両親の心構え」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>面接、ここがポイント

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2019さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第48
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面接、ここがポイント
 
何事もそうですが、初めてのことには、不安がつきまとうものです。面接を受
けられたお母さん方は、「何が何だかわからないうちに終わってしまいました」
と苦笑まじりにおっしゃいます。不安を解消するには、どういったことに注意
すればよいかを知っておくことも大切です。そうすれば、自信を持って面接に
臨めるはずです。
 
まず、ご両親が、絶対に忘れてならないのは、幼稚園の受験は、ご両親の意志
ではじめたことです。ご両親は、保護者であることを肝に銘じて面接に臨むべ
きです。緊張して、あがってしまったらどうしようなどと、気をもむときでは
ありません。何やら池波正太郎風ですが、「仕掛人はご両親」であることを忘れ
ないでほしいのです。
 
 ★面接当日の服装★
「○○幼稚園では、親子共に紺で統一しなくては失礼にあたる!」
などと噂があるようですが、単なる噂にすぎません。
かつて、ある幼稚園の募集要項に、「親子で紺色にそろえる必要はありません」
と注意書きがありましたし、小学校の面接でも、「みなさん、同じような紺の洋
服では、不自然と思いませんか」などの質問があったことからも、つまらない
噂であることがわかります。
しかし、だからといって、人と違った服装をするには、勇気が必要でしょうし、
抵抗もあるでしょう。幼稚園側も、服装などどうでもよいといっているわけで
はないと思います。
やはり、初めての方とお話をするのですから、それなりの礼を尽くすのは、当
然のマナーです。問題は、普段、お子さんは紺の洋服を着ることに慣れている
でしょうか。しかも、ご両親とも、あまり見かけない服装で、きちんときめて
います。このことです……。
「あれっ!」と思わないわけがないのです。これだけでも緊張するのがお子さ
んです。
「お子さんに、余計なプレッシャーをかけないで下さい」という幼稚園側の配
慮ではないかと思います。
 
ですから、当日だけ着せるのではなく、何回も袖を通して着慣れておきたいも
のです。そして、お父さんにひげを剃ってもらい、当日と同じ服装で出かける
機会を作っておきましょう。できれば、受験される幼稚園まで出かけてみるの
もいいでしょう。
ケース・スタディーで紹介しました「シスターさんとのご対面」の例もあるか
らです。
「特別な気持ちにさせないで下さい」という幼稚園側の気持ちが聞こえてきま
せんか。
このことだと思います。
 
そして、どこの幼稚園でも、「堅実な家庭を築くお父さん、それを支える謙虚な
お母さん」を求めています。それが、身だしなみとして表れます。言うまでも
ないことでしょうが、装飾品はマリッジリングだけにし、化粧も香水も控えめ
になさるのが賢明でしょう。
 
 ★持参するものをチェックする★
信じられない話ですが、当日に面接票を忘れた方がいたとのことです。緊張の
あまり犯したミスでしょう。こういったことがないように「面接当日に持参す
るもの一覧表」を作っておくことです。
 ① 面接票(受験票)
 ② 提出する面接資料やアンケート用紙
 ③ 募集要項や試験当日のスケジュール表(出願後に幼稚園から送られてく
る資料)
 ④ 筆記用具や消しゴム、携帯用辞書
   その年だけ、突然、アンケートに記入を求められる場合もありますから、
一応、用
意しておきたいものです。
 ⑤ 両親の上履きやお子さんの運動靴。
 ⑥ 雨に備えて、雨具を入れるもの、ズボンやソックスなどの着替えも必要
でしょう。
 ⑦ あってはいけないことですが、万一の病気に備え、解熱剤や整腸剤の用
意を。
 ⑧ 携帯電話
 事故などで緊急に連絡する場合、携帯電話は欠かせません。持参しても、
マナーモードにすることをお忘れなく。スイッチを切った方が無難でし
ょう。充電もお忘れなく。
 ⑨ スイカ、パスモなど。
 
そして、当日は、ゆったりとした気持ちで出かけるように、しっかりと心の準
備もしておきましょう。そのためにも特訓を行ってほしいのです。と言っても、
特別に難しいことをするわけではありません。
 
たとえば、話そうと考えている「志望理由」を、テープに吹き込んでみましょ
う。それが30秒を越え1分近くにもなると、ご自身でも長いことがわかりま
す。30秒を越えると、はじめに聞いたことは忘れられがちで、印象に残りま
せん。録音した話を聞き、何回も何回も推敲を重ね、最後に自分自身の言葉で、
きっちりと志望理由を話せるように頑張ってください。そこまでやれば、「記憶
された志望理由」ではなく、「ご自身の言葉で話す育児の姿勢」になっています
し、「園の保育の方針」に限りなく近くなっているはずです。
 
そのポイントですが、今年説明会を開催した雙葉幼稚園の場合を考えてみまし
ょう。
 ① 宗教教育に何を期待しているか。
 ② 女子だけの教育環境に何を期待しているか。
 ③ 高校までの一貫教育制度に何を期待しているか。
幼稚園を受験するのに、②③は必要ですかとお考えでしたら、認識不足だと思
います。男の子はともかくとして、幼稚園は、その後の12年間の教育課程の
スタート点であり、この3点をきちんと考えていけば、自ずと「なぜ、雙葉幼
稚園か!」になるはずです。これを30秒前後にまとめるとなると、そうは簡
単にはいかないでしょう。
 
さらに、校訓である「徳においては純真に、義務においては堅実に」を、どう
解釈して、ご自身の育児に取り入れているかということです。このことについ
ては、横浜雙葉小学校の説明会で聞いた話ですが、簡単に言えば、「見返りを考
えないで、一生懸命に頑張る子を歓迎します」ということでした。ご両親の育
児の姿勢が、「見返りを考えないで、一生懸命に頑張る子を育てる」であれば、
保育の方針と一致していることになります。そうであれば、普段、ご両親がや
っていることを、そのまままとめればいいわけです。幼稚園側が、普段着で来
てくださいという理由は、こういうことなのです。絵に描いた餅のような志望
理由では、説得力はありませんし、それを記憶するだけでは、「忘れたらどうし
よう」といった心配の種になり、当日、しどろもどろになりかねません。
 
よく模範回答を教えてほしいといわれますが、私が受験するわけではありませ
んから、できないことです。以前、あるガイドブックに模範例を紹介しました
が、こういった考え方もあるといった観点から、当たり障りのない文章を作り
ました。今読むと冷や汗ものです。
 
以前にも紹介したかと思いますが、慶應義塾幼稚舎が作文も面接も止めてしま
った理由は、「傾向と対策的な準備が行われている」と判断したからです。同じ
ような作文や回答が多くなったということでしょう。それでは何のための作文
であり面接かということです。
 
お子さんのためです。質問事項を想定して、自分自身の言葉で答えられるよう
に、繰り返し練習してください。言葉は、とにかく口に出さなければ生きてき
ません。よい印象を与える言葉、それは、ご自身で捜し出すものだと思います。
頑張ってください。
 
幼稚園に着くと、所定の手続きをして、控室で待ちます。たくさんの親子が集
まりますから、「何だかおかしいな?」などと、お子さんも緊張するかもしれま
せん。幼児教室へ通っていれば、
「いつもの教室ではなくて、今日は、幼稚園で、いろんなことをして遊ぶので
すよ」
と、うまく導くこともできるでしょう。教室へ通う目的は、もちろん、志望園
に合格することなのですが、お子さんの場合は、「お母さんのもとを離れても楽
しいことがたくさんあることを、きちんと学習しておくこと」だからなのです。
 
緊張のあまり泣き出すお子さんもいます。お母さんがあわててしまい、なだめ
ようとしますが、うまくいかないと、恐い顔になりがちで、収拾がつかなくな
ります。そういったことにならないよう、楽しい雰囲気を作ってあげましょう。
それには、何といっても、ご両親が普段と変わらないことです。繰り返します
が、それには、志望理由がきちんとできていることです。
 
控室では、静かに待つことになりますが、2、3歳の幼児には、これが苦手で
す。好きな絵本などを持っていき、読んであげるのもいいでしょう。ただし、
玩具類を持っていくのは止めましょう。他のお子さんも持ってきたいのを我慢
しているからです。普段から、何かを持っていないと落ち着かないお子さんの
場合、その原因を考え、徐々に何も持っていなくてもいいように、しつけてお
きましょう。「当日だけダメ!」は、お子さんに不安を与えるだけです。
 
入室については、ケース・スタディーでお話しましたから、再度触れませんが、
どういった順序で入るか、ご両親でお決めになり、お子さんと一緒に練習をし
ておきましょう。
そして、面接室へ入ったら止まり、三人そろって横に並んだところで、一呼吸、
入れます。
それから「よろしくお願いします」とお父さんが声をかければ、落ち着きます。
着席する時も、お子さんは誰と一緒にいくか決めておけば、あわてることもあ
りません。お母さんがリードしていくのが自然でしょう。
ここまでの流れがスムーズにいけば、もう、大丈夫です。そのためにも、しっ
かりと、手順を間違えないように練習をしてほしいのです。
 
幼稚園によって、面接官に向かって左から、父、子ども、母の場合もあれば、
逆に、向かって、母、子ども、父となるところもあります。入室した時に、一
息入れ、指示を待って、それに従いましょう。指示がないからと勝手に動かず
に、お父さんが、「こちらでよろしいでしょうか」と尋ね、それから行動すれば
いいのですから、とにかく、あわてないことです。
お母さんは、お子さんが着席できたのを確かめてから座りましょう。こういっ
たことも、親子で練習をしておけば、何でもないことなのです。質問の受け答
えだけの練習をするのではなく、こちらの一連の動きの方が、もっと大切です。
この動きがスムーズでなければ、緊張を高めることになりがちです。足をしっ
かりと運び、一声出れば、気持ちも楽になるはずです。お父さんへお願いして
おきましょう。照れないでやってください、可愛いお子さんのためです。
 
お子さんが立ったまま質問を受ける幼稚園もありますが、お子さんは、なかな
かきちんと立っていられないものです。幼児教室へ通っているお子さんは、そ
ういった体験をたくさん積んでいますから心配ないと思いますが、何をしでか
すかわからないのが幼児です。お母さんの方へ寄りかかったりするかもしれま
せん。そんなとき恐い顔で注意せずに、お子さんがきちんと立てる合図を決め
ておきましょう。
「もう少し頑張ろうね」
とやさしく声をかければ、お子さんも安心します。面接の先生方は、そういっ
たときのお母さんの態度を見ているはずだからです。
 
着席したときに、正面を向いた姿勢で、お子さんを視野に入れておきましょう。
お子さんの面接中に、どんなサインが出るかわからないのが幼児です。助け舟
を求めてきたとき、知らん顔をしているわけにはいきませんから、どういった
対応が、過保護、過干渉にならないか、考えておきたいものです。その目安で
すが、お母さんが面接の先生であったならば、どういう応対がいけないか考え
てみましょう。
お子さんを視野に入れることに関してですが、体は正面を向いたままの姿勢で
あることが大切で、動かしていいのは顔だけです。ぴったりと寄り添ってしま
うお母さんがいますが、あまり格好のいいものではありません。身体全体で過
保護を表していることになりかねないからです。
 
お子さんに関しては、難しい質問はありませんから、一問一答を、おおらかな
気持ちで聞き取れるお母さんであってください。とんでもない答えをいっても、
即座に訂正したりせず、あわてないことです。
「おやおや、緊張しているのだわ」と、あくまでも保護者の気持ちを忘れない
で下さい。挽回のチャンスが、お母さんへの質問の中にあるはずですから、そ
こをきちんととらえて、対応しましょう。
 
お子さんや、ご両親への質問でやってはいけないこと、口を閉ざして黙ってし
まった場合などは、ケース・スタディーで紹介しましたから、もう一度、確認
しておいて下さい。
 
質問が終わり、退出するときも、お父さん、子ども、お母さんの順序で出口に
向かい、そこで止まり、横に並んでから、「失礼します」とお父さんが声をかけ、
出るようにし、お母さんは、最後に会釈をし、ドアを閉めて退出しましょう。
そして、「お父さん、ご苦労さまでした」といえる謙虚なお母さんであってくだ
さい。
絶対に合格します。
 
しかし、出てしばらくすると、お父さんを非難するお母さんがいるそうです。
合格しないでしょうね。「壁に耳あり」ではありませんが、どこで見られている
かもわかりません。
感じのいいものではありませんから、文句があるなら、幼稚園を出て、お子さ
んにわからないようにやってください。
 
しかし、不思議なのですが、面接が終わって文句を言うのは、お母さん方で、
そういうお父さん方をほとんど見かけないそうです。これは、いったい、どう
いうことなのでしょうか。男性と女性とでは、どちらに瞬間湯沸かし器が多い
かは、わかりませんが、ご両親の話し合いが、きちんとできていないことに原
因があるようです。
 
またしても、志望理由になりますが、ここで、3年保育に在園中の受験の場合
を考えてみましょう。
「どうして、通っている幼稚園を変えてまで受験をするのか」、この理由がきち
んとできていないと、幼稚園側を説得することは不可能でしょう。
1年近く通い、園にもなれ、友達もでき、お子さん自身が作り上げた環境を、
親の一存で変えるわけですから、これは大変なことをするわけです。
「受験したが、ご縁がなかったので再挑戦」、「まだ心身ともに通園できるか不
安だったから」、「出産の予定」、「主人の転勤で」、などの場合は問題ないでしょ
うが、転園する理由に妥当性のあることがポイントになるでしょう。
例えば、「お子さんは、毎日、楽しく幼稚園へ行っていますか」などと質問され
たとき、どう答えますか。
こういった質問にも対応できる準備をしっかりしておくことが大切です。
 
季節の変わり目は、気温も不安定になりがちです。
お子さんの体調には十分気をつけてあげましょう。
(次回は、当日の心構えなどについてお話しましょう)
 
お詫び 第46号の雙葉小学校附属幼稚園の紹介の終わりのところに、「堅実な
家庭を築くお父さん、それを支える堅強なお母さん」とありますが、
「謙虚なお母さん」の誤りです。「堅強」では、おっかないですね。
訂正してお詫びいたします。藤本

さわやかお受験のススメ<保護者編>第13章 七五三でしょうな 霜月(2)

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2019さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第48号-
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第13章 七五三ですね 霜月(2) 
 
9月24日(月)の十五夜の満月をご覧になった方、10月21日(日)の十
三夜も見ておきたいものです。「箱根、仙石原のすすきが見頃」とネットに出て
いましたが、お子さんに、満月とすすき、日本の秋の風物詩を肌で感じさせた
いものです。
 
             ★★むかし話と伝説の違い★★
孫引きで気が引けるのですが、「昔話と伝説」について、わかりやすい解説があ
りますので、紹介しましょう。
 
 昔話と伝説には区分がある。
 「昔、昔、あるところにお爺さんとお婆さんがいました」と始まるのは昔話の
ほうである。いつ、どこで、だれが……を特定していない。いつでも、どこで
も、だれでもかまわない。
 そこへ行くと伝説のほうは、
 「伊吹山と浅井岳は古くから高さを競い合っていたが、あるとき浅井岳が一
夜にして背を高くした。伊吹山の神タダミヒコはおおいに怒って浅井岳の神ア
サイヒメの首を斬った。首は琵琶湖に落ちて島となり、これが竹生島である」
といったぐあいに、まことしやかである。いつ、どこで、だれが、といった事
情がそれなりにはっきりとしている。とりわけ土地との結びつきが深い。どこ
で起きたことなのか具体的に記されている。
 柳田國男 (1875-1962)の言葉を借りれば、
「伝説と昔話とはどう違うか。それに答えるならば、昔話は動物のごとく、伝
説は植物のようなものであります。昔話は方々をとび歩くから、どこに行って
も同じ姿を見かけることができますが、伝説はある一つの土地に根を生やして
いて、そうして常に成長してゆくのであります。雀や頬白(ほおじろ)はみな
同じ顔をしていますが、梅や椿は一本一本に枝ぶりが変わっているので見覚え
があります」(「日本の伝説」はしがき)
とあって、このたとえ話はわかりやすい。
 伝説は土地との関わりにおいていろいろな枝葉をつけ、人々の願望を反映し
て成長していく。昔話はどこにでも移っていく。同じような話があちこちにあ
る。多少姿がちがっても「同じものだな」と見当がつく。                       
(集英社文庫 「ものがたり風土記」P23  阿刀田 高 著 集英社 刊)   
                         
「さすが、柳田國男先生」などとおこがましい限りですが、「昔話は動物のごと
く、伝説は植物のようなものであります」の一言ですね。桜の名所を訪ねるの
も訳ありなのです。雀やほおじろ、どこにでも顔を出しているので、素直に納
得しています。
 
            【十一月に読んであげたい本 (1)】
七五三は、親が子どもの健やかな成長を祈る日です。しかし、かけ過ぎる愛情
は、子どもの成長を妨げがちです。七五三は、親の子どもに対する愛情チェッ
クの節目ではないかと思います。子を思う親の素朴な愛情を描いた昔話は、心
があたたまります。
 
蛇というと、嫌われものの代名詞のようで、昔話でも悪役が多いのですが、こ
の話は違います。もともと蛇は、水の霊、水の神さまのお使いと信じられてい
ました。この話は、自然の恐ろしさと、お母さんの子を思う姿を伝えた話です
が、嫌われがちな蛇だからこそ、説得力があります。親子の愛情、特に母親の
見返りを求めない無償のほほ笑み的な子を思う心は、理屈を越えた素晴らしい
ものです。
 
しかし、今では、この親子の絆が壊れかけているような気がしてなりません。
ほとんどの場合、親に責任ありと考えます。「あなたのために、お母さんは…
…!」という言葉は、子どもにとって釈然としないものがあるのではないでし
ょうか。育児は、皆さんのご両親がそうであったように無償です。エゴ丸出し
のうとましい母性愛は、子ども達にも迷惑で、やがて嫌われるものではないで
しょうか。気持ちはわかるのですが……。        
 
 愛には、報われることを目標とするエロス的愛と、与えるだけで全くお返し
を期待しないアガペー的愛があることは言われているが、親でありながら、エ
ロス的愛しか持たぬものがけっこう多いのである。
  (完本 戒老録 自らの救いのために P86 曽野綾子 著 祥伝社 刊)
 
「アガペーとエロス」、学生時代にキリスト教倫理学で習った記憶がありますが、
この年になってお目にかかるとは思いませんでした(笑)。
曽野さんは聖心女子大学出身の才媛で、キリスト教倫理に基づく数々の小説や
歯に衣を着せぬ評論で知られていますが、アフリカなどでのボランティア活動
を知れば、さもありなんと納得せざるを得ません。近著の「人間にとって成熟
とは何か」(幻冬舎 刊)は、50代に出会いたかった本の一冊で、悔しい限り
です。(残念) 
現在、聖心女子学院には昭和46年に廃止したため幼稚園はありませんが、入
園した曽野さんは何かの随筆に、「私の時は、名前と年を聞かれただけでした」
と書かれていました。今、幼稚園があれば、とてもじゃありませんが、「名前と
年」だけでは済まないでしょう。学院は4・4・4制に移行し、中学受験はなく
なりました。
 
      ◆へびのよめさま◆   丸山 邦子 著
 むかし、あるところに、一人のお百姓さんが住んでいました。
 ある時、子どもたちがいじめていた蛇を助けてあげると、その晩、美しい女
性が、一晩泊めてほしいと訪ねてきました。次の日、お百姓さんが仕事を終え
て帰ってくると、その美しい女性が食事の支度をしていたのです。そうこうし
ている内に夫婦になり、子どもができ、お産の時は見てはいけないと言われま
したが、心配のあまりのぞいたのです。     すると、部屋の中には大き
な蛇がいて、とぐろの上に赤ん坊を乗せ、なめていたのです。
 やがて、赤ん坊を抱いて出て来て、
「私は、助けてもらった蛇で恩返しに嫁になりましたが、姿を見られては、と
どまることは出来ません」と言い、赤ん坊が泣いたら、しゃぶらせてほしいと
美しい玉を渡すと、沼に姿を消したのです。赤ん坊は、玉をしゃぶり、健やか
に育ちました。
 ところが、話を聞いた殿様は玉が欲しくなり、家来に言いつけて、取り上げ
てしまったのです。腹を空かせた赤ん坊は、泣きやみません。途方に暮れたお
百姓さんは、沼の淵で、ことの次第を話しました。すると、大きな蛇が、口に
玉をくわえて現れたのです。一つの目から血が流れ、もう一つの目は、ふさが
っていました。美しい玉は、蛇の片目だったのです。取られたのなら仕方ない
と、もう片方の目玉をくれたのでした。
 しかし、この玉も殿様に奪われてしまうのです。
 お百姓さんが、このことを告げると、蛇は怒り、
 「子どもを連れて山へ逃げてください!」
と言ったので、お百姓さんは、子どもを背負って駆け出しました。頂上に着い
たとき、沼の水が盛り上がり、城に向かって流れ出したのです。恐ろしい力で
向かってくる水の力に、城は、ひとたまりもありません。みんな流されたその
後は、湖になってしまったのでした。 
  九月のはなし きのこのばけもの  松谷 みよ子/吉沢 和夫 監
                 日本民話の会・編 国土社 刊 
 
日常生活を快適に過ごすために、やってはいけないことを定め、それを破ると
破局を招く発想は、先に紹介しました「古事記」の上巻に、豊玉姫(トヨタマ
ヒメ)の出産をのぞいたことで離別する神話があります。姫の正体はふかでし
たが、その他にも、機を織る仕事場をのぞいてしまった「鶴の恩返し」や、魚や
貝が恩返しをする話などでよく知られています。「見ないでください」といわれ
ると見たくなるのは、「怖いもの見たさ」と同様、人間の悪しき性(さが)のよ
うですね。
 
これとよく似た話があります。
両目を失った蛇から、「私は盲目となってしまい、わが子の姿を見ることができ
なくなりました。三井寺の鐘を毎日ついて、子どもの無事を知らせてください。
年の暮れには、1年過ぎたことがわかるように、多くの鐘を撞いてください。
お返しに人々に幸運を授けましょう」という滋賀県の伝説「三井寺の晩鐘」で
す。以来、三井寺では、除夜の鐘に際し、多くの燈明を献じ、目玉餅を供え、
108に限らず、できるだけ多くの人に、できるだけ多く鐘を撞いてもらう特
別の儀式が行われています。(www.shiga-miidera.or.jpより)
       
余談になりますが、晩鐘というとジャン=フランソワ・ミレーの馬鈴薯畑で働
く農夫が、教会から流れる夕方のアンジェラスの鐘に合わせて祈りを捧げる名
画「晩鐘」があり、小学校6年生の頃、図工の先生が画集を持ってきては絵の
解説をしてくれたことを思い出します。「落ち穂拾い」「羊飼いの少女」と共に
忘れられない作品となりましたが、先生から「馬鈴薯はジャガ芋」、「アンジェ
ラスはラテン語でエンジェル」と教わり、言葉の響きが新鮮で今でも覚えてい
ます。おそらく、自分で解説書を読んだだけでは、このような印象を受けなか
ったのではないかと思います。そういったことからも音読は、非常に大切では
ないかと考え、小学生の子ども達に薦めています。井沢元彦氏の「言霊(こと
だま)の国・解体新書」(小学館文庫 刊)ではありませんが、言葉にも生命が
あるような気がしますね。万葉集をはじめ古今集などの歌集が今でも読まれて
いるのも、言霊が脈々と生き続けいる証(あかし)ではないでしょうか。
 
ところで、最近、落語を聞く機会がほとんどなくなりましたが、「寿限無(じゅ
げむ)」という噺があります。子どもがけんかをして、寿限無にぶたれた子が、
こぶを寿限無の親に見せるのですが、名前があまりにも長いために、文句をい
っているうちに、こぶがへこんでしまった噺です。名前の長さは、この話に出
てくる名前の五倍ほどあり、それをきちんと覚えている噺家さんは、すごい記
憶力だなと、子ども心にも感心させられたものです。
YouTubeで若き日の故立川談志師匠の「寿限無」を聞くことができます。
気持ちはわかるのですが、親の愛情が行き過ぎると、妙な具合になる話です。
名前は、一生の付き合いですから、あまりこったものでは、本人が大変です。
そういえば、「悪魔」という名前を、役所で受け付けなかった話がありましたね。
 
     ◆長い名まえ◆   浜田 廣介 著
むかし、ある村外れに、「やぶん中」と呼ばれる家がありましたが、どうしたわ
けか、子どもが無事に育たず、3、4歳になると、あの世に行ってしまうので
す。ある年に、男の子が生まれ、心配したおじいさんは、長生きできるように、
長い名前をつけることにし、和尚さんにお願いしたのです。
つけた名前は、「一丁ぎりの丁ぎりの、丁丁ぎりの丁ぎりの、あの山こえて谷こ
えて、ちゃんばちゃく助、なんみょう長助」でした。これで、長生きできると、
おじいさんは安心して帰るのです。
ある日のこと、長助は川へ菖蒲をとりにいき、丸太の橋を渡ったときに、足を
滑らせ落ちてしまったのでした。友達は、おじいさんに知らせました。
「やぶん中のおじちゃん、大変だぁ。おじいちゃんちの、一丁ぎりの丁ぎりの、
丁丁ぎりの丁ぎりの、あの山こえて谷こえて、ちゃんばちゃく助、なんみょう
長助ちゃんが、落っこちたぁ、落っこちちゃったぁ、川ん中へ!」
声を聞いて、出てきたおじいちゃんは、
「おおい、子どもしゅう。一丁ぎりの丁ぎりの、丁丁ぎりの丁ぎりの、あの山こ
えて谷こえて、ちゃんばちゃく助、なんみょう長助が、どうしたって。どうし
たぁ?」
「川ん中へ落っこちたぁ!」
「そいつは、たいへん」
おじいさんは飛び出していき、近所の人も駆けつけ、間一髪のところで助かっ
たのでした。
       世界民話の旅 9
        日本の民話 浜田 廣介 著  さ・え・ら書房 
 
「長い名前で助かった」と思いたいのが人情ですね。原作では、井戸に落ちて
死んでしまうことになっているそうです。再話で命を救ったのは、作者、浜田
廣介の愛情ではないでしょうか。
 
私事でなんですが、名前を「紀元」(きげん)といいます。誕生日は昭和15年
2月11日で、今でいう「建国記念の日」でした。二月にお話しましたが、当時
は「紀元節」といい、日本の誕生した日を、日本書紀に記されている神武天皇が
即位されたといわれる年(西暦紀元前660年)を皇紀元年として、明治5年(1
872)に定めた祝日だったのです。しかも、昭和15年(1940)は、皇
紀二千六百年にあたり、時あたかも太平洋戦争の前の年でもあり、戦意高揚の
ためか、皇室礼賛のためかわかりませんが、「紀元二千六百年、ああ一億の胸が
なる!」と歌を歌い、提灯行列をし、全国的にお祝いをしたそうです。「紀元二
千六百年の二月十一日生まれで名前は紀元」ですから、畏れ多い名前であった
わけで、戦争に勝っていたら、名前負けをした非国民といわれたかもしれませ
ん。しかし、命名されても、名前負けをしない立派なものもあります。世界自
然遺産に登録され、椋鳩十の「片耳の大鹿」の舞台である屋久島にある杉の巨
木、推定樹齢3千年の「紀元杉」です。いつの日か訪ね、同名のよしみとしてご
対面したいものです。ちなみに縄文杉の推定樹齢は7千2百年で、世界最古の
植物といわれていますが、あくまでも推定で、本当のことはわからないようで
す。
 
ところで、世界の名機と言われたゼロ式艦上戦闘機「ゼロ戦」は紀元2600
年に開発され、年号の末尾のゼロを使い命名したそうで、宮崎駿監督最後の作
品「風立ちぬ」が上映されましたから、若い皆さん方にもおなじみになったの
ではないでしょうか。
ゼロ戦と聞くと特別攻撃隊、「特攻」のことを思い出します。私は国のために命
を捧げた純真な心には畏敬の念を抱いています。しかし、あまりにも人命を無
視した唾棄すべき史上最低の作戦であるため、涙なくして読めませんから読み
たくないのですが、250万部も売れていると聞き、百田尚樹氏の「永遠のゼロ」
を読み、これは若い人達に読んでもらいたいと思いました。小説にも絶対に謝
らない日本の為政者、職業軍人の幹部、高級官僚、マスコミに怒りをぶちまけ
ていますが、読み終わり感じたことは、「少しも変わっていないな」ということ
でした。先の大戦で300万人(戦場で230万人、原爆や空爆で70万人)の
命を失ったにもかかわらず、何もやってこなかった自分を棚に上げて何ですが、
むなしくなりましたね。(合掌) 
 
最後に、今は秋祭りの最中ではないでしょうか。
ここ川越市でも、20(土)、21日(日)は、「川越まつり」でにぎわいます。大
江戸天下祭りを今に伝える歴史ある祭りで、十数台の山車(だし)が、蔵造り
の街に姿を表し、にぎやかなお囃子と愉快な踊りが見所です。出会った山車同
士が、互いに向き合い、独自の囃子と踊りを競う「曳(ひ)っかわせ」は、祭
りの醍醐味で、一見の価値があります。パソコンで「川越まつり」を検索する
と、その様子を見ることができます。ユネスコ無形文化遺産に登録され、毎年
盛り上がります。
ところで、今年のノーベル賞、本庶教授が医学生理学賞の受賞者に選ばれまし
た。嬉しいニュースですね。以前、お話しましたが、母国語で自然科学など殆
どの分野を日本語で学べるのは、奇跡に近いことです。それを支えているのが、
漢字仮名交り文です。日本語をしっかりと学ぶことが、いかに大切であるか、
しっかりと子ども達に教えたいものです。他のアジアの国の人々は、英語など
で書かれた本を読むことになり、外国語をマスターしなければ、専門書は読め
ないことになっているようです。
 (次回は、「11月に読んであげたい本(2)と最終回にあたり」についてお
話ししましょう)

さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>★★手は第二の脳 3★★

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        「めぇでる教育研究所」発行
2020さわやかお受験のススメ現年中児 今から始める小学校受験
            第13
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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★★手は第二の脳 3★★
 ●絵 画●
お絵描きは、歌や踊りと同様、子どもにとって大切な表現方法です。
子ども達はお絵描きが大好きですが、これも生まれ月、月齢差が表れますから、
このことを考えてあげなければ、発育状況にそぐわない要求をしがちで、子ど
も達には困ったことになります。             
                                       
まず、お子さんの絵の描き方を、思い出してみましょう。              
2歳頃は、点や線のなぐり書きでした。                    
3歳頃から、円や四角らしきものが表われて、ある日、突然、頭から手足がニ
ョキニョキ出ている絵を描き、やがて頭と体が分かれ、一応、人間らしくなり
ますが、手は電信柱のように、横に真っすぐ伸びたままで、年長になった頃か
ら手も下におり、やっと人間と認められる絵になったのではないでしょうか。
そして、必ずといっていいほど、お日さまが輝いています。
ここまで来るのに、4、5年かかる子もいますから、子ども達には大変な仕事
でもあるわけです。
しかも、絵を描く作業は、促成栽培的に腕をあげることはできません。
お子さんの生育史が、そのまま表れてくるのではないかと思います。
 
なぜ、小学校の入学試験に、絵を描かせる課題があるのでしょうか。             
ただ、単に、絵の巧拙を評価するためとは、考えにくいことです。                          
大人は、自分の考えを相手に伝えるのに言葉だけで足りますが、幼児は、それ
だけでは十分とはいえません。                   
言葉で足りなければ、全身で表す身体表現も、大切なコミュニケーションの手
段ですが、                               
絵も、その一つです。                              
自分の思っていることを、絵で表したいのです。                  
ですから、子どもは、絵の巧拙にこだわらずに、せっせと描きます。         
そばで見ていると、本当に楽しそうで、こういうときの子どもの目は輝いてい
ます。
以前、慶應義塾幼稚舎が、イーゼルを立てて絵を描かせたことがありました。
評価のポイントは、初めてのことに積極的に取り組む意欲や行動力だと考えま
したが、舎長は、ある雑誌のインタビューで「子どもの顔を見たかったから」
と答えていました。
                
第8号でも紹介しましたが、思い出してください。                 
絵は、子どもの感性が、そのまま表れるものだと思います。         
 
 【(環境+五感が受けた刺激)×好奇心×観察力÷そしゃく力=感性】   
       
また出てきました、おかしな式です。                      
しつこいようですが、感性とは、子ども自身が、与えられた環境の中で、自ら
の力で培ってきた、自前の能力だと言いたいのです。
ですから、親の思惑で、絵についていろいろと注文をつけ始めると、面白くな
い絵になるのではないでしょうか。それは、お子さんの自前の感性で描いた絵
ではなく、第三者に教えこまれた絵だからです。どなたがおっしゃったのか定
かではありませんが、それを「大人の手あかのついた絵」と言うそうです。
 
これも噂の一つで真偽の程はわかりませんが、受験のためのお絵描き教室も、
その一つではないでしょうか。
絵を描かせる学校が増えていますから、その対策用のお絵描きです。
「テーマは秋」だとすると、10人が10人とも枯葉の舞う絵を描き、しかも
全員、申し合わせたように葉っぱを黄色に描くそうです。
こんなことをしていると、子どもの感性は、おかしくならないでしょうか。
第一、子どもが落葉を見て、ホッとため息をついて、「人生、無常ですね!」な
どと枯葉の舞う様子を描いているとは、考えられないことです。
秋であれば、子どもが楽しみにしていることは、たくさんあるのではないでし
ょうか。
お月見、遠足で出かけた芋掘り、ぶどう狩りや運動会など、楽しい思い出が残
っていれば描くはずです。
こういった噂は、本当に噂であってほしいものです。
 
自分の描きたいことを、自分流儀で描ければ、いいのではないでしょうか。
ウルトラマンと戦う怪獣が、ものすごい勢いで、真っ赤な炎を口から吐き出し
ている絵を見たことがあります。
画用紙全体を使って、迫力がありました。
子どもに聞くと、
「どんな武器を持っていても、ウルトラマンは、絶対に、負けないんだよ!」
と興奮気味に話していましたが、「これだ!」と思いました。    
何だかよくわからない怪獣でしたが、口から出る怪しげな炎の色といい、鋭い
つめの形といい、「あやうし、ウルトラマン!」の感じが、よく表れていました。
その子は、ウルトラマンは、天下無敵だと信じているから、こういう絵になっ
たのでしょう。
ウルトラマンは、絶対に負けないと信じている子どもの気持ちが、素直に伝わ
ってきます。
 
画用紙全体を使って描いているのも、いいですね。 
これが、左右の端っこに、細かくコチョコチョと、何やらわからないように描
かれているようでは、心配です。
しかも、色が黒や灰色などで、暗い感じのする絵では、真剣に、お子さんの置
かれている環境を、早急にチェックする必要があると思います。
「絵は心の窓」ともいわれているように、子どもの感性は、鏡に映るように表
れるからです。
 
また、絵を描きたがらない子が増えていると聞きますが、絵を大人の思惑で、
評価しているのではないでしょうか。           
そうだとすれば、かわいそうです。                     
子どもの描く絵に口を出さずに、のびのびと描かせてあげることが大切です。                    
もし、お父さんやお母さんが、絵を描くのを苦手としていたら、なおさらのこ
とです。
                                          
小学校側も、大人が考えるような、巧い絵を期待していないと思います。   
その子に育まれている感性をみたいのです。           
ですから、一つの話を聞いた後で、                    
「この話は、どのようになっていくと思いますか。それを絵に描いてみましょ
う」
といった問題に発展させ、子どもの頭の中をのぞきたいのです。
絵の巧拙だけを、見ているのではありません。
百人の受験生がいたら、百枚の違った絵が描かれるのではないかと思います。
逆を考えてみましょう。
もしも、百枚とも同じ絵だとしたら、マインドコントロールされていることで
はないでしょうか。
これは、恐ろしいことです。
過保護、過干渉では、子どもの感性まで、コントロールすることにもなりかね
ません。
 
「個性を伸ばしてあげたい」とお考えなら、子どもの感性を磨ける環境を作っ
てあげましょう。
専門家の先生にお叱りを受けるかもしれませんが、子どもの描く絵は、写生で
はなくイメージ、想像力の集結されたものだと思います。
五感のアンテナを刺激してあげれば、感性は育まれるものです。
本を読んであげることからも、たくさんの刺激を与えることができます。
また、日本には、恵まれた自然があり、四季折々の自然の変化を、五感を通し
て、きちんと身体にしみ込ませておきましょう。 
絵を描くテクニックより、ものを観る心の眼を育てることです。          
小さい時こそ、本物に触れる機会をたくさん持つことが、大事ではないでしょ
うか。
そこから感性は育ってきます。
感性は、ご両親の作る環境で培われるものです。 
 
「お母さん、ぼく、絵描きさんになりたい!」
心の準備ができてからの絵画教室は、最高の教場になるはずです。
お断りしておきますが、「絵画教室が駄目だ」などと、そんなだいそれたことを
いっているのではありません。プロの先生方に叱り飛ばされます。皆さん、お
子さんの感性を大切にして指導されていますから、何ら心配ありません。
心配なのは素人の方、特に、お母さん方が、お子さんの描く絵に注文をつける
ことです。 
繰り返しますが、感性はご両親の作る環境で培われるものです。         
いいづらいのですが、遺伝もあります……。
 
最後に、お願いしておきたいことがあります。
それは、描いた絵について、何を描いたか聞いてあげることです。
それらしく見えなくても、何を描きたかったのかわかりますから、そこを褒め
てあげましょう。
幼児が描いた絵は、その時点で、お子さん自身の最も優れた作品であることを
忘れないでください。
 
私どもの教室には、洋画家の岡崎洋児先生にお願いして、「ワクわくアトリエ」
を担当してもらっています。私から言うのも僭越ですが、親子で参加するユニ
ークな指導が好評を得ています。詳しくはHPをご覧ください。 
     (次回は、「鍛えてほしい第二の脳4」についてお話しましょう) 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>後半の説明会より

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        「めぇでる教育研究所」発行
    2019さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            第64号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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後半の説明会より
9月は猛暑が続き、参加した説明会は暁星小学校だけでしたので、6月7日に
行われた立教小学校の佐々木学校長の話の一部を紹介しましょう。
 
暁星小学校 9月15日(土)15:00~16:15
中高の聖堂(講堂のこと)が改築中のため、ここ2年続けて上智大学の10号
館講堂で行われましたが、今年も同講堂で開催。願書の販売はなく、願書のコ
ピーが用意されていました。昨年、座席が足りずに、100名程の父母が立っ
たままで話を聞くことになり、チャプレンの話が終わった後、床に座っていい
とのことになりましたが、室内は土足で、リノリュームの床の上、スーツ姿の
お母さん方、抵抗があったのでは。約1時間30分、大変だったのではないで
しょうか。それを解消するために、今年は予約制になり、午前、午後と2回開
催。同じく予約制となった慶應義塾幼稚舎は、入り口で提示した参加票を台帳
と照合し確認しましたが、本校はチェックだけでスムーズに入室。
チャプレンの話は、昨年までスライドを使って約25分の説明が、スライドも
使用せずに約5分、校長の教育理念の話があり、昨年に続き6年生の作文を披
露、教頭の諸注意があり終了。その後希望者を対象に、壇上で個別相談を実施。
参加者は推定、 約400名
 
【マリア会と暁星学園の建学について】   山崎 スクールチャプレン
私どもの学校は、幼稚園から高校までの一貫教育校、カトリック教会の男子修
道会のマリア会に属するミッション系の130年の歴史を歩んできた学校。そ
の中で宗教的な行事を行い、児童、保護者、教職員のためにカトリックの教え
や聖書のことについて勉強会を行っている、これがスクールチャプレンの主な
仕事。日本語では学園付司祭。
 
1888年に派遣されたマリア会の5人の修道会の一人、創立者、フランスの
G・Jシャミナード神父は今年4月、生誕257周年を迎えた。フランス革命
の混乱の中で、騒然とした社会のもと、いろんな学校が閉鎖され教育もままな
らない状況下にあって、今一度、人間は何者かによってこの世に活かされてい
る、命を与えられているものというキリスト教の根本的な考えを後世に伝える
ために、若者達の教育を通して、1817年にマリア会を創設した人物。18
16年には、男子のマリア会の姉妹関係にある「汚れなきマリア修道会」、女子
の修道会を創立。調布にある女子校の光華学園が、1949年に創立され、姉
妹校となり、今日に至っている。
お子さんが、縁があって学園で学ぶようになれば、幼稚園から高校までの一貫
教育の中で、子ども達はより良い環境のもとで、先輩達が命懸けでイエスの道
を伝えようとしてくれた恩を噛みしめながら、子ども達に「こういう生き方も
あるよ」「こういう考え方が正しいよ」と先輩達の心を伝えることができる、そ
ういったバックボーンに支えられた学園。
 
暁星の命名の由来はありませんでしたから、昨年の話を紹介しておきましょう。
ただし、文言は正確ではありません。
 
校章について。(画面には校名と校章)
設立母体はカトリックの男子修道会マリア会、校名は1888年に創立した時か
ら採用されている。
私達にイエス・キリストをこの世界に産んでくださった母親であるマリア様を
尊敬し、暁星学園の共通の校名、名称をどうするかと考えた時に、1880年
に日本に来た5名の会員達が考え、聖母マリア様に関連した名称を選ぼうとし
た。マリア会の創立者達は、星という、伝統的にマリア様を象徴する名称を選
んだ。宵の明星、明けの明星があるが、明けの明星は、夜明け前に東の空にひ
ときわ明るく輝き、まるで太陽を先導するかのように輝き、太陽が昇るにつれ
自分はその存在を静かに薄めていく暁の星。そのようにカトリックで大切にさ
れている、イエス・キリストを私達に与えてくださったマリア様を星という名
前で表す習慣もあったので、暁の星、暁星という呼び名を選んだ。
数年後に、校章をデザインするにあたり、光り輝く暁の星、それを賞賛する意
味合いを込め、月桂樹の葉で支えるデザインを選んだ。マリア様のように悪の
誘惑に負けずに、神様の教えに従い、正しく誠実に生涯を送られたマリア様を
校章として頂きながら、そこで学ぶ園児、児童もまた悪の誘惑に負けずに誠実
に生きてほしい。一人ひとりが光り輝く星のように周りの人々を照らし導いて
くれる、そういう人間に成長してほしいとの願いを込めて校章は、開校5年目
に採用したと聞いている。
 
これも紹介されませんでしたが、富士山を背景に暁の星の上に描かれたイエス
を抱くマリア、「暁の星の聖女」と呼ばれている絵。5期生として入ってきた山
本新次郎が、外交の仕事でヨーロッパに滞在中、日本にカトリックの教えを伝え
るために助ける絵ということで、イタリアの有名な女流画家(名前は不明)に
描いてもらったもの。下の入江の絵は、新次郎が幼い頃過ごした片瀬江ノ島で
あろう。小学校にも複製が飾られている。
この絵が何とも素晴らしく、小学校のチャペルの正面に向かって左側の最初の
ステンドグラスの絵が、これではないでしょうか。今年も願書の発売された当
日だけ、校舎見学が可能で、参加された方には、必ず見てくださいと勧めてい
たのですが、残念。HPの学校長挨拶の背景にある絵がそれです。
 
【学校教育について】    吉川直剛 校長
入り口でお配りした資料の中に小さなパンフレットがあるが、そこに暁星小学
校の教育理念、教育目標、教職員の構成、学校行事、一日の生活、沿革と周辺
の環境、住居地域別児童数、マリア会などについて書いてあるが、教育理念に
ついて少し付け加えたい。
 
「キリスト教の教えに基づき、十全な人格の形成を目指す」と赤字で書かれてあ
り、毎日、全校の始業の祈りから始まり、各学級で、食前、食後、終業の祈り
と、4回の祈りを学校生活の中で行っている。始業の祈りは毎朝の朝礼で全児
童が、その祈りの中に「キリストの教は、神を愛し、人を愛することです」と
いう言葉がある。「神を愛し人を愛する」言葉は、校庭に校訓として碑が設立さ
れている。始業の祈りはさらに続き、「ぼくたちはこの御教えを守りキリストの
心をぼくたちの心といたします」と、これが本校の教育の基盤。「十全な人格」
とは、心と体の調和の取れた人格の形成を目指す、これが建学の精神で、この
願を、心も体も頭もしっかりと鍛え、バランスの取れた子に育つよう、日常の
教育活動にあたっている。全国に2万校の小学校があるが、3校しかない男子
校の一つ。
 
前任者の佐藤正吉校長は、理想の子ども像として、「気は優しくて力持ち」とい
っていたが、これからの社会においては、「優しさや」「思いやり」がとても大
事になってくると思う。人と人との関係はますます、大切になる世の中になる
のでは。しかし、優しさ、思いやりは、決してひ弱ではないたくましさが重要
となる。小学校時代は、子どもの自立、躾が大事だと考えている。善悪の判断
ができる、しっかりした生活習慣を身につける、そうしたことを大切にするこ
とが、人格形成の土台であると信じている。日常の学校生活を通して、これか
らの時代に自立して生きていく人間になることを願い、鍛えることを重視して
いる。
 
正門に掲げてある「困苦と欠乏に耐え、進んで鍛錬の道を歩む、気力のある少
年以外はこの門をくぐってはならない」という言葉が、本校の教育姿勢を端的
に示していると考えている。
以下、DVDで学校生活を紹介、 約20分。(校舎内に全員の寝袋のある紹介
はなかった)
6年生の作文の朗読、約3分、「鍛える厳しさもある。頭も心も立派に育ててく
れる素晴らしい学校だと思う」といった内容。
 
「子ども達が、10年後、20年後の社会の中で、生き生きと自立して生活で
きる、そのために基本である小学校教育をどう続けていくか、これが私どもの
基本的な理念です。本校の教育をご理解頂き、本校へお越し頂きたいと心から
願う次第です」
                       
【入試に関する諸注意、留意点、よくある質問について】 泉 教頭
この話は、どこの学校にも通じる基本的なことですから、詳しく紹介しておき
ましょう。
 
本校の入学試験は、次の2点を選択の観点としている。
1点目は、入学試験は受験生が学校生活や学習集団の中で、十分に過ごしてい
けるかを見る。従って、紹介状や推薦状は必要ない。本人の実力を第一とする。
1次合格者は約160名、2次は暁星幼稚園の園児と合わせて、約200人が受験。
2次合格者は約80名となり、園児を含め120名の合格者を選定する。
 
2点目は保護者の皆様の選定。
1つは面接試験、ご家庭での教育、育児の方針を伺ったり、本校の教育活動に
ご理解、ご協力をいただけるかを親子面接でみさせていただく。
 
2つ目は、提出書類の約束事や手続きの締め切りを守っていただいているか。
提出書類、願書も審査の対象となる。
志願者の名前や住所など、必要な項目を間違いなく記入する。
右上の日にちは願書を記入した日を書く。(忘れられがち)
毎年、書類の不備な方がいる。記入漏れ、誤記、印鑑の押し忘れなどないか見
直ししてほしい。
「これまでの教育」は、現在通われている幼稚園、保育園。何回も転園された方
も最終園でよいが、最近変わられた場合は書いてもよい。
現住所が同じである場合は記入の必要なし。
「緊急連絡先」は日中に連絡の取れる所で、お母さん方の携帯電話が多い。
 
備考欄には、受験に際し、配慮、考慮してほしいことを記入。
  海外生活が長く日本語の理解に少し難がある。
  手をけがして当日身体的に不自由なところ、(骨折や捻挫など)具体的に書
く。
  兄が在学中(学年)、父親が卒業生(卒業年度)
  保護者、本人がカトリック信者である。
  転居の予定などを記入してほしい。
 
提出方法は、平成30年10月2日(火)必着、同封の「10月2日配達日指定
の簡易書留」のみ受け付け。日付を間違うと受理できない。
 
受験票や時程表、試験に関する知らせは、10月20日(土)に簡易書留で発
送予定。                                     
届かない場合は学校へ連絡してほしい。
 
【よくある質問】
1 通学地域の制限。
  特に設けていない、保護者の判断に任せる。
  ただし、通学時間は、お子さんの学校生活や家庭生活に大きな影響を与
  えるので考慮してほしい。通学の平均時間は50分程度。
  緊急時の迎えをお願いしているので考慮してほしい。
  1年生は最初の1カ月くらいは保護者に送迎をお願いしている。
  最近、引き取りを専門にする業者があるが、学校としては、はっきりと
  確認できる方を望んでいる。
 (子ども自身が知らない場合があった、これは駄目)
  本校は弁当、準備される時間も考慮してほしい。
2 国籍や宗教について
  国籍や宗教は問わないが、キリスト教に基づく宗教の授業、行事は参加し
  てもらう。
3 親子面接について
  原則お子さんとご両親で。
  どちらかが出席できない場合は、願書の備考欄にその旨を記入。
  急な場合は、面接日に書面で面接官に提出。
  親権者以外の面接は不可。
(4 月齢の考慮はあるのか。
  生年月日順(8月→12月→4月→7月)のグループ分けで考慮して
  いる。今年は説明無し。これは昨年度のもの)
★今年度の受験番号順は、12月⇒4月⇒8月⇒11月と決定。(9月1
9日のHPで公表)
4 海外転勤による復学制度。
  2年以内に復学することを原則としているが、ケース・バイ・ケースで対処
  している。
  復学制度は、本校へ4月に入学した児童に適応されるもので、入学前
  に転勤する場合は、適応されない。
5 寄付金などの扱い。学債はない。寄付金は合格決定後任意で募集。
6 大規模な地震の発生、インフルエンザなど緊急時の対応について。
  東京都や千代田区の関係機関から指導が行われるような緊急時の場合、
  中止、延期などの処置をとる場合がある。その際の連絡はホームページで
  行うので確認を。
  なお、インフルエンザなど感染症にかかっている場合は、入校を断って
  いる。受験できない。当日、回復している場合は、医師の治癒証明書を提
  出する。
7 ゼッケンについて。
  試験当日ゼッケンを受付で受験生個人用として付与、2次試験を受け
  る際には持参する。
8 受験票などの忘れ物はないように。
9 遅刻はいかなる場合も認めていない。
  公共交通機関の遅延の場合は、遅延証明書を提出する。
10小学校の前の通りは坂の途中で狭く、自家用車、タクシーでの来校は
  交通の妨げにな るので、遠慮してほしい。駐車場もなし。(二合半
  坂 急勾配)
 
運動会は、10月13日(土)、雨天順延。      以上
 (日時などは、必ず募集要項で確認してください)
配布されたリーフレットの裏面に紹介されている校歌、作詞 北原白秋、作曲 
山田耕作となっていますが、「耕筰」では。HPには山田耕筰と掲載されていま
す。 どうでもいいことですが(笑)。    
                          
本校の教育について 立教小学校 佐々木 正 学校長
 お子様の誕生から今日まで、深い愛情を惜しみなく注ぎ、子育てという人と
して最も尊いものをなさっていらっしゃる、人としての土台作りをなされてい
る保護者の皆様には深く敬意を表したい。皆様は、この世界へ運んでいただい
たお子様を育て導いていらっしゃる。時が経つのを忘れるほど、お子様を見つ
められたのではないだろうか。首がまだ座らない間、怖くて抱っこできなかっ
たが、首も座りお子さんを抱っこし、小さな生きものを実感したのではないだ
ろうか。泣いた、笑った、ハイハイした、ヨチヨチ歩いたと、お子様を中心に
子育てをされてきたと思う。何らの報酬を求めない家族の愛ではないか。お子
様がそこにいるだけで、お子様に注がれる無条件の愛が尊い。
 
 校門を入って直ぐ左に、本校設立3年目、1950年の母の日に除幕式が行われ
た小さな母子像がある。その台座には「汝を生めるものを喜ばせよ」と記され
ている。私達がお預かりしたお子さん達に、まず気づいてほしいことは、保護
者やたくさんの皆さん方から、惜しみなく注がれた愛のことだ。
 そして、その像に向き合うように建てられているのが、本学院の創設者ウイ
リアムズ主教の像。困難な時代に神の愛と自由を伝えようと、安政の大獄があ
った1859年に来日。10年以上の苦難の時期を祈りながら待ち1874年、今から
144年前、立教学院の基を創られた方。この方が教えてくださった神の愛を土
台とし、保護者の方々の愛を手本として歩んできた。その道が立教小学校の歩
んできた71年間の愛の教育と呼ばれるものだ。
 
 私は「愛は聞くこと」、人間の聞く行為は、自らを無にしてしっかりと向かい
合って聞く、そのことから始まると考えている。お子さまが言葉を話さない頃
から、その泣き声を聞き分け、何が必要なのかを的確にわかったお母様、お父
様方のような聞き方のことだ。
 立教小学校の愛の教育は、沢山の愛に支えられ、お子さまが自立した自分、
アイ“I”英語の自分という意味を育てる教育だ。そして人を愛し、互いに愛し
合う価値を尊び、実践する人と成長することを目指している。人は愛されてい
るという実感によって、自分の存在の意味がわかってくる。安心して自分の世
界を広げていこうと挑戦する力が湧いてくる。
 真の学びはいつも変容を伴う。それは今までの自分を変えていくというチャ
レンジだ。そのチャレンジに進む勇気は、人との競争では身につかないものだ
と考えている。点数の競争、勝ち負けの世界では、常に気になるのは結果であ
り、失敗であり、そこに安心して自分を変えていく本当の学ぶ楽しさは、身に
つかない。人と手をつなぐこと、人の良さに気づくと共に、自分の良さを安心
して出していける。仲間と一緒に賢くなっていこうと学び合う経験からチャレ
ンジを楽しむ勇気が備わってくると私は確信している。(「立教の教育」から一
部要約)
 
以前にも紹介しましたが、「教育のもとは家庭の教えで芽を出し、学校の教えで
花が咲き、世の教えで実がなる」、これは明治初期に文部省から配布された[家
庭の心得]ですが、学校の選択は、ご両親が手塩にかけて育ててきた芽に、ど
んな花を咲かせてあげたいのか、これに尽きるのではないでしょうか。頑張っ
てください。
(次回は、「直前の心構え」についてお話し致します)

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