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めぇでるコラム 2019年1月アーカイブ

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[4] 数量に関する問題(1) 

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        「めぇでる教育研究所」発行
2020さわやかお受験のススメ小学校受験編
            第30
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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★★入試問題を分析する★★
[4] 数量に関する問題(1) 
 
祝 大坂なおみ選手 全豪オープン初優勝!
  史上26人目の世界女王に輝く!
  昨年の全米オープン初制覇に続く4大大会2連勝の快挙、すごい。
  しかし、疲れますね、応援している選手のテレビ観戦は(笑)。
 
数量の問題というと、「計算ですね!」と勘違いするお母さん方が、かなりいる
ようです。確かに計算は算数の一部の領域ですが、それが全てではありません。
学校側が求めている数量は、数や量の概念、図形や空間の分野まで広範囲にわ
たっています。
 
「算数は計算」と考えると、文章題の苦手な子になりがちのようです。計算は
基本ですから、きちんと勉強しなければいけませんが、算数の学習の目標は、
四則算を応用し文章題を解く力を身につけることです。文章題は「文を読み取
る力、読解力」が求められていますから、国語力を充実させることが大切だと
思います。国語力とは、「読む力」「書くための力」「聞く力」「話すための力」
「総合的国語力」の5つの能力で、この能力を客観的に測るのが、2007年
にスタートした「国語力検定」です。
 
「年長さんでも、つるかめ算が解けます」というと、「ご冗談を!」と思われる
かもしれませんが、数感のところで紹介しました香川大学名誉教授の小林一宏
先生から教わったもので、加減乗除ができなくても○とマッチ棒だけで解ける
のです。30数年前でしたから、まだマッチは手軽に手に入りましたが、今は
どうでしょうか。爪楊枝でやってみましょう。
  
   つるとかめが合わせて5匹いて、足の数は16本です。つるとかめは、
   何羽、何匹ずつ
   いるでしょうか。
     
    スケッチブックに○を5個描き、爪楊枝を用意しましょう。
    幼児とのやり取りは、以下のように進めていきます。
    (  )内は式で解く場合です。
  
    「つるは、何本足かな」
    「2本です」
    「では、○の下に2本ずつ爪楊枝を置いてごらん」 (5×2=10)
    「先生、6本あまっちゃったよ」 (16-10=6)
    「あまった爪楊枝を上に2本ずつ置いてごらん」 (4-2=2)
    「先生、なくなっちゃったよ」 (6÷2=3)
    「足が4本あるのは」
    「かめさんだよ」   
    「何匹いるかな」(上下に2本ずつ爪楊枝が置かれているのはかめ)
    「3匹だよ」
    「頭としっぽをかいてごらん」
    「先生、残っているのは足が2本だからつるですか」 (5-3=2)
    「ピンポン! 正解です」
     幼児とのやり取りを図にすると、こうなります。
 
        || || ||
        ○ ○ ○ ○ ○
        || || || || ||
 
幼児の数量の問題は、数字を用いた加減乗除で解けませんから、計算力よりも
読み取る力、読解力が大切なポイントになるわけです。
 
[数の問題]
「数の領域」から説明しましょう。
出題される内容は、
  「全部でいくつあるか」(数える)
  「どっちが多いか、少ないか」(多少)
  「合わせるといくつ」(和)
  「いくつ違うか」(差)
  「いくつ必要か」(対応)
  「分けるといくつずつになるか」(分割)
 
和・差・対応・分割などの言葉だけをみると、「加減乗除ですね!」となりそう
ですが、それも無理のないことかもしれません。入試問題を用いて、その解き
方を紹介しましょう。
 
  「5個のリンゴと3個のミカンを合わせると、いくつになりますか」
     5+3=8ですから、これは足し算ですね。
  「5個のリンゴと3個のミカンでは、どちらがいくつ多いですか」
     5-3=2となりますから、引き算ですよ。
  「5人の子どもにリンゴを1つずつあげるには、いくつのリンゴが必要で
   すか」
     5×1=5ですから、これは掛け算ではありませんか?
  「6個のリンゴを3人で分けると、1人いくつずつになりますか」
     6÷3=2、これは割り算、割り算ではないですか!
 
問題だけ読めば、こうなりがちではないでしょうか。しかし、このように考え
て指導するのは、幼児には適切ではありません。これでは加減乗除の計算を教
えることになりますから、理解できないでしょう。 
年長さんで、九九をそらんじている子もいますが、[2×3]と[3×2]の違
いを説明できなければ、単に記憶しているだけですから、掛け算を理解してい
るとはいえません。[2×3]は、たとえば、りんごが2個入っている皿が3枚
あることで、[3×2]は、りんごが3個入った皿が2枚あることで、答えは同
じでも皿に入っているリンゴの数は違いますから、掛け算の仕組みを理解して
いるとはいえないわけです。ですから、加減乗除の意味をきちんと学習するこ
とが大切なのです。以前、「養ってほしい数感覚」でお話しましたが、復習して
おきましょう。
スケッチブックと鉛筆を使いますから用意してください。
 
[多少(引き算と足し算)]
ここに10個と8個のクッキーがあるとします。
「多い方、食べても、いいよ」
というと、子どもは「1つ、2つ、3つ……」と数えずに、アッという間に多
い方を取るのではないでしょうか。より多くのものを食べたいと思うのは本能
ですから、直感で見分けるわけです。このように直感で多少を見分けることが、
数の概念を理解する出発点です。
 
しかし、現代っ子は食べ物の取りっこなどしないでしょう。一人っ子では争い
ようがありません。おやつの時にもお母さんがきちんと分けていませんか。こ
れはやめてお子さんに取らせましょう。
数に関しては、数える作業や数の違いを見つける経験をたくさんさせることで
す。そこで磨かれるのが直感力です。
 
「クッキー、8個、食べてもいいですよ」
8個、自分で数えなければなりませんから、数えることを覚えます。
「お母さんは、これだけ取りましたよ」
わざと多めに、10個ぐらい取ってみましょう。
「お母さん、ずるい。ぼくより多いよ!」
直感力は、順調に育っています。
 
「お母さんとあなたとでは、いくつ違いますか?」
[10-8=2]と数字を使った計算は、子どもには無理ですし、その必要もあ
りません。「数感を磨こう」でやりましたが、忘れていた場合は、
「違いを見つける方法、やったことがありますよ」
一言つぶやき、考えさせることです。思い出せない場合は、以下のようにやっ
てみましょう。
 
下のように二列に並べられると、数の違いを見つけることができます。これを
スケッチブックに描き、線を引いて比べてみましょう。
 
   ○○○○○○○○○○(お母さんのクッキー)
   ||||||||
   ●●●●●●●●  (お子さんのクッキー)
 
「お母さんの方が、2個多いよ」
「ごめんね、取りすぎたわ。お母さんとあなたのクッキーを比べると、あなた
は、いくつ少ないの?」
「2個でしょう」
とわかるはずです。
1つ1つ対応させて数の違い、多少を見つける「1対1対応」で、これが幼児
の引き算の方法です。
 
「全部で、いくつありますか」といって数えさせると、合計が出ます。お母さ
んのクッキー10個を覚え、自分のクッキーを11個,12個、……18個と
数えます。多い方の数を覚え、少ない方の数を数える、これが幼児の足し算の
方法です。このように物を数えるときは、必ず数詞をつけるようにしましょう。
 
数詞は、言語のところでは触れませんでしたが、数えながら学習すると、無理
なく覚えられますから、ここで取り上げてみました。
鉛筆を数えてみましょう。本は本ですが、「いっぽん、にほん、さんぼん」と全
部、違いますし、人は「ひとり、ふたり、さんにん、よにん、ごにん」と「ひ・
ふ・よ」は訓読みで、「さん・ご」は音読みと、実に複雑な読み方になっていま
す。皿、手袋、鯨、はし、服、テレビ、とにかく日本語は難しいですから、数
詞をつけて数え慣れるようにしましょう。 
数詞には、1個、2個と数量を表す基数詞と、1番、2番と順序を表す序数詞
(順序数詞)がありますが、お父さん、お母さんが知っていればいいことで、
お子さんに教えることはありません。
 
昨年の今頃は大雪が振り、1月26日の朝は、さいたま市で零下9.8度、1
977年観測以来、最低記録だったそうです。川越も冷えましたね、部屋の中
は1度、外は零下9度でした。雑木林にかまくらができていましたが、作った
のはお年寄りとか。わが町も、元気な子どもが少なくなったようです。その雑
木林、今年は乾燥して、枯れ葉がカラカラに乾いています。これも初めてです
ね。
(次回は、「数量の問題 2」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>独り立ちの準備ですよ(5)知識を詰め込むより情操教育です

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2020さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第13号
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独り立ちの準備ですよ(5)知識を詰め込むより情操教育です
 
 祝 大坂なおみ選手 全豪オープン初優勝!
   史上26人目の世界女王に輝く!
   昨年の全米オープン初制覇に続く4大大会2連勝の快挙、すごい。
   しかし、疲れますね、応援している選手のテレビ観戦は(笑)。
 
情操教育、これも絶対に手を抜くことはできません。
分化されてきた情緒に、知的な刺激を与えてあげる、方向付けです。
何だか難しい言葉が並びましたが、心配はありません。
わたし流に解釈すると、こういうことではないかと思います。
善いことをするとこうなるとか、悪いことをしたり弱いものをいじめていると、
このようになるとか、お母さんのように怒ってばかり、訂正、お母さんではな
く、怒ってばかりいると情緒不安定になるとか、要するに、心を育てていくこ
と、こう考えれば間違いないでしょう。
それには、本を読んであげる、これが最も良い方法だと思います。
 
ほとんど絵だけの本から、少し字が増えた絵本に変わってきていませんか。
まだ、話は短いですが、短いなりに物語風になってきているのではないでしょ
うか。
面白い話には、表情も和みます。
恐い話になると、恐そうな顔になります。
悲しい話になると、女の子は涙ぐみます。
幼いなりに、いろいろな情緒が育ってきていることがわかります。
これに刺激を与えてあげれば、いいのではないでしょうか。
絵のきれいな絵本、夢を与えるような本がいいと思います。
 
注意をしながら読んでみると、幼児の読む本も、理路整然とはいきませんが、
いつ(when)どこで(where)だれが(who)なにを(what)なぜ(why)どのよ
うに(how)という、[5W1H]から成り立っているものです。
もちろん、幼児が、「いつ、どこで」などと意識をしながら聞いているわけでは
ないでしょう。
しかし、「ノンタンは、なぜ、泣いているのだろう?」などと考えながら話を聞
いているに違いありません。
話を筋道立てて聞く練習になっています。
しかも、無意識の内に学んでいます。
これは、すごいことではないでしょうか。
 
そして、話の構成は、「起承結」と「転」がありません。
流れがスムーズですから、聞きやすくなっています。
さらに、「序破急」と「話のテンポ」が速いですから、短時間にのめり込めます。
もちろん、幼児の話を聞く持久力、スタミナも配慮されており、話は、簡潔明
瞭で、リズミカルです。
これが、いいですね。
 
話を聞きながら、わからない言葉が出てくると、
「ママ、ニジって、なあに?」
虹の意味を、絵本を見ながら、お母さんがわかりやすく説明します。
そこで新しい言葉を覚えます。
語彙が増えます。
 
話が、おもしろければ覚えます。
まだ、字は読めないにもかかわらず、ブツブツいいながら絵本を見るようにな
ります。
あれは、読んでもらった本の文章を覚えていて、絵を見ながら思い出している
のではないでしょうか。
ところが、なかなか覚えきれません。
その証拠に子どもは、同じ本を何度も何度も、飽きもせずに、読んでくれとせ
がみます。
「うちの子、頭が悪いのかしら?」
などと心配されるお母さんがいますが、そんなことはありません。
話がおもしろいから、一所懸命に覚えようとしているのです。
そこから記憶力が培われます。
この記憶ですが、同じ本を何度も読んでもらうことで、1本の弱々しい木が、
しっかりと根を張り、枝に葉を茂らせて、大きな木に生長するように、話は、
一層、鮮明に再現されていきます。
言葉のイメージ化です。
言葉が完全にイメージ化され、映像と共に記憶されていくのですから、これは、
すごい学習です。
 
そして、話は「勧善懲悪」から成り立っています。
よい子は、必ず、報われます。
悪いことをすると、必ず、罰せられます。
やって善いこと、悪いことを、話を聞きながら学んでいます。
たとえば、子どもたちに人気のあるウルトラマンと怪獣の戦いも同じです。
ウルトラマンが負けてしまっては、収拾のつかないことになります。
正義の味方は、必ず勝ちます。
倫理、道徳、善悪、説教をしなくても、きちんと学習しています。
そこから幼いなりに、自前の判断力も培われていくのではないでしょうか。 
 
まだ、あります。
これが最も大切だと思います。
お母さんが感情こめて読んであげると、子どもは、真剣に聞きます。
気持ちをこめて聞きます。
そこから、人の話を静かに、行儀よく聞く姿勢が身につくのです。
これは、幼稚園の受験でも、大切なポイントになります。
お母さん以外の人の話を聞けなければ、テストになりません。
こういった努力を怠っていると、テスト当日に、テスト会場に入れずに、泣い
て終わりといった結果になりかねません。
入園テストは、「お母さんのもとを離れて、お母さん以外の人の話を聞いて、い
ろいろなことをしなければならない」からです。
ご家庭できちんと話を聞く姿勢を作ることは、とても大切なのです。
通っている教室の先生方から、そういった指導を受けていると思いますが、い
かがでしょうか。
 
さらに、「語彙を増やし、言語能力を高め、記憶力をつけ、話を聞く姿勢を身に
つけるお勉強です!」という意識は、お母さんにもお子さんにも、まったくな
いはずです。
無意識の内に、自ら、積極的に、しかも楽しく学習しています。
これが、「教えない教育」のねらいです。
「何ですか、教えない教育って?」
質問が出そうですが、わたし流に解釈すると、本人は勉強だと思っていないに
もかかわらず、ものすごい勉強をしている教育のことです。
そこから、話を聞く姿勢が身につきます。
 
しつこいですが、まだ、あります。
子どもに本を読んでとせがまれた時は、たとえ心配ごとがあっても、心にしま
って、話の世界に入っていきます。
お母さんの、表情豊かな、やさしい語りが、何よりのスキンシップになってい
ます。
子どもと同じ土俵に上がっているからです。
赤ちゃん時代の「無償のほほ笑み」と同じです。
 
最後に、図書館を大いに利用しましょう。
図書館には、幼児用の本がたくさんあります。
最初は、お母さんが選んであげましょう。
そして、雰囲気にも慣れ、お子さんが選ぶようになれば、選んだ本は、読んで
あげてください。
「こんな幼稚な本を」とか「まだ、無理ですよ」といわずに、選んだ本は読ん
であげ、あとはお子さんの判断に任せましょう。
少しずつですが、どういった本が読みたいかわかってきます。
また、紙芝居がたくさんあります。
あれは、いいですね。
なぜなら、紙芝居は、親子で向き合ってしますから、子どもの表情が、よくわ
かり、
どのようなことに心が動かされ、興味があるかがわかるからです。
これは、やってみる必要があると思います。
紙芝居の文章は、絵がある分、簡潔に練りあげられていますから、感情をこめ
て読まなければ、絵とナレーションは、生きてきません。
難しいですから、お母さんの勉強にもなり、声を出すことで、お母さん自身の
気分転換にもなります。
 
ところで、図書室で、本を読んであげているお母さんがいますが、混んでいる
ときは、やはり遠慮しましょう。
こういった配慮は、公共施設を利用する場合のルールです。
子どもは教わらなくても、そういった親の姿勢から、公衆道徳を学習できるか
らです。
 
今の時期は、「幼稚園入園テスト問題集」を買い込んで勉強をするより、心の通
った会話や、心をこめて本を読んであげることが大切だと思います。
知識を詰め込むことに心を奪われると、お子さんの心は歪み、情緒不安定な子
になりがちです。
教え込もうという意識が働くからです。
情緒の安定したお母さんのもとで、情緒の安定した子が育つのではないでしょ
うか。
情緒の安定したお母さんは、心がやさしいです。
ですから、幼い心に思いやりの心を育むことになるのです。
お父さんにも言っておきましょう。
お母さんの情緒が不安定になるもとを作らないことです。
お母さんは、お父さんが頼りなのですから。
 
幼児期の情操教育は、お子さんの性格を築く礎になるものともいわれています。
知識を詰め込むより、豊かな心を育むことに目を向けましょう。
今、お子さんは、そういった時期にさしかかっているからです。    
 
昨年の1月26日には、給湯器からお湯が出ませんでした。さいたま市が氷点
下9.8度、観測以来、最低記録だったとか。川越も十分に冷えました。今年も
冷えていますが、雨が降りませんね。風邪が流行っているようです。うがいと
手洗い、習慣づけるチャンスです。挑戦しましょう。
 
(次回は、独り立ちの準備ですよ(6)四季を楽しんでほしいについてお話しま
しょう)
 

さわやかお受験のススメ<保護者編>第4章 節分と建国記念の日でしょう 如月(1)

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2020さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第13号
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第4章 節分と建国記念の日でしょう  如 月(1)   
 
 祝 大坂なおみ選手 全豪オープン初優勝!
   史上26人目の世界女王に輝く!
   昨年の全米オープン初制覇に続く4大大会2連勝の快挙、すごい。
   しかし、疲れますね、応援している選手のテレビ観戦は(笑)。
 
物の本によると、如月(きさらぎ)のいわれは、二月は、まだ寒さが残り、衣
を更に重ね着する「衣更着」からとする説が一般的で、よく知られています。
また、草木の芽が張り出す月「草木張月」が転化したものや、旧暦二月には、
つばめがやって来るので「来更来」とする説もあるそうです。
 
★★二月といったら、節分、豆まきでしょう★★
父が煎った豆の入っている一升舛を持ち、玄関から始めて、すべての部屋の窓
を開け、
「鬼は外!福は内!」とやるのですから豪勢でした。終わって豆の配分になり
ます。自分の年に1つだけ上乗せした数だけもらえました。父は40数個あっ
ても、私は10本の指に満たない数です。これが不満でしたが、不満を解消す
る道は残されていました。部屋にまかれた豆を拾って食べるのは、黙認されて
いたからです。「汚い!」と思うかもしれませんが、昔のお母さん方は、ほうき
とはたきと雑巾だけでまめに掃除をしていたので、廊下などは磨かれたように
光り、畳もいぐさの茎につやがある程でした。夕飯が終わると、皿を持って部
屋を回ります。豆を集め、それを食べるのが楽しみでした。
 
そして、こたつに入って父や母から話を聞くのが楽しみでした。現代っ子と比
べると、情報量は圧倒的に少なかったはずですが、自前で映像を作り上げる力、
イメージ化は、培われていたような気がします。鬼といえば、パンチパーマの
頭に二本の角が生え、真っ赤な顔に牙が生え、虎の皮で作ったパンツをはき、
金棒を持った、本当に恐い存在でした。地獄も閻魔さまも信じていましたから、
恐ろしかったのです。しかも電球は、蛍光灯のように部屋中を明るくしない、
60ワットの少々暗めの明るさなのです。何だかおかしな表現ですが、電球は、
かぶせてある電気傘の具合で、真下からその近辺だけ照らし、部屋の隅は、ほ
の暗いのです。怪談など聞いたときは、夜中に便所へ行けない雰囲気でした。
ところで、思い出はとかく誇張されやすいものですが、節分の夜に食べた脂が
のった鰯、おいしかったですね。ある女子大学で、魚介類の評価をしたところ、
上は鯛、下は鰯だったそうです。鰯、字からして頼りなさそうですが、新鮮な
握り鮨は絶品でこたえられません。しかし、柊と一緒に飾ってあった鰯の頭、
あの臭いには往生しました。あとで説明しますが、豆も鰯の頭も柊もそれなり
に存在理由があったのです。
 
「鰯」は日本人が初めてつくった漢語である。中国の辞典には載っていない。
日本人は鰯が好きで中国人は食べないのかもしれない。イワシは弱い魚だとい
うので、8世紀に早くも日本人が造語した一例である。
 (国民の歴史 西尾幹二 著 P107 産経新聞社 刊)
 
本書は、日本の歴史を1万年前の縄文時代から現代までたどった大長編(773
ページ)の労作で、その中に、いかにしてわが祖先が漢籍を読み下し、漢字をカ
タカナや平仮名にしたか、その経緯が書かれており、当時は「阿治(あじ)」「佐
米(こめ)」「乃利(のり)」と万葉仮名のように音読みにしていたのが、この「鰯」
だけは初めて訓読みで表されていることから、造語の第一号になったそうです。
わが祖先の繊細な感性がうかがえる話ではないでしょうか。
 
★★節分って……?★★
文字通り「節」を「分ける」ことで、「節」とは季節、四季のことですから、季
節の移り変わるときという意味です。昔は月が地球を一周する時間をもとに作
った暦、太陰暦を使っていました。今は地球が太陽の周りを一回りする時間を
一年とする暦、太陽暦です。その陰暦で季節の区分、その変わり目を示す日を
「節季」といい、立春から大寒まで二十四あったので二十四節気といったので
す。その中で、立春、立夏、立秋、立冬は、それぞれ季節の移り変わるときを
表した言葉で、季節がジワッと伝わってくるような気がしますが、実感はあり
ません。子どもの頃、立春と聞けば、「春だ!」と、何やらほのぼのとした気持
ちになったものですが、立夏、立秋、立冬となると、何ら思い出がありません。
立夏は5月6日頃、立秋は8月8日頃、立冬は11月7日頃ですから、1ヶ月
程早く、実感がわかなかったのも当然なのです。
この立春、立夏、立秋、立冬の前の日を節分といいます。明日から季節が変わ
る前夜祭にあたり、先程お話しした豆を1つ多く食べたのは、旧暦では節分は
大晦日になり、年が明ければ1つ年を取るからなのです。しかし、立春の前の
日の節分だけが、なぜか有名になりました。
私の勝手な想像ですが、昔の冬は寒く、夜は暗かったのです。今は電気という
便利なものがあり、夜になっても明るく、ガスや電気ストーブ、ファンヒータ
ー、床下暖房、エアコンと暖房機器で寒さを防ぎ、寒い外へ出かけるときには
防寒具も完備していますが、昔は電気も石油もなく、建物は木造です。勿論、
断熱材もガラスもなく、紙を貼った障子です。夜は真っ暗で、月明かりが無け
れば、鼻を摘まれてもわからない漆黒の闇です。自然と仲良く共存していまし
たから、地球の温暖化とは縁がなく、冬は寒かったに違いありません。春を待
つ気持ちは、現代人の想像を越えた強烈な願いではなかったでしょうか。鬼は
悪魔と信じられていましたから、立春を迎える前の日に、鬼に春を取られては
一大事と、鬼の嫌いな豆や鰯の頭を刺した柊を玄関に飾ったのでした。昔の人
の春を待つ、必死な気持ちが伝わってきませんか。
 
★★なぜ、節分に豆をまくのですか★★
いろいろな説がありますが、紙芝居で見たこの話が印象に残っています。
 
むかし、源義経が牛若丸時代に天狗を相手に腕を磨いたといわれた鞍馬山の奥
深くに、人々を苦しめる悪い鬼が住んでいました。ある時のこと、困っている
人々を救ってあげようと、戦いの神さま、毘沙門天(びしゃもんてん)が現わ
れ、七賢人を呼び、三石三斗の大豆で、鬼の目を打てと命令したのです。鬼は
悪魔と思われていましたから、その悪魔の目を打つことから「魔目」、すなわち
「豆」となったそうです。
   
また、「魔」を「やっつける、滅ぼす」ことから、「魔滅(まめ)」に通じるから
だという話もあります。「魔」という字は、鬼が麻の布を被り隠れていますね。
漢字はよく工夫されていて、成り立ちや字義を調べると面白いことがわかり、
楽しいものです。
 
★★なぜ、豆を煎るのですか★★
地方によって、いろいろな説がありますが、これから紹介する話と同じような
民話が、大分県の由布岳北麓にある塚原地方にもあり、石段ではなく塚を作る
約束で、面白いことに、その塚が60個あまり残っているそうです。
           (注 塚…一里塚など土を高く盛って距離を表す標識)
 
むかし佐渡島に、人民に害を与える鬼が住んでいた。神様が鬼退治にやってき
て鬼と賭けをした。「今夜のうちに金山に百段の石段を作ることができれば鬼の
勝ちにしよう」。鬼は夜更けのうちに九十九段まで石段を築いてしまったので、
神様は一計を案じて鶏の鳴き真似をすると、鶏は一斉に「東天紅」と声をはりあ
げた。鬼は朝になったと思い神様に降参したが、百段にもう一歩のところで負
けたことを悔しがって「豆の芽の出る頃にまた来るぞ」といって退散した。神様
は豆の芽が出ないように人民に豆をいることを命じた。
[年中行事を『科学』する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P35]
 
この話は、進学教室の子ども達に受けると思い探したのですが、原作は見つか
りませんでしたので、わたし流にアレンジして話していました。
 
むかし、金がたくさん取れた佐渡島に鬼が住んでいました。そこへ神さまが鬼
退治にきたのです。これがおもしろい神さまで、「今夜の内に、金山に百段の石
段を作れば、おまえの勝ちにしよう」と賭けをしたのです。負けると佐渡島は
鬼の支配下になるではありませんか。いくら神さまでもやり過ぎで、誰もが心
配します。その心配が的中し、鬼は夜更けの内に九十九段まで作り上げました。
絶体絶命のピンチ。しかし、そこは全知全能の神さま、しばらく考えていまし
たが、何と鶏の鳴き声をまねたのです。すると、鶏たちが、一斉に、「トーテン
コー! トーテンコー!」と鳴き始めました。「トーテンコー」は「東天紅」と
書き、東の空が紅くなってきたので、「夜が明けるぞ!」と、鶏たちが皆に報せ
ているのです。時計のなかった時代ですから、鶏さんの鳴声は目覚まし時計で
した。朝になったと勘違いした鬼は、神さまに負けたと思ったのです。鬼は、
あと一段で負けたのを悔しがり、「残念じゃが、お日さまには勝てん。豆に芽が
出る頃に、また来るぞ!」と捨てぜりふを吐き逃げたのでした。そこで、神さ
まは豆の芽が出ないように、人々に豆を煎るように命令したのです。煎った豆
から芽は出ません。芽が出なければ鬼も来ませんから、節分には、煎った豆を
まくようになったのです。
 
すると、「どうして、鬼は鶏の鳴声を恐がるのですか?」といった質問があった
のです。
「別に、鬼は鶏を恐がっているのではなく、鶏が鳴く頃になると、お日さまが
昇って来るんだよ。鬼は真っ暗な闇の世界に住んでいるから、お日さまが恐い
んだなぁ。だから逃げたんだよ」
「それなら、ドラキュラと一緒だ!」
何やらしたり顔でうなずき、納得していました。これは説得できましたが、次
がいけませんでした。
「何で、『トーテンコー』なんて、おかしな鳴き方をするのですか?」
「トーテンコー」と鳴かないと、この話は成り立ちませんから困りました。「お
日さまは東から昇るので、『東天』は『夜明けの東の空という意味だ』といって
もうなずきませんし、『紅』は赤い色で、みんながお日さまを描くとき赤く塗る
でしょう。東の空が赤く染まってくる様子を見た鶏は、『朝が来た!』とみんな
に報せているのですよ」と説明しても、「なぜ、夜明けに鶏が鳴くのですか?」
と変な顔をします。現代っ子は聞いたことがないでしょう。「なぜ、鶏は朝にな
ると鳴くのか」、このことです。やはり、子どもの疑問を追求する目は鋭く、妥
協しません。これを説明しなければ、子ども達は、納得できないわけです。「鶏
は鳥目といわれ、暗いところでは物が見えません。夜になると、いたちなどに
襲われる不安があるので、夜明けになると、ほっとして、一斉に鳴き出すのだ
よ」と苦し紛れにこじつけて話したところ、「なるほど!」とうなずきはじめま
した。
 
子どもがわかるように話をするのは、本当に難しいですね。実際にやってみる
と、ほとほと困るときがあります。お母さん方は勿論のこと、幼稚園や保育園、
幼児教室の先生方は、何の苦もなくやっているように見えますが、大変だなと
思い、敬意を払うのは、こういう時です。我が子でさえ、「……?」といった表
情が続くと、面倒になってやめたくなりましたから(笑)。
 
★★なぜ、玄関に鰯の頭を刺した柊を飾ったのですか★★
豆まきをしない家が増えているようですから、柊や鰯の頭となると、「…!?」
変な目で見られるかもしれませんね。これもしめ縄と同じで、鬼や悪魔が入ら
ないようにした「おまじない」です。
 
鰯は、冬にたくさん獲れる魚です。昔、女と子どもを食べるカグハナという鬼
は、鰯を焼く煙がきらいで、他の鬼達も生の鰯の頭はくさいですから、いやが
ったそうです。「柊」は、字そのものが寒そうで、冬そのものといった感じがし
ます。葉にとげがあり、触ると痛くて、ずきずきと痛みます。ズキズキと痛む
ことを「うずく」といいますが、この「うずく」ことを別の言い方で「ひいら
ぐ」といい、それで「柊」と呼ばれるようになったそうです。
 
また、柊のことを別名「鬼の目突き」といって、そのとげが鬼の目を刺すと信
じられ、玄関に飾ったのですが、その行事は今でも残っています。葉のとげで、
鬼の目を突く恐ろしい木のようですが、花を見ると印象が変わります。とげの
ある葉の付け根に、匂いのよいかわいい白い小花が咲くからです。
 
話は変わりますが、魚は魚偏から出来ています。しかし、木偏の魚がいて、そ
の名を「柊」といい、命名の由来は、鰭(ひれ)のところに柊と同じように鋭
いとげがあるからだそうです。これが網にひっかかるので漁師さんから嫌われ
ていますが、味の程は好評で、塩焼き、干物、刺身でもいけるとか。ただし、
骨が硬く、身も少ないため、市場に姿を現さないそうです。宮尾登美子さんの
随筆に、「にぎろ」という魚の話が出ています。大森望氏の解説によると、「に
ぎろは、ススキ目ヒイラギ科の魚で、全国的にはヒイラギとよばれているらし
く、うちは煮付けで食べていました」とあり、本文にはこう書かれていました。
 
ニギロという小魚がよく釣れた。お隣の愛媛県では畑の肥料にするというが、土
佐では、一日干(ひいといぼ)しにして軽く炙ってよし、二杯酢にしてよし、ごく
親しまれている魚だ。宮家の筆頭伏見宮家の長女として生まれ、大正天皇妃の候
補にもなった山内豊景(土佐山内家十七代当主)侯爵夫人禎子(さちこ)さんは、ニ
ギロの刺身が大好きで、あの小さい、小さい魚を女中さんが苦労して身を削いで
は食卓に載せていたそうである。
     (「生き行く力」 宮尾登美子 著 P215 新潮社 刊) 
 
子どもの頃、瀬戸内海を挟んだ兵庫県は赤穂に住んでいましたから食べたかも
しれません。
 
読むたびに作家魂とは、かくも凄まじきものかを叩きこんでくれた宮尾さんは、
2014年12月30日に、老衰のため逝去されました。(合掌)
 
もっと凄い魚がいます。何と「猫またぎ」と呼ばれ、漁師に嫌われるどころか、
小骨が多いため、猫もまたいで見向きもしないほど無視されていたのが、うな
ぎに似たあの鱧(はも)です。ところが京都では、骨を食べやすく「骨切り」
(高等技術だそうです)をし、硬い皮を食べやすく「湯引き」、熱湯にくぐらせ、
氷で冷やし、梅肉やからし酢味噌などで食べ、夏の味覚として珍重されており、
祇園祭りに食べる習慣があるのですから驚きです。
日本酒の肴に珍味な海鼠(なまこ)と、その腸である海鼠腸(このわた)があ
りますが、最初に食べた人の勇気をたたえると共に、いつも感謝していただい
ています(笑)。料理も包丁人(料理人)の度胸と工夫、腕次第なんですね。
 
ところで、鬼の嫌いなものは、鰯の臭いと柊とお日さまです。ドラキュラの嫌
いなものは、十字架とお日さまとにんにくです。お日さまと臭いの共通点はあ
りますが、宗教の出ないところが日本的なのでしょう。日本では、神さまと仏
さまが同居していますから、遠慮しているのかもしれません。
 
★★鬼のルーツは…?★★
陰陽(おんよう)五行説、聞きなれない言葉ですが、中国の易学のことです。
宇宙の万物を作り支配する二つの相反する性質をもつ気、陰と陽のことで、積
極的なものを陽、消極的なものを陰としたものだそうです。例えば、日、男、
春、奇数などは陽、月、女、秋、偶数などは陰と考えられ、奇数が縁起のいい
数というのも、起源は陰陽五行説なのです。
 
節分の夜、新しい春を迎えるために、家の隅々から鬼を追い出すが、鬼とはも
ともと冬の寒気であり、疫病であった。すなわち「人に災いをもたらす。目に
見えない隠れたもの」が鬼であり「隠(おに)」と呼ばれていたのである。
 (「年中行事を科学する」 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P51)
 
「鬼」は目に見えないもの「「隠(おぬ)」が転じたもので、陰陽五行説の考え
から、今の鬼が定着しました。
 
ところで、なぜ鬼は、二本の角が生え、鋭い牙を持ち、虎の皮のパンツをはい
ているのでしょうか。陰陽五行説によると、北東方面を「鬼門」と呼び、忌み
嫌われる方角を表す言葉で、恐ろしい鬼は、北東の方角にいると考えられてい
ました。正月に紹介しました十二支では、北東は「丑寅」の方角にあたります。
「丑寅」は牛と虎のことですから、鬼は牛と虎のイメージを持たされ、絵本な
どで見る鬼は、牛のような角と虎のような鋭い牙を持たされ、虎の皮のパンツ
をはいている姿になったわけです。
鬼門は忌み嫌われる方角ですから、京都の北東にあたる比叡山延暦寺は、当時
の都であった平安京を守るための「鬼門ふさぎ」として建てられたのでした。
ちなみに、江戸城から鬼門にあたる上野には、徳川家の菩提寺である寛永寺が
あり、山号を東叡山といい、天下国家の平安を祈り務めるために建立されたも
のです。毎度のことですが、何事も訳ありなんですね。NHKの大河ドラマの
放映以来、訪れる人が増えているそうですが、天璋院篤姫の墓所は寛永寺にあ
ります。
 
この鬼を寄せ付けないために豆や鰯、柊を用いたのは、「追儺(ついな)」とい
う7世紀頃に中国から伝わったといわれている鬼を祓う宮中行事が、近世にな
って民間化されたらしく、疫病神や貧乏神のたぐいを祓うのが目的になった。
そのような意味なら現代にも鬼は存在している。鳥インフルエンザとか世界的
な不況など立派な鬼である。
   (2009年2月2日 東京新聞夕刊・文化欄「鬼は外」 司 修 著)
 
インフルエンザは、鬼と同様、目に見えないだけに、現代人には恐ろしい存在
に違いありません。今年も猛威をふるっているようですが、何とか穏便に願い
たいものです。被害者は、弱い子ども達であり高齢者だからです。鳥インフル
エンザは、渡り鳥に予防接種するわけにいきませんから困ったものですが、今
のところ何とかおさまっているようです。今年も寒波の襲来で世界的に冷え切
っていますが、豪雪地帯の雪害は、高齢者が多いだけに被害は深刻です。震災
の復興ままならない東北地方の皆さん方に、雪害による被害が広がらないよう
に願ってやみません。昨年の1月には大雪が降り、我が家のベランダには、何
と25センチ程積もりました。今年も寒い日が続いていますが、雨が降りませ
んね。
 
ところで、食べられる方も多いかと思いますが、節分に巻き寿司を食べる習慣
は、「福を巻き込む」「縁を切らない」などの意味があり、恵方に向かい、黙っ
て丸かじりするもので、主に関西で行われていましたが、最近ではバレンタイ
ンデーのチョコレートのように、全国で行われているようです。恵方とは、「陰
陽道に基づいて決められた縁起のよい方向」で、2019年の恵方は東北東で
す。七福神にあやかろうと、穴子、かんぴょう、きゅうり、椎茸、玉子、おぼ
ろ、高野豆腐など7種類の具を巻き、包丁で切らず、福を丸ごとかじって食べ
るのが定法で、江戸時代に行われていた大阪の伝統習俗を復活させたものです。
 
最後に、豆まきの口上は「福は内、鬼は外」が定番ですが、そう言わない所も
あります。台東区にある「恐れ入谷の鬼子母神」(「おそれいりました」を冗談
めかし、しゃれて言う言葉)でおなじみの仏立山真源寺では、「福は内、悪魔は
外」と言いますが、これは人間の子どもを食べてしまう鬼神、鬼子母神を、お
釈迦さまが鬼神の子を隠し、子ども失う悲しみを諭されて仏教に帰依し、子ど
もの守り神になった由来によるもので、成田山新勝寺では「福は内」だけです
が、お祀りするご本尊は不動明王ですから、鬼も改心するとされているからだ
そうです。また、群馬県藤岡市鬼石地域では、地名の通り鬼は守り神ですから、
「福は内、鬼は内」と言い、全国から追い出された鬼を歓迎する「鬼恋節分」
を開催しているそうですが、皆さんの住む町はいかがでしょうか。
    (生活情報サイトAll About より)
 
ところで、2月の童謡には「豆まき」などもありますが、歌った記憶がありま
せん。ただ1曲だけ、40代になって子ども達と歌った「鬼のパンツ」があり
ます。イタリアのヴェスヴィオ火山の山頂まで行く登山電車のコマーシャルソ
ング、あの『フニクリ・フニクラ』のメロデイーを使った替え歌ですが、作詞
者は不明だそうです。YouTubeで視聴できます。
 
       鬼のパンツ
   鬼のパンツは いいパンツ  強いぞ 強いぞ
   虎の毛皮で できている   強いぞ 強いぞ
   5年はいても 破れない   強いぞ 強いぞ
   10年はいても 破れない  強いぞ 強いぞ
   はこう はこう 鬼のパンツ はこう はこう 鬼のパンツ
   あなたも あなたも あなたも あなたも みんなではこう鬼のパンツ
       (世界の民謡・童話 worldfolksong.comより)
 
30数年前の話で、毎年、夏になると草津で2泊3日の合宿を行い、バスで出
かけていましたが、子ども達の車酔いを防ぐために、皆で歌ったことを思い出
します。もう社会人になり、家庭を持ち、子育てをしているかもしれません。
この歌、覚えているだろうか。もしかすると、我が子と一緒に歌っているかも
しれませんね(笑)。
 
昨年の今頃は大雪でしたが、雪だるま、見かけませんね。「近所に、小さいお子
さんがいないからですよ」と家内は言っていましたが、高齢者の町になりつつ
あるようです。それはともかく、雨が降りませんね。直ぐ側の雑木林、枯れ葉
がカラカラに乾燥しています。煙草の火でも燃えそうで、怖いですね。一雨、
欲しいものです。
 
(次回は、「建国記念の日と2月に読んであげたい本1」についてお話しましょう)
 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[3] 話に関する問題

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        「めぇでる教育研究所」発行
2020さわやかお受験のススメ小学校受験編
            第29
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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★★入試問題を分析する★★
                 
前回お知らせしました第34回東京私立小学校児童作品展「ほら、できたよ」
は、1月30日(水)から2月4日(月)まで、銀座松屋で開催されます。雙
葉小学校など25校が参加、今回のテーマは「喜びを色と形に」、今年も意欲的
な作品が展示されるのではと期待しています。詳しくは、ホームページをご覧
ください。
 
[3] 話に関する問題
話を聞き、設問に答える問題で、「話の記憶」といわれ、ほとんどの小学校で出
題されています。
 
 ◆「桃太郎」の話をテープで聞いたり、ビデオで見た後、
・おじいさんは、どこへ、何をしに行きましたか。正しい絵に〇をつけなさい。
・桃太郎の家来に□をつけなさい。
 
こういった設問があって、10秒から20秒の間に、絵の描かれている解答用
紙に、指示された○や□などをつけて答えます。狙いは、「話を聞く姿勢と理解
する力が身についているか」、このことです。これから始まる小学校での勉強の
基本であり、最も大切な学習態度です。いくら、九九を諳んじ、難しい漢字の
読み書きができても、人の話を聞けないようでは、あまり意味がありません。
学校の勉強は、幼稚園の自由保育と違って一斉授業ですから、話を聞いていな
ければ、訳がわからないことになります。話を聞く姿勢を身につけるには、話
の読み聞かせや対話が、いかに大切であるかについて、すでに触れましたので、
ご理解いただけ、実行されていると思いますが、少し、復習しておきましょう。
 
「話の記憶の問題」は、単に記憶力を見ているわけではありませんから、問題
集を買い、それだけで訓練して鍛え、身につけるものではありません。それは
本末転倒な話です。話をキチンと聞く姿勢は、普段の会話や話の読み聞かせを
通して培われるものです。一朝一夕に身につくものではなく、やはり毎日の積
み重ね、育児の結果として表れてきますから、どこの学校でも実施しているわ
けです。
 
しかし、本当に話の聞けない子がいます。その子の育てられている環境は、わ
がままな言動が許されている場合が多いものです。かわいい、かわいいで、子
どもを悪くしています。やはり、子どもの責任ではありませんね。 
 
話の記憶の問題には、長編と短編があります。
といっても、400字詰め1枚程度から3枚ほどの長さですが、皆さんはどち
らが難しいと思いますか。短い方が記憶しやすいと思われるのではないでしょ
うか。やってみるとわかりますが、長編は物語風になっているので、案外、想
像力が働き、イメージ化しやすいようです。短編は、あっという間に終わって
しまい、想像力が働かない場合があります。あらかじめ短編であるとわかって
いれば、それなりに対処できますが、聞いてみなければわからないだけに、難
しいですね。
 
そして、やっかいなのは文字を使えませんから、文章を読み直すことも、答え
の絵に、○や△、□といった記号の指示をする設問も、聞き直すこともできま
せん。ですから、聞き逃すと答えようがないということです。さらに、クレヨ
ンで指定された色で記号をかくこともあります。子どもたちは、よくぞパニッ
クにならないものだと、褒めてあげたくなりますね。「長文読解だな!」などと
簡単に済ませるほど、やさしい問題ではありません。 
 
普段から、お子さんとの対話を大切にし、お子さんの話に耳を傾けましょう。
対話の反対は沈黙と思いがちですが、立教小学校の元校長であった田中司先生
は、「命令と要求」とおっしゃっていました。「命令と要求」が多くなれば、対
話など成り立ちませんね。僭越ながら、非常に的を射た指摘だと思います。
 
そして、お父さん、お母さん、お子さんに読書をしている姿を見せてください。
これが何よりの手本になるからです。さらに、お子さんがいるときに、ワイド
ショーなどを見るのは止めましょう。お断りしておきますが、すべてのワイド
ショーが駄目だといっているわけではありません。お子さんと一緒のときに見
なくていいものはやめてほしいと言いたいだけです。どなたがおっしゃったの
か定かではありませんが、「テレビを見る時間と教養は反比例する」そうですよ、
内容にもよりますが。海外に住み、帰国されたお母さん方が驚かれるのは、テ
レビが、あまりにも生活の中に入り込んでいることだそうです。
 
また、お子さんが読書に集中しているときは、「お使いに行きますよ!」などと、
中断することは避けてあげましょう。夢中になって取り組んでいるときこそ、
素晴らしい学習時間になっているからです。あらかじめ伝えておく、やさしい
お母さんになってほしいですね。
 
寝る前に本を読んであげる、これも大切です。毎日続けることで、間違いなく
言語能力を育むことができるからです。26年6月に横浜雙葉小学校は説明会
を再開しましたが、挨拶に立たれたシスター田中順子学園長は、「添い寝をしな
がら本を読んであげることが少なくなっているのではないでしょうか」と懸念
されていました。DVDなど素晴らしい作品もありますが、幼児期にはお父さ
ん、お母さんの生の声が、何と言っても大切なのです。
 
会話を弾ませ、話を読んであげることから「話を聞く姿勢」は身につきます。
小学校の入学試験は、文字を使用しないだけに、話を聞く姿勢が身についてい
なければどうにもなりません。
 
最後に、「話の記憶」が苦手なお子さんへ、こういったことをやってみましょう。
私が現役のときに、この方法で苦手意識を取り除くことができたからです。お
子さんがよく知っている話を使います。
 
Q「『浦島太郎』の話を知っていますか。では、先生がいくつか尋ねますから教
えてくださいね。
浦島太郎は、子どもたちがいじめていた動物を助けてあげました。何を助け
たのですか」
A「亀さんです」
Q「そうですね。そのお礼にどこへ連れて行ってもらいましたか」
A「竜宮城です」
Q「そこにいたお姫さまの名前は何といいましたか」
A 「乙姫さまです」
Q「鯛やひらめもいて楽しく過ごしました。そして、帰ることになりお土産を
もらいました。何をもらったのですか」
A「玉手箱です」
Q「そのとき、浦島太郎と乙姫さまは、何か約束をしましたね」
A「開けてはいけないと約束しました」
Q「そうですね。また、亀さんに送られて家に帰りましたが、両親はいましたか」
A 「いいえ、いませんでした」
Q「近所の人々やお友だちはいましたか」
A「誰も知っている人はいませんでした」
Q「知っている人は誰もいない。浦島太郎は、どんな気持ちになったでしょうか」
A 「寂しくなりました」
Q「そう、寂しくなったんだね。では、ここからが問題です。では、なぜ、浦
島太郎は、約束を破って玉手箱を開けたのでしょうか。あなたは、どう考え
ますか」
 
いろいろな答えが出てきますが、自分の考えを言えたことを褒め、評価はしま
せん。
たとえば、「何が入っているか知りたかったから開けました」と子どもが言えば、
それを認めてあげ、
「そうじゃないでしょう。寂しくなったからでしょう」などと大人の考え方を押
し付けないことです。「寂しい経験」をしなければ、この言葉は出てきません。
 
ところで、この方式に子どもたちが興味を持ち始めると大変でした。話の筋を
覚え、質問を作らなければならないからです。お母さん方にお子さんの愛読書
を聞き、質問を作ったものでした。最も苦労したのは「アルプスの少女 ハイジ」
や「フランダースの犬」で、わが子が小さい頃、テレビで見ていた記憶はありま
すが、実際に本を読んだことがなかったからです。
 
しかし、子どもたちは興味を持つことで、確実に力をつけました。おかしかっ
たのは、子どもたちは、次週に使う教材となる本を、繰り返し、繰り返し読ん
でもらい、準備をしていたそうです(笑)。私も大変でしたが、お母さん方も苦
労したようです。子どもたちが夢中になって取り組んだのも、勉強ではなく
「Q&A」を、ゲーム感覚で楽しんでいたからではなかったでしょうか。こうい
った苦労は、楽しい思い出となって残るだけではなく、お母さん方から、「読書
の好きな子になっています」と聞くたびに嬉しくなったものでした。受験準備は、
楽しくやりたいものです。
 
入試によく出題されていることもありますが、私のお薦めは、日本昔話です。
以前にも紹介しましたが、「桃太郎」「かちかち山」「さるかに合戦」「舌切りす
ずめ」「花咲じじい」は、日本の五大昔話ですが、皆さんは粗筋を言えるでしょ
うか。YouTubeでわかったのですが、♪カチカチなるのは何の音♪で始まる童
謡「かちかち山」の作曲者は、瀧廉太郎でした。知りませんでしたね。(反省)
 
ところで、鬼退治の主人公は、なぜ、栗太郎や柿太郎ではなく桃太郎なのでし
ょうか。また、家来は、「犬猿の仲」といわれる犬と猿がいるのは、なぜでしょ
うか。
命名の由来は、桃は木偏に兆と書き、桃には未来を予知し、魔を防ぐという信
仰があったためで、栗太郎や柿太郎ではだめなのです。
陰陽五行説では、鬼は丑寅の方向、鬼門に棲み、その反対側、裏鬼門に配置さ
れているのが申酉戌と考えられ、そこから知恵のある猿、勇気のある雉、仁、
思いやりのある犬の家来が生まれ、「犬猿の仲」を取り持っているのが間にいる
雉で、けんか騒ぎにならず収まっているのだそうです。聖徳太子の「和をもっ
て貴しとなし」の考えが、「ここにも生きているぞ!」と一人で悦に入っていま
す、私の勝手な想像ですが(笑)。 
面白いことに福澤諭吉は、家訓「ひゞのをしへ」の中で、「鬼の宝物を取るとは、
けしからん!」と非難しています。(ウィキぺディア フリー百科事典より)
(拙著 メルマガ 「年中行事と昔話 第5章 ひな祭りとお彼岸ですね」より)
 
(次回は、「数量に関する問題1」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>独り立ちの準備(4)家事、やらせなさい(2)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2020さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第12号
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独り立ちの準備 
(4)家事、やらせなさい(2)
 
名門の小学校の入学試験には、親子で受ける面接試験がありますが、まだ、お
子さんは小さいですから、質問の内容も簡単なものです。
 
ある小学校の面接試験で、
「お母さんの得意なお料理はなんですか」
と聞かれたお嬢さんが、こう答えたそうです。
「電子レンジでチーンするカレーです」
レトルト食品、おいしくなりましたから一概には言えませんが、それでも手を
抜いていると、こんなことになりかねません。
そして、志望理由を聞かれたお母さんが、
「御校の手作りの教育に賛同いたしまして受験させていただきました」
と答えたそうで、先生方も驚かれたのではないでしょうか。
しかし、笑えません。
お母さんは、真剣に、真面目な顔をして答えたそうですから。
 
料理は、材料を揃えることから手際よい手順、味付けまで、大変な作業です。
楽しく台所の仕事に取り組む姿を見せてあげましょう。
女の子には、とても大切なお手本です。
ままごと遊びが始まると、お子さんの鋭い観察眼に驚くことがあります。
お手本は、お母さん自身になっているからです。
年齢にふさわしい家事に参加させ、お手伝いさせるのは、とても大事なことで
す。
出来ることから、無理なくさせてみましょう。
 
何かと物議をかもし出す給食廃止問題。
こういったことはないと思いますが、もし、お母さんが、弁当を全く作ったこ
とがなかったとしたら、子どもも親になったときには、弁当を作らないでしょ
う。
しかし、お母さんの弁当が楽しみだった経験があれば、作ります。
この差ではないでしょうか。
この弁当作りは、毎日のことですから、本当に大変です。
書店に行くと弁当の献立に関する本が、たくさんあることからもわかります。
お母さんが、
「お弁当、おいしかった?」
などと聞かなくても、子どもは、いろいろなことを学んでいます。
献立の苦心、食べる本人が、一番よく知っているからです。
お母さんの真心、絶対に通じています。
男の勝手な思い込みかもしれませんが、おふくろの味は、無償の愛ではないで
しょうか。
1940年生まれの私でさえ、戦後の食料のない時代であったにもかかわらず、
母親の作ってくれた、貧しい弁当の味をしっかりと覚えています。
 
話は変わりますが、横浜雙葉小学校の入学試験に、お弁当を食べる時間があり
ます。
入学試験に、です。
何を見ているのでしょう。
はしの持ち方から食事のマナーまで、いろいろなことがわかります。
もちろん、お母さんの料理の腕前も。
しかし、いくら腕前がよくても骨や野菜の食べられないものが残るのと、食べ
やすい大きさに作った、食べかすが残らない弁当では、どちらがいいでしょう
か。
コンビニエンス・ストアで買って間に合わせるお母さんは、いないと信じます
が、当世気質では、疑問の余地ありかもしれませんね。
 
やはり、弁当は、愛情です。
多くの方が希望される幼稚園、暁星幼稚園、雙葉小学校附属幼稚園、白百合学
園幼稚園、東洋英和幼稚園、田園調布雙葉小学校附属幼稚園、日本女子大学附
属豊明幼稚園、青山学院幼稚園、学習院幼稚園、成城学園幼稚園などは、すべ
て給食なしで、弁当です。
なぜでしょう。
 
制服のない幼稚園もあります。
味覚と同じように、服装のセンスも、小さいときから身につくのではないでし
ょうか。
昔のように、服を作ってあげなさいとは言いません。
しかし、ブランド製品で着せ飾るのは、お母さんの趣味でしょう。
でも、センスが悪いと、そのまま受け継ぎます。
 
こういう子もいます。
着ているもの全部、高級ブランド品です。
しかし、古い言葉ですが、中身は大和撫子です。
でも、今の若い子たち、読めるでしょうか。
「ダイワブシ」などと読まれたら、日本の国籍を返上してもらいたくなります。
しかし、心は育つのでしょうか。
高いのでしょ、ああいうのは。
プライドだけ高くなりませんか。
心は、形に現れるといいますけれど……。
金銭感覚は、どうなるのでしょう。
「ぜいたくは敵」にも「消費は美徳」にも戻りたくありません。
でも、
「これ、イブ・サン・ローランよ、おじちゃん!」
「……?」
返事のしようがないです、私の世代では。
 
女子大といえば、国立ではお茶の水女子大、私立では日本女子大が思い浮かぶ
方が多いと思われますが、その日本女子大学附属豊明幼稚園には、制服はあり
ません。
制服にあこがれて受験をする女の子がいるといわれるほど魅力のあるものだと
いわれているのですが、なぜでしょうか。
「女子を婦人として教育する」学校の附属幼稚園が、です……。
保育の方針も、他の幼稚園が一斉保育をやっていたときから自由保育です。
個性の尊重ということでしょうか。
 
話は変わりますが、制服は、全員一緒、「何事もみなさんで、全員集合!」とい
った雰囲気がありませんか。
日本人は、団体行動が好きです。
集団では、すごい力を発揮します。
企業戦士という集団になると、ものすごいことをやります。
だから、日本の企業は栄えたのでした。
ところが不景気になると、情け容赦なく、リストラでお役ご免となり、会社は
赤の他人になります。
終身雇用制度は、幻の制度となりつつあるようです。
「あんなに会社のために働いたのに……!」
お父さんの愚痴、お母さんと似ていませんか。
「手塩にかけて育ててあげたのに……!」
ご主人の仕事も、ご両親の育児も、これだけはさけたいものです。
 
服装のセンスは、味覚のセンスとともに、小さい時に、きちんとお子さんに伝
えなさいということではないでしょうか。
繰り返しますが、お手本はお母さんです。
これも大事だと思います。
「お母さんの作ってくれるお料理で好きなものは何ですか」
「お味噌汁です」
模擬面接で、こう答えた女の子のうれしそうな顔と、笑顔で応えていたお母さ
んの姿を忘れることができません。
面接で大切なのは、かっこいい受け答えではなく、こういった家庭の雰囲気、
育児の姿勢が、自然と現れるところにあることを記憶しておいていただきたい
と思います。
 
余談になりますが、豊明小学校は学童保育、アフタースクールを実施し、お仕
事を持つお母さん方から好評を得ているようですし、2月18日には、昨年に
続き「幼児教室対象学校説明会」を開催します。聖心女子学院初等科もアフタ
ースクールを始めましたが、私学の経営方針にも変化が現れてきたようです。
 
来週は節分です。孫が3歳のときでしたが、「パパが、お鬼の面をかぶって出て
きたら、怖がって泣き出してしまいました」と長女は笑いながら電話をよこし
たことを思い出します。若い皆さん方は、豆まきをしなかったのではないでし
ょうか。子どもの頃は、「物より思い出」が大切です。お父さん、頑張ってくだ
さい!
 (次回は、独り立ちの準備(5)知識を詰め込むより情操教育です、について
お話しましょう)

さわやかお受験のススメ<保護者編>第3章(3)何といっても正月ですね 睦月【一月に読んであげたい本】

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2020さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第12号
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第3章(3)何と言っても正月ですね
【一月に読んであげたい本】
 
前回お知らせしました、第33回東京私立小学校児童作品展「ほら、できたよ」
は、1月30日(水)から2月4日(月)まで銀座松屋で開催されます。参加
校は雙葉小学校など25校、今回のテーマは「喜びを色と形に」、今年も意欲的
な作品が期待できそうです。詳しくはホームページご覧ください。
 
雪は降りませんでしたが、寒い日が続いています。今朝、起きた時、寒暖計を
見ると、何と2度しかありません。風邪が流行っているようです。お子さんに
手洗いとうがいを励行するように心がけましょう。難しいですが、習慣になれ
ば黙ってもやるようになります。
 
正月に関するむかし話は、たくさんありますが、この話は欠かせないでしょう。
「子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥」の十二支のことで、こ
れを決めた事の次第を話にしたものですが、いたちが出てくるとは知りません
でした。
 
◆十二支のはじまり   小沢 重雄 著
「元旦の朝、新年のあいさつにきた順番に、その動物の年にして、人間世界を
守らせてやる。ただし、一番から十二番まで」と神さまからのお触れが出て、
動物たちは大喜び。ところが、ねこは、その日を忘れてしまい、運良く、本当
は運悪くですが、会ったねずみに、二日目の朝だと嘘をつかれます。計られた
とも知らずに、ねこは神さまのお住まいになる御殿の門を叩いたのですが、「十
二支は決まった。寝ぼけていないで、顔でも洗ってこい!」
と神さまに怒られ、だまされたと気づいたのです。それからというもの、ねこ
は寝ぼけないように、いつでも顔を洗うようになり、嘘を教えたねずみを追い
かけるようになったのでした。            
 ところが、ねこの他にも十二支に入れなかった動物がいました。いたちです。
お触れがこなかったから、やり直してほしいと申し立てをします。手を焼いた
神さまでしたが、名案を考え出します。
「一年に十二日だけ、おまえの日にしてあげよう。月の始めは縁起のいい日だ
から。ただし、『いたちの日』とすると、他の動物が騒ぎだすから、頭に「つ」
をつけることにしよう。数をいうときには、一つ、二つと、必ず『つ』をつけ
る大切な字だから」と提案をします。
「つ、いたちですか?」
「いや、いや、『つ、いたち』では、わかってしまうから、『ついたち』と続け
ていうことにしよう」と説得され、月の初めを「ついたち」と呼ぶようになっ
たのです。
    一月のおはなし ねこの正月 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修 
                   日本民話の会 編 国土社 刊 
 
12月にもお話しましたが、朔日(ついたち)は、月立(つきたち)の音便で、
こもっていた月が出はじめる意味からできた言葉ですが、これを読んだとき、
しばらく笑いが止まりませんでした。神さまといたちのやりとりが、本当にお
かしいのです。しかも、場所は図書館でしたから、困りはてた様子をご想像く
ださい。
 
5、6歳の子どもにとって、一日から十日までと、十四日、二十日、二十四日
は、漢字の音読みと訓読みが、入り混じっていますから覚えるのも難しく、き
ちんといえる子はあまりいません。一日は、これで覚えられますね。二十日は、
「二十日ネズミは二十日間しか生きられないから二十日ネズミというんだよ」
と、得意そうに教えてくれた子がいましたが、真相は定かではありませんけれ
ど、これで覚えられるでしょう。
(※実際には妊娠期間が20日だそうです <編集者注>)
 
ところで、かつて小学校1年生の子どもが、この読み方を歌にしたものがある
といって歌ってくれましたが、実にうまくできていて、これで簡単に覚えられ
ます。題名を思い出せなかったのですが、何でもありのYouTubeで見つけまし
た。「日付の歌」でクリックすると、2曲続けて出てきました。歌詞の紹介で「と
おか」が「とうか」となっていましたが、よく間違える仮名遣いで、1年生の
時に習います。「遠くの、大きな、氷の上を、多くの、狼が、十ずつ、通った」
は全部「お」と子どもの頃に習ったと、“YAHOO! JAPAN 知恵袋”に出ていまし
た。やはり、間違えやすいんですね(笑)。
 
      日付の歌
♪いちは「ついたち」には「ふつか」 さんは「みっか」でよんは「よっか」 
ごは「いつか」ろくは「むいか」 ななは「なのか」はちは「ようか」
きゅうは「ここのか」じゅうは「とおか」 にじゅうは「はつか」♪
 
  “Days of the month in Japanese”
♪ついたち ふつか みっか よっか いつか
 むいか なのか ようか ここのか とおか
 じゅうよっか じゅうくにち はつかは私の誕生日♪
(少し省略しています)
 
「日付の歌」は、スローテンポで二十日までの入門編。リズミカルに歌うのが、
“Days of the month in Japanese”で、子どもが歌ってくれたのはこれだと思
います。少し難しいかなと思いましたが、子ども達は、興味があれば、すぐに
覚えてしまうものです。苦手なようでしたら、「日付の歌」で検索してみましょ
う。
 
正月といえば、欠かせないのは七福神でしょう。この話には、神さま一人ひと
りの紹介はありませんが、七福神の話です。これと似た話で、大晦日に長者に
宿を断られた乞食が、貧乏人の家に泊めてもらい、そのお礼に若水をもらい若
返った話を聞いた長者が、乞食を無理やり泊まらせ若水を強要し、あまり欲張
ったために猿になった話や、赤ん坊になってしまうのもあります。暮れから正
月の話ですが、七福神の登場ということで、一月の話にしました。
(注 若水…縁起を祝い、元日の朝早く汲む水。古くは立春の日に汲んだもの)
 
◆正月の神さん   渋谷 勲 著
 ある年の大晦日に、貧乏なじいさまの家へ、七人の旅人が来て、笠を貸して
ほしいというので、家中、探したのですが六人分しかなく、大事にしまってい
たご祝儀用の合羽を貸したのでした。
 それから一年たった大晦日の晩のことです。今年も年越しのご馳走の用意が
できずに、白湯を呑んでいると、急に騒がしくなり、あの七人の旅人が入って
きたではありませんか。実は、旅人は神さまで、笠のお礼にきたのでした。打
出の小槌から、米や魚やら二人の欲しいものが何でも出て、寝る場所もなくな
るほどです。もっと欲しいものはないかという神さまに、「もう少し若ければ、
子どもを授かりたいものだ」とおばあさんはいいました。すると神さまは、「明
日は、元旦だ。目が覚めたら、二人そろってあいさつをしなさい」といって帰
ったのです。
 元旦の朝、目を覚ました二人は、「おめでとう」とあいさつをすると、十七、
八のいい若者になり、それからというもの、何人もの子宝に恵まれて一生、安
穏に暮らしたのでした。
  
  一月のおはなし
   ねこの正月 松谷みよ子/吉沢和夫 監修 日本民話の会・編
                          国土社 刊
 
七福とは、「仁王経」(仁王護国般若波羅蜜経)の「七難即滅して七福即生す」
に由来するものといわれ、江戸時代を築いた徳川家康が、七福によって天下を
統一したとして、家康の相談役・天海僧正が、神仏の七徳を崇めるようにと七
福神信仰を勧めたため、江戸時代に流行したものです。     
ちなみに、七徳とは、恵比寿の清廉、大黒の有徳、弁財天の愛敬、毘沙門天の
威光、福禄寿の人望、寿老人の長寿、布袋の大量(心が広いこと)をいいます。
 
ところで、七福神の国籍(?)を調べてみると、恵比寿は日本の神道、大黒天
と毘沙門天はインドの仏教、弁財天はインドのヒンドゥー教、そして布袋、寿
老人、福禄寿は中国の道教から生まれた神様なのです。
異教の神様や仏様を、いくら「呉越同舟」(呉・越、共に中国は春秋十二国の一
つで、互いによく争ったことから、仲の悪いもの同士が一所にいること)の四
字熟語があるからといって、同じ船にお乗せして問題が起こらないのでしょう
か。キリスト教など他の宗教では考えられないことです。「融通無碍(ゆうずう
むげ)考え方や行動が、何事にもとらわれず自由であること」というのでしょ
うか、本当に、日本人らしいですね。
 
昔は、帆掛け船に乗った七福神の絵を枕の下にしいて、いい夢を見たそうです
が、私もそのようにした記憶はありませんから、かなり前の話のようです。そ
の夢ですが、正月というと、これも忘れられませんね、初夢です。初夢は室町
時代には、除夜から元旦にかけて見る夢でした。それが江戸時代の中頃から、
除夜は起き明かす習慣となり、元旦の夜に見る夢となっていましたが、「すべて
の事始めは二日」ということから、今では二日の夜に見る夢となったのです。
これも、一つ紹介しておかないといけないでしょう。
 
◆ゆめみこぞう   渋谷 薫 著
 ある長者のところに、風呂たきをしている、灰坊と呼ばれる若者がいました。
ある正月の二日の晩、灰坊は、よい夢を見たのです。その夢を長者が買おうと
いいますが、灰坊は売りません。怒った長者は下男に命じ、灰坊を縛り上げて
木箱の中へ詰め、海に投げ込んでしまいました。
 二十一日間、波に揺られて着いたところは、鬼が島。鬼の親方に食べられる
前に、海に流されたわけを聞かれ、その話をすると、親方が、その夢をくれれ
ば食わないで、家に返してやるという。断ると、三つの宝物、刺すと死ぬ死に
針、死人を生き返せる生き針、千里を一飛びする千里車と交換しないかと灰坊
の前に置いたのですが、灰坊が「本物か?」と疑わしそうにいうと、試してみ
るがよいと腕を出したので、灰坊は、その腕に死に針を刺して殺し、生き針を
持って千里車に乗り、鬼が島を脱出したのです。
 着いたところが、ある村の観音さまのお堂。休んでいると、お参りに来た人
達が、朝日長者の十七になる娘が死んだと話しているのです。それを聞いた灰
坊は、長者の家にかけつけ、「死んだ者を生き返す、日本一のお医者さま! 死
んだ者は、おらんかなー!」と大声で叫びます。直ぐに死んだ娘の座敷に案内
され、人払いをしてもらい、生き針を娘に刺してみると、生き返ったのです。
喜んだ長者は、婿になってほしいと頼み込み、灰坊は朝日長者の娘婿になった
のです。これこそ灰坊が、見た夢、そのものだったのです。
 
 一月のおはなし
  ねこの正月 松谷みよ子/吉沢和夫監修 日本民話の会・編
                        国土社 刊
 
正月ですから、ご祝儀を一つ。
これも、むかし話の定番ですが、継母の子どもいじめです。「親になるにもライ
センスが必要」とおっしゃった方がいるそうですが、幼子への虐待は、親とい
えども許されることではありません。ましてや親の手にかかり殺される子は、
どんな気持ちでこの世を去ったのでしょう。殺人犯は、実の親なのですから…
…。また、ごく普通の家庭でも、父親は女の子に、母親は男の子に甘くなりが
ちです。子どもは、小さい目で、しっかり見ていることを忘れないでほしいも
のです。
 
話に出てくる季節の変わる様子は、古い話で恐縮ですが、高校時代に観た映画、
マルシャークの「森は生きている」を思い出します。気まぐれな女王が、真冬
に4月の花であるマツユキソウをほしいといい、継母の言いつけで吹雪の森へ
行き、12の月の妖精たちに出会う話となっています。これと同じような話が、
スロバキアの民謡に「マルーシカと12の月」があります。こういった話を聞
くたびに、人間の考えることは「同じなんだな」と、しみじみと嬉しくなりま
す。
 
◆六月のむすこ   松谷 みよ子 著 
 むかし、あるところに母親と二人の娘がいて、妹は実の子、姉はまま子でし
た。ある年の正月、妹はいちごを食べたいといいます。母親も取り合わなかっ
たのですが、わがままに育てられていますから押し切られ、姉は取ってこいと
かごを背負わされて、山へ向かいますが、いちごなどあるわけがありません。
 途方にくれていると、白いひげのじいさまと会い、訳を聞いてくれ、あたた
かい感じのする家に案内されたのでした。いろりの前に姉を座らせ、この家に
一月から十二月まで、十二の月の兄弟と住んでいて、どの息子も自分の月を呼
び出せるといい、声をかけると、奥から一人の若者が出てきたのです。訳を話
すと、今は一月、私の出る番の六月まで、一月から五月までの五人の兄弟の助
けが必要だという。再び声をかけると、五人の若者が現れ、みんな外へ出たの
です。すると雪がとけ、あたたかな日がさし、土が姿を見せ、草や木の芽がも
え、花が咲き、小鳥は歌い、いちごが実ったのです。かごいっぱいに摘んだの
を見たじいさまに、「雪が降らない内に帰りなさい」といわれ、走るように山を
下った後から雪が降りはじめ、ふもとに着くと山は、もとの銀世界でした。
 家に帰ると、二人でいちごを瞬く間に食べたばかりか、妹はもっと食べたい
と泣きわめき、母親は殿さまにあげればご褒美にありつけたと悔しがり、再び
山へ行けというのです。
 姉は不思議なじいさまとの出会いを話し、二度は無理だというのですが、「い
うことを聞けんのか!」と怒り狂っていましたが、急に気が変わり、二人でじ
いさまに会ってくると出かける準備をはじめます。姉は必死に止めましたが、
大きなかごを背負い山へ出かけたきり、二度と戻って来ませんでした。
 
 日本むかしばなし 18
  まほうをとくむすめ 民話の研究会編 櫓良良春 絵  ポプラ社 刊
 
最近、継母という言葉は余り聞かないようになりましたが、幼児虐待の話はよ
く聞きます。
それも、育児に一所懸命なお母さんが虐待しがちだと聞くと、救いがありませ
ん。四六時中、お子さんと顔を合わせていますから、あまりのわからず屋にカ
ッとなる時もあるでしょう、わかります。しかし、そこが我慢のしどころです。
育児には、「耐えて、忍ばなければならない時期」があります。心の傷は間違い
なく子どもの心に残り、それを背負って生きていくものです。子育ては、「育児」
しながら「育自」することです。お母さん方は、自力で自身を成長させなくて、
誰がさせてくれますか。誰も、力を、機会を与えてくれません。その教材が、
お子さんと考えてはいかがでしょうか。お子さんは、ご両親で作る環境でしか
育ちません。ご両親が心を一つにして育児に専念するのは、幼児期だけではな
いでしょうか。子どもは授かりものです。授からない人も、多くいることを考
えてみましょう。
そして、ご自身を育ててくれたご両親、特にお母さん方は、同じ苦労をしてき
たことを思い起こすべきで、この気持ちを忘れないことが大切ではないでしょ
うか。
 
「七草」に関する話が「御伽草紙」にあります。若いときは、とかく親のこと
など考えないものです。だから「今の若い者は」などと口幅ったいことは言い
ません。しかし、「親孝行、したいときには親はなし」……実感しています。
 
この「御伽草紙」には、「鉢かつぎ」「酒呑童子」「浦島太郎」「ものぐさ太郎」
など子どもの頃に聞いた懐かしい話が入っています。中でも傑作なのは「猫の
草紙」で、昔は猫も首輪をされていたそうです。ところが、「首輪をしてはなら
ぬ」とのお触れが出て、それまで自由に走り回っていたねずみは、猫に捕まり
食い殺される恐怖の世界に一変するのです。
「十二支の始まり」と同様、猫とねずみの因果関係を納得させられる話です。
原文を読むのは少し面倒ですが、図書館の子どもの部屋には、小学生から中学
生向きに書き直されたものがあり気軽に読めます。現代人が忘れかけているも
のがたくさんありますが、ロマンも、その一つではないでしょうか。
 
◆七草草紙 北畠 八穂 著
 正月七日に七草がゆを食べる習慣になったのは、唐国(中国)の楚の国のそ
ばに住んでいた、大しゅうという人が始めたものだそうです。大しゅうの両親
は百歳をこえ、腰は曲がり、目も耳も悪くなるばかり。そこで、両親を若くし
たいと、天地の神仏に二十一日間、祈ったのでした。すると、二十一日目の夕
方、帝釈天王が現れ、若返りの秘訣を授けてくれたのです。それは須弥山(し
ゅみせん 仏教でいう世界の中心にそびえ立つ高山のこと)に棲む白鵞鳥が八
千年も生きるのは、春に七色の草を集めて食べるからで、その白鵞鳥の命を両
親の命にしてあげようと、摘んでくる七草の種類、たたく順序、時間など秘薬
にする方法を授けたのです。大しゅうは、七草を集め、六日の夕方からたたき
だし、七日の朝に飲ませると、両親は若さを取り戻したのでした。この話が帝
にも届き、褒美として広い土地をあたえ、殿さまにしたのです。それから正月
七日に七草を帝へ差しあげることになったそうです。このように親に心を尽く
す人には、天の幸いが授かるのです。 
 御伽草子  古典文学全集 13 ポプラ社 刊
 
元旦に井戸から水を汲み年神様に供えた「若水」、これを飲むと1年中の邪気を
払うといわれたしきたりも姿を消したようですね。飲料水を井戸から汲むこと
もなくなったのではないでしょうか。
 
来週は節分ですね。お父さん、大きな声を出して、元気いっぱいに豆まきをし
ましょう。最近、やらない家庭が増えているようですが、お子さんには、楽し
い思い出になります。幼稚園や保育園で、節分の話を聞いているはずです。小
さな夢を育ててあげましょう。
(次回は、「第4章 豆まき、節分でしょう」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[2]言語に関する問題 (1) 

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        「めぇでる教育研究所」発行
2020さわやかお受験のススメ小学校受験編
            第28
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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★★入試問題を分析する★★
[2] 言語に関する問題 (1)  
 
毎年、松屋銀座で開催されている「東京私立小学校児童作品展“ほら、できた
よ”」、今年は1月30日(水)から2月4日(月)に行われると松屋のホーム
ページに出ていました。毎年、意欲的な作品が多く展示され、各校の教育方針
の一端を伺うこともできます。間もなく主催者側からホームページで「今年の
テーマ」などが公表されますから、ご覧になって参加されてはいかがでしょう
か。
 
言語に関する問題は、面接、お話作り、類似差異、しりとり、同頭語や同尾語、
反対語、復唱、逆唱、同音異義語、拗音、促音、長音など発音の問題と、言葉
に関するだけに、広範囲にわたっています。
 
[面 接]
親も参加する面接ではなく、制作や絵を描いているテストの中で、
「お名前を教えてください」
「住んでいるところと、電話番号を教えてください」
といった質問があります。
 
面白い話を聞きました。
名前を聞かれた子が、
「私の名前は、○○イチロウと申します」
普段、子どもがこのように言うわけはありませんから、先生は、びっくりした
そうです。
教え込むと、こういった不自然な言葉遣いになりがちですね。
 
しかし、本当に話せない子どもたちがいます。
親子の会話が、弾んでいないのでしょうね。言葉は使わなくては、肝心なとき
に役に立ちません。お母さんが一方的に話さずに聞き手に回りましょう。お子
さんに話をさせることです。
「うちの子は、口が重いのですよ」とおっしゃるお母さん方は、「こうなんでし
ょう」「ああいうことなのね」と、お子さんが口を開く前に先回りをして、話を
しきっている場合が多いのではないでしょうか。
聞くことの上手なお母さんは、話上手な子を育てます。
 
緊張して話せない場合は、先生方も無理に話しかけません。雰囲気になれるま
で待ってくれるようですが、限度がありますから、尋ねられた場合は、自分の
思っていることを恥ずかしがらずに話すことを教えてください。
「こんなことを言うと笑われるかな」と思っている子ども達が、案外、多いも
のです。
「そんなことはありませんよ」と自信を持たせることです。
 
[お話作り] 
★この絵を見て、どんなことを考えますか。お話してください。
★この3枚の絵を順番に並べて、お話を作り、先生に話してください。
★「電車」「お父さん」「新聞」の三つの言葉を使って、お話を作ってください。
 
これも難しいですね、絵を見て話を作るからです。
話の内容から、お子さんの情緒の発達状況もわかります。
以前にもお話しましたが、未分化であった「喜び」「愛情」「恐れ」「心配」「怒
り」といった情緒が分化する時期だからです。
ダンボールに入れて捨てられている子猫の絵を見て、子どもはどう思うでしょ
うか。
これは情緒の分野ですから、大人の思惑を押し付けずに、子どもの感性に心を
傾けることが大切です。
 
私の現役時代、かなり前の話ですが、この問題の指導には手を焼きました。
月齢の差が激しく出る時期でもありますから、子ども自身の発想を引き出すの
は、本当に難しいですね。
ある国立大学附属小学校で作文の時間に、「『お母さん、あのね!』と、お母さ
んに話しかけるように書きましょう」と指導している話を聞き、早速、取り入
れたのですが、これは効果がありました。
お母さんに話しかける気持ちで作ると、話を聞いてくれる対象が決まりますか
らリラックスでき、何を伝えたいかを考え、発想も豊かになるようです。
もちろん、「お父さん、あのね!」でも、同じ効果を発揮します。
 
大人もそうですが、経験していないことはわかりません。それでも大人は、今
まで積んできたよく似たような経験や、本などで読んだことなどから想像して、
何とか答えられます。
しかし、子どもは、まだ経験の範囲も狭く、読書量も少ないですから、おかし
な話になりがちです。そこでお母さんが教え込むと、大人の考えが顔を出して
いる話になりがちです。
「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのようにというように、筋道立て
て作らなければいけないのでしょうか」などとおっしゃるお母さん方がいます
が、まだ、幼児には無理な注文です。小学校でも、高学年にならないとできま
せんし、そんなことを強制していると、国語の嫌いな子になります。
国語は、すべての勉強の基礎ですから、大変なことになりかねません。
こういった鋳型にはめ込むようなことを無理強いしても、子どもらしい発想は、
湧き上がってきません。お子さんの感性を大切にしてあげましょう。
しかし、どう考えても妥当でないと思える場合は、全部、否定するのではなく、
お子さんの話をよく考えてあげ、修正することが大切です。
認めてあげることでやる気を起こさせ、そこから子どもの力は伸びていくから
です。
 
問題集を買って、「話づくりのテクニック」なるものを教え込む前に、やるべき
ことがあります。 
本をたくさん読んであげ、子どもの話に耳を傾けることです。
そして、身の周りのことに、こだわりましょう。
花瓶にいけてある季節折々の花、道端に咲くたんぽぽの花、投げ捨てられた空
き缶1個からでも、話を作るきっかけになります。
「これ、どう思う?」
一緒に考えて、思ったこと、感じたことを話し合うことも大切です。
とにかく、言葉は使わなければどうにもなりません。
しかし、遊びの感覚で取り組まなくては、子どもは嫌がります。
お母さんの顔をチラッチラッと見ながら話すようでは、止めましょう。
お母さんの期待する話に展開しないため、不満気な顔になっているはずだから
です。
 
最近は、「話を聞き、どう感じたか」、「その後の展開はどうなるか」といったこ
とを話したり、絵で表現し、描いた絵について質問をされたり、みんなの前で
発表するなどの試験も行われています。
ある年の慶應義塾幼稚舎で、ドラえもんの縫いぐるみを着た先生が、水色のド
アの前に来て、ドアを開け、「行きたいところの絵を描きなさい!」といった試
験がありました。「どこでもドア」ですが、学校側は、何を評価したかったので
しょうか。
 
絵は、心で感じたことを表したものですから、言葉で表現できるはずです。一
枚の絵から、どんな世界が表現されてくるか、耳を傾けましょう。また、絵を
描かせるのは、絵の巧拙だけを見ているのではありません。どう感じたか、感
性の世界です。感性は、体験を積み重ねて育まれたものであることを忘れては
ならないでしょう。         
オーバーかもしれませんが、特定のテーマに関し肯定側と否定側に分かれ行う
議論、ディベートの苦手な私たち日本人は、小さい頃から、こういった経験が
少ないことにも原因があるのではないでしょうか。
 
[類似差異の問題]
★「チューリップと桜を比べて、似ているところと違うところを先生
  に教えてください」
       
何回もお話しましたが、幼児の頭の働きは、ものを見て、比べ、同じところ、
違うところを見つけることから始まります。
大人の観察力と違っているところがあります。チューリップと桜では、大人は
木に咲く花、球根から育つ、花の大きさなど目で見えるものなど、理科の領域
内で考えます。
 
こういう子がいました。
「チューリップは、『親指姫』のお話に出てきて、桜は、『花さかじいさん』に
出てくるから、話に出てくるところが同じです」
童話の世界です、いいではありませんか。
 
「チューリップは食べられませんが、桜は食べられます」
桜餅のことで、食文化の世界です。食べたときの食感が残っていたのでしょう。
桜の葉は、何ともいえない香りが、ほのかにします。
また、落ち葉にも、同じような香りが残っていますが、この子は、それを知っ
ていたのでしょう。おそらく、落葉の頃に、公園で拾った桜の葉の匂いをかい
だのかも知れません。
好奇心と観察力をほめてあげるべきです。こういう発想は、頭が堅くなった大
人には無理でしょう。これで、いいわけです。
「子どもが考えて、自分の言葉で発表できる」、これは素晴らしいことです。そ
して話を聞き、なるほどとうなずける内容であれば、正解と認めてあげましょ
う。
しかし、塩化ビニールの葉っぱでくるまれた桜餅では、こういった発想は生ま
れませんね。
また、落ち込みそうです。
 
この問題は、自分の考えを言葉で表現しますから、やるべきです。お母さんと
二人でできます。ただし、教え込まないことです。子どもの発想を無視せずに、
きちんと聞いてあげることです。そして、子どもの考え方に妥当性があれば、
それで正解です。しかし、「これはおかしい」と思う場合は、やさしく訂正して
あげましょう。
 
かつて、アメリカでベストセラーになった「人生で必要な知恵はすべて幼稚園
の砂場で学んだ」(河出書房新社 刊)の第1章 私の生活信条?クレド?(1
9ページ)に、こう書いてあります。
 
「『不思議だな』と思う気持ちを大切にすること。(中略)デイックとジェーン
を主人公にした子供の本で最初に覚えた言葉を思い出そう。何よりも大切な意
味を持つ言葉。“見てごらん”」(“  ”は引用者)
 
「見て(自然に目に入るseeではなく意識して見るwatch)、考え、そして類似
と差異に気づくこと」、こういった感性を大切に育んであげたいものです。
 
 (次回は、「言語に関する問題(2)」についてお話ししましょう)

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>独り立ちの準備(4)家事、やらせなさい(1)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2020さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第11号
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(4)家事、やらせなさい(1)
 
3歳過ぎから旺盛になってくる好奇心、これを上手に利用したいものです。
女の子は、お母さんのお手伝いを始めます。
手伝わせましょう。
 
洗濯物などを一緒にたたみ、自分の物をしまわせる、女の子はやります。
しかも、楽しそうです。
台所にも、顔を出します。
包丁を使っていると、やりたそうに見ているでしょう。
一人で包丁を持たせるのは危険です。
しかし、興味を持ったときがチャンスです。
3歳になれば、はしを使って食事をし、はさみも使えるようになります。
かなり、手先も器用になるものです。
子ども用の包丁があります。
それで練習すれば、いいのではないでしょうか。
禁止や命令だけ出していると、お母さんのいないときに、そっとやりかねませ
ん。
 
果物などを洗わせるのも、いいでしょう。
これなら男の子もやりたがります。
いちごやみかんは、水に浮くのはわかるのですが、かぼちゃは、沈むはずだと
思っている子、います。
すいかなどは、絶対に浮かないと言い張ります。
見た経験がないからです。
私の子どもの頃は、冷蔵庫といっても、今のように電気で冷やすのではなく、
氷の冷気で冷やしていました。
氷が溶けてしまうと、温蔵庫に代わる不思議な代物です。
そういった冷蔵庫でも高嶺の花、贅沢品でしたから、縄でしばって井戸に放り
込んで冷やしていたので、すいかは沈まないものだと知っていました。
今は、すいかを丸ごと一個買うでしょうか。
半分か四分の一でしょう。
水に浮かばせる機会もありません。
 
名門小学校の入学試験に、こんな問題があります。
水槽の中に、いろいろなものが浮かんだり沈んだりしている絵があって、その
中でおかしいものに×をつける問題です。
年長さんでさえ、沈んでいるすいかを見ても、不思議に思わない子がいます。
こういったことを、入学試験用の問題集を買って、机の上で教えるのですから、
子どもも大変です。
こんなことばかりやっていると、暗記することが勉強だと思わないでしょうか。
この種の問題は、一回見せてあげれば理解できます。
学校側も、知識として知っているかを見ているわけではないでしょう。
生活体験です。
家事の手伝いをしていると、こういう経験をするはずです。
そこを見ていると思います。
 
「受験用の知識や礼儀作法なるものを泥縄式に詰め込んで、『受験準備、事足れ
り』とお考えでしたら、それは誤りであることに気づいてほしい」
とある名門小学校の校長先生が、学校説明会でおっしゃっていました。
やがて皆さんも、入園説明会へ足を運ぶことになりますが、多いところでは、
何と五百名以上のご父母が集まります。
「泥縄式、その言やよし」ですね。
泥棒を捕まえてから、縛る縄をなうのですから、後手、後手です。
こんなことして、合格するわけはありません。
いろいろなことを泥縄式にさせられて、困るのはお子さん自身です。
受験のためではなく、ご両親は信念を持ってお子さんを育てることが大切です。
 
ところで、お手伝いでも、上手にできない場合があります。
たとえば、ガラスのコップをテーブルの上に運んでいる時に、落として割った
とします。
お母さんは、どうしますか。
「危ないから、じっとしていなさい!」
第一声は、これでしょう。
子どもは、びっくりしています。
やさしく言わないと、こんな時、何をするかわからないのが子どもです。
頭の中は真っ白になっていますから、何はさておき、じっとさせることですね。
手早く割れたコップの破片を取り除き、後始末です。
それから、落とした原因を聞きます。
子どもなりに考えます。
「ぬれていたので、すべってしまったの!」
それもあるでしょう、いろいろあります。
それで、いいのです。
考えることで、次に同じ失敗をしなければ、いいのですから。
 
駄目なお母さんは、ここで怒ります。
「ちゃんと持たないと駄目だと言っているでしょう、何を聞いているの、この
子は!」
「この子は」は、余計です。
駄目押ししているのです。
顔も、キッチリ駄目を出しているのですから、子どもは恐がっています。
こうやってしまっては、もう手を出さなくなります。
意欲をなくします。
いいではありませんか、コップの1つや2つ。
次からきちんとできれば、安いものでしょう。
 
お母さんも、こんな経験をしたことはありませんか。
お母さんは、家事のプロフェッショナルですが、お母さんも人間ですからたま
には失敗する時もあるでしょう。
例えば、本当に例えばの話ですが、お父さんが大切にしていたコーヒーカップ
を割ったとします。
訳を話して謝った、その時に、
「あなたは慌て者だから、気をつけないと駄目だと、いつも言っているだろ
う!」
などと言われたら、お母さんはどんな気持ちになりますか。
「フン、何、言っているの! わざと割ったのではありません。滑ってしまっ
たの!」
ふてくされ、いや、気分が悪くなりませんか。
子どもも同じです。
 
失敗した時、むやみに怒らないことです。
正しく状況を判断して、怒る理由があるときは、キッチリと怒りなさい。
それからでも遅くないのですから。
そうしたら、冷静に怒れます。
「冷静に怒れる?」、何やらおかしな言葉ですね。
冷静とは、その場の感情に動かされないことです。
冷静であれば、怒るでしょうか。
怒りませんね。
「叱る」と「怒る」の違いです。
そうすると、状況を客観的に把握でき、感情的にならずに対応できます。
これは、とても大切なことです。
なぜなら、単に失敗しただけでは叱らないという「叱る基準」が、きちんと決
まっているからです。
けじめのある子になります。
これが名門幼稚園側のいう育児の姿勢、ご家庭の教育方針です。
ご家庭と幼稚園の教育方針が限りなく近いことが、幼稚園を選ぶポイントにな
ります。
 
もっとおかしなお母さんがいます。
「また割られると困るから、ガラスのコップは止めて、アルミのコップに代え
ましょう。これなら落としても割れませんから」  
こんなことをすると何回も割りますし、無神経な、がさつな子になります。
教育の意味がわかっていません。
教育とは、読んで字のごとく、教え育てることです、しかも、意図的に。
絶好のチャンスを逃しています。
小学生になると、給食の時間に食器を乱暴に扱うようになるでしょう。
多くの場合、給食に使う食器類、ガラスや瀬戸物ではありませんから。
 
最後に一言。
以前、ある青少年犯罪係の偉い方が講演会で、「家事の好きな女の子に、非行少
女は、いません」とおっしゃったことがありましたが、一理あると思います。
お母さんが、いいお手本を見せているはずだからです。
きょう日のお母さん、こういいます。
「お手伝いなんかしなくていいの。そんな暇があるのなら勉強をしなさい!」
中学や高校受験になると、こうなるようです。
はっきりいって、これは間違いです。
味覚や服装のセンスは、母親が子に伝えるものです。
特に、料理です。
「おふくろの味」というではありませんか。
お母さんと一緒に台所に立って、お母さんの手さばきや料理の段取りを見て、
実地研修しながら、味付けを覚えたのではなかったでしょうか。
これも、一朝一夕に身につくものではありません。
お母さんは意図的に教え、子どもは習い、学ぶものです。
お子さんが大きくなった時には、きちんと教えてあげましょう。
1時間も2時間も台所に入りびたりになるのではありませんから。
これは勉強ではなくて、習い学ぶこと、学習です。
その心は、お母さんのようになりたい、そうではないでしょうか。
 
学習について、わかりやすい話があります。
キリスト、マホメット、お釈迦さまと共に世界の4大聖人の一人である孔子さ
まは、「論語物語」にある「うぐいすの声」でこういっています。
「『ホーホッケキョ!』ときれいに鳴く親鳥と、『ケキョ?』と不器用にしか鳴
けないひな鳥の声を聞きながら、ひな鳥は、親の鳴き声を一所懸命に聞き、繰
り返し、繰り返し練習をして、今に一人前に鳴けるようになる。その心は親鳥
のように鳴きたい。これを学習といって、『習い学ぶ』のは素晴らしいことだ」
と、息子に教える話です。
よいお手本を見て、一所懸命に学ぶ、これが幼児期の大切な学習です。
 
しかし、「お母さんのようになりたくない!」などと言われたら、これは、お母
さんの重大な責任です。
早期教育やお受験などで、知的な能力を高めることだけにこだわっていると、
こうなりがちではないでしょうか。
 
かつて、城山三郎氏の小説に「素直な戦士たち」(新潮社 刊)がありました。
この本では、中学受験を目指すお母さんは、典型的なマニュアルタイプで、もの
すごい子育てをしていますが、そういったお母さんにならないでほしいと思いま
す。
気になることがありましたら、ぜひ、この本をお読みになって下さい。
20数年前に発売された本ですが、いま読み返しても考えさせられてしまいま
す。
 (次回は、独り立ちの準備 (4)家事、やらせなさい (2)についてお話し
ましょう)

さわやかお受験のススメ<保護者編>第3章(2)何といっても正月ですね 睦月

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2020さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第11号
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第3章(2)何といってもお正月ですね  睦月
 
今年で34回を迎える「東京私立小学校児童作品展 ほら、できたよ」は、1
月30日(水)から2月4日(月)まで、銀座の松屋で開催されます。毎年、
意欲的な作品が展示されますのでぜひ足を運んでみてください。
 
◇お節料理◇
お雑煮を食べながらいただくのがお節料理です。木製できれいな絵や模様で飾
られ、二重から五重に積み重ね最上段にふたのある重箱にいろいろな料理を詰
めます。お節料理は、元旦の朝に神さまと一緒にお祝いをして、家族が健康で
良いことがたくさんあるように、お祈りをするための食事ですから、縁起もの
しか選ばれません。
 
「三つ肴」または「祝い肴」といって、この三種でお節料理を代表するものが
ある。三は完全を意味し、全体を一つにまとめる働きをしている。三つ肴とは、
関東では黒豆、数の子、五万米(ごまめ)をいい、関西では、黒豆、数の子、敲
き牛蒡(たたきごぼう)をいう。
      (年中行事を『科学』する 永田 久 著 日本経済社 刊 P9)
 
黒は魔除けの色といわれ悪魔が嫌う色、豆は「まめに生きる」、真面目に健康に
生きる願いが、数の子は、鰊(にしん)の卵巣で、数万の卵があることから「数
多い子」、子孫繁栄の意味で縁起がよいといわれ、「春告魚」とも書き「春よ、
早く来い!」と願い、ごまめは「五万米」とも書くことで豊作を、牛蒡(ごぼ
う)は、お米がたくさん取れた時に飛んでくるといわれる黒い瑞鳥を表したも
のです。
この三つは、必ず食べたそうで、私は、きんとん、だて巻き、かまぼこ、海老
や鯛、八つ頭(里芋の一種)こんにゃくなどを食べていました。きんとんは「金
団」と書いて「金の塊」のこと、だて巻の「伊達」は「粋で美しいさま」、かま
ぼこの赤は黒と同様に「魔よけ」、白は「清浄」を表し、八つ頭は「人の頭に立
つ人になってほしいことを願っている」といったように、お節料理は縁起を担
いだ食べ物からできています。
 
正式なお節料理は、四段重ねです。上から一の重、二の重といい、一の重には
三つの肴、黒豆、数の子、ごまめ、二の重は「口取り」といい金団、ゆず玉、
だて巻などオードブルが、三の重は海老や鮑、鯛などの「海の幸」を、四の重
は「与の重」といい、八つ頭、はす、くわい、里芋などの「山の幸」を入れ、
詰める品数は奇数がよいとされ、ここまでこだわります。  
料理の中心は煮物ですが、素材をそのまま煮炊きできませんから、下ごしらえ
に手間がかかり、味付けで素材の持ち味が決まる料理ですから、暮の台所はま
さに戦場で、今のようにお節を買って済ませる時代ではなく、全部自前でこし
らえていましたから大変な騒ぎであったことを覚えています。お節料理は、三
が日の間、お母さん方から料理する手間を開放してあげる配慮があったと聞き
ましたが、その通りではなかったでしょうか。
 
ところで、祝いの膳に欠かせない尾頭付きの鯛ですが、徒然草では鯉が「やん
ごとなき魚なり」と紹介されています。世界の四大聖人の一人、孔子の子息の
名前は「鯉」といいますが、王さまからお祝いに鯉を頂いたことから命名され
たそうで、当時、中国での魚の王さまは鯉でした。ところが、江戸時代になる
と鯛が祝い膳のトップに躍進し、今に至ってもその座を他の魚に許していませ
ん。「めでたい」の語呂だけではなく、姿、形がよく、色鮮やかで、生でも焼い
ても汁にしてもうまい、これでしょうね。しかし、親父は「鯛はいつでも食べ
られるから旬がなく、その分、損しとるのや」と言っていましたが、今では鰹
や秋刀魚も、いつでも食卓に上がります。食生活は豊かになりましたが、その
ために失ったものもたくさんあります。季節感が希薄になったのも、その一つ
でしょう。魚に限らず旬のものは、その時にしっかりと食べ、季節感を味わい
ましょう。
 
◇屠 蘇◇
読み方からしてやっかいですが、「とそ」といって、山椒、肉桂(にっけい)、
桔梗(ききょう)、ぼうふうなどの薬草を、砕いて調合した屠蘇散をひたした味
醂のことで、これが正月のセレモニーの主役でした。これを杯に注いで、「おめ
でとうございます」と父が言わないことには、新年の朝祝いは始まりません。
これは不老長寿の効き目があると言われ、正月の祝い酒でした。山椒はうなぎ
を食べるときに使うものですし、肉桂はにっきのことで刺激が強く、桔梗は根
を干したものはせき止めの薬で、ぼうふうはセリの仲間です。聞いただけで飲
むのを遠慮したくなりませんか。親父からちょっとなめさせてもらいましたが、
大人は、なぜ、こんなまずいものを飲みたがるのか不思議な気がしました。 
 
しかし、何事も訳ありです。
屠蘇は、「鬼気を屠絶し、人魂を蘇生させる」という意味があり、「その年の邪
気を払い、寿命をのばす働きがある」と信じられ、正月には欠かせない祝い酒
でもあったのです。屠蘇で乾杯して大人はお酒です。子どもはお節料理を食べ
ながら、お雑煮を頂きますが、両親とも着物です。母は着物の上に、袖付きの
前掛けというのでしょうか、割烹着をつけていました。親父は立派に見え、母
はきれいだと思ったものです。そして、なぜか子どもたちも新しい服を着せら
れていました。新しい年神さまを、誠心誠意でお迎えした雰囲気がありました
ね。
 
当時は、4本足の座卓、ちゃぶ台で、正座をして食事をしていました。姿勢が
崩れると父が、恐い顔してにらみますから、おかしないい方ですが、真剣に、
真面目に食べていました。ですから姿勢もよくなり、マナーも身についたもの
です。現代っ子は、姿勢の悪い子もいますし、妙なはしの持ち方の子もいます。
ご飯をぼろぼろとこぼしても平気な子もいます。食事中はテレビを消しましょ
う。4、5歳の子には、「食べながら見る」といった二つの作業をこなすのは難
しいものです。私の子ども時代と最も違ったのは食事ではないでしょうか。テ
レビはありませんから、食事は人が中心で、一家団欒の一時であり、家族の会
話があったような気がします。しかし、椅子とテーブルになって、子どもたち
の足が長くなりスタイルもよくなりましたが、子どもに教えるべき生活習慣や
しつけの面で失ったものも、数々あります……。昔から守られてきたよき習慣、
礼儀作法などが姿を消してしまったのも、私たち親が選択したのであり、子ど
もたちの責任ではありません。「現代っ子は……」という前に、反省すべきは、
そういう環境を作ってきた私たち、大人であることを、肝に銘じておきたいも
のです。
 
そして、年の順にお年玉を貰いますが、これが楽しみでした。でも、わずかで
したね。
現代っ子は、銀行に預けるほど貰えるようですが、これは不労所得です。汗水
を流さずに、お金をたくさんもらうのは、決してよいことではありません。子
ども時代にこそ、「分相応の精神」をしっかりと理解させるべきではないでしょ
うか。
 
★★初詣★★
朝祝いが済むと、近所の氏神さまへお参りをします。全国的に有名な神社、仏
閣に参拝しているようですが、生まれた土地の神さま、産土(うぶすな)神社
へ、神さまに失礼にならない服装に着替え、出かけるべきではないでしょうか。
そして、お子さんにも神前で、静かに頭を下げ、新年の希望や誓いなどをさせ
ましょう。目に見えない大いなる存在に畏怖を抱くのは、決して悪いことでは
ありません。親が、きちんと礼拝をする姿を見せれば、それで十分なのです。
 
我々日本人は畏怖することを忘れ、目に見えないものを敬うことを忘れ始めた
ような気がしてなりません。(「平成お徒歩日記」 宮部 みゆき 著 新潮社 
刊 P193)
   
神戸で起きた小学生殺人事件の容疑者が逮捕されたときの作者の言葉ですが、
忘れられない一言となっています。今でも「透明な存在である自分」なのか聞
いてみたい。2015年6月に発売された「絶歌」、元少年A(33歳)は、10
0万部売れると豪語したとか。それにしても、いつまで元少年Aで過ごすのか。
(憤怒)
 
帰りには、不幸をもたらす悪魔を払う「破魔矢」や、七転び八起きを願う「だ
るま」などの縁起物を買い、そのいわれを話してあげ部屋に飾っておきましょ
う。子どもなりに夢を育てるものです。
 
また、「初日の出」を拝む習慣がありますが、普段でも海上から昇る朝日や夕焼
けの山間に沈む夕日には、何ともいえぬ感動を覚えるものです。ましてや、そ
の年の初日の出となると感慨もひとしおでしょう。では、「日本でいちばん最初
に初日の出を拝めるのはどこか」ですが、国土全体では日本の最東端にあたる
南鳥島、島を除けば富士山頂で、平地では犬吠崎です。しかし、南鳥島は一般
の人は立ち入り禁止で、そこにいる防衛庁と気象庁の職員しか拝めませんし、
富士山頂は氷点下何十度という所ですから、誰でもは無理ということで、正解
は小笠原諸島の乳房山で、何と1月1日が海開きに当たり海水浴も楽しめるそ
うです。
 
ところで、ジャズのスタンダード・ナンバーに「The world is waiting for the 
sunrise」(世界は日の出を待っている)があります。アメリカ人に「太陽遥拝」
の信仰があるのではなく、第一次世界大戦後の不況から脱出したい願いをこめ
て作られた曲です。ジャズの演奏スタイルは時代と共に変わりましたが、大雑
把に分けるとデキシーランド、スイング、モダンの3つがあり、デキシーラン
ドには、ニューオーリンズ派とシカゴ派があります。ニューオーリンズ派の名
クラリネット奏者、ジョージ・ルイスの率いるバンドが、オハイオ州立大学で
行ったコンサートの中に、この曲の名演奏が入っています。バンジョーの名手、
ローレンス・マレロが、正確無比なビートで最高にスイングするソロを聴かせ
てくれます。沈んだ夕日が昇ってくるのではと思うほどアグレッシブな演奏で、
モノラルで音はよくありませんが、いつ聴いても感動を新たにさせてくれる、
ご機嫌な演奏です。私の正月は、これを聴くことから始まったものでした。
ジョージ・ルイスの素晴らしい音色を絶賛したのは、前衛ジャズの大御所、サ
ックス奏者のジョン・コルトレーン。ルイスの作曲した“Burgundy Street Blues”
(バーガンディ・ストリート・ブルース)ではなかったでしょうか。音楽に新
しい古いはないと思います、自前の感性に訴えるものがあれば、いいのですか
ら。私はドラムを少しやっていますが、学生時代、ある黒人のドラム奏者に、
「なぜ、そんなにスイングできるのですか」とあほみたいな質問をしたところ、
「なぜ、あなた方は、フォークソング(民謡)をあんなにうまく歌え、踊れる
のか」と言われ、ジャズのリズム(4ビート 若い皆さんが乗れるリズムは8
ビート)に抱いていた劣等感を拭い去ることができたような気がしました。そ
れぞれの民族は、長い時空を経て培われたリズム感があるということです。そ
れから、下手の横好きですが、私流のリズムを刻むことを覚えました。
ジョージ・ルイス(George Lewis)の演奏はYouTubeで視聴できます。“Burgundy 
Street Blues”は、黒人独特の哀愁を奏でた名演で、いつ聴いても涙ぐんでし
まいますね(笑)。
 
平成19年の暮れ、体力の限界を感じバンドを解散しました。何と47年間も
やっていた、とてつもない道楽でしたが、演奏の醍醐味を忘れることができず、
また23年から始めてしまい、24年11月の「新宿ジャズ祭り」で、普段は
プロしか演奏しないライブハウス、ピットインでトリを取ってしまいました 
(笑) 。再びトリを目指して頑張る予定でしたが、25年9月にバンドリーダー
の丸山が亡くなり実現しませんでした。彼とは53年来の付き合いで、彼がい
たからジャズの醍醐味を味わえたと感謝しています。26年5月に、演奏会の
度に香港から駆けつけてくれたバンジョーの名手、菅原さんが、ご自分のバン
ドを率いて「春の新宿ジャズ祭り」に来日した折、ドラムの方が参加できず、
ピンチヒッターでお手伝いさせてもらいました。かなりのテクニシャンである
外人の方が3名いて、緊張している私に、「ジャズは自分で楽しむものだよ!」
とまたしても教えられ、楽しいひと時を過ごせました。しかも、これは偶然だ
ったのですが、会場も、時間も、丸山と最後の演奏となった時と全く同じで、
追悼演奏ができたと感無量でした。冥界入りして5年、あちこち痛みの出てき
た私ですが、夢に出てくる彼は、全く年をとっていないので、うらやましくな
りますね(笑)。
 
★★正月の遊び★★
たこ上げ、羽根つき、カルタにすご六、福笑いが、正月の遊びの定番でした。
今の子どもは、やらないでしょう。テレビゲームやDSのようなポータブルゲ
ーム等、一人で遊べるゲームに人気があります。これが問題ではないでしょう
か。小学校時代に友だちと遊ぶことの楽しさを覚えないと、社会性は育ちませ
ん。社会性が育たないと、共に生きる共生の心も育まれません。人は一人では
生きられないことを、もっと教える必要があります。個性を育てるのとわがま
まを助長するのは、紙一重の差です。我慢をすることのできない子が増えてい
ます。「訓練されていない個性は野性である」と国府台女子学院の平田学院長は
おっしゃっていますが、勘違いすると後で困るのは、お子さん自身であること
を真剣に考えましょう。
 
ところで、昔の遊びの中にもいいものもあります。例えば、すご六です。サイ
コロを振り、出た目だけ動かなければなりません。しかも前後左右に進んだり
戻ったりしますから、混乱しがちです。5、6歳の子にとって、出た数だけ上
下、左右に移動するのは難しいものです。いわゆる「位置の確認」で、こうい
う遊びで覚えるのが効果的なのですが……。
 
このサイコロですが、2つ使うと最高12までの足し算ができます。二人で1
個ずつ振り、数の大きさで勝ち負けを競えば、引き算になります。数字を使い
ませんが、出た目を数えるだけで、簡単に答えが出ます。その上をいく優れ物
が、トランプです。ゲームは勝敗が伴いますから、真剣に遊びます。カードに
はマークと数字がありますから、算数の学習、数感の学習になっています。
 
トランプの絵札は、11はJ、12はQ、13はKとアルファベットで表され
ています。
Kはキングで王さま、Qはクイーンで女王さまですが、Jは何を表しているか
ご存じですか。
Jは「ジャック」という人名の頭文字からとったもので、イギリスでは、ごく
ありふれた名前の代名詞として使われ、日本でいえば「太郎」にあたり、よく
耳にする名前を付けることで、名もない一兵士を象徴させているのです。4つ
のマークは、ハートは僧侶、スペードは軍人、ダイヤは商人、クラブは農民と
身分階級を表していますが、何事も訳ありなのですね。ところで、中学生にな
り英語を習ったときの教材は「JACK AND BETTY」でしたが、べ
ティは「花子」にあたるのでしょうか(笑)。
 
                ★★春の七草★★   
言葉だけが、一人歩きしているようです。
七草は、せり、なずな、御形(ごぎょう 母子草)、はこべら(はこべ)、仏の
座(たびら子の別称)、すずな(かぶ あおな)、すずしろ(大根 鏡草)のこ
とです。昔は、春を告げる七草を親子で摘み、お節料理やお餅を食べすぎて、
お腹の調子が少し悪くなった時に、消化のよいお粥に七草を入れて食べ、春を
実感していたのでしょう。ちなみに、セリは解毒・食欲増進・神経痛・リュウ
マチに、なずなは高血圧・貧血・食欲増進に、御形は咳止め・痰切り・利尿作
用に、はこべらは歯槽膿漏・催乳・健胃整腸に、仏の座は体質改善に、すずな、
すずしろは骨粗鬆症・腸内環境改善に良いという説があるそうです。(三島函南
農業協同組合「七草がゆセット」のしおり より)
 
この七草に関して、覚えやすい歌があります。
  せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、
  すずな、すずしろ、これぞ七草      左大臣 四辻 善成(平安時
代)
 
最後に、おもしろい話を紹介しましょう。
 
大根は、野菜の王様で消化によく、食べあたりしない。大根役者とは、当たら
ない役者のことである。「千六本」というのは、大根を細長く刻んだものである
が、大根を中国では「繊蘿蔔」といい、これを唐宋音でローポと発音した。細長
く刻んだ大根=繊蘿蔔(センローポ)が日本でセンロッポンと訛って千六本と書
いた。千という字によって「たくさんの」という意味を感じて細かく切り刻んで
しまう人もいれば、「人参を千六本に切って」などと料理教室で教える先生もい
る。六本というのをどう解釈しているのかと考えると、ふきだしたくなる。  
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P35)
 
最近はニンジンを切る時にも使われているようですが、語源を知っていると永
田先生でなくても笑えますね。
     (次回は、「1月に読んであげたい本」についてお話しましょう)
 
 市原悦子さんが亡くなりました。先に冥界入りした常田富士男さんとの名コ
ンビ、アニメ「日本昔ばなし」で子どもたちにたくさんの思い出を残してくれ
たお二人に感謝しています。ご冥福をお祈りいたします。(合掌)

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★(1)巧緻性に関する問題

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        「めぇでる教育研究所」発行
2020さわやかお受験のススメ小学校受験編
            第27
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
 
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★★入試問題を分析する★★
(1)巧緻性に関する問題
 
聞き慣れない言葉です。
「きめこまかく上手にできていること」という意味ですが、11月に詳しくお
話しました「手は第二の脳」(11号から14号)を思い出してください。重複
するところもありますが、大切な問題ですから繰り返します。巧緻性に関して
は、「塗る・折る・切る・貼る・結ぶ・摘む・包む」といった手作業、何かを作
ったり、絵を描いたり、手本と同じものを描いたりする問題があります。なぜ、
出題されるのでしょうか。手作業は、誰の手も借りず
に、指示されたことができるかどうかで、自立の状態がわかるからです。
 
[制 作]
 課題制作と自由制作があります。
 
 ◆課題制作
 ★「今から、動物の起き上がりこぼしを作ります。
   このように、画用紙を半分に折り、折り目のところが背中になるよ
   うに動物を描きます。描けたら動物を、このように切り抜きます。そして、
   別の紙を筒のようにまるめ、それに動物をホチキスで止めます。最後に、
   セロテープで粘土を筒の中に貼り、出来上がりです。」
 
先生が、やっているのを見てから制作に取り組みます。
 
 ◆自由制作
 ★(空き箱、画用紙、色紙、折り紙、セロハン、リボン、ひも、モール、
   輪ゴムなどの材料や、はさみ、のり、ホチキス、クレヨンなどが置かれて
   います。)
   「ここにあるものを自由に使って、自分の好きなものを作りなさい。」
 
まず、注意しておきましょう。
子どもたちの大好きな制作ですから張り切りますが、先生の説明中に手を出す
子がいます。待てないのです。きちんと聞いておかなければ、手順がわかりま
せんから、途中でギブアップすることになりかねません。
普段の生活態度が、そのまま正直に出がちです。お子さんに何かを頼んだとき
など、最後まできちんと聞いているでしょうか。聞いていれば心配ありません
が、何といっても「話を聞き、指示どおりに行動できるか」がポイントだから
です。
幼稚園は自由保育ですが、小学校は一斉授業ですから自分勝手にやるわけには
いきません。
しかも試験ですから、規則違反にチェックが入ります。
 
なお、制作を苦手とするお子さんの場合は、もう一度、「鍛えてほしい第二の脳」
をお読みになり、早いうちに対処しておきましょう。基本作業は、幼児教室の
先生にお任せではなく、家庭できちんと身につけるものです。これをおざなり
にしていると、制作に興味をもてなくなりがちで、行動観察型のテストが苦手
になることを、しっかりと胸に刻んでおきましょう。
 
[模 写]
★お手本と同じように描きましょう。
 
模写は、文字通り、お手本と同じものをまねて写すことです。
点図形と線や図形の模写があります。点図形は、対称図形が多く、見た目もき
れいですから面白そうですね。簡単なものも手抜きをせず、きちんと線を引く
ことが大切です。
しかも、大人が考えるより難しい作業です。どこから始めたらよいのか迷って
しまうものや、必ずしも点と点を結ぶとは限らず、野球でいえばサードとショ
ートの間を抜くヒットのように、点と点の間を抜けていくのもあります。これ
は、納得するのに時間がかかります。
「点と点を結ぶのに、何で抜かすのですか? そんなのずるいですよ!」
と不満に思っている子がいますが、こだわるから仕掛けに気づいて間違わない
わけです。
そして、この問題も根気がいります。どこがどうなっているのか、試行錯誤を
積み重ねた方が、後で効果が表れます。観察力と集中力、そして持久力や忍耐
力も身につきますね。さらに、全体のバランス感覚を養うのにも役立ちます。
なぜなら、隅から隅まで、全体をきちんと見なければならないからです。それ
が絵を描くときにも生きてきます。
 
模写の問題で見逃せないのは、性格まで姿を表すことでしょう。
点と点をつなぐ直線がよじれたり、脱線をしたり、通過すべき点を無視する子
は、何をやっても雑なところがありますね。スピードを競っているようですが、
描けていればいいのではありません。完成度から美醜の感覚、基本的な生活習
慣、しつけ、育児の姿勢まで判定することも可能です。最初が、肝心です。ゆ
っくりと丁寧に、時間をかけて、美しく描くことが基本です。そして、忘れが
ちなことですが、姿勢が悪ければ描く線も乱れます。背筋をきちんと伸ばし、
左手でペーパーをしっかりと押さえ、筆記用具をきちんと持って描く習慣を身
につけましょう。
 
線の模写
はじめに、点線などで手本が示されていますから、それを指でなぞり、どのよ
うにすればスムーズに描けるか、必ず確かめましょう。
指で何回もなぞり、脳に一筆で描ける感覚をしっかりと学習させることが大切
です。
三角形が連続する鮫の歯のような直線や、半円が上下に反転しながら連続する
もの、曲線では、筆記体のアルファベットの小文字「エル」の連続したものも
あり、上下が逆になると、ぶどうの房のように見えますが、「エル」は下から上
に左回りで描きますから、それに従い連続して描き、上からの場合は、上から
下へ右回り、時計回りで描きます。房の長さや間隔が乱れないように注意を促
しましょう。
しかし、いずれも難しい作業でなかなかうまく描けませんから、根気よく取り
組むことが大切です。
 
図形の模写
これは、難しいですね。
線の模写と違い、四角、三角、円、菱形、ハートなどさまざまな図形が、いろ
いろな組み合わせで出題されますから、それを描く子どもたちには、至難の業
だと思います。やってみるとわかりますが、全体の配置状態、バランスをつか
むことは容易ではありません。
 
以前にもお話しましたが、図形の○△□は、書写、運筆の基礎トレーニングで
すから、正確に描けるようにすることが大切です。
○は、下から時計まわりで描きます。上から左回りに描くのは数字のゼロです。
△は、頂点から左斜め下へ、そこから頂点に戻って右斜め下へ、最後に左から
右へ底辺を描きます。
左斜め下から、いきなり右方向へ底辺を描き、今度は左斜め上の頂点を目指し
て描くのは、大人の使う簡略法で、子どもにとっては書写違反です。
□は、漢字の国がまえと同じです。
左から下におりて、そのまま戻らずに、左回りで一周する子がいますが、これ
も書写違反になります。
文字には筆順がありますから、こういった図形をきちんと描ける子は、きれい
な字を書けるようになります。
 
基本的なトレーニングとしてお勧めしたいのは、例えば、大きな○を描き、そ
の中に、それより小さな形をどんどん描くことです。□△◇も同じようにやっ
てみましょう。前のものより小さく描き、その微妙な差を脳に教えることがで
きるからです。線の模写と同様、難しいですから、お子さんはうまく描けずに
嫌がると思います。あせらず、じっくりと時間をかけ、丁寧に描けるように導
いてあげましょう。
 
ところで、頼りない線を引く子がいますが、多くの場合、鉛筆を正しく持てて
いないからで、おそらく、はしの持ち方もおかしいのではないでしょうか。こ
れを解決してから挑戦しましょう。ただし、はしの持ち方は、食事の時にうる
さく言わないことです。       朝、昼、晩と三度、同じことを言われ
ていては、気が滅入りますから、以下のようなトレーニングがいいのではない
でしょうか。
Bか2Bの鉛筆で、直線や円などを殴り描きさせると効果が表れるものです。
これは、スピードを上げてもかまいません。なぜなら、速く描くには、鉛筆を
しっかりと持たねばなりませんし、どの辺を持てばよいかもわかるからです。
力み過ぎは、手首を疲れさせるだけですが、力配分やバランスも、やっている
うちにわかってきます。 
そして、ボール遊び、縄跳び、鉄棒など両手を使う運動をやることで握力をつ
けましょう。
机の上だけではないトレーニングにも、目を向けてください。はしの持ち方に
も変化が出てくるはずです。
 
[はしを使った問題]
 
★(角砂糖ぐらいの大きさのプラスチックの立方体が、たくさんお椀の
中にあり、はしと空のお椀が用意されている)
「お椀の中のものを、別のお椀にはしを使って、一つずつ移してくだ
さい。」
 
「摘む」手作業の試験です。豆の他に、はしでスーパーボールや玩具のミニチ
ュアの果物、落花生、金平糖をつかむ問題が出ています。
 
豆を買ってきて、割りばしを使い、懸命に練習をする話を聞きますが、何かお
かしな気がします。これは、試験のために練習をして身につけるものでしょう
か。体や筋肉の運動的な発達に関わることですし、基本的な生活習慣の大切な
課題ですから、しつけと関係があります。一応の目安として、3歳ぐらいから
はしを使えるようになり、5歳頃には、巧みに使えるようになるといわれてい
ます。生活習慣とは、「誰の手も借りずに自力で生活していくために身につける
もの」であることを忘れては、受験準備どころではないのではと思います。
 
第14号で紹介しました、立教女学院小学校の説明会での話を思い出してくだ
さい。教頭先生は、こうおっしゃっていました。
 
「鉛筆の持ち方やはしの持ち方は、一度悪い癖がつくと直しにくいので、家
庭で正しい持ち方、使い方を身につけさせてほしい。あえてこの場で申し上げますが、
今年度もテストの中ではしを使う場面がございましたら、はしで物を運ぶ速さを競っ
ているのではなく、正しいはしの持ち方ができているかを見ていることをご理解いた
だきたい。テストの主旨はそこにあります。日本の文化でもあるはしの使い
方を、きちんと身につけてほしいと考えています」
 
幼稚園児が、ペーパーテストに強くても、正しくはしを持って、ご飯を食べら
れない方が、よほど恐い話です。「九九、八十一!」とそらんじている子が、お
母さんに靴をはくのを手伝ってもらっているようでは、やはり、おかしいです
ね。練習しなければ、うまくはけないのは当たり前です。それを手伝うのです
から、脳から司令は出ませんし、筋肉も反応しません。手をかけた分、脳も筋
肉も楽をしているのですから、不器用になるわけです。手を貸し過ぎているこ
とはありませんか。モンテッソーリの「敏感期」ではありませんが、幼児期に
は、これから使う筋肉を鍛えなければならない大切な時期があります。赤ちゃ
んは、なぜ、はいはいをするのか思い出してください。
 
ある私立の名門校では、鉛筆を削るのに「肥後守」(ひごのかみ)を使っている
話を聞きました。「肥後守」とは、刃を収めるさやに「肥後守」と銘のある折り
畳み式の小刀(こがたな)のことです。私たちの子どもの頃は、鉛筆削り器な
どありませんでしたから、小刀で鉛筆を削るのは、誰もが練習をし、身につけ
る、当たり前のことでした。しかし、全神経を手先に集中しなければ、けがを
しかねない大変な作業でした。危険を伴う作業は、大げさにいえば、幼いなり
に危機管理が必要であることを学習していたのではないかと思います。使い方
を誤れば凶器になることを教えずに、ただむやみに禁止するのは、教育的な配
慮に欠けますが、こういったことはお父さん方が使って見せることもいいので
はないでしょうか。
 
脱線しましたが、その他に、折り紙を折ったり、はさみで線や線と線の間を切
らせたり、ひもを結ばせたり、積み木をハンカチで包ませる問題もあります。
ひも結びやハンカチでものを包むのも苦手ですね、特に、男の子は。やったこ
とがないからできないのだと思います。普段、お母さん方も風呂敷で物を包む
ことなど、ほとんどないでしょう。お弁当をハンカチで包むようにすれば、解
決できます。第二の脳を活用すれば知力も向上しますから、一石二鳥にもなり
ます。
 
巧緻性の問題には、お子さんの生活環境までわかる要素も含まれています。乱
暴な線や心細い線を引くような場合、その原因は、日常生活の中で、いろいろ
な形でサインが出ていると思います。口うるさく注意する前に、どのようなサ
インが出ているかチェックしてみましょう。
   (次回は、「言語の問題」についてお話しましょう)

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