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めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[3] 話に関する問題(2) 

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第29号
  現年中児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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前回お知らせしました第36回東京私立小学校児童作品展「ほら、できたよ」、
千葉県私立小学校造形展ともに本年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のた
め中止となりました。各校の教育方針の一端を伺うこともできる作品展ですの
で、ぜひ参加してほしかったのですが、残念です。
また、日本女子大学附属豊明小学校の書き初め展示会、白百合学園小学校の展
覧会も一般公開は中止となりました。学校に入ることができる機会が今年も限
られそうです。学校のHPをこまめにチェックしましょう。
 
★★入試問題を分析する★★
 
[3] 話に関する問題(2)
 
話を聞き、設問に答える問題で、「話の記憶」といわれ、ほとんどの小学校で
出題されています。
 
 ◆「桃太郎」の話をテープで聞いたり、ビデオで見た後、
  ・おじいさんは、どこへ、何をしに行きましたか。正しい絵に〇をつけな
   さい。
  ・桃太郎の家来に□をつけなさい。
 
こういった設問があって、10秒から20秒の間に、絵の描かれている解答用
紙に、指示された○や□などをつけて答えます。狙いは、「話を聞く姿勢と理
解する力が身についているか」、このことです。これから始まる小学校での勉
強の基本であり、最も大切な学習態度です。いくら、九九を諳んじ、難しい漢
字の読み書きができても、人の話を聞けないようでは、あまり意味がありませ
ん。学校の勉強は、幼稚園の自由保育と違って一斉授業ですから、話を聞いて
いなければ、訳がわからないことになります。話を聞く姿勢を身につけるには、
話の読み聞かせや対話が、いかに大切であるかについて、すでに触れましたの
で、ご理解いただけ、実行されていると思いますが、少し、復習しておきまし
ょう。
 
「話の記憶の問題」は、単に記憶力を見ているのではないですから、問題集を
買い、それだけで訓練して鍛え、身につけるものではありません。それは本末
転倒な話です。話をキチンと聞く姿勢は、普段の会話や話の読み聞かせを通し
て培われるものです。一朝一夕に身につくものではなく、やはり毎日の積み重
ね、育児の結果として表れてきますから、どこの学校でも実施しているわけで
す。
 
しかし、本当に話の聞けない子がいます。その子の育てられている環境は、わ
がままな言動が許されている場合が多いものです。かわいい、かわいいで、子
どもを悪くしています。やはり、子どもの責任ではありませんね。 
 
話の記憶の問題には、長編と短編があります。
といっても、400字詰め1枚程度から3枚ほどの長さですが、皆さんはどち
らが難しいと思いますか。短い方が記憶しやすいと思われるのではないでしょ
うか。やってみるとわかりますが、長編は物語風になっているので、案外、想
像力が働き、イメージ化しやすいようです。短編は、あっという間に終わって
しまい、想像力が働かない場合があります。あらかじめ短編であるとわかって
いれば、それなりに対処できますが、聞いてみなければわからないだけに、難
しいですね。
 
そして、やっかいなのは文字を使えませんから、文章を読み直すことも、答え
の絵に、○や△、□といった記号の指示をする設問も、聞き直すこともできま
せん。ですから、聞き逃すと答えようがないということです。さらに、クレヨ
ンで指定された色で記号をかくこともあります。子どもたちは、よくぞパニッ
クにならないものだと、褒めてあげたくなりますね。「長文読解だな!」など
と簡単に済ませるほど、やさしい問題ではありません。 
 
普段から、お子さんとの対話を大切にし、お子さんの話に耳を傾けましょう。
対話の反対は沈黙と思いがちですが、立教小学校の元校長であった田中司先生
は、「命令と要求」とおっしゃっていました。「命令と要求」が多くなれば、
対話など成り立ちませんね。非常に的を射た指摘だと思います。
 
そして、お父さん、お母さん、お子さんに読書をしている姿を見せてください。
これが何よりの手本になるからです。さらに、お子さんがいるときに、ワイド
ショーなどを見るのはやめましょう。お断りしておきますが、すべてのワイド
ショーが駄目だといっているわけではありません。お子さんと一緒のときに見
なくていいものはやめてほしいと言いたいだけです。どなたがおっしゃったの
か定かではありませんが、「テレビを見る時間と教養は反比例する」そうです。
内容にもよりますが。
 
また、お子さんが読書に集中しているときは、「お使いに行きますよ!」など
と、中断することは避けてあげましょう。夢中になって取り組んでいるときこ
そ、素晴らしい学習時間になっているからです。あらかじめ伝えておく、やさ
しいお母さんになってほしいですね。
 
寝る前に本を読んであげる、これも大切です。毎日続けることで、間違いなく
言語能力を育むことができるからです。平成26年6月に横浜雙葉小学校は説
明会を再開しましたが、挨拶に立たれたシスター田中順子学園長は、「添い寝
をしながら本を読んであげることが少なくなっているのではないでしょうか」
と懸念されていました。DVDなど素晴らしい作品もありますが、幼児期には
お父さん、お母さんの生の声が、何と言っても大切なのです。
 
会話を弾ませ、話を読んであげることから「話を聞く姿勢」は身につきます。
小学校の入学試験は、文字を使用しないだけに、話を聞く姿勢が身についてい
なければどうにもなりません。
 
最後に、「話の記憶」が苦手なお子さんへ、こういったことをやってみましょう。
 
Q「『浦島太郎』の話を知っていますか。では、先生がいくつか尋ねますから
  教えてくださいね。
  浦島太郎は、子どもたちがいじめていた動物を助けてあげました。何を助
  けたのですか」
A「亀さんです」
Q「そうですね。そのお礼にどこへ連れて行ってもらいましたか」
A「竜宮城です」
Q「そこにいたお姫さまの名前は何といいましたか」
A 「乙姫さまです」
Q「鯛やひらめもいて楽しく過ごしました。そして、帰ることになりお土産を
  もらいました。何をもらったのですか」
A「玉手箱です」
Q「そのとき、浦島太郎と乙姫さまは、何か約束をしましたね」
A「開けてはいけないと約束しました」
Q「そうですね。また、亀さんに送られて家に帰りましたが、両親はいました
  か」
A「いいえ、いませんでした」
Q「近所の人々やお友だちはいましたか」
A「誰も知っている人はいませんでした」
Q「知っている人は誰もいない。浦島太郎は、どんな気持ちになったでしょう
  か」
A「寂しくなりました」
Q「そう、寂しくなったんだね。では、ここからが問題です。では、なぜ、浦
  島太郎は、約束を破って玉手箱を開けたのでしょうか。あなたは、どう考
  えますか」
 
いろいろな答えが出てきますが、自分の考えを言えたことを褒め、評価はしま
せん。
たとえば、「何が入っているか知りたかったから開けました」と子どもが言えば、
それを認めてあげ、「そうじゃないでしょう。寂しくなったからでしょう」な
どと大人の考え方を押し付けないことです。「寂しい経験」をしなければ、こ
の言葉は出てきません。
 
この方式に子どもが興味を持ち始めると、次も次もと求めてくるようになりま
す。「Q&A」を勉強ではなく、ゲーム感覚で楽しめるので、子どもたちは興
味を持ち、確実に力をつけることができます。
質問を作らなければならない大人は大変ですが、楽しい思い出になります。受
験準備は楽しくやりたいものです。
 
入試によく出題されていることもありますが、お薦めは日本の昔話です。
 
以前にも紹介しましたが、「桃太郎」「かちかち山」「さるかに合戦」「舌切
りすずめ」「花咲じじい」は、日本の五大昔話ですが、皆さんは粗筋を言える
でしょうか。
 
ところで、鬼退治の主人公は、なぜ、栗太郎や柿太郎ではなく桃太郎なのでし
ょうか。また、家来は、「犬猿の仲」といわれる犬と猿がいるのは、なぜでし
ょうか。
 
命名の由来は、桃は木偏に兆と書き、桃には未来を予知し、魔を防ぐという信
仰があったためで、栗太郎や柿太郎ではだめなのです。
陰陽五行説では、鬼は丑寅の方向、鬼門に棲み、その反対側、裏鬼門に配置さ
れているのが申酉戌と考えられ、そこから知恵のある猿、勇気のある雉、仁、
思いやりのある犬の家来が生まれ、「犬猿の仲」を取り持っているのが間にい
る雉で、けんか騒ぎにならず収まっているのだそうです。聖徳太子の「和をも
って貴しとなす」の考えが、こんなところにもありました。
 
面白いことに福澤諭吉は、家訓「ひゞのをしへ」の中で、「鬼の宝物を取ると
は、けしからん!」と非難しています。(ウィキぺディアより)
 
(次回は、「数量に関する問題(1)」についてお話しましょう)

 


さわやかお受験のススメ<保護者編>第3章(2)何といってもお正月ですね  睦月

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2022さわやかお受験のススメ<保護者編>
       ~紀元じぃの子育て春秋~
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
          -第11号-
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今年で36回を迎えるはずの東京私立小学校児童作品展「ほら、できたよ」、
千葉県私立小学校造形展ともに本年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のた
め中止となりました。各校の教育方針の一端を伺うこともできる作品展ですの
で、ぜひ参加してほしかったのですが、残念です。
 
第3章(2)何といってもお正月ですね  睦月
◇お節料理◇
お雑煮を食べながらいただくのがお節料理です。木製できれいな絵や模様で飾
られ、二重から五重に積み重ね最上段にふたのある重箱にいろいろな料理を詰
めます。お節料理は、元旦の朝に神さまと一緒にお祝いをして、家族が健康で
良いことがたくさんあるように、お祈りをするための食事ですから、縁起もの
しか選ばれません。
 
「三つ肴」または「祝い肴」といって、この三種でお節料理を代表するものが
ある。三は完全を意味し、全体を一つにまとめる働きをしている。三つ肴とは、
関東では黒豆、数の子、五万米(ごまめ)をいい、関西では、黒豆、数の子、敲
き牛蒡(たたきごぼう)をいう。
(年中行事を『科学』する 永田 久 著 日本経済社 刊 P9)
 
黒は魔除けの色といわれ悪魔が嫌う色、豆は「まめに生きる」、真面目に健康
に生きる願いが、数の子は、鰊(にしん)の卵巣で、数万の卵があることから
「数多い子」、子孫繁栄の意味で、縁起がよいといわれ、「春告魚」とも書き
「春よ早く来い!」と願い、ごまめは「五万米」とも書くことで豊作を、牛蒡
(ごぼう)は、お米がたくさん取れた時に飛んでくるといわれる黒い瑞鳥を表
したものです。
 
他にも、きんとんは「金団」と書いて「金の塊」のこと、だて巻の「伊達」は
「粋で美しいさま」、かまぼこの赤は黒と同様に「魔よけ」、白は「清浄」を
表し、八つ頭は「人の頭に立つ人になってほしいことを願っている」といった
ように、お節料理は縁起を担いだ食べ物からできています。
 
正式なお節料理は、四段重ねです。上から一の重、二の重といい、一の重には
三つの肴、黒豆、数の子、ごまめ、二の重は「口取り」といい金団、ゆず玉、
だて巻などオードブルが、三の重は海老や鮑、鯛などの「海の幸」を、四の重
は「与の重」といい、八つ頭、はす、くわい、里芋などの「山の幸」を入れ、
詰める品数は奇数がよいとされ、ここまでこだわります。
 
お節料理は、三が日の間、お母さん方から料理する手間を開放してあげる配慮
があったと聞きましたが、その通りではなかったでしょうか。
 
 
 
◇屠 蘇◇
 
読み方からしてやっかいですが、「とそ」といって、山椒、肉桂(にっけい)、
桔梗(ききょう)、ぼうふうなどの薬草を、砕いて調合した屠蘇散をひたした
味醂のことで、正月のセレモニーの主役です。これを杯に注いで「おめでとう
ございます」と言って、新年の朝祝いが始まります。
 
現代は年末年始に旅行に行くご家庭も多いので、このセレモニーをされている
ご家庭でどれくらいでしょうか。
 
さて、話を戻しましょう。
この屠蘇ですが、不老長寿の効き目があると言われ、正月の祝い酒でした。山
椒はうなぎを食べるときに使うものですし、肉桂はにっきのことで刺激が強く、
桔梗は根を干したものはせき止めの薬で、ぼうふうはセリの仲間です。聞いた
だけで飲むのを遠慮したくなりそうです。
 
しかし、何事も訳ありです。
屠蘇は、「鬼気を屠絶し、人魂を蘇生させる」という意味があり、「その年の
邪気を払い、寿命をのばす働きがある」と信じられ、正月には欠かせない祝い
酒でもあったのです。
 
 
 
★★初詣★★
 
今年は新型コロナウイルス感染症のため、今までとは違うスタイルで初詣をさ
れた方も多いのではないでしょうか。
 
本来は、朝祝いが済むと、近所の氏神さまへお参りをします。全国的に有名な
神社、仏閣に参拝しているようですが、生まれた土地の神さま、産土(うぶす
な)神社へ、神さまに失礼にならない服装に着替え、出かけてみましょう。
 
そして、お子さんにも神前で、静かに頭を下げ、新年の希望や誓いなどをさせ
ましょう。目に見えない大いなる存在に畏怖を抱くのは、決して悪いことでは
ありません。親が、きちんと礼拝をする姿を見せれば、それで十分なのです。
 
我々日本人は畏怖することを忘れ、目に見えないものを敬うことを忘れ始めた
ような気がしてなりません。
(「平成お徒歩日記」 宮部 みゆき 著 新潮社刊 P193)
 
帰りには、不幸をもたらす悪魔を払う「破魔矢」や、七転び八起きを願う「だ
るま」などの縁起物を買い、そのいわれを話してあげ部屋に飾っておきましょ
う。
 
 
 
★★正月の遊び★★
 
かつては、たこ上げ、羽根つき、カルタにすご六、福笑いが、正月の遊びの定
番でした。
今の子どもは、友だちと遊ぶにも、テレビゲームやタブレットなど、画面を通
して遊ぶことが多くなっています。
画面を介してではなく、直接触れ合って遊ぶことで社会性が育ちます。社会性
が育たないと、共に生きる共生の心も育まれません。人は一人では生きられな
いことを、もっと教える必要があるのではないでしょうか。
 
ところで、昔の遊びの中にもいいものもあります。例えば、すご六です。サイ
コロを振り、出た目だけ動かなければなりません。しかも前後左右に進んだり
戻ったりしますから、混乱しがちです。5、6歳の子にとって、出た数だけ上
下、左右に移動するのは難しいものです。いわゆる「位置の確認」で、こうい
う遊びで覚えるのが効果的なのですが……。
 
このサイコロですが、2つ使うと最高12までの足し算ができます。二人で1
個ずつ振り、数の大きさで勝ち負けを競えば、引き算になります。数字を使い
ませんが、出た目を数えるだけで、簡単に答えが出ます。その上をいく優れ物
が、トランプです。ゲームは勝敗が伴いますから、真剣に遊びます。カードに
はマークと数字がありますから、算数の学習、数感の学習になっています。
 
トランプの4つのマークですが、ハートは僧侶、スペードは軍人、ダイヤは商
人、クラブは農民と身分階級を表しています。何事も訳ありなのですね。
 
 
 
★★春の七草★★
 
言葉だけが、一人歩きしているようです。
七草は、せり、なずな、御形(ごぎょう 母子草)、はこべら(はこべ)、仏
の座(たびら子の別称)、すずな(かぶ あおな)、すずしろ(大根 鏡草)
のことです。昔は、春を告げる七草を親子で摘み、お節料理やお餅を食べすぎ
て、お腹の調子が少し悪くなった時に、消化のよいお粥に七草を入れて食べ、
春を実感していたのでしょう。
 
ちなみに、セリは解毒・食欲増進・神経痛・リュウマチに、なずなは高血圧・
貧血・食欲増進に、御形は咳止め・痰切り・利尿作用に、はこべらは歯槽膿漏
・催乳・健胃整腸に、仏の座は体質改善に、すずな、すずしろは骨粗鬆症・腸
内環境改善に良いという説があるそうです。(三島函南農業協同組合「七草が
ゆセット」のしおり より)
 
この七草に関して、覚えやすい歌があります。
  せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、
  すずな、すずしろ、これぞ七草
      左大臣 四辻 善成(平安時代)
 
最後に、おもしろい話を紹介しましょう。
 
大根は、野菜の王様で消化によく、食あたりしない。大根役者とは、当たらな
い役者のことである。「千六本」というのは、大根を細長く刻んだものである
が、大根を中国では「繊蘿蔔」といい、これを唐宋音でローポと発音した。細
長く刻んだ大根=繊蘿蔔(センローポ)が日本でセンロッポンと訛って千六本
と書いた。千という字によって「たくさんの」という意味を感じて細かく切り刻
んでしまう人もいれば、「人参を千六本に切って」などと料理教室で教える先
生もいる。六本というのをどう解釈しているのかと考えると、ふきだしたくな
る。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P33)
 
最近はニンジンを切る時にも使われているようですが、語源を知っていると永
田先生でなくても笑えますね。
 
 (次回は、「1月に読んであげたい本」についてお話しましょう)
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話 
情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本 紀元 著」をもとに編集、
制作したものです】

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[2] 言語に関する問題 (1)  

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第28号
  現年中児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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毎年、松屋銀座で開催されている「東京私立小学校児童作品展“ほら、できた
よ”」ですが、36回の今回は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中
止となりました。
同様に千葉県私立小学校造形展も中止となりました。
どちらも意欲的な作品が多く展示され、各校の教育方針の一端を伺うこともで
きる作品展ですので、ぜひ参加してほしかったのですが、残念です。
 
 
★★入試問題を分析する★★
[2] 言語に関する問題 (1)  
 
言語に関する問題は、面接、お話作り、類似差異、しりとり、同頭語や同尾語、
反対語、復唱、逆唱、同音異義語、拗音、促音、長音など発音の問題と、言葉
に関するだけに、広範囲にわたっています。
 
 
[面 接]
 
親も参加する面接ではなく、制作や絵を描いているテストの中で、
「お名前を教えてください」
「住んでいるところと、電話番号を教えてください」
といった質問があります。
 
面白い話を聞きました。
名前を聞かれた子が、
「私の名前は、○○イチロウと申します」
普段、子どもがこのように言うわけはありませんから、先生は、びっくりした
そうです。
教え込むと、こういった不自然な言葉遣いになりがちですね。
 
しかし、本当に話せない子どもたちがいます。
親子の会話が、弾んでいないのでしょうね。言葉は使わなくては、肝心なとき
に役に立ちません。お母さんが一方的に話さずに聞き手に回りましょう。お子
さんに話をさせることです。
「うちの子は、口が重いのですよ」とおっしゃるお母さん方は、「こうなんで
しょう」「ああいうことなのね」と、お子さんが口を開く前に先回りをして、
話をしきっている場合が多いのではないでしょうか。
聞くことの上手なお母さんは、話上手な子を育てます。
 
緊張して話せない場合は、先生方も無理に話しかけません。雰囲気になれるま
で待ってくれるようですが、限度がありますから、尋ねられた場合は、自分の
思っていることを恥ずかしがらずに話すことを教えてください。
「こんなことを言うと笑われるかな」と思っている子ども達が、案外、多いも
のです。
「そんなことはありませんよ」と自信を持たせることです。
 
 
 
[お話作り] 
 
★この絵を見て、どんなことを考えますか。お話してください。
★この3枚の絵を順番に並べて、お話を作り、先生に話してください。
★「電車」「お父さん」「新聞」の三つの言葉を使って、お話を作っ
てください。
 
これも難しいですね、絵を見て話を作るからです。
話の内容から、お子さんの情緒の発達状況もわかります。
以前にもお話しましたが、未分化であった「喜び」「愛情」「恐れ」「心配」
「怒り」といった情緒が分化する時期だからです。
ダンボールに入れて捨てられている子猫の絵を見て、子どもはどう思うでしょ
うか。
これは情緒の分野ですから、大人の思惑を押し付けずに、子どもの感性に心を
傾けることが大切です。
 
月齢の差が激しく出る時期でもありますから、子ども自身の発想を引き出すの
は、本当に難しいですね。
ある国立大学附属小学校で作文の時間に、「『お母さん、あのね!』と、お母
さんに話しかけるように書きましょう」と指導している話を聞き、早速、取り
入れると、これは効果がありました。
お母さんに話しかける気持ちで作ると、話を聞いてくれる対象が決まりますか
らリラックスでき、何を伝えたいかを考え、発想も豊かになるようです。
もちろん、「お父さん、あのね!」でも、同じ効果を発揮します。
 
大人もそうですが、経験していないことはわかりません。それでも大人は、今
まで積んできたよく似たような経験や、本などで読んだことなどから想像して、
何とか答えられます。
しかし、子どもは、まだ経験の範囲も狭く、読書量も少ないですから、おかし
な話になりがちです。そこでお母さんが教え込むと、大人の考えが顔を出して
いる話になりがちです。
「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのようにと、筋道立てて作らなけ
ればいけないのでしょうか」などとおっしゃるお母さん方がいますが、まだ、
幼児には無理な注文です。小学校でも、高学年にならないとできませんし、そ
んなことを強制していると、国語の嫌いな子になります。
国語は、すべての勉強の基礎ですから、大変なことになりかねません。
こういった鋳型にはめ込むようなことを無理強いしても、子どもらしい発想は、
湧き上がってきません。お子さんの感性を大切にしてあげましょう。
しかし、どう考えても妥当でないと思える場合は、全部、否定するのではなく、
お子さんの話をよく考えてあげ、修正することが大切です。
認めてあげることでやる気を起こさせ、そこから子どもの力は伸びていくから
です。
 
問題集を買って、「話づくりのテクニック」なるものを教え込む前に、やるべ
きことがあります。 
本をたくさん読んであげ、子どもの話に耳を傾けることです。
そして、身の周りのことに、こだわりましょう。
花瓶にいけてある季節折々の花、道端に咲くたんぽぽの花、投げ捨てられた空
き缶1個からでも、話を作るきっかけになります。
「これ、どう思う?」
一緒に考えて、思ったこと、感じたことを話し合うことも大切です。
とにかく、言葉は使わなければどうにもなりません。
しかし、遊びの感覚で取り組まなくては、子どもは嫌がります。
お母さんの顔をチラッチラッと見ながら話すようでは、やめましょう。
お母さんの期待する話に展開しないため、不満気な顔になっているはずだから
です。
 
最近は、「話を聞き、どう感じたか」、「その後の展開はどうなるか」といっ
たことを話したり、絵で表現し、描いた絵について質問をされたり、みんなの
前で発表するなどの試験も行われています。
ある年の慶應義塾幼稚舎で、ドラえもんの縫いぐるみを着た先生が、水色のド
アの前に来て、ドアを開け、「行きたいところの絵を描きなさい!」といった
試験がありました。「どこでもドア」ですが、学校側は、何を評価したかった
のでしょうか。
 
絵は、心で感じたことを表したものですから、言葉で表現できるはずです。一
枚の絵から、どんな世界が表現されてくるか、耳を傾けましょう。また、絵を
描かせるのは、絵の巧拙だけを見ているのではありません。どう感じたか、感
性の世界です。感性は、体験を積み重ねて育まれたものであることを忘れては
ならないでしょう。
オーバーかもしれませんが、特定のテーマに関し肯定側と否定側に分かれ行う
議論、ディベートの苦手な私たち日本人は、小さい頃から、こういった経験が
少ないことにも原因があるのではないでしょうか。
 
 
 
[類似差異の問題]
 
★「チューリップと桜を比べて、似ているところと違うところを先生に教えて
 ください」
 
何回もお話しましたが、幼児の頭の働きは、ものを見て、比べ、同じところ、
違うところを見つけることから始まります。
大人の観察力と違っているところがあります。チューリップと桜では、大人は
木に咲く花、球根から育つ、花の大きさなど目で見えるものなど、理科の領域
内で考えます。
 
こういう子がいました。
「チューリップは、『親指姫』のお話に出てきて、桜は、『花さかじいさん』
に出てくるから、話に出てくるところが同じです」
童話の世界です、いいではありませんか。
 
「チューリップは食べられませんが、桜は食べられます」
桜餅のことで、食文化の世界です。食べたときの食感が残っていたのでしょう。
桜の葉は、何ともいえない香りが、ほのかにします。
また、落ち葉にも、同じような香りが残っていますが、この子は、それを知っ
ていたのでしょう。おそらく、落葉の頃に、公園で拾った桜の葉の匂いをかい
だのかも知れません。
好奇心と観察力をほめてあげるべきです。こういう発想は、頭が堅くなった大
人には無理でしょう。これで、いいわけです。
「子どもが考えて、自分の言葉で発表できる」、これは素晴らしいことです。
そして話を聞き、なるほどとうなずける内容であれば、正解と認めてあげまし
ょう。
しかし、塩化ビニールの葉っぱでくるまれた桜餅では、こういった発想は生ま
れませんね。
また、落ち込みそうです。
 
この問題は、自分の考えを言葉で表現しますから、やるべきです。お母さんと
二人でできます。ただし、教え込まないことです。子どもの発想を無視せずに、
きちんと聞いてあげることです。そして、子どもの考え方に妥当性があれば、
それで正解です。しかし、「これはおかしい」と思う場合は、やさしく訂正し
てあげましょう。
 
かつて、アメリカでベストセラーになった「人生で必要な知恵はすべて幼稚園
の砂場で学んだ」(河出書房新社 刊)の第1章 私の生活信条(19ページ)
に、こう書いてあります。
 
「『不思議だな』と思う気持ちを大切にすること。(中略)デイックとジェ
ーンを主人公にした子供の本で最初に覚えた言葉を思い出そう。何よりも大切
な意味を持つ言葉。“見てごらん”」(“  ”は引用者)
 
「見て(自然に目に入るseeではなく意識して見るwatch)、考え、そして類似
と差異に気づくこと」、こういった感性を大切に育んであげたいものです。
 
 
 (次回は、「言語に関する問題(2)」についてお話ししましょう)
 

 


さわやかお受験のススメ<保護者編>第3章(1)何といっても正月ですね 睦月

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2022さわやかお受験のススメ<保護者編>
       ~紀元じぃの子育て春秋~
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
          -第10号-
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第3章(1)何といっても正月ですね 睦月
 
物の本によれば、睦月(むつき)のいわれには、正月は身分の上下、老若男女、
分け隔てなく行き来し、親族一同、仲よく「睦み合う」という説が有力だそう
で、その他にも「元つ月」、草木が萌えいずる「萌(もゆ)月」、春陽が発生
する「生む月」、稲の実を初めて水に浸す「実(み)月」なのだとする説もあ
るようです。
 
   お正月の歌
     ♪もういくつ寝るとお正月   お正月には凧あげて
      こまを回して遊びましょう  早く来い来いお正月♪
 
正月になるとこの歌ですね。子どもは正月が楽しみにしていますね。お餅を
食べられるのとお年玉を貰えるますから。
 
ところで、この歌の作曲者はどなただと思いますか。瀧廉太郎です。童謡や
唱歌には素晴らしいものがたくさんあります。お子さんと一緒に歌うべきだ
と思いますね。幼児期の思い出は、こういった歌からも残っていくものでは
ないでしょうか。
 
さて、元日の朝ですが、いつもの朝と違い「特別な朝」という感じがしたも
のです。元日は、その年の神さま、年神さまがやってきて、前の年の神さま
と交代する日でした。ですから、神さまを中心に生活が営まれていた時代に
は、「おめでとうございます」といっていたのは、人と人が挨拶をするので
はなく、新しい神さまを迎える言葉として使っていたそうです。ですから、
「あけおめ」などという言葉を聞くと「何と不謹慎なことよ!」と神さまに
叱られそうですね(笑)。門松、しめ飾り、鏡餅、そしておせち料理も、み
んな神さまをお迎えするセレモニーに必要なものだったのです。中には語呂
合わせのようなものもありますが、「これはすごい!」と思わず膝を叩きた
くなるのもあります。
 
 
 
★★正月の三点セット★★
 
◇しめ飾り◇
本来、しめ縄は、神前など神聖なものと不浄なものとの境界線を示すために張
る縄のことで、わらを左捻(よ)りにして、三筋、五筋、七筋と順々にひねり
垂らし、その間に四手を下げたものです。四手とは、紙(昔は木綿)を細長く
切ってさげたものです。   
稲や麦の茎を干したわらで作ったしめ飾りで神さまを迎えるのも、農耕民族の
生活の基盤は米ですから、わかるような気がしませんか。
 
地方によっては、えびや橙(だいだい)を一緒に飾った豪華版もあります。え
びは「海老」とも書きますが、文字、そのものが「海のご隠居さん」で、体が
曲がっている姿からお年寄りにたとえ、長寿を祈願したものです。これが漢字
の楽しいところで、何となくイメージが浮かんできます。“LOBSTER”
と書かれていても、何のイメージもわきませんが、字の並びに何か意味がある
のでしょうか。橙は、一家の幸せが、「代々」続いて欲しいという語呂合わせ
です。神さまを迎えるしめ縄に、いろいろとお願いするのですから、頼まれる
神さまも大変です。
 
 
◇門 松◇
門松の方が、まだ受け継がれているかもしれません。しかし、庶民派の門松は
松だけです。銀行やデパート、大きな会社の入り口には、立派な門松が飾られ
ています。松竹梅、鰻重が頭に浮かびますが、これも当然、意味ありでした。
 
松は常緑樹ですから、葉は一年中、緑色で冬の寒さをものともしません。
竹は真っすぐ伸びていきますから、横道にそれない芯の強さがあり、雪の日な
ど他の木は雪の重みで折れがちですが、竹はしなって頑張り、雪の方が我慢で
きずに滑り落ちます。
かぐや姫の生れ故郷は竹の中、空っぽで「腹に一物もなく」、唐竹を割ると一
直線に割れることから曲がったことが嫌いということを表していますね。
梅は北風が吹き荒れ、他の木々は葉を落とし寒そうですが、梅は頑張って小さ
な花をリンと咲かせ、「春近し」を告げています。
 
松竹梅、語呂もいいですね。この縁起物の三つを玄関に飾り、年神さまが、確
実に我が家に来ていただくための道標、表札の役をしていたのではないでしょ
うか。昔は盆にはきゅうりの馬となすで作った牛を飾りましたが、正月は神さ
まを、盆には仏さまを迎えるための飾り物で、季節折々の花や農作物を供える
ところからも、農耕民族であることがわかります。
 
何かにつけて、事の起こりは中国ではと考えますが、松竹梅も、厳しい冬を堪
えて生きるみやびやかな木、「厳冬の三友」といわれ、それが日本に伝わり、
「長寿・節操・清廉」などの解釈を加え、めでたいもののシンボルとなったの
です。いや、それだけではありません。後程、紹介しますが、あっと驚く秘密
が隠されているではありませんか。
 
 
◇鏡 餅◇
鏡餅は、年神さまから頂いた新しい魂を表したものです。丸い形は、角を立て
ないように、みんなで仲良く暮らそうという意味が込められています。お飾り
は、地方によって勝栗、干柿、扇など多種多彩ですが、橙、ゆずり葉、昆布、
裏白などが一般的でしょう。橙は長寿、ゆずり葉は新しい葉が出てから古い葉
が落ちることから「譲り葉」、家督を子孫に譲ること、昆布は「喜ぶ」の語呂
合わせと子生(こぶ)、子どもが生まれることを願い、裏白は葉の裏側が白い
しだ類(わらび、ぜんまいの仲間)で、うしろ暗いところがなく、清らかで汚
れのない心を表しています。
 
 
 
★★松竹梅に隠された秘密★★
 
何やら週刊誌の見出し風ですが、文句なしにすごい秘密が隠されているのです。
初めて読んだときの驚きといったらありませんでした。少し長くなりますが、
紹介しましょう。
 
陰陽の立場から松竹梅をみると、松は陽、竹も陽、そして梅は陰である。
松竹梅は陰と陽が相まって完全な世界を構成するという哲理にもかなっている
わけである。さらに、植物学の上から考えると、松竹梅が植物界を代表してい
ることが知られている。植物を分類すると、顕花植物と隠花植物に分けられ、
顕花植物は裸子植物と被子植物から成り立っている。さらに被子植物は、単子
葉類と双子葉類に分類される。ところで、松は種子を裸にしているので裸子植
物であり、竹は種子が実の中にあって、しかも子葉が一枚しかないので、被子
植物の単子葉類、梅も被子植物であるが子葉を二枚持っているので双子葉類と
いうわけで、松竹梅が顕花植物の典型的な代表例となっている。このすばらし
い事実を古代人が知っていたのであろうか。松竹梅の意義の深さに、めでたい
ということよりも、頭の下がる思いがする。
ついでに隠花植物について述べると、正月飾りとしてすでに述べた裏白をその
代表にあげることができる。こうして松竹梅と裏白とで植物界をおおうことに
よって、正月をより意義のあるものにすることができるというわけである。
  
■植 物 界■
 ◆花が咲き実を結び種を作る(顕花植物)
  種が裸のもの  (裸子植物)………………………………… 松 
  種が実の中のもの(被子植物) 葉が一枚(単子葉類)…… 竹 
  葉が二枚(双子葉類)…… 梅   
 ◆花は咲かせず胞子で増える(隠花植物)…………………… 裏白 
 
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P28-29)
 
 
いかがでしょうか。先生の書かれた図を参考に、わたし流に書き加えると以下
のようになります。植物には、梅、桜のように種を作るものと、コケやシダの
ように花を咲かせないで胞子でふえるものがあります。種には、竹や梅のよう
に種が実の中に包まれているものと、松、銀杏(いちょう)、蘇鉄(そてつ)のよ
うに種が裸のままのものがあります。種が実の中にあるものをまくと、芽を出
した時に最初に出る葉が、一枚のものと二枚のものとあります。
松竹梅というと、寿司屋などでは、上中並と同じように値段を表すのに使って
いますが、実は、こういう素晴らしい意味があるのです。本当に不思議ですね。
「なるほど!」と納得するばかりではなく、感動しませんか。昔から受け継が
れているものには、それなりの意味があるわけです。また、こういったことを
科学的に実証する先生がいらっしゃったのも、頼もしい限りではありませんか。
 
 
 
★★正月の食べ物★★
 
正月の食べ物といえば、雑煮とお節料理ですが、皆さんは食べましたか。
 
◇雑 煮◇
雑煮は、大晦日の夜に、神さまをお迎えするためにお供えをした食べ物を、神
さまと一緒に食べ、神さまの力を授かる食べ物です。雑煮は、必ず、青い葉っ
ぱを入れるのが決まりで、「葉っぱを入れる」「菜を入れる」から「名をあげ
る」「成功して名前が知られるようになる」に通じるので、青い葉っぱを入れ
るのだそうです。
 
餅は本来、丸いものですが、東日本では四角に切った切り餅を、関西では丸い
餅を使っています。雑煮の作り方ですが、東京では、餅を焼いてから椀に入れ、
具や汁を入れますが、大阪では、ゆでてから椀に入れます。
 
味付けも、すまし・醤油ベースや白味噌ベースなど、地域によって様々です。
 
織田信長に面白い逸話が残されています。ある年の元日の朝、信長の雑煮の膳
に、箸が片方しか添えられていなかったのです。あの短気な信長のことですか
ら、平穏に収まるわけがありません。しかし、怒り心頭に発した信長を、木下
藤吉郎(後の太閤秀吉)が、「今年から諸国をかたはし取りにされる吉兆でご
ざいます」と言い換え、ご機嫌が直ったそうです。
また、「曽呂利新左衛門のとんち話」の中に、病気見舞いに送られてきた松竹
梅の盆栽が枯れたのを見て落胆した秀吉を、新左衛門の機知で吉報に変えてし
まう話があります。
 
とんち話には傑作な話がたくさんありますが、おすすめは、寺村輝夫のとんち
話シリーズ「一休さん」・「吉四六(きっちょうむ)さん」・「彦一さん」
(あかね書房 刊)で、大人でもしっかりと笑えますので、ご一読を。
 
 
(次回は、「正月の食べ物」他についてお話しましょう)
 
 
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話 
情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本 紀元 著」をもとに編集、
制作したものです】

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★(1)巧緻性に関する問題

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第27号
  現年中児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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あけましておめでとうございます。
今年もご愛読のほどよろしくお願い致します。
志望校から招待状が頂けるよう、頑張りましょう。応援します。
 
さて、お正月には門松と鏡餅を飾りますが、その門松と鏡餅には、文句なしに、
すごい秘密が隠されているのです。植物界は、顕花植物と隠花植物から成り立
っていますが、その代表が勢揃いして、正月を迎えているのです。門松は、花
を咲かせ種を作る顕花植物から松、竹、梅が、鏡餅の下には、花を咲かせず胞
子で増える顕花植物から裏白が選ばれています。
昔から受け継がれているものには、やはり意味ありでした。
(メールマガジン「さわやかお受験のススメ 保護者編」より要約)
 
 
★★入試問題を分析する★★
 
(1)巧緻性に関する問題
 
聞き慣れない言葉です。
「きめこまかく上手にできていること」という意味ですが、11月に詳しくお
話しました「手は第二の脳」(11号から14号)を思い出してください。重複
するところもありますが、大切な問題ですから繰り返します。巧緻性に関して
は、「塗る・折る・切る・貼る・結ぶ・摘む・包む」といった手作業、何かを
作ったり、絵を描いたり、手本と同じものを描いたりする問題があります。な
ぜ、出題されるのでしょうか。手作業は、誰の手も借りずに、指示されたこと
ができるかどうかで、自立の状態がわかるからです。
 
 
[制 作]
 
課題制作と自由制作があります。
 
◆課題制作
★「今から、動物の起き上がりこぼしを作ります。
 このように、画用紙を半分に折り、折り目のところが背中になるように動
 物を描きます。描けたら動物を、このように切り抜きます。そして、別の
 紙を筒のようにまるめ、それに動物をホチキスで止めます。最後に、セロ
 テープで粘土を筒の中に貼り、出来上がりです。」
 
先生が、やっているのを見てから制作に取り組みます。
 
◆自由制作
★(空き箱、画用紙、色紙、折り紙、セロハン、リボン、ひも、モール、輪
 ゴムなどの材料や、はさみ、のり、ホチキス、クレヨンなどが置かれてい
 ます。)
 「ここにあるものを自由に使って、自分の好きなものを作りなさい。」
 
まず、注意しておきましょう。
子どもたちの大好きな制作ですから張り切りますが、先生の説明中に手を出す
子がいます。待てないのです。きちんと聞いておかなければ、手順がわかりま
せんから、途中でギブアップすることになりかねません。
普段の生活態度が、そのまま正直に出がちです。お子さんに何かを頼んだとき
など、最後まできちんと聞いているでしょうか。聞いていれば心配ありません
が、何といっても「話を聞き、指示どおりに行動できるか」がポイントだから
です。
幼稚園は自由保育ですが、小学校は一斉授業ですから自分勝手にやるわけには
いきません。
しかも試験ですから、規則違反にチェックが入ります。
 
なお、制作を苦手とするお子さんの場合は、もう一度、「鍛えてほしい第二の
脳」をお読みになり、早いうちに対処しておきましょう。基本作業は、幼児教
室の先生にお任せではなく、家庭できちんと身につけるものです。これをおざ
なりにしていると、制作に興味をもてなくなりがちで、行動観察型のテストが
苦手になることを、しっかりと胸に刻んでおきましょう。
 
 
 
[模 写]
 
★お手本と同じように描きましょう。
 
模写は、文字通り、お手本と同じものをまねて写すことです。
点図形と線や図形の模写があります。点図形は、対称図形が多く、見た目もき
れいですから面白そうですね。簡単なものも手抜きをせず、きちんと線を引く
ことが大切です。
しかも、大人が考えるより難しい作業です。どこから始めたらよいのか迷って
しまうものや、必ずしも点と点を結ぶとは限らず、点と点の間を抜けていくの
もあります。これは、納得するのに時間がかかります。
「点と点を結ぶのに、何で抜かすのですか? そんなのずるいですよ!」
と不満に思っている子がいますが、こだわるから仕掛けに気づいて間違わない
わけです。
そして、この問題も根気がいります。どこがどうなっているのか、試行錯誤を
積み重ねた方が、後で効果が表れます。観察力と集中力、そして持久力や忍耐
力も身につきます。さらに、全体のバランス感覚を養うのにも役立ちます。な
ぜなら、隅から隅まで、全体をきちんと見なければならないからです。それが
絵を描くときにも生きてきます。
 
模写の問題で見逃せないのは、性格まで姿を表すことでしょう。
点と点をつなぐ直線がよじれたり、脱線をしたり、通過すべき点を無視する子
は、何をやっても雑なところがありますね。スピードを競っているようですが、
描けていればいいのではありません。完成度から美醜の感覚、基本的な生活習
慣、しつけ、育児の姿勢まで判定することも可能です。最初が、肝心です。ゆ
っくりと丁寧に、時間をかけて、美しく描くことが基本です。そして、忘れが
ちなことですが、姿勢が悪ければ描く線も乱れます。背筋をきちんと伸ばし、
左手でペーパーをしっかりと押さえ、筆記用具をきちんと持って描く習慣を身
につけましょう。
 
<線の模写>
はじめに、点線などで手本が示されていますから、それを指でなぞり、どのよ
うにすればスムーズに描けるか、必ず確かめましょう。
指で何回もなぞり、脳に一筆で描ける感覚をしっかりと学習させることが大切
です。
三角形が連続する鮫の歯のような直線や、半円が上下に反転しながら連続する
もの、曲線では、筆記体のアルファベットの小文字「エル」の連続したものも
あり、上下が逆になると、ぶどうの房のように見えますが、「エル」は下から
上に左回りで描きますから、それに従い連続して描き、上からの場合は、上か
ら下へ右回り、時計回りで描きます。房の長さや間隔が乱れないように注意を
促しましょう。
しかし、いずれも難しい作業でなかなかうまく描けませんから、根気よく取り
組むことが大切です。
 
<図形の模写>
これは、難しいですね。
線の模写と違い、四角、三角、円、菱形、ハートなどさまざまな図形が、いろ
いろな組み合わせで出題されますから、それを描く子どもたちには、至難の業
だと思います。やってみるとわかりますが、全体の配置状態、バランスをつか
むことは容易ではありません。
 
以前にもお話しましたが、図形の○△□は、書写、運筆の基礎トレーニングで
すから、正確に描けるようにすることが大切です。
○は、下から時計まわりで描きます。上から左回りに描くのは数字のゼロです。
△は、頂点から左斜め下へ、そこから頂点に戻って右斜め下へ、最後に左から
右へ底辺を描きます。
左斜め下から、いきなり右方向へ底辺を描き、今度は左斜め上の頂点を目指し
て描くのは、大人の使う簡略法で、子どもにとっては書写違反です。
□は、漢字の国がまえと同じです。
左から下におりて、そのまま戻らずに、左回りで一周する子がいますが、これ
も書写違反になります。
文字には筆順がありますから、こういった図形をきちんと描ける子は、きれい
な字を書けるようになります。
 
基本的なトレーニングとしてお勧めしたいのは、例えば、大きな○を描き、そ
の中に、それより小さな形をどんどん描くことです。□△◇も同じようにやっ
てみましょう。前のものより小さく描き、その微妙な差を脳に教えることがで
きるからです。線の模写と同様、難しいですから、お子さんはうまく描けずに
嫌がると思います。あせらず、じっくりと時間をかけ、丁寧に描けるように導
いてあげましょう。
 
ところで、頼りない線を引く子がいますが、多くの場合、鉛筆を正しく持てて
いないからで、おそらく、はしの持ち方もおかしいのではないでしょうか。こ
れを解決してから挑戦しましょう。ただし、はしの持ち方は、食事の時にうる
さく言わないことです。朝、昼、晩と三度、同じことを言われていては、気が
滅入りますから、以下のようなトレーニングがいいのではないでしょうか。
Bか2Bの鉛筆で、直線や円などを殴り描きさせると効果が表れるものです。
これは、スピードを上げてもかまいません。なぜなら、速く描くには、鉛筆を
しっかりと持たねばなりませんし、どの辺を持てばよいかもわかるからです。
力み過ぎは、手首を疲れさせるだけですが、力配分やバランスも、やっている
うちにわかってきます。
三角軸の鉛筆を使うのもいいですね。
そして、ボール遊び、縄跳び、鉄棒など両手を使う運動をやることで握力をつ
けましょう。
机の上だけではないトレーニングにも、目を向けてください。はしの持ち方に
も変化が出てくるはずです。
 
 
[はしを使った問題]
 
★(角砂糖ぐらいの大きさのプラスチックの立方体が、たくさんお椀の
 中にあり、はしと空のお椀が用意されている)
 「お椀の中のものを、別のお椀にはしを使って、一つずつ移してくだ
 さい。」
 
「摘む」手作業の試験です。豆の他に、はしでスーパーボールや玩具のミニチ
ュアの果物、落花生、金平糖をつかむ問題が出ています。
 
豆を買ってきて、割りばしを使い、懸命に練習をする話を聞きますが、何かお
かしな気がします。これは、試験のために練習をして身につけるものでしょう
か。体や筋肉の運動的な発達に関わることですし、基本的な生活習慣の大切な
課題ですから、しつけと関係があります。一応の目安として、3歳ぐらいから
はしを使えるようになり、5歳頃には、巧みに使えるようになるといわれてい
ます。生活習慣とは、「誰の手も借りずに自力で生活していくために身につけ
るもの」であることを忘れては、受験準備どころではないのではと思います。
 
第14号で紹介しました、立教女学院小学校の説明会での話を思い出してくだ
さい。教頭先生は、こうおっしゃっていました。
 
「鉛筆の持ち方やはしの持ち方は、一度悪い癖がつくと直しにくいので、家庭
で正しい持ち方、使い方を身につけさせてほしい。あえてこの場で申し上げま
すが、今年度もテストの中ではしを使う場面がございましたら、はしで物を運
ぶ速さを競っているのではなく、正しいはしの持ち方ができているかを見てい
ることをご理解いただきたい。テストの主旨はそこにあります。日本の文化で
もあるはしの使い方を、きちんと身につけてほしいと考えています」
 
幼稚園児が、ペーパーテストに強くても、正しくはしを持ち食事のできない方
が、よほど恐い話です。「九九、八十一!」とそらんじている子が、お母さん
に靴をはくのを手伝ってもらっているようでは、やはり、おかしいですね。練
習しなければ、うまくはけないのは当たり前です。それを手伝うのですから、
脳から司令は出ませんし、筋肉も反応しません。手をかけた分、脳も筋肉も楽
をしているのですから、不器用になるわけです。手を貸し過ぎていることはあ
りませんか。モンテッソーリの「敏感期」ではありませんが、幼児期には、こ
れから使う筋肉を鍛えなければならない大切な時期があります。赤ちゃんは、
なぜ、はいはいをするのか思い出してください。
 
ある私立の名門校では、鉛筆を削るのに「肥後守」(ひごのかみ)を使ってい
る話を聞きました。「肥後守」とは、刃を収めるさやに「肥後守」と銘のある
折り畳み式の小刀(こがたな)のことです。鉛筆削り器が出る前は、小刀で鉛
筆を削るということは、誰もが練習をし、身につける、当たり前のことでした。
しかし、全神経を手先に集中しなければ、けがをしかねない大変な作業です。
危険を伴う作業は、大げさにいえば、幼いなりに危機管理が必要であることを
学習していたのではないかと思います。使い方を誤れば凶器になることを教え
ずに、ただむやみに禁止するのは、教育的な配慮に欠けますが、こういったこ
とはお父さん方が使って見せることもいいのではないでしょうか。
 
脱線しましたが、その他に、折り紙を折ったり、はさみで線や線と線の間を切
らせたり、ひもを結ばせたり、積み木をハンカチで包ませる問題もあります。
ひも結びやハンカチでものを包むのも苦手ですね、特に、男の子は。やったこ
とがないからできないのだと思います。普段、お母さん方も風呂敷で物を包む
ことなど、ほとんどないでしょう。お弁当をハンカチで包むようにすれば、解
決できます。第二の脳を活用すれば知力も向上しますから、一石二鳥にもなり
ます。
 
巧緻性の問題には、お子さんの生活環境までわかる要素も含まれています。乱
暴な線や心細い線を引くような場合、その原因は、日常生活の中で、いろいろ
な形でサインが出ていると思います。口うるさく注意する前に、どのようなサ
インが出ているかチェックしてみましょう。
 
   (次回は、「言語の問題」についてお話しましょう)
 

 


さわやかお受験のススメ<保護者編>第2章 (4)冬(12月~1月)に読んであげたい本

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2022さわやかお受験のススメ<保護者編>
       ~紀元じぃの子育て春秋~
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
          -第9号-
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第2章 (4)冬(12月~1月)に読んであげたい本
 
あけましておめでとうございます。
今年もご愛読の程よろしくお願い致します。
 
初詣、お出かけになりましたか。
今年は、新型コロナウィルスの影響で分散参拝が呼びかけられていますので、
これからの方もいるのではないでしょうか。
 
今年はこれからという方も、初詣に訪れ、大きな門松をご覧になったことがあ
ったと思います。実は、この門松、文句なしに、すごい秘密が隠されています。
植物界の代表が勢ぞろいし正月を迎えているのです。花が咲き種を作る顕花植
物から松、竹、梅が、花は咲かせず胞子で増える隠花植物からは裏白(鏡餅の
下に敷くもの)が選ばれていますが、昔から受け継がれているものには、それ
なりの意味があります。
詳しくは、次号からお話ししましょう。
 
 
【冬(十二月~一月)に読んであげたい本】
 
神さまの交代する月ですから、神さまの話が多いですね。あまりにも、たくさ
んあるので困りますが、これなどちょっと恐くて、面白いです。
 
 
◆おぶさりてえのおばけ◆
 
むかし、あるところに、正直で働き者の、じいと、ばあがいました。
二人は懸命に働きましたが、暮らしは楽になりません。
ある年越しの晩のことです。
寝ようとしたとき、裏山から重っ苦しく、「おぶさりてえ!」と叫ぶ声が聞こ
えたので、ばあが、「様子を見てきてくれ」というと、じいは、嫌だと布団に
もぐりこんでしまうのです。
声は、夜中になってもやめようとしません。
「『おぶさりてえ!』といっているから、おぶってやったらどうか」と、ばあ
がいうものだから、帯を持って出かけました。
山道を登って行くと、あの声がぴたりとやみ、突然、そばの杉の木の天辺から、
「おぶさりてえっ!」
と、大声がしたので、じいは、頭をかかえて座りこんだのです。
すると、背中に、ずしんとおぶさってきたものがあり、おぶわれたきり、もう
何もいいません。
何とか庭までたどり着き、降ろそうとしますが、離れません。
台所でも、座敷でも、降りないので、「降ろしてくれ」と、ばあに声をかけま
した。
ばあが見ると、背中にのっているのは大きな石なので、あきれて背中に手をか
けると、自分から落ちたのです。
「この石は、おらたちの家に来たかったのだろう。家宝にしよう」と、二人で
床の間に運び、安心して寝てしまいました。
次の朝、その石はたくさんの大判小判に変わり、お金持ちになって、いい年越
しをしたのでした。
  世界のメルヘン 22 日本のむかしばなし 
     つるのよめさま  松谷みよ子・水谷章三 講談社 刊
 
 
 
 
これも、おかしな話です。普通は、福の神は歓迎されるはずですが、何と逆に
なるのです。
福の神にとっては初体験、その顔を思い浮べると、吹き出したくなります。
 
◆びんぼう神とふくの神◆   望月 新三郎 著
とんとむかし、あるところに、働き者のおやじとかかがいました。
朝早くから夜遅くまで働いたので、暮らしは次第によくなってきたのです。
ある年越しの晩、二人で正月の支度をしていると、泣き声がしたので、おやじ
が押し入れを開けると、ぼろを着た、やせたじじいが転げ出てきたのでした。
これが貧乏神で、「お前たちは働き者だから、福の神が来るので出ていかなけ
ればならない。それが悲しくて泣いているのだ」というのです。
「長年、おらの家に住んだ仲だから、福の神が来たら、追っ払ってしまえ」と
励まされたのです。
「貧乏神、早く出ていけ!」と福の神がやって来ました。
「しっかりと追い出せ!」と、二人の励ます声に、元気になった貧乏神、勢い
よく組みつきましたが、福の神は、びくともせず、貧乏神は押されるばかりで
す。
すると二人は、貧乏神の後から押しはじめました。
これには福の神もたまらず、引っ繰り返され、「福の神を追い出す家など初め
てだ!」と逃げ出しました。
戸口の前に打出の小槌が落ちていたので、貧乏神が拾い、「米、出ろ! 金、
出ろ!」とふると、米や小判が、たくさん出てきたのです。
それからというもの貧乏神は、福の神のようになり、いつまでも、この家で暮
らしたのでした。
  日本むかしばなし 2
   子どものすきな神さま 民話の研究会編 巽弘一 絵 ポプラ社 刊
 
 
 
最後は、どうしても、この話に出てもらわなければ、おさまりがつきません。
「かさ地蔵」です。
おじいさんの見返りを求めない無償の奉仕に、お地蔵さまが応えてあげるのが
いいですね。こういうことって、ありそうでないのが現実ですが、あってほし
いと願う、庶民の素朴な望みです。
育児も同じです。「あなたのために、お母さんはこんなにしてあげたのに…」。
育児は、有償の奉仕ではありません。見返りを期待しはじめると、親子の絆は、
切れがちではないでしょうか。「無償のほほ笑み」は、親の宿命です。みなさ
んのご両親が、そうであったように、巡り合わせです。「子を持って知る親の
恩」と言うではありませんか……。
 
 
 
◆かさ地蔵◆   浜田 廣介 著
 
むかしのことです。
ある所に、じいと、ばあが住んでいました。
もうすぐお正月、貧乏でも年越しの晩に魚っ気がなくてはと、じいは、さけの
頭を買いに出かけたのです。
雪が降り、風も吹き始め、道端の六つのお地蔵さんの頭は、雪をかぶって寒そ
うに立っています。
石のお地蔵さまでも、かわいそうだと、手でかき落としますが、すぐに積もっ
てしまいます。
そこで、じいは、町まで急ぎ、さけを買うのはやめすげ笠を買ったのですが、
お金が足りず、五つしか買えません。
じいは、頭に一つずつ笠をかぶせ、足りない分は、自分の古い笠をかぶせてあ
げたのです。
帰ったじいは、さけを買わない訳を話すと、よいことをしたと、ばあも喜びま
す。
夜が明けると、大晦日。
二人は、麦飯を分け、菜づけに熱いお湯をかけて、塩気をすすって食べ、無病
息災で年を越せることを感謝し、火箱を抱いて寝床に入ったのです。
すると、どこからともなく、唱える声が近づき、ドシン、ドシンと重い響きが、
枕元まで響いてきました。
二人は恐くなり、布団をかぶって震えていました。
地響きと声は、庭先に入ってきたのです。
何やら話し声がしたかと思うと、かけ声と共に「ドシン!」と大きな音がして、
後は何の音もしません。眠気も拭き飛んだ二人は、寝床でじっとしていました。
やがて、夜明けを知らせる三番鶏が鳴いたので、じいは戸を開けてみると、大
きな袋が置いてあり、中には金貨と銀貨が、ぎっしりとつまっていたのです。
六人のお地蔵さまが、笠のお礼に袋をかつぎ、大地を踏みながら運んできたの
でした。
 世界民話の旅 9
  日本民話  浜田 廣介 著 さ・え・ら書房 刊
 
お地蔵さまは、お釈迦さまが入滅後、弥勒菩薩さまが生まれるまでの間、人々
を救済する菩薩さまで、正しくは地蔵菩薩さまといい、仏さまの仲間なのです。
あのやさしいお顔から民間信仰に結びつき、村や子どもなど弱いものを守って
くれると信じられ、村の入口や街道筋などに、たくさん立てられるようになっ
たのでした。
 
この話に出てくる「六地蔵」とは、
  地獄道 (地獄で苦しむこと)
  餓鬼道 (常に飢餓に苦しむこと)
  畜生道 (けだものの姿に生まれて苦しむこと)
  修羅道 (争いの絶えない世界で苦しむこと)
  人 道 (人の踏み行う道を外れて苦しむこと)
  天 道 (超自然宇宙の道理から外れて苦しむこと)
という六道に迷う人々を救済する願いがこめられているのです。
 
 
(次回は、「何といっても正月ですね」についてお話します)
 
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話 
情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本 紀元 著」をもとに編集、
制作したものです】
 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第26号
  現年中児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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メリークリスマス。
お子さんにサンタさんからの素敵なプレゼントは届いたでしょうか。
 
 
★★入試問題を分析する★★
 
[一]入学試験の出題範囲
 
テストの形式は、わかりましたから、今回は問題の内容を紹介しましょう。そ
の前に、4歳や5歳児の心や身体は、どの程度、発達するのでしょうか。これ
は平成4年に改訂された「幼稚園指導要領」の解説に添付されていた資料で、
昭和23年3月に文部省から出された保育要領(幼児教育の手引き)の中で紹
介されたものです。
身体の成長は、現代っ子の方がまさっていますが、運動や知的能力、情緒の発
達や社会性などの発達の内容は、現代でも通用する幼児教育のバイブルともい
われているそうです。
こういった資料を見ると、学校側のねらいは、どの辺にあるか理解できると思
います。
 
★身体の運動的発達★
  [4 歳 児]
   1 スキップができる。
   2 片足立ちをしようとする。(少しの間ならできる)
   3 走り幅跳び、立ち幅跳びができる。
   4 ボールをじょうずに投げられる。 
   5 はさみで形の切り抜きができる。
   6 ひもを結ぶことができる。(固結び)
 
  [5 歳 児]
   1 片足立ちができる。
   2 小さい物を巧みに扱える。
   3 三角形を模写する。
   4 はしを巧みに使う。
 
★知的能力の発達★
  [4 歳 児]
   1 13まで正しく数える。
   2 重さの比較ができる。
   3 3つの数字の復唱ができる。
   4 3つの命令を正しく実行する。
   5 語彙数の増加が著しい。
   6 発音が正しくなり、赤ちゃんことばがなくなる。
   7 非常によく質問する。
   8 簡単な課題を解決する。
 
 [5 歳 児]
   1 求知心が強くなる。
   2 想像と現実との区別が十分につかないところが間々ある。
   3 1つのことを始める前に一定の計画を持っている。
   4 用途によって物の定義をする。
   5 手の指の数が正しく言える。
   6 右と左の区別ができる。
   7 成人との話が自由にできる。
   8 いろいろな貨幣の名前をいえる。
   9 昨日、今日、明日の区別ができる。
  10 具体的推理ができる。
 
運動テストやペーパーテストの内容を見ると、身体や知的な能力の発達を考慮
して、入学試験は行われていることがよくわかります。こういう標準的な発達
から逸脱しないばかりか、さらに生まれた月の差を考慮して試験を実施すると
発表している小学校もありますが、このデータを見ているとうなずけます。何
といっても、受験生は幼児だからです。
 
★情緒的発達★
  [4 歳 児]
   1 3歳児と同じようなことで泣きやすいが、だいぶ自制できるように
     なる。
   2 理由のない恐怖心(たとえば、暗やみに対する)が多い。
   3 かんしゃくは、ほとんど起こさなくなる。
   4 怒ったときの表情が次第に抑制されるようになってくる。
   5 小さい子供を可愛がることを喜ぶようになる。
   6 反抗期が終わり、大人の権威や命令に従うようになる。
 
  [5 歳 児]
   1 泣くことが非常に少なくなる。
   2 恐怖心が、やや 少なくなるのが普通である。
   3 怒り、かんしゃくは、ほとんど抑制される。
   4 感情や情緒は分化して、大人に見られる大部分の情緒が現われる。
    (例 はにかみ、恐れ、心配、怒り、しっと、うらやみ、失望、不快、
     いみきらい、親への愛情、小さい者への愛情、のぞみ、喜び、快い等) 
 
★社会的発達★
  [4 歳 児]
   1 自分で着物を着たり脱いだりする。
   2 排便のことは全部自分でできる。
   3 歯をみがく。
   4 顔を洗う。
   5 多人数の中にある自分というものを意識しはじめる。
   6 他の子供たちと協同的に遊びはじめるが、2人か3人グループが多い。
   7 簡単な遊戯の規則を守ることができる。
   8 ごっこ遊びが、最も盛んである。
 
  [5 歳 児]
   1 独立的で自信を持ち、従順になるので物事をまかせられる。
   2 小さい者をいたわる。
   3 自分の周囲の社会生活を遊びに取り入れる。
   4 2人ないし5人ぐらいのグループで協同的に遊べる。
   5 友達と遊ぶことを好む。
   6 自己主張をし、他人への依頼感を持ち社会的協同性を持つようになる。
 
いかがでしょうか。
親の手を借りずにできることが増え、一人の人間として、集団生活を送るため
に必要な能力の培われていく時期であることが、よくわかると思います。3歳
頃から始まっていた、親のもとを離れる準備が、完了する時期といえます。就
学前とは、小学校生活を送るにふさわしい能力を身につけ、自分の力で大地に
しっかりと足を踏張り、自力で立つ時です。
 
こんな大切な時に、過保護や過干渉な育児になり、さらに、知的な能力だけを
訓練して鍛えるのは、決して幼児にふさわしい受験準備ではありません。基本
的な生活習慣やあいさつなどをきちんと身につけさせ、子どもの感性に刺激を
与え、好奇心を引き出し、学習に意欲的に取り組める環境を作ってあげるのが、
幼児期にふさわしい受験準備であり、こういった意識を持つことが、小学校の
受験に取り組むご両親の、大切な心構えではないでしょうか。
 
よく練り上げられたカリキュラムをもとにした適切な指導は、決して過激で猛
烈な受験勉強ではなく、子どもたちが楽しく学習しながら、合格への道を歩む
パスポートであるはずなのです。お子さんは、教室へ行くことを楽しみにして
いますか。楽しみに通っているのであれば、心配ないでしょう。
 
「受験戦争の低年齢化!」「猛烈な準備に耐え、突破した子だけが合格する!」
などと言われることもあるようですが、これも怪情報、うわさの一つです。
お子さんが楽しんでいないようであれば、普段の生活を見直してみましょう。
ちなみに小学校受験は「お受験」とも言われますが、この言葉は1980年代
後半から起きたバブル経済全盛期の頃にできた言葉です。
 
さらに、2011年3月11日に起きた東日本大震災後、「安全な通学」も学
校選びに欠かせない条件になり、学校側も説明会で自然災害対策の話をするよ
うになりました。
 
東京にある私立小学校は54校。倍率の高い学校は、依然として入学の条件は
厳しく、それなりの準備は必要です。しかし、先程紹介したようなうわさを信
じて準備を始めると、親子で受験地獄に陥ることになりかねません。そのよう
なことを避けるために、入学試験では、どのような問題をやっているのかを紹
介しましょう。すると、いろいろな形で出題されているさまざまな領域の問題
は、幼児の日常生活と深いかかわりのあることがわかるからです。
 
 (次回は、「合否を判定する必須十項目」についてお話しましょう)

 


さわやかお受験のススメ<保護者編>第2章(3)何といっても、クリスマスと大晦日ですね 師走

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2022さわやかお受験のススメ<保護者編>
       ~紀元じぃの子育て春秋~
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
          -第8号-
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第2章(3) 何といってもクリスマスと大晦日ですね
 
 
メリークリスマス!
クリスマスといえば、例のデコレーションケーキが主役だと思っていたのです
が、最近は、少し違ってきているようです。お子さんのリクエストはいかがで
しょうか。様々なショートケーキを食べる傾向にあるとか。
 
 
 
★★なぜ、大晦日というのですか★★
 
いよいよ日本のことです。12月31日を、なぜ、大晦日というのでしょうか。
これも訳ありなのです。
 
1年間の最後の日を大晦日(おおみそか)または、大晦(おおつごもり)とも呼び
ます。「晦日(みそか)」とは、毎月の末日のことです。一方、「晦(つごも
り)」とは、「月の隠れる日」すなわち、「月籠り(つきごもり)」が訛った
もので、どちらも毎月の末日を指します。“1年の最後の特別な末日”を表す
ために、2つの言葉のそれぞれに「大」をつけ、「大晦日」「大晦」といいま
す。
[いろは事典 http://iroha-japan.net/iroha/A01_event/13_omisoka.html]
 
月の運行状況を思い出してください。太陽と月と地球が一直線になると、月は
地球から見えなくなりますが、この状態から月が始まることから「朔(さく)」
や「新月」といいます。三日ほどすると細い鎌形の月が見え、次第に大きくな
り満月、十五夜となり、そして次第に小さくなり、やがて見えなくなりますが、
この状態を「月隠り」といいます。月が地球を一回りするには一ヶ月かかりま
すから、月の始まる新月の状態「朔」を訓読みして「ついたち」、また月の始
まる「月立ち」が転じて「ついたち」と呼ぶようになったのです。また、月末
は月がこもって晦(くら)いので「晦日(つごもり)」といいます。
 
太陰太陽暦では、1ヵ月を大の月は30日、小の月は29日と定めていたので、
今のように31日の月はありませんでした。そして、月末を三十日と書いて、
「晦日」と呼び、12月31日は、その年最後の月末ということで、「大」を
つけて大晦日となったわけです。
 
 
 
★★なぜ、大晦日にそばを食べるのですか★★
 
年越しそばは、「細くて長いそばを食べて縁起をかつぎ、長生きできるように
願ったもの」といわれています。また、そばは切れやすいことから、「一年分
の苦労や災いを切り捨てる願い」もこめられていました。「細く、長く、切り
捨てる」と縁起をかついでのことと思っていましたら、これも訳ありでした。
昔、金を使い細かいものを作っていた職人を金箔師といいますが、仕事場を掃
除する時に、そばのだんごで畳のへりや透き間を叩いて、飛び散った金箔を集
めたそうです。そこから、「そばは、金を集めて縁起がよい、そばで金を集め
る」という縁起となって、来年もお金がもうかることを願い、そばを食べるよ
うになり、江戸中期から始まった習わしといわれています。
そばの味を引立てる薬味に欠かせないのが葱(ねぎ)ですが、これにも面白い
いわれがあります。
 
葱(ねぎ)は、心を和らげる意味の「労(ね)ぐ」に通じて、それが祓い浄め
る神職「禰宜(ねぎ)」ともなって、今年の汚れを払いぬぐって心安らかに新
しい年を迎えようという、語呂合わせでもある。また、年越しそばを食べ残す
と、来年の小遣い銭にこと欠くともいわれている。
〔年中行事を「科学」する P251 永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕
 
ゲーム機やスマートフォンがない時代の室内遊びと言えば、カルタ、すごろく、
トランプで、「ババ抜き」や「7並べ」、「神経衰弱」などでした。相手がい
る遊びですから、負けてはなるものかと真剣に戦います。ゲームの結果に一喜
一憂する相手がいるからゲームが成り立ち、自分が負けていてもやめるわけに
はいきません。ましてや、リセットボタンを押して、再戦などもできません。
「勝っても負けてもみんなで楽しむ」、これも大切ではないでしょうか。年末
年始に改めてこういった遊びをしてみるのもよいでしょう。
 
 
 
★★除夜の鐘の意味★★
 
除夜とは、「古い年が押し退けられる夜」の意味で、大晦日の晩です。行く年、
来る年も、除夜の鐘が鳴らなくては決まりがつきませんが、これにもいろいろ
とわけありです。
 
「除夜の鐘は煩悩を解脱し、罪業の消滅を祈って百八回つくとされ、中国では
宋の時代から始まった。日本では鎌倉時代に禅寺で朝夕行われていたが、室町
時代からは大晦日だけつくようになった」 
(年中行事を「科学」する P251 )
 
そして、百八つの鐘のつき方ですが、きちんとした決まりがあるのです。
 
「五十四声は弱く、五十四声は強く打つ百八回の鐘は、百八つの煩悩を洗い清
めるためである。百七つ目は最後の宣命といい、ゆく年の最後に鳴らして煩悩
が去ったことを宣言し、百八つ目は、最初の警策といい、来る年の最初につい
て、新たなる年を迎えるにあたって煩悩に惑わされぬよう、眠りを覚ますとい
われる」 (年中行事を「科学」する P251)
 
宣命とは、宣命体で書かれた天皇の命令のことであり、警策とは、禅寺で座禅
の時に、ピシッと肩を打ち据える、あの棒状の板のことですから、決意の程が
わかります。
 
 
 
★★百八つの煩悩(ぼんのう)って何ですか★★
 
人間には、百八つの悩みや欲張りの心があり、これを煩悩といいますが、私た
ち凡人は悩み多き日々を送るのも当然なのです。
 
「煩悩」とはなんだろう。サンスクリットではクレシャーと言って「心を怪我
しそこなうもの」を意味し、心をわずらわし、身を悩ます心の働きであり、悟
りという最高の目的の実現を妨げるすべての心の働きである。
  (年中行事を「科学」する P251)
 
煩悩の根源は一般に貪(とん)、瞋(しん)、痴(ち)とされ、これを三毒、
三惑などという。「貪」とは「むさぼり」であり貪欲である。「瞋」とは「目
をむいて怒ること、「瞋恚」であり、また嫌悪、悪意でもある。「痴」とは、
「おろか、真実をわきまえない痴愚」である。「痴」はサンスクリットではモ
ーハmohaというが、モーハという音が「ばか」となって慕何、莫詞、莫迦など
と音訳され、後には「馬鹿」と当て字で書かれるようになった。
(年中行事を「科学」する  P252)
 
「貪」は貪欲、「痴」は音痴などでわかりますが、「瞋恚(しんい・しんに)」
は難しいですね。「仏教の十悪」の一つで、自分の心に逆らうものを憎しみ怒
ることです。この三つから解脱できると悟りの境地に至るのでしょうが、やは
り凡人には無理な話です。「解脱」の「解(げ)」ですが、解熱剤を「かいね
つざい」と読み笑われたことがありましから、解脱などとてもできない相談で
すね。
 
では、百八つの悩み、煩悩の正体は何をいうのでしょうか。
 
人間には六根という六つの感覚器官-目・耳・鼻・舌・身・意-を持っていて、
それぞれ六境という六つの対象-色・声・香・味・触・法を理解する。そのと
き三不同-好・平・悪の受け取り方があり、その程度は染・淨の二つに分かれ
る。そのすべてが、過去・現在・未来の三世にわたって、人を煩わし、悩ます
のである。
  6  × 3  × 2 ×  3 =108
 (六根) (三不同) (染淨) (三世)
合わせて百八つの煩悩という。
(年中行事を「科学」する P252)
 
六つの対象の最後の「法」とは、仏教の説いた真理のこと。何だか難しくなっ
てきましたが、独自に解釈すると、「好・平・悪の受け取り方」は、感度良好、
普通、感度不良、「染淨」の「染は物を色水に浸して色を付ける」という意味
ですから「影響を受ける」、「淨は水が静かにおさまって濁りがない」ですか
ら「影響を受けない」ということではないでしょうか。
 
その他に、1年は12カ月で、1年には二十四節気、七十二候(時節、時期)
があるので、 12+24+72=108として、その時々に人を悩まし迷わ
せるものが合せて百八つの煩悩があるという説がある。
(年中行事を「科学」する P253)
 
これが分かりやすいですね。二十四節気とは、季節の変わり目を示す春分、夏
至、秋分、冬至などの節分を基準に1年を24等分して15日ごとに分けた季
節で、七十二候は、二十四節気を約5日ずつ3つに分け暑さ、寒さから見た時
節のことです。私たち凡人は、いついかなる時にも煩悩に悩まされる愚かな人
間ということでしょうか。二十四節気については、6月に詳しく紹介します。
 
語呂合わせのようなものもあります。四苦八苦(4×9=36 8×9=72)
合わせて108、素直に肯いてしまいますね(笑)。
 
こだわるついでに、梵鐘には上の方にいぼ状の突起がありますが、この数は、
何と108個だそうです。さらに、念仏を唱える時に使う数珠ですが、一つ一
つは百八つの煩悩を表し、正式には108個の珠から成り立っているそうです。
モクゲンジの実から出来ている数珠で、念仏を20万遍唱えると天界に生まれ、
百万遍唱えると極楽に往生するそうです。1日1回唱えても1年で365回、
これは大変なことですね。
 
ところで、日本人は不思議な民族です。12月から1月にかけての行事をみて
も、クリスマスを祝い、除夜の鐘で煩悩を除き、正月には神社へ初詣をします。
キリスト教、仏教、神道の行事、イベントが生活に入り込んでいる国です。
日本文化の寛容さのあらわれですね。
このように様々な文化を取り入れ、受け継がれてきた日本文化、行事や昔話を、
お子さんと一緒に楽しみながら伝えてあげましょう。
 
 
 (次回は「冬に読んだあげたい本」についてお話ししましょう)
 
 
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話 
情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本 紀元 著」をもとに編集、
制作したものです】
 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>よく聞かれる質問にお答えします。 

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第25号
  現年中児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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よく聞かれる質問にお答えします。
 
その前に。
来週はクリスマスを迎えます。いつもであれば、街にはジングルベルのメロデ
ィが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られますが、今年はコロナの影響で
自粛ムードですね。
この赤、緑、白の3色についてもいろいろ訳ありなんですね。
赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永遠の命
を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、アダム
が楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命の木。
ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツレヘム
の星」といわれていますが、どの星かは不明です。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種です。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではありません。
聖書の中でも、誕生日は特定していません。ご存知でしたか。
 
今回は、読者の皆さまからよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のス
スメ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。
 
Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」
A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
 状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
 幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
 赤ちゃん時代を思い出してください。
 例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、
 はいはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩
 けるようになったはずです。
 幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことによ
 り習い学ぶ、体験学習が必要です。
 中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにある
 といえます。
 勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
 幼児は、体験していないことは理解できません。
 ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせら
 れているからではないでしょうか。
 泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚
 えている、中枢神経系に属しているからだそうです。
 教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。
 
 『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」
 
 
Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」
A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
 ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め出ていますが、設
 問はどこにも書かれていません。
 中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できな
 い相談です。
 文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応
 しなければならないのです。
 行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に対応しな
 ければ、得点になりません。
 幼稚園の先生にいわれるまでもなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
 まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
 話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
 そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習してい
 るのです。
 そして、本をたくさん読んであげましょう。
 好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
 『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回言っても改まらないで
 しょう。
 
 話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を
 持っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだから
 です。」
 
 
Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」
A「そんなことはありません。
 お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
 読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰
 り返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成
 長するように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
 完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
 一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでし
 ょうか。
 お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
 また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』というこ
 と はないでしょうか。
 一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっ
 きりさせたくて『読んでください』と来るわけです。
 これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、読解力が養われ、物
 語を記憶することで表現力もついてきます。
 話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切な
 ことですから、根気よく読んであげましょう。
 文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なく
 なりますから。」
 
 
Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」
A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
 先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想を言えない
 のは、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
 何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
 そこまで待ってあげましょう。
 ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』と
 いった話かけは、するべきではありません。
 また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白
 かった本を読んであげることがあるようです。
 それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないで
 しょうか。
 そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
 まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
 2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
 ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学
 んだのですよ』と、お母さん自身の感想を言うのは、いいのではないでしょ
 うか。
 『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」
 
 
Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」
A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
 語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
 昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住
 んでいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、
 どのように』と、いわゆる[5W1H]の形式で展開しますから、わかりや
 すく構成されています。
 そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめ
 られます。
 5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表
 れてきます。
 それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には
 涙ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考
 えられます。
 
 ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した
 様々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性とい
 った集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎
 となっているからではないでしょうか。
 
 ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
 『さるかに合戦』『かちかち山』です。皆さん方はお子さんに、この5つの
 昔話のあらすじを話すことができるでしょうか」
 
 蛇足ですが、暁星小学校の[鍛える教育]について、佐藤正吉前校長は説明会
 で、目標は日本昔物語のキャラクターでもある『気は優しくて力持ち』とお
 っしゃっていました。なお、佐藤前校長は、幼稚園の園長を経て、2019
 年3月に退職されました。
 
 
Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
 ないでしょうか」
A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
 興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
 お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のス
 テップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
 選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
 『何よ、こんなやさしい本を!』と言ってしまうと、お子さんの自尊心は傷
 つき、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
 いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自
 力でレベルをあげていくものです。
 お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解で
 きなければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的
 には本の嫌いな子になりかねません。
 
 ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアッ
 プにつながるのです。3月生まれお子さんの場合、1年近くの差があるので
 すから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
 他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思
 います」
 
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 


さわやかお受験のススメ<保護者編>第2章(2)何といっても、クリスマスと大晦日ですね 師走

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2022さわやかお受験のススメ<保護者編>
       ~紀元じぃの子育て春秋~
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
          -第7号-
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第2章 (2)何といっても、クリスマスと大晦日ですね  師走
 
 
★★なぜ、七面鳥の受難日なのですか★★
 
これも、わかりませんでした。七面鳥は高価ですから、庶民はチキンで済ませ
るのではないでしょうか。七面鳥、やはり訳ありでした。
 
オランダの清教徒が1620年に、メイフラワー号に乗ってアメリカのプリマ
ス港に着き、初めて食卓に乗せた肉が野性の七面鳥であった。清教徒は、キリ
スト教を布教するために苦労をしてアメリカを開拓したが、彼らの「生命の支
え」となってくれた七面鳥を神に捧げて感謝した。初心を忘れないようにする
ために、クリスマスには昔の苦労をしのんで七面鳥を食べるのである。もっと
も今日のアメリカでは七面鳥は感謝祭(11月の第4木曜日)に欠かせない料
理となり、クリスマスの食卓にはチキンが運ばれることが多い。
〔年中行事を「科学」する P247-248 永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕
 
日本でも、これに似た習慣がありました。「ありました」と、またしても過去
形になるのは、今では家で炊くことがあまりないからです。「赤飯」、またの
名を「おこわ」ともいい、米に赤あずきを加えて蒸したもので、結婚式などの
お祝いの席でしか、お目にかかれません。この赤飯には、「初心を忘れるな」
という戒めがあったのです。米が大陸から日本に伝えられたときは、今のよう
な白米ではなく、赤米(あかまい・あかごめ)でした。あわやひえ、山芋が主
食であったことを考えれば、炊きたての赤米は、本当においしかったに違いあ
りません。
 
 
 
★★なぜ、クリスマスにケーキを食べるのですか★★
 
ヴァレンタイン・デーのチョコレートは、何やらこじつけのような気配があり
ます。しかし、ケーキは、何か意味がありそうです。これも、訳ありでした。
 
クリスマスケーキは、はじめ薪(まき)の形をしていたため、ユール・ログ
(yule log)といわれていた。クリスマスの前夜、果物のなる木の丸太を暖炉に
入れ、前の年の燃え残りから火を移す。新たな火を暖炉にともされる儀式は聖
なるもので、新しい命が生まれると考えられていた。クリスマスに新しい薪を
燃やすことによって家は暖かくなり、家族全員集まって神を讃(たた)え、喜
びを分かち合うのである。クリスマス・ログは、公現祭(1月6日)間で12
日間、絶やさず燃やし続け、そのあとは灰を大切にとっておき、やけどや害虫
予防に用いた。聖なる薪を菓子にして喜びを分かち合うしきたりとしたのが、
クリスマスケーキのそもそもの始まりだったのである。
 (注 「たたえ」は引用者)
 〔年中行事を「科学」する P247 永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕
 
初代のケーキは、素朴な味がしたことでしょう。今のケーキは何代目かわかり
ませんが、相当、派手になっています。何といっても「デコレーション・ケー
キ」ですから。やはり、感謝の気持ちをこめて食べなくてはいけません。ちな
みに、デコレーション・ケーキは和製英語で、正しくはfancy cakeだそうです。
 
 
 
★★なぜ、サンタさんは、世界共通なのですか★★
 
白いひげを生やし、丸々と太った、明るく、笑顔のやさしい、とっても善良な
おじいさんで、プレゼントをいっぱい積んだトナカイの引くそりに乗り、雪の
上どころか、空まで飛んでみせ、なぜか、煙突から入ってくるサンタさんのイ
メージは、世界共通です。これも、訳ありでした。
 
サンタクロースは、1822年に、聖書学者、アメリカのクレメント・クラー
ク・ムーアー(1777ー1863)が作った、[ 'T was the Night before 
Christmas](クリスマスイブのこと)の詩の中で生まれた。聖ニコラウスを原
像としたサンタクロースは、ムーアーの詩の中で、白い鬚を生やし、丸々と太
った明るい善良なおじいさんとして生まれたのである。(中略) 1863年に
アメリカの風刺画家、トーマス・ナスト (1842ー1902)による絵が評判
をよんで、白い鬚 、赤い帽子に赤い服、長靴をはき、大きな袋をかついだサ
ンタクロースというイメージが定着したのである。
〔年中行事を「科学」する P242・248 永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕
 
サンタさんのモデルである聖ニコラウスは、十二使徒の一人で、毎年、クリス
マス・プレゼントを配りにやってきますが、本来の意味は、キリスト自身が、
この世の光として、神様から人々に、プレゼントされたのです。それが、いつ
頃かわかりませんが、キリストからの贈り物となって、サンタさんが配達人と
なり、さらに、サンタさんに自分の欲しいものを頼めば、直接、枕元まで配達
してくれるようになったのです。親が、サンタさんの代理人とわかり、がっか
りするまで、長い子では、もの心ついてから小学校の高学年ぐらいまで、夢を
与え続けるのですから、これはすごいものです。
 
それから、サンタさんにお手紙を書きたいとお子さんにせがまれたことはあり
ませんか。安心してください。サンタさんの本部は、フィンランドにあります。
1961年に、フィンランドの郵政省は、正式にサンタさんの住所を決めたの
です。「サンタのおじさん、日本語、わかりますか?」、心配ありません。た
だし、返信用の切手を同封しなければ、返事はもらえません。「サンタの住所」
で検索すると、手紙の書き方などの詳しい情報を得ることができます。検索し
てお子さんにプレゼントしてみませんか。
 
 
 
★★なぜ、サンタさんは、煙突から来るのですか★★
 
こう聞かれて、困ったことはありませんか。これも、やはり訳ありでした。
 
北欧では、長い冬を前にして、心地よく暖かい日を送るために、煙突掃除が必
要欠くべからざるものであった。サンタクロースが煙突からやってくることに
よって子供たちに煙突掃除を手伝わせる大義名分が立ち、子供たちも喜んで手
伝いをするというわけである。
〔年中行事を「科学」する P243 永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕
 
 
「サンタさんが、気持ち悪がって入れませんよ、こんなに汚れていては!」
子どもは、必死で、快く、真面目に、掃除を手伝います。それはそうでしょう、
自分の家だけサンタさんが来なかったら大変です。寒い地方に住む人々の、生
活の知恵でしょう。これは、嘘をついてだますのではなく、問題意識を持たせ
ることです。
 
ところで、「なぜ、サンタさんは、トナカイのひくそりに乗ってくるのかな?」
と尋ねられたことはありませんか。先に紹介しました聖書学者クレメント・ク
ラーク・ムーアが、自分の子どものために書いた「サンタクロースが来る」の
中で、「サンタは8頭のトナカイの引くそりに乗り、世界中の子どもたちにプ
レゼントを配る」と書かれており、これを踏まえて、ロバート・L・メイとい
う通販会社の社員の書いた詩がもととなり、童話「ルドルフ 赤鼻のトナカイ」
が発表され、アニメ映画となり、例の「真っ赤なお鼻のトナカイさんは♪……」
の曲が生まれ、世界中に広がったそうです。
(Santaxus.comより要約)
 
 
 
★★クリスマス・カードのルーツ★★
 
最後に、クリスマス・カードですが、これは、外国の人には、とても楽しみの
ようです。
 
1843年に、イギリスのヘンリー・コールが、知人の画家ホーレスーに絵を
描かせ、クリスマスを祝して知人に送ったのが始まりという。そして、イギリ
スのヴィクトリア女王が3年後の1846年にクリスマス・カードを送ったこ
とをきっかけとして、この習慣が世界中に広まったといわれている。 
〔年中行事を「科学」する P243 永田 久 著 日本経済新聞社 刊〕
 
ところで、日本でクリスマスが始まったのは、何と永禄4年(1561)。と
いってもピンとこないかもしれませんが、上杉謙信と武田信玄が川中島で戦っ
た年です。ポルトガルの宣教師ビレラが、大阪の堺から本国に送った手紙に、
「堺のキリシタンらは、大いなる喜びと満足とをもって、クリスマスを祝した
り」とあり、これがクリスマスに関するもっとも古い文献といわれています。
今のように、人々の間に広がるのは、大正時代まで待つことになります。
 
 
 
★★なぜ、冬至に柚子(ゆず)湯に入り、かぼちゃを食べるのですか★★
 
「12月25日はローマの冬至祭にあたり、この日を境に短かった昼間が次第
に長くなる、不滅の太陽が生まれ変わる日」と紹介しましたが、日本では「物
事が悪いことから善い方へ向かっていく」と考えられ、冬至のことを「一陽来
復」という別名があります。神社では「一陽来復」のお札を配ります。
この日柚子湯に入ると風邪をひかない、かぼちゃを食べると中風(ちゅうぶう 
半身不随、腕または足の麻痺する病気)にかからないともいわれています。柚
子湯は体が温まり、風邪や神経痛などに効くことや、柚子にはビタミンCとカ
ルシウムを多く含むため、食べても風邪の予防になり、かぼちゃはビタミンA
が多く含まれ、目や体の健康に役立つと科学的にも立証されている優れもので
す。また、語尾に「ん」のつくたべもの、にんじん、れんこん、ぎんなん、か
んてん、なんきん(かぼちゃのこと)、みかん、きんかん、ぽんかんなどには、
食物繊維やビタミンが多く含まれ、野菜不足になる冬の食材、果物として欠か
せません。これも昔から受け継がれてきた生活の知恵でしょう。子どもたちに
はハロウィンでおなじみになったかぼちゃですが、食べる方はどうでしょうか。
 
 
(次回は、クリスマスと大晦日の(3)についてお話しましょう)
 
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話 
情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本 紀元 著」をもとに編集、
制作したものです】

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