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めぇでるコラム : 2021年2月

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[5]常識に関する問題(2) 

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第34号
  現年中児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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≪ 説明会情報 ≫
 
 ●日出学園小学校 第1回学校説明会(オンライン)
      日 程 3月19日(土)正午 ~ 3月31日(水)正午
       
  
 ●第9回キリスト教学校合同フェア
  3月20日(祝・土)10:00~15:00
  今年はオンラインでの開催になります。
  学校案内は青山学院中等部1階エントランスで入手することができます。
  特設ページが3月1日に公開予定ですので、チェックしてみてください。
 
 
 
★★入試問題を分析する★★
 
 [5]常識に関する問題 (2)
 
 
[公衆道徳・躾に関する問題]
 
公園の中で、いろいろなことをしている子どもの絵を見て、やってはいけない
ことをしている子どもに×をつけたり、服を一人で着たり、後片付けができて
いない絵などから、自分一人でできた方がいいと思うものに〇をつけたりする
問題です。いうまでもありませんが、入学試験のために身につける知識ではな
く、しつけであり、マナーであり、基本的な生活習慣ですから、ご両親の育児
の姿勢、教育方針をみています。 
                                 
次にお話するのは、実際にあったことです。
電車に乗ると、子どもは、なぜか、外を見たがります。それは、いいのです。
しかし、靴を脱がない子がいます。お母さんの言葉、ショックでした。
「○○ちゃん、お靴脱ぎますか、脱ぎませんか?」
「脱ぎたくないの」
「そうですか」
これで、おしまいです……!
良いのでしょうか。
 
着ている制服から、大学まである総合学園の幼稚園であることがわかりました。
親は、一貫教育制度のある附属幼稚園に入れて、子どもの人生航路の設計図な
るものを、小さい頃からキッチリと引いてあげているにもかかわらず、他人様
と共存して生きるために最低限必要なルールは、子どもの判断に任せていいの
でしょうか。
 
いいわけはありません、これは逆です。
 
人生航路は自分で開いていくものですが、しつけは親が責任をもって子どもに
身につけさせるものです。このような考え方を「子どもの自主性を認める」と
はいいません。
 
「放任」です。
 
親の責任を放棄していることに気づいてほしいのですが、こういう保護者が増
えているように感じます。誰がかわいそうって、子どもです。後で困るのは、
子ども自身ですから。
 
試験で電車の中で悪いことをしている子に×をつけても、実際に電車に乗って、
靴を脱がずに外を見ているのでは、おかしいですよね。これは常識であり、守
るべきルールです。知識として知っていても「実際にはできない」、どういう
ことでしょう。
 
これは知識と知恵の差です。
知識は知っているだけで、知恵は知っていることを実行する心の働きです。幼
児期の知識の詰込みは、こういう結果になりがちではないでしょうか。こんな
本末転倒なことを許していると、幼児の世界も、おかしくなります。
 
「三つ子の魂百まで」は、幼児期に身につけたことは、大人になっても、その
まま受け継いでいくことを戒めた先人の知恵です。良い習慣をきちんと身につ
けてあげるのは、お子さんにとっても幸せであり、大切な財産になると思いま
す。「習慣は第二の天性である」と古代ローマの政治家、哲学者であるキケロ
もいっています。何も哲学者を出すこともありませんが、「大切だ」といいた
いのです。
 
 
 
[その他の問題]
  
果物や野菜を、縦や横から輪切りにしたものから、何であるかを推理する問題
もあります。
これも体験でしょう。
 
子どもは、見えないところを見たがるものです。りんごやみかんを食べるとき、
ただ、皮を剥くだけではなく、縦や横に輪切りにして、見せてあげましょう。
喜びます。
野菜なら、ピーマンなどを切ってみせると、不思議そうに見ています。ついで
に、匂いもかがせてみましょう。玉ねぎなどは、涙を流しても見たがります。
 
「どうしてレンコンはあんなにたくさん穴があいているのかな?」と聞かれる
こともあるでしょうね。子どもの質問はするどいですね。今はインターネット
で簡単に調べられますから、お子さんが「なぜ?」と聞いてきたときには後回
しにせず、きちんと答えてあげましょう。
その場しのぎでは子どもの信頼を裏切ることになります。
 
そして、野菜や果物を水の中に入れ、浮かぶか沈むか、実験してみましょう。
「すいかは、絶対に浮かばない!」と思い込んでいるお子さんが、かなりいま
す。見たことがないのです。丸ごと一個のすいかを買う機会は少ないでしょう
が、お子さんが疑問を持ったときには、説明するより見せることです。
 
また、動物の足の絵から、その動物が何かを考えたりする問題もあります。
かなり昔の話で、時効も成立しているはずですから紹介しましょう。ある国立
の名門大学の学生さんが、「鶏には足が4本ある」と真面目な顔でいい、話題
になったことがありました。見たことがないのです。
幼児には、見せるしかありません。動物園や牧場の出番です。
 
「今度の日曜日、ゴルフの予定もないから動物園に行くぞ!」
「……。」
お父さんの都合でお子さんに興味がない時に、動物園に行っても効果はありま
せん。
「お父さん、にわとりの足、どうなっているのかな?」
この「かな?」がついた時、子どもが興味を示した時が、絶好のチャンスです。
ジィーっと見ています、飽きもせずに。観察力だけではなく、集中力や持久力
もつきます。
 
最後に、絵を見て話をする問題です。
これは、たくさん本を読んでもらっている子は、得意です。たとえば、かぐや
姫の絵だとします。読んでもらったことのない子は、話せませんね。本を読ん
であげることは、以前にも説明しましたが、言語の学習から情操教育まで、大
変な学習になっています。
 
話を聞く姿勢ができている子は、本を読んでもらうことが好きです。しかも、
本人も保護者も勉強をしているとは思っていません。教えない教育の成果です。
しっかり読んであげましょう。読んであげられるのも卒園までです。一人で読
めるようになるのも、後わずかだからです。読めるようになると、もう頼みに
きません。そうなると、保護者の読書時間も増えます。親の本を読む姿は、最
高の教材です。読書の好きではないお子さんは、やはり、ご両親もあまり好き
ではないようですね。
 
テレビの内容にもよりますが、視聴時間の長さと教養の深さは、反比例するそ
うです。スマートフォンで動画を見ることも同じですね。
保護者である私たちも気を引き締めて、ですね。
 
絵を見て話をする問題については、言語のところでお話しましたから、もう一
度ご覧ください。「お母さん(お父さん)、あのね方式」です。
 
その他に、新幹線やブルドーザーなどの絵を見て名称と用途、花の名前と咲く
季節などをたずねる問題があります。昔話に出てくる「きね」「うす」「いろ
り」、雪国ではおなじみの「つらら」、「ほうき」「はたき」「ちりとり」と
いった昔の掃除道具三点セットなど、普段、目にしなくなったものには、出会
ったときにきちんと説明しておきたいものです。
 
最後になりましたが、2017年2月、千葉県私立小学校フェアで伺った話を
紹介しましょう。
暁星国際学園の学園長、田川茂氏は当時91歳。「親は教育に哲学を持ちなさ
い」という話は、説得力がありました。お子さんにどのような教育を受けさせ
たいか、これは学校選びの基礎、基本であり、「はじめに学校ありきではなく、
ご家庭の教育方針ありき」であるべきだということですね。「教育の道は家庭
の教えで芽を出し、学校の教えで花が咲き、世の教えで実がなる」ともいわれ
ています。「どんな花を咲かせるか」、素直に肯けました。また、「哲学を学
ばない者は、先生をしてはいけない」も痛烈でした。様々な先生がいる時代、
私学が歓迎される理由は、こういったことにもあるのではないでしょうか。
 
      
 (次回は、[6]推理・思考に関する問題についてお話しましょう)

 


さわやかお受験のススメ<保護者編>第5章(1)雛祭りとお彼岸ですね 弥生

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2022さわやかお受験のススメ<保護者編>
       ~紀元じぃの子育て春秋~
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
          -第16号-
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第5章(1) 雛祭りとお彼岸ですね  弥 生
 
                   
小学校受験で春は三月からです。
物の本によると、「春」の読み方は、万物が「発(は)る」(発する)からと
いう説が有力ですが、草木の芽が「張る」、天候の「晴る」、田畑を「墾(は)
る」などの説もあるそうです。
弥生(やよい)のいわれは、この頃になると、草木がいよいよ生い茂ることか
ら、「草木がいやおい茂る月」が詰まり、「弥生」になったといわれています。
 
 
★★五節句のおもしろい特徴★★
 
三月といえば、何といっても雛祭りです。雛祭りは、いうまでもなく女の子の
節句です。        
節句は一年間に五つあるので五節句と呼ばれ、正しくは「神と一緒にあること
を表す節供」だそうですが、ここでは使い慣れている節句としました。
 
五節句を決めたのは江戸幕府で、古来、宮中で行われてきた年中行事から五つ
選んだものです。
 
一月七日は人日(じんじつ)、陰暦の正月七日のことで、七草粥を食べる日か
ら「七草の節句」。
三月三日は上巳(じょうし)、お雛さまを飾る日から「桃の節句」。
五月五日は端午(たんご)、鯉のぼりや兜を飾り立身出世を願う尚武が転化し
て「菖蒲の節句」。
七月七日は七夕(しちせき)、夏の風物詩、七夕飾りをする「七夕の節句」、
「笹の節句」。
九月九日は重陽(ちょうよう)、陰暦九月九日の節句で、九は陰陽道では陽の
数とされ、これを二つ重ねた日にあたるので「重陽」といい、「菊の節句」と
もいわれています。
 
五節句は奇数日で、一月七日の人日を除くと同じ数字が重なっていますが、こ
れも何か意味がありそうです。
 
 暦の中で奇数の重ねる日を取り出し、奇数(陽)が重なると陰になるとして、
それを避けるための避邪(ひじゃ)の行事が行われ、季節の旬の食物から生命
力をもらい、邪気を払うという目的から始まりました。 
(http://iroha-japan.net/「日本文化いろは事典」より)
        
七草粥には、ご馳走を食べ過ぎた胃を調整する薬草が入っています。      
桃の葉も薬草です。                      
菖蒲の根を細かく刻んで造った酒は、邪気を払い万病に効くといわれています。
淡竹(はちく)、真竹(まだけ)は竹葉(ちくよう)という生薬で解熱、利尿作用
があります。
菊は、長生きの薬といわれています。
五節句に登場する植物は、すべて薬用で、当然のことですが、やはり意味あり
でした。      
 
「私達の先祖は、薬品を食品化することで、まず日常の食事療法をやり、さら
に労働スケジュールに合わせて、その時期にいちばん必要な薬物を年中行事化
することで、魔除けや信仰として摂取し、健康体を維持できるように、実に巧
妙といっていい、健康管理を行っていたのである。」
(「梅干と日本刀」 日本人の知恵と独創の歴史 樋口清之 著 祥伝社 刊 
P131)
 
五節句は農業スケジュールに合わせて作られ、その時の飲食物は全て薬品なの
です。昔は病気になってから治療するのは大変でしたから、病気を予防するた
めの知恵でもあったのです。当時の農作業、米作りは人海戦術で、病気をする
と労働力が減り、お百姓さんにとっては一大事でしたから納得できました。
ところで、「怠け者の節句働き」といい、怠け者をあざける言葉があります。
節句の日には仕事を休み、神さまにお願いをする慣わしがありましたが、普段、
怠けていると、この時も田畑で仕事をしなくてはならないことから生まれた言
葉です。農作業は、一日も手抜きができない厳しい作業環境でもあったわけで
す。
 
 
★★雛祭り★★
 
昔のお雛さまは、今のように立派な飾りものではありませんでした。子どもが
病気にかかると、新しい雛人形を川へ流して、病気が体の外へ逃げていくよう
に、悪いことが起きないようにと、お祈りをしました。流し雛です。
 
室町時代、紙で作った人形(ひとがた)で体をなでて穢れを移し、川や海に流
すことで無病息災を祈った「流し雛」という風習と、ひいな遊び(人形遊び)と
が結びつき、貴族の間で人形を飾り、祀(まつ)るようになったと考えられて
います。(http://iroha-japan.net/ 「日本文化いろは事典」より)
 
米俵の両端にあるわらで編んだ丸いふた「さんだわら」(東京では「さんだら
ぼっち」)の上に、紙と土で作った雛人形を、あられや菱餅、桃の花と一緒に
のせて川へ流したもので、今のように部屋に飾って祝うようになったのは、徳
川家康の孫の東福門院が、子どものために作った座り雛が、その始まりといわ
れています。
                                    
雛人形が飾られるようになったのは、文化文政時代を経て天保(1830)の
頃からで、宮中から武家社会、裕福な商家や名主の家庭、そして町人社会へ広
まり、現在のような豪華な雛壇が作られるようになったのです。
 
雛壇には、お内裏さま、三人官女、五人囃子、左大臣、右大臣、おかしな顔を
している三人仕丁(じちょう―雑役係)、菱餅、あられ、白酒、桃と橘の花に、
いろいろな生活用品が飾られています。女の子が、やさしいよい子に育って、
幸せになるようにとお願いする日ですから、飾りものも女性ムードいっぱいで、
夢があります。人形が主役ですが、下の方に飾ってある、あのゴタゴタとした
所帯道具も、いいですね。タンス、鏡台、長持ちから牛車、駕籠(かご)まで
そろえているのもあります。新婚さんの望ましい嫁入り道具一式で、昔の女の
子が描く幸せな青写真を、雛壇で表しているような気がして、ほほえましくな
ります。
多様性の時代、といえども、こういった文化は残っていってほしいものです。
 
 
 
 
★★男雛と女雛、右ですか、左ですか?★★   
 
女の子がいない家庭では見られませんが、デパート等に行くと、豪勢なものが
飾ってありますから見てほしいのです。地方によって、男雛と女雛の位置が違
います。東京など関東地方では、男雛が右側(向かって左)に、女雛は左(向
かって右側)に飾りますが、京都や奈良の関西地方では、男雛が左で女雛は右
と、逆に飾ってあります。
 
関東方式は、昔中国では、「右がすぐれている」という考えがあったからです。
右には「貴い」、「尊敬すべき」、「大切な」など、左には「卑しい」、「低
い」、「正しくない」などの意味があり、「右腕」や「右に出る」、「左遷」
や「左前」は今でも使っています。ところが、唐の時代に左右が逆転し、左上
位になったのです。
 
日本の文化は唐の影響を受け、平安時代に確立した日本の制度は左優先となっ
た。左大臣は右大臣より上席であり、左近衛大将は右近衛大将より上級である。
(中略)左上位は唐から宋へ受け継がれたが、元の時代に逆転し、明清の時代
に再々逆転し、左上位の順位が引き継がれている。
  (年中行事を「科学」する  日本経済新聞社 刊 P75)
 
もっとわかりやすいものがあります、結婚式の披露宴を思い出してください。
新郎は向かって左側に、新婦は向かって右側に座っていますが、これにも確か
な意味があります。日本の結婚式は、昔から男子が家を守っていく、男子優先
で行われてきたからです。関西方式は、天皇家と関係があります。
 
天皇は、『天子南面』という言葉が示すように、紫宸殿の玉座に北を背にし、
常に南の方をむいて座られた。すると、天皇の左手が東、右手が西にあたる。
昔は日の出る東が月の沈む西より上と考えられていたから、内裏様を左に飾っ
た。したがって、大臣も左大臣が上席となっている。
 (日本の年中行事百科 2 春 民具で見る日本人の暮らしQ/A P25
  監修 石井 宏實 河出書房新社 刊)
 
面白い話があります。太平洋戦争終了後、日本を占領した国際連合軍の中で、
いちばん偉かったダグラス・マッカーサー元帥が、「男雛は向かって右、女雛
は向かって左にしなさい!」と命令したそうです。アメリカやヨーロッパでは、
レディー・ファーストの考えがあるからだと思っていたのですが、ことの起こ
りはヨーロッパで、騎士が戦うときには右手に剣を持ち、左手で婦人を抱える
ことから、左優先になったそうです。
 
 
 
最後に、「春一番」は立春後に初めて吹く強い南風ですが、春分まで、という
期間限定のため、発生しない年もあるそうです。
 
1959年に民俗学者の宮本常一が「春一番」という言葉で、気象現象を解説
したことから、新聞などで使われるようになったそうです。その後、広く一般
でも使用されるようになり、今では気象用語になりました。
    (「昭和のこころ」 日本の年中行事 So-net ブログより)
 
ちなみに、関東地方で最も早かったのは昭和63年2月5日でしたが、令和3
年は2月4日に吹き、記録更新となりました。最も晩かったのは昭和47年3
月20日だそうです。
 
 
   (次回は「雛祭りですね(2)」についてお話しましょう)
 
 
 
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話 
情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本 紀元 著」をもとに編集、
制作したものです】

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[5]常識に関する問題(1) 

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第33号
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★★入試問題を分析する★★
 [5] 常識に関する問題(1) 
 
文字通り、常識の分野です。
しかし、単なる知識ではなく、情操教育の領域から思慮分別まで入っています。
仲間分け、郵便屋さんとポストを結びつける職業に関するもの、道具や日用品
の名称と用途、季節と行事、公衆道徳やしつけ、むかし話や名作物語の一部が
描かれた絵を見て説明するものなどがあります。
 
 
[仲間分け]
 
動物や昆虫、木や花、野菜や果物、乗り物、季節、文房具などの仲間を探す、
逆に仲間ではないものを見つける問題です。常識の問題だけではありませんが、
単に仲間に〇や仲間ではないものに×をつけ、「満点! 次に行きましょう!」
では、あまり有効な学習とはいえません。○や×をつけた理由を、自分の言葉
できちんと説明できるか確かめましょう。幼児の学習で大切なのは、自分の考
えを話せることです。つたない説明でもきちんと聞いてあげ、おかしなところ
は直してあげましょう。
                                      
こういった問題がありました。
 ◆(かき・くり・ぶどう・なし・すいかの絵が描いてある)
   かき・くり・ぶどう・なし・すいかの中で、仲間ではないものに×をつ
   けなさい。   
 
皆さん方は、何に×をつけるでしょうか。 聞き手に徹してみると、子どもた
ちは、実に、ユニークな発想の持ち主であることがわかります。
 
「すいかに×です。すいかは野菜で、他は果物です」
常識的な模範回答です。
 
「すいかです。他のくだものは木になるけど、すいかは、地面になります」
すいか畑を見た経験があるのでしょう。
 
「すいかは、夏に食べますが、他は秋ですから、すいかに×です」
季節に違いを見つけましたが、季節感が希薄になっている中で偉いですね!
 
「すいかです。他は皮をむいて食べます」
またしても、すいかですが、食べ方の違いを見つけました。
 
「くりです。イガイガに入っていますから、手で触れません」
この子は、くり拾いに行ったことありますね、体験談です。
 
「くりです。そのままでは食べられません」              
いいですね、くりご飯が好きなのでしょう。もしかしたら、生のくりをかじっ
たことがあるもかもしれません。
 
「ぶどうです。他は1個、2個と数えるけど、ぶどうは、そういうふうに数え
ません」
これも、いいですね、一房などといえなくても正解です。ぶどうの実は、1個、
2個・1粒、2粒と数えますが、全体を捉えて数えるときは、バナナと同様1
房、2房です。       
 
「くりです。種がありません」
ぶどうやすいかにも種のないものがありますが、これも正解ですね。
 
「かきとくりです」
「……?」
「『さるかに合戦』には、かきとくりが出てくるけど、むかし話に、他のもの
出てくるかな?」
さて、こうなるとわかりませんが、ぶどうとなしの出てくる話は、思い浮かび
ません。  
すいかはあります。老人が、意地悪をした商人から魔法を使い、すいかを取り
上げてしまう話で、今昔物語にも出ています。しかし、いいですね、発想がユ
ニークで。むかし話をたくさん読んでもらっているのではないでしょうか。
 
いかがでしょうか。子どもたちは、こんなにたくさんの違いを見つけました。
これはたいへんな学習になっています。子どもの観察力や発想は、大人と違う
ことがよくおわかりいただけたと思います。繰り返しますが、×をつけて終わ
りでは効果的な学習とはいえません。子どもの考えに耳を傾け、そして最後に、
「果物と野菜」「季節の違い」など設問の意図に従い、正解に導いてあげまし
ょう。
 
自転車とオートバイの違いを話す問題で、とことん答えが途絶えるまで、発表
させたときのことです。
「仮面ライダーは、オートバイに乗るけど、自転車には乗らない」といったお
子さんがいました。その子は、「仮面ライダーは、オートバイに乗り、かっこ
よく出てくるけれど、自転車に乗って出てこない」といいたかったのです。そ
の日は、授業参観でしたから、お母さんは、赤面してうつむいてしまいました。
とかく私たち大人は、構造や原理の違いや用途などから考えますが、こういっ
た考えのできるのが子どもなのです。もちろん、エンジンと人力で走らせる違
いに導きますが、なぜ、そういった考えが出てくるのか、子どもに聞いてみる
と、実に傑作な答えが出るものです。その答えに妥当性があれば、そういう考
え方もあると認め、しかし、「この問題の本当の目的は」と順を追って話をす
れば、子どもたちは納得し、授業にのめり込んできます。
なぜでしょうか……。
それは、自分の考えを認めてもらえたからです。うつむいてしまったお母さん
と違い、お子さんは積極的に授業に参加し、楽しんでいました。
「お子さんの話に耳を傾けてください」とお願いしておきましょう。
 
このように、幼児の知識は、似ているところや違うところを見つけることから
始まります。物事の「類似差異」に気づかせることです。しかし、これを大人
が机の上だけで教えこむのは、お勧めできません。五感を働かせ、自分で学習
することが大切なのです。教え込まれることは、記憶に頼りますから忘れがち
です。五感で体験したことは、何かの思い出と一緒に身体が覚えますから、忘
れにくいのです。記憶は脳神経系の仕事で、忘れることも仕事ですが、体験は
中枢神経系の仕事で、一度覚えると体が忘れないそうです。英単語は使わない
と忘れがちですが、一度自転車に乗れるようになると、しばらく乗らなくても
すぐに乗れるようになる、この違いだそうです。「幼児期には、五感に刺激を
与える自然と接する機会をたくさん作り、話をはずませ、楽しい思い出を残し
てあげましょう」という理由は、ここにあるわけです。
 
 
 
[季節と行事に関する問題]
 
四季を代表する花や行事、春であれば、桜、たんぽぽ、チューリップ、おひな
さま、入学式、鯉のぼり、柏餅などを結びつけたり、年間の主な行事を1月か
ら12月まで絵カードで並べたりする問題です。暦の上では立春から春ですが、
幼児の世界では、春は3月、4月、5月、夏は6月、7月、8月、秋は9月、
10月、11月、冬は12月、1月、2月で教えてあげましょう。
 
変な話を聞きました。
「1月は正月・門松・たこ上げ・羽子板、二月は節分・豆まき・柊・いわしの
頭・鬼……」 
試験に出るから憶えるそうです。しかし、季節折々の行事は、知識として覚え
るものではなく、家族そろって楽しむものです。楽しんでいれば、覚えようと
しなくても、思い出と一緒に記憶されるものです。 記憶だけに頼ろうとする
と、「勉強、イコール記憶」となり、次第に苦痛になるのではないでしょうか。
学生時代に覚えた英単語、あんなに苦労したのに、どこへ消えてしまったのか
と、しゃくにさわりませんか。それでも、皆さんは目的を持って覚えたのです
から、苦痛にも耐えられたわけでしょう。
子どもたちには、「受験のため」といった自覚はないはずですから、やっかい
なのです。       
 
そうはいっても、現代の子どもは、正月に、羽根つき、たこ上げ、カルタ取り、
すごろくなどをやっているでしょうか。  
節分に豆まきをして、いわしを食べているでしょうか。 
女の子のいない家で、ぼんぼり、ひし餅、わかるでしょうか。
端午の節句に菖蒲湯に入る子も、少ないでしょう。
七夕は、幼稚園での年中行事で済ませていないでしょうか。
迎え火、送り火、精霊流し、なかなかやらないでしょうね。
中秋の名月を、すすきとだんごをお供えして、眺めているでしょうか。
大晦日に年越しそばを食べているでしょうか。
そばより、ラーメンやスパゲッティかもしれません。
「……でしょうか」ばかりで、何やら、落ち込みそうです。季節折々の行事を
祝わってあげたいですね。
 
このような年中行事は、自然への感謝と家族の幸せを願い、とりわけ、子ども
の健やかな成長を祝う、一つの節目になっています。
 
たとえば、端午の節句、この言葉も「子どもの日」といわなければ、通じない
でしょうが、なぜ、鯉のぼりを飾るのでしょう。なぜ、くじらやさめのぼりで
は、駄目なのでしょうか。くじらは大きく、さめは見るからに強そうですが、
代役を務めることはできません。鯉は、非常に生命力が強い魚ですから、鯉の
ように強くて、たくましい子に育ってほしいという親の願いがこめられている
のです。五月晴れの空に、雄大に泳ぐ鯉のぼりの姿、あまり見かけなくなりま
した。
 
こういった行事は、いってみれば「家庭の文化」ではないでしょうか。家庭の
文化は、ご両親が作るものです。子どもは、ご両親の作った文化の中で育って
いきます。ご両親が、季節折々の行事の意味を子どもに教え、一緒に祝い、楽
しい思い出として心に残してあげる。そのお祝いが、思い出が、子どもの情操
を培っていくのではないでしょうか。団地やマンションのベランダに、小さな
鯉のぼりが泳いでいると、「頑張っているな!」と声をかけたくなります。
 
小学校の入学試験に出るからといって、問題集で教え込み、ましてや記憶させ
るなどは、本末転倒な話です。なぜ、こういった問題が出るのでしょうか。学
校側も、知識として知っているかではなく、家庭の文化を見ていると思います。
 
季節折々の行事を楽しんでいれば、問題集は、チェックシートの役割をはたし、
知識の整理になります。幼児の学習は、知識を詰め込むのではなく、たくさん
の経験を積ませ、そこから得た知識、知恵であることが大切です。
 
当教育研究所で配信していますメールマガジン「さわやかお受験のススメ 保
護者編 情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」では、季節折々の行事の由
来を説明し、それに関係のある昔話を紹介していますので、お読みになってい
ただければ幸いです。
 
   (次回は、常識の問題(2)についてお話しましょう)
 

 


さわやかお受験のススメ<保護者編>第4章 二月に読んであげたい本(2)

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2022さわやかお受験のススメ<保護者編>
       ~紀元じぃの子育て春秋~
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
          -第15号-
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第4章 二月に読んであげたい本(2)
 
 
また目玉ですが、これも面白い話です。
 
◆鬼の目玉◆   松谷 みよ子 著
 娘が旅の途中で泊めてもらった家には、若者が一人で住んでいました。毎朝、
若者は奥の部屋に出かけ、夜になると疲れはてて戻ってきます。若者のお父さ
んが豪傑で、悪さをする鬼の目玉をくりぬき取り上げたのです。お父さんが亡
くなると鬼が目玉を取り返しにきて、毎日、責め立てていたのでした。
 ある日、娘は若者の後をつけ、拷問の場面を見たのです。鬼の大将らしき者
が、わめく顔を見ると目がありません。娘が酷い仕打ちを受ける理由を聞いて
も若者は答えず、退屈だろうから、13ある部屋で遊びなさいという。ただし
「最後の部屋へは入ってはいけない」といわれたのでした。  
 娘が最初の部屋を開けると、門松や鏡もちが飾ってある正月の部屋で、小人
さんたちが、羽根つきやカルタをして遊んでいるのです。娘も中に入ってみる
と、小人さんと同じように小さくなり一緒に遊べるのでした。次の部屋は梅が
咲きうぐいすが鳴き、次の部屋はおひなさまが飾ってあるというように、1月
から12月までの部屋があったのです。楽しかったので、最後の部屋にも入る
と、真っ暗な部屋に桶があり、何かが浮かんでいました。
 鬼の目玉だとわかった娘は懐に入れ、帰る途中、小川の側で蛇と出会い、び
っくりして、1個、落としてしまうのです。残った1個を持って、お仕置き部
屋に飛び込むと、大将の片目に、眼が入っているではありませんか。恐る恐る
目を差し出すと、「眼がそろったから、褒美として娘に金の鶏をやれ」と、い
ったかと思うと、鬼も若者も、部屋も家も、あっという間に消えてしまい、娘
は、がい骨がゴロゴロと転がっている山の中に、一人残されていたのでした。        
  日本むかしばなし 7 
   おにとやまんば 民話の研究会 編 松本 修一 絵  ポプラ社刊
 
 
 
次は笑わせられる話です。
 
◆節分の鬼◆   小沢 重雄 著 
 変わったじいさまがいて、節分の日に、女房も子どももいないから、鬼が来
ても平気だと、「鬼は内!福は外!」とやってみたのです。すると、豆をぶつ
けられて往生しているのに、奇特な方がいるものだと、2匹の鬼がやってきた
ではありませんか。酒の好きなじいさまは、鬼達にもすすめ、宴会が始まりま
す。ご馳走になった鬼達は、礼をしたいといいます。じいさまは、丁半博打
(ばくち)が大好きなので、さいころに化けてくれと頼みます。さっそく鬼は
化けます。それで、博打をするのですから、じいさまのいうとおりの目が出て
大もうけをしました。再び宴会に、今度は泡銭をたくさん持っていますから、
豪勢なものです。これに味をしめたじいさまは、来年も来てくれと約束をしま
す。しかし、次の年も、その次の年も、鬼は現れません。その内、じいさまは、
酒を飲みすぎて死んでしまいました。
 博打好きでしたから地獄行きです。そこで、あの鬼達と再会します。鬼達は
娑婆(しゃば)のお礼にと、いろいろと手抜きをします。釜ゆで地獄のときは、
湯かげんに手心を加え、熱かんまでつけるサービスをするのです。怒った閻魔
大王が、「じじいを喰っちまえ!」と鬼達に命じますが、これも手抜きをして
もらい、娑婆に舞い戻り、長生きをしたのでした。
  日本むかしばなし 7
    おにとやまんば 民話の研究会 編 松本修一 絵  ポプラ社刊
 
どうしたら、こういう発想が生まれるのでしょうか。
この2匹の鬼には人情があって、それだけにおかしいのです。針の山に登ると
きは鉄の下駄を用意するなど、地獄の責め苦を、鬼が手抜きする場面は、本当
に笑わされます。しかし、鬼に人情って変ですね。「鬼の目にも涙」といいま
すから、涙腺を緩めるセンサーが付いているのでしょう。鬼の情けで「鬼情」
では、何やら不気味な感じがしますね。
 
 
 
この話もおかしいのです。今度は鬼が、博打をする話です。
 
◆地蔵浄土◆   おざわ としお 再話
 ある日、おじいさんが、食べようとしただんごを落とし、ネズミの穴に入っ
てしまいました。おじいさんが、穴に入っていくと、お地蔵さまがいたので尋
ねたところ、「あっちの方に転がって行ったぞ」というその口元には、黄粉が
ついています。おかしいなと思いながらも、探しに行こうとすると、お地蔵さ
まが、大儲けをさせてあげるから、天井裏に隠れなさいというのでした。鬼達
が来てかけ事をするから、その金をいただくのだという。しかし、天井に上る
はしごがありません。すると、お地蔵さまは、私の手に乗り、肩に足をかけ、
届かなければ、頭にのって天井裏に隠れなさいというのです。罰が当たると尻
込みしますが、鬼達が来ると驚かされ、渋々、隠れます。そして、「私が合図
をしたら、鶏の鳴声をまねしなさい」といったのです。
 やがて、鬼達が来て、かけ事を始め、お金がたくさん出たところで、お地蔵
さまから合図があり、「コケコッコー」と鳴きまねをすると、鬼どもは一番鶏
が鳴いたと勘違いして、「夜明けが近いぞ!」とあせってばくちをし、2回目
には二番鶏が、3回目には、「三番鶏が鳴いた。夜明けじゃ、帰るぞ!」といい、
お金を残したまま消えてしまいました。おじいさんは、鬼達が残していったお
金をいただいて大金持ちになったのです。    
 それを聞いた隣の欲の深いじいさん、一儲けしようと出かけ、遠慮しないで、
お地蔵さまの体に足をかけて天井に上がってしまいます。ところがです。三番
鳥まで鳴くようにといわれましたが、何を勘違いしたのか、お地蔵さまの合図
に、「コケコッコー」と鳴きまねをせずに、「はぁ、一番鳥!」、「はぁ、二
番鳥!」といってしまうのです。「この間、おれたちをだました奴だな!」と、
鬼たちから散々、痛めつけられ、血だらけになって帰っていったのでした。        
  日本の昔話 2
   したきりすずめ おざわ としお 再話 音羽 末吉 画 講談社刊 
 
天井裏に上がるときの、お地蔵さまと正直なじいさまとのやり取りが、おかし
いのです。欲深じいさんが天井に上がるときも、仏さまを仏さまと思わないふ
てぶてしさが、これまた愉快で、日本人の信仰心をあからさまにしているよう
な気さえします。
お地蔵さまは、本当はお釈迦さまがいなくなった後、弥勒仏が出現するまでの
間をつなぐ役をする偉い菩薩さまですが、いつも庶民の身近にいる仏さまです。
粋なのです、このお地蔵さまは。
こういう話を作った人って、尊敬できますね。生きることを楽しんでいるでは
ありませんか。お地蔵さままで、舞台に上げるのですから大胆なものです。し
かもです、お地蔵さまに、うそをつかせるのですから、傑作ではありませんか。
まねをした欲の深いじいさんが、こらしめられるのも、むかし話の定石です。
 
 
 
最後は鬼をたぶらかす話で、恐い鬼が相手ですから勇気がいります。
秋の話ですが、鬼の話ですのでここで紹介しましょう。
 
◆じいさまとおに◆   水谷 章三 著
 ある秋のことです。
 おじいさんのところへ鬼が来て、畑にできているものを半分よこせという。
そこでおじいさんは、「畑の上のものだけもらうから、鬼さんには土の中のも
のをあげましょう」といって、麦畑の麦を全部、刈り取って株だけ残します。
計られたと知った鬼は、次の年の秋には「土の上にできているものを、わしが
もらうぞ」というので、おじいさんは「下の半分で結構です」と承知し、鬼が
葉っぱを刈り取った後で、大根や芋をごっそりと掘り出したという話です。
 五月のはなし
 ももたろう 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修 日本民話の会編 国土社刊 
 
大らかな話ではありませんか。鬼を手玉に取り、恐い鬼もかたなしです。鬼は
悪魔と考えられ、病気や災いを起こす疫病神のような存在でしたから、人々の
「恨み、つらみ」は相当なものであったと思われます。おじいさんの気持ちが、
手に取るようにわかりますね。
 
 
ここでは取り上げませんでしたが、浜田廣介の「泣いた赤鬼」は、童話とはい
え日本以外に、鬼を人間らしく扱った作品はあるのでしょうか。最後の青鬼く
んの置手紙には、涙がこぼれてきます。お子さんはどのような反応を示すでし
ょうか。
 
  赤鬼くん、人間たちと仲良くして、楽しく暮らしてください。もし、僕が、
  このまま君と付き合っていると、君も悪い鬼だと思われるかもしれません。
  それで、ぼくは、旅に出るけれども、いつまでも君を忘れません。さよう
  なら、体を大事にしてください。僕はどこまでも君の友だちです。
       (「泣いた赤鬼」浜田康介 著 小学館文庫 小学館刊)
 
(次回は、「第五章 雛祭りとお彼岸ですね 弥生」についてお話しましょう)
 
 
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話 
情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本 紀元 著」をもとに編集、
制作したものです】

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★ [4] 数量に関する問題(3)

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第32号
  現年中児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試問題を分析する★★ 
 
  [4] 数量に関する問題(3)
 
     
[量の問題]
 
辞書を引くと「計って決められる、かさ、容積、軽重、大小、多少等」(「岩
波国語辞典」より)とありますが、これに、ひもや鉛筆、国旗を掲揚するポー
ルなどの長短を加えれば、入試に対応できるでしょう。
 
また、実験です。
 
同じ形をした容量も同じコップを2個用意し、ジュースを片方に少し多めに入
れておき、「多い方、飲んでも、いいですよ」といったとき、サッと多い方に
手が出れば、量に関する理解力も順調に発育しています。数と同じように、直
感で見分けられることが大切です。「直感力は、経験を積み重ねて培われる力」
であることを忘れないでください。
 
こういった問題があります。
 
(形も、大きさも、高さも、底面積も違うコップが3つ並んでいて、それぞ
 れに、水が入っている絵がある)
  ◆水が、一番たくさん入っているコップに〇を、一番少ないコップに×を
   つけなさい。
 
これは難しいですね。
ほとんどの子ども達が、たくさん入っているように見える底面積の狭い、細長
い背の高い形のコップに〇をつけ、少ししか入っていないように見える底面積
の広い、横幅の広いコップに×をつけがちです。かさのある方が、たくさん入
っているように見えるからですが、これも実験するしかありません。
 
上の条件に合った3つのコップと同じ形のコップ3個、お茶など色のついてい
る水を用意し、同じ形のコップ3つに同じ量だけ水を入れ、入っている水の量
は同じことを確かめさせてから、条件の違うコップに、それぞれ入れ替えてみ
ます。
 
底面積の広いコップと狭いコップとでは、明らかな差がでますが、入っている
水の量は全部、同じです。
 「不思議だな、お母さん。どうして、こうなるの?」
底面積が広いほどたくさん水が入る、容量も大きくなることを説明してあげま
しょう。
これは「量の保存」といって、見た目は変わっていても、元々の量は保存され
ているからですが、「数の保存」と同様、言葉を教えることはありません。
 
このような問題もあります。
 
(3つのコップの中に、大きさの違う丸いガラス玉が、1つずつ入ってい
 て、コップの水の量は、みんな一緒になっている絵が描いてある)
  ◆この中で一番たくさん水が入っているコップに〇、一番少ないコップ
   に×をつけなさい。
 
これなどは、子どもは見ているはずです、おふろに入ったときです。
 「お父さんが入ると、どうして、お湯があふれるのかな?」
 「……かな?」というアンテナを張っている子は、すぐわかります。
 
量も直感で多少を判断し、難しい問題は、必ず、実験で確かめることです。
これが、小学校へ入ると、リットル、デシリットルと正確に量を計る勉強に進
んでいくわけです。
 
ボールなどの大小、ひもなどの長短、旗を立てたポールの高低も同じです。や
はり、見た感じ、直感力で判断できることが大切です。
その違いを見極める力が、センチメートル、メートル、キロメートルと、正確
に長さを計る勉強に、軽重は、グラム、キログラムと量を正確に計る勉強につ
ながっていくわけです。
 
 
 
[重さ比べ]
 
しかし、軽重、重さ比べは、直感で判断するのは難しいでしょう。
しかも、問題集だけで教えると、幼い推理力では、混乱しがちですから無理は
禁物です。
 
こういった問題です。
 
(パンダとくまとうさぎが、シーソーにのっている絵があり、パンダとく
 まではパンダの方が下がり、くまとうさぎではくまの方が下がっている) 
  ◆一番重い動物に〇、一番軽い動物に△をつけなさい。
 
重さ比べの定番的な問題です。
「パンダとくまではパンダが重く、くまとうさぎでは、くまの方が重い。故に、
 パンダが一番重くて、うさぎが一番軽い」と説明しても無理でしょうね。
 
まず、3つの重さの違うものを手に持って、重さの順番に並べてみます。
できれば、天びんばかりを作り、手で持って判断したものと、合っているかど
うかを確かめるとわかりやすいはずです。
 
  AとBを比べるとAが重い。 A>B
  BとCを比べるとBの方が重い。 B>C
  ここでAが一番重くて、Cが一番軽いことがわかります。 A>B>C
 
しかし、BとCを比べてCの方が重かったら、AとCを比べて決着をつけます
から、これが面倒です。
さらに、比べる物が4つ、5つと増えてくると、難しくなります。
1つ1つ、順番に比べて、納得できるまで、根気よくやることです。
 
その納得させる方法ですが、軽重を勝ち負けに置き換えると、子どもは興味を
示します。
パンダとくまではパンダが重いからパンダの勝ちで○、くまは●。
くまとうさぎでは、くまの方が重いからくまの勝ちで○、うさぎは●。 
最後に、パンダとうさぎは、パンダの勝ちで○、うさぎは●。
結果は、パンダは○○で2勝、くまは○●で1勝1敗、うさぎは●●で2敗。
好奇心を刺激してあげる、遊びの中での学習ですね。
 
おもしろい子がいました。
パンダ、コアラ、リスの3匹が重さ比べをする問題です。
「パンダが2回下がって、リスが2回上がっているから、パンダが一番重く
 て、リスが一番軽いのです」
 
お母さんに教わったそうです。理屈はそうですが、こういう教え方は、どうで
しょうか。シーソーの上がり下がりだけ見て判断するのは、直感力ではなく、
受験用のテクニックですね。
 
 「そうか、こうだな! こういうこともいえるぞ!」
 
1つ1つ比べ、試行錯誤を積み重ねて、自分で見つけたのであれば問題ありま
せん。考える力もつき、考える楽しさも学習しているからです。出発点で楽を
すると、応用力は身につきませんし、小さいときから、簡単に答えだけを見つ
ける訓練は、やるべきではありません。
 
簡単な問題から難しい問題へ、ステップをきちんと踏んでいくことが大切です。
そして、正解であれば○を付け、それで終わらせずに、比較する段階を言葉で
いえるようにしておきましょう。言葉で表現できる、これは、とても大切なこ
とです。きちんと理解できていれば、説明も適切なはずですから、発表力も身
についてきますし、それが個別テストや行動観察のテストに対応できる力を身
につけることにもなっているからです。
 
 
 
[空間の問題]
 
図形は、[6]の構成力で触れることにして、最後に、空間について説明しま
しょう。
これも難しいです。
 
上下、左右、前後の関係です。 
前後は、幼稚園でも整列することで学んでいますから、わからない子は、あま
りいないようです。  
こんな問題があります。
 
(各階に5つずつ部屋がある5階建てのマンションが描かれている)
  ◆キリンさんは、三階の左から三番目のお部屋です。キリンさんのお部
   屋に○をかきましょう。
 
子ども達には、上下は何とかなるのですが、左右が難しいですね。
年長になっても、左右の区別のおぼつかない子が、かなりいます。
左の薬指にピンクのリボンつけていた女の子がいました。
 「先生、こっちが左ですよね!」
かわいいではありませんか。お母さんの工夫した、やさしい気遣いが伝わって
きます。
 
左右の確認がきちんとできてから、問題集に取り組みましょう。
基本的な準備をせずに、プリントだけで「左から……、上から……」とやると
混乱しがちなのです。
 
  □□□□□   こういった図を描いて、一番下、下から2番目(上から
  □□■□□   2番目)、一番上、左から(右から)何番目、左端、
  □□□□□   右端を確かめましょう。
 
少し難しいかもしれませんが、下の図のように、■を中心に左右、上下、左斜
め上、左斜め下、右斜め上、右斜め下を確認しておきましょう。  
 
   □□□
   □■□
   □□□
 
幼児の学習は、生活と結びついていると、スムーズに対応できるものです。
生活に必要なものであれば、喜んで挑戦するはずです。お手伝いをさせながら、
学習できることがあります。
たとえば、お子さん用の整理ダンスを利用して、たたんだ洗濯物を入れさせま
しょう。
「ハンカチは、一番上の左から二番目に、シャツは、上から三番目の右端にし
まってください」
女の子であれば、お母さんの手伝いをしながら整理の仕方を学ぶこともできま
す。
 
まだあります。毎日、幼稚園へ行くときに握手をしましょう。
 「右手で握手!」といって、さっと右手を出してみましょう。
お子さんも右手でなくては握手できません。
間違えたときに、こっちが右手であると学習できます。
今日は右手なら、明日は左手と続ければ、いつのまにか習慣になります。
 「サユウベンベツ(左右弁別)?」
大人でも首を傾げるような言葉を使っていると、混乱するだけでしょう。
 
幼児の学習は、生活の中で、楽しみながら身につけていくことが大切です。
 
   
(次回は「常識の問題」についてお話しましょう)

 


さわやかお受験のススメ<保護者編>建国記念の日と2月に読んであげたい本(1)

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2022さわやかお受験のススメ<保護者編>
       ~紀元じぃの子育て春秋~
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
          -第14号-
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建国記念の日と2月に読んであげたい本(1)
 
2月14日はバレンタインデー。「バレンタイン」は、3世紀頃にローマで殉
教したキリスト教徒の英語名、イタリア語では「ヴァレンティーノ」。当時の
皇帝は、兵士の戦意に影響があると考え若者の結婚を禁止。哀れに思ったバレ
ンタインは、ひそかに結婚させていたのが皇帝の知るところとなり処刑された
日が2月14日、殉教の日がバレンタインデー。チョコレートを贈る習慣は、
イギリスのチョコレート会社カドリバ社がギフト用のチョコレートボックスを
製造し広めたもの。日本では1970年頃より広まった。(言語由来辞典より
要約)
現代では贈る相手も多様化。これからどんな「○○チョコ」という言葉ができ
るのでしょうか。
 
 
★★建国記念の日★★
 
2月11日は、建国記念の日です。昭和24年(1967)2月11日から、
「建国をしのび、国を愛する心を養う日」として祝日に定められたものです。
しかし、建国記念の日は昭和生まれではなく、明治6年に紀元節として誕生し
ました。紀元節は、日本書紀に記されている、神武天皇が即位され、日本の国
が始まった日と定めた祝日でした。その根拠は、日本書紀第三巻・神武天皇の
項に、以下のようにあります。
 
 「辛酉年春正月庚辰朔、天皇即帝位於橿原宮、是歳為天皇元年」
辛酉(かのとり)の年の庚辰(かのえたつ)朔(ついたち)、一月一日、    
天皇は橿原宮にご即位になった。この日を天皇の元年とする。
 
これを根拠として、紀元節は誕生しました。しかし、昭和23年に、紀元節が
戦争の原因になった国家主義や軍国主義を象徴する祝日であったことや、日本
の誕生した日はいつであるか、歴史的な根拠が明白でないことなどから廃止さ
れ、その後、さまざまな論争が続き,紆余曲折を経て、やっと「の」の一字を
入れることで「建国記念の日」ができたわけです。
 
紀元節の根拠は日本書紀にあるとお話ししましたが、果たして正しいのでしょ
うか。暦のことなど研究したことのない方でも、秘密を解くポイントは、「辛
酉(年春正月)・庚辰・朔」にあるではと思われることでしょう。
 
暦学的に検証すると、その根拠は立証されているのですから驚きです。「年中
行事を科学する」(永田久 著 日本経済新聞社 刊 P54~65)には、
「辛酉・庚辰・朔」について、西暦紀元前660年は辛酉年、2月11日の干
支は庚辰、月齢はゼロであり、現在、建国記念の日となっている2月11日は、
「日本国は神武天皇の即位をもって建国とする」との日本書紀の記述と一致す
ることが証明されています。西暦紀元前660年といってもピンと来ないかも
しれませんが、弥生時代です。
 
この記述は記述として、実際の歴史という観点からはどうでしょう。
 
日本は、もっとも短く見積もっても二千年ぐらいまで遡ることができます。世
界で二番目に長い国はデンマークで一千数十年、次がイギリスで九百四十年余
り、アメリカ、フランスは二百年そこそこ、中国はたった六十四年。「四千年
の歴史」なんて大嘘ですからね(笑)。
(著者インタビュー 武田恒泰 著 「日本人はいつ日本が好きになったのか」
 月刊雑誌 WiLL12月号(2013年)P144 ワックス出版社 刊)
 
なんと、世界最古の歴史を持つのが日本なんです。
驚きですね。
日本人が大切に守ってきた様々な文化を学び、子ども達にきちんと伝えていく
ことは、世界最古の歴史を持つ日本人としての役割ではないでしょうか。
 
 
★★2月に読んであげたい本(1)★★  
 
鬼に関する話はたくさんあります。代表作は「桃太郎」「こぶとり爺さん」で
すが、これはお染みの話ですから紹介するのは遠慮しておきましょう。子ども
に聞かせる話ですから、恐怖感をあおるようなものはあまりありません。節分
ですから、やはり豆まきの話からにしましょう。
 
 
◆豆をいるわけ◆   谷 真介 著
 
むかし、まだ鬼があちこちの山奥に住んでいた頃の話です。その年は、春から
日照り続きで、稲は枯れだしました。心配した庄屋さんが、「雨を降らしてく
れたら、一人娘のお福を嫁にやってもよい」と言ったその声を山奥の鬼が聞き、
大雨を降らせたのです。約束を迫られ嫁がせますが、その時、お母さんが知恵
を働かせます。「道に落としながら行きなさい」と菜の花の種を渡しました。
それを足元に落としながら、鬼に連れられて行くのでした。
翌年の春、菜の花は咲き、それを道標(みちしるべ)に娘は家に帰れたのです。
取り返しにきた鬼にお母さんは、「酒ばかり飲んでいる者にお福はやれぬ!」
と迫り、「もう、飲まん!」と約束をした鬼に、戸のすき間からいった豆を投
げ、「その豆を植えて花を咲かせてみろ。その花を持ってきたら、お福をやる
!」と言ったのです。何年も続けましたが、咲くわけがありません。鬼も次第
に豆を見るのが嫌になり、お福の家にも来なくなりました。この話を聞いた村
の人達は鬼が来ないように、いった豆を家の周りにまくようになったのです。
これが二月三日、節分の豆まきの始まりだそうです。
          日づけのあるお話 365日            
              二月のむかし話 谷 真介 編著 金の星 刊
 
節分の豆まきは、「いった豆」がキーワードのようです。童話の名作「ヘンゼ
ルとグレーテル」の著者はグリム兄弟ですが、ドイツ人です。菜の花の種をま
く作戦と小石とパンのかけらを目印にした共通の作戦は、面白いではありませ
んか。世界中の童話や昔話を読んでいて、話の筋や仕掛け、舞台装置が、そっ
くりなものに出会うとうれしくなります。その話がほほ笑ましいとなおさらで
す。
 
イギリスの民話にも日本の昔話とそっくりなものがあります。「トム・テイッ
ト・トット」の翻訳ともいわれているそうです。日本の題名は「鬼六」といい
ますが、文句なく面白い話です。
 
 
◆鬼 六◆
 
むかし、ある所に、大きくて流れの速い河がありました。その河へ橋を架けて
ほしいと頼まれ、やってきた名人は、一目で難しい仕事とわかり頭を抱えます。
すると、河の中から大きな鬼の首だけが現われ、「橋を架けてあげるから、お
礼にあなたの目玉をくれないか!」
と言ったのです。困りはてていた大工さんは、約束をします。橋はできてほし
いが、できれば目玉をあげなくてはと、大工さんは一晩中、眠れません。    
翌朝、行ってみると、何と立派な橋が架かっているではありませんか。喜んだ
大工さんですが、鬼との約束を思い出し、肩を落とします。そこへ鬼が顔を出
し「目玉をよこせ」と言う。どうしたものかと考えていると、「明日の朝まで
に私の名前を当てたら、目玉はいらないよ!」と言って、また沈んでしまった
のでした。大工さんに鬼の名前がわかるはずもありません。途方に暮れて歩い
ていると、山奥に入いりこんでしまい、引き返そうとしたその時に歌が聞こえ
てきたのです。木陰からのぞくと、鬼の子ども達が歌っていました。
    ♪オニロク オニロク オニロクさん
     早く目玉をもってこい
     大工の目玉をもってこい
     橋のお礼をもってこい
     オニロク オニロク オニロクさん♪
大工さんは、それを聞いてほっとし、笑みを浮かべるのでした。   
翌朝、大工さんが河に行くと、顔を出した鬼は、名前のわかるはずがないと自
信満々です。
そこで大工さんは自信なさそうに、「河鬼!」、「橋鬼!」などと言って、鬼
を得意にさせておき、最後に大声で、「オニロクー!」と叫ぶと、鬼はブクブ
クと泡だけ残して消えてしまい、二度と姿を現しませんでした。
 (子どものための世界のお話
   福光えみ子 福知トシ 福井研介 大江多慈子 編 新福音社 刊)
 
それにしても、どうして鬼が人間の目玉を欲しがるのか、子どもに質問されそ
うですね。
 
 
世界中の民話や童話、昔話を読んでいると同じような話がたくさんあります。
ドイツには、この他に「こぶとりじいさん」とそっくりな話もあります。ノッ
クグラフトンの伝説「こぶとり」です。背中にこぶのあるラズモアという帽子
屋さんが、歌と踊りがたいへん上手だったので、また一緒に遊ぼうと、約束の
証拠に背中のこぶを預かるといって取られてしまいます。日本では相手は鬼で
したが、ドイツでは小人さんです。この話を聞いた歌も踊りも下手な、こぶの
ある青年が行くと、あまりにも下手なので、預かっていたこぶをもらってしま
うというところもそっくりです。グリムの作品にも「小人の贈り物」と題した
同じ話があります。肌の色が、言葉が、生活習慣が、宗教が違っても、人間、
考えることは皆、同じなのだと思うとうれしくなりますね。
 
(次回は、「2月に読んであげたい本(2)」についてお話しましょう)
 
 
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話 
情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本 紀元 著」をもとに編集、
制作したものです】

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★ [4] 数量に関する問題(2)

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第31号
  現年中児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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[相談会速報]
  【中止】中央線沿線 私立小学校合同相談会
       日時 2月14日(日) 明星小学校
  【中止】城北・埼玉・茨城地区 私立小学校合同相談会
       日時 2月21日(日) 聖学院小学校
       
上記の相談会はじめ、東京都私立小学校作品展「ほら、できたよ」、千葉県私
立小学校造形展の中止、各小学校のイベントも相次いで一般公開中止するなど、
学校を知るための機会が今年も少なくなりそうです。こまめに情報収集し、少
しでも多くの情報を集め、学校研究をすすめることが大切になってきます。
登下校の時刻に合わせ、学校の近くに行ってみるのも良いですね。
 
ところで、2月14日はバレンタインデー。3世紀頃のローマでは、戦士の戦
意に影響があると考えられ若者の結婚を禁止。それを哀れと思ったバレンタイ
ンは、密かに結婚をさせていたのが発覚し、処刑された日が2月14日。その
殉教の日がバレンタインデー。チョコレートを送る習慣の発祥地はイギリス。
日本では、1936年に神戸のモロゾフ洋菓子店が、1958年に新宿の伊勢
丹が「バレンタイン・セールス」のキャンペーンを行ったが、結果は今一。広
まったのは1970年頃からだそうです。(「言語由来辞典」より要約)
近年、贈る相手も様々で、自分に贈る割合が多いとか。多様化ですね。
 
★★入試問題を分析する★★
 
 [4] 数量に関する問題(2)  
 
[掛け算]
次は掛け算です。
「5人の子どもにリンゴを2つずつあげるには、いくつあればいいですか」
 
スケッチブックに○を5個書き、その下に○を2個ずつ書きます。
 
 子どもの数    〇  〇  〇  〇  〇 
 与えるリンゴの数 〇〇 〇〇 〇〇 〇〇 〇〇  合計10個
 
幼児は、[2×5=10]で解くのではなく、○を2個ずつ書き終えたところ
で○を数えて、リンゴ10個と答えがでます。
3個の場合は○を3個ずつ、4個の場合は4個ずつ書くわけです。
これが幼児の掛け算の解き方です。
 
[割り算]
次に2枚の皿を用意します。                    
「それじゃ、お母さんと同じ数に分けるには、どうしたら、いいの?」
18個のクッキーを、お母さんの皿、自分の皿と、1つずつ分ければ答えがで
ます。
「お母さん、9個ずつです」
「ピン、ポン! すごい! それじゃ、お父さんと3人で分けたら、いくつず
つになりますか」        
もう1枚皿が必要になりますが、分け方は同じで、3枚の皿に1個ずつ分けま
す。
「お母さん、6個ずつですね」
こうなります。
これをスケッチブックに書いて解いてみましょう。
 
 クッキーの数 〇〇 〇〇 〇〇 〇〇 〇〇 〇〇 〇〇 〇〇 〇〇
        〇  〇  〇  〇  〇  〇  〇  〇  〇 
合計9個
 
分ける時に 2人では2個、3人では3個、4人では4個ずつ減っていくこと
に気づかせます。
すると、2人で分ける時は2個ずつ、3人で分ける時は3個ずつ、4人で分け
る時は4個ずつ指で押さえ、1人分だけ○を書いていけば、答えの出ることが
わかります。
 
「12個あるクッキーを3人で分けると、1人いくつずつになりますか」
といった問題のときに、3個ずつ指で押さえながら、1人分だけ〇を書いてい
けば答えが出ます。
 
〇〇 〇〇〇 〇〇〇 〇〇〇
〇   〇   〇   〇
 
〇を4つ書いたところでクッキーはなくなるので、答えは4個であることがわ
かります。
幼児の割り算は、[12÷3=4] と答えが出るのではありません。
書いた○を数え、そこで「4個」と答えがわかるのです。
これが幼児の割り算の解き方です。
 
このように数の問題は、数字や記号を使い、加減乗除の四則算で解くわけでは
ありません。
直感で数の多少を見極め、次に一つ一つを対応させ正確な違いを理解し、そし
て掛け算、割り算の基本的な解き方を学ぶ、これが幼児の数の学習です。
       
さらに、10は1と9、2と8、1と2と7といった数の合成、分解がありま
すが、難易度の高い問題になると、20までの合成分解が理解できていないと
解けないものもあります。
10は1と9、2と8と、単に記憶させようとするより、おはじきなどを10
個用意し、実際に分けさせてみると、その仕組みがわかるものです。
家庭学習でもぜひ実践してみてください。
 
また、おはじきなどの具体物を使うと、難しいことも簡単に理解できます。
かつて、ある学校で「12個のミカンを何人で分けることができますか」とい
った問題がありました。
子ども達に挑戦させると、「2人、3人、4人、6人」と答え、12人で分け
られると答える子はほとんどいませんでしたが、おはじきを12個と皿を12
枚用意しておくと、1個ずつ分けることも理解できたものです。
この問題は、12の約数を見つけるのと同じですから、園児が、とんでもない
難しいことを、平然とやっているのには驚かされますね。もっとも子ども達は、
約数の何だかを理解しているわけではなく、出題の意図もそこにあるわけでは
ありません。
 
また、数字は抽象的なものです。
[5]と数字だけでは、幼児には何のことだかわかりません。 「リンゴが5」
となって、初めて、[5]という意味がわかるのです。その心は、リンゴが5
個、頭に描かれるからです。前にもお話しましたが、抽象化した○をリンゴに
置き換えると、物と数が一致し、具体的になるわけです。 
 
小学校の算数は、○を数字で表すことから始まり、数字を使った計算は、「合
わせて」「多少」「全部で」「分ける」といった言葉の代わりに[+-×÷]
の記号を使い加減乗除を習うわけです。
ですから、幼児には、数字や記号を使った計算は必要ありません。
大切なのは、数の概念、意味であり、計算の仕組みがわかることです。
数と接する機会は、日常生活の中にたくさんありますから上手に使いましょう。
少し注意をすれば、教材は周りにいくらでもあります。 
 
最後に、幼児特有の考え方を紹介しておきましょう。
幼児にメロン5個とイチゴ5個を比べさせると、メロンの方が多いと答えたり、
ばらばらに置かれたリンゴ5個と一ヶ所にまとめて置いたリンゴ5個では、ば
らばらに置かれたリンゴの方が多いと答えることがあります。
前者はメロンの大きさにこだわり、後者は広がって置かれたことに目を奪われ
たからですが、「ものは同じ数であれば、大きさが違っていても、一ヶ所にま
とめて置かれていても、どのような位置や方向にばらばらに置かれていても、
数は変わらない」ことを教えてあげましょう。
これを「数の保存」といいますが、言葉はご両親が知っていればよいことで、
お子さんに教える必要はありません。
 
 
  (次回は、「数量に関する問題(3)」についてお話しましょう)

 

 


さわやかお受験のススメ<保護者編>第4章 節分と建国記念の日でしょう 如月

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2022さわやかお受験のススメ<保護者編>
       ~紀元じぃの子育て春秋~
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
          -第13号-
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第4章 節分と建国記念の日でしょう  如 月   
 
物の本によると、如月(きさらぎ)のいわれは、二月は、まだ寒さが残り、衣
を更に重ね着する「衣更着」からとする説が一般的で、よく知られています。
また、草木の芽が張り出す月「草木張月」が転化したものや、旧暦二月には、
つばめがやって来るので「来更来」とする説もあるそうです。
 
 
★★節分って……?★★    
 
文字通り「節」を「分ける」ことで、「節」とは季節、四季のことですから、
季節の移り変わるときという意味です。
 
昔は月が地球を一周する時間をもとに作った暦、太陰暦を使っていました。今
は地球が太陽の周りを一回りする時間を一年とする暦、太陽暦です。その陰暦
で季節の区分、その変わり目を示す日を「節季」といい、立春から大寒まで二
十四あったので「二十四節気」といったのです。その中で、立春、立夏、立秋、
立冬は、それぞれ季節の移り変わるときを表した言葉で、季節がジワッと伝わ
ってくるような気がしますが、なかなか実感できません。立夏は5月6日頃、
立秋は8月8日頃、立冬は11月7日頃ですから、実態から1ヶ月程早く、実
感できないのも当然なのです。
 
この立春、立夏、立秋、立冬の前の日を「節分」といいます。
 
節分は、明日から季節が変わる前夜祭にあたります。2月の節分は、旧暦では
大晦日になります。数え年の場合、年が明ければ1つ年を取るため、豆も1つ
多く食べるということなのです。
 
それにしても、立春の前の日の節分だけが有名になりました。
 
 
 
★★なぜ、節分に豆をまくのですか★★           
 
いろいろな説があります。 
 
むかし、源義経が牛若丸時代に天狗を相手に腕を磨いたといわれた鞍馬山の奥
深くに、人々を苦しめる悪い鬼が住んでいました。ある時のこと、困っている
人々を救ってあげようと、戦いの神さま、毘沙門天(びしゃもんてん)が現わ
れ、七賢人を呼び、三石三斗の大豆で、鬼の目を打てと命令したのです。鬼は
悪魔と思われていましたから、その悪魔の目を打つことから「魔目」、すなわ
ち「豆」となったそうです。              
   
また、「魔」を「やっつける、滅ぼす」ことから、「魔滅(まめ)」に通じる
からだという話もあります。
 
ところで、「魔」という字は、鬼が麻の布を被り隠れていますね。漢字はよく
工夫されていて、成り立ちや字義を調べると面白いことがわかり、楽しいもの
です。
 
 
 
★★なぜ、豆を煎るのですか★★  
 
地方によって、いろいろな説がありますが、これから紹介する話と同じような
民話が、大分県の由布岳北麓にある塚原地方にもあり、石段ではなく塚を作る
約束で、面白いことに、その塚が60個あまり残っているそうです。
  (注 塚…一里塚など土を高く盛って距離を表す標識)
 
むかし佐渡島に、人民に害を与える鬼が住んでいた。神様が鬼退治にやってき
て鬼と賭けをした。「今夜のうちに金山に百段の石段を作ることができれば鬼
の勝ちにしよう」。鬼は夜更けのうちに九十九段まで石段を築いてしまったの
で、神様は一計を案じて鶏の鳴き真似をすると、鶏は一斉に「東天紅」と声をは
りあげた。鬼は朝になったと思い神様に降参したが、百段にもう一歩のところ
で負けたことを悔しがって「豆の芽の出る頃にまた来るぞ」といって退散した。
神様は豆の芽が出ないように人民に豆をいることを命じた。
 [年中行事を『科学』する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P35]
 
 
この話をお子さんにするときには気を付けてください。
「何で鶏が『東天紅』って鳴くの?」と聞かれるでしょう。
お子さんがわかるように説明してあげましょう。一緒に調べても良いですね。
 
 
 
★★なぜ、玄関に鰯の頭を刺した柊を飾ったのですか★★
 
豆まきをしない家が増えているようですから、柊や鰯の頭となると、「…!?」
変な目で見られるかもしれませんね。これもしめ縄と同じで、鬼や悪魔が入ら
ないようにした「おまじない」です。
 
鰯は、冬にたくさん獲れる魚です。昔、女と子どもを食べるカグハナという鬼
は、鰯を焼く煙がきらいで、他の鬼達も生の鰯の頭はくさいですから、いやが
ったそうです。
 
柊は、葉にとげがあり、触ると痛くて、ずきずきと痛みます。ズキズキと痛む
ことを「うずく」といいますが、この「うずく」ことを別の言い方で「ひいら
ぐ」といい、それで「柊」と呼ばれるようになったそうです。
 
また、柊のことを別名「鬼の目突き」といって、そのとげが鬼の目を刺すと信
じられ、玄関に飾る習慣は今でも残っています。
 
葉のとげで鬼の目を突く恐ろしい木のようですが、花を見ると印象が変わりま
す。とげのある葉の付け根に、匂いのよいかわいい白い小花が咲くからです。
 
ところで、鬼の嫌いなものは、鰯の臭いと柊とお日さまです。ドラキュラの嫌
いなものは、十字架とお日さまとにんにくです。お日さまと臭いの共通点はあ
りますが、宗教の出ないところが、神さまと仏さまが同居している日本的です
ね。
 
 
 
★★鬼のルーツは…?★★
 
陰陽五行説、聞きなれない言葉ですが、この古代中国の世界観の一つが鬼と深
い関係があります。
宇宙の万物を作り支配する二つの相反する性質をもつ気、陰と陽のことで、積
極的なものを陽、消極的なものを陰としたものだそうです。例えば、日、春、
奇数などは陽、月、秋、偶数などは陰と考えられていました。奇数が縁起のい
い数というのも、起源は陰陽五行説なのです。
 
節分の夜、新しい春を迎えるために、家の隅々から鬼を追い出すが、鬼とはも
ともと冬の寒気であり、疫病であった。すなわち「人に災いをもたらす。目に
見えない隠れたもの」が鬼であり「隠(おに)」と呼ばれていたのである。
 (「年中行事を科学する」 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P51)
 
「鬼」は目に見えないもの「「隠(おぬ)」が転じたもので、陰陽五行説の考
えから、今の鬼が定着しました。
 
ところで、なぜ鬼は、二本の角が生え、鋭い牙を持ち、虎の皮のパンツをはい
ているのでしょうか。陰陽五行説によると、北東方面を「鬼門」と呼び、忌み
嫌われる方角を表す言葉で、恐ろしい鬼は、北東の方角にいると考えられてい
ました。正月に紹介しました十二支では、北東は「丑寅」の方角にあたります。
「丑寅」は牛と虎のことですから、鬼は牛と虎のイメージを持たされ、絵本な
どで見る鬼は、牛のような角と虎のような鋭い牙を持たされ、虎の皮のパンツ
をはいている姿になったわけです。
 
鬼門は忌み嫌われる方角ですから、京都の北東にあたる比叡山延暦寺は、当時
の都であった平安京を守るための「鬼門ふさぎ」として建てられたのでした。
ちなみに、江戸城から鬼門にあたる上野には、徳川家の菩提寺である寛永寺が
あり、山号を東叡山といい、天下国家の平安を祈り務めるために建立されたも
のです。毎度のことですが、何事も訳ありなんですね。
 
この鬼を寄せ付けないために豆や鰯、柊を用いたのは、「追儺(ついな)」と
いう7世紀頃に中国から伝わったといわれている鬼を祓う宮中行事が、近世に
なって民間化されたらしく、疫病神や貧乏神のたぐいを祓うのが目的になった。
そのような意味なら現代にも鬼は存在している。鳥インフルエンザとか世界的
な不況など立派な鬼である。
 (2009年2月2日 東京新聞夕刊・文化欄「鬼は外」 司 修 著)
 
ところで、食べられた方も多いかと思いますが、節分に巻き寿司を食べる習慣
は、「福を巻き込む」「縁を切らない」などの意味があり、恵方に向かい、黙
って丸かじりするもので、主に関西で行われていましたが、最近で全国で行わ
れています。
 
恵方とは、「陰陽道に基づいて決められた縁起のよい方向」で、実は四方向し
かなく、西暦の下一桁で方向が分かります。そして、恵方巻として定着してい
る巻き寿司の中身は、もともとは七福神にあやかろうと、穴子、かんぴょう、
きゅうり、椎茸、玉子、おぼろ、高野豆腐など7種類の具を巻きました。包丁
で切らず、福を丸ごとかじって食べるのが定法で、江戸時代に行われていた大
阪の伝統習俗を復活させたものです。
 
最後に、豆まきの口上は「福は内、鬼は外」が定番ですが、そう言わない所も
あります。台東区にある「恐れ入谷の鬼子母神」(「おそれいりました」を冗
談めかし、しゃれて言う言葉)でおなじみの仏立山真源寺では、「福は内、悪
魔は外」と言いますが、これは人間の子どもを食べてしまう鬼神、鬼子母神を、
お釈迦さまが鬼神の子を隠し、子ども失う悲しみを諭されて仏教に帰依し、子
どもの守り神になった由来によるもので、成田山新勝寺では「福は内」だけで
すが、お祀りするご本尊は不動明王ですから、鬼も改心するとされているから
だそうです。また、群馬県藤岡市鬼石地域では、地名の通り鬼は守り神ですか
ら、「福は内、鬼は内」と言い、全国から追い出された鬼を歓迎する「鬼恋節
分」を開催しているそうですが、皆さんの住む町はいかがでしょうか。
  (生活情報サイトAll About より)
                       
ところで、「鬼のパンツ」の歌、聞いたことがありますか。この歌は、イタリ
アのヴェスヴィオ火山の山頂まで行く登山電車のコマーシャルソング、『フニ
クリ・フニクラ』のメロデイーを使った替え歌なんです。なお、作詞者は不明
だそうです。
 
   鬼のパンツは いいパンツ  強いぞ 強いぞ
   虎の毛皮で できている   強いぞ 強いぞ
   5年はいても 破れない   強いぞ 強いぞ
   10年はいても 破れない  強いぞ 強いぞ
   はこう はこう 鬼のパンツ はこう はこう 鬼のパンツ
   あなたも あなたも あなたも あなたも みんなではこう鬼のパンツ
          (世界の民謡・童話 worldfolksong.comより)
 
 
 
  (次回は、「建国記念の日と2月に読んであげたい本(1)」についてお話し
  ましょう。)   
 
 
 
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話 
情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本 紀元 著」をもとに編集、
制作したものです】

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