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めぇでるコラム : 2015年6月
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>よくある質問
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「めぇでる教育研究所」発行
2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
(第49号)
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6月8日、梅雨入り。平年並みで昨年より三日遅く、梅雨明けは7月21日頃
とか。夏を迎える前に体調を崩さないよう、健康管理にも十分気を配ってくだ
さい。
さて、今回は、皆さんからこの時期によく受ける質問を、紹介しましょう。
Q「折り紙をする時、折り方が雑できちんと出来上がらないのですが、どのよ
うなことに注意すればよいのでしょうか」
A「折り紙は、一枚の紙から立体を作り出す大変楽しい作業ですが、一つ一つ
きちんと折らなければ、本に出ているような作品にならないだけに、子ども達
の失望も大きいようです。
まず、折り紙を半分に折り、長四角を作ってみましょう。
その時に、合わせる辺と辺をきちんと重ね、左手の親指と人差し指で摘むよう
に持ち、右手の親指と人差し指で、折った部分の真ん中をしっかりとつかみ、
折り目をつけます。
それをテーブルの上に置き、右人差し指で真ん中をしっかりと押さえ、押さえ
た指のところへ左手の人差し指を並べ、左端まで指を滑らし、折り目をつけま
す。
次に、左人差し指を真ん中に戻し、しっかりと押さえ、右人差し指で右端ま
で指を滑らしながら、折り目をつけます。
それを広げ、90度回転させ、同じ作業をし、正方形が4つできるように折
ります。
次に、今使った折り紙の角と角を合わせ三角形に挑戦しましょう、作業手順
は同じです。
文章にすると、敬遠したくなりますが、お母さん方がお手本を示してあげれ
ば、難しいことではありません。
折り紙がうまくできない原因は、こういった基本の折り方がきちんとできて
いない場合にあるようです。
いきなり作品に挑戦せずに、四角と三角の折り方の基本をマスターすると、
折り紙も楽しくなると思います。
何事も基本が大切ですが、その作業は退屈でつまらないことが多いものです。
それにまじめに取り組むのが、技術を身につけるコツであることは、皆さん
方も経験されていることではないでしょうか。
「ゆっくり、じっくり、丁寧に」、これしかありませんね。
Q 糊を使うのを嫌がるのですが。
A 現代っ子のもっとも苦手とする作業ではないでしょうか。
ご家庭では、セロハンテープやリップ・スティック型の糊を使っていると
思います。
最近は、入試でもこういった接着剤を使用することもありますが、今の段
階では、ふたのついた、つぼ型の容器に入った、幼児用の糊を使ってほしいも
のです。
これには、いろいろと教育的な配慮がされているからです。
ふたを開けるにも、左右の微妙な力のバランス感覚を学べます。
そして、使う量、適量を指に取るには、目分量、勘が必要です。
多ければベタベタ、少なければはがれます。
さらに、つけ方です。
糊が、全体に滞りなく行き渡るには、かなりの練習が必要です。
そして、貼ります。
これだけのことをやり、作業が終わると手を拭き、ふたをして片付けるの
ですから、面倒に思うのも無理はないかもしれませんが、ここで手抜きすると
不器用になるのではないでしょうか。
もっとも厄介なのは、適量を取り、貼ることです。
はじめは、折り紙を4分の1に切ったものを使い、上の真ん中に少しつけ、
スケッチブックなどに貼る練習をしましょう。
次に、四隅に糊をつけて貼り、それができれば糊を真ん中に縦に伸ばして
つけ、左右に伸ばす練習をしましょう。
ステップを踏んでいけば、必ずできるようになります。
「不器用なのね!」などと、絶対にいわないことです。
ところで、私が現役時代、制作などで他の接着剤を使わなかったのは、手
が汚れないからです。
「汚れたらきれいにする」は、幼児期に身に付けておかなければならない、
大切な、大切な生活習慣だからです。
砂場で遊ばせない母親と真面目にけんかしたのも、同じ理由からです。
そういう元気な時もありました(笑)。
つぼ型の糊には、教育的な配慮がしてあるという理由は、こういったこと
なのですが、いかがでしょうか。
Q 早生まれなのですが、幼い絵しか描けません。上手になるでしょうか。
A 入試を控えると、こういった心配をするお母さん方が増えているようです
が、お子さんの絵の描き方を思い返してみましょう。
2歳は点や線の殴り書きで、3歳から円や四角らしきものが描け、ある時、
突然、頭から手足がニョキニョキと出ている人間を描いたと思います。
やがて、頭と体が分かれ人間らしくなりますが、手は電信柱のようにまっ
すぐ伸びたままで、やっと年中の終り頃に手も下に降り、人間と認められる絵
になったのではないでしょうか。
このようになるまで4、5年かかる子もいますから、幼児にとって絵を描くの
は、大変な仕事でもあるのです。
そして、基本的な生活習慣と同じように、絵を描く作業は、速成も、いろ
いろなテクニックを駆使しての促成もできません。
お子さんの成育史が、そのまま姿を現すものではないでしょうか。
ご両親の遺伝もあるかもしれません。
お子さんは、楽しく絵を描いていますか、そうであれば心配ありません。
お子さんが描いている絵は、現時点で最高の作品であることを認めてあげ
ましょう。
そして、幼い絵でも、描きたい目的があるのですから、そこを見つけて褒め
ることです。
他の子ども達と比べて評価するのは、賢いお母さん方のすることではありま
せん。
ましてや、早生まれの子ども達にとっては、大変迷惑な話です。
楽しく描ける雰囲気を作ってあげることが大切です。
もう済ませていると思いますが、雙葉小学校の説明会参加申し込は、6月
19日(金)消印までです。
(次回は、「志望校の決め方」についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>学校説明会で確かな情報を (3)
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「めぇでる教育研究所」発行
2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
(第48号)
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学校説明会で確かな情報を (3)
★紹介したい説明会でのエピソード(2)
[入試情報]
第1回 オール成城学園オープンキャンパス/初等学校説明会
日 時 2015年6月7日(日) 9:30~
場 所 成城学園初等学校及び幼稚園・中学校・高等学校・大学
この日は、オープンキャンパスを開催しています。どうぞ幼稚園から大学まで
の様子をご覧ください。
ユニークな教育方針で知られている成城学園初等学校の説明会は、何と学園全
体で行われます。これも本学園だけのイベントではないでしょうか。学園内に
川が流れています。二日後ですが、パソコンでの申し込みが必要です。詳しく
はホームページをご覧ください。
カトリックフェア 2015
日 時 6月7日(日) 9:30~15:00
場 所 聖心女子大学 1号館、3号館 マリアンホール
注 聖心女子大学です。大学内に入ったことがありませんので参加します(笑)。
平成24年の49回目のメルマガでは、「説明会速報 立教小学校(6月9日)」
を紹介していましたが、これこそ「こんなことがあったんだな」とエピソード
の一つになってほしいものです。
震災に対していろいろと対応を考えている。
校舎は古いが理論上は震度7に耐えられる建物、震度5以上の予知情報が校内
に流れるようになっている。
乾パン二千食、水や毛布の備蓄もあり、グランドの奥にある水車小屋の下には
井戸があり水は豊富。立教大学が通勤難民四千人あまりを収容、乾パンを配り、
学生食堂では炊き出しをした。池袋周辺にいれば安全を確保できるので心配い
ただくことはない。現在、停電になっても発信できる緊急メールを準備してい
る。
大学院には放射線物理学科の専門の先生がいて、給食の食材、水道水の放射能
値を測定するなど、学院の組織的なバックアップもあるので安心できる体制に
ある。
さて、説明会へお子さんを連れてこないでほしいと明言している学校もありま
すが、そういった条件がある場合は別として、お子さんを会場へ連れていかな
ければならない事情のある方もいます。1時間から2時間ほどかかる学校もあ
りますから、子どもは退屈します。
ある年の説明会の会場で、後ろの所に子ども達が遊べるような空間があったの
です。そこで、子どもが走り回りはじめました。うるさいのですが、親が注意
をしません。
見かねた校長さんが、
「元気な子と不作法な子は違います」
とおっしゃったのですが、それでも注意する親が現われません。学校の教育方
針と違うことをやっていることに気づかないのでしょうか。もっとも、出るに
出られなくなってしまったのかも知れません。
これは、その逆の話ですが、赤ちゃんを胸に抱いたお母さんが、会場の外の廊
下で立ったまま話を聞いていました。恥ずかしい話ですが、「遅刻しないよう
に」などとおこがましくもアドバイスしている私自身が、渋滞に巻き込まれ5
分ばかり遅刻したことで、偶然、この光景に出会ったのでした。先生との話の
様子から、会場へ入るようにすすめられても、辞退しているようでした。終っ
て廊下に出た時、何と同じ所にお母さんはいるではありませんか。約1時間半、
大変だったと思います。この学校の教育方針は、「心身ともに強く、心のやさ
しい子」の育成です。出身者のお母さんではなかったと思いました。
この話も、機会があれば、必ず、紹介することにしています。
育児ないないづくし
暖房きかせて寒さがない 冷房きかせて暑さがない
おやつが過ぎて空腹がない 歩かせないので疲れがない
おもちゃのやり過ぎで興味がない テレビの見過ぎで考えない
何でもホイホイ我慢がない 点数以外に関心がない
わかっているけど行わない これではまともに育たない
育児を「育自」と置き換えて、育児を通して育自するお母さんを求めます。
こうおっしゃっていました。
育自は誤植ではありません、自らを育てることです。「育児を通して育自する
お母さんになりましょう」と何やら偉そうに私は言っていますが、種を明かせ
ば、その根拠はここにあるのです。
次の話は、あるミッション系の学校でうかがった話です。
母親の学歴が高くなる一方で、育児が下手になっているといわれています。核
家族化、少子化の進む環境のもとでの育児ですから、決して母親だけの責任で
はありません。しかし、バブル経済全盛期の頃に聞いた話ですから、考えさせ
られてしまいます。子どもを取り巻く環境は、あまり変わっていないどころか、
むしろ悪くなっていると思われるからです。
文言は正確ではありませんが、以下のような話でした。
現代の価値観は多様化したとはいえ、世界各国のシスターから、日本人といえ
ば、商売に道徳は無用とばかりに、自己の利益だけを求めるイメージが強くな
るばかりと聞かされています。その歪みを正すのが教育に携わる私たちの使命
です。教育が、こうまで荒廃した原因は、あまりにも豊かになり過ぎ、お金が
評価の基準になって、そこには精神的な絆がないからです。教育の危機は、心
を大切にしないことから発しています。
学卒のママが多くなる一方で、いたわり合う心、思いやりの心を持った子が
少なくなっているのはなぜでしょう。それは、心を育てるより知識を与えるこ
とに夢中になっているからです。無理に知識を詰め込もうとすると過干渉にな
りがちで、素直な感情を押さえつけ、その結果、子どもの心は屈折してしまう
のです。
30年前になりますが、すでに過保護、過干渉な育児の弊害を指摘しています。
これは小学校受験だけではなく、早期教育や稽古事にもいえるのではないでし
ょうか。子どもが、あることを学習するために、ふさわしい成長をしていない
状態で、いろいろなことを詰め込むのは、幼児に適した教育とはいえないと思
います。
では、幼児期にふさわしい教育とは、立教小学校の田中司元校長の話を紹介し
ましょう。
田中先生は、平成17年に諸橋先生と交代されましたが、諸橋先生も病で引退さ
れ、今は西村校長先生になっています。
0歳から6歳までの幼児期は、人間の一生でいちばん大切な時期です。最も大
切なのは、対話です。子どものいうことをよく聞き、やりたいことをしっかり
とつかむことです。親がしっかりと聞いてくれ、受けとめてくれることで、子
どもは安心感を持ちます。人間にとって安心感ほど大切なものはありません。
対話の反対は沈黙ではなく、命令と要求です。家庭内で対話が成立する、これ
が育児でいちばん大切だと思います。
次は、本の読み聞かせです。現代の情報は映像で入ってきます。
映像は視覚と聴覚を通して、瞬時にわかる反面、頭の中でイメージを作る想像
性が欠如していく気がします。読み聞かせる母親の、話しかける父親の言葉を
聞きながら情景や動物、人間の姿を思い浮べることが、人間にとっていちばん
重要な能力だと思います。イメージする力を育てることは、文学的な分野と考
えがちですが、自然科学的な発想は、少ないデータをもとに発展させ、それぞ
れの世界をイメージすることでできたわけです。分子や原子は、どんな格好を
しているか、太陽はどんな姿をし、宇宙はどのようになっているか見た者はい
ません。わずかな情報から科学者が創ったイメージの世界です。読み聞かせは、
子どものイメージする力を育てるとともに、子どもの世界を一緒に楽しむ豊か
な時間でもあるのです。
3番目は、ご家庭の中に自然を楽しむ文化をもってほしいのです。神様が創っ
た自然の美しさ、素晴らしさにかなうものを、人間は作っていないと思います。
気をつけないと、人間が作ったものだけに囲まれて生活することが可能な時代
になりました。土を踏んだことのない子もいます。土、石、葉っぱ、虫、砂と
いった地球を
作っていく素材を、子どもが肌で感じることが大切です。休日に、森や海岸、
川原や野原へ、弁当とシートを持って出かけ、自然って美しいな、風って気持
ちがいいぞ、葉っぱはきれいだ、石ころにはいろんな形があって面白いな、何
もプログラムを作らずに、ゆったりと、そこにいるだけで素晴らしい、そうい
う自然の楽しみ方、それは非常に高い文化ではないかと思います。
対話、読み聞かせ、自然を楽しむ文化、考えさせられることばかりですが、お
母さん方は、「対話と読み聞かせ」については、ついこの間までキチンと実行
していました。
お子さんの赤ちゃん時代です。
何もわからない乳飲み子に、一所懸命、話しかけませんでしたか。赤ちゃん言
葉を懸命に理解しようとしませんでしたか。こういった姿は、無償のほほ笑み
と共に、この世で最も美しい姿といわれています。
ところが、受験準備に夢中になりすぎると、「命令と要求」の日々になりがち
です。でも今は、大丈夫なのです。心配なのは、夏休み以降です。
ちなみに、田中元校長が就任した年から、立教小学校のペーパーテストは廃止
されました。
昨年も男の子の多くが苦手とする、音楽に合わせて体を動かすテストがあり、
思わず笑ってしまいましたね。照れ屋で気が弱く繊細な神経の子が多いからで
す。運動会で楽しくダンスをしているのは女の子ですね(笑)。テストの狙い
は何か考えてみましょう。
最後に、平成9年6月に、白百合学園幼稚園が、創立以来、初めて説明会を開
催したときにうかがった話を紹介しましょう。幼稚園を受験されるお母さん方
への話ですが、小学校の受験も、基本的には同じことだからです。
あいにくの雨の中、熱心なお母さん方が、およそ500名、幼稚園のプレイル
ームは、立錐の余地なしといった状態でした。(第2回目以降は、学園内の講
堂で行われていますから、園舎に入るという貴重な経験をしました!)校訓で
ある三訓、「従順、勤勉、愛徳」の説明、モンテッソーリ教育の目的、敏感期、
縦割り保育のメリットを話された後に、幼稚園側が望む子ども像について、次
のように話されたのでした。
私どもの希望しておりますのは、小さいときから、入園テストですとか、面接
テストを受け訓練されることではなく、むしろ日常の生活の中で、特に、お父
さま、お母さまの、生きたお手本の中で育てられたお子さま方、それから年齢
相応に基本的な生活習慣が、これは、まだ、完全にできませんから、ある程度、
身についているお子さま、明るく、素直で、いきいきしたお子さま、そういう
子ども達を
期待しております。
いかがですか。
「お父さま、お母さまの生きたお手本の中で育てられたお子さま方」云々は、
幼稚園、小学校の受験は、まだ、中間報告ですが、お子さんを通して、ご両親
の育児の集大成を判定しているということです。
ところで、小学校の受験は、「はじめにご両親の育児の方針ありき」とお話し
ましたが、その根拠となっている話を紹介しましょう。残念ながら、今では手
に入りませんが、慶應義塾幼稚舎が願書に同封していた小冊子「第一学年入学
志願者心得 入学受験について」に書いてあったことです。
甚だ当たり前のことであるが、子供は手塩にかけて育てるものである。
「両親が手塩にかけて、心を尽くして育ててきた我が子を、受け取らない学校
があるなら、行かなくても一向に差し支えない」
というように考えられないものであろうか。
学校説明会は、建学の精神や教育理念を話すだけではなく、こういった育児に
ついての話があることから、小学校の受験は、ご両親の育児の姿勢が問われて
いることが、おわかりいただけたと思います。問題集だけを頼りにし、机の上
だけで受験準備はできません。子どもは、ご両親の作った環境で育っていきま
す。基本的な生活習慣やあいさつ、言葉遣い、運動能力といったものは、ご家
庭できちんとやっていかなければ、幼児教室や塾などで、受験に必要なノウハ
ウの指導を受けても身につかないでしょう。
だらだらと食事をし、衣服の着脱ができないようでは、暁星小学校のような俊
敏性を求めるテストに対応できません。
すぐ疲れておんぶをせがむようでは、筑波小学校のような熊歩き(四足歩き)
をやれといってもできないでしょう。
自立心や意欲が培われていないと、かつての白百合学園小学校のように立った
ままで試験を受けることも難しいのではないでしょうか。
過保護になっていれば、話を理解し、素早く、積極的に取り組まなければなら
ない幼稚舎のような、行動観察型の試験をクリアできるとは考えにくいことで
す。
学校側が試験を通して知りたいのは、「知育、徳育、体育の三つの能力が、就
学前の子どもにふさわしく、バランスよく培われているか」であり、知的な能
力だけを判定しているのではありません。こういった能力を育み、意欲のある
子に育てるのは、ご両親なのです。
「石の上にも3年」と言いますが、長くやっていれば情報は集まるものです。
数々のエピソードは、以前にもお話ししました「心を鍛える賢い子どもの育て
方」の一部を紹介したもので、関心を持たれた方、ぜひお読み頂き、万全の態
勢で秋に向かってほしいと願っています。詳しくはめぇでる教育研究所のホー
ムページ、「出版物・問題集のご案内」をご覧ください。
(次回は、「よくある質問」についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>学校説明会で確かな情報を (2)
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「めぇでる教育研究所」発行
2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
(第47号)
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学校説明会で確かな情報を (2)
[入試情報]
東京女学館小学校 募集人員 AO型入試 45名 一般入試 35名に変更。
(昨年は各40名)。学校説明会は5月28日(木)に行われましたが、一般
入試・AO型入試説明会は平成27年9月6日(日)に午前10時から行われ
ます。
★紹介したい説明会でのエピソード(1)
説明会が始まりました。
学習院の学校説明会へ参加された方、「おかしもの約束」に気づかれたでしょ
うか。
体育館に行く廊下は、道路の下を貫通させたものですから、かなりの勾配にな
っており、しかも狭いため、「おさない・かけない・しゃべらない・もどらな
い」と混乱をさけるために4つの約束の語頭をつなげたもの。これは阪神・淡
路震災以後、消防庁による教育安全指導のガイドラインに紹介
されたことから、防災教育の標語として全国に普及したもので、当初は「おは
し(おかし)」(「は」は走らない)だったが、津波による避難の原則でもある
「戻らない」が追加されたそうです。 (synodos.jp/fukkou/10522 より))
沖縄のとよみ小学校では「おかしもちの約束」があり、「ち」は「近づかない」
だそうですが、海に囲まれているだけに切実な思いが伝わってきます。自然災
害だけは、何とか穏便に願いたいものです。
さて、今回からエピソードについてお話しますが、何と言っても四ツ谷の雙葉
小学校の説明会ですね。
開催されたのは、昭和61年9月のことでした。
やめていた説明会を再開した理由は、妙なうわさを学校側が否定することにあ
ったのです。
以来、平成元年まで続け、その後、実施していませんでしたが、同18年から
再開され、今年は7月17日(金)・18日(土)に行われます。
再開された時のことですが、「何か不祥事があったのでは!」と危惧していた
のですが、大勢の人々を収容する施設がなかったのが直接の理由で、新しく講
堂ができたために再開したとのことでした。
うわさといったものが、どういうものであるかを明白にしてくれた説明会でし
たから、当時のメモを紹介しましょう。
雙葉小学校説明会
日 時 昭和61年9月26日(金)
場 所 小学校ホール 5階 参加者 約500名
およそ10年ぶりに再開された説明会でもあり、5階のホールは超満員で熱気
にあふれていました。(昭和50年代には説明会を開催していたことになりま
すが、当時、35歳の私は、某財団法人で新入社員教育をやっていました)
入学定員に対して多数の応募者があるため、心ならずもテストを行っている事
情を説明され、テストに関しては、特別に勉強しなくてもできる問題を作って
おり、総合的に判断して知能点だけではなく、「子どもらしく、一所懸命に頑
張る意欲のあるお子さん、コツコツ努力をするお子さん」を求めており、内向
的な性格でも頑張るお子さんであれば歓迎すると、雙葉小学校の求める子ども
像について、具体的に話されました。
ついで、悪質なうわさが広まっていることに関しては、雙葉小学校はミッショ
ン系の学校であり、キリストの精神に反するような不正入学が許されるわけが
ないと明言された後に、
1.受験と宗教は別問題で、僧侶の娘さんも入学していること。
2.学校関係者の紹介がないと不利とは、単なるうわさ。紹介者を通して面会
することはあるが、それが考査に有利になることはない。
3.お金を積むと入れるという裏口入学は、これもまったくの嘘。正規のお金
(考査料)以外は、一銭も受け取らない。合格を発表する前に、考査料以外、
頂くことはない。
この三点について強調され、つまらぬうわさに惑わされないようにとの注意が
ありました。
また、大学への進学率が高いことから、小学校の時に入れておけばと考える方
が多いのですが、授業に関して特別なカリキュラムはなく、たまたま、そのよ
うな結果が出ているだけですから、進学校とお考えにならないでくださいと述
べられました。
(この件については、説明会で毎年、力説されています)
なお、登校時間は、年間を通して午前8時15分、四ツ谷駅のラッシュアワー
は8時からで、その時間に通学できるかどうか、慎重に考えてくださいとのこ
とでした。
裏口入学を策したお母さんが不合格になり、「どうなっているのか!」と、直
接、学校へ電話をしたことから事件が発覚し、驚いた学校側が事実無根と否定
するための説明会でもあったのです。
当時のうわさとして、
「どこそこの神父さんの紹介状がなければダメ」
「信者の娘さん、絶対有利」
「合否は親の職業で決まり」
などがありましたが、今でも根強く残っているようです。
再開された説明会でも、うわさに過ぎないと否定されました。
ちなみに、校庭の一角には、幼稚園、小学校に在籍されてから聖心女子学院へ
進まれた皇后陛下が、ご成婚(昭和34年4月10日)前に来校され、記念樹と
して贈られたメタセコイヤの苗木3本の内1本が、中高の校舎と頭を並べるほ
どに成長した姿を見ることができます。
平成13年に白百合学園小学校が、創立以来、初めての説明会を開催したとき
も、何か不祥事があったのではと思いましたが、そういったことはなく、受験
されるご父母の強い要望によりとのことでした。
うわさは、単なるうわさに過ぎないと、惑わされない強い信念を持つことも大
切です。
それを支えるのはお父さんの役目ですから、きちんとサポートしてください。
お母さん方は、こういったうわさに弱いからです。
平成25年まで学校見学会だけやっていた横浜雙葉小学校は、26年から説明
会を再開しましたが、これは昭和60年代に開催していたときにうかがった話
です。気がめいるどころか、落ち込みました。文言は正確ではありませんが、
話の内容を再現すると、こうなるのです。
「お弁当は、いつもお母さんが作ってくれるのですか」
「ウウン、今日は特別なの」
「そうですか、それでは、おいしいでしょうね」
「うん、でも、残しちゃダメといわれたの」
「どうしてですか」
「残すと点数が悪くなるから」
「……?」
残すと、どうして減点されるのでしょうか。
初めて来た所で、知らない子どもばかりの中で食べるのですから、緊張して残
す子もいるかもしれません。
それよりも、弁当を食べることで、子ども達はいろいろなサインを出している
と思います。
ご家庭の教育方針がどうなっているのか、これほどわかりやすいものはないで
しょう。
食事は三度のことですから、絶対に、つけ焼刃はききません。
基本的な生活習慣が、きちんと身についているかを判定することも、小学校の
入学試験では、大切なポイントになっているわけです。
学校側が見たいのは、
「集団生活の中で、子どもはどうあるべきかを、親がしっかりと考えて、やさ
しく、あるいは厳しくしつけることを、ご両親の責任において教育しているか
どうか」
ではないでしょうか。
今の話と似ていますが、以前、紹介しましたが大切なことですから繰り返しま
す。
国立市にある桐朋学園小学校の説明会で、当時の校長であった鈴村先生が、た
またま会場に現われて、こういった話をされたのです。
本校は、仙川にある姉妹校、桐朋小学校と同様、面接をやっていませんが、そ
の理由として、
「親御さんに『趣味は何ですか』とお尋ねしても、本当は、競輪、競馬が大好
きでも『読書と音楽鑑賞です』と取り繕うでしょう。でも、私どもでは、お子
さんを二日間預かりますから、どういった育児をなさっているかわかります。
ですから、私どもは面接をしません」
と、例によって文言は正確ではありませんが、こうおっしゃったのです。
試験を受けているのはお子さんですが、判定されているのはご両親であること
が、よくわかる話ではないでしょうか。
(次回は、「学校説明会で確かな情報を (3)」についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>学校説明会で確かな情報を (1)
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「めぇでる教育研究所」発行
2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
(第46号)
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学校説明会で確かな情報を (1)
先週の土曜日は、日本女子大附属豊明小学校の学校施設見学会、立教女学院小
学校の入試説明会、青山学院初等部、学習院初等科の学校説明会が行われまし
た。今年は、例年になく説明会の日程が重なるようですから、きちんとスケジ
ュールを立て、出来るだけ多く参加し、わが子の学校選びに手抜かりがないよ
うしてください、これは「親の仕事」だからです。
小学校の受験で最も重視されるのは、「志望理由」です。
出身者の方には問題ありませんが、そうでない方々には、学校に関する情報、
たとえば、建学の精神や教育方針、その学校ならではの特色、主な年間行事や
クラブ活動、合宿などの校外活動、併設校への進学状況、併設校のない場合の
進学実績やそのための対策、通学時間やご主人の転勤にともなう復学制度など、
わからないことが多いと思います。そういったハンディキャップを解消するた
めに行われているのが学校説明会です。過去には説明会をやっていない学校も
ありましたが、現在では、ほとんどの学校で開催しています。
最近の傾向として、夏休み前に学校説明会を、休み後に入試説明会と2回行う
学校が増えたことでしょう。その先駆けは、学習院初等科ではなかったでしょ
うか。しかし、幼稚舎、雙葉小学校のように学校説明会だけ行っているところ
もあります。そして、事前予約の必要な学校が増えています。当日になって気
づいても手の打ちようがありませんから、注意してください。
東日本大震災後、多くの方が通学に不安を感じたのではないでしょうか。各学
校のホームページにも「災害対策」が掲載されていますが、大切なのは、「我
が家の震災対策」で、「登校・下校時に災害が起きた時の対策」です。学校側
が公表する震災対策を、わが子の通学に、どのように活かせるか、慎重に考慮
するのも保護者の義務です。今年もその説明があると思いますので、正しい情
報をもとに不安を解消しておきましょう。
また、学童保育、アフター・スクールに力を入れる学校が増えているようです。
お母さん方がお仕事をもっている場合、具体的にどのようになっているか、志
望される学校の開催日を調べ、積極的に参加し、情報を確認しておきましょう。
今年は立教小学校、淑徳小学校、日出学園小学校の校長が替わりましたので、
新しい情報を得られるかもしれません。特に、先にお知らせしました日出学園
小学校の「第1志望入試」について、かなり変更があるようですから、参加し
て確実な情報をつかんでおきたいものです。
昨年から説明会を再開した横浜雙葉小学校は、説明会は5月12日に実施、今
年は学校見学会の予定はなく、6月20日(土)午前中にオープンスクールを
開催する予定、予約が必要です。
日本女子大学附属豊明小学校は去年と同様、学校説明会は開催しませんが、学
校施設見学会を5月16日に実施、授業見学会は6月26日(金)、そして学
校見学相談会を9月12日(土)に実施します。詳細な情報は後日公表とあり
ますから、ホームページをご覧ください。
昨年と同様、雙葉小学校は7月17日(金)、18日(土)に開催、は混乱を避
けるために、事前に葉書で申し込む方法で行われます。6月19日(金)消印有
効。
聖心女子学院初等科は、本年度より「Web予約システム」による申し込みと
なりました。早めに登録しておきましょう。
青山学院初等部の第1回説明会は、先週の土曜日に開催されましたが、昨年よ
り参加者は増えていたようです。
親子で校舎を見学できる「オープンスクール」は、昨年6月28日(土)に10
時~11時30分(4~9月生まれ)と13時~14時30分(10月~3月
生まれ)に分けて実施されましたが、本年はまだ日程が公表されていません。
事前に申し込む必要はありませんでしたが、説明会と同様、セキュリティの都
合上、氏名や住所を確認できる運転免許証や健康保健証を持参することになっ
ていました。詳しくはホームページをご覧ください。
東洋英和女子学院小学部も学校説明会、第1回目は終了・2回目は6月11日
(木)に。オープンスクールは7月1日(水)に。入試説明会は9月10日(木)
に開催予定です。詳しい情報、申し込み方法は、ホームページをご覧ください。
立教小学校は、昨年に続き2回開催することになり、第1回目6月11日(木)
は例年通りオープンスクールをかねて行われ、第2回目の9月12日(土)は
説明会だけで、両方とも内容が異なると公表しています。
昨年は、連休明けになっても発表されなかった慶應義塾幼稚舎は、例年通り2
回ずつ計4回実施されます。
成蹊小学校の説明会は、当初は、大学の合同授業などで使う大きな教室でやっ
ていましたが、やがて小学校の体育館になり、次に一昨年まで学校のすぐ近く
の武蔵野市民文化会館で行っていました。昨年からは学園内で開催しています。
初めて授業参観で校舎に入ったとき、何やらうなぎの寝床といっては失礼でし
ょうけれど、そんな感じがしましたが、新装成った校舎は、むかしの面影を一
新し、すばらしい環境になっています。
第1回説明会は6月27日(土)、第2回は9月5日(土)に開催。オープンスク
ールは6月11日(木)に開催予定。詳しくはホームページをご覧ください。
日出学園小学校は、昼間、参加できないお父さん方に「お父さんのための説明
会」を5月21日(木)と22日(金)に6時30分から開催、また、7月
25日(土)午前10時親子体験会を実施します。本年から、いずれもWeb
での予約制になっています。詳しくはホームページをご覧ください。夕方の説
明会は、私も記憶がありませんから、本学園が初めてでしょう。今年は、小野
学園小学校も「ナイト 学校説明会」のコピーで公表しています。
まず、こういった説明会や公開授業などの日程を正確につかんでおくことが大
切です。
ホームページを利用すれば、説明会の開催日時や入試日程、学校の歴史や建学
の精神、参加できる学校行事などの他、学校によっては、「よくあるQ&A」も
用意されており、簡単に検索できますから大いに利用しましょう。
検索の欄に学校名を記入するだけでも見ることができます。
説明会では、学校案内や要覧などの配布があり、市販されているガイドブック
などからは得られない情報も公開され、そういった資料をもとに、学校の沿革
や教育内容などの詳しい解説が行われています。
9月以降の説明会では願書も配布され、具体的な入試日程の説明や願書記入上
の注意、健康調査書に関する諸注意、考査料の振込みに関する注意などを詳し
く解説する学校もあります。
また、立教小学校や立教女学院小学校、成蹊小学校のように、授業を公開する
オープンスクールを実施したり、ビデオを使って授業の様子や年間の主な行事
などを紹介する学校もあります。
説明会は5月から始まり、多くは9月以降に集中して開かれますが、最近は、
6月、7月に行う学校が増えていますから注意が必要です。こういった情報を
しっかりと確保しておくことも、ご両親の大切な役目です。学校によっては、
面接で説明会に参加した感想を聞かれたり、アンケート用紙に記入を求めたり
することもあります。
多くの学校では、質疑応答の時間を設けていますが、特別に時間を設定してい
ない学校もあります。しかし、説明会終了後、個人的に質問をする機会はあり
ますから、何か問題のある場合は、この時間を利用し解消しておきたいもので
す。「母子家庭は不利」「仕事を持つ母親は不利」「信者は有利」「出身者、
兄弟姉妹がいれば有利」など、いわゆる噂に心を痛めている方々は、直接、処
方箋をいただいて、つまらない悩みは解決しておきましょう。
学校によっては、「心配事がある場合は、電話で問い合わせてほしい」と、相
談の窓口のあることを説明しているほどです。しかし、電話で済ませるより、
説明会で直接、お聞きしておいた方がいいと思います。
かつては、入学後、経済的な心配が起きた場合には、奨学金制度のあることを
公表している学校もありましたが、青山学院初等部のホームページのQ&Aの
欄にも、「学費等の支援給付制度が定められている」と発表しています。
ご主人が転勤の可能性のある場合、復学できるか確かめておきましょう。今は
どうか不明ですが、単身赴任は歓迎できないと公表した学校もありました。
問題を抱え込まずに積極的に利用し、すっきりとした気持ちで秋を迎えたいも
のです。
ところで、説明会は、小学校の講堂や体育館で行われると思われがちですが、
外部でやっている学校もあります、早稲田実業学校初等部等と学習院初等科で
す。
早稲田実業学校初等部が第一回目の説明会を行ったときは、国立の初等部の校
舎は建築中で、大学の大隈講堂を使用しましたが、満員になるほど参加者が多
く、初等部内には収容できる施設はないようですから、ここで開催することに
なったのでしょう。入学式も、当講堂で行われました。建物が古くなったため
に改築されていた2年間は文京シビックの大ホールで開催されたこともありま
したが、今年も大隈講堂で開催されます。
思い出に残っているのは、学習院初等科の説明会です。
当初、男児と女児に分けて四ツ谷の迎賓館のすぐそばにある初等科の正堂(講
堂のこと)で行っていました。現在、初等科の建物は新築されましたが、当時
の校舎内はかなりの年月を経ており、歩く廊下はぎしぎしと音がし、質実剛健
を教育目標とする学校らしい雰囲気を感じたものです。また、正堂の正面には
菊の御紋が二つ蒼然と輝き、皇室の方々が通われる学校であることが伝わって
きたものでした。こういった学校の歴史や雰囲気を実感できたのは、私にとっ
ては貴重な体験でした。
参加者が多くなり、平成19年までは、目白のキャンパス内にある学習院創立
百周年記念会館正堂で、やはり男児と女児に分けて開催していました。同20
年からは、初等科の正堂で行われていましたが、9月の説明会は、再び目白の
学習院創立百周年記念会館正堂で開催すると発表しました。それだけ参加者が
多いということでしょう。
◆参加するときの注意点
説明会へ参加するときに注意してほしいことをお話しましょう。
・筆記用具、メモ用紙を持参する。
・上履きが必要な場合がありますから、スリッパ、靴を入れる袋を持参する
かどうかを確かめておく。
学習院初等科、東洋英和女学院小学部、光塩女子学院初等科、日出学園小
学校などは、昨年まで必要でしたが、ホームページで確認を。
・雨の日は、雨傘用のビニール袋を学校側で用意しているとは限りません。
特に、梅雨にさしかかる時期ですから用意しておきましょう。
・ハイヒールで廊下を歩くとき、音に注意を。立教小学校は禁止しています。
Q・なぜ、ハイヒールでの来校は禁止されているのですか。
A・学校の校庭は人工芝になっています。その上をハイヒールなど、かか
との高い靴で歩くと、人工芝を傷つけてしまいます。また、ハイヒールな
どかかとの高い靴で校舎内を歩くと、大きな音がする可能性が考えられ、
授業などの学校生活に影響する可能性が考えられます。
従って、ハイヒールなどかかとの高い靴での来校は、ご遠慮いただいてお
ります。もし、ハイヒールなどかかとの高い靴を履いてこられた場合には、
校内に入る際に、運動靴などにお履き替えいただきたいと考えています。
ご配慮をお願いいたします。
(立教小学校ホームページ 「よくいただく質問」より)
・学校によっては、お子さんを連れてくることを遠慮してほしいという場合
がありますから確認を。
・お子さん同伴の場合は、むずかることもありますから、いつでも外に出ら
れるように、後方の出入口の席に座る気配りを。1時間から長いところで
は2時間にもなりますから、退屈しない工夫を。
学習院初等科の入試説明会は、大学内にある正堂で行われ、会場のロビー
にテレビが設置されていますが、これなどは特別なケースでしょう。
・授業参観の場合は、同伴者と絶対に話をしないこと。生徒は授業中です。
これが守られていません。「学校側では、ひそかにチェックしている」と
いうことはないとは思いますが、こういった怪情報は広めたいですね、生
徒のためにも。
最後のことについては、あきれてしまった経験があります。
昭和61年、雙葉小学校が説明会を再開した時でした。
会場は5階のホールでしたから階段を上ることになりますが、各階の踊り場に
立て札があり、そこには文言は正確ではありませんが、
「生徒は授業中です。静粛に願います」
と書かれてあったのです。
階段をおしゃべりしながら歩く、お母さん方の無神経さを理解できませんでし
た。生まれて初めて雙葉の校舎に入り、いささか興奮気味でしたが、この立て
札を見てがっくりしました。学校側に、先を読まれているのですから。今年も、
当ホールで開催されますから、友達と一緒に参加されるお母さん方、厳に慎ん
でください。
3年続けて階段を上りましたが、息が切れましたね(笑)。
また、立教小学校など授業参観をかねている場合、始業時間前に集合しますか
ら、朝の交通状態を頭に入れておきましょう。
利用する交通機関は、ラッシュアワーで混雑していますし、時間も通常よりか
かります。
駅からタクシーでと思っていても、簡単に乗れるとは限りません。
もちろん、自家用車での来校は禁止されています。
どこの学校にも、車を収容する広い駐車場はないからです。
ところで、授業参観の場合、1年生の教室が人気の的になりがちですが、高学
年の教室は空いていますから、じっくりと見学できます。
ある学校で、非常に厳しい先生の態度に接し、「やるじゃないですか!」と感
動さえ覚えたものです。
見学者がいようがいまいが眼中にない先生の態度が、建学の精神そのものだっ
たからです。
(次回は、「説明会のエピソード」を紹介しましょう)
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[10]運 動
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「めぇでる教育研究所」発行
2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
(第45号)
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★★入試問題を分析する★★
[10]運 動
集団と個別があります。
[集団で行う運動]
先生と同じ体操を機敏にこなす模倣体操、タンバリンのリズムに合わせて行進
をしながらスキップやケンケン、ケンパー、グッパーなどをするもの。
左右の手を開いて、親指から順番に閉じたり、開いたりする指の屈伸、片足一
本で立つ片足バランスや登り棒、縄跳び、ボールをついたり投げたり、ドリブ
ルをするボール遊び、かけっこ、ジグザグ行進などを先生と一緒にします。
これは、試験ですが競争ではありません。
先生のやっていることをよく見て、その通りにできるかどうか、指示行動です。
スキップ、ケンケン、ケンパー、グッパーなどは、幼稚園でやっているはずで
すから得意と思っていたのですが、そうでもないようです。
また、友達とこういった遊びもしないようですね。
部屋でゲームに夢中になる遊びが、中心になっているようです。
幼児を取り巻く屋外での環境は、決して安全とはいえず、家で遊ぶ機会が増え
ているようですが、やはり、不自然ですね。
でも、やってできないことはありません。
ご両親の出番ですね、お子さんも喜びます。
お父さんやお母さんと一緒にやってできるようになっていれば、教室でも簡単
にでき、先生方も余った時間を有効に利用できます。
巧緻性と同様、教室や塾にお任せだけでは、効率のよい受験準備はできません。
そして、実際の入学試験で、お父さんやお母さんと一緒にやった運動が出たと
き、子ども達は間違いなく一所懸命にやります。
楽しい思い出が、残っているはずだからです。
逆に、苦しい思い出しか残っていない場合は、
「先生、これ試験ですか。試験でなかったらやりたくありません」
こうなるのではないでしょうか。
前にも紹介しましたが、説明会で聞いた本当にあった話です。
偏差値の高い学校でしたから、かなり厳しい受験準備に追われ、子どもの日常
生活のすべてが、受験に結びついていたのでしょう。
話をされた校長先生は、悲しそうにおっしゃっていましたが、帰るとき電車で
一緒になったお母さん方が、
「難しい問題が出るのだから、仕方がないでしょうに!」(この語尾、いやで
すね)
などと、なぜか高い偏差値の話で盛り上がっていました。
「準備に適切でないところがあるのでは、とお母さん方は考えないのでしょう
か」
といいたくなりましたが、偏差値だけをあげる準備に夢中になっているお母さ
ん方は、聞く耳を持たないものです。
ご両親が心を一つにして、受験に取り組んでいるとは、とても思えません。
お母さんだけが夢中になっているケースが、多いものです。
しかし、子どもに負担になる準備は、やがて、壁にぶつかります。
運動は、知的な能力と関係ないからと無関心な方がいますが、それは間違いで
す。
知育、徳育、体育の三つの能力が、年齢にふさわしく、バランスよく育ってい
なければ、偏った発育をしがちです。
お薦めしたいのは、縄跳びやボールつきです。
縄跳び、これは全身運動ですから、体重計恐怖症のお母さん方にも効果があり
ます。
ボールつき、これも全身のバランスが必要ですから、贅肉を取り除いてくれ、
心地よい汗は、ストレスの解消にもなります。
サッカーが盛んですから、けるのは上手ですが、つくのは苦手ですね。
親が見本を示して、一緒に汗を流しましょう。
繰り返しますが、第三者だけに任せるものではありません。
試験に出るからではなく、これくらいの運動ができないようでは心配です。
中には、息切れする子がいますね。
スタミナ不足です。
最近、こういった男の子が増えているようですが、持久力を見るテストもあり
ます。
スタミナ不足は、取り組む意欲にも悪い影響を与えます。
お子さんと一緒に歩いてみましょう。
5分もしない内に、「パパ、おんぶ!」とせがむようでは、お子さんは運動不
足です。
「床にかかれた印に従いケンケンパーをしながら進み、乾いた雑巾で敷いてあ
るマットまで雑巾がけをし、そばに置いてあるかごに雑巾を入れ、箱からドッ
ジボールを取り出し、ラインの前で後向きになり、ボールをつきながら後向き
で進み、ボールを箱にしまい、車輪のついた丸い板に正座し、手でこぎながら
ジグザグにかかれた線の通りに、置かれている椅子にぶつからないように進む」
かつて、ある名門校で実施された運動テストです。
学校側の出題意図を考えてみましょう。
通学時間に1時間かかる場合、これで息切れするようでは、「無理ではないで
しょうか!」となるのは当然です。
ところで、以前、巧緻性のところでお話したことですが、お子さんは筆記用具
をきちんと持って、しっかりとした線をかいていますか?
弱々しく頼りない線を引いているようでは、腕の筋肉の発達不足、つまりは運
動不足が考えられます。
チェックしてみましょう。
[個別で行う運動]
跳び箱、平均台、マットなどを使った運動をいくつか組み合わせて、先生の模
範演技を見てから一人一人行うものです。
★「先ず、ケンパーで平均台の側まで行き、平均台を渡り、真ん中
で後向きになって進みます。下りたところの円の中で『止め!』
といわれるまでボールをつきます。次に跳び箱にのぼり、元気に
飛び下り、最後にマットの上で芋虫ゴロゴロをしてマットの外に
出て、得意のポーズをやって終わりです。先生のやるのを、よく
見ていてください」
かなり、きついです。
しかも、しっかりと模範演技を見ていないと、どうにもなりません。
指示の理解と積極的に挑戦する意欲、行動力を見ているのでしょう。
こういったことを、いきなり本番でやるのは無理ですし、「お父さんの出番で
す」などといわれても、マットの代用品はありますが、跳び箱、平均台は、家
にないからできないのではと思われがちですが、その心配はありません。
普段から、体を動かし、筋肉に刺激を与えていれば、対応できます。
基礎体力さえついていれば、順応性の高い子どもには、難しいことではありま
せん。
ところで、素朴な疑問ですが、途中で忘れてしまったら、どうすればいいので
しょう。
先生に聞いても、いいのでしょうか。
最初の挑戦者は、こういう心配もありますね。
聞くのはまずいでしょうが、自分で覚えているとおり、堂々とやるべきでしょ
う。
また、途中で平均台から落ちてしまった場合、やり直ししてもいいのでしょう
か。
いいと思いますね。
チャレンジャー精神です。
失敗を恐れる子など、子どもらしくありません。
落ちて泣く子もいるそうです。
なぜ、泣くのでしょうか。
たかだか平均台から、落ちただけではありませんか。
泣くのは、落ちたら駄目、失敗したら減点されることを知っているからでしょ
う。
悲しくなりますね、こういうことで泣き顔をみせるのは……。
小さいときから失敗するのは、悪いことだなどと教え込まれたら、「失敗は成
功のもと」とはいえなくなるではありませんか。
苦手なことが増えるのは、失敗を恐れるからではないでしょうか。
「先生、やりなおしてもいいですか!」
笑っていえる子、絶対に合格すると思います。
信じていますよ、試験監督の先生方!
やはり、体を動かすことは、第三者だけに任せっぱなしは、よくないと思いま
す。
ゴルフは年を取ってからでもできますが、幼児期は、二度と戻ってきません。
夏休みは、体力づくりにも考慮してください。
頑張りましょう。
スキンシップですよ、お父さん、お母さん。
説明会が始まります。
幼稚舎は、早々と連休前に、7月4日(土)と11日(土)に開催すると発表しま
した。
ちなみに、2014年度の応募者は、男子908名、女子624名、
合計1,532名。
慶應義塾横浜初等部は、男子650名、女子514名、合計1,164名、併
願された方もいるとはいえ、約2,700名、狭い門には変わりがないようで
す。
(幼稚舎・初等部のホームページより)
立教小学校は佐々木正校長に変わり、就任式の模様はホームページで見ること
ができますが、コメントは5月12日現在、掲載されていません。
(次回は、「説明会」についてお話ししましょう)
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[8]構成力・観察力に関する問題(3)
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「めぇでる教育研究所」発行
2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
(第44号)
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[入試情報]
日出学園小学校の選考方法が変わります。
平成28年度新入選考試験は次の日程で行われます。
募集人員102名(内部園児含む)
第一志望入試 平成27年10月21日(水)
一般入試 平成27年11月12日(木)
第一志望入試には幼稚園、幼児教室の推薦状が必要で、従来2日間で行われて
いた試験は1日で終了、第一志望入試は必ず入学することが条件となりますか
ら、面接の比重が高くなるのではないでしょうか。出願手続きもWebででき
るシステムを採用。まだ、入試日程しか発表されていませんが、詳しくはホー
ムページで説明するとのことでした。
(平成27年4月28日(火)幼児教室対象説明会より)
宗教教育の経験がなくミッション系の小学校の受験を考えている皆さん方へ、
青山学院初等部の説明会 5月16日(土)に参加することをお勧めします。
説明会は、賛美歌を歌い、チャプレン(学校に所属する牧師)の話を聞き、お
祈りをして、「アーメン」と唱和してから始まり、宗教の香りを体験できるか
らです。違和感を覚えた場合は、考え直す必要があると思います。詳しくは、
ホームページをご覧ください。
★★入試問題を分析する★★
[8] 構成力・観察力に関する問題(3)
[模倣の問題]
積み木やブロック、パネルなどを使って、お手本と同じものを作る問題です。
個別テスト向きでしょう。
★お手本(▽ ▽の上に長四角の積み木があり、その上に家の形がある)
・これと同じものを作りなさい
「三角の積み木を逆さまにして、できるかな?」
積み木で遊んだことがないと、こうなりがちです。できますが、コツがありま
す。これは、やってみないとわかりません。
最近のおもちゃは、完成品が多いようですが、一概に悪いとはいいません。それを利用して遊ぶことも、大切な仕事です。しかし、積み木やブロックは、
自分で設計し組み立てる遊びです
設計図を引くには、何が必要でしょうか。そのものを知ること、熟知すること
で、大切なのは観察力です。子どもは、自分の好きなものとなると、目つきが
変わり、真剣、そのものですから、大人が気づかないところまで見ています。
そこまで夢中にさせるのは、好奇心です。模倣は、観察力と表現力を見る問題
ですが、そのもとになる好奇心が旺盛かどうかを見極めることもできます。
積み木を使った面白いゲームがあります。
実際に出題された問題で、積み木をできるだけ高く積むゲームで、「高く積む」
がポイントになります。長四角を立てないで横に置くと、高さが違ってしまい
ます。これに気づかないと、少し心配です。問題は三角で、置き方によっては、
そこでゲームセットになります。
積み木を持っていないお子さんには、買ってあげましょう。
前にもお話しましたが、積み木で遊んだ後に、きちんと収納する習慣がつくと、
身辺の整理整頓にも影響がでると思います。おもちゃや絵本などの片づけが苦
手な子は、こういった遊びをやっていないのではないでしょうか。玄関の靴の
整理も同じで、ご両親がきちんとそろえて脱いでいれば、お子さんも真似をす
るはずだからです。
[同図形、異図形発見の問題]
同図形発見(お手本と同じもの)と異図形発見(違っているもの)があり、知
能指数をはかる問題でよく出題されています。
★「お手本と同じものを見つけ、○をつけましょう」
子どもの、好きな問題です。
ゲームやクイズ感覚でできるからではないでしょうか。これもコンピュータ方
式を採用しましょう。お手本と1つ1つ比べて見つけることです。あっちを見、
こっちを見るやりかたでは、いたずらに混乱するだけです。手順の大切なこと
を知っている子は、左から右へ、または上から下へ順番に比べる方が、正確に、
速くできることを知っています。こういう知恵は、やはり、経験から身につけ
ることが大切で、最初から教える必要はありません。
自分で見つけられれば、最高の学習になるからです。どうやっても、うまくい
かない様子が見えたら、そこでアドバイスしてあげましょう。まず、自分で体
験することですね。
それから解決方法を教えられれば、納得でき、身につくものです。
そして、問題ができたから花丸をつけて、次の問題に移るだけでは、あまり効
果的な学習とはいえません。たとえば、同図形発見の場合、手本とどこが、ど
う違うかを説明させることです。すると、異図形の発見にもなります。
さらに、試験官と話すように丁寧な言葉できちんといえる習慣がつくと、個別
テスト、行動観察のテストにも対応できる学習になるからです。言葉で表現す
る訓練は、こういった遊びの感覚で、楽しみながら身につけることが大切で、
小学校へ入ってから、学力を伸ばす大きな力になることは間違いありません。
しつこく、繰り返しますが耳ではなく心で聞いてください。
幼児の知能開発で大切なのは、五感をフルに活動させて、同じところ(類似)
や違うところ(差異)を見つけ、「あれっ…、なんだ?」と考えることから始
まります。
「どうしてなの……?」
「なぜなの……?」
うるさいほど、遠慮なしに聞いてきます。これも疑問の芽というアンテナがと
らえた情報を解決したいのです。もうしばらくの辛抱です。小学生も低学年の
内は、まだ聞きに来ますが、中学年になると、聞いてほしいと思っても来ませ
んから、頑張ってください。
しかし、そのつど懇切丁寧に説明するのも考えものです。
時には、質問の内容を吟味して、ある程度はわかっていることであれば、
「あなたは、どう思うの?」
と切り返すのも大切ですね。
自分で知っている範囲を、考え、考え、話すはずです。これが、素晴らしい学
習になっています。十分に理解できていないことを言葉で説明するのですから、
子ども達にとっては、しんどいことになりがちです。時には、支離滅裂なこと
をいうかもしれませんが、ここは我慢のしどころです。お子さんが何を聞きた
いのかは、聞いている内にわかります。
話が一通り終わったら、
「ケンちゃん、お母さんに聞きたいことって、こういうことなのかな?」
と、まとめてあげましょう。
質問をしているお子さんも、
「なんだ、そうなのか!」と納得することで、言語の学習になっているのです。
言葉は、知っているだけでは役に立ちませんし、使わなければ生きてきません。
まとめてあげることで、わかっていないところを補足したことになるのです。
まだ、あります。
前にもお話しましたが、お母さんがまじめに話を聞いてあげると、お子さんは
人の話はきちんと聞かねばならないことを、ごく自然に学んでいるのです。子
どもにとって、親が真剣に話を聞いてくれるのは、本当にうれしく、これほど
快感を味わえるものはありません。
お母さんが、しつこく、
「きちんと話を聞きなさい!」
といわなくても、話を聞く姿勢が、自然と身につきます。
「子は親の背を見て育つ」といわれていますが、昔の人は無駄なことをいわな
いものです。
いや、真実だから語り継がれているのではないでしょうか。
前回に紹介しました「子どもが育つ魔法の言葉」にも、「子は親の背を見て育
つ」の外国版「子は親の鏡」があります。
子は親の鏡
けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」といって育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりを持って育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、
子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる
子どもが育つ魔法の言葉 ドロシー・ロー・ノルト 著
PHP研究所 刊
発売後、数年たっている本を読みたい場合は、図書館を利用しましょう。図書
館にあるかないかは、パソコンを利用すれば自宅でも検索できるところもある
からです。
(次回は、「運動に関する問題」についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[8]構成力・観察力に関する問題(2)
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「めぇでる教育研究所」発行
2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
(第43号)
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★入試情報★
○東洋英和女学院小学部 学校説明会
日時 第1回 5月9日(土) 13:00~
第2回 6月11日(木) 13:00~
○青山学院初等部 学校説明会
日時 5月16日(土) 9:30~ 於 米山記念礼拝堂
○日本女子大附属豊明小学校 学校施設見学会
日時 5月16日(土) 9:30~14:00
○昭和学院小学校 第1回オープンスクール
日時 5月30日(土) 9:00~11:00 要 予約(5月 受付開始)
○早稲田実業学校初等部 学校説明会
日時 5月31日(日) 1回目 10:00~11:30
2回目 13:00~14:30
詳しくは各学校のホームページをご覧ください。
★★入試問題を分析する★★
[8]構成力・観察力に関する問題(2)
今回は複雑な分割です。三角形、四角形、円形の、二分の一、四分の一といっ
た分割は、基礎トレーニングで理解できているはずです。問題は、複雑な分割
です。
本当に、大人でも、「ナヌ……?」と考え込んでしまう問題もありますね。
ですから、これもいきなり問題集を使うのは、止めた方がいいでしょう。
混乱するだけです。
「ブンカツ! 聞いただけで頭が痛くなるわ!」
算数嫌いになりかねません。小学校の勉強は、一年生から何といっても国語と
算数が基本ですから、スタートでつまずくと大変です。
問題集を買い、複雑に分割してある問題を、お子さんが、かつて愛読していた
絵本などを使い、その通りに線を引き、切り、それを使ってやってみましょう。
昔の愛読書ですから、覚えているでしょうし、忘れていても思い出します。
それに形が大きいですから、しっかりと学べます。
3分割ぐらいから始めましょう。
「お母さん、これ『桃太郎』でしょう!」
笑顔を浮かべながら取り組むお子さんの姿を想像できますね。
絵本には、いろいろな思い出が残されていますから、面白がって取り組むはず
です。
表ができたら、裏も使えます。
1枚の絵で、二通りの学習ができます。
コツが理解できれば、白紙で挑戦、 絵で一回学習していますから、最初は楽
勝ですね。
これでやる気を育て、複雑な問題に挑戦できるようにしてみましょう。
できない問題があっても、心配はありません。
問題集を読んでいて、「こんなの、時間内にできるのかな?」と思える問題が
あると、学校側の狙いは何だろうと考えてしまいます。難易度の高い問題があ
ると、「できないと、合格しない!」と考え、無理やり教えこんでしまうお母
さんがいると聞きます。何と言ってもお母さん方は、偏差値教育を受けてこら
れた元受験戦士ですから、やりますね。
しかし、考えてみましょう、受験生は5、6歳の幼児です。学校側は、構成力、
プラスやる気、意欲、これを見ているのではないでしょうか。
あせらず、時間をかけ、できるようにしてあげましょう。
このように心がけていると、例えば、試験場で難しい構成の問題に出合った時、
「わかんない…!」と泣き出してしまう子と、できなくても最後まで挑戦し、
時間がきたら、「やっぱり、できないな!」といって、きちんと止める子とで
は、泣き顔のお子さんからは「何でもできなくてはいけないと考える満点主義
の教育ママの顔」が、頑張ったお子さんの場合は「一所懸命に頑張ってできな
ければ仕方がないでしょう」とあたたかく励ますお母さんの笑顔が浮かんでく
るといった評価も生まれるものではないでしょうか。
オロオロ、キョロキョロと辺りを見るようでは、「できなきゃいけない!」と
いう価値観が、お子さんをがんじがらめにしていることになりかねません。
小さい時から、「何でもできなくては駄目だ」と教えるのは、いいことではな
いと思います。できないことがあるから、できるように勉強するのが学校教育
の目的です。できないことが悔しかったら、それをバネにして挑戦する気持ち
の方が、大切です。 幼児期は、結果を競い、結果だけを求める時ではありま
せん。やはり、やる気、挑戦する意欲を見ていると思います。
家庭学習でも、こういった面を育ててほしいですね。
プリントでの分割の問題は、当てはまらないもの、おかしいものを消していく
消去法がいいでしょう。その時に、なぜ必要ではないのかをお子さんに説明さ
せると、効果はさらに上がります。自分の考えをいう、言葉で表現するのは、
本当に難しいですね。
「これは、ここが違うから、当てはまらないわ」
「そうですね、角度が違うわね」
「角度って、なあに?」
「開き具合ですよ」
これは教え込むのではなく、「……?」と興味を持たせることです。関心を持
てば、記憶されるものです。
知的な刺激を与えてあげましょう。
構成の問題に限りませんが、たとえば、答えが違っていたとします。前にお話
しましたが、そんな時に、やってはいけないことがありますね。子どもの前で、
間違いを指摘しないことです。
「これ違っていますよ!」
「それならこれかな?」
「違います!」
「じゃ、これかな?」
「何で、考えないの、あなたという子は!」
こうなりがちです、そうではないでしょうか。
最後は、顔色も変わり、話す口調に怒気さえ含んでいます。子どもは怒られた
くない一心で、ひたすら残っている答えを指差すだけです。偶然に答えが合う
ことを祈って、です。考える時間を与えていません、お母さんは。
「勉強って、つらいものだな!」
このような気持ちにさせてしまっては、小学校へ入る前から、勉強の嫌いな子
になりがちです。
わからなかったら、コピーをとり、それを切らせ、組み立てることです。 怒
られて、おどおどしながらやっているお子さんの気持ちを考えてあげましょう。
かわいそうだと思いませんか。お子さんが、お母さんの顔色を気にしはじめ
たら、気分転換をはかることですね。お互いの精神衛生のためです。難易度の
高い問題に取り組むときこそ、あたたかい配慮が必要です。
閑話休題。
問題の解説は一休みして、お母さんの「育児の姿勢」をチェックしてみましょ
う。これは、かつて、皇太子さまが記者会見で披露された詩です。日本でもベ
ストセラーとなった「子どもが育つ魔法の言葉」(PHP研究所 刊)の著者、
ドロシー・ロー・ノルトの作ですが、お読みになったお母さん方は、この本の
冒頭にある「子は親の鏡」の詩には、納得されたのではないでしょうか。ここ
で紹介するのは、確か、スウェーデンの中学生用の教科書にあったものだと記
憶していますが、資料が見つからないもので、間違っていたらお詫びいたしま
す。
私どもも教室の入り口に掲示していますが、「育児しながら育自する」お母さ
ん方が大切にしている心構えではないでしょうか。
子ども ドロシー・ロー・ノルト 作
批判ばかりされた 子どもは 非難することを おぼえる
殴られて大きくなった 子どもは 力にたよることを おぼえる
笑いものにされた 子どもは ものを言わずにいることを おぼえる
皮肉にさらされた 子どもは 鈍い良心の もちぬしとなる
しかし、激励をうけた 子どもは 自信を おぼえる
寛容にであった 子どもは 忍耐を おぼえる
賞賛をうけた 子どもは 評価することを おぼえる
フェアプレーを経験した 子どもは 公正を おぼえる
友情を知る 子どもは 親切を おぼえる
安心を経験した 子どもは 信頼を おぼえる
可愛がられ 抱きしめられた 子どもは
世界中の愛情を 感じることを おぼえる
いかがでしょうか。
お子さんは、ご両親の作る環境で育っていくことを、忘れてはいけないと思い
ます。受験されるお子さんは、同世代のほんの一部の子ども達の一人です。ほ
とんどの子ども達は、こういった受験準備をせずに、小学生になります。
算数を例に取れば、加減乗除から分数の領域まで、数字も記号も使わずに学習
し、「話の記憶」では、中高学年で習う「長文の読解」を文字も使わずに学習
するにわけですから、家庭学習は、そのことを理解した上で、無理のないよう
に進めていただきたいのです。
お子さんが嫌がるときは、スパッと止めましょう。
そして、寝静まった頃に、お子さんの寝顔を見ることですね。
お母さんの気持ちも、切り替えられると思います。
大切なのは、お子さん自身の将来、歩むべき道ですから……。
年長さんになりましたが、元気に通っていますか。
集団生活への適応力をきちんと身につけるのも、合否の鍵となる大切なポイン
トです。
楽しく過ごせるように心がけてください。
少しでもお兄さん、お姉さんらしくなったところが見えたときは、ほめてあげ
ましょう。
「さすがお兄さん(お姉さん)!」は、子どもに自信を持たせますが、「お兄
さん(お姉さん)なんだから!」は、不満をつのらせがちで、賢いお母さんの
口にする言葉ではありません。
子ども達は、お母さんの何気ない言葉からも敏感に反応していることを、肝に
銘じておきましょう。
(次回は、「構成力・観察力(3)」についてお話しましょう)
※学校説明会が始まります。参加される前に、めぇでるにしかない学校案内を
お読みになることをお勧めします。過去30数年にわたり説明会に参加して聞
いたエピソードをまとめた“私立名門小学校の建学の精神・教育方針からわか
る”「心を鍛える賢い子どもの育て方」です。慶應義塾幼稚舎、雙葉小学校、
千葉県5校を含めた28校の情報を紹介しています。詳しくはホームページを
ご覧ください。
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>面接ケース・スタディー2
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「めぇでる教育研究所」発行
「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第31号
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面接 ケース・スタディー編 (2)
「あれっ、あの人………?」
何が起こるかわからないのが、幼児の世界です。
今まで静かに待っていたユミちゃんは、係りの先生が呼びに来たので、立ち上
がりました。
面接室の前まで来たのですが、中をのぞいたところで、急に、お母さんの後ろ
に隠れてしまったのです。
何が起きたのでしょうか。
「幼稚園の先生とお話しをするだけだから、こっちへ出てきなさい!」
お母さんが、振り返るなり、ユミちゃんの手を強く引っ張ったのです。
いやいやをしながら、今にも泣き出さんばかりです。
困ったことに、面接をする先生方からは、よく見える位置でした。
「パパと手をつないでいこうね!」
この一言で、先生方の前まで進みましたが、心は不安で、いっぱいです。
見かねた先生が、
「こんにちは、ユミちゃんですね!」
と声をかけてくれたのですが、返事をしたユミちゃんの声は、当然のごとく、
小さく、かぼそかったのです。
それこそ消え入るような声でいえたのがやっとでした。
「大きな声で答えなければ、先生方に聞こえないでしょう!」
きつい追い打ちです、何を考えているのでしょうか。
このような事態になったのは、実は、ユミちゃんがシスターを見るのは、初め
てだったからです。
それで、びっくりしてしまったのでした。
よく聞く話です。
気配りが足りません、あまりにも不用意ではないでしょうか。
入園説明会などは、
「小さなお子さんをお連れにならないでください」
といっていますし、普段、園内には入れません。
しかし、いくらでも方法はあります。
外からの見学は自由ですから、降園時などに行ってみましょう。
「一人っ子で、私が余りにも手をかけ過ぎたせいでしょう、初めての人と会っ
たり、初めてのところへ行くと、すっごく、用心深くなるんです。主人も『見
せておいたほうがいいよ』と心配し、それで、受験する幼稚園の周りを何回も
散歩とかにぃ、出かけました。
ある時、シスターが出てこられたのです。
娘は、予想通り、私の後ろに隠れ、スカートを力いっぱい握りしめているんで
す。
私は、『こんなチャンスはないわ!』と自分にいい聞かせ、意を決し、
『こんにちは!』
と、あいさつしました。
すると、シスターもあいさつしてくださったばかりか、娘に向かって、
『こんにちは、お嬢さん!』
と言葉をかけてくれたのです。
小さな声でしたが、娘もあいさつでき、力が入っていたスカートを握る手もゆ
るみ、
『ママ、だあれ?』
と聞かれ、私の説明に納得し、うなずいていました。
面接が終わったあとで、
『ママ、この間の、おばちゃまですよね?』
といった程度の認識なんですが、やはり、見せておいてといっては失礼ですが、
よかったと思います」
この気配りです。
シスターには悪いのですが、見たことのない子には、奇妙な感じを与えないで
しょうか。
怒られそうですが、映画で見るようなシスターとは違いますし、普段、見慣れ
ていないはずだからです。
当日が本番では、ユミちゃんのようになりかねません。
しかし、お母さん、「すっごく」や「散歩とかにぃ………」は、もう卒業しま
しょう、お子さんのためですよ。
また、幼児の初体験は、大人の想像を遥かに越えた大変なものです。
たとえば、園舎です。
校舎に比べれば小さい建物ですが、それでも幼児にとっては、相当、大きく見
えます。
それだけで、萎縮してしまうのが子どもです。
見慣れておくことも大切ではないでしょうか。
できれば試験前に、お父さんにはひげをそってもらい、当日、着ていくだろう
スーツを着、3人で出かけておきましょう。
初めての場所は、大人でも緊張しがちだからです。
まだ、あります。
入試当日は、大勢の親子が集まります。
お子さんは、そんな体験をしていないはずです。
「どうなっているのだろう?」
ほとんどの子は、驚いています。
「ママ、帰る!」
こういう子もいるそうです。
びっくりして、感情の揺れ動く気持ちを、しっかりと理解しておきましょう。
ましてや、動揺しているわが子に、
「聞こえないでしょう!」
と追い打ちをかけるようでは、母親、いや、保護者としていかがなものでしょ
うか。
私は、その資格なしだと思います。
見ているシスターの心も、おそらく怒りでふるえていたはずです。
こういう無神経な母親には、試験を受けてもらいたくないでしょうね。
合格するはずはありません。
幼い子どもの、微妙な心のざわめきを察知できないようでは、保護者とはいえ
ません。
幼稚園の受験の難しいことを、しっかりと心に刻んでいただきたいと思います。
梅雨に入りました。うっとうしい毎日を、子どもたちが楽しく過ごせるのは、
お母さんの笑顔です。気温の差が激しくなりがちな季節です。お子さんの健康
管理には、充分に気を付けてあげましょう。
(次回は、面接ケース・スタディー編 3についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>面接ケース・スタディー1
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「めぇでる教育研究所」発行
「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第30号
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面接ケース・スタディー1
「ジッとしてなさいといったって……!」
これから紹介します話は、幼稚園を受験された方々からうかがった、面接に関
する話を中心にまとめたものです。例年、7月頃から配信していましたが、
「もう少し、早く知りたかった」とお母さん方から叱責を受けましたので、今
年は早々と掲載することにしました。共通していることは、保護者として、ど
のようなバックアップをしてあげればよいかを、真剣に考えていたことでした。
また、合格された方が意外にも、
「今だからいえますが、こんな幼い子に受験させていいものかと不安のあまり、
何回受験をあきらめようと考えたかわかりませんでした。そのたびに、『私ど
もの教室では、背伸びをさせる無理な受験準備は一切しません。ご両親の考え
が一つになれば、期待通りの結果が出ますから頑張りましょう』と励まされま
した。大切なのは、両親は迷わずに、幼児教室の先生の指導にお任せすること
ですね」
と笑いながら話してくれました。
まさに、2、3歳児の受験の難しさを表す言葉ではないでしょうか。繰り返し
申し上げますが、ポイントを握っているのは、ご両親なのです。
それでは、ご両親の育児の姿勢や受験に対する考えが、どのように表れてくる
かを、面接のいろいろな場面を通して紹介しましょう。
面接が始まるまで、控室で待ちます。
ここで毎年、いろいろな光景が繰り広げられているようです。多くの場合、お
子さんはもちろんのことですが、両親にとっても、おそらく、生まれて初めて
入った場所でしょうから、緊張するのは当然です。しかし、ご両親は、自身で
選んだ道ですから、自力で解決できないようでは困ります。お子さんは、もっ
と、もっと緊張しています。子どもは、緊張しなくても、じっとしているのは
苦手です。控室で、座っていられなく、立ち上がったとしたら、どうしますか。
「ジッとしてなさい!」
この一言で、いろいろなことがわかります。
お子さんのことを少しも考えていない不用意な言葉です。
お子さんの緊張した状態を考えれば、こういった言葉を口には出来ないはずで
す。
困ったことにお母さんの顔は、恐い表情に変わってきています。
顔だけではなく、言葉も、声も怒っていると、お子さんは感じないはずはあり
ません。
これでは、ますます緊張するだけで、中には泣き出すお子さんさえいるそうで
す。そのような親子を見た幼稚園の先生方は、どう思われるでしょうか。
一歩でも家から外へ出れば、その時から、守らなければならないルールがあり、
マナーがあります。ルールやマナーは、その場で取り繕って、教えるものでは
ありませんし、ましてや、このお母さんのように言葉できつく叱責しても、お
子さんは静かに待つようになるものでもありません。
普段、図書館など公共の施設を利用した時や、電車やバスに乗った時など、ど
んなことに注意しているでしょうか。
静かに待つ工夫をしているのではありませんか。
大勢人が集まるところでのマナーは、小さい時から、年齢相応に教えているは
ずです。
静かに待つために、お子さんの好きな絵本を用意したり、混んだ電車では、お
子さんをひざに乗せたり、外を見る時は靴を脱がせるなどしていると思います。
こういったことは、受験のためにやってきたことではないはずです。一人の人
間として生きるために守らなければならないルールを教えてきたのではないで
しょうか。この積み重ねが、幼い子どもなりのマナーとなって身につくのです。
マナーは、肝心な時に表れます。
手抜きをしていると、抜いている分だけ、正直に、子どもは表現します。
そこで慌てても、手遅れです。
子どもの責任ではありません。
きつい言葉で注意を促されても、子どもは混乱するだけです。
このように、緊張を強いられるような場面で、お子さんが何よりも頼りにして
いるのは、お母さんのほほ笑みです。
お母さんは「保護者」です。
保護者は、弱いものを守る義務があります。
この控室へ連れてきたのは、ご両親ではありませんか。
上がってしまうようでは、お子さんに申し訳ないと考えましょう。
お子さんの小さな心臓は、ドキンドキンと激しく波打っているはずです。
その鼓動を聞いてあげられる余裕を持ちましょう。
上がっている暇などありません。
普段と変わらないお母さんが、そこにいれば、お子さんも安心して、いつもと
変わらないはずです。
お子さんが興味を持っている絵本など用意して、緊張をほぐしてあげましょう。
ただし、お子さんがいくら興味を持っているからといって、怪獣のおもちゃや
ぬいぐるみを持っていくのは、面接や試験を受ける控え室には、ふさわしくあ
りません。幼児教室へ通う時に、おもちゃなどを持っていく習慣がついている
と、試験当日だけ「駄目!」は、お子さんに通じないと心得ておきたいもので
す。
また、教室の控室などで、入室する前に、ジュースやお菓子を食べさせること
もあるようですが、幼児の場合は、こういった習慣がつくと、肝心な時に、お
菓子がないといってぐずる場合もあるようです。
こういった生活習慣のけじめも、きちんとつけておきたいものです。
お母さんと絵本を見ながら、静かに待っているお子さん。
ゆったりと構えて順番を待つお父さん。
育児にご自身の哲学を持ってほしいとは、こういうことなのです。
このような親子を、幼稚園が歓迎しないわけがありません。
育児に「付け焼刃はきかない」ことを肝に銘じておきましょう。
(次回は、面接ケース・スタディー編2をお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>幼稚園の選び方 2
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「めぇでる教育研究所」発行
「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第29号
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幼稚園の選び方(2)
前回は、「幼稚園の選び方9つのポイント」を紹介しましたが、今回は、その
チェックの方法についてお話しましょう。
9つのポイントを、以下のように並び替えてください。
(9) お子さんの長所と短所
(8) ご家庭の教育方針(保育の姿勢)
(7) 志望理由
(6) 健康状態
(5) 通園距離と所要時間
私たちの子どもには、こういった長所がある反面、こういった短所もある。
それは私たちが、こういう家庭の教育方針で育ててきたからだ。
そこで、いろいろな幼稚園を調べてみると、○○幼稚園の保育の方針と、よく
似ているところがある。
30分ほどかかるけれど、心身共に通園できるだけの成長をしているだろうか。
送迎は、家内が担当できる。
(もし、保護者のいずれかが送迎できない場合は、依頼できる人がいること)
そして、将来、どういった教育環境の学校を選ぶかについては、以下の条件か
ら検討してみましょう。
(1) 一貫教育制度
(2) 共学制度
(3) 別学制度
(4) 宗教教育
共学で大学までを希望すれば、学習院幼稚園(中高は別学)、成城幼稚園、桐
蔭学園幼稚部など。
共学で高校までを希望すれば、森村学園幼稚園、日出学園幼稚園、昭和学院幼
稚園(短大があります)など。
幼稚園は共学、小学校から別学で大学までを希望すれば、日本女子大学附属豊
明幼稚園、川村幼稚園など。
宗教教育で、共学で大学までを望むなら、青山学院幼稚園、玉川学園幼稚部、
淑徳幼稚園、聖学院幼稚園(中高は別学)など。
別学を望むなら白百合幼稚園、東洋英和幼稚園(幼稚園には若干名男の子も在
籍)、湘南白百合学園幼稚園など。
高校までの一貫校で別学を望むなら、田園調布雙葉小学校附属幼稚園、幼稚園
は共学ですが男子では暁星幼稚園、女子では雙葉幼稚園、光塩女子学院幼稚園
など。
小学校まで共学、中高は別学となれば桐朋幼稚園、宝仙学園幼稚園。
幼少一貫教育で中学受験となると国立学園附属かたばみ幼稚園。
ところで、併設校のない幼稚園で、名門小学校への進学実績を上げているとこ
ろもたくさんありますから、説明会へ参加され、きちんと情報をつかんでおく
ことをお薦めいたします。
以上の条件から、幼稚園選びが出来上がるはずです。
これは、あくまでも理想ですから、こういった観点からお子さんに相応しい幼
稚園を選んであげる参考資料としてお考え下さい。
しかし、(6)から(9)までが、きちんと出来上がっているか、あるいは、
将来の設計図として描かれたものがない場合、幼稚園選びは、お子さん中心と
はなっていないと思います。
勿論、これからどんどん成長していく2、3歳児のことですから、まだ、明確
に表れていないところがたくさんあると思いますが、キーポイントは、やはり、
ご両親の育児の姿勢ではないでしょうか。
「どういった子どもに育ってほしいか」といった青写真が描かれていれば、実
現のために環境を整え、育児に専念していると思います。
小学校受験の場合に、「はじめに学校ありきではなく、ご両親の育児の姿勢あ
りき」であるべきだといっていますが、幼稚園選びも、「はじめに名門校附属
の幼稚園ありき」ではなく、「ご両親の育児の方針ありき」であるべきだと思
います。
名門という名前だけにこだわるようでは、うわさなどに惑わされ、いわゆる
「受験地獄」なるものに陥りかねませんから、慎重に選んであげてほしいので
す。
ところで、問題は、通園時間と通園方法でしょう。
ここで紹介した幼稚園では、ほとんど通園バスはありません。
送迎は、保護者の役目です。
最初は、みなさん、真面目に、お子さんの手を取って通われるそうですが、そ
うでない場合もあるようです。
慣れてくると、自家用車で送迎が始まるそうです。
説明会で、傑作な話を聞いたことがあります。
かなり年月がたっており、園長さんも引退していますから、紹介してもさしつ
かえないでしょう。
こういうことです。
「子どもさんは、本当に嘘がつけないのですよ。ある時から、私がその子のそ
ばに行くと、何となく落ち着かなくなり、ちらっと見ては、視線を外すのです。
『○○ちゃん、どうしたのかな?』
と声をかけると、本当に、いいづらそうに、こういったのです。
『先生、ママはいってはいけないといったのだけど、今、お車で通っているの。
本当はいけないのでしょ?』
『あら、いつも、ママと手をつないできているではありませんか』
『車を預けて、そこから歩いてくるの……』
近所にある駐車場に止めてくるのですね。
それが、お子さんの心に、大きな負担となっているのでした。
なぜなら、私どもの幼稚園は、ミッション系ですから、『嘘を言ってはいけま
せん』と教えています。
お母さまがこの約束を破っているわけですね。
幼稚園の先生も好きだけれど、まだ、ママが大好きな時期です。
お子さんの気持ちを考えてあげるお母さまなら、こういったことは絶対になさ
らないはずです」
慣れてきても、こういうことは、やめるべきです。
何のためにミッション系の幼稚園を選んだのでしょう。
これでは、宗教教育に、何にも期待していないことになりませんか。
宗教教育を基本とする幼稚園を選ぶ場合は、こういったこともきちんと守って
登園するお母さんでなければ、幼稚園の教育方針は生きてきません。
無理な通園時間から、教育の方針を守れないようでは、何のための受験だった
のでしょうか。
こういったこともきちんと考えて、選んでほしいと思います。
お子さんは、通っている教室の講習会などを通して、いろいろと体験学習を積
んでいかれることと思います。
お子さんの受験準備については、それぞれの幼児教室の先生方にお任せして、
次回からは、面接試験で考えられる、いろいろな場面を想定して、どのように
対応すればよいかについて、お話しましょう。
なお、入室から退出までの留意点は、拙著の「面接 ここがポイント」(めぇ
でる教育研究所 刊)を参考にしていただければ幸いです。
朝夕の寒暖の差が激しい今日この頃です。体調を崩さないように、健康面にも
留意しましょう。
(次回からは、面接ケーススタディーを紹介しようと思います)