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めぇでるコラム : 2015年6月 2ページ目

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>幼稚園の選び方 1

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
              第28号
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(28)幼稚園の選び方 1
 
幼稚園の受験は、
「ぼく、暁星幼稚園へ行きたいの!」
「私は、白百合幼稚園へ入りたいの!」
といったように、お子さんの希望で始まったわけではありません。
もっとも、お兄さんやお姉さんがいれば、同じ幼稚園に行きたいとなる場合も
ありますが、多くの場合は、ご両親が、お子様の将来を考えて始める受験です
から、きちんとバックアップ体制を整えて望まなければ、希望される幼稚園か
ら招待状は届かないでしょう。
 
さて、幼稚園の受験で、もっとも重視されるのは、「なぜ、その幼稚園を選ん
だか」という志望理由です。出身者の場合は問題ありませんが、そうでなけれ
ば、「わが子のためによかれと選んだ理由」が明確でなければ、幼稚園側を納
得させるのは難しいと思います。ご両親が、まず、取り組まなければならない
のは、どういった考えで幼稚園を選ぶかということです。9つのチェックポイ
ントがありますから、メモ用紙を用意され、ご両親で、別々にご自身の考えを
書いてみましょう。
 
1. 一貫教育制度に何を期待しますか。
「幼稚園から大学まである学校に入れてしまえば受験は一回で済むから」とお
っしゃったお母さん方がいました。中・高・大と受験をするようなことがある
と、本人は勿論、付き合う親も大変です。一貫教育校の幼稚園受験が過熱気味
なのは、こういう考えがあるからでしょう。
一貫教育校に入れば、受験に費やすエネルギーを学問や余暇に利用できます。
しかし、「受験、結構、やらせます!」と考えるお父さん方も、たくさんいま
す。暁星幼稚園や雙葉系の幼稚園は高校までしかなく、「大学は自分で選び、
挑戦しなさい」といっています。
しかし、一貫教育制度は、入ってしまえばエスカレーター式に大学までいける
制度ではありません。上級校が定めた一定の条件を満たさない場合は、進級で
きない場合もあります。ただ、言えることは、幼稚園で、「白」と習ったこと
は、大学へいっても「白」と教わるのが、一貫教育制度のよいところでしょう。
また、受験勉強をすることなく、ゆとりを持って学校生活を送れます。 
一貫教育制度に、何を期待しますか。 
 
2. 共学について
学習院幼稚園、青山学院幼稚園、日出幼稚園などを選ぶ理由として、小学校も
共学であることでしょう。
義務教育は共学であり、多くの方は、共学の経験があるはずですが、男女別学
の環境で教育を受けられた方が、お子さんには共学を勧める場合、その理由に
ついてしっかりと話し合っておきましょう。
 
3. 別学について
幼稚園から女のお子さんしかいないのは、白百合学園幼稚園と田園調布雙葉小
学校附属幼稚園です。なぜ、こういった特殊な教育環境を選ばれるのか、それ
なりの理由がなければ、面接のときに困ったことになります。白百合学園幼稚
園は19年間、田園調布雙葉は14年間、女の園ですから。
また、暁星幼稚園には女のお子さんが、雙葉、東洋英和、豊明幼稚園、湘南白
百合学園幼稚園には男のお子さんもいますが、小学校からは別学になります。
毎年、受験者が多いのも、いずれも伝統ある学校ですから、教育方針や校風が、
圧倒的に支持されている証拠でしょう。
別学の経験のないご両親の場合、なぜ、別学の学校を選ぶのか、ここが問題で
しょう。
 
4. 宗教教育について
本来、ミッション系の学校は、宗教を布教する目的をもっていますが、だから
といって信仰を強制することはありませんし、在学中に洗礼を受ける義務があ
るなども、単なる噂にすぎません。
入園説明会でも「信者でなくても結構ですし、僧侶や神主のお子さんも在籍し
ています。国籍、宗教、学歴、職歴、一切、関係ありませんが、条件といえば、
日本語がわかることです」とおっしゃっています。
大切なことは、宗教教育を通して、何をお子さんに学んでほしいか、なのです。  
皆さんは、毎日の育児を通して、「嘘をついてはいけませんよ」「自分のこと
は自分でできるように頑張ろうね」「ありがとうという気持ちを大切にしよう
ね」と、常々、おっしゃっているのではないでしょうか。
これは、すべて宗教教育の基礎、基本です。キリスト教の愛、イスラム教の施
し、仏教の慈悲などは、すべての宗教に共通している教えです。
こういったことを育児で大切にしていれば、幼稚園側のいう「ご家庭の育児の
方針と園の保育方針に共通認識がある、一致している」ことになるのです。
「全人教育に賛同いたしまして」といっても、その意味を理解していなければ、
絵空事になってしまいます。
育児で大切にしていることを考えてみましょう。
※全人教育 知識・感情・意思のいずれにも片寄らない、全ての方面が円滑に
発達することを目標とする教育(「新明解国語辞典」より)
 
5. 通園距離と所要時間
国立附属幼稚園の場合は、地域指定や通園時間に制限がありますが、私立では
桐朋幼稚園が通園可能な範囲を公表し、立教女学院短期大学附属幼稚園天使園
も40分以内としていますが、多くの幼稚園の場合は、30分前後、徒歩、も
しくは公共の交通機関を使って通園できる方、後は、ご父母の判断に任せると
いっています。幼稚園への送迎は親の役目といえども、やはり通園できる範囲
は、おのずから決まってくるのではないでしょうか。きちんと把握しておくこ
とです。
幼稚園が都心であればラッシュアワーであり、バスは渋滞路線を走ることにな
ります。
なお、通園に使用するのは普通電車、乗り換えや、最寄りの駅まで歩く時間は、
子どもの足でかかる時間です。
東日本大震災以降、緊急事態が発生した場合のお迎えが、速やかにできること
も条件になっているようです。
 
6. 健康状態
身体だけではなく、心身ともに健康であることです。
幼稚園の受験は、簡単にいえば、「初めての場所で、初めて会った同世代の子
どもの集団に入り、初めて会った先生の指示を聞き、理解し、年齢相応に対応
する」ことです。
自分だけが頼りの戦いです。
 ・初対面の友達のグループに入り、一緒に何かをすることができますか。
 ・やってみようとする意欲はありますか。
 ・お母さんの手を借りずにどのくらいのことができますか。
育児が過保護、過干渉な環境になっていると、こういったことが苦手ではない
でしょうか。
基本的な生活習慣は、まだ、十分に身についていませんが、しかし、自分でや
ろうとする意欲が培われていればいいのです。
しつこいほど繰り返していいますが、結局は、「お母さんのもとを離れても、
楽しいことがあることを知っているかどうか」と言えるでしょう。
 
7. 志望理由
附属の幼稚園を選ぶ場合、建学の精神や校訓、設立理念などを、どのように理
解するかでしょう。
それがご家庭の育児の方針と、どういった接点があるかを理解しておくことで
す。
そのために、主な幼稚園の保育の方針を紹介しましたが、幼稚園の説明会には、
必ず参加され、ご自身で確かめておきましょう。
説明会をやっていない雙葉幼稚園の場合は、小学校の説明会で伺った、校訓の
「徳においては純真に、義務においては堅実に」について、以下のように考え
てみるとわかりやすいと思います。
 
「『ママ、これを手伝ったら何かを買ってくれる』と、見返りを考えるような
子どもに育てては『徳においては純真に』とは言えません。就学前のお子さん
ならできなくてはいけないことを、お母さんの手を借りているようでは、『義
務においては堅実に』とは言えません。こういった子育てをしているご家庭の
お子さんを雙葉は歓迎しません」と。
これを、2、3歳児の発育状態に下げて考えてみましょう。
 
このように、建学の精神、保育の方針などは、毎日の育児の様子から考えてみ
ることが大切です。
 
8. ご家庭の教育方針
どんな時に褒め、叱るか、箇条書きにしてみましょう。
出来上がったものが、ご家庭の教育方針です。
ただし、その日の気分で怒ったり、後で怒らなければよかったと後悔するのは
教育方針ではありません。
ご両親で一致していれば、子育てはうまく連携が取れているはずですし、叱る
ことも少なくなっていると思います。
 
9. お子さんの長所と短所
育児でうまくいっているところが長所で、そうではないところが短所として表
れているはずです。
短所は、ご両親の育児の反省点として直すように心がけましょう。
ご両親の性格を受け継いだ遺伝であるかもしれませんから。
まだ、2、3歳のお子さんですから、長所や短所が、はっきりと表れていない
ところもあるでしょうが、発育状況から客観的に判断してみましょう。
 
(次回は、「9つのチェックポイントの判定の仕方」についてお話しましょう) 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>幼稚園説明会について

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
              第27号
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(27)幼稚園説明会について
 
今回から入園試験実践編に入りますが、まず入園説明会からお話しましょう。
入園説明会は、文字通り、幼稚園についての説明会で、入園試験の内容につい
ての説明は、全くといっていい程ありません。
 
例えば、白百合幼稚園の場合、第1回説明会は5月9日(土)に学園講堂で行わ
れ、終了後、見学会も実施、第2回見学会は、5月13日(水)に行われました。
今年も防犯上、会場に入る際に母子手帳を提示しました。第2回目の説明会は、
9月5日(土)に実施予定、見学会はありませんが、「詳細はあらためて更新さ
せて頂きます」とホームページに出ていました。昨年は第1回目が5月11日で
あったため見落としてしまいました、申し訳ありません。言い訳させて頂ければ、
平成22年から母子手帳がないため参加できないので、興味を失ってしまってい
ることもあります。
 
入試に関しては、募集要項や願書の配布日、出願の日、出願の方法(幼稚園へ直
接持参するか、郵送する)、面接や試験、合格発表の日時、願書記入上の留意点
などの説明にとどまり、大半は建学の精神や保育方針、年間の行事などの説明が
行われています。
最近は、ビデオを使って年間の行事などを紹介することで、建学の精神や教育の
特長などをわかりやすく説明する幼稚園もあります。
 
また、淑徳幼稚園や聖学院幼稚園などのように公開保育を行っている幼稚園や、
学習院幼稚園のように、説明会終了後、希望者には施設見学会を実施していると
ころもあります。公開保育の場合は、お子さんの服装や靴など用意していくもの
がありますから、必ず、事前に連絡を取り確認しておきましょう。施設見学の場
合は、上履きと靴を入れる袋を持参します。最近は、事前に予約が必要となるケ
ースが増えていますから、ホームページで確かめておきましょう。
 
そして、ほとんどの幼稚園では「お子さんを連れてこないでほしい」といってい
ます。
説明会については、ホームページで簡単に知ることができますから、必ずアクセ
スし確認しておきましょう。 
なお、普段、部外者は、絶対に園内には入れませんから、できるだけ幅広く見学
することをお勧めいたします。
 
といっても、幼稚園の中で説明会をやっていないところもあります。
学習院幼稚園は、目白の大学のキャンパス内にある学習院創立百周年記念会館正
堂で行っています。
白百合学園幼稚園や暁星幼稚園は学園内の講堂、豊明幼稚園は大学キャンパス内
の成瀬記念講堂で行っています。大勢の参加者があり、小さな施設の幼稚園です
から収容できないからです。
青山学院幼稚園も大学内の礼拝堂で行っていますが、今年は初等部の礼拝堂で行
 
われます。入った瞬間に、何とも言えない宗教の香りを肌で感じることができま
す。宗教教育の経験のないご両親は、是非とも参加してほしいと思います。参加
されて違和感があるようでしたら、幼稚園選びを考え直す必要があるでしょう。
 
最近では、家にいて幼稚園に関する詳しい情報も得ることができます。先にもお
話しました、ホームページを利用することです。各幼稚園共に演出をこらし、素
晴らしい画面を見ることができます。幼稚園が決まっていない場合は、出来るだ
け多くの幼稚園の情報に接しておきましょう。
 
保育の方針などを紹介する幼稚園の入園説明会、公開保育の日程は、以下の通り
です。
平成27年5月10日(日)現在 Yahooで検索したもので、まだ、発表し
ていない幼稚園もありますが、その場合は、前年度の日時を掲載してありますの
で、後日確認し、お間違えのないようにお願いします。なお、上履き持参の場合
は、幼稚園によっては用意している場合もありますが、必ず、靴を入れる袋も持
参してください。
 
[東京都]
暁星幼稚園 (※5月10日現在未定のため これは昨年のものです)
9月10日(水)14:00-15:00 暁星中学校・高等学校講堂 
              幼児同伴不可
      9月17日(水)園舎見学 14:00~15:00
 
白百合学園幼稚園 第2回 9月5日(土)  
       詳細は後日発表    
         
ホームページで「モンテッソーリ教育」と、実際に取り組んでいる園児達の「お仕
事」を動画で紹介しています。すっかり度肝を抜かれた、カタカナで書かれたア
フリカの国名を地図の上に置いていくお仕事のさわりも見ることができます。 
 
雙葉小学校附属幼稚園 説明会なし 
園庭開放 6月15日(月)~6月26日(金)
      午後1:00~1:30 [22日(月)及び土日は除く]
  
東洋英和幼稚園 7月18日(土)/9月3日(木)
        両日共10:00-12:00 両日とも内容は同じ
        9時より願書発売
        幼児同伴不可 上履き持参
        
日本女子大学附属豊明幼稚園 施設見学会 5月16日(土)
        10時00分-11時30分 豊明幼稚園
        お子様も参加できます。
        園舎見学の際、室内履き、靴袋が必要。子どもはスリッパ不可
          園庭見学の際は、園庭が痛むためヒールの低い靴を。
          親子で遊べる服装でお越しください。
          園庭で遊ぶ方は帽子をご持参下さい。
          幼稚園施設見学参加票を持参(詳細はホームページを)
 
   ※昨年の入園説明会は9月6日(土)でした。
 
成城幼稚園 6月7日(日)午前(開始時刻は決まりしだいお知らせします)
      9月12日(土)14:00~ 於 幼稚園ホール
            幼児同伴不可 上履き持参
    幼稚園園舎見学会 6月15日(月)・7月6日(月)・9月18日(金) 
         見学時間 14:30-15:30 電話等での予約が必要
  (予約の連絡は5月7日(木)以降の月~金曜日の午前10時から午後3時半) 
 
田園調布雙葉小学校附属幼稚園 9月16日(水)14:00-15:00 
本学園記念講堂 (車での来園禁止) 
終了後、園舎見学あり 上履き持参 
               幼児同伴不可
 
青山学院幼稚園 9月12日(土)10:00より 
米山記念礼拝堂(青山学院初等部内)
        幼児同伴不可 園舎見学あり スリッパ持参 
        整理券が配布され、その番号に従って所定の区画に着席する。
 
(青山学院の第二の校歌と親しまれている、平岡精二 作詞作曲の「学生時代」
の歌碑が、ベリーホール本部礼拝堂前にあります。昨年までは大学内で行われて
いたので、帰りに見ることができたのですが、残念)
 
学習院幼稚園 9月12日(土)11:00から(1時間半程度の予定) 
学習院創立百周年記念会館 正堂 
       説明会終了後、園庭及び保育室、遊戯室内の見学可
       募集要項(9月7日より発売)にある「説明会出席票」にあらかじ
       め記入して持参。受付を円滑にするため。
 
桐朋幼稚園 第1回 5月16日(土)10:00-11:30 お子さん同伴可
      第2回 7月26日(日)10:00-11:30 お子さん同伴不可
      第3回 7月26日(日)13:30-15:00 お子さん同伴不可
      第4回 9月 5日(土)10:00~11:30 お子さん同伴不可
※なお、5月16日(土)の説明会は、お子様お連れの方もそうでない方も、一緒の会場となる。
 
場所 学園内:幼稚園図書室(当日、案内板で掲示)
幼稚園内の施設見学あり。
筆記用具持参。
上履き(スリッパ等持参)
ご案内の都合から予約制。説明会の参加はお1人様1回限り。
自動車による来園は禁止
応募方法 
4月20日正午より予約画面から申込受付開始。
先着順(募集人数になり次第締め切り)
      
淑徳幼稚園 5月27日(水)9:00-9:10受付 9:20開会予定(約1時間)
      6月24日(水)
      9月30日(水)
      説明会、公開保育とも事前予約が必要。ホームページをご覧ください。
 
聖学院幼稚園 9月5日(土)10:00-11:00  
       公開保育6月23日(火)
体験入園7月17日(金)7月18日(土)
についてはホームページをご覧ください。
  
光塩女子学院幼稚園 5月14日(木) 6月10日(水)9月18日(金)
          いずれも9:30から1時間程度(9:10から受付開始)
          車での来園禁止 上履き、靴入れ持参。 
          お子様はなるべくお連れにならないように。
          園庭開放あり、満3歳児保育「ことり組」 未就園児保育「そら組」についてはホームページを参照 
 
立教女学院短期大学附属幼稚園天使園 
(※5月10日現在未定 これは昨年のものです)
          ※9月6日(土) 10:00-12:00
          立教女学院 聖マリア礼拝堂
          幼児同伴不可 スリッパ持参
 
国立学園附属かたばみ幼稚園
第1回目 6月6日(土)(9:30-12:00) 於 幼稚園ホール
  この回は「お子様をお預かりします」ので、ご希望の方は、事前に連絡してください。
     第2回 9月3日(木)(9:15-12:00) 於 幼稚園ホール
              上履き持参
     幼稚園見学 6月8日(月)以降、要申し込み
               (詳しくはホームページを参照)
 
川村幼稚園 見学会兼説明会 6月6日(土)10:30-11:00(園舎)
説明会 9月5日(土)11:00-11:30(園舎)
          要 予約
         「幼稚園であそぼう」要予約(詳しくはホームページを参照)
 
[神奈川県]
桐蔭学園幼稚部 
6月12日(金)第1回 学校説明会・公開授業 
9:00受付開始 上履き持参
        第2回9月5日(土) 13:00受付開始 
        上履き持参 於 桐蔭学園シンフォニーホール
 
湘南白百合学園幼稚園 (※5月10日現在未定 これは昨年のものです)
        9月10日(水)13:30 約1時間
        上履き持参 幼児同伴不可
 
森村学園幼稚園 
第1回 5月23日(土) 9:30 受付開始 10:00開会
      第2回 9月 5日 (土) 10:30 受付開始 11:00開会
            第3回10月10日 (土)  9:30 受付開始 10:00開会
 
 幼稚園ミニ説明会、公開見学会、保護者見学会あり、詳しくはホームページを参照。
 
[千葉県]
日出学園幼稚園 未定(※5月10日現在 未定 これは昨年のものです)
9月21日(金)説明会 10:00-11:30
上履き持参 できるだけ保護者のみで
 
昭和学院幼稚園 未定(※5月10日現在 未定 これは昨年のものです)
※6月12日(金) 見学会 9:30-11:00
※10月3日(金) 説明会 9:30-11:00
 
資料は、ホームページで検索したものです。参加される場合は、必ず、確認を
取ってからお出かけください。
(次回は、「幼稚園の決め方(1)」についてお話しましょう)
 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>お受験、少し怖いですね

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
              第26号
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お受験、少し怖いですね
 
3年保育の幼稚園を選ぶ場合、入園テストは毎年、秋に行われていますから、
早生れの子は、2歳で受験です。
まさに受験戦争の低年齢化です。
たとえば、かつて、皇室の方が通われていた学習院幼稚園ですが、定員、男女
各26名、計52名に対して、約10倍の応募者があったそうですから、ざっ
と計算しても500名前後の受験生が集まったことになります。
合格者は、10人に1人で、9人は落ちることになります。
大変な難関を突破しなければなりません。
 
受験を考えているお母さん方は、偏差値教育の洗礼を受けてきた、バリバリの
元受験戦士が多いと思われます。
すると、倍率から察して、「合格イコール、何でもできる、頭のいい子!」と
考えないでしょうか。
大きな書店へ行くと、入園試験問題集が売られています。
「赤い花が、何本ありますか」
「赤い花と青い花ではどちらが多いですか」
などといった、いかにもテストらしい問題が掲載されています。
2、3歳の受験生ですから、試験の形式は、具体物や絵に描かれたものを使用
する口頭試問です。
こういった問題集を手に取ると、いきなり本番では、できるわけはないと考え
るのは当然でしょう。
 
さらに、幼稚園受験のための幼児教室もたくさんあります。
「○○幼稚園へ××名合格!」
などを見ればあおられます。
お母さん方の多くは、塾で鍛えられた経験の持ち主ですから、準備が必要だと
思わないわけがありません。
 
しかし、受験生は2歳、3歳の幼子です。
いろいろな能力の差など、はっきりと表れるものではないでしょう。
ですから、前にもお話ししましたが、幼稚園で難しい試験をやるはずはありま
せん。
なぜなら、子どもを見れば、どんな環境で育てられているかわかるからです。
子どもは、嘘をつきませんし、演技もできないはずです。
幼稚園側は、どういった子に育てられているかを知りたいわけです。
 
最近、電車に乗って感じるのは、しつけのできていない親子に会うことです。
お菓子を食べる子、走り回る子さえいます。
お母さん方の名誉のために付け加えますが、本を読んであげたり、靴を脱がせ
て外を見させたり、混んでくるとお子さんをひざの上に乗せるお母さん方も、
たくさんいます。
普段のしつけ、生活習慣ではないでしょうか。
 
幼稚園の試験も、これだと思います。
字も読めない、書けない子どもの試験です。
試験は、遊びを通して行われています。
子どもは遊ばせてみれば、たいていのことはわかります。
たとえば、遊びたいおもちゃが一つしかなければ、子どもは育てられている環
境で応えます。
お母さんのもとを離れて遊ぶ経験が少なければ、遊びに入っていけないでしょ
う。
答えは、すぐ出るのではないでしょうか。
テスト会場で、無心に遊ぶ子ども達の一つ一つの動きから、表情から、無邪気
な反応から、笑顔から、ちょっと困ったなといった表情から、ご両親の育児の
姿勢が、はっきりと表れるものです。
過保護は過保護なりの、過干渉は過干渉なりの結果が、正直に顔を出します。
このことです……。
 
これは受験準備のためだけに、無理やり培われたものではないはずです。
ご両親が手塩にかけて、大切に育ててきた根っこから芽生えた、小さな芽です。
そこを幼稚園は見たいのです。
無理に咲かされた花を見たいわけではないでしょう。
繰り返しますが、幼児期は花を咲かせるときではありません。
キチンとした花を咲かせるのに必要な、土台を作るときです。
促成栽培をすれば、たとえ花は咲いても、すぐに枯れてしまうでしょう。
自然に逆らっているからです。
 
そこを勘違いして、知識を詰め込む、小学校のお受験と同じような感覚で準備
をすると、どうなるでしょうか。
子どもの体も頭も、まだ、そんな訓練に耐えるだけの発育をしていません。
 
入園テストの合否の比率は、親の面接8割、お子さんの成長度2割ともいわれ
ています。
人間は、話をしてみるといろいろなことがわかります。
姿、形ではありません、人間性です。
学歴、職業、言葉遣い、服装などが合否のポイントなどといわれているのは、
単なる噂にすぎません。
ご両親の人間性です、育児の姿勢です。
今までの生きてきた姿が、取り組んできた育児の結果が全部、出ます、まだ中
間報告ですが。
絶対に、付け焼刃はききません。
ご両親の育児の姿勢が、幼稚園の保育の方針と限りなく近く、共通認識があれ
ば、それが志望理由となり、幼稚園から歓迎されることになるわけです。
直接、試験を受けるのは、お子さんですが、採点されるのは、ご両親です。
これが幼稚園の受験です。
 
そして、お子さんは、親のもとを離れて、生まれて初めて入った園舎で、初め
て会ったお友達と一緒に、初めて会った先生のいうことを聞き取り、答え、態
度で表すといった入園テストを受けることになります。
自力で判断し行動しなければなりません。
こういった経験をたくさん積んでおかなければ、テキパキと対応できないでし
ょう。
ご両親には、志望される幼稚園の情報を的確に伝え、お子さんには楽しく受験
準備をさせてくれる、幼児教室選びのポイントは、ここにあるのです。
 
記憶だけに頼った知識の詰め込みなら、おもしろくありませんから、簡単に忘
れてしまうでしょう。
高校、大学と散々苦しい思いをして覚えさせられた英単語、役に立っています
か。
幼児には、五感を刺激する体験が必要です。
覚えた知識の量より、体験して身についた知恵の量です。
記憶したことは、忘れやすいものです。
しかし、楽しく体験したことは、体が覚えています。
自転車に乗れるようになると、しばらく乗らなくても、すぐに乗れるようにな
ります。
この違いです。
 
記憶は、大脳神経系の仕事です。
大脳神経は、覚えることも仕事ですが、忘れることも仕事です。
体験は、中枢神経系の仕事です。
中枢神経は、体が覚えたことを忘れません。
全身で学習しているからです。
 
幼稚園や小学校の受験、早期教育を含めて、ご両親が教育に対して信念といい
ますか、きちんとした考えをお持ちでしょうか。
言葉を代えましょう、将来、どういった道を歩んでほしいとお考えでしょうか。
そのスタートラインに立つのが、幼稚園の選択にあたるわけです。
 
なぜ、その幼稚園を選ぶのでしょうか。
ご両親の育児の姿勢と、選ばれる幼稚園の保育の方針に、矛盾はありませんか。
希望される幼稚園への合否の鍵は、ここあるのです。
通っていらっしゃる幼児教室で、こういった指導を受けていると思います。
次回から、「入園試験 実践編」と題して、合格の二文字を獲得するために、
どのような道を歩んでいくかについて、お話をしましょう。
〈次回は、「入園説明会」についてお話しましょう〉
 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>幼稚園の求める子ども像

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
              第25号
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幼稚園の求める子ども像
 
前回まで、国立大学や一貫教育校の附属幼稚園の保育方針を紹介しましたが、
どういったお子さんを求めているのか、そのためにご両親は、どのような育児
を心がければよいのか、おわかりいただけたと思います。
こういえるのではないでしょうか。 
 
1.3歳過ぎたら、過保護、過干渉の育児にならないようにし、自主性を育てる
  ように心がける。
2.「できる、できない」と結果だけにこだわらず、プロセスを見極めてあげる。
3.失敗しても叱らずに、飛躍の機会と考え、励まして頑張る意欲を育てる。
4.叱るより褒める育児に徹し、自信を育てる。
5.うるさいほどの「なぜ、どうして?」の質問にも、頑張って答えてあげる。
6.促成栽培的な発想を持たずに、じっくりと時間をかけて育てる見識を持つ。 
7.親が管理するのではなく、夢中になって遊べる環境を作り、遊びながら学べる
  体験学習の機会を増やしてあげる。
8.偏らずに、いろいろな遊びに参加する機会を与え、一人だけではなく、仲間遊 
  びのできる環境を作ってあげる。
9.お母さんのもとを離れても、楽しいことがたくさんあることを教えてあげる。
10.常に、あたたかいスキンシップを欠かさないこと。
 
遠慮もなく、たくさん出しました。
こういったことを「完璧にやりなさい!」などといわれては、「エッ!」とな
りかねませんね、お母さん。でも、心配ありません。「過保護、過干渉の育児」
さえしなければ、大丈夫です。
繰り返しますが、「3歳過ぎても、お子さんのやっていることを見て、手を貸
したくなるようでは過保護、口を出したくなるようでは過干渉な育児」で、い
やな言葉ですが、手を貸してばかりいれば超過保護であり、口を出しているよ
うでは超過干渉の育児となりがちです。自立の時代に入っているのですから、
自ら挑戦しようとする意欲、自発性を育む機会を与えましょう。
 
そのためには、発育に応じて、
「ダメ! イケマセン! コウシナサイ!」 
といった禁止や制限、命令などの指示を、少しずつ減らし、自由を与えましょ
う。
「自由を与える」といっても放任ではありません。
お母さんが手を貸し、口を出していたことを、お子さんに少しずつさせるので
す。
まだ、危ないことをしますから、用心しなければいけません、特に男の子は。
当然のごとく失敗します。そこで叱ったり責めたりすると、自発性も意欲も育
ちません。この時にものをいうのは、お母さんの励ましやあたたかい眼差しで
す。小さな失敗を上手に利用し、自力でできるように仕向けてあげ、できたこ
とで自信をつけさせましょう。
 
「ぼく、できない!」と、直ぐにあきらめる、手伝ってもらうなど、自分でや
ろうとする意欲のあまりない子は、失敗の経験が少ないか、失敗してはいけな
いと思いこんでいる場合が多いものです。時間がかかっても心配ありません。
ゆっくりでもいいから、自分でやることが、どんなに大切かを教えてあげまし
ょう。
 
そして、結果だけにこだわらずに、あたたかく見守ってあげてください。結果
だけを気にするお母さん方は、プロセスを大切にしていません。結果は、プロ
セスの積み重ねです。
何事も、いきなりできるようになるわけではありません。
お母さん方の得意とする料理が完成するまで、どのくらいの手間暇をかけたで
しょうか。
レパートリーの増えた今、いちいちレシピを見ながら作っていないと思います。
試行錯誤を積み重ねたことで、調味料の適量やもっともおいしい料理の仕方、
手順を、きちんとマスターしているはずです。
お子さんの成長過程も、毎日取り組むお母さんの料理と同じです。
 
一つのことをマスターするためには、いかにプロセスが大切かを知っているお
母さんは、「怒らず、あせらず、あたたかく」応援します。ですから、お子さ
んは、伸び伸びと挑戦し、階段を一段、一段、確実に上るように成長するわけ
です。       
これは、お子さんが赤ちゃん時代に、やっていたことではなかったでしょうか。
おむつを取ったとき、スプーンで食事をはじめたとき、「忍の一字」であった
頃を思い出しましょう。
 
例によって、赤面しながらいわせてもらいます。 
「できる、できない」だけにこだわり、促成栽培的な不自然な育児をしている
と、子どもは、お母さんの顔色をうかがうようになります。
ですから、「自分で考え、判断し、行動する」という自発性は育ちません。
自分でやる機会を与えず、経験を十分に積ませないで、お母さんが結果ばかり
気にしていると、こうなりがちです。
自発性は、自立を支える大切な能力であると考えましょう。
 
そして、遊びは、子どもの発育を促す大切な仕事です。
夢中になって遊ぶ子どもの頭の中は、アイデアでいっぱいです。
工夫をしていますから、夢中になって遊べるのです。
そこから、さまざまな新しい能力が開発されていきます。
そして、一人遊びも大切ですが、仲間遊びも大切です。
最初は並行遊びでも、そこに友達がいるだけで十分なのです。
それが刺激になり、新しい遊びが始まります。
二人いることで、社会性や協調性が育ちます。
友達にできて自分ができなければ、悔しさから挑戦しようとする意欲も育ちま
す。
いってみれば、友達同士が教材であって、何か課題を持ち寄って遊びながら、
さまざまな能力を開発している、それが子どもの遊びです。
偏った遊びにだけに夢中になっていると、やはり、偏った考え方をしがちです。
一人遊びだけが得意な子は、やはり我慢のできない、協調性の欠けた、わがま
まな子になりがちではないでしょうか。
 
3歳過ぎれば、お母さんという母港から離れて、独り立ちする準備が始まると
きです。
少しずつお母さんのもとを離れて、干渉や保護を嫌う行動が現われているはず
です。それを強引に連れ戻すのは、お子さんの自立を妨げることになります。
あたたかいスキンシップとは、親に都合のよい、過剰な愛情をかけることでは
ありません。自立にともなう不安を取り除いてあげる、励ましの愛情です。
このことです……。
 
幼稚園は、お子さんが生まれて初めて、お母さんのもとを離れても、楽しいこ
とがいっぱいあることを知る場所です。ですから、年齢にふさわしい成長をし
ていることが大事なのです。その基礎、基本が、さっきお話した10項目にな
ると思います。こういったことを幼稚園側は、テストを通して見たいのではな
いでしょうか。
 
ですから、受験に必要な知識なるものを詰め込むだけの準備は、必要ありませ
ん。幼児期には、詰め込まれた知識より、体験を通して得た知恵の方が大切で
す。お母さんのもとを離れ、先生や友達と楽しいひとときを過ごしながら、い
ろいろな体験を積み重ね、その一つ一つが受験に必要な学習と結びついている
こと、私どもの教室では、これを理想的な幼児教育と考え、そこに狙いを定め、
必要なカリキュラムを作り上げ、指導をしています。
 
幼い子ども達には、楽しい環境であることが、何よりも学習の場になるのです。
「お子さんは、お母さんのもとを離れても、楽しいことがあること」を知って
いますか。
幼稚園受験の合否のポイントは、この体験の有無にあるといっても過言ではな
いからです。
(次回は、「お受験、何を求められているのでしょうか」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<保護者編>第八章 (4) 何にもないのかな【六月に読んであげたい本】

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
             -第31号-
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第八章 (4) 何にもないのかな
【六月に読んであげたい本】
 
関東地方も、6月8日、梅雨に入りました。
梅雨というと、三題噺(お客さんから3つの題を出させ即座に一席の落語とす
るもの)ではありませんが、「あじさい、かたつむり、かえる」です。しかし、
最近、かたつむりやかえるはどこに行きましたかね、見かけなくなりました。
洋食が苦手な私ですが、後学のため食べましたエスカルゴ、美味しかったです
が、「梅雨が来たから食べるか」とはなりませんで、わずか1回だけでした(笑)。
 
かえると雨、これにも、おかしな因果関係があるようです。おもしろい話があ
ります。これから紹介する「かえるの親子」、人間の親子関係にもいえそうで
す。
過保護な母親に育てられたわがままな子が、少子化に加え核家族化も進む中で
増えているようです。一人っ子では、何が過保護なのかわからないのかも知れ
ません。しかし、やがて子どもは、一人で生きていかなければならない、“頼
れるのは自分だけ”の生活が待っていることを、親は忘れてはならないでしょ
う。
 
自己中で、他人との関わりがうまくできない若者が増えています。
最近の脳科学者の話では、自己抑制力の臨界期は3歳まで、協調性や社会性の
臨界期は12歳までといわれているようです。臨界期とは、その時期を過ぎる
と、ある行動の学習が身につかなくなる限界の時期をいい、モンテッソーリの
もっとも盛んに活動し成長する時期、敏感期と同じであると考えればわかりや
すいと思います。言葉の敏感期を過ぎると、真偽は定かではないそうですが、
インドの狼少女のように、人は言葉を話せなくなります。
誤解を恐れずにいえば、3歳は自立の始まる時期、幼稚園は自律心を養い、社
会性や協調性といった集団生活への適応力の基礎を築く時期、6年間の小学校
生活は、それらをきちんと身につける大切な時期です。
幼児期から小学校時代に、人としての配線図は、組み立ててしまわれるわけで
すね。「三つ子の魂、百まで」「鉄は熱い内に打て」、先人の教えには、無駄
がありません。
 ※マリア・モンテッソーリ
イタリア、ローマの精神病院で働いていた女医。知的障害児へ感覚教育を実施
し、知的水準を上げる効果を見せ、1907年に貧困層の健常児を対象にした
保育施設「子どもの家」で独特の教育法を完成させた。モンテッソーリ教育の
行われる施設を「子どもの家」と呼ぶようになった。
(ウィキペディア フリー百科事典より)
 
◆あまがえる不孝◆   八百板 洋子 著
むかし、かえるの親子がいました。母さんがえるは、子どもをかわいがったの
ですが、子がえるは、親のいうことを聞きません。母さんがえるが、右に行こ
うというと左に行くし、山に登ろうというと川にもぐり、暑い日というと寒い
日と逆らうのです。             
ある日のこと、母さんがえるは、重い病気にかかりました。助からないとあき
らめた母さんがえるは、墓だけは、日のよく当たる、山の上に作ってほしいと
思ったのですが、何事にも逆らう子がえるのことです。山に埋めてほしいとい
えば、川のそばに埋めるに違いありません。
考えた母がえるは、
「私が死んだら、川のそばに埋めるのだよ」
といって、息をひきとったのでした。母さんがいなくなると、子がえるは、逆
らってばかりいたことを後悔し、反省して、川のそばにお墓を作ったのです。
雨が降れば川の水も増え、お墓は流されそうになります。心配な子がえるは、
雨が降るたびに、お墓が流れないようにと、今でも鳴いているのだそうです。
 六月の話  あまがえる不孝 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修
                日本民話の会・編 国土社 刊 
 
親不孝な動物話の典型ですが、中国や朝鮮にも同じ話があることから、大陸か
ら半島を経て伝わったものと考えられます。まさしく日本は、文化の吹き溜ま
りですが、しかし、自国流にアレンジし、生活の中に取り込んでしまう知恵を、
我がご先祖は、身につけていたようです。 
 
 青蛙 おのれもペンキ ぬりたてか  芥川龍之介
 
こういった情景に出会うのは、もう、無理かもしれませんね。
 
霧雨が似合うあじさい、咲いているうちに色が変わることから「あじさいの七
変化」といわれ、花言葉では「移り気」「浮気」などと芳しくありません。一
方で「辛抱強い愛情」「あなたは美しいが冷淡だ」などといったものもありま
すが、後の方が似合う気配が漂っているような気がします。
漢字では「紫陽花」と書きますが、これは唐の詩人・白居易が、別の花(この
花の名前はわかりません)に名づけたものを、平安時代の学者、源順がこの漢
字を当てはめたことから、誤って広まったといわれているそうです。
(ウィキペディア フリー百科事典より)
 
ところで、今、かえるの合唱を、聞く機会はあるでしょうか。とにかく、もの
すごい鳴声でした。
しかし、この鳴声が、何やら豊作の雄叫びのように聞こえ、子ども心にも、安
心したものです。雨がしっかり降って、田植えが終わらないことには、かえる
の合唱は聞こえませんから。
その田植えについてですが、おかしな話があります。
 
◆田うえねこ◆   水谷 章三 著
むかし、ある家に、年を取り寝てばかりいる猫がいました。
田植えの時期になり、おかみさんは、
「お前さんはいいね。猫の手も借りたい忙しいときに、寝ていられるのだから」
と言うと、猫は大きなあくびをして起き上がり、どこかへ行ってしまったので
す。
その日は、田植えのおしまいの日で、大勢の人が手伝いに来ていました。おか
みさんもわき目もふらずに田植えをしていましたが、見知らぬ娘さんがいて、
仕事ぶりが、手際よく鮮やかなのです。それに負けてなるものかと若い衆も張
り切ったので、夕方にならぬ内に終わったのでした。
娘さんにお礼を言おうとしましたが、見当たりません。探していたところ、そ
の娘さんが背中を見せて、歩き去っていくではありませんか。追いかけていく
と、おかみさんの家のところで姿を消し、探したのですが、見つかりません。
ところが、今朝、拭いたはずの縁側に、猫の足跡のような泥の跡がついていた
のです。足跡をたどっていくと、家の隅っこの所で、猫が泥だらけの足をなめ
ていました。
「お前のことを、うらやましいといったものだから、娘になって田植えを手伝
ってくれたのだろうか。猫は、年をとると化けるというけれど」
と、おかみさんは、猫の顔をのぞきこみました。すると、猫は足をなめるのを
止めて、前足でおかみさんのひざをグイと押さえて立ち上がり、背伸びをし、
そのままどこかへ行ってしまい、二度と姿を見せることはありませんでした。
    六月の話   田うえねこ    松谷美代子/吉沢和夫 監修   
                  日本民話の会・編 国土社 刊 
 
「猫の手も借りたい」忙しいときに、猫が手を貸すのがおかしいですね。この
話も全国に、いろいろな形で語り継がれています。お地蔵さまが、見知らぬ若
者に姿をかえて手伝う「田植え地蔵」などは、よく知られているようです。猫
の足が泥だらけだったように、お地蔵さまの足が汚れていたのでわかる仕掛け
は、同じです。 
 
今度は、恐い話です。
 
◆かにの恩返し◆   根岸 真理子 著
むかし、ある村に、庄屋どんと娘が住んでいました。娘は、かにが子を生む頃
になると、庭の小川で米をとぎ、その汁を流してあげたのです。かには、嬉し
そうに飲んでいました。
ある年のこと、日照りが続き、田植えができません。
庄屋どんは、雨さえ降らせてくれたら、娘を嫁にやろうというと、それを蛇が
聞いていたのです。
やがて、雨が降り出し、田植えができると、村の人たちは喜びました。
その時、庄屋どんの足元で、
「約束を破れば、大雨を降らせ田畑を流すぞ」
といい残し、蛇は姿を消したのでした。しかし、嫁にやるわけにはいかず、庄
屋どんは庭に頑丈なお堂を建て、娘を入れることにしたのです。
 
嫁入りの日が来ました。
娘は、白い着物を着て、お堂に入り、中から鍵をかけました。そこへ、若侍が
現われ、お堂に戸口がないのを知り、怒り、姿を大蛇に変え、お堂を七巻きに
巻きしめたのです。すると嵐になり、蛇は、雨風の力を借りて、お堂を根こそ
ぎつぶそうと、揺さ振り始めました。
その時、娘の耳に、タプタプと寄せる水音に交じって、サワサワ、サワサワと
小さな音が聞こえてきたのです。音は、次第に数を増して、お堂のまわりを取
り囲みました。すると、ドォン、ダァンと何やらのたうつ音がして、サワサワ、
ドォン、ダァン、と、二つの音は、低く響き続けました。
 
やがて音が止み、ひび割れたお堂の透き間から、朝日が射し込んできたのです。
庄屋どんに、手を引かれて外に出た娘は、老いた松の木のような大蛇が、お堂
の周りを取り巻き、転がっているのを見たのです。そして、めくれ上がったう
ろこの下には、娘にお米のとぎ汁をもらっていたかに達が、一匹、一匹、はさ
みつき、そのまま死んでいたのでした。
  六月の話   かにの恩返し 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修
                 日本民話の会・編 国土社 刊 
 
この他に、蛇をやっつけるのにひょうたんと針を使ったものや、蛇に変わって、
猿やかっぱの場合もあります。これもお馴染みの民話でしょう。
かにの恩返し説話は、古くから語りつがれ「日本霊異記」や「今昔物語」に記
録されています。学生時代に、京都の山城の町にある蟹満寺というお寺を訪ね
た時、この話とそっくりの「蟹満寺縁起」が残されていました。
 
それにしても、悪役の蛇は、哀れです。
もとはといえば、約束を破った庄屋どんが、その責めを受けるべきです。
事実、進学教室でこの話をした時に、「悪いのは庄屋さん!」と、不満そうに
言った女の子達が何人もいました。子ども達は、「事の善し悪し」を考え、自
分なりに判断し、それを言葉で表現できる年齢に差し掛かっています。こうい
ったことからも、「話の読み聞かせ」は、ご両親の大切な仕事であることがわ
かりますね。
 
また、「安珍清姫」の話も、大きくなったら妻にしようと戯れにいったことを
信じた清姫が、だまされたことを知り、道成寺に逃れ、釣り鐘に隠れた安珍を、
蛇に変身した清姫が七巻にして殺しますが、これも悪いのは、戯言(ざれごと)
をいった安珍です。
「か弱き女性をだますと、あとが恐いよ!」
と、その執念深さを、蛇が演じているだけに、一層、説得力がありますね(笑)。
 
仏教には殺生、妄語、偸盗、邪淫、飲酒を戒めた五戒がありますが、庄屋は、
動物の妻にするのは邪淫戒になり、嘘をついたので妄語戒と二つの戒めを破り、
安珍は嘘をついたので妄語戒を犯したにことになりますから、それぞれ厳罰を
受けるのですが、庄屋は助かるのは、子どもが聞く昔話だからでしょうが、子
どもたちはしっかりと怒っていますね。
 
もう一つ紹介しましょう。
きつねが人を化かす話も、むかし話にはたくさんありますが、新美南吉の「ご
んぎつね」の悲しい結末と違い、ほのぼのとなる話があります。
 
◆きつねのかんちがい◆
むかし、あるところに、惣五郎という若者がいました。
ある年の田植どきのことです。惣五郎さんは三反御作(広さ三十アール)もあ
るたんぼを、一日で田植えをし、家へ帰る途中、畑の中にある井戸水を飲もう
と、つるべ(水を汲み上げる桶)を上げると、その中に、溺れ死んだ子ぎつね
が、入っていたのでした。惣五郎さんは、かわいそうに思い、畑の隅に穴を掘
って埋めてあげました。
      
ところが、夜中に大勢の人が声を合わせて、
「お田を引いたで惣五郎! 三反御作みんな引いただ!」
と、怒ったような声で歌い、二、三回繰り返すと静かになったのです。惣五郎
さんは、不思議に思ったのですが、そのまま眠ってしまいました。     
 
翌朝、たんぼへ行くと、田植えをしたばかりの‘三反御作’の苗が全部、引き
抜かれていたのです。きつねの仕業かなと思った惣五郎さんは、子ぎつねを埋
めた所へ行ってみると、穴は、掘り返されていました。きつねは、勘違いをし
たなと思った惣五郎さんは、きつねの棲んでいそうな竹薮や、林の中を歩きな
がら、
「死んでいた子ぎつねを拾い、お墓を作ったんだ。誤解しないでくれ」      
と、大声で叫んだのです。
 
すると夜中に、
「お田引いて すまなんだ! 三反御作 また植えたあ!」     
と、二度ほど繰り返し歌い、静かになったのです。
あくる朝、戸をあけると大きな鏡餅が一枚置いてあり、三反御作の苗も、植え
直してありました。
惣五郎さんは、きつねに気持ちが通じたことがわかり、とても嬉しかったので
した。
    新訂・子どもに聞かせる 日本の民話   大川 悦生 
                 実業之日本社 刊 
      
坪田譲治の、子どものために命をなくした「きつねとぶどう」や、新美南吉の、
人間と子ぎつねの心あたたまるやりとりを描いた「手袋を買いに」なども、ぜ
ひ読んであげたい童話です。
また、小川未明の、信仰とは何かを考えさせられる「頭を下げなかった少年」
(最後の一言が鮮やかです)や、献身的な子育ての後に子猫の幸せのために姿
を消す親猫を描いた「どこかに生きながら」も、見た目の美しさより、実用を
重んじて作った茶わんを褒める「殿様と茶わん」、神様からの授かりものとい
って可愛がっていた娘を売り飛ばし、報復を受ける老夫婦を描いた「赤いろう
そくと人魚」などの童話は、大人が読むべきで、キザな言葉で照れますが、心
が洗われます。              
お母さん方にお勧めしたいのは、「小川未明童話集 赤いろうそくと人魚 新
潮文庫」です。
 
ちなみに、日本語の表現の多彩さを少々。
春雨、五月雨(さみだれ)、夕立、俄雨(にわかあめ)、驟雨(しゅうう 夕
立の漢語的表現)、秋雨、時雨(しぐれ 秋から冬にかけて降る通り雨)氷雨、
雨雪(みぞれのこと)、四季折々の雨、やはり、日本人の感性は繊細ですね。
 
雨で忘れられない童謡があります。当時(昭和20年代)、私達は蛇の目の傘
をさしていました。中心部と周辺を黒、紺、赤色に塗り、中を白くして蛇の目
の形を表した傘で、竹骨に紙を貼り、油をひいた粗末なものでした。
 
あめふり
北原白秋 作詞  中山晋平 作曲
  あめあめ ふれふれ かあさんが
  じゃのめで おむかい うれしいな
  ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン
 
  かけましょ かばんを かあさんの
  あとから ゆこゆこ かねがなる
  ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン
 
  あらあら あのこは ずぶぬれだ
  やなぎの ねかたで ないている
  ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン
 
  かあさん  ぼくのを かしましょか
  きみきみ このかさ さしたまえ
  ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン
 
  ぼくなら いいんだ かあさんの
  おおきな じゃのめに はいってく
  ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン
 
繰り返しますが、童謡は情操の発達と深いかかわりを持つ、思い出のしみこむ
「成長の記録」ではないでしょうか。
お子さんが一緒に歌える童謡、ありますか。
 
全く手入れをしない我が家の紫陽花は、けなげにも花を咲かせ、きちんと季節
を伝えてくれています。雨が似合いますね、紫陽花は。(感謝!)
 (次回は「七夕祭りでしょう」についてお話しましょう)               

さわやかお受験のススメ<保護者編>第八章 (3) 何にもないのかな 水無月

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
             -第30号-
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第八章 (3) 何にもないのかな  水無月
★★父の日、これもアメリカ生まれです★★
6月の第3日曜日は、父の日です。
母の日がアメリカ生まれですから、父の日も同じでしょう。母の日があって父
の日がなくては、男女同権の国ですから、男の立つ瀬がありません。いかにも
アメリカらしいですね。
 
1910年に、アメリカのワシントン州でジョン・ブルース・ドット夫人が、
妻を亡くして男手一つで育ててくれた父に感謝するパーティーを開いたのが始
まりとされている。
その後、1934年に父の日委員会が結成され、母の日にならって6月第3日
曜日を「父の日」と定めたのである。日本では、母の日に遅れること4年後、
昭和28年(1953年)から、一般的な行事として認められるようになった。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P102)
 
父の日に贈られる花は、何でしょうか。まだ、子どもが小さかった頃にもらっ
た記憶はありますが、花の名前は思い出せません。バラの花だそうです。たい
そう気品のある花ですから、何か訳がありそうです。
カーネーションが、十字架にかけられたキリストを見送った、聖母マリアが落
とした涙の後に咲いた花でしたから、おそらくバラもキリストと関係あるでし
ょう。予想どおりでした。十字架にかけられたキリストの血が落ちて、そこか
らバラが花を咲かせたそうです。さらに、こういった説もあります。
 
父の日の花はバラである。バラは花の美しさと香りの気高さのため、古代から
人々に愛されてきた。ローマ教皇はバラを手にし、信者はロザリオで祈りを唱
える。ロザリオrosaryはラテン語rosa(バラ)、rosarium(バラ園)に由来し、
尊敬と喜びのしるしであった。古代ローマでは、祭日の日には神殿も戦車もバ
ラで飾られ、将軍は賞讃のしるしとしてバラの花束を手に持った。現代でも音
楽会の終わりにはバラの花束を捧げて演奏を讃える風景が見られる。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P102)
 
聖なるバラです。
花言葉は「尊敬と愛の情熱」です。お父さん方は、承知してもらっているでし
ょうか。
承知のうえでしたら、頑張らざるをえないですね。父権は、かなり喪失したと
いわれていますが、やはり、お父さんは頼られています。お父さんは、「一家
の大黒柱であるべきだ」と1940年生まれの私は思うのですが……。
この花言葉、前回にも紹介しましたが、調べると面白いですね。パソコンで簡
単に検索できますから、退屈なときアクセスしてみましょう。
 
ところで、小学校の入学試験に「話の記憶」といった問題がありますが、ある
ミッション系の学校で、「母の日にお母さんに贈る花の絵に○をつけましょう」
といった出題がありました。5つの花の中から選ぶのですが、その中に、何と
バラの花も入っていたではありませんか。さすがだと思いました。
事の起こりは、キリストに関係があるのですから。
 
★★夏 至★★
二十四節気の一つで、春分、秋分、冬至と、それぞれ楽しい行事がありますが、
夏至には、何かあるのでしょうか。暑い盛りではありませんが、うっとうしい
日が続く頃です。1年中で、いちばん昼の長い日ですから、何だか疲れを感じ
がちです。
これは、夏至のとき、お日さまは、もっとも北に寄っているからです。ですか
ら、北極ではお日さまが沈みません、白夜です。逆に、南極ではお日さまの姿
を見ることはできません。
土用の日のように、うなぎを食べて元気をつけることもないようですし、何だ
か夏至だけが、冷たくあしらわれているような気もしなくはありません。しか
し、夏至だけ問題にするのは不公平です。
雨水、清明、芒種などといわれても、何やらわかりませんが、これも夏至と仲
間の二十四節気のことです。
 
正しい季節を示すために作られた目印を二十四節気といった。太陰太陽暦では
暦の上の月日と季節がくいちがいをおこすので、暦の月日とは別に、農事に必
要な季節の標準を示す必要があったからである。1太陽年を24等分して、太陽
が最も低く昼間の最も短い冬至から始めて、1年を24等分した分点を二十四
節気とした。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P39)
 
二十四節気とは、正しい季節を示す目印と考えるとわかりやすいですね。日本
は農耕民族です、今は疑わしいですが。昔は、太陰太陽暦を使っていましたか
ら、今のグレゴリオ暦では、暦の上の月日と季節とが、食い違いを起こすので、
暦の月日とは別に、農事に必要な季節の標準を示す必要があったのです。よく、
テレビなどで、
「今日は、啓蟄の日です。冬ごもりをしていた虫たちも、はい出る日といわれ……」 
などとやっています、あれです。 今年の二十四節気は以下の通りです。
 
★★二十四節気★★
春                  夏
立 春  2月  4日 頃        立 夏  5月  6日 頃
雨 水  2月 19日         小 満  5月 21日  
啓 蟄  3月  6日         芒 種  6月  6日  
春 分  3月 21日         夏 至  6月 22日  
清 明  4月  5日         小 暑  7月  7日  
穀 雨  4月 20日         大 暑  7月 23日    
 
秋                                   冬
立 秋  8月  8日 頃       立 冬 11月   8日 頃 
処 暑  8月 23日         小 雪 11月  23日   
白 露  9月  8日        大 雪 12月   7日   
秋 分  9月 23日        冬 至 12月  22日   
寒 露 10月  8日        小 寒  1月   6日   
霜 降 10月 24日             大 寒  1月  20日   
              (「国立天文台 天文情報センター」より)
 
立春 旧冬と新春の境目、まだ、寒さの厳しい頃です。
雨水(うすい) 雨水がぬるみ、草木が芽を出し始めます。
啓蟄(けいちつ) 冬眠している虫たちも、穴からはい出してきます。
春分 昼夜が等しく分かれ、昼間が長くなり、夜が短くなってきます。
清明(せいめい) 桜花爛漫、春の盛となり、天地万物に清新の気があふれる
   時期。
穀雨(こくう) 春雨は、田畑をうるおし、穀物の成長するときです。 
 
立夏 春は去り、爽快な夏の気配を感じる頃です。
小満(しょうまん) 日増しに暑くなり、草木が繁り天地に満ち始める時です。
芒種(ぼうしゅ) 芒(のぎ・稲や麦などについているとげ)のある穀物を植
   える時。
夏至 日の長きに至る、昼がもっとも長くなる日。梅雨のさかりで、田植えの
   時期。
小暑(しょうしょ) 日増しに暑さが加わり、この日から暑中見舞いを出し始
   めます。
大暑(たいしょ) 暑さがもっとも厳しくなる頃。
 
立秋 暦の上だけの秋、まだ、真夏の頃。この日から残暑見舞いとなります。
処暑(しょしょ) 暑さが止み、秋風が吹く頃。「処」は「とどまる」の意。  
白露(はくろ) 秋も本格的となり、野草に甘い露の宿る頃。
秋分 昼夜が等しく分かれ、春分とは逆に、昼が短く夜が長くなります。   
寒露(かんろ) 野草に冷たい露が宿る頃。
霜降(そうこう) 秋の気配も去り、朝霜のおりる頃。
 
立冬 冬の気配がうかがえる頃。
小雪(しょうせつ) 寒さもさほどでもなく、雪も少ない頃。
大雪(だいせつ) 北風が強くなり、寒さも厳しく、雪が降り始めます。
冬至 日の短きに至り、夜が長くなる日です。
小寒(しょうかん) 寒気が加わり、雪が積もる頃。
この日を「寒の入り」とし、寒中見舞いを出し始めます。
大寒(だいかん) 冬将軍がもっとも威勢のよい時期ですが、寒さの中にも
   「春とおからず」の希望がふくらむ頃。
 
しかし、漢字って、いいですね。
「雨水」「処暑」など見ているだけで、何やら、日本を訪れる季節の兆しが、
思い浮かびませんか。
今から2000年前の頃、中国の周王朝により華北の気象状況にあわせて作
られたそうです。何と2000年前のことです、感動しませんか。感動しま
すが、何だか実感がありません。大暑といえば、実感としては、8月7日の
立秋の頃ではないでしょうか。日本でいうと、岩手県の季節と合っているそ
うです。東京でも、ピンとこないのですから、九州地方のみなさんは、どう
でしょう。
この原因は、今は、グレゴリオ暦を使っているからです。二十四節気は、先
程もいいましたように、むかし使われていた太陰太陽暦によって決められて
いますから、1ヵ月位の差が出るのです。
 
かつてある新聞に、気象協会では、新「二十四節気」を作ると出ていました。
その訳は、「寒いのに立春、暑いのに立秋―。中国伝来の二十四節気は、季
節の移り変わりに彩を添える言葉だが、ちょっと違和感を感じませんか」
(原文のまま)(中略)同協会は「現代の日本の季節感になじみ、親しみを
感じる言葉を選びたい」のだそうです。どんな言葉が作られるかわかりませ
んが、1月、2月より、睦月、如月の方が、季節感を味わえる世代には、想
像もつきません。
昔から親しまれていた町名を、無味乾燥な番地に変えてしまったことを思い
出しますね。もっとも、温もりのない、冷ややかなコンクリート・ジャング
ルには、ふさわしいかもしれませんが……。
“コンクリート・ジャングル”、英語のようですが、ナイター、サラリーマ
ン、パトカーと同様、和製英語です。驚いたことに、と言っても私だけでし
ょうが、「オーダーメイド」「デコレーション・ケーキ」も和製英語で、
正しくは“custom made”、“fancy cake”だそうです。パソコンで「和製
英語」を検索すると、正しい英語を知ることができます。ちなみに、パソコ
ンも和製英語で、正しくは“personal computer”です。
平成27年6月現在、「新二十四節気」にお目にかかりませんが、発表されて
いないのでしょうか。
 
ところで、「人のうわさも七十五日」といわれていますが、その語源が二十
四節気と関わりがあるのですから、面白いものですね。
 
「日本には二十四節気という季節の区切り方があります。365日を24等
分するので、一節気はおよそ15日。昔から五節気経てばまったく違う季節
になるといわれていましたから、15×5=75日となります。75日も経
てばまったく新しい季節になるのだから、それまでのことは忘れようという
意味なのでしょう」
(「つい他人に自慢したくなる無敵の雑学」
 なるほど倶楽部 編 角川書店 刊 P18)
(次回は「6月に読んであげたい本」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<保護者編>第八章 (2) 何にもないのかな 水無月

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
             -第29号-
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第八章 (2) 何にもないのかな   水 無 月
★★しみじみとうまいにぎり飯★★
日本人に生まれてよかったなと思うことはたくさんありますが、米の飯を食べ
られるのも、その一つです。米の飯ほどうまいものはありません。寿司や鰻重、
すき焼きなどでは、魚や鰻、肉が主役になり、称賛を浴びがちですが、どっこ
い、縁の下の力持ちは、何といっても「ご飯」です。米が、まずけりゃ話にな
りません。トロだろうが、天然物だろうが、霜降りだろうが、米に袖にされた
ら、もういけません。やっぱり、米は偉い。
 
この話をすると、何とも貧弱な食生活をと思われるかもしれません。
事実、その通りで食も細いのですが、しかし、しみじみと米のうまさがわかる
のは、「にぎり飯」ではないでしょうか。
炊きたてのご飯を、手につけた塩で握り、海苔をまいて食べる。
中身は、梅干しやかつお節があれば、もう、それで十分。
こんなに簡単で、安く出来上がり、満腹感を味わえる食べ物は、他にあるでし
ょうか。
小さく握ると、これが酒の肴になり、こたえられません。
にぎり飯、というよりは「おにぎり」の方がふさわしいかもしれませんが、こ
のおにぎりには、忘れがたい思い出がしみ込んでいます。
現代っ子には、絶対に味わえない食べ物、それは「おこげのおにぎり」です。
今は電気炊飯器で米を炊きますが、昔はまきを燃やし釜で米を炊いていました
から、熱効率の関係で、釜の底に、こげたご飯がへばりついていたものでした。
これに、少し醤油をかけ、しゃもじでかき集め、握ってもらうのです。
何ともうまかった、絶品でしたね。
戦後の食糧難の時代で、とにかくお腹を空かしていましたから、これが楽しみ
でした。
電気炊飯器では、上手に炊けて、おこげなどできないようですが、便利になり
すぎると、失うものも出てきます。
このことを考えるべきではないでしょうか。 
何事も工夫しなくなると、受け身になりがちです。
コンビニなどで売っているおにぎりを、子どもに食べさせてはいけないと思い
ます。
お母さんの手作りだからこそ、「おにぎり」であり美味いのです。
手作りだからこそ、お母さんの愛情が伝わるのではないでしょうか。
何とも不遜な言葉で嫌いですが、飽食の時代とか、「しみじみとうまい!」な
どといった味わい方を、どこかへ置き忘れているようですね。
ちなみに、東日本では「おむすび」、西日本では「おにぎり」と呼ばれている
そうで、私は小学校5年生まで関西に住んでいたためか、「おにぎり」だと思
っていました(笑)。
 
ところで、お米はいつから日本の主食になったのでしょうか。
 
稲はもともと中国南部の山岳地帯で生まれたとされています。そこから北へ広
がったものが、現在の日本で食べられているお米の短粒種“ジャポニカ米”で
す。“ジャポニカ米”は縄文時代後期に中国から北九州に伝わり、そこから長
い年月をかけ、明治時代になりやっと北海道まで伝わりました。ということは、
お米が日本全国で主食になったのは、今からおよそ140年前、明治時代から
だったのです。5月は田植えの季節です。美味しいお米ができる秋が楽しみで
すね。
(平成25年5月現在の「聖徳大学附属小学校のホームページ」より)
 
お米といえば思い出すのが、日本画の巨匠、横山大観のエピソードで、「酒は
米から造るのだから、酒を呑んでいれば飯を食べたことになる」とおっしゃり、
主食は酒だったそうです。まるで仙人のようで、私もあやかりたいのですが、
真偽のほどは、定かではありません(笑)。
 
巨匠の逸話が出たところで、といっては畏れ多い話ですが、地方には、とてつ
もない立派な美術館があります。
島根県安来市にある足立美術館もその一つです。
大観をはじめ近代日本画と陶芸、彫刻、蒔絵など魅力的なコレクションには堪
能させられますが、日本で初めて女性として、さらに親子で文化勲章を受章さ
れた上村松園画伯の生涯を描いた宮尾登美子さんの小説「序の舞」を読み、一
度は本物にお目にかかりたいものだと願っていただけに、傑作といわれている
「娘美雪」を目の前にしたときの感激は、今でも忘れがたい思い出となってい
ます。
思わぬ巡り会い、旅の醍醐味ですね。
さらに、主役の美術館に勝るとも劣らぬ脇役の日本庭園が何とも素晴らしく、
米国の日本庭園専門雑誌『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』
が実施している、全国900ヵ所以上の名所旧跡の日本庭園ランキング
(Shiosai Ranking)では、初回の2003年から2014年まで、連続12
年間日本一の栄耀に輝き、フランスの『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポ
ン』では、3つ星の評価を受けたと同美術館のホームページに出ていました。
☆☆☆は必見、わざわざ旅行する価値がある、☆☆は寄り道する価値がある、
☆は興味深いで評価した外国人観光客向けのガイドブックです。
「足立美術館」と打ち込むだけで、世界が認めた庭園と展示されている作品を
見ることができますから、ご覧になってはいかがでしょうか。
2014年日本庭園ランキング上位5位までを紹介しておきましょう、いずれ
もパソコンで見ることができます。
   1位 足立美術館(島根県)
   2位 桂離宮(京都府)
   3位 山本亭(東京都)
   4位 御所西 京都平安ホテル(京都府)
   5位 養浩館庭園(福井県)
 
それにしても、宮尾登美子さんは、すごい。
「序の舞」の津也、「一弦の琴」の苗、「松風の家」の由良子、「伽羅の香り」の
葵、「きのね」の光乃、「蔵」の烈、そして「天涯の花」の珠子など、凄まじ
い生き方に圧倒されてしまいます。
昨年の今頃でしたが、御年八十云歳の宮尾さんは、執筆意欲は衰えず、自伝的
長編「櫂」「春燈」「朱夏」「仁淀川」の続編に挑戦する話を新聞で読み、中
国からそれこそ着のみ着のままで郷里、土佐に帰ってきた主人公、綾子に、五
度、巡り合える日を楽しみにしていたのですが、冥界へ旅立たれてしまい、再
会できませんでした。(泪)
何かと話題になる慰安婦問題、宮尾さんのお父さんもその種の仕事をしていた
ので、従軍看護婦はいても従軍慰安婦など存在していなかったことがわかるだ
けに、歯がゆい思いをしているのは私だけでしょうか。国と国とが条約で決め
たことを蒸し返され、ひたすら謝るだけでは解決しません。次世代の子ども達
に顔向けできないほど深刻な事態になっていることを、わが子を育てる親の立
場で考える必要があるのではないでしょうか。「水に流す式」の日本独特の解
決策は、日本人だけに通じるもので、外国では「意味不明」となり、「不信感
を与えるだけだろ」と明治生まれの頑固オヤジは、事あるごとに言っていまし
たが、一理あると思います。言葉で、きちんと解決することです。
 
話を元に戻しまして、これまた何かと話題になる給食問題。
その是非は置くとして、お母さんが真心をこめて弁当を作ってあげていれば、
親子の絆は切れることはありません、食べている本人が、お母さんの苦労をか
みしめているからです。給食から、何かが築かれていくのでしょうか。
「男の人にはわかるもんですか。毎日の献立だって大変なんですから、弁当ま
で手の回るわけがないでしょう」。
でも、お母さん方が、弁当を作ってもらった経験があれば、こういった声は出
ないと思います。
 
千葉県にある日出学園小学校の教育の特色に、こう書かれています。
 
「お弁当」お昼はお弁当です。
創立者、青木要吉先生の「お昼ご飯は、お母さんの愛情いっぱい詰まったお弁
当…」
ということで、70年以上もの間、受け継がれております。 
 
弁当は、おふくろの味です。
おふくろの味は愛情であり、世界に一つしかない専用のレストランで調理され
る、絶対に好みに合う美味しいメニューしかありません。その弁当ですが、や
はり、ご飯ですね(笑)。
 
ところで、日本、いや、世界中を探険しているかと思うほど、あちらこちらに
出かけ、面白い探険記を読ませてくれる椎名誠氏といえば、生ビールとかつお
が大好きなことは、よく知られているようですが、何を隠そう、ご飯、大好き
人間なのです。
簡単明瞭に、エイ、ヤァ!と一刀両断にした傑作な文章があります。
 
コメ、というのも非常にすぐれた携帯食料である。
1.食べるときに3倍以上に増える
2.常温でいつまでも腐りにくい
3.水と火さえあればいつでも食べられる。
この3項目だけでもつくづく素晴らしい。
これに対してパンはどうか。
1.中身がたいしてないくせにかさばる
2.ほうっておくとパサパサ化してカビがはえる
3.原料からつくるとなるとやれイースト菌はどこだとか、7時間はネカセロ
だとか、オーブンはどこだ! トースターを持ってこい! とかできたら早く
くえ、などとうるさいことはなはだしい。
 (「でか足国探険記」 椎名誠 著 新潮社 刊 P153)
 
1ヵ月以上、旅に出るときの必携3点セットは、何と、ショーユ、コメ、カツ
オブシで、これに海苔があれば、我々いくところ無敵であるそうな。
「これに梅干しを加えていただきたいと、私は断固、主張したい!」
などと真似ることもないのですが。
この後、脆弱で傲慢なレタスを俎上にあげ、玉ねぎを尊敬し敬愛し嘆賞するの
ですが、これもおかしい。
もっとおかしいのは、ペンギンの話。
歳時記に関係がありませんから省略しますが、この本は電車内など人目のある
ところでは、絶対に読めないと、しみじみと思ったものです。
突然、顔の筋肉が意志に関係なくゆるみ、押さえるのに苦しい思いをするから
です(笑)。
 
★★衣替え★★
幼稚園児から学生さん、そしてOL嬢の制服からお父さん方のスーツまで、見
事に様変わりする衣替えは、ご存知のごとく6月1日と10月1日です。
衣替えの起こりは、宮中の行事として始まったもので、平安朝では、旧暦の4
月1日と10月1日に行われていましたが、室町時代から複雑になり、江戸時
代のお武家さんの世界では、何と年4回も衣替えをしていたのです。
4月1日から5月4日までと9月1日から9月8日までは袷(あわせ-裏地の
ついた着物)、5月5日から8月末日までは帷子(かたびら-裏地のない単衣
仕立ての着物)、9月9日から3月末日までは綿入れ(表布と裏布の間に綿を
入れた着物)を着るように定められていました。
冷暖房の施設もなかった時代ですから、衣替えで対処するのが生活の知恵だっ
たのでしょう。
現在のようになったのは明治以降で、学校や官公庁、銀行やデパートなど制服
を着る業界では、この日を境に冬装束から夏装束に改めます。
 
かつては、夏服に変わると、梅雨の湿った陽気にうんざりする心に、さわやか
な涼風を肌に送り10月には冬服に着替え、やってくる冬将軍に備えて気を引
き締めたものですが、今は、通勤、通学も冷暖房完備の電車ですし、家に帰れ
ばクーラー、ヒーターと至れり尽くせりですから、ファッションとしての要素
が強くなっているのではないでしょうか。
しかし、今年も節電を心がけ、今まで便利すぎた生活から無駄を省き、原子力
発電だけに頼らない社会を構築する心構えを持ちたいものです。
 
ところで、お母さん方には、衣類を虫やかびから守る大切な仕事が待ち受けて
います。女の子には、お手伝いをさせましょう。防虫剤を入れて、収納する仕
事です。小さいときから、このような季節を肌で感じることが出来る仕事は、
なおさらです。整理整頓を苦手とする女性が増えているようですが、その原因
は、幼児期の体験の差にあるのではないでしょうか。
 
衣類だけではなく、部屋の模様替えも一緒にやって、気分転換をしましょう。
子ども心にも、親の手伝いをするのはうれしいものです。そして、何よりの収
穫は、お母さんがこういった家事を、笑顔でテキパキと片付けていく姿を見て、
子ども達はたくさんのことを学んでいます。「子は親の背を見て育つ」は、ま
さに名言ではないでしょうか。
以前に紹介した、世界的なベストセラーになったドロシー・ロー・ノルトの
「子どもが育つ魔法の言葉」を思い出してください。この本こそ、親になる前
に出会いたかった数々の著書の一冊ですね。
確か皇太子様も、この魔法の言葉を紹介されていたと記憶しています。
 
今年は、梅雨に入る前に真夏日どころか猛暑日になった所もあり、不安定な気
候が続いていますが、間もなく梅雨前線は、日本列島を覆い尽くします。そん
な時、お母さんの笑顔こそ、うっとうしい季節を乗り越える清涼剤であること
を、忘れないでほしですね、お父さんも同じですが(笑)。
(次回は「父の日、その他」についてお話しましょう)
 

さわやかお受験のススメ<保護者編>第八章 (1) 何にもないのかな 水無月

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
             -第28号-
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第八章 (1) 何にもないのかな   水 無 月
 
暦の上では、6月から夏です。夏の読み方は、「暑(あつ)」の転化したもの
といわれていますが、他にも「生(な)る」「暑(ねつ)」などの転化したもの
という説もあるそうです。
 
水無月(みなづき)のいわれは、たくさんあります。
旧暦6月は、梅雨も終わり、炎天下の酷暑の季節に入り、文字通り、水もかれ
つきるという説と、逆に、田植えも終わり、田に水を張る月「水張り月」「水
月」からきた説、また、農家のもっとも重要なイベントでもあった田植えが終
わったことから「皆仕月(みなしつき)」「皆月(みなつき)」からきた説、
そして、雷が多い季節から「かみなり月」の「か」と「り」をとり、「みな月」
という説もあるそうです。最後の「ゴロ合わせ」ではなく「語呂合わせ」がお
かしいですね。
 
★★大切な田植えの時です★★
6月といったら、「何といっても……」というものがありません。
毎日、雨が降り、むし暑くて、うっとうしい梅雨です。
この梅雨のいわれですが、梅の実が熟する頃に降る雨から梅雨、湿っぽくて黴
(かび)が生えやすい気候から黴雨、この他に梅雨を「つゆ」と読む場合もあ
ります。しとしとと降る雨が、木々の梢や葉にまとわりつき、露となって落ち
ていく様子から“つゆ”とも呼ばれたのではないかと私流に思い込み、趣のあ
る言葉で好きなのですが、諸説があって本当のことはわからないようです。
 
梅雨前線が、日本列島にどっしりと腰をすえ、うんざりする毎日です。しかし、
この時期に、しっかりと雨が降らなくては、困るものがあります。
お米です。
田植えの季節です。
菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)、柏の葉は、端午の節句の専売特許ではあり
ません。昔の5月は、今の6月頃にあたります。今のように、機械で苗を植え
るのと違い、田植えは、お百姓さんが、苗を1本1本、手で植えていました。
ですから、時間はかかりますし、田んぼが広ければ、人手もたくさん必要にな
ります。まさに、猫の手も借りたいほどの忙しさです。
「米」という字は、「八と十と八」からできています。お米は、種から芽を出
した苗を田んぼに植えて収穫し精米するまでに、人の手を八十八回わずらわす
といわれるほど、手がかかるのです。
 
さらに、天気にも左右されます。
ご存知のように、稲は水稲(すいとう)といって水田で栽培しますから、梅雨
にたくさん雨が降らないと、田植えはできません。ちなみに、水稲より大量の
水を必要としない畑で栽培する稲、陸稲(おかぼ)もありますが、水稲に比べ
品質は劣り収穫量も少ないため、日陰の存在に甘んじているようです。
そして、夏に日照りが悪いと、稲はきちんと育ちません。しかし、日が照りす
ぎても、田んぼの水が干上がって、稲は駄目になります。また、稲は順調に育
っても、収穫前に台風がきて、たわわに実った稲穂が強風になぎ倒され、豪雨
で水に浸かってしまっては使いものになりません。本当に、大変なのです、自
然、任せですから。農耕民族の自然との宿命的な因果関係で厳しいのですから、
神頼みにならざるを得ません。
 
そこで、昔の人は知恵を絞り、田植えが無事に終えられるように、たっぷりと
お水をいただき、夏にはしっかりとお日さまに顔を出してもらい、稲が立派に
育って、秋には、おいしいお米がたくさんとれるようにと、神様にお祈りをし
たわけです。米作りは、やり直しのきかない、言ってみれば、毎日が真剣勝負
なのです。まさに、人生そのものではないでしょうか。
 
早乙女といって、田植えは女性の仕事でした。ですから、お祈りをするのも、
女性の役目だったのです。早乙女というと、若い女の人のことですが、猫の手
も借りたいほどの忙しさですから、早乙女ではない早乙女さんもいたことでし
ょう。それはともかくとして、田植えをする人は、悪いことが起きないように、
屋根を菖蒲の葉で作った小屋に集まり、精進潔斎(肉食を断つなどして身を清
めること)、一晩中、お祈りをしました。ですから、昔の5月5日は、夏負け
をしないように、匂いの強い草で、魔物を追い出す日であり、田植えの準備の
日でもあったのです。
 
浄瑠璃といえば近松門左衛門、そのすぐれた伝統芸能を観賞する機会はほとん
どありませんが、残された名作を本で読むことはできます。代表作の一つ、ど
うしようもない放蕩無頼で、典型的な自己中の不良青年、与兵衛を描いた「女
殺油地獄」の中に、「五月五日の一夜を女の家と言うぞかし」とあり、男の祭
りではなく、無事に田植えを行えるよう祈願する女性の祭りであることがわか
ります。
 
その田植えですが、本当に、たいへんな仕事です。
私も、子どもの頃に猫の手になり、手伝った経験があります。泥んこの田んぼ
に足をつけたまま、幅1メートルほどの範囲を、10センチ間隔ほどに苗を植え
ていくのです、腰をかがめて。これを30分程続けると、完全に腰にきます。
伸ばすと、ボリッと音がするほど、筋肉は、まいってしまいます。
先日、テレビで天皇陛下が苗を植えるお姿を拝見しましたが、陛下の重要なお
仕事とはいえご高齢だけに、無理をなさらないでほしいと願わずにはいられま
せんでした。
 
夏になると、稲のまわりに雑草が生えますが、これを取り除くのも一苦労です。
また、腰をまげて、手で雑草を取ります。これが、かんかん照りの太陽のもと
での作業ですから、田んぼの水は、それこそ生ぬるく、草いきれで、むっとす
る匂いには、泣かされました。蛭(ひる)という人の血を吸う虫もいて、環境
のよい仕事場ではありませんでした。日本の夏は高温多湿であるだけに、少し
でも手を抜くと雑草が生え、稲の成長を妨げますから手入れが大変で、まるで
わが子を育てるのと同じだとお百姓さんに聞いたことがありますが、子どもを
育てて実感しました。
手を抜いた分、親が考えもしなかった色に染まってしまうのですから。「手を
抜く」といっても育児を放棄するのではなく、ちょっとした思い違いから、親
子の絆にひびの入ることもあるものです。「おかしいな?」と感じた時は、親
から子どもに話しかけるべきではないでしょうか。そういう時は、子ども自身
も迷っているはずだからです。
 
さて、最後の収穫、これも1株、1株、鎌(かま)で刈っていきます。繰り返
しますが、お百姓さんの腰が曲がるわけです。刈った稲を、今度は、天日で乾
かします。それを脱穀機で稲穂を取り、もみ殻にして、これを精米機にかけ、
やっとお米になるのです。農業の機械化というのでしょうか、田植えから脱穀
まで、全部、機械でできるそうですから、これは、すごい省力化です。そうい
えば、最近、腰の曲がったお百姓さんを、あまり、見かけません。「農業に従
事する若者がいないのですよ」と言われそうですが、省力化の結果ではないで
しょうか。
 
田植えは、実りの秋への出発点です。ですから、この時期の天候は、本当に神
頼みでした。
私の住んでいる川越でも、田んぼに水が張られ、まもなく田植えが始まります。
JR埼京線や東武東上線の車窓からの眺めは、関東平野であることを実感できま
す。
 
勝手な思い込みですが、日本のお米ほどうまいものはありません。
貿易の自由化で外米が入ってきても、「私は日本産のお米しか食べません!」
などと農家を援護するけなげな心構えのようですが、本当のことを言えば、日
本酒が大好きだからです(笑)。日本酒がうまいのは、美味しいお米と水がある
からで、またしても日本人に生まれたことを感謝せざるを得ませんね。
 
★★てるてる坊主★★
この月は、しっかりと雨が降ってくれなくては困りますが、雨が降ってほしく
ない時もあります。
子どもの頃、遠足や運動会の前日に、てるてる坊主を作ったものでした。今で
も、この風習は残っているようです。天気にしてくれた時には、目、鼻、口を
つけてあげた記憶があります。
 
てるてる坊主
作詞 浅原 六郎  作曲 中山 晋平
 
(1) てるてる坊主 てる坊主 明日天気にしておくれ
    いつかの夢の空のように はれたら金の鈴あげよ
 
(2) てるてる坊主 てる坊主 明日天気にしておくれ
    私の願いを聞いたなら  甘いお酒をたんと飲ましょ
 
(3) てるてる坊主 てる坊主 明日天気にしておくれ
    それでも曇って泣いたなら そなたの首をチョンと切るぞ
 
幼子の「どうしても晴れてほしいなぁ!」という気持ちが伝わってきます。
「しかし、しかしです」と何も興奮することはありませんが、「てるてる坊主
は、坊主ではなく娘さんで
す!」と聞けば、「ナヌ!?」となりませんか。発祥の地は、またしても中国
でした。
 
てるてる坊主の起源は、中国で掃晴娘(そうせいじょ)とよばれる、ほうきを
持った女性の紙人形をつるす風習からきている。娘がほうきで晴れ気を掃きよ
せ、晴天や幸運を招き寄せようとするまじないで、平安時代に日本へ入ってか
らは、なぜか坊主に代わってしまった。
 (日本の年中行事百科 2 夏
   民具で見る日本人のくらしQ&A P14
     監修 岩井 宏實 河出書房新社 刊)
 
お坊さんの頭は、つるつるで、何やら光り輝いていますし、明日の天気は神頼
み、いや、この場合は仏頼みで、晴れのイメージにつながったのでしょうか。
ところが、今の小学校の音楽の教科書の中にはないそうですし、ラジオなどで
流す場合は3番をカットするケースが多いとか。その理由は、歌詞の3番に、
「それでも曇って泣いたなら そなたの首をチョンと切るぞ」
とありますが、それは自分の願いを聞き届けさせようとする「脅迫信仰」であ
って、童謡らしくない残酷な表現だからだそうです。作詞者のイメージとして
は、残酷に処刑するのではなく、「晴れなかったら承知しないからね!」と、
どうしても晴れてほしい切実な願い、その気持ちを表現したかったのではない
でしょうか。映画やテレビ、漫画、DSのゲームなどでは、もっと残酷な場面
を映像で見せつけているではありませんか。詩は、イメージです。こんなこと
まで規制されるのは、情操教育を考えると、首を傾げたくなります。残酷な犯
罪は、きちんとイメージを描けないから起きるのではないでしょうか。
 
ですから、「イメージ化できる」ことは、非常に大切な感性です。感性こそ、
子どもの時から様々な経験を積み重ね、磨いていくものです。以前にもお話し
ましたが、イメージ化を培う力は、読書と何事にも自力で挑戦する生活体験で
す。文字を読み取り、その世界を作り上げる作業は、人格を築き上げる大切な
学習です。若者の活字離れが指摘され久しくなりますが、思考力や思想を構築
する力が劣るわけです。お子さんに本を読む習慣を身にけさせるには、本の読
み聞かせと、ご両親の読書をする姿をしっかりと見せておくことです。
そして、何事も自力で挑戦する意欲を育てましょう。失敗を恐れる子にしては
いけません。「為せば成る」ではありませんが、試行錯誤を積み重ねることか
ら、工夫する力も忍耐力も育まれます。
「そんなこともできないのは駄目な子なの!」などというお母さんがいると聞
きますが、「できるように頑張る子に育てるのが親の仕事」です。ご両親のさ
じ加減で、お子さんの潜在能力は開発されることを肝に銘じてほしいものです。
 
最後にお母さん方に一言、お子さんがいる時は、テレビは消しましょう。
「ゲームばかりしていないで、勉強しなさい!」の説教に効き目のないのは、
ここに原因がある場合が多いのです。
「お母さんだって、テレビばっかり見ているじゃん!」
と不満に思う子どもの心が読めないようでは、賢いお母さんとは言えません。
(次回は、「しみじみとうまいにぎり飯」他についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<保護者編>★★第7章(4)★★五月に読んであげたい本★★

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
             -第27号-
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第7章 端午の節句です(4) 
★★五月に読んであげたい本★★  
 
「桃太郎」や「金太郎」は、おなじみのむかし話ですからさて置き、こわい話
を紹介しましょう。
 
◆めしを食わぬよめ◆   松谷 みよ子 著
むかし、ある村に、たいそうけちな男がいました。嫁に食わせる飯がもったい
ないから、飯を食わぬ嫁を探してくれというのです。
ある日のこと、十六、七の姉さまが訪ねてきて、ご飯を食べずに働くから嫁に
してくれという。暮らしてみると、ご飯を食べず、しかも働き者です。ところ
が、毎日、米もみそも減っています。不思議に思った男は、次の日、仕事に出
かけたふりをして、戸のふし穴からのぞいてみたところ、髪をほどいた頭の中
に、大きな口があり、飯にみそをつけ、にぎっては放りこみ、大がまの飯を全
部、食べてしまったのです。
男は、夕方になると、知らぬふりをして家に帰り、別れ話をすると、にわかに
髪をふりみだし、頭の口をパックリとあけて、恐ろしい山姥(やまんば)にな
ったのです。逃げ出そうとする男をつまみあげ、ふろ桶の中へ放りこみ、桶に
帯をかけて背負うと、山へむかって走りだしました。男は、何とか助かろうと、
桶から顔を出してみると、頭の上に木の枝があったのでとびつき、木からすべ
りおり、山をかけおり、ふもとまで来たのですが、気づいた山姥が、追いかけ
てきます。男は、そばの草むらに逃げ込みました。そこには、菖蒲がたくさん
生えていたのです。
「魔除けの菖蒲にはかなわない」と、山姥は悔しそうにいい、山へ帰って行っ
たのです。
菖蒲が魔除けの草として、五月の節句に飾られるようになったのは、この時か
らだといわれています。
  五月のはなし  ももたろう 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修
               日本民話の会 編 国土社 刊
 
話によっては、蓬も生えている草むらになっているものや、風呂桶ではなく背
負いかごのもあります。面白いことに、「この日が、実は、5月5日であった」
という話も残っています。
 
子どもは、こわい話を聞きたがりますが、本当は、こわがりなのです。話だけ
では、頭に大口がある姿を想像できませんから聞いていますが、本の場合は絵
がありますから、こわがります。
ある時、絵本を見せながら読んだところ、こわそうな顔をして聞いていました。
喜怒哀楽の情緒も分化されてくる時期ですから、こわいものには、本当にこわ
がり始めます。
この話でも、頭の口で食べるところでは、
「これからこわーくなるから、こわい人は……、耳を、ふさいで、いいのだよ
ー」
といかにもこわそうにいうと、耳をふさいで下を向くのは、男の子が多いです
ね。食い入るように話を聞いているのは、案外、女の子なのです。肝が座って
いるのですね、小さい頃から。
あまり恐怖感を与えるのは考えものですが、こういった刺激を与え、情緒を育
んでいくことも、昔話の大切な役目ではないでしょうか。恐怖感も、きちんと
結末で拭ってくれる配慮がしてあるからです。
 
探してみるものですね。この話を見つけたときは、本当にうれしくなりました。
鯉のぼりの制作者は、意外にも、お侍さんだったのです。
 
◆コイのぼりのはじまり◆(伝説 墨田区)
江戸時代のことです。
端午の節句が近づいたある日、江戸の町を一人の侍が歩いていました。武家屋
敷の庭には、祝いの旗や、のぼりが立てられ、道では、侍の子が、紙のかぶと
をかぶり、しょうぶで作った刀を振り回していますが、町人の住む町の子ども
達は、かぶとも、しょうぶの刀も差していないことに気づいたのです。
染め物屋の家からは、のぼりを立ててくれとせがむ子どもの声が聞こえました。
「あれは、お侍さんが立てるものだからできない」と話しますが、納得しない
で、泣きじゃくっているではありませんか。
そこへ、お侍が入って来て、大きな紙4枚と太い筆を借り、1枚の紙に大きな
コイを描き、別の紙には、反対向きのコイを描きあげました。2枚の絵を合わ
せると、1匹のコイになるのです。もう1匹描くから、節句の前日までに、黒
と赤に染め上げてほしいといって店を出たのです。
約束の日に染め上げ、日に干していると、やってきた侍は、はさみと針を借り、
向きの違うコイ同士を、袋縫いに縫い合わせると、黒と赤の2匹のコイになっ
たのです。長いさおの先につけて、家の前に立てさせました。五月晴れの空を、
風に吹かれる真ゴイと緋ゴイ。周りには、町人や武士の子ども達も集まり嬉し
そうです。
お侍さんの名は赤荻柳和、武士というよりは俳句を作ることで知られた、心の
やさしい人だったそうです。こうして、次の年の5月5日から、江戸の町には
コイのぼりが、武士の家にも町人の家にも、立てられるようなったのです。
これが、コイのぼりの始まりだそうです。
 県別ふるさとの民話 18  東京都の民話
  日本児童文学者協会 編 偕成社 刊 
 
「八十八夜」「若葉」「茶摘み」「すげの笠」といいますと、俳句の季語のよ
うな感じがして、夏の近いことを実感したものです。しかし、今はどうでしょ
うか。こういった風物詩も、「テレビで拝見」で終わっているようです。季節
を感じる余裕がなくなってしまったのでしょうか、もったいないと思います。
自然が、四季折々の変化を告げてくれるのは、本当に有り難いことだからです。
 
この話に出てくる「ふるい屋」「古鉄(ふるがね)屋」も、説明がないとわか
らない仕事ですね。私の子どもの頃は、こういった行商屋さんが、金魚、風鈴、
豆腐、納豆、アイスキャンディーなどを売りに来たものです。中でも印象に残
っているのは、鍋やかまなどにできた穴を修理する「いかけ屋」さんで、道の
片隅にござを敷き、その上に道具を並べ、小さなふいご(携帯用送風機)で火
をおこし、焼けた鉄の棒で金属同士をくっつけてしまう「半田付け(はんだづ
け)」が、不思議だったことを覚えています。
 
◆お茶屋とふるい屋と古鉄屋(ふるがねや)◆(山梨県の話)
       夏もちかづく  八十八夜
       野にも山にも  若葉がしげる
       あれに見えるは 茶摘みじゃないか
       あかねだすきに すげの笠
小学校唱歌「茶つみ」の歌です。子どもの頃、女の子が「せっせっせーのよい
よいよい」といってから、この歌をうたいながら遊ぶ、手遊びがありました。
この歌にある「八十八夜」は、暦の上で、立春の日(2月4日頃)から数えて
八十八日目、5月2日頃のことで、茶摘みが始まる季節です。
 
新しい芽を摘んで作った新茶売りの話があります。
 
ある日、一人のお茶売りが、「新茶ぁ、おいしい新茶だよ!」と、売り歩いて
いく後から、「ふるいー、ふるいー」といってふるい屋が歩いていきます。
「ふるい」とは、粉や砂など細かなものを、網目を通して落としたり、選り分
けする道具です。「新茶、ふるい」と売り声が並ぶと、新茶なのか古いのかわ
からず、誰も出てきません。
お茶屋さんは、新茶が売れないと怒りましたが、ふるい屋さんも、
「ここは天下の往来、文句があるなら、お前さんこそ、どこかへ行ってくれ」
とけんかを始めました。
そこへ、古鉄(ふるかね)屋さんが、通りかかり仲裁に入ったのです。古鉄屋
さんは、いらなくなった金物を買い取る商売です。二人から訳を聞くと、これ
から三人で売り歩こうといい、順番は、
「お茶屋さん、ふるい屋さん、私だ」という。
言われて三人が売り声をあげると、
「新茶ぁ、ふるいー、古鉄ぇ!」
となり、今度はいい商いができたのでした。
  日づけのあるお話365日 
   五月のむかしの話  谷 真介 編・著 金の星社 刊
 
落語にも「売り声」という噺があり、お茶屋さんに代わり「魚屋」さんで、い
わしを売っていたと記憶しています。「いわし、ふるいー、ふるかねえ!」
 
どうしても紹介しておきたい話があるのですが、季節感が希薄なのです。棚ぼ
た式に出世する話、こういったうまい話は、あるところにはあるものです。観
音さまのご利益なのですが、運命は、本当に、どなたが決めるのでしょう。こ
の話は、「今昔物語」の巻16の第28話に出ている他、古本説話集、宇治拾
遺物語、雑談集にも、長谷寺観音の霊験譚として残されています。原作を読む
のは、少々しんどいですが、子ども向けに翻訳された本は、おもしろく読めま
す。芥川龍之介の愛読書であることもわかります。
 
◆わらしべ長者◆   阿部 律子 著
むかし、あるところに、お父にもお母にも死なれ、独りぼっちの貧乏な若者が
いました。
ある日、村の観音さまに祈っているうちに寝てしまったのですが、夢の中に観
音さまが現われ、
「ここから東に行き、初めに手につかんだものを大切にすべし」
と、お告げがあったのです。
急いで戻ろうとしたとき、石につまずき転びましたが、起き上がると、片手に
わらしべを握っていたのです。観音さまのお告げは、このことかもしれないと
わらしべを懐にしまい、東の方に歩いて行くと、1匹のあぶが飛んできたので
捕まえ、わらしべの先にくくりつけました。すると、牛車に乗っていた男の子
が欲しいというのであげると、ただでもらってはと、みかんを3つくれたので
す。
しばらくいくと、男が道端に倒れていて、水がほしいという。みかんを差し出
すと、お礼に反物をくれたのでした。これも観音さまのお陰かもしれないと、
なおも東へ向かって行くと都に出たのです。
すると、倒れた馬を囲んで、人々が騒いでいました。馬の持ち主が、若者に、
急用があるので、馬をやるから好きなようにしてくれというので、ただでもら
うわけにはと、反物をあげたのです。
若者は、馬を引きながら、さらに東の方へ行くと、大きな家から、旅支度をし
た主人が出てきて馬をくれ、もし、3年たってもわしがもどらなかったら、こ
の家も畑も、お前にやると言い、返事も聞かずに行ってしまったのです。若者
は、田畑を耕しながら、主人の帰りを待ったのですが、帰ってきませんでした
ので、若者は、その屋敷に住み、やがて、わらしべ長者と呼ばれる大金持ちに
なったのです。
  日本むかしばなし 12
   ふしぎなゆめ 民話の研究会 編 田木 宗太 絵  ポプラ社 刊
 
このように、安物が高価な物と交換されていく話は、ヨーロッパにはあまり見
られず、なぜか、インド、ベトナム、朝鮮、日本といったように東南アジアに
分布しているようです。そういえば、インドの原始仏典「ジャータカ」には、
ねずみ1匹から交換が始まり、豪商の婿さまに納まる出世物語が収められてい
ます。
「ジャータカ物語」や「パンチャタントラ物語」(世界で最も古い子ども向け
の物語集)もお勧めしたいのですが、最近、図書館でも見かけなくなりました。
パソコンで検索すると、かなり出版されているようです。あらすじを紹介して
いるものもあり、内容を把握できますから、のぞいてみましょう。
(次回は、「何もないのかな 水無月」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<保護者編>★★第7章(3) 端午の節句です  皐月

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
             -第26号-
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第7章(3)端午の節句です  
★★竜とドラゴンは、どこが違うのかな★★ 
 
「先生、竜って、どこにいるのかな?」
映画「ジュラシックパーク」を見てきた子どもが、こう質問したものです。絶
滅したはずの恐竜が動き回っているのですから、不思議に思ったのでしょう。
怪獣ゴジラにキングギドラが戦いを挑んだときも、同じような質問を受けまし
た。人間の脳は、動くものを見ることで刺激を受け、新しい思考が始まるよう
です。空想の怪獣が動くことで、新しい疑問を感じるのでしょう。
 
竜といえば、芥川龍之介の小説「龍」や、上野の不忍池に、夜な夜な水を飲み
に現れたという名工、左甚五郎の彫った「龍」などから、名前には親近感があ
りますが、存在感はありません。困ったとき、頼りになるのは広辞苑、私には
心強い味方です。
 
それによると、「竜は、インド神話で蛇を神格化した人面蛇身の半神、中国で
は神霊視される鱗虫(蛇などうろこのある虫)の長」であり、その姿は、多国
籍軍のような寄せ集めとはいいませんが、ものすごく複雑で、
「頭はラクダ、角は鹿、眼は兎、耳は牛、うなじ(首筋)は蛇、うろこは鯉、
爪は鷹、手のひらは虎に、それぞれ似ている」といわれているそうです。これ
だけ集まれば、さて、どんな性格になるのでしょうか、想像もつきません。棲
息地は人里離れた、何やら訳ありの深い淵。しかも、水の中で、おとなしくし
ているだけではありません。空さえ飛んでみせ、天にも昇ります。昇天の際に
は、雲を起こし、雨を呼び、強風を吹かせて、雷まで響かせる、いかにも不思
議な存在です。
 
竜を使った四字熟語には、威勢のよい、縁起のよいものがたくさんあります。
新明解「四字熟語辞典」によると、
「竜章鳳姿」は、威厳に満ちた立派な容姿、 
「竜躍雲津」は、竜が空高く舞い上がり、銀河まで昇っていくように出世する
こと、
「竜象之力」は、水中の竜や陸上の象のように、他に突出した力のことを表し
ます。
もっとも、「竜頭蛇尾」と、初めは勢いもよいのですが、終わりの方ではふる
わなくなる竜もいるようです。
 
幕末の志士といえば、忘れられないのが坂本龍馬ですが、その龍馬にふさわし
い故事があります。「竜馬(りゅうめ)の躓(つまず)き」、竜馬は足の速い
駿馬のことですが、駿馬でも何かのはずみで躓くことがあるという意味で、類
似語は「猿も木から落ちる」です。回天寸前に暗殺された龍馬、まさに「竜馬
の躓き」で、歴史は、非凡な人間に嫉妬するかのように、非情な運命を背負わ
すものですね。あまり視聴率のよくない「花燃ゆ」、高杉晋作に続き竜馬、晋
作の妻になるお雅、萩城下では評判の美女が登場しますが、さて、どうなるで
しょうか。
 
また、「逆鱗(げきりん)」ということばがありますが、この「鱗(うろこ)」
は、竜のあごの下に逆さまに生えるもので、これに触れると竜は怒り狂うとい
われ、中国の古典「韓非子」に、天子(国を治める者)を竜にたとえ、天子か
ら激しい怒りをかうことを「逆鱗に触れる」と記されています。
 
しかし、東洋では、姿形からして何やら憎みきれない善玉的存在です。日本で
は、「竜神様」といい立派な神さまですし、「辰」として干支にも入っていま
す。「独眼竜」といえば、おなじみの武将、伊達政宗です。
 
ところが、西洋になると、一変して悪玉となるから面白いですね。ドラゴンで
表す西洋の竜は、悪の化身です。聖書の「黙示録」に、「年を経た蛇」として
登場します。そういえば、禁断の木の実を食べさせようと誘ったのは、蛇でし
た。このドラゴンを退治するために、英雄が登場します。これでは完全な悪役
に徹することになるのですが、竜が「宝の守護者」としての伝説があるのです
から、やはり、摩訶不思議な伝説上の産物なんですね。
 
そういえば、竜に会いたいと願っていた子どもが、会えたばかりか竜を感激さ
せ、その背中にのって空を飛ぶ、浜田広介の「竜の目に涙」という楽しい童話
がありますが、「泣いた赤鬼」とともに読んであげたい本です。
 
★★五月五日は、母の日ですって…!?★★
「エッ、ウッソー!」と、いいたくなるでしょうが、嘘ではありません、本当
の話です。
 
昭和23年(1948)7月20日発布の法律第一七八号、国民の祝日に関す
る法律(祝日法)には、「子どもの人格を重んじ、子どもの幸福をはかるとと
もに、母に感謝する日」と定められている。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P100)
 
つまり、子どもの日は「法律的には母に感謝する日」でもあるのです。
「それでは、どうして、五月の第二日曜日が母の日で、カーネーションを贈る
ようになったのですか?」当然の疑問です、以下のような経緯があったのです。
 
アメリカのウエストヴァージニアの教会に、ミス・ジャービスという女教師が
いて、日曜学校の説教のとき、モーセの十戒の一つ「汝の父母を敬え」の章の
解説に「母の恩の深いことを人に悟らせる方法を考えよ」と教えていた。
彼女が亡くなり、その追悼式が命日に行われたとき、一人娘のアンナ・ジャー
ビスは、母が好きだったという白いカーネーションを母に捧げることで母の教
えを伝えていこうと思い、信者たちに白いカーネーションを配った。信者たち
はそれを胸に飾り、教えの通り母への感謝を示したのである。
この話を聞いたデパート経営者ジョン・ワナメーカーが、1908年5月の第
二日曜日に母を讃える記念会を催して、アンナの話を人々に伝えた。これがレ
ディー・ファーストの国アメリカで大反響を呼び、1914年に、議会の決議
を経て、ウィルソン大統領により国民の祝日として、5月の第二日曜日を「母
の日」と決めたのである。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊
 P100-101)
 
カーネーションの花言葉は「母の愛情」です。これも当然ながら意味がありま
す。
 
カーネーションは、十字架にかけられたキリストを見送った聖母マリアが落と
した涙のあとに生じた可憐な花ともいわれ、母性愛の象徴となった。そしてそ
れはキリストの復活につながり、復活したキリストと共に生まれた花として、
愛と喜びのシンボルとなった。白いカーネーションは生前のキリストとマリア
の涙、赤いカーネーションは復活したキリストである。
 (年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P102)
 
ヴァレンタインデーのチョコレートはチョコレート屋さん、母の日のカーネー
ションは花屋さん、クリスマスのデコレーション・ケーキはお菓子屋さんの企
みという感じがしますが、発案者のアンナさんは、こういった商業化、コマー
シャリズムには反対で、心を痛めていたそうです。
 
★★花言葉★★
花言葉に関しては、女性の方が詳しいのではないでしょうか。
母の日のカーネーションにちなみ、年中行事に関係のある花を選んでみました。
 
冬(12月-2月)
[そば]懐かしい思い出 ◆(そばののど越しと香りがわかります)
[松]不老長寿 同情 慈悲
[竹]節度 節操のある
[梅]高潔 上品 忍耐 忠実 独立 厳しい美しさ あでやかさ 気品
[裏白]無限に   ◆(縁起物の門松と鏡餅だけに納得できます)
[ゆず]温情 太平 ◆(鏡餅の存在を暗示しています)
[福寿草]幸福 幸せを招く 永久の幸福 回想 思い出 悲しき思い出
[椿]幸福 謙遜(赤)気取らない美しさ 控えめな愛(白)
申し分ない愛らしさ 理想的な愛情 冷ややかな美しさ
 
[せり]清廉潔白  ◆(せりのおひたしは、まさにこの味です)
[ナズナ]すべてを捧げます
[御形(母子草)]いつも思う 優しい人 永遠の思い
「はこべら」 ランデブー 愛らしさ
[仏の座](田平子 タビラコのことですが花言葉は見つかりませんでした)
[すずな]助け
[すずしろ]潔白  ◆(以上は春の七草です)
 
[大豆]親睦 ◆(鬼と親睦を図るわけではありません)
[ひいらぎ]機知 先見 用心
 
春(3月-5月)
[桃]天下無敵 チャーミング(花、しだれ桃)私はあなたのとりこ(実)愛嬌
[橘]純潔 ◆(お雛様は天下無敵と純潔に守られています)
 
[よもぎ]幸福 平和
[菜の花]快活な愛 小さな幸せ
[桜]純潔 精神美 淡白 ◆(かつて日本民族の矜持[自負]でした!)
[しょうぶ]やさしい心 忍耐 あなたを信じる
[柏]勇敢 独立 自由
[栴檀]意見の相違
[タンポポ]前途洋々 威厳  ◆(全く逆の花言葉もあります)
[チューリップ] 博愛 名声(黄) 実らぬ恋(紫) 不滅の愛(白)
長く待ちました(斑入り) 美しい目
 
夏(6月-8月)
[あじさい]移り気 高慢 辛抱強い愛情 元気な女 無情
[朝顔]愛情 愛情の絆 平静 結束 短い愛
[ひまわり]私の目はあなただけを見つめる 憧れ 崇拝 熱愛 光輝 愛慕
[笹]ささやかな幸せ  ◆(ささやか、響きのいい言葉ですね)
[なす]よい語らい 優美 希望
[きゅうり]しゃれ  ◆(……!)
[ほおずき]いつわり ぎまん ◆(漢字で書くと[鬼灯/酸漿]です)
 
秋(9月-11月)
[萩]思い 思案 柔軟な精神 
[すすき(尾花)]活力 心が通じる 永久 忍耐
[葛]治療
[女郎花]親切 美人 はかない恋 永久 忍耐
[撫子]永遠の愛情 純愛
[藤袴]ためらい 思いやり
[桔梗]変わらぬ恋 従順  ◆(秋の七草)
 
[秋桜(コスモス)]乙女の真心 乙女の愛情(ピンク) 少女の純愛(赤)
          調和(白) 美麗 純潔 誠実
[菊]ろうたけた愛 わずかな愛(黄) 真実 誠実(白)
  私を信頼してください(濃色)
[葉鶏頭]情愛 見栄坊  ◆(ケイトウというあだ名の友人がいましたが、納得!)
[彼岸花]悲しい思い出 情熱 独立 再会 あきらめ
[しゅうかいどう]片思い
[赤飯]節操 粋 健康 あなたのために役立ちたい 
[白粉花]あなたを思う 内気、臆病 ◆(新 秋の七草)
 
[榊]不明(やはり、神さまに似合うのはこれでしょう 花言葉 北斗 多一郎)
 ◆([不明]なのではなく、[不明]が花言葉です)
[栗]真心 豪華 満足
「さつま芋」乙女の純真  ◆(可憐な花です)
 
花言葉はたくさんあり選択に迷いましたが、ここでは花言葉のいわれを紹介す
るのではありませんから、年中行事に関係のあるものから選んでみました。掲
載した花言葉は、すべて「Yahoo! Japan」から検索しました。
(「和紙つれづれ花言葉」は、出典を明らかにした親切な作品になっています)
 
かつて、花を傘で切り倒す事件がありましたが、花に八つ当たりして、何かが
解決したのでしょうか。私たちが困難に立ち向かうときに、花や小動物が、い
かに勇気を与えてくれるか、体験したことがないのでしょうね。残念でなりま
せん。
(次回は、「五月に読んであげたい本」についてお話しましょう)

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