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めぇでるコラム

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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する -合否を判定する必須十項目-★★[8]構成力・観察力に関する問題(1)

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第39号>
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ご進級おめでとうございます。
年長さんになり、少し戸惑うかもしれませんね、お兄さん、お姉さんになりましたから。「さすがお兄さん!」「さすがお姉さん!」とプライドをくすぐり自信をもたせましょう。
「お兄さん(お姉さん)になったのだから!」は、不安や不満を募らせるだけで、賢い保護者が口にする言葉ではありません。
 
 
★★入試問題を分析する★★
 
[8]構成力・観察力に関する問題(1)
 
構成力・観察力に関する問題の基本は図形ですが、その他に模倣や同図形、異図形の発見などがあります。
 
 
[図形合成の問題]
 
三角形、正方形、長方形、菱形、円形などの形についての理解力を問う問題です。これも、かなり難しいですね。
 
 ◆プレート合成
   ★(数枚のプレートが置かれている)
    「三角のプレートを使って、お手本と同じものを作りなさい」 
                  
難しくて、どこがどうなっているのか、わからないものがあります。とにかくプレートを持って悩んでいても始まりません。しかも時間は限られています。
迅速な対応が求められます。
 
問題集でやる場合、プレートがついていれば、それを切り取って利用できますが、ない場合は、少し厚手の紙で同じ物を作ってあげましょう。そして、問題集に取り組む前に、お子さんにいろいろな形を作らせて遊ばせ、「おもしろいな!」と興味を持たせることが大切です。プレート構成の意味が理解できてから、挑戦しましょう。
 
 ◆分割合成                             
   ★(5つに切り離されたプレートが、バラバラに置かれている)
    「プレートをうまく組み合わせて、もとの円い形にしましょう」
 
三角形、正方形、長方形、円形が4つから5つに分割されたものを、元の形に復元する問題で、ジグソー・パズルのように、絵が描かれている場合は、かなりできますが、真っ白なプレートでは、苦労しますね。
お子さんにさせてみるとわかりますが、「△とは、□とは」と、定義を前提にせずに、どんどんと作っていきます。
 
言うまでもありませんが、円は、外は曲線です。
三角は、3本の線で囲まれて、角は3つです。
四角は、4本の線で囲まれて、角は4つです。
しかし、子どもたちは、これを無視して取り組みますが、しばらくすると「できました!」となるのですから、やはり、遊びの感覚ですね。図形の定義を抜きにした構成力で、本当に不思議なものです。
ただし、完成した時には、△、□、○などを言葉でいえるようにしておきましょう。三角形は「さんかく」、正方形は「ましかく」、長方形は「ながしかく」、円形は「まる」でいいでしょう。
 
   ★「左の形を作るには、右の長四角の中の、どれを使えばよいですか。
    3つずつ探して○をつけなさい」
 
先程、プレートでやった問題を、プリントで答える応用問題となります。いきなり問題集をやると、直ぐにお手上げになりかねませんから、プレートを使い、基礎トレーニングを十分積んでから挑戦しましょう。その基礎トレーニングですが、またしても折り紙の登場です。形がそろわないとうまく構成できませんから、きちんと折り、丁寧に切ることが大切です。角を合わせて2回折ると4個の三角ができますから、それをお子さんに切らせます。
 
2枚使って三角を作ります。
次に四角です。
この四角を作るときに、角と角を合せて蝶々を作ることを覚えると、4枚で真四角を作るときに役に立ちます。
平行四辺形もできますが、名称は、覚える必要はありません。
今度は、4枚で三角と四角と長四角を作ります。
三角は二通りできます。
 
ここで、お父さん、お母さん、挑戦しましょう。お子さんが三角4枚で作った四角を使い、それより大きな四角を作ってください。かつて、東京女学館小学校で出題された問題ですが、頭が固いとできません。
 
今度は、四角を折ってみましょう。                       
上下の辺を合わせて折り、広げて折っていない方を同じように折ると四角が4つできます。三角は、何回切っても三角に変わりはありませんが、四角は、長四角と真四角の繰り返しですね。
 
次に、円形です。コンパスがなくても、茶わんを使えば描けます。
半分に折ると扇形ができます。さらに、半分に折ると4個の扇形ができます。
バラバラにして組み立てられれば、円と扇形の構成がわかります。
 
ところで、○の分割で、ケーキを3人、5人、6人で分けるといった問題がありますが、子どもたちには難問です。○を三等分、五等分、六等分に分けたものを作り、それを切り取り、形を覚えておきましょう。
この問題を解くときに、器用に分けられる女の子がいるものです。                                             
「ママが、ケーキを切るのを見て、粘土でまねをしたの!」
お手伝いをしながら、5つ、6つに分けたのを見て、
「ママ、すごい!」
と驚き、実験して覚えたそうです。やはり、体験学習は、貴重な財産になっていますね。
 
同じ体験ですが、「丸い粘土の固まりを使い、同じ大きさの玉を3個作りなさい」といった問題で、粘土の固まりを板の上にのせ、手でゴシゴシとこすり、細長い棒状に伸ばして、それを三等分し、3個の玉を作った子がいました。
「ママとクッキーを作ったとき、こうすれば同じ大きさに作れると教わったの!」
と嬉しそうに話してくれたものです。
 
こういった日常生活での体験が、大きな知恵となっていることがよくわかります。生活体験、学校側の狙いもここにあるわけです。
 
少し脱線しますが、3個に分けた玉を一つに丸めて、「○が3個でも1個になる」という子どもたちがいるものです。つまり、1+1+1=3ではなく1だというわけです。3個の玉を、もとの固まりに丸めると1つの固まり[○]になりますから、確かに[1]になります。
これは、「ある量のものをいくつに分けても、もとの量は変わらない」という「量の保存」のことですが、量と数の違いは、粘土で説明するとわかりやすいでしょう。
 
最後に、作った形を真四角、長四角、三角、円といった形でまとめてみましょう。どこかで見たことはないでしょうか。そうです、積み木の箱です。一つの形を作ってきちんと収納されていませんか。図形の基本ですね。
 
三角2つで真四角が、真四角2つで長四角、長四角2つで真四角、扇形4つで円ができます。積み木を片付けながら図形の構成を学習しているわけです。スケッチブックなどにそれぞれの形を描き、その枠内にしまう練習もやってみましょう。
 
積み木は、頭脳のトレーニングになる遊びです。
 
遊んでいる子どもには玩具の一つですが、幼児期の図形学習や構成力、観察力や立体感覚を養うために欠かせない大切な教具です。巧緻性のところでお話した「手は第二の脳」を思い出してください。手を使う作業は、目でとらえた情報を脳に伝え、それをいかに行動に表すかを脳が考え、正しい指示を出し、手先が適切に作業をする、体と脳の共同作業だとお話しました。
 
こういった共同作業をスムーズにできる子の知的な能力が高いといわれるのは、それだけ試行錯誤を積み重ね、苦労をしながら、自発的に学習し、理解したものであり、先天的な能力だけではないと思います。しかも、子ども自身は「図形や構成力のお勉強!」などと思って、取り組んでいるわけではないのですが、構成力がつくだけではなく、夢中になって取り組むことで、集中力や学習意欲も培われます。
 
子どもは、単に記憶にだけ頼るのではなく、身体全体を使い、学習をしています。子どもの遊びは、すべて、何らかの学習につながっているのです。「遊びはいけないこと」と考える保護者いると聞きますが、それは間違いです。幼児期の遊びは、工夫する力を培う大切な作業であり、学習の場と考えましょう。
考え行動することで、自発性が養われるからです。
 
これで基礎トレーニングは、終わりです。
 
基礎をしっかり理解してから、問題集に挑戦しましょう。三角形、四角形のプレートつきのゲーム感覚の教材を選んでください。図形の問題に強くなると、考える力がつきます。複雑な問題になると時間もかかりますから、集中力や持久力もつきます。
 
お子さんが一所懸命に「……! ……? ……こうやるのかな!」などと考え、試行錯誤している時には、保護者は口を出さないことです。
 
忍耐です。
 
「お母さん、これ、どうなっているのかな……?」
などと助け舟を求めてきたときにアドバイスしてあげましょう。
お母さんにも根気が必要です。その心構えが、お子さんの持久力や取り組む意欲、自発性を育てるからです。
 
先程のお子さんが作った□を使って、それより大きな□を作る問題ですが、中心に集まっている4つの頂点を、底辺を軸に、それぞれ左、右、上、下へ裏返しにします。お子さんの作った□の外側に、4つの三角の屋根ができ、大きな□となるはずです。仕掛けがわかると何でもないように思えますが、「コロンブスの卵」と同じですね。日能研のキャッチフレーズではありませんが、「□
(シカク)いアタマを○(マル)くする」、子どもとの付き合いで大切なのは、親の既成概念、思い込みを押しつけないことです。
 
(次回は、「構成力・観察力に関する問題(2)」についてお話しましょう)
 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する -合否を判定する必須十項目-★★ [8] 構成力・観察力に関する問題(2)

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第40号>
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★入試情報★
○日出学園小学校
  第2回学校説明会
   日時 4月13日(土) 13:30~14:30    
 
◯国府台女子学院小学部
  第1回学校説明会
   日時 5月11日(土) 10:00~11:30  
 
○昭和学院小学校
  第1回オープンスクール
   日時 5月18日(土) 9:00~11:00 
 
〇学習院初等科
  学校説明会
   日時 5月11日(土)1回目 9:30~
              2回目13:00~
 
 
※それぞれの情報につきましては各校のホームページにてご確認ください。
 
  
 
★★入試問題を分析する★★
 
 [8] 構成力・観察力に関する問題 (2)
 
今回は複雑な分割です。三角形、四角形、円形の二分の一、四分の一といった分割は、基礎トレーニングで理解できているはずです。問題は、複雑な分割です。
大人でも、「ナヌ……?」と考え込んでしまう問題もありますね。
ですから、これもいきなり問題集を使うのは、やめた方がいいでしょう。
混乱するだけです。
「ブンカツ! 聞いただけで頭が痛くなるわ!」
算数嫌いになりかねません。小学校の勉強は、1年生から何といっても国語と算数が基本ですから、スタートでつまずくと大変です。
 
問題集とお子さんがかつて愛読していた絵本などを使います。
絵本の絵に問題集の分割線通りに線を引き、切り、それを使ってやってみましょう。分割の大きさは、大きくしてもかまいません。
昔の愛読書ですから、覚えているでしょうし、忘れていても思い出します。
それに形が大きいですから、しっかりと学べます。
3分割ぐらいから始めましょう。
 
「お母さん、これ『桃太郎』でしょう!」
笑顔を浮かべながら取り組むお子さんの姿を想像できますね。
絵本には、いろいろな思い出が残されていますから、面白がって取り組むはずです。
 
表ができたら、裏も使えます。
1枚の絵で、二通りの学習ができます。
コツが理解できれば、白紙で挑戦、 絵で一回学習していますから、最初は楽勝ですね。
これでやる気を育て、複雑な問題に挑戦できるようにしましょう。
 
できない問題があっても、心配はありません。
問題集を読んでいて、「こんなの、時間内にできるのかな?」と思える問題があると、学校側の狙いは何だろうと考えてしまいます。難易度の高い問題があると、「できないと合格しない!」と考え、無理やり教えこんでしまう保護者がいると聞きます。何といっても今の保護者の多くは、偏差値教育を受けてこられた元受験戦士ですから、やりますね。
 
しかし、考えてみましょう。受験生は5、6歳の幼児です。学校側は、構成力、プラスやる気、意欲、これを見ているのではないでしょうか。
あせらずに、時間をかけて、できるようにしてあげましょう。
 
このように心がけていると、例えば、試験場で難しい構成の問題に出合った時、「わかんない…!」と泣き出してしまう子と、できなくても最後まで挑戦し、時間がきたら、「やっぱり、できないな!」といって、きちんとやめる子とでは、泣き顔のお子さんからは「何でもできなくてはいけない」と考える満点主義のご家庭の顔が、頑張ったお子さんの場合は「一所懸命に頑張ってできなければ仕方がないでしょう」とあたたかく励ますご家庭のお父さんやお母さんの笑顔が浮かんでくるといった評価も生まれるものではないでしょうか。
 
オロオロ、キョロキョロと辺りを見るようでは、「できなきゃいけない!」という価値観が、お子さんをがんじがらめにしていることになりかねません。
小さい時から、「何でもできなくては駄目!」と教えるのは、いいことではないと思います。
できないことがあるから、できるように勉強するのが学校教育の目的です。できないことが悔しかったら、それをバネにして挑戦する気持ちの方が大切です。
 
幼児期は、結果を競い、結果だけを求める時ではありません。やはり、「やる気、挑戦する意欲」を見ていると思います。
家庭学習でも、こういった面を育ててほしいですね。
 
プリントでの分割の問題は、当てはまらないもの、おかしいものを消していく消去法がいいでしょう。その時に、なぜ必要ではないのかをお子さんに説明させると、効果はさらに上がります。自分の考えを言う、言葉で表現するのは、本当に難しいですね。
「これは、ここが違うから、当てはまらないわ」
「そうですね、角度が違うわね」
「角度って、なあに?」
「開き具合ですよ」
これは教え込むのではなく、「……?」と興味を持たせることです。関心を持てば、記憶されるものです。
知的な刺激を与えてあげましょう。
 
構成の問題に限りませんが、たとえば、答えが違っていたとします。前にお話しましたが、そんな時に、やってはいけないことがありますね。子どもの前で、間違いを指摘しないことです。
 
「これ違っていますよ!」
「それならこれかな?」
「違います!」
「じゃ、これかな?」
「何で、考えないの、あなたという子は!」
こうなりがちです、そうではないでしょうか。
最後は、顔色も変わり、話す口調に怒気さえ含んでいます。子どもは怒られたくない一心で、ひたすら残っている答えを指差すだけです。偶然に答えが合うことを祈って、です。考える時間を与えていません。
 
「勉強って、つらいものだな!」
このような気持ちにさせてしまっては、小学校へ入る前から、勉強の嫌いな子になりがちです。
 
わからなかったら、コピーをとり、それを切らせ、組み立てることです。怒られて、おどおどしながらやっているお子さんの気持ちを考えてあげましょう。
かわいそうだと思いませんか。お子さんが、お母さんの顔色を気にしはじめたら、気分転換をはかることですね。お互いの精神衛生のためです。難易度の高い問題に取り組むときこそ、あたたかい配慮が必要です。
 
閑話休題。
 
問題の解説は一休みして、ご両親の「育児の姿勢」をチェックしてみましょう。
日本でもベストセラーとなった「子どもが育つ魔法の言葉」(PHP研究所刊)の著者、ドロシー・ロー・ノルトの作ですが、お読みになったお父さん、お母さん方は、この本の冒頭にある「子は親の鏡」の詩には、納得されたのではないでしょうか。ここで紹介するのは、確か、スウェーデンの中学生用の教科書にあったものだと記憶していますが、資料が見つからないもので、間違っていたらお詫びいたします。
 
私どもも教室の入り口に掲示していますが、「育児しながら育自する」お父さん、お母さん方が大切にしている心構えではないでしょうか。
 
      子ども  ドロシー・ロー・ノルト 作
 批判ばかりされた 子どもは 非難することを おぼえる
 殴られて大きくなった 子どもは 力にたよることを おぼえる
 笑いものにされた 子どもは ものを言わずにいることを おぼえる
 皮肉にさらされた 子どもは 鈍い良心の もちぬしとなる
 しかし、激励をうけた 子どもは 自信を おぼえる
 寛容にであった 子どもは 忍耐を おぼえる
 賞賛をうけた 子どもは 評価することを おぼえる
 フェアプレーを経験した 子どもは 公正を おぼえる
 友情を知る 子どもは 親切を おぼえる
 安心を経験した 子どもは 信頼を おぼえる
 可愛がられ 抱きしめられた 子どもは 世界中の愛情を 感じることを 
 おぼえる
 
いかがでしょうか。
 
お子さんは、ご両親の作る環境で育っていくことを、忘れてはいけないと思います。受験されるお子さんは、同世代のほんの一部の子どもたちの一人です。
ほとんどの子どもたちは、こういった受験準備をせずに、小学生になります。
 
算数を例に取れば、加減乗除から分数の領域まで、数字も記号も使わずに学習し、「話の記憶」では、中高学年で習う「長文の読解」を文字も使わずに学習するわけですから、家庭学習は、そのことを理解した上で、無理のないように進めていただきたいのです。
 
お子さんが嫌がるときは、スパッとやめましょう。
 
そして、寝静まった頃に、お子さんの寝顔を見ることですね。
お父さん、お母さんの気持ちも、切り替えられると思います。
大切なのは、お子さん自身の将来、歩むべき道ですから……。
 
年長さんになり、少しでもお兄さん、お姉さんらしくなったところが見えたときは、ほめてあげましょう。
 
第39号でもお話ししましたが大切なことですから繰り返します。
「さすがお兄さん(お姉さん)!」は子どもに自信を持たせ、「お兄さん(お姉さん)なんだから!」は、不満や不安を募らせがちで、賢い保護者の口にする言葉ではありません。
 
子どもたちは、お父さん、お母さんの何気ない言葉にも、敏感に反応していることを忘れないでください。
 
 
(次回は、「構成力・観察力に関する問題(3)」についてお話しましょう。)
 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する -合否を判定する必須十項目-★★ [7] 記憶に関する問題

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第38号>
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★★入試問題を分析する★★
 
 [7] 記憶に関する問題
 
プロジェクターを使い、スクリーンに映し出された映像を何十秒か見て、どれだけ覚えているかをみる問題で、映像は、イラスト、色、図形、位置などがあります。
 
上映されている間、問題用紙は裏返しにして等、本人には見えないようになっています。問題がスクリーンに映っている間に、覚えなくてはならないのですが、見えないようにしてある答案用紙をそっと見る子がいるそうです。そんな暇はないのですが……。
 
こういった態度には、どんなチェックが入るのでしょうか。まさか、「カンニングの行為でマイナス5点!」などはないでしょう。ただ、不安なのです。不安の種は、どうやら子どもの頭に浮かぶ保護者の顔のようです。
 
できないと、怒られるからなのでしょうか。
 
もし、そうだとすれば、こういったところに、普段の育児の姿勢である「満点主義の教育ママ・教育パパ」の顔が、表われかねませんね。結果ばかりにこだわらないで、どうしてできないのだろうと、そのプロセスを考えてあげる賢い保護者になってほしいのです。
 
「私どもは、試験でさえもプロセスを大切に見極めています」
文言は正確ではありませんが、かつて、桐朋小学校の説明会で聞いた話です。
「プロセス重視」、これは家庭学習で忘れてはならない大切な心構えです。 
 
 
◆絵の記憶
 
公園で動物たちが遊んでいる絵を20秒ぐらい見て、うさぎがいたところに○、たぬきがいたところに×、りすがいたところに△をつける問題です。
スクリーンをボーッと見ていたら、
「動物が遊んでいたなぁ……!」
でおしまいですね。
 
 
 
◆色の記憶
 
四角や、三角、丸などの図形に、三色から多くても五色ぐらいの色を塗ったものを見て、それと同じところに同じ色を塗る、同じ色のシールを貼るなどの問題です。
「きれいだな!」
気持ちはわかりますが、感心している場合ではありません。
あっという間に終わります。
集中力です。
 
 
 
◆形の記憶
 
☆△□○といったように、形が並んでいるものを見た後に、下の中から同じものを選んで印をつける問題です。
形は、難しいですね。
抽象的で、つかみどころがないからです。
 
 
 
◆位置の記憶
 
ます目の中に、動物や昆虫、花や果物、記号や図形がかかれているものを見て、右側の解答用紙の同じ所に印をつけたり、おはじきを置いたり、シールを貼って答える問題です。
動物や花などは、覚えやすいようですが、図形は抽象的だけに難しいのです。
 
 
 
◆音の記憶
 
例えば、太鼓が6回たたかれた音を聞き、その数だけ○を書くとか、映像を使って、動物たちが順番に楽器を鳴らし、だれが、どの楽器であったか、動物と楽器を線で結ぶ問題などがあります。
 
 
 
記憶の問題は、やった経験がなければ、ほとんどできないでしょう。
テストは、このように行われるからです。
 
(スクリーンには、動物たちが公園で遊ぶ様子が映されています)
★スクリーンを見てください。………………………(20秒経過)
「くまさんがいたところに○、うさぎさんのいたところに×をかきましょう。」
 
「記憶の問題です」などといった説明もなく、スクリーンに問題が映り、しばらく沈黙が続きます。
「スクリーンを見てください」と言っていますから、説明なしとは言えませんが、ボーッと見ていたら、それまでですね。人間の脳は、「覚えなさい!」との明確な指示があって、初めて記憶する作業が始まりますから、これは、心構えが必要です。
 
登場する動物も多く、公園の様子も複雑な問題がありましたね。
子どもは、どのようにして覚えるのでしょうか。
大人は、「ブランコにくまがいて、滑り台にパンダが、砂場にはうさぎが……」
と理詰めに記憶しようとしますから、これでは覚えきれません。
 
ところが、子どもは、全体をパシッと頭に収めてしまうそうです。
カメラを考えれば、いいようです。
全体を、頭に写し撮ってしまうらしいのです。
子どもの頭は柔軟ですから、記憶できるそうです。
 
子どもの記憶力には、驚かされることがあります。
電車の好きな子が、山手線の全部の駅の名前を覚えた話など聞きませんか。車博士から鉄道博士、昆虫博士と、よくぞ覚えたものだと感心させられます。
 
話を戻します。
 
こういった問題があるからといって、問題集を買い、ひたすら繰り返し訓練するのは考えものです。第一、面白くありません。20秒ぐらい絵を見せられて、サッと隠して、
「今、何がありましたか!」
「こんなことして、何になるの、お母さん?」
こういわれて説得できなければ、やっている親の立場がなくなりますね。
 
お気に入りの絵本の、1ページに描かれている情景をいわせてみると、驚くほど細部にわたり記憶しているものです。こういったものを利用しながら、記憶するという意識を刺激してみましょう。
 
トランプを使った「神経衰弱」なども、絶好の教材となります。
 
こういったステップを十分に踏み、それから問題集を利用すれば、お子さんもやる気十分に挑戦するはずです。問題意識が芽生えないと、興味を示しませんから、意欲もわきません。
 
記憶は、本当に気ままなものです。 
自分の好きなことは覚えますが、嫌いとなると、もういけません。
 
やはり、出発点は好奇心ですね。 
 
そこから、注意力や集中力が働いて、記憶するのでしょう。
普段から、注意力の散漫な子は、やはり、覚えるのも苦手ではないでしょうか。
 
身辺の整理ができない、おもちゃ箱が乱雑な子も、どうでしょうか。
過保護、過干渉な育児も駄目でしょうね。
何でも自分でやらなければ、段取りがわかりません。
段取りは、前にやった時の経験が生きてきます。
経験は記憶されますから、自分でやることが大切です。
 
記憶力も試行錯誤を積み重ねて身につくもので、子どもの生活体験と深い関わりがあります。
自発性にとみ、自立心の身についている子の記憶力は、すぐれているはずです。
それは、いろいろなことに自力で挑戦しているからです。
 
小学校側も、単に記憶する能力をみているのではないでしょう。
五感を刺激されていれば、記憶力もつきます。
 
このことです。
ですから、机の上で、問題集だけで覚えた知識は、あまり役に立ちません。
単に、大脳神経の回路を刺激して記憶するだけですから、忘れやすいのです。 
 
しかし、頭と体が一体となって覚えたものは、忘れません。
それは、知識ではなく知恵だからです。
身についた知恵の主語は、自分自身です。
詰め込まれた知識の主語は、多くの場合、第三者やお母さん、お父さんではないでしょうか。
 
記憶力を培うのは、五感に刺激を与える環境でしょう。
お子さんが、夢中になって取り組む遊びはありますか。
好奇心の旺盛な子は、やはり、記憶力も順調に発達しているといえるのではないでしょうか。  
 
春休みの講習会、元気に通っていますか。冬の講習会と同様、短い期間ですが、毎日通い学習することで、学ぶことの面白さを体験していると思います。この意欲と学習習慣を、4月以降にうまく活かしたいものです。頑張ってください。  
 
(次回は、「構成力・観察力に関する問題(1)」についてお話しましょう)
 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する -合否を判定する必須十項目-★★[6] 推理・思考に関する問題(3)

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第37号>
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★★入試問題を分析する★★
 
 [6] 推理・思考に関する問題 (3) 
 
[科学性の問題]
 
 (風の吹く向き、影や水に映っている絵を見て)
  ◆ 下の絵で、おかしなところに×をつけなさい。
 
問題集に取り組む前に、以下の実験をしておくと、好奇心の元となる「ナゼ、ナゼ、ドウシテ?」の探査用アンテナを張りはじめます。
 
風の吹く様子は、ぶら下げたひもにドライヤーで風をあててみましょう。
影は、お日さまの出番ですが、懐中電灯でもわかりやすいでしょう。
水に映る様子は、前回の実験で使った画用紙を縦にして半分に折り、上の部分に矢印↑や▲を描いてみましょう。そして、色を塗り、重ねて、よくこすります。どのように写るかがわかれば、直ぐに理解できるでしょう。
 
磁石にくっつくもの、水に浮くもの、沈むもの、これも同じです。磁石を持たせて、10分も遊んでみると、わかります。おもちゃ箱には、いろいろなものが入っていますし、部屋の中にも、実験用の教材は豊富です。しかし、うっかりコンセントに近づけると危険ですから、よく説明しておき、絶対に一人ではやってはいけないと約束し、実験中も監視の目をゆるめないことです。 
 
缶はアルミ製とスチール製を用意しましょう。「エッ!」となるはずです。 
砂の中に磁石を入れると面白いのですが、衛生上の問題も言われることがありますので保護者が判断してください。砂場で砂鉄を採集し、紙の上にのせ、下から磁石をあててみましょう。これは、子どもにとっては、驚きの現象となるはずです。
 
少し難しいかもしれませんが、どうすれば折り紙を磁石で持ち上げることができるか、挑戦してみましょう。ヒントは、クリップなど磁石にくっつくものを利用することです。
 
また、コップや空き缶は、どんなときに浮き、沈むのでしょう。
ジュースの入ったビンは、浮くでしょうか。
水をいっぱい入れてフタをしたビンと、少し空気を入れてフタをしたビンでは、どうなるでしょうか。
 
1円玉、10円玉は、どうですか。
紙は、条件で変わります。
輪ゴムも面白いですね。
さつま芋は浮くでしょうか。
すいかも面白いのですが、今は、なかなか丸ごと買いませんから、ピンチヒッター、メロンでどうでしょう。
 
ところで、大きな力士がプールで泳いでいるのを見て、子どもから「どうして、あんなに大きなお相撲さんが、水に浮くのですか?」と真剣な顔をして質問されたとき、皆さんはどのように説明しますか。
 
その他に、植物の成長の段階や昆虫の生育状態を、絵を並べて答える問題もあります。
朝顔やひまわり、チューリップなど家で栽培できるものを、お子さんと一緒に育てながら、観察絵日記をつけるのも、効果がありますね。
 
おたまじゃくし、めだか、やごなどは、昔は川にはいくらでもいましたが、今は、その気になって出かけて探しても、いません。
 ♪春の小川は さらさらいくよ♪
などという風景は、どこにあるのでしょうか。
 
本物に勝るものはありませんから本当はお勧めできませんが、図鑑などで説明するしかないでしょう。
「手に入らない、見ることができない」といっても、興味や関心の芽は育てておきたいものです。
 
ところで、文部省唱歌「春の小川」の情景は、どこにあったかご存知でしょうか。渋谷を流れていた河骨川だそうで、今はコンクリートで固められた川、宇田川と呼ばれています。歌碑は、小田急線の代々木八幡駅付近の線路沿いに建てられています。
 
 
 
[鏡映像]
 
これも勘違いしやすい問題ですね。
「左と右が、反対に映るんですよ!」
理論上は、そうですが、子どもには難しい問題です。
 
「どうして左と右が反対になっているのに、上と下は変わらないの?」
 
こうなると、収拾がつきません。
鏡の前で、いろいろなポーズをとって、遊んでみましょう。右手を上げると鏡の中の自分は、左手を上げていることに気づかせます。
 
わかってきたら、子どもと向き合って、「鏡ゲーム」で遊びましょう。お母さんが鏡になり、子どもが右手をあげた時、どちらの手を上げますか。左手ですね。お母さんの言うとおり、左右が反対に映っているのですが、理論的なことは、どういうふうに映るかが、よくわかってからにしましょう。
 
 
 (子どもが、鏡の前で右手を上げている)
  ◆どのように映っているか4枚の絵から選びなさい。
 
鏡は手前にあり、どのように映っているかわからない仕掛けになっています。
子どもの絵を180度回転させなければわかりませんが、「鏡ゲーム」でやってみると、右手を上げている子は、鏡の中では左を上げていることがわかります。
 
ところで、鏡は不思議です。
左右が逆になるのに、なぜ、上下は、そのまま映るのでしょうか。      
「そんなこともわからないの。壁に掛かっているからだよ。足元に置いたら、
先生の姿は、逆さまになっているでしょ!」
こういって、鏡を私の足元に置いた子がいましたが、お父さんがお母さんの使っている等身大の姿見を床に置いて見せてくれたそうです。
 
幾何学的にいえば、逆転しているように見えるのは、左右ではなく前後(奥行き)だそうですが、理屈抜きです。このお父さんのように、実際にどう映っているかを見せることが大切で、幼児の学習は、これに限ります。難しい原理や定理は、大きくなって学力がつき、疑問に思ったその時に、自分で調べることができるからです。
 
 
 
[四方図形]
 
最後は、四方図形です。
真ん中に、片手に旗を持ったくまの縫いぐるみの人形があり、それを前後左右から見ると、どう見えるかを答える問題です。
 
これも実験です。
大きめのコーヒーカップをテーブルの上に置いて、前、右、後、左と、回り方はどちらからでもいいのですが、スケッチブックに描いてみると、すぐにわかります。
前から見るのと後ろから見るのとでは、逆になります。
右側から見えた持つところは、左側からは見えません。
これがわかれば理解できます。
 
しかし、積み木の四方図形は難しいですね。
二等辺三角形を上から見ても、横から見ても長方形に見えるのですが、これがなかなか理解できないようです。傾斜を平面としてとらえるのは難しいですね。
底辺が四角の場合は四角に、長四角の場合は長四角に見えることを、よく確かめておきましょう。
 
円柱もそうですね。
上から見ると○ですが、横から見た場合は、長さにより違いますが、真四角や長四角に見えます。
扇形も、見る位置を変え、上から見ると長四角に見えます。
積み木をいろいろな角度から見て、スケッチブックに描いてみましょう。傾斜が平らに見えるのは、描いてみると「なるほど!」と理解できます。
 
もう一押ししておきましょう。
対称図形でやった矢印です。
これを切り抜いて、お母さんが持って、子どもの前に立ち、
「お母さんから見たら、この矢印、どっちに向いていますか?」 
「(ぼくから見ると左向きだから、お母さんから見ると逆だな。)
お母さん、右向きでしょ!」
「ピン、ポン!」 
しっかりと理解している証拠です。
 
しかし、こんなにややこしい四方図形などを、どうして出題するのでしょう。
物は、見る方向によって、いろいろな形に見えますから、ある方向からだけ見るのではなく、いろいろな方向から見ることが大切なのだといっているのではないでしょうか。
 
子どもも、同じです。
子どもの能力をある方向から、たとえば、知的な能力だけで判断してはいけないということですね。子どもの持つ様々な能力を、きちんと見極めてあげるのが、親の大切な仕事ではないでしょうか。
 
 
 
いかがでしたか。
推理・思考の問題は、やってみると、子どもの日常生活と、深くかかわりを持っていることがわかります。幼児の試験ですから、判じ物のような試験をするわけはありません。問題集だけで知識を教え込むのではなく、子どもの周りには、たくさんの教材がありますから、これを利用することが大切です。好奇心をそそるように仕向けていくのが、賢明な方法であり、問題意識を持たせることです。
 
「なぜ、どうして?」という疑問の芽を育ててあげましょう。そういった疑問を、小学校に入ってから系統立てて勉強していくわけです。
 
問題集を広げ、鉢巻きを絞めて、机の上でガンガン、ビシビシと教え込むだけが受験準備ではありません。前にもお話しましたが、記憶力は学習効果を高める大切な能力の一つですが、記憶力だけに頼るのは、やはり、拙いのではないでしょうか。
 
本物の力は、体験を伴った学習から培われるものです。
 
疑問の芽を育てる環境から、子どもの意欲は培われることを肝に銘じておきたいものです。この意欲こそ、明日の学習につながるからです。
 
思い出してください。子どもが「わからない!」と言ったときは、本当にわからないのです。理解できない問題は決して無理をせず、お父さんもお母さんも一緒に考え、一緒に悩んで、共に学んでください。
そして、「あしたは、今日より、きのうより」の気持ちを大切に頑張りましょう。
 
春休みの講習会が始まります。短い期間ですが、毎日通って学ぶことの楽しさを体験し、今の時期に必要な学習意欲を育てることが大切です。
 
 
  (次回は、「記憶に関する問題」についてお話しましょう)

 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する -合否を判定する必須十項目-★★[6] 推理・思考に関する問題(2)

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第36号>
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この時期になると、説明会が開催されます。直接学校に訪れ、学校情報を得たり、雰囲気を感じたりできる貴重な機会ですので、少しでも関心がある学校の説明会には参加されると良いでしょう。
 
☆説明会報告-日本女子大学附属豊明小学校
 
女子の一貫校の良さについて校長先生からは、「女性の特質を活かし、性別のフィルターを持たずお互いを尊重でき、自分の良さをそのまま発揮し、発揮できるところ」とお話されていたました。
教育活動の特色として、「表現活動」「交流」「学年団としての教員の見守り」「成績表がない」「ICTの活用」「英語」「自学自動と実物教育」「探究活動」のお話がありました。がけ下教材園を活用した実物教育やお客様には必ずお礼のお手紙を書くというのは本校ならではと感じました。そして、大学の教員から環境問題の授業を受けたりなど、要所要所で一貫教育のメリットを教育活動に取り入れている様子も伝わってきました。
 
本校の求める児童像、家庭像のお話の中で「子どもに過不足ない愛情を注いでいる家庭」という説明がありました。「過不足ない」ということがポイントですね。なかなか難しいと思いますが、お子さんのためです。
 
最後に校内見学。
渡り廊下に飾られた図画工作の時間に作った作品、絵画の全員分の展示・掲示は、数も多くて圧巻。教育の特色を体現しているなと実感。
螺旋階段のある図書室は天窓から光が差し込み、子ども達にとって居心地の良い空間に違いないと感じました。
 
 
 
★★入試問題を分析する★★
 
 [6] 推理・思考に関する問題(2)
 
[図 形]
 
重ね図形、回転図形、対称図形などですが、かなり難しいですね。問題集を買ってきて、「さぁ、やるぞ!」方式は失敗しがちです。まず、保護者がやってみましょう。やってみるとわかりますが、折り紙やセロハン紙、それとA4位のビニールでできている袋や書類入れ、画用紙などを用意しておくと役に立ちます。遊びの感覚を忘れないことが大切で、特に女の子は、推理の問題を苦手としがちですから注意しましょう。
 
 
★重ね図形
 
2枚の絵を重ねるだけですから問題なさそうですが、何事も実験することが大切です。
1枚の紙にひまわりの花を描いて、それを透明な書類入れに挟み、今度は茎と葉っぱを、その上に描かせます。
書類入れに挟んだ紙を引き出して比べると、2枚の絵に分かれていることがわかります。                
これを理解した後に、自分の好きな絵を、同じ要領で描かせます。 
面白がって描くはずで、上下左右、そのままに重なることがわかれば問題ないでしょう。
 
 
 
★回転図形
 
言葉で説明すると、難しいですね。
こういった矢印[↑]を描いて、時計回りで実験すると、わかりやすいでしょう。
      ↑  →  ↓  ←   
      A  B  C  D
 
A がお手本です。これを90度回すとBになり、Bを90度回すとC になり、Cを90度回すとDになり、Dを90度回すとAに戻るわけです。
もちろん、幼児の世界ですから、90度といっても理解できません。ですから、90度、1回転は「カタン」で、180度、2回転は「カタン、カタン」と繰り返します。回転図形にはかなり難しい問題がありますから、理解できるまで、こういった矢印や上下の形が違っているものを使って、子どもと一緒にゲームの感覚でやることです。チューリップの花などを描かせてやってみるのも、いいでしょう。
 
問題によっては、錯覚を起こしやすいですから、その場合は切り抜いて、条件に合わせて動かし、どのように変化していくか、その様子をしっかりと確かめさせましょう。大切なことは、上下、左右がどうなるかを見極めることです。
プリントをぐるぐる回す子がいますが、初めのうちはいいのですが、これが習慣になると、推理する力はつきません。ただ、変化する様子を見つけているだけです。
 
この種のテストの目的は、推理・思考する力が、年齢にふさわしく培われているかを判定する問題ですから、仕掛けが理解できれば、プリントを回すことはやめて、考える力を養いましょう。
 
 
 
★対称図形
 
正直にいって難しいです。
大人でも音をあげたくなる問題があります。問題集先行型は失敗しがちです。
折り紙の出番ですね。はさみも使いますから、手先も器用になります。1枚の折り紙を半分に折った背の側(山折りになっている側)に、図形などが描かれており、それを切って広げた場合にどうなるか、それを推理する問題です。
 
半分に折った折り紙に、何回もかいては切る、この実験を繰り返し、対称を理解することですね。
折った背の側にかかなければ、形はできてもバラバラ事件になります。まず、これに気づかせます。雪だるま、クリスマスツリー、チューリップなど左右が対称の絵から始めて、図形に移っていくのが無理のない方法です。
 
マスターできたら、四分の一に切った折り紙を使い、いろいろな対称図形を切り取り、その両方をスケッチブックに貼りましょう。この貼り方にも、工夫が必要です。
 
「手は第二の脳」でも詳しくお話しましたが、糊の使い方は難しいものです。
最初は、折り紙の上部左右の二ヶ所に、切り取ったものには上のところの一ヶ所に、ほんの少しだけ糊を付け、貼る練習をしましょう。
繰り返し練習をすることで、糊の適量も、全体に薄くのばすこともわかってきます。これは、とても大切な作業ですから、家でしっかりと身につけてください。こういったことまで教室で指導を受けるのは、時間の無駄遣いと考えましょう。
 
うまく貼れない場合は、箸の使い方、ボタン掛けなどの基本的な生活習慣にも、影響が出ているのではないでしょうか。繰り返しますが、幼児の手作業は、脳と運動機能の連携作業であることを思い出してください。制作の問題で、のりを使うケースもあります。使い終わって手を拭く指示もあります。出題の意図は、どこにあるか、明確ですね。
 
難しい問題もありますが、これも実験で克服できます。
半分に折った画用紙と、はっきりと色のつくクレヨン、赤色か黒色を用意します。
 
折った画用紙の左側中央に矢印←を描いて、しっかりと色を塗ります。
そして、上の左端に三角▲、下の折り線のそばに四角□■を書きます。
きちんと塗らないと実験は成功しません。
そして、点線から半分に折って重ね、上からゴシゴシと擦ります。
これも、しっかりと擦らないと写りません。
そして、ひろげます。
まったく逆向きになるはずです。
矢印は→、上の左端の三角は右端に、下の□■は■□と、これも逆になっています。
折り線に近い■は、逆になっても線に近く、線から遠い□は線から離れています。
 
この実験で、位置や向きが逆になることを確かめて、問題に挑戦しましょう。
難しい問題は、半分に折った紙に、黒色か赤色で問題と同じように線を引き、重ねて擦ります。
そして、どのようになったかを、子どもに説明させましょう。
口でいえないときは、まだ十分に理解していませんから、再び、実験です。
 
同じことですが、半分に折った紙に矢印を描き、カッターなどで切り、広げてみましょう。 
 
左右が逆になっていることを確かめられます。
 
手先も器用になりますし、後で出てくる巧緻性にもつながっていきます。
これを十分に理解してから、問題に取り組みましょう。
「右側に折って重ねるのだから、左と右が逆になるの!」
こんな乱暴な説明をする保護者はいないと思いますが、言葉だけで説明しても、わかりません。
まだ、左右の弁別もあやしいのですから、とにかく、実験を繰り返すことです。
 
スタンプの問題や湖に映った逆さ富士のように、水に映るとどうなるかといった問題と一緒です。特に、スタンプの問題は、大人でも錯覚しやすいですから、しっかりと実験をし、どのように変化するかを見極めることが大切です。
 
推理の問題は、いきなり問題集でやるのは、やめた方が賢明で、いたずらに混乱するだけではないでしょうか。
 
まず、保護者が学習し、理解をしておくことですね。そして、実験、実験の繰り返しです。実験は、疑問を解決する楽しい学習であり、遊びの感覚で取り組めますから、子どもたちも喜ぶはずです。
このことを忘れないでほしいですね。 
 
春休みの講習会が始まります。会員の方は、11月からの学習を確かなものとし、さらなる飛躍へ。4月から通会を予定されている皆さん方は、「最初の一歩を確実に」するために、講習会から始めることをお勧めいたします。頑張りましょう。
 
 
 (次回は、「推理・思考に関する問題(3)」 についてお話しましょう) 

 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する -合否を判定する必須十項目-★★[6]推理・思考に関する問題(1)

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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
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 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第35号>
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★★入試問題を分析する★★
 
 
[6] 推理・思考に関する問題(1)
 
系列完成、欠所補完、図形、科学性に関するもの、鏡映像などの問題ですが、これもかなり難しいですね。知能指数(IQ intelligence quotient 知能検査で得られた精神年齢を、実際の年齢で割り、百倍した数で、100が普通程度を表す)を調べる知能テストに、このような形式の問題があるのは、お母さん方もご存じだと思います。
 
かつて、この種の問題が小学校入試の基本であった頃に、「IQが120以上でなければ合格しない!」とのうわさがまことしやかに流れたことがありました。ある小学校の説明会で校長先生が、「IQが120位ないと入学してから大変ですよ」とおっしゃったのですが、これに尾ひれがつき、「140以上なければ合格できない!」と姿を変え、指数を上げるために繰り返し練習することが行われたものでした。
 
事の真相を知っていましたから、無責任なうわさが恐くなり、「そんなことをしていると、お子さんの実際の知能指数がわからなくなるからやめなさい」と、その弊害を保護者の方にお話したことがあります。
 
本来、知能テストは、たとえば5歳の子どもなら、他の多くの5歳の子どもと比べて、知能の発達の度合いを調べるテストで、訓練をし、無理に上げるものではありません。今は、そういったうわさも誤解も、姿を消したようですね。
 
 
 
[系列完成]
 
動物や果物、記号やさいころの目などが、ある決まりで並び、ところどころに空欄がもうけてあり、そこに入るものを考える問題で、おもしろいことに美醜の感覚やリズム感まで刺激を与えていることがわかります。
 
    ○△□○△□○△□○△□○△□○△□
    ●○△●▲○▲□●○△●□○▲●
 
上段は、見た目もきれいで、リズミカルで心も落ち着きます。
下段は、見た目も煩わしく、不協和音が聞こえそうで、心もいらだちます。
きれいな並び方には、一定の決まりや規則性があり、それを見つける問題です。
 
 1  リンゴ・バナナ・ミカン・リンゴ・バナナ・ミカン・リンゴ・( )
 2  □○△( )□○△◎( )○△◎
    ↑     ↑
   (左人差し指)(右人差し指)
 
3つか4つ、多くても5つまでの系列ですから、上の問題のように、「リンゴ・バナナ・ミカン・リンゴ・バナナ・ミカン・リンゴだから、バナナだな!」と口調もなめらかで、抵抗なく出てきます。
 
下のような問題は、ちょっと困ります。
しかし、左右の人差し指で、同じものを(この場合は□)押さえて、右へ1つずつ移動させると、□○△◎の決まりであることがわかります。
これを「お引っ越しゲーム」といったりしますが、決まりを見つけるゲーム感覚でやると、子どもは面白がって挑戦します。
 
このゲーム感覚ほど、子どもの学習意欲に刺激を与えるものはないでしょう。
 
身の回りに注目してみましょう。
この決まりを守っているものが、たくさんあると思います。
ブラウスやセーターの図案、カーテンの模様、台所やふろ場のタイル、外に出れば、舗装された道路のタイルなど、きちんとした決まりで並んでいませんか。
お子さんと一緒に、決まりを見つけるのも楽しいものです。
大切なのは、こういったことから好奇心の芽を養うことです。
好奇心は、やる気を起こす起爆剤で、その意欲から自発性も芽生えてきます。
 
 
 
[欠所補完]
 
文字通り、欠けているところを補い完成させる問題で、ジグソーパズルの感覚で取り組めます。
 
全体の中で欠けている部分を推理し、4枚程の中から、そこに入るものを見つけます。正解は1枚でダミーが3枚入っていますから、それを除いていけばいいわけです。
 
直感力のすぐれている子は、サッと見つけますが、それで安心して、「うちの子、頭、いいわ!」などと早合点をすると、後々、困ったことになりがちです。   
選択肢は、わずか4枚で、確率四分の一ですから、偶然に答えが見つかる場合もあるからです。
 
時間が、かかってもかまいません。
1枚、1枚、比べて、
「これは、ここが違っている! これも違う!」
と、辛抱強く比較していくことが大切です。
 
繰り返しますが、この違いを見つけることは、観察力を培う大切な作業です。
しかも、根気が必要ですから持久力もつきます。
そこから、じっくりと物事に取り組む姿勢も身につきます。
 
以前にも紹介しましたが、イソップ物語の「うさぎとかめ」の話を思い出してください。油断をいさめた寓話ですが、ひらめき型とじっくり型の話として読むと、幼児期の教育のあり方について、重要なヒントになっているのではないでしょうか。
 
このイソップの話、明治時代の小学生の教科書の題名は、何と「油断大敵」です。
 
ウサギさんはひらめき型の直感派で、カメさんはじっくり型の思考派です。
小学校の低学年までは、断然、直感派がリードをします。
 
選択肢が2つか3つの場合は、直感力の優れているひらめき型のウサギさんは、あまり苦労することなく答えを選び出せます。じっくり型のカメさんは、選択肢が少なくても、一つ一つ検証して答えを出しますから、時間はかかりますが、試行錯誤を重ねることで、きちんと答えを出します。
 
ところが、分数や小数、光合成といった、目に見えない世界の学習が始まる中・高学年になると、思考派が徐々に頭角を現します。
 
じっくり型の思考派のカメ型タイプの子は、欠所補完の問題でも、一枚一枚、きちんと比べて納得していますから、慎重に考えながら物事に取り組む習慣が身につきます。
 
しかし、どちらがいいのだろうなどと、決めてかかるのはどうでしょうか。
いろいろなタイプの子がいて、当然です。
 
「じっくり型の、思考派の、カメ型のタイプは理系だな!」と思い込み、「何で、もっと、じっくりと考えないの!」となるようでは、子どもには迷惑な話になりかねません。
問題集をやる時などに、答えが間違っていると、こう言いがちではないでしょうか。
 
しかも、そういう時の大人は、恐い顔をしていますから、子どもも考えようとせずに、隣の絵をさっと指差したりします。
それも間違っていると、
「何回、言ったらわかるの。考えなきゃ駄目だと言っているでしょう!」
これでは何回やっても同じです。
子どもは、怒られたくない一心で答えているだけですから、考えていません。
保護者の方には、考える時間をあげていないことに気づいてほしいですね。
 
幼児の場合、正解を求めるだけが学習ではありません。
なぜ、「どうしてなの?」「どういう風に考えたの?」と聞いてあげられないのでしょうか。
不思議な気がしますね。
 
「正解は一つしかない」と信じて疑わないからではないでしょうか。
 
答えは間違っていても、意外に、面白いところへ目をつけているときもありますから、その理由を聞いてあげましょう。
 
それから間違っていることを説明してあげれば、子どもも納得します。
こういったことをしてあげずに、子どもの考えを無視して、繰り返し、ひたすら正解なるものを求めていると、大人の顔色を見て答えはじめます。
これでは学習ではなく勉強です。
「強いて勉めるのが勉強」であることを思い出してください。
大人の気持ちを満足させるためにやっているようなものですから、やめた方がいいですね。
 
大人は何とか工夫しますが、できるように配線が組みこまれないとできないのが子どもです。
 
子どもが「わからない」という時は、「本当にわからない」のです。
 
そこを考えてあげないと、お子さんはパニック状態に陥りがちです。
いやな思いをさせては、小学校へ入る前から勉強嫌いな子になりかねません。
「忍の一字」で過ごした、おむつを外した時のことを思い出してください。
 
ところで、「うさぎとかめ」の負けたウサギはどうなったかご存知でしょうか。
「カメに負けた駄目ウサギ」として、ウサギ村から追放されますが、「子ウサギをえさに差し出せ!」と脅迫してきた狼を負かし、無事、ウサギ村へ復帰します。
 
余談になりますが、ホワイトデーの習慣は日本生まれ、中国、台湾、朝鮮など東アジアの一部で定着しているが、欧米にはない。記録として残っている元祖は、昭和48年(1973)に不二家とエイワが協力し、チョコレートのお返しにキャンディやマシュマロを贈ろうと「メルシーバレンタイン」キャンペーンを開催したとの記事が読売新聞にある。その中でホワイトには「幸福を呼ぶ」「縁起が良い」という意味があるということで、1ヶ月後に設定したと伝えている。(「ウィキペディア フリー百科事典)より要約)
 
デコレーションケーキといい、お菓子屋さんのたくましい商魂ですね。
 
そのホワイトデーですが、バレンタインデーは様々なバリエーションが出てきましたが、ホワイトデーはどうなっていくのでしょうか。
 
 
(次回は 「推理・思考に関する問題(2)」についてお話しましょう。)

 
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