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めぇでるコラム : 2015年1月 2ページ目

2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★ご家庭で伸ばせる基本的な能力開発(1)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
               第8号
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ご家庭で伸ばせる基本的な能力開発(1)
 
入園試験に関する実践的な指導は、幼児教室の先生方にお任せするとして、ご
家庭で伸ばせる能力開発、9項目について2回に分けてお話しましょう。繰り
返しますが、お子さんの月齢、生まれ月を忘れず、無理をしないことが大切で
す。
 
(1)言語の領域
何も話せなかった赤ちゃんが、いつのまにか、驚くほど話せるようになります。
しかし、自然に身についたわけではありません。ご両親、特に、お母さん方の
献身的な努力があったからです。言葉の意味がわからない赤ちゃんに、いつも
言葉を浴びせていたからこそ、今のように話せるようになったわけです。
「ママ、オミズ!」といったとき、黙って水をあげたお母さんはいないでしょ
う。
「のどが渇いたから、お水を飲みたいのね」
と話しかけていたと思います。これが、言語の学習になっていたわけです。
モンテッソーリの「言葉の敏感期(もっとも活動が盛んになり発達する時期)」
です。
この時期を逃すと、オオカミに育てられた少女ではありませんが、言葉を話せ
なくなるそうです。
 
2歳前後で平均三百語ぐらいだった言葉も、3歳になると平均して八百から千
ほどの言葉を使えるようになるといわれています。ですから、3歳過ぎると、
うるさいほど話しかけてくるわけです。「なぜ、どうして?」の問いかけが盛
んになります。面倒がらずに、やさしく聞いてあげ、答えてあげましょう。い
ろいろなことに興味を持ち、それを言葉で表現しようと努力しているのですか
ら、その意欲を大切に伸ばしてあげることです。興味を持ったことに、お母さ
んが答えてくれれば、それだけで話を聞く姿勢が身についてきます。
会話の弾む楽しい雰囲気を作ってあげることが大切です。
 
そして、本を読んであげましょう。
絵が中心であった絵本から、短いながら物語風なものに興味を示しはじめてい
ませんか。
面白い話には表情も和み、恐ろしい話になると不安そうな顔をし、悲しい話に
は涙ぐむなど、幼いなりに情緒が育っていることもわかります。
 
幼児用の本も、まだ理路整然とはいきませんが、いつ・どこで・だれが・なに
を・なぜ・どのようにと「5w+1H」から成り立っています。もちろん、幼
児が「いつ・どこで・だれが……」などと意識しながら聞いているわけではな
いでしょうが、「ノンタンは、どうして泣いているのかなぁ」などと思いなが
ら聞いていると思います。これで「話を筋道立てて聞く練習」になっているば
かりか、そこから「話を聞く姿勢」が身についてきます。しかも話は、「起承
結」と「転」がなく、わかりやすく構成されています。
 
話を聞きながらわからない言葉が出てくると、
「ママ、にじって、なあに?」
絵本を見ながら、お母さん方は、虹をわかりやすく説明することで、新しい言
葉を覚え「語彙」が増えます。
 
話が面白いと、覚えようとします。絵本を見ながら、何やらぶつぶつと言うよ
うになりますが、あれは話を思い出しているのでしょう、記憶力が培われます。
そして、何度も読んでもらうことで、一本の弱々しい木が根を張り枝葉をつけ
大きな木に成長するように、話をきちんと理解し、言葉はイメージ化され、映
像とともに記憶されます。
 
また、話は勧善懲悪から成り立っていますから、幼いなりに道徳、善悪など襟
を正して説教しなくても学習し、「自前の判断力」も養われます。
 
さらに、本を読んであげている時のお母さん方の表情は豊かで、やさしい語り
かけが何よりのスキンシップになっています。赤ちゃん時代の「無償のほほえ
み」と同じではないでしょうか。
 
本の読み聞かせは、これだけたくさんの学習になっているのですから、「ママ、
読んで!」と言われた時は、しっかりと読んであげましょう。
 
(2) 数量の領域
2、3歳の幼児の数量に関する理解力は、日常生活、特に食べ物や飲み物と深
い関わりを持っています。数は、多い、少ないがわかればいいでしょう。例え
ば、ビスケットが2枚と4枚入ったお皿を置き、「多い方を食べていいですよ」
といって4枚のお皿に手が出れば、数感は順調に発達しているといえます。ま
た、2つのコップに違った量のジュースを入れ、同じくたくさん入ったコップ
に手が出れば、量に対する感覚も順調に発達しているといえます。数や量にこ
だわるのは、決して卑しいことではなく、「数の多少」「量の多少」を直感で
判断できる証(あかし)でもあるのです。
 
いくつまで数えることが出来ればいいのかとよく質問を受けますが、2、3歳
の幼児に、「そこにあるみかんを10個持っておいで」などと指示を出す親は
いないでしょう。3歳までに4から5までの数を認識できれば十分でしょう。
 
1、2、3、4、5といえるより、みかんなどを1つずつ手にとって、「1個、
2個」と具体的に、量を実感しながら数えることが大切です。
2、3歳の幼児に数字は必要ありませんから、必ず、具体物を使って、1枚、
2枚、1本、2本と数えるようにしましょう。数詞を無理なく学習できるから
です。
(筆者注「数感」とは聞きなれない言葉ですが、音感、語感と同様、数に関す
る感覚のことで、香川大学の小林名誉教授が使用されていた言葉です)
 
(3) 記憶力の領域
記憶力は、毎日の生活で体験する、「見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触る」の五
感を通して培われていきます。その印象が強ければ、より鮮明に残るわけです。
五感を刺激させる環境を作ってあげましょう。
 
2歳は模倣の時期で、お手本はご両親です。真似るのも、記憶力を養う基本的
な訓練です。
よいお手本をたくさん見せてあげましょう。
 
3歳になると自発性が芽生え、自立の時期に入りますから、いろいろなことに
挑戦しはじめます。学習も、基本は記憶です。まだ、危険なことをしますから、
監視する必要はありますが、夢中になって遊べる時間をふやしてあげましょう。
何かに夢中になって取り組みはじめた時には、見守る態度で接してあげること
です。子どもの遊びは、より楽しく遊ぶための記憶の積み重ねであり、基本的
な生活習慣を身につけるのも記憶の蓄積された結果です。同じことを何回も何
回も繰り返すのも、手順の確認作業と考え、あたたかく見守ってあげましょう。
夢中になって取り組むことから、記憶力は養われていくものです。
 
このように幼児の記憶力は、決して、机の上だけで鍛えられるものではありま
せん。
 
(4) 常識の領域  
2、3歳の幼児にとって常識とは、やはり、自分のことは自分でやらなくては
いけない、基本的な生活習慣でしょう。第3号で紹介しましたが、「2、3歳
児の心身の発達特徴」を参考にしながら、お子さんの成長を見守ることです。
 
少子化現象から、兄弟姉妹のいる家庭が少なくなり、親が子をかまいすぎるこ
とから、手のかかる子が増えているようです。3歳までは、適切な保護が必要
ですが、3歳に近づくにつれ、子ども自身に自分でやろうとする意欲も芽生え
てきます。簡単に出来ることまで手をかすのは、愛情ではなく過保護です。自
発性も、自主性も育ちません。ここでも、失敗は成功のもとです。
 
年令相応に、自分で出来ることを増やしてあげましょう。自力で出来るまで、
試行錯誤を重ねますから、知的な能力も育まれます。そして、モンテッソーリ
の「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」を忘れないように心がけてくださ
い。
注 モンテッソーリ
イタリアのローマで医師として精神病院に働き、知的障害児へ感覚教育を実施
し知的水準を上げる効果を見せ、1907年に設立した貧困層の健常児を対象
とした保護施設「子どもの家」において、独特の教育法を完成させた。以後、
モンテッソーリ教育を実施する施設を「子どもの家」と呼ばれるようになった。
 (ウィキペディア フリー百科事典より)
 
「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」
講談社から発売された、相良敦子著の本の題名
白百合学園幼稚園を受験される方、必読の書です。説明会は、モンテッソーリ
教育の話が中心になっているからです。
 
(次回は、「ご家庭で伸ばせる基本的な能力開発 (2)」についてお話しま
しょう)
 
 
 

2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★幼稚園の入園テスト(4) その他のテスト

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
              第7号
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幼稚園の入園テスト(4) その他のテスト
 
お子さんが楽しみにしているクリスマス、夢をかなえてあげ、楽しいひと時を
お過ごしください。
 
   「大きなお花には、大きなちょうちょをつけてあげましょう」
   「小さなお花には、小さなちょうちょをつけてあげましょう」
   「(テーブルにどんぐりや葉っぱが置かれている)
    どんぐりを3個持ってきてください」
                   (日本女子大学附属豊明幼稚園)
 
大小の弁別、推理、手先の巧緻性などをみています。と言っても幼児ですから、
難しいことを要求されるわけではありません。大きいもの、小さいものを組み
合わせ、それをどのようにつけるかを考え、指をうまく使い、丁寧に取りつけ
るだけのことです。
 
スプーンを使って食事ができる頃から、手先を使う作業も急速に増えていると
思います。「手は第二の脳」と言われるほど、知的な能力の開発と深くかかわ
っています。
例えば、絵を描くことを考えてみても、とてつもなく時間がかかり、試行錯誤
の連続であることがわかります。クレヨンや鉛筆などでのなぐり書きから始ま
り、線が引け、○や△が描け、顔から手足が出ている人間に体がついたと思う
と、手足が電信柱のように真っすぐ伸びたままの状態が続き、やっと手も下に
おり、顔も人間らしくなるのは、年長さんの頃になりますから、促成栽培は不
可能なのです。ですから、挑戦するお子さんを、しっかりとサポートする必要
があります。
 
現代っ子は、手先を使う作業を苦手とする傾向にあると言われていますが、幼
児期に、こういった作業を、あまりやっていなかった結果ではないでしょうか。
糊の使い方を見ても、出来ないのは使った経験が少ないからです。セロハンテ
ープという便利なものが、主役になっているから使わないんですね。本当は、
糊には大変、有益な教育的配慮がなされています。
ふたを開けるには両手を使いますし、適量を取るには塗る面積から推し量らな
ければならないし、まんべんなく塗らなくてはうまく貼れません。これらの一
連の作業は、言ってみれば、目から入った情報を脳が瞬時に判断を下し、指に
司令を出し、指も即座に作業に入り、作業の状況は常に監視され、うまく終了
するまで三者がリアルタイムで協力するわけです。
手先の器用な子の知的な能力も高いのは、こういった作業を通して鍛えている
からではないでしょうか。手を使う作業は、とても大切であることを忘れない
でほしいですね。
 
   「先生の作ったお手本と、同じように作ってみましょう」
                         (桐蔭学園幼稚部)
      
積み木を使った模倣構成です。ほとんどの幼稚園で出題されているようです。
お手本と同じ物を作るのですから、それほど難しいものではありません。3、
4歳児なら、いつも夢中になって遊ぶことですから、手本を食い入るように見
て、挑戦するはずです。
ご家庭で遊んでいるときに、
「何を作っているの?」
と話しかけて、上手にほめ、さらに制作意欲を持たせるように心がけているお
母さんなら、何ら心配ありませんね。好奇心の盛んなお子さんは、大人の頭で
は想像できないものを作るものです。
 
模倣構成は、単に出来るだけではなく、自由に構成させながら、「どういった
ものを作るのか」と創造性をみたり、用意された一定の枠中へ積み木をはめこ
むといったパズル形式の積み木構成から、形の理解、観察力などをみる場合も
あるようです。
こういった問題に共通しているのは、
「自分でやってみようという積極性、取り組もうとする意欲が、3、4歳児に
ふさわしい成長をしているか」
を判定していることです。つまり、自分でやってみる姿勢、意欲、そこから幼
児にふさわしい好奇心が芽生えているかどうかが、わかるのです。
 
何もかもお母さんが世話を焼きすぎると、好奇心が育ちにくくなるだけではな
く、依頼心が強くなるばかりです。依頼心が強くなると自主性が育たず、わが
ままで、飽きっぽい性格の子や、意気地のない消極的な子になりがちです。こ
ういったテストに取り組む姿勢から、育児のあり方がわかるのです。年長さん
になっても、はしをうまく使えない子の性格はわがままで、過保護な環境で育
てられた場合の多いことも知ってほしいですね。
 
「むかし、あるところに、クマの親子が住んでいました。ある日のこと……。」
 
先生の熱のこもった口調で、紙芝居が続けられています。熱心に聞いている子、
目を輝かす子、そうかと思えば、絵のかわるときだけ見て、すぐにキョロキョ
ロはじめる子、話の筋を知っているのでしょうか、あまり興味を示さない子、
といったように、紙芝居を見る子どもの態度は、さまざまです。
そういった態度などから、家庭における躾のあり方や性格、先生方の質問に答
える内容から、3、4歳児にふさわしい理解力や言語能力が発達しているだろ
うかといったことから、子どもらしい興味や関心の程度までわかるものです。
 
普段から、お母さんが本を読んであげ、その話を楽しく聞いていれば心配あり
ません。
この時に、簡単な質問をして内容を振り返ると、さらに効果的です。ただし、
「おもしろかったでしょう」の言葉がけは、注意が必要です。これは読んであ
げた親の考えであり、子どもの感性とは違うからです。例えば、「ノンたん、
頑張ったわね。ユキちゃん、どう思いましたか」などと、物語を一緒に楽しむ
雰囲気を作ってあげることです。
また、読み聞かせの効果があるからといって、時間を決め、強制的に話を聞か
せるようなことは、やらない方がいいでしょう。幼児は、興味を示さない限り
集中出来ないからです。
寝る前に話を読んであげる、これは習慣になりやすく、興味を持続させる効果
もあるようですが、いずれにしろ、お子さんに適した方法を見つけてあげるこ
とが大切です。
余談になりますが、今年の6月、久しぶりに説明会を再開した横浜雙葉小学校
の学園長は、「お子さんに寝ながら本を読んであげる習慣が少なくなっている
のではないでしょうか」と懸念されていましたが、皆さん方はどうでしょうか。
 
女の子は比較的、おとなしく話を聞く習慣が身についているものですが、元気
で活発な男の子の場合は、なかなか手を焼くものです。試験間近になっての促
成栽培はききませんが、普段から両親をはじめ、友達の話を、しっかり聞く習
慣を身につけるように心がけていれば、問題はないはずです。大切なのは、お
母さんが、お子さんの話をきちんと聞いてあげることです。「話を聞く態度」
について、お子さんはいかがでしょうか。
 
紙芝居の代わりに、先生が絵本を読んだりお話をしたり、こういった小道具を
使わずに、先生のお話だけを聞く場合もあります。そして、「今のお話には、
どんな動物が出てきましたか。その動物の絵を取ってきましょう」といった設
問を受け、その反応をみる幼稚園もあります。話の理解、指示行動の様子から
言語能力の発育、そして、ご家庭の育児の姿勢までみていることはいうまでも
ありません。
 
以上、4回に分けて、名門幼稚園で実施されているテストを分析してみました
が、どういった子どもを求めているか、おわかりいただけたと思います。
 
 ・先生の話を理解出来る。
 ・指示に従い行動出来る。
 ・自分の考えを伝えることが出来る。
 ・一所懸命に取り組む意欲がある。
 ・運動機能が年令にふさわしい発達をしている。
 ・自立心があり、いきいきとしている。
 ・集団生活を送るのに必要な社会性(協調性・自主性・自己統制など)を備
  えている。
 ・基本的な生活習慣(挨拶・衣服の着脱・排泄・後片付けなど)が身につい
  ている。
 
こういったことが、「お子さんの年齢にふさわしく身についている子ども」と
言えるのではないでしょうか。ここで、忘れてならないのは、お子さんの生ま
れ月、月齢です。社会性や生活習慣は、月齢を無視すると、お子さんに無理な
負担を強いることになりかねません。
8つの条件が完璧に備わった子という意味ではなく、心身共に3、4歳にふさ
わしい発育をしている子ならば、このような発育をしているだろうと考えまし
ょう。8つの条件に優先順位はありません。1.2.3.と数字で表さなかっ
たのも、そういった意味があるからです。
 
このように、入園テストは、子どもたちの行動に表われたこと、それを客観的
な目で観察し、採点するものです。ということは、テストを通して「どういっ
た育児をしてきたか」、つまり、家庭教育のあり方をみているわけです。入園
テストは、ただ単に、幼児の能力を判定しているのではなく、比重は、むしろ
両親にかかっているといわれる理由は、ここにあります。
 
それが、一層、明らかに表われるのが面接であり、幼稚園で実施されている面
接は、単なる面接ではなく、「面接試験」とお考えになるといいでしょう。こ
のことをしっかりと理解し、幼稚園側の狙いをつかんでおかないと、たとえ、
お子さんのテストの結果がよかったとしても、幼稚園から招待状は届きません。
入園を目指し、知的な能力の訓練だけに心を奪われていると、ここで失敗しま
す。面接については後日、詳しくお話しますが、ご両親で真剣に話し合ってい
ただきたいのは、「なぜ、この幼稚園を選ぶのか」、このことです。
ご両親の意見が噛み合っていなければ、被害をこうむるのはお子さん自身だか
らです。
(次回は、「ご家庭で伸ばせる基本的な能力開発」についてお話ししましょう)
 

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