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めぇでるコラム : 2014年9月 2ページ目

2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★ご家庭で楽しくできる受験準備(3)養ってほしい数感覚 1 

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第10号)
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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ご家庭で楽しくできる受験準備
(3)養ってほしい数感覚 1           
 
[数感はアバウトの感覚から]   
奇妙なタイトルだと思われるかもしれませんが、「話の記憶」と共に、ほとん
どの学校で出題されている「数量」の問題に対処するには、語感と同様に数感
を養っておくことが大切です。
受験準備となると、すぐに問題集を使用した勉強と考えられがちですが、幼児
の場合は、その前にやらなければならないことがあります。
物を使った具体物での学習です。
これをきちんと体験しておかないと、「勉強は記憶に頼るもの」となり、幼児
にとっては、つらい受験準備となりがちだからです。
前にもお話しました「学習と勉強の違い」を思い出してください。
特に、年中から年長にかかる時期には、教える人は、「すずめの学校の先生」
にならない注意が必要です。
 
トランプを用意してください。
トランプはさいころと共に、数感を養うすぐれた教具です。
問題集に取り組む前に、数に関する感性、数感を鍛えておきましょう。
「数感教育」の大切なことを教えてくれたのは、香川大学名誉教授の小林先生
でした。
後で紹介しますが、「幼稚園の年長さんでもつるかめ算を解きますよ」と、実
に衝撃的な学習の仕方を教えてくれた先生です。
 
その時のことです。
「2才の幼児でも数がわかるよ」と、2つのさいころを使った、面白い遊びを
見せてくださったのです。
幼児が、さいころをふると6が出ました。
次に先生がふると3が出たのです。
すると先生は、
「キミの勝ちだよ」
といって、幼児に勝ったことを教えます。
最初は、きょとんとしていましたが、数回続けているうちに、どうやら、たく
さん黒丸のある方が勝ちであることが、幼児にもわかってきました。
しばらくすると、先生がいわなくても、
「ぼくの勝ち?」
といい始めました。
数字を使った引き算ができなくても、「数の多少」を理解できるのです。
1と6であれば、●と●●●●●●であり、2と3のときは●●と●●●で、
子どもの頭の中は、おそらく、「6の方に黒い丸がたくさんあるぞ!」であ
り、2と3のときは、「3の方が少しだけ多いかな?」といった、おおよその
見当、推量であり、「アバウト(about)の感覚」なのです。
見た感じで「どっちが多いかな」と直感力で判断するわけです。
大切なのは、この直感力を培うことです。
       
例えば、2枚のお皿にクッキーを5個と4個に分けて入れておき、お子さんに、
「多い方をとっていいよ」
といったときに、数えずに5個入ったお皿をとれば、直感力は順調に発達して
いるといえます。
おやつの時に試してみましょう。
数の多少を見分ける力が身についているかがわかります。
       
この直感力を鍛える遊びを紹介しましょう。
数えなければ不安で、答えを出せない子ども達と、よく一緒に遊んだゲームで
す。
トランプは、4種類のマークの数と同じ数字が書かれていますから、これを利
用します。
まず、1から10までのカードを用意してください。
1はA、エース(ACE)のAとマークが1個しかありませんが、1個だけ書
かれていますから、1と説明します。
そして、マークの数を数えながら、1から10まで並べ、マークの数と数字は
同じであることを確かめます。
この時の数え方は、「イチ、ニ、サン」と漢語読み、音読みにします。
11・12・13と10以上の数え方にも対応できるからです。
なお、7は掛け算を思い出してください、「シチ」です。                   
 
最初は、ハートのマーク1組でいいでしょう。
よくきって積み上げ、ジャンケンで順番を決め、1枚ずつめくり勝ち負けを争
います。
例えば、お子さんが先にめくり8が出たとします。
お母さんがめくると4が出たとします。
そこで、どちらが勝ったかお子さんに聞きます。
そのとき、[8-4=4]でお子さんの勝ちとするわけではありません。
また、ハートの数を数えて、8個と4個ですから、多い方の8のカードを4個
押さえ、8の方が4個多いとするのでもありません。
数の多少を、見た感じ、直感で決めることを約束します。
初めは戸惑いもあるでしょうが、やっている内に、トランプのマークの並び方
に、ある決まりがあることがわかるはずです。
それに気づけば、瞬時に判断できるようになるでしょう。
 
間違えたときは、「ブッ、ブー」と警告をします。
答を教える必要はありません。
カードは2枚ですから、すぐわかります。
勝者が2枚のカードをもらえます。
これを繰り返していると、直感で見分けられるようになり、数えなくては不安
であったことも解消できます。 
 
終わったところで、お互いのカードを2段に並べて比べます。

 お子さんのカード □□□□□□
                               ││││
 お母さんのカード □□□□
 
1対1対応で差が出ますから、計算しなくても、その差が答えになります。             
 
直感で判断することに慣れれば、カードを増やしましょう。             
ハートとダイヤといった組合せがいいでしょう。
マークの色が違うと混乱する場合もあるからです。
10枚増えると5回戦から10回戦になり、慣れてくればスピードもあがります。               
 
次に、スペードとクローバーでやってみましょう。
形や色が違っても、数は同じであることがわかれば、いよいよ4組のカードを使
います。
40枚で争いますからゲームとしても面白くなり、スピードがあがれば集中力も
働き、俊敏な判断力もついてきます。
 
40枚になると、結果を判定するのに、横に並べるのも大変ですから、一工夫し
ます。 
お互いに自分で取ったカードを1枚ずつ置きながら、5枚単位で段を作ります。
5枚で一固まりに分ける習慣がつくと、数の合成、分解にも役立ちますし、算数
の足し算、引き算の計算に、すぐに対応できます。
どちらかの手持ちがなくなったときにストップをかけ、そこから「1枚、2枚」
と数え勝負を決めます。
下の図のように、■のカードの部分で、8対0でお子さんの勝ちとなります。                         
   お子さんのカード          お母さんのカード                     
   □□□□□ □□□□□        □□□□□ □□□□□ 
   □□□□□ □■■■■        □□□□□ □    
   ■■■■               
5枚の固まりに分けるのに慣れれば、10の固まりで数えてみましょう。
算数の勉強で最初につまずく、繰り上がりや繰り下がりの計算にも、スムーズに
対応できます。
余談になりますが、このカードの並べ方を、あまり手先の器用ではないお子さん
にさせると、面白がってやることから優れたトレーニングになり、効果も期待で
きます。                                 
 
本題に戻って、過去の入試問題集などで、例えば、          
「みかん10個と8個の絵があり、多い方に○をつけなさい」  
といった多少の判定をする問題が5問あり、制限時間は15秒であれば、1つ1
つ数えていては、とても時間内に終わりません。
学校側が知りたいのは、計算して答えを出すのではなく、「直感力が養われてい
るか」ではないでしょうか。
 
数の多少だけではありません。                       
2枚のハンバーグや2つのコップに入ったジュースを見て、
「ぼくの方が小さいじゃん!」
「私の方が少ないわ!」
とこだわるのは、アバウトの感覚で「量の違い」を見分けているのであり、決し
て卑しいのではなく、直感力が順調に養われている証ですから心配ありません。
 
この違いを小学校へ入ってから「数」は加減乗除で、「量」はデシリットル、リ
ットル、「重さ」はグラム、キログラム、「長さ」はセンチメートル、メートル
と正確な計算、単位として学んでいくわけです。
年中から年長の頃は、直感で見分ける機会をたくさん持つことが大切です。
なぜなら、「直感は、経験の積み重ねで養われる力」だからです。         
 (次回は、「養ってほしい数感覚 2」についてお話しましょう)
 

2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★ご家庭で楽しくできる受験準備(2) 「話の読み聞かせ」のすばらしい効用 (2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第9号)
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ご家庭で楽しくできる受験準備
(2)「話の読み聞かせ」のすばらしい効用 (2)
 
前回お話しましたように、話の読み聞かせは、「語彙」を増やし、「イメージ
をふくらます空想力や想像力」、「話を聞く力」、「構成力や思考力」、「表
現力」、「物事に取り組む意欲」といった能力の開発に、はかりしれない影響
を与えています。
しかも、誰かに命令され、要求されて、やっているわけではありません。
子どもは、自発的に、積極的に楽しみながら能力を培っているのです。
        
これだけではありません。
さらにもっとすばらしい能力の開発に貢献しているのです。
しかもそれは、小学校の入学試験で、重要なものばかりなのです。
 
「竜宮城って面白い所だな。絵に描いてみようかな?」
となると、絵画の領域です。
ファンタジーの世界で夢もふくらみます。
絵を描こうとする動機は純粋です。
幼児にとって、この「……かな?」と思ったときが、好奇心の芽を育む、絶好
のチャンスなのです。
「小学校の入学試験に、絵を描かせる学校があるから、絵画教室へ行きましょ
う」
これでは、動機が不純です。
絵を描くことが好きになれるとは思えません。
これは何も絵だけではなく、ピアノや英会話といった早期教育にも同じことが
いえるのではないでしょうか。
応接間の飾りものになっているピアノを見かけますが、ショパンやリストの名
曲を弾いてほしいと、怒っているかもしれませんね。
 
ところで、最近、絵を描くことを、嫌がる子どもが増えていると聞きます。
その原因は、想像力が培われる前に、大人の求める望ましい上手な絵を描くこ
とを、期待するからではないでしょうか。
感性が磨かれていなければ、絵は描けません。
 
[(環境+五感が受けた刺激)×(好奇心+観察力)÷そしゃく力=描かれた
絵]
 
妙な式らしきものですが、冗談です。
専門家の先生方に、叱り飛ばされますね。
でも、感性は、子ども自身が、与えられた環境の中で、自らの力で養ってきた
自前の性能ではないかといいたいのです。
親が、注文をつけ始めると、面白くない絵になると思います。
そこには、子どもにはない、大人の感性が入り込むからではないでしょうか。
どなたがおっしゃったのかわかりませんが、大人の手垢のついた絵です。
 
まだ、あります。
昔話をはじめ、子どもの読む本は、善いことを勧め、悪いものを懲らしめる
「勧善懲悪」から成り立っています。
正義は、必ず勝ちます。
倫理、道徳、善悪について、襟を正して教えなくても、きちんと学習していま
す。
いってみれば、お子さま用の「修身、道徳講座」です。
「情操教育の基礎、基本」を学習しています。
このことです……。
    
これからは、わたし流の勝手な解釈ですから、深く詮索なさらずに、さらっと
読み流してください。
三歳頃から、自立が始まります。
そして、毎日、いろいろな経験をしながら、さまざまな感情も培われてきます。
これが、情緒です。
未分化であった情緒が、五歳頃から分化されます。
 
今までは、いってみれば、玩具箱の中に乱雑に入れられていた玩具が、「自動
車はここ」、「縫いぐるみはこっち」、「ままごと道具はあっち」というよう
に、次第に整理される状態になるのです。
まだ、整然とはいきませんが。
つまり、未分化だった情緒が分化され、大人にみられる情緒が表われてきます。
喜び、悲しみ、怒り、恐れ、心配、快いといった情緒です。
ついこの間までは、嬉しくても、悲しくても、お腹がすいても、泣くしか表現
できなかったことを思えば、格段の進歩です。
 
ですから、いろいろな話を聞き、喜怒哀楽など心の動きを誘い起こされ、幼い
なりに、自我を作っていると思います。
大胆にいえば、正しいこと、悪いことの分別を学習しているのです。
修身、道徳講座のシミュレーション学習ではないでしょうか。
 
まだ、あります。
これがもっとも大切だと思います。
お母さんが感情をこめて読んであげると、子どもは真剣に聞きます。
気持ちをこめて聞くものです。
そこから、人の話を静かに、行儀よく聞く姿勢が身につきます。
これは、小学校へ入って勉強するために、きちんと身につけておきたい「基本
的な学習態度、心構え」です。
話が聞けないようでは、いくら漢字が読めても、足し算や引き算ができ、九九
をそらんじていても、学習効果をあげることはできません。
小学校の先生方に聞いてみると、みなさん、そうおっしゃっています。
それほど、話を聞く姿勢を身につけることは、大切なのです。
 
小学校の入学試験も、同じです。
大切なことですから繰り返しますが、ペーパーテストには、答えは書いてあり
ますが、どこにも設問はありません。
話を聞いていなければ、何も答えられません。
行動観察型や他の試験も同じです。
話をきちんと聞き、理解していなければ、どうにもなりません。
合否の鍵は、「話を聞く姿勢ができているかどうか」にかかっているのです。
 
それを、あまり本を読んであげずに、
「人の話は、きちんと聞きなさいと、いつもいっているでしょう、お母さんは!」
恐い顔をして、厳しく、何十回いっても、無駄です。
子どもは、自分の好きな本を読んでもらい、静かに聞くことで、話を聞く姿勢
を、意識することなく、身につける訓練になっているのです。
話を聞けない子になる原因の一つに、話を聞きたがる大切な時期に、読み聞か
せが少なかったことも、あるのではないでしょうか。
 
さらにすごいと思うのは、前にも少し触れましたが、
「言語能力を高めるためのお勉強ですよ!」
といった意識は、お母さんにも子どもにも、まったくないはずです。
自主的に、積極的に、しかも楽しく学習しています。
これこそ「教えない教育」のもっとも効果的な方法ではないでしょうか。 
「教えない教育」とは、誤解を恐れず、わたし流にいえば、「本人は勉強だと
思わないのに、ものすごい勉強をしている」ことです。
何かを学ぼうとする気持ち、「学習意欲」が身につきます。
 
しつこいですけれども、まだ、あります。
お母さんの表情豊かな、優しい語りかけが、何よりのスキンシップとなります。
ですから、子どもの好きな本をたくさん読んであげるお母さんは、子どもに慕
われます。
それは、お母さんとお子さんが、同じ土俵に上がり、同じ気持ちで、物語の世
界を楽しんでいるからです。
お母さん方は、こんな荒唐無稽な話などありえないと思っても、また、少し抵
抗を感じる言葉があっても一切、無視して、子どものレベルに合わせて読んで
あげています。
視線は同じ高さですから、心が通うのです。
視線の高さが違ってくると、命令と忍従の関係になりがちで、そこには、教え
てあげるという姿勢が表われ、子どもがもっとも嫌う母親に変身するからです。
 
しかし、一つだけいっておきましょう。
いくら本の読みきかせがすばらしいといっても、お子さんが興味を示さない本
では、あまり効果はありません。
「少年少女 世界名作全集 全十巻」など買いそろえても、無駄かもしれませ
んね。   
「本当は、『かちかち山』の話をしてほしかったのに……」
こういったずれは、小さいときからありがちです。
気をつかってください、無神経は駄目です。
 
一緒に図書館へ行って、最初は、お母さんが選んであげ、あとは、お子さんに
任せてみましょう。
そして、お子さんが選んだ本は、たとえ年齢にふさわしくない幼い内容であっ
ても、いやな顔をせずに読んであげ、自分で選べたことをほめましょう。
それから、お母さんの勧める本を選んであげる、こういった手続きも必要です。
読書の芽は、自主的に育まれなければ、親が期待するように育たないからです。
 
また、図書館には、紙芝居がたくさんあります。
本に興味を示さない場合は、これを利用しましょう。
ビデオと違い紙芝居は、親子で向き合いますから、お子さんの表情がよく見え、
話を理解しているかだけではなく、どういったことに感情が刺激されるか、何
に興味があるかなどがわかるからです。
 
このように幼児期は、知識を詰め込み、文字や数字を使った計算を教えるより、
心をこめて本を読んであげ、心の通った会話がたくさんできる環境を作るべき
です。
そういう時期なのです。
 
小学校受験でもっとも重視されるのは、「話を聞く姿勢ができているかどうか」
なのです。
そこから、ご両親の育児の姿勢がわかります。
普段から、会話が弾み、本をたくさん読んであげる環境であれば、自ずと培わ
れてくる能力だからです。
これは、塾や幼児教室だけに任せて身につく力ではありません。
ご両親が、ご家庭で育てていくものです。
  
小学校受験の第一歩は、ここから始まり、合格を勝ち取る力となることを忘れ
ないでいただきたいと思います。
 
猛暑も峠を越したようですが、まだ油断はできません。幼稚園も始まります。
健康管理には十分、注意してあげましょう。
(次回は「数感をみがこう」についてお話しましょう)
 
拙著のメールマガジン「2015 さわやかお受験のススメ 保護者編 情操
教育歳時記 日本の年中行事と昔話」は現在44号まで配信されています。ご
家庭で年中行事と昔話を楽しんでいただくことを目的に編纂したもので、11
月から「2016年の新版」を配信する予定ですので、参考にしていただけれ
ば幸いです。    
注 編纂 いろいろな材料を集め整理し書物をつくること。
 
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2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★ご家庭で楽しくできる受験準備(2) 「話の読み聞かせ」のすばらしい効用 (1)

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第8号)
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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プレ年長クラス 無料体験授業
【体験日】 8月17日(日) 10:30~11:30
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ご家庭で楽しくできる受験準備
(2)「話の読み聞かせ」のすばらしい効用 (1)
 
本を読んであげる「話の読み聞かせ」は、とても大切です。
ビデオやDVDなどで見る「フランダースの犬」や「アルプスの少女ハイジ」
などのアニメの作品は、映像と語りだけではなく、臨場感を盛りあげる音楽や
効果音まで駆使し、瞬く間に物語の世界へ誘い込まれ、楽しいものです。
これほど便利なものはありませんが、反面、幼児が疑問を抱いても、教えてく
れない不便な点もあります。
幼児には、ご両親の生の声が何よりです。
五歳頃になると、絵が主役であった絵本から、字の多い絵本に変わり、話も筋
道立てて進む物語になっていると思います。
 
ここで、お母さんに本を読んでもらっていることを少し考えてみましょう。
読んでもらっているときの子どもの頭の中は、どうなっているのでしょうか。
絵を見ながらですから、お母さんの読んでくれる言葉を絵に置き換える、映像
化するといった作業が、フルスピードで進んでいるのではないかと思います。
絵本や図鑑、テレビや実際に見た映像が浮かんでいるのでしょう。
ところが、聞いたことがない言葉が出てくるとストップがかかります。
「お母さん、オニタイジって、どういうこと?」
やさしいお母さんは、お子さんの言葉に置き換えて説明します。
そこでお子さんは意味を確かめ、納得し、新しい言葉を覚え、「語彙」が増え
ます。
 
そして、一人になると、まだ、字を読めないはずですが、何やらぶつぶつとい
いながら絵本を見ています。
あれは、本当に不思議です。
おそらく、読んでもらった本が面白かったから、お母さんの言葉を思い出しな
がら確かめているのだと思います。
絵を見ながら、記憶した言葉をもとに映像を描き、イメージ化しているのです。
考え、想像しているのです、しかも「言葉」でです。
これは、すごいと思いませんか。
それが証拠に子どもは、とかく同じ本を何回も繰り返し、飽きもせずに読んで
くれとせがみます。
それも読んでいる途中に、
「ママ、ありがとう。そこまででいいです」
といったことが、しばしば起こりがちです。
そのところを忘れてしまったのかどうかわかりませんが、話が進まなくなり、
イメージ化が中断してしまうのです。
読んでもらってつながったから、そこまででいいのでしょう、あとは覚えてい
ますから。
話を一所懸命に覚えようとしているのに違いありません。
そこから「記憶力」がつきます。  
 
さらに繰り返し読んでもらうことで、描かれた映像は、より鮮明になり、そこ
から、「空想力や想像力」が培われるのではないでしょうか。
 
ところで、昔話を何か思い出してください。
昔話だけではありませんが、幼児の読む本は、「起承結」で成り立っていませ
んか。
「起承転結」の「転」はなく、話は複雑になっていません。
 
江戸時代の漢学者、頼 山陽が、漢詩を説明するために「京都西陣帯屋の娘」
と題して、面白い例を残しています。
 
   京都西陣帯屋の娘   (起)
   姉は十八、妹は十六  (承)
   諸国の大名は刀で殺し (転)
   姉妹二人は目もとで殺す(結)
 
「ショコクノダイミョウって、ナンですか?」
余計なものが入ってくると、すっきりしなくなります。
帯屋の娘の話は、帯屋の娘で終わらなければ、子どもは承知しません。
桃太郎が、鬼退治をしたついでに、海賊までやっつけるとはなりません。
すっきりと終わって、「めでたし、めでたし」が、昔話には欠かせない決まり
です。
 
さらに物語は、「序破急」と快適なテンポで進みます。
浦島太郎の竜宮城で過ごしたひと時が、何十年であっても何ら差し支えありま
せん。
話は快く聞けるように仕組まれていますし、単純明快ですから、「話を理解す
る力」がついてきます。
 
しかも、話は、
「むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました」
で始まります。
「むかし、むかし」は、「いつ」と時間の設定ですが、いつのことだかわかり
ません。 
「あるところ」は「場所」ですが、どこだかわかりません。
「おじいさんとおばあさん」は「だれ」と大切な登場人物ですが、名前もさだ
かではありません。
みんな「あいまい」です。
その「あいまい」なままに、話は、「何を」「なぜ」「どのように」と展開し
ます。
これも考えてみると大変なことです。
 
時代はいつでも、場所はどこでも、名前がなくても、何ら不都合なことはあり
ません。
奈良時代であろうが平成時代であろうと、北海道だろうが沖縄であろうと、み
んな、「むかし、むかし、あるところで」で済ませてしまいます。
時代考証も、場所の設定も、登場する人物像をイメージ化する面倒な説明もあ
りませんから、すっきりとした気持ちで話に入っていけるのです。
 
これを仮に、
「江戸時代の元禄十五年、大晦日をむかえる二日前の朝、上総の国は蒲郡、大
字蒲、字大和村の一本杉の近くに、四代目の山之上太郎左衛門というじいさま
と花というばあさまが住んでいました」
とやられては、聞いてみようかなという気持ちにもなれないでしょう。
「ママ、もう眠いから……」
こうなるに違いありません。
 
ところで、昔話は、
   いつ(when)
   どこで(where)
   だれが(who)
   なにを(what)
   なぜ(why)
   どのように(how)
といった[5W+1H]から成り立っていますが、これは文章を書くときや情
報を伝える時の基本で、小説や新聞、テレビのニュースなども、この形式(フ
ォーム)で構成されています。
ということは、話を聞きながら[5W+1Hのフォーム]を、小さいときから
学んでいることになります。
これは、すごい知恵ではないでしょうか。
 
もちろん、子ども達が、「いつ、どこで、だれが」などと意識して聞いている
わけではないでしょうが、理路整然とセオリーどおりに話は進んでいきますか
ら、楽しく話を聞き、その話を覚えることで、筋物事を考える、「思考力や構
成力」が、おのずと身についてきます。
 
そして、子どもは、話を覚えると話したがります。
誰かに聞いてもらいたいのです。
それには、自分自身が話をよく理解しなければできませんから、そのための訓
練が、自発的に始まります。
それが、「表現力」につながります。
しかも、「覚えなさい!」といわれて覚えたのでもなく、「話してみなさい!」
といわれて訓練したものでもありません。
自ら、積極的に努力して得た力です。
 
こんなに大切な能力開発を、誰にもいわれずに挑戦しているにもかかわらず、
「パパ、『桃太郎』の話、知っている?」
「ああ、知っているよ。桃太郎が猿と犬と雉の家来を連れて、鬼退治にいく話
だろう!」
と無造作に応じてしまっては、せっかく積んできたトレーニングの成果を試せ
ません。
子どもは、話したいのです。
成果を試したいのです。
 
「うん、パパも子どもの頃は、よく知っていたけど、どういう話だったかな?」
とやさしく受けてあげましょう。
お子さんは、一所懸命に話すはずです。
そして話し終えた時には一言、「よく覚えたな、偉いぞ!」とほめてあげるこ
とです。
お父さんにほめられて、不愉快になるはずはありません。
「よし、今度は『カチカチ山』を覚えるぞ!」
となり、新しい話に挑戦します。
記憶力どころか、「物事に取り組む意欲」を培うことになります。
しかも「自発的」にです。
 
猛暑の続く暑い夏も、もう一息でしょう。お子さんの健康管理には十分に気を
付けてください。
(次回は、「話の読み聞かせ」のすばらしい効用(2)」についてお話しまし
ょう)
 

2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★ご家庭で楽しくできる受験準備(1) 身につけてほしい話を聞く姿勢

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        「めぇでる教育研究所」発行
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            (第7号)
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【体験日】 8月17日(日) 10:30~11:30
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ご家庭で楽しくできる受験準備
(1) 身につけてほしい話を聞く姿勢
 
今回からしばらく、家庭でできる受験準備の基本的なことについてお話しまし
ょう。
小学校の入学試験には、文字を使えませんから、ペーパーテストには答えは出
ていますが、設問は、どこにも書かれていません。
このことです……。
 
一回で説明を理解できなければ、それまでです。
設問が書かれていれば、難しい問題は後回しにして、時間があれば挑戦できま
すが、小学校の試験は、これができません。
まず、設問を聞き、「はじめ!」の合図で取り組み、「そこまで!」と声がか
かれば止めて、次の設問を聞きます。
「もう少しでできるぞ!」と続けていると説明を聞き逃すことになり、次の問
題に挑戦できません。
「約束を守る」の項目に、チェックが入る学校もあるようです。
そういったことから考えると、もっとも厳しい試験方法ではないでしょうか。
 
さらにやっかいなことには、慶應義塾幼稚舎のようにペーパーを用いない「行
動観察型」のテストでは、先生の指示を聞き取り、理解し、考えをまとめ、自
分自身の意見をいったり、話をしたり、思ったことを絵に描いたり、身体で表
現しなければなりません。
 
しかも、生まれて初めて入った場所で、初めて会った同年代の子ども達とグル
ープを組み、初対面の先生の指示を聞き、理解し、すぐに行動に移さなければ
なりません。
機敏に対応できる能力が求められます。
 
このように、話を聞く姿勢ができていなければ、小学校の入学試験には対応で
きません。
ですから、まず、ご家庭で心がけてほしいのは、お子さんが「話をきちんと聞
けるようにする」ことです。
それには、ご両親が「お子さんの話をきちんと聞く姿勢」を示すことが大切で
す。     
「こうしなさい!」「ああしなさい!」と注文をつけるのではなく、逆に、お
子さんの話に耳を傾けてあげる、話を聞いてあげることが大切なのです。
これは、簡単なようですが、あまりできていないのではないでしょうか。
幼児の話は一本道ではなく、あっちへ飛んだり、脱線したり、一回で完結せず
に、予想のつかない展開となりがちです。
そこを辛抱強く聞いてあげ、
「ケンイチ君、こういうことだったのね」
などと簡単にまとめてあげれば、
「何だ、そういうことか!」
と、本人は意識しなくても、話の仕方の学習にもなっているのです。
 
幼稚園や保育園から帰ってくるなり、
「ママ、あのね、きょう……」
などと話しはじめた時には、何はさておき聞いてあげましょう。
話したい意欲に燃えているのですから、「話の仕方の学習時間」と考えて、真
剣に聞いてほしいのです。
聞いてもらうと、子ども心にも快感が生じます。
そこから、「人の話はきちんと聞かなければいけないこと」も学習できるので
す。
お母さんは、「話をきちんと聞きましょう!」と、柳眉を逆立て命令している
わけではありませんが、お子さん自身は「話をきちんと聞く学習の基本」を学
んでいるわけです。
これも「教えない教育」の一つの例です。
話を聞いてもらえたお子さんは、身も心もすっきりとし、
「ようし、今日は、プリントを5枚、頑張るぞ!」
となれば、一石二鳥ではありませんか。
 
お母さんにも経験ありませんか。
会社から帰ってきたお父さんに、テレビのワイドショーなどで仕入れた情報を
披露しようとした時に、
「疲れているからあとにしてくれ!」
などといわれれば、むっとしませんか。
中には、切れるお母さんもいるようです。
お子さんも同じです。
切れますが、力関係でお母さんに勝てませんから、黙るしかないのです。
せっかくの学習チャンスを無駄にしています。
この無駄は、はかり知れない大きなものであることを肝に銘じておきましょう。
スキンシップにも影響がでます。
お子さんの話を聞けないお母さんは、命令と要求が多くなりがちです。
対話の反対は、沈黙ではなく「命令と要求」です。
子ども達がもっとも嫌がるお母さんであることに気づいてほしいですね。
 
ところで、お母さん、お子さんの赤ちゃん時代を思い出してください。
お子さんは、「ママ!」の一言で、一方的に会話を済ませてはいませんでした
か。
「お腹がすいた」
「水を飲みたい」
「おむつを取り替えて」
「汗をかいて気持ちが悪いの」
「日光浴をしたい」
「抱っこして」
「淋しいからそばにきて」
「テレビをつけて」
「頭が痛いの」
「お散歩に連れてって」
など、書き出すときりがありませんから止めますが、選択肢はこんなものでは
なかったはずです。
お母さん方は、「ママ!」の一言で、何を要求しているかを的確に判断し、適
切な処置をしていたのではないでしょうか。
このことを思い起こせば、つたない話でも、聞いてあげるのは楽ではありませ
んか。
お子さんが、「ねえ、ママ!」といったときには、素直に話を聞いてあげるよ
うに心がけましょう。
 
イエス・キリストも、「忙しい毎日の中で、その時にあたって最善の行動とは
何かを考えなければならない」とおっしゃっていますが、子どもの話をゆっく
り聞いてあげる、これもその時に最優先すべきことと考えるべきではでしょう
か。
何もキリストにお出まし願うこともありませんが(笑)。
 
もう一つ、思い出してほしいのです。
赤ちゃんが、なぜ、話せるようになったか、このことです。
自然に話せるようになったわけではありません。
狼少年の話を聞いたことがあると思います。
赤ちゃんの頃から狼に育てられた人間は、言葉をまったく話せなかった話です。
言葉は、その学習時期を過ぎると臨界期といって、どうにもならなくなり、身
につかないそうです。
ここでも、お母さんの涙ぐましい努力が、あったはずです。
 
「ママ、お水!」
と、お子さんがいったとします。
お母さんは、どのように対応されたか覚えているでしょう、それほど昔の話で
はありませんから。
「のどが渇いたので、お水が飲みたくなったのね!」
こういっていたはずです。
そこで、お子さんは、
「ノドガ カワク、ミズヲ ノミタイ」
といった言語の学習をしていたわけです。
この語りが、おうむがえしが、会話の学習の基礎となり、今のように話せるよ
うになったわけです。
しかも、「主語が『私』で、述語が『飲みたい』、目的語が『水』で、形容詞
が、副詞が……」と教えたわけではありませんが、かなり、理詰めに話せるよ
うになっています。
お母さんとの学習が、苦にならなかったからです。
なぜでしょうか。
 
それは、やはりお母さんが、話ができるように、やさしく対応してあげたから
です。
その心は、「まだ、話せないから」といった配慮があり、無理に教え込まなか
ったからではないでしょうか。 
話をじっくりと聞いてあげ、言葉のシャワーを繰り返し浴びせかけた結果であ
り、これも「教えない教育」であったわけです。  
誤解をされると困りますから繰り返し説明しますが、「教えない教育」は何も
教えないのではなく、教わっている本人が、意識することなく、楽しく、大変
な学習をしていることです。
 
そして、面接で、丁寧な言葉で話してほしいとお考えでしたら、お母さん自身
が、響きのよい言葉を使うことです。
「ご飯よ、ケンちゃん!」ではなく、「ご飯ですよ、ケンジくん!」と話しま
しょう。
言葉遣いやあいさつは、一朝一夕に身につくものではありません。
親が率先して、よいお手本を見せることです。
 
さらに、指示は、正確に出すように心がけましょう。
「ねえ、ケンちゃん、あそこにある、あれとって!」
「あそこの、あれ」といわれても、わかっているのは指示を出したつもりのお
母さんだけで、聞いているお子さんには、何が何だかわかりません。
何だろうと迷っていると、
「何をぐずぐずしているの!」
と、怒気を含んだ催促になりかねません。
「これ、それ、あれ、どれ」といった「こ・そ・あ・ど言葉」は、使わないこ
とです。
「こ・そ・あ・ど言葉」は、文章が煩雑になるのをさけるために使う「代名詞」
です。
代わりの言葉ではなく、名詞をきちんと使いましょう。
 
「ケンジくん、ダイニングのテーブルの上にある料理の本を、お母さんのとこ
ろへ持ってきてください」と指示がきちんと出ていれば、
「いい加減に聞いたらまずいことになるぞ!」
と、お子さんもわかります。
 
   ◆話を聞いてあげる。 
   ◆きれいな言葉を使う。
   ◆指示をきちんと出す。
      
ご両親に、こういった配慮があれば、お子さんも、ご両親の願いに応えるはず
です。
心当たりがありましたら、早速、実行しましょう。
 
暑い日が続いています。清涼飲料水は控えめに、家で作った麦茶などで、渇き
をしのぎましょう。
(次回は、「本の読み聞かせの素晴らしい効用 1」についてお話しましょう)
 

2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★幼児に必要なのは、 勉強ではなく学習です 

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第6号)
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幼児に必要なのは、 勉強ではなく学習です 
 
ある年の白百合学園小学校の親子面接で、こういった質問があったそうです。
「何かお勉強をしていますか。どういうお勉強ですか」
「…………?」
こうなってしまったお子さんが、多かったのではないでしょうか。
 
模擬親子面接で、こういった質問をするのはいやなのですが、どのような受験
準備をされているのか聞きたくなるときがあります。
それは、ペーパーテストの成績は良いのですが、行動観察型のテストでは、そ
れほど点数が取れていない場合です。
幼児に「勉強をしていますか」とは聞けませんから、いけないと思いながら誘
導尋問をします。
「幼稚園から帰ったら、どんなことをしますか」
「塾へ行ったり、お母さんとプリントのお勉強をしています」
「お勉強は楽しいですか」
ここで、お母さんを見るお子さんがいます。どうやら勉強が楽しくないようで
すね。
しかし、そうはいえませんから、お母さんの顔を見て、そして、うつむいてし
まいます。
後で、親子関係が険悪になると困りますから、
「楽しいようですね。ところで……」
と話を変えます。
多くの子ども達に聞いても、受験準備は勉強だといい、女の子は「お勉強」と
いいます。
しかし、どういった勉強をしているかまでは、説明できません。
話の記憶から数量、推理・思考、図形、構成と勉強している領域は広く、取り
組んでいる内容も複雑だからです。
学校側は、何を聞きたかったのでしょうか。
 
それはともかくとして、教育の二文字から「勉強と学習」といった二つの言葉
が浮かんできます。
では、勉強とは、どのような意味があるのでしょうか。
辞書を引くと、こう書いてあります。
 
「1.そうする事に抵抗を感じながらも、当面の学業や仕事などに身を
   入れること。2.将来の大成・飛躍のために一時忍ばなければならない、
   つらい経験」        (「新明解国語辞典」三省堂 刊)
                                     
この勉強という字から、思い出すのは、先に紹介した「すずめの学校」の歌で
す。
本当は、こういう歌なのです。
 
     ♪チイチイパッパ チイパッパ
      雀の学校の先生は むちを振り振り チイパッパ
      生徒の雀は輪になって お口をそろえて チイパッパ
      まだまだいけない チイパッパ もう一度一緒に チイパッパ 
      チイチイパッパ チイパッパ♪  
          
何か暗い感じがしませんか。
発展途上国の日本が、先進国に追いつけ追い越せと、国をあげて教育に熱を入
れた、お国のための教育の姿です。
先生がむちを振り、先生のように鳴けと問答無用です。
「命令と要求」そのものではないでしょうか。
かつて、バブル経済全盛期の頃には、こういった指導をする教室もあったと聞
きます。
お母さん方は、「もっと鍛えてください」などと、空恐ろしいことをいって、
子どもを預けたそうです。
幼児は肉体的にも精神的にも、鍛える指導に対処できる成長などしているわけ
でもなく、また、そのような時期ではありません。
これでは、幼子にとって勉強とは、まさに「つらい経験」になりがちです。
そうではないでしょうか。
 
しかし、学習を辞書で引くとこう書いてあります。
 
「習い学ぶこと。とくに、学校などで系統的に勉強すること」
      (岩波国語辞典第三版 岩波書店 刊)
       
この「習い学ぶ」ことから、キリスト、釈迦、マホメッドと共に、世界の四大
聖人である孔子の話を思い出します。
「論語物語」の中にある「うぐいすの声」です。
テーマは君子に関することですが、学習について、息子の鯉(お祝いに王様か
ら鯉をいただいたのが命名の由来だそうです)に説明するシーンがあります。
論語を研究したことはないのですが、印象に残っています。
もしかすると私の誤解であって、専門家の先生から叱責を受けるかもしれませ
んが、「わたくし流」に解釈して紹介しましょう。
文章は正確ではありませんが、ダイジェストすると、こういった話になります。
 
早春の朝、庭を散歩する孔子が、「ホーホケキョ」と鳴くうぐいすの声を聞き、
息子の鯉に、
「お父さんうぐいすが鳴いたね。今に、赤ちゃんうぐいすが鳴くよ」
というと、「ケッキョ!」と不器用に鳴く声が聞こえてきます。
「この赤ちゃんうぐいすは、親の鳴き方を一所懸命に真似て、繰り返し、繰り
返し練習するのだよ。赤ちゃんうぐいすにとって、学ぶということは、親の鳴
き方を真似するのであり、習うということは、何回も練習し、失敗を重ねるこ
とであって、やがて、親鳥のように、鳴けるようになるのだよ」
余談になりますが、ある年の夏に上高地へ行ったとき、大正池でうぐいすの親
子の鳴き声を聞きましたが、この話とそっくりで感激しました。
 
さて、幼児の教育は、勉強ではなくて学習ではないでしょうか。
受験勉強も「強いて勉める」のではなく、「学び習う」のが望ましく、また、
そうあるべきだと思います。
「そんなの理想でしょう。大人でも解けないような問題が出ていますよ。何で
あんなに難しい問題がでるのですか。できなければ合格しないということでし
ょう!」
柳眉を逆立て抗議するお母さんの姿が目に浮かびます。
ごもっともですといいたいのですが、難しい問題でも、きちんと段階を踏んで
いけば、できるようになります。
多くの場合、取り組み方が間違っているからできないだけです。
 
「二足直立歩行」など気取った表現ですが、歩けない我が子を、無理やり歩か
せようとしましたか。
十分に“はいはい”をさせ、つかまり立ちができ、少し歩いてはよろけて倒れ
る、これを繰り返すことで、やっと歩けるようになったわけです。
発育段階を無視せず、一歩一歩、ゆっくりと時間をかけて見守った、あたたか
い愛情があったからではないでしょうか。
また、しっかりと“はいはい”をして筋肉を鍛えるなど、さまざまな条件を乗
り越えた結果でもありますが、そこには「歩きたい」と願う本能があり、その
ために試行錯誤をいとわない意欲や行動力があったからです。
知的な能力を培うのも、同じだと思います。
幼児が、いろいろなことを知りたがるのは、一人で生きていくための知恵を備
えるためではないでしょうか。
 
幼児が、一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことによ
って学習していきます。
いわゆる「体験学習」です。
記憶力も大切な能力ですが、知的な能力は、記憶だけに頼った勉強だけで、身
につくものではありません。
一度泳げるようになると、十数年泳がなくても、泳ごうと思えば泳げます。
ところが、英単語などは使わなければ、簡単に忘れてしまいます。
泳ぎは、体が記憶している中枢神経系統に、記憶は大脳神経系統に属している
からだといわれています。
学生時代に苦労して覚えた英単語、どこに隠れているのやら腹が立ちませんか。
それはともかく、幼児は日常の家庭生活を通して、また、幼稚園や近所の友達
との関わりから、さまざまな能力が開発されていくのです。
 
さらに、幼児にとって大切なのは、「遊び」です。
大人にとって遊びは、単に遊びに過ぎませんが、幼児の遊びは、能力を開発す
るための大切な仕事なのです。
大人は仕事をするとき報酬を考えて取り組みますが、幼児の仕事には金銭的な
報酬は何もありませんし、要求もしません。
しかし、一人で生きていくための能力や知恵は、確実に身につき、自立を促し
ます。
ゲームをやっていて、つまらないからやめるといった遊びとは違います。
ですから全力をあげ、夢中になって取り組んでいるのです。
 
遊びには、一人遊びと仲間遊びがありますが、ここでは、一人遊びを考えてみ
ましょう。
一人遊びを見ていると、子どもが夢中になっている様子がよくわかります。
それも道具は、ウルトラマンと怪獣の人形だけで、大激戦が繰り広げられてい
ます。
円谷監督も顔負けの映像が、リアルタイムでポンポンと浮かんでいるのでしょ
う。
子どもの想像力や空想力は、大人の比ではありません。
台本を書いて、セットを組み、主演から脇役、対戦相手の怪獣、そして本人し
かわからない奇妙な効果音まで流し、監督までやっているのですから驚きです。
しかも、こんなにすごい想像力を働かしながらも、もっとおもしろく遊べる方
法はないものかと工夫しています。
ですから、子どもは遊びに夢中になれるのです。
どうしたらもっと面白くなるかと、いろいろなアイデアを考え、その中から、
「これが、いいぞ!」
と選び、遊びの場に引き出します。
やってみたところが今一だとすると、
「なんだ、おもしろくないな。カット、カット!」
と駄目を出し、また新しい台本に挑戦し始めます。
「考え、実践し、評価し、新しい遊びを見つける」、幼児の遊びは、これの繰
り返しで、そこから新たな力が育まれていきます。
しかも、だれも教えていません。
教えてくれなくても、こんなに夢中になって取り組めるのです。
それは、一歩でも前進したい本能的な要求であり、そこから得た知恵が、自力
で生きる力になっているからです。
こういったすばらしい潜在能力を利用しない手はないと思います。
 
幼児の教育は、「体験学習」で培われ、「教えない教育」に基づいたものであ
るべきだと思います。
「教えない教育」とは、本人が教わっていると思わずに、たくさんのことを学
んでいる教育のことです。
赤ちゃん時代から、お母さん方の育児の姿勢は、「体験に基づいた教えない教
育」に徹してきたはずです。
言葉を語りかけたとき、おむつを外したとき、スプーンやはしを使えるように
したとき、「こうしなさい。それではダメです!」と恐い顔をして、教え込ん
だでしょうか。
失敗しても怒らない、できるようになるまで忍の一字で待ってあげたはずです。
「うちの子は、まだできないから」
ときちんとお手本を見せるという愛情があったからこそ、お子さんもそれに応
えて成長したのではないでしょうか。
 
受験準備も同じです。
できる、できないだけにこだわらず、どうすれば楽しく学習できるか、一緒に
考えてあげましょう。
それには、遊びの感覚を取り入れることです。
机の上で問題集を広げてする受験勉強は、基本的な力が備わっていなければ、
苦痛になるだけです。
お母さんとの学習が面白ければ、楽しければ、お子さんは、一所懸命に挑戦す
るはずです。 
受験勉強の第一歩は、ここから始めるべきだと思います。
  (次回からは、「家庭でできる楽しい受験準備」についてお話しましょう)
 
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2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★小学校では、どういった子ども達を歓迎しているのでしょうか

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小学校では、どういった子ども達を歓迎しているのでしょうか
 
2回にわたり、基本的な生活習慣と集団生活への適応力の大切なことをお話し
ましたが、今回は、そういったことを踏まえ、学校側は、どういった子ども達
を求めているか考えてみました。
これからあげる10項目こそ、小学校が求める子ども像になるのですが、10
項目に優先順位はなく、それぞれが順調に育っていることが大切です。
来年の4月、年長になる頃を目指して頑張りましょう。
その時に、小学校への入学条件についてお話しをする予定です。
ところで、現在、お子さんは、どの程度身についているでしょうか、チェック
してみましょう。
 
 1. 話をきちんと聞き、相手にわかるように話せる。
 〔話を聞く姿勢と話す力〕
 2. ある一定の時間、椅子に座って作業ができる。
 〔持久力、意欲、自己制御力〕
 3. お絵描きや制作などに楽しみながら取り組める。
 〔想像力、創造力〕 
 4. 絵本や物語を読んでもらうことを楽しみにしている。
 〔豊かな心の働き、情操の発達〕
 5. 自分のことは自分で行い、健康な生活リズムが備わっている。
 〔基本的な生活習慣〕
 6. 幼稚園(保育園)の先生や友達と楽しみながら生活している。
 〔社会性〕
 7. ある目的のために友達と工夫し、協力しながら活動できる。
 〔協調性〕
 8. 両親、先生、友達との約束を守れる。
 〔社会性〕
 9. 善いこと悪いことの分別が身についている。
 〔善悪の判断〕
10. 体を動かし夢中になって遊べる。
 〔身体の発達と運動能力〕
 
もし、皆さん方が、小学校の先生であるとすれば、こういったことが身につい
ているお子さんを歓迎するのではないでしょうか。
このような発育を示すお子さんは、幼稚園や保育園での生活を楽しく過ごして
いるはずです。
通うのを楽しみにしていれば、上にあげた10項目は、自然とはぐくまれるも
のです。
それが就学前の子ども達を保育する目的だからです。
 
子ども達は、遊びを通し、さまざまなことを学習していきます。
たとえば、1.の話を聞く姿勢や相手に伝える力は、二人で遊びながら、どの
ようにして相手に自分の考えを伝え、また相手のいうことを理解すればいいか、
試行錯誤を繰り返し、いろいろと修正しながら、やっとのことで思ったような
遊びにつなげることができるわけです。
学習したことは記憶されますから、次の遊びのときの礎、下敷となり、新たな
遊びを生んでいくことになります。
 
このように子ども同士は、大変な努力をし、学習しています。
相手が複数になり先生も参加すると規模もぐんと大きくなり、6.7.8.に
発展し、社会性や協調性といった集団生活への適応力がはぐくまれていくわけ
です。
 
2.の持久力に加え、自己制御(統制)セルフコントロールは、集団生活でもっ
とも大切なことですが、どうやら現代っ子は、苦手としているようです。
幼稚園は自由保育ですから、余程のことをしない限り、制約を受けることはあ
りませんが、学校生活は一斉授業ですから、一定時間、椅子に座ることができ
なければ、勉強に参加できません。
 
最近の脳科学者の研究によると、「我慢する、わがままを言わない」といった
自己制御力は、3歳ぐらいまでに培われ、それを過ぎると「臨界期」といって、
どうにもならなくなり、集団生活に適応できなくなるといわれているようです。
その原因は、過保護の育児にあるのではないでしょうか。
幼稚園や保育園での生活を通して体験を積み、きちんと身につけなければ、困
るのはお子さんであることに気づいてほしいですね。
 
前回もお話しましたが、重要なことですから繰り返しますが、「うちの子の集
団生活は、どうでしょうか」と幼稚園や保育園の先生に聞いてみましょう。
「多少、問題がありますね」といった返事があった場合は、お子さんのためで
す、育児の姿勢や、お子さんを取り巻く環境がどうなっているか、真剣にチェ
ックする必要があります。
おそらく、5.の基本的な生活習慣にも問題が出ているのではないでしょうか。
 
3.4.は、情操の領域ですが、話の読み聞かせや対話が十分に行われていれ
ば、自ずと育まれるもので、ご両親の愛情が十分に注がれ、叱る言葉も少なく
なっているはずです。
これらに関しては、「ご家庭で楽しくできる受験準備」で詳しくお話します。
 
最後の身体的な発達は、遊びを通して鍛えられるもので、この時期の子ども達
は、全力で運動をし、筋肉を、頑張る精神力を鍛えていきます。
私が子ども達の指導から身を引いたのは、子ども達の動きについていけなくな
ったからです。
お子さんが、体を動かすことを苦手とするようでしたら、お父さんに協力して
もらい、一緒に遊ぶように心がけましょう。
今の時期に省エネ運動をしているようでは、来年の秋には、いい結果は出ない
と思います。
何といっても、心身ともに健康であることが、受験に参加できる条件でもある
からです。
 
ところで、10項目には、いわゆる「知的な能力の開発」といったことには触れ
ていませんが、こういったことが順調に育っていれば、知力も年齢相応に、い
や、それ以上に発達しているといえます。
反対に、知的な能力だけが優れている場合は、この10項目のどれかに、不自
然な成長が見られるのではないでしょうか。
 
受験準備に対応できるためには、幼稚園や保育園の大好きな子どもに育てるこ
とです。
それほど、幼稚園や保育園は、子どもの人格、性格を形作り、さまざまな能力
をはぐくむ大切な環境なのです。
あまり重視せずに、受験勉強やお稽古事などで保育時間を十分に活用していな
いと、偏った生活環境を作ることになり、お子さんの成長に悪い影響を与える
ことにもなりかねません。
 
かつて、仙川にある桐朋幼稚園の園長先生は、説明会でこうおっしゃったこと
があります。
「幼稚園は、小学校の下請けではありません。入園したからといって、必ずし
も小学校へ推薦入学できるとは限りません」と。
これは、園児の生活は、幼稚園を中心にしてほしい。
お稽古事などで早退しがちで、保育状態が十分でなければ、推薦しないという
意味です。
 
また、ミッション系のある小学校では、「入学後のお子様の生活は、学校を中
心に過ごせるようにしてほしい。お稽古事などを優先する場合は、そういった
ことを専門に指導している学校を選んでください」とおっしゃったことがあり
ました。
就学前には幼稚園や保育園の園舎が、入学後は小学校の学び舎が、子どもの成
長に欠かせないものであるかが、十分に伝わってくる話ではないでしょうか。
 
机の上で問題集を頼りに勉強をする前に、今、お子さんにもっとも大切なのは、
幼稚園や保育園の生活を充実させることなのです。
遊びを通して、試行錯誤を繰り返し、たくさんの体験を積むことで、10項目
を身につけることができます。
 
お子さんは、幼稚園や保育園へ通うことを、楽しみにしていますか。
元気に通っていれば、とりあえず、問題はありません。
それが、受験準備の大切な礎になっていることを、ご理解いただきたいと思い
ます。
(次回は、「幼児に必要なのは、勉強ではなく学習です」についてお話しまし
ょう)
 

2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★お子さんは、幼稚園(保育園)で、どのように評価されていますか。

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第4号)
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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プレ年長クラス 無料体験授業
【体験日】 8月17日(日) 10:30~11:30
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お子さんは、幼稚園(保育園)で、どのように評価されていますか。
         
第二は、社会性や協調性といった集団生活への適応力です。
小学校は集団生活ですから、社会性や協調性が育まれていなければ、スタート
でつまずくことになりかねません。
しかも、こういった能力は、多くの場合、ご家庭で培われるものです。
ある年の光塩女子学院初等科の説明会で、
「行動観察のテストでのお子さんの様子は、日頃かかわりのある周囲の大人、
特に、ご両親の社会性や付き合い方が反映されるといわれています。明るく、
けじめのある付き合いができるかどうかが表れるからです」
とおっしゃっていましたが、まさにその通りではないでしょうか。
 
長年、幼児教育に携わり教えられたのは、お母さん方の子どもに与える影響力
には、計り知れないものがあるということです。
お母さん方の育児の姿勢次第で、子どもは育つといっても、決してオーバーな
表現ではありません。
それほど、お母さん方は、絶対的な力を持っているのですが、お母さん方自身
が、このことをあまり意識されていないのには、驚くばかりです。
最近、公立、私立校を問わず、「KYJTママ」といって、「空気読めない自
己中ママ」が増えていると聞きますが、そういったことを踏まえ、どういった
子育てが集団生活への適応力を育まないかを考えてみました。     
◆チェックシート(1)
[チェック方法]
はいの場合[○] いいえの場合[×] どっちともいえない場合[?]
 
 1.お子さんのやっていることを見ていると手を貸しがち。 [  ]
 2.お子さんのやっていることを見ていると口を出しがち。 [  ]
 3.他人の子どもはちっとも可愛くない。         [  ]
 4.けんかの原因をわが子だけから聞き、相手に談じ込む。 [  ]
 5.公開模擬テストの偏差値に何が何でもこだわる。    [  ]
 6.入試に関するうわさが気にかかり心を痛める。     [  ]
 
いろいろと出ましたが、全部[×]であれば、理想的なお母さんになれますが、
いかがでしょうか。
[?]は、若干、その気配があるかもしれないという場合です。
5.6.については、今の段階では関心はないと思いますが、来年の今頃は、
おそらく心を悩ますことになるかもしれませんので、覚えておいてください。
少し、解説しておきましょう。
 
[1.過保護型のお母さん]
こういったタイプのお母さんに育てられると、お母さんが何でも手伝いますか
ら、お子さんは、我慢をするといった忍耐力に欠け、わがままになりがちです。
何事も自分一人で取り組む機会が少ないために、工夫する力、想像力や独創力
が育ちにくく、基本的な生活習慣も身についていない場合が多いですから、集
団生活への適応力にも、不十分なところがありがちです。
 
[2.過干渉型のお母さん]
「こうしなさい」「ダメ」「早くしなさい」など、命令、禁止、要求、抑制の
言葉が多い環境のため、自立心や自発性、積極的にやろうとする意欲が育ちに
くく、何かをするときに、お母さんの指示を待つ消極的な子どもになりやすい
ものです。
 
[3.溺愛型のお母さん]
お母さんの愛情を一身に受け幸せそうですが、愛情を注ぐお母さんが、情緒不
安定な場合が多く、そのため叱られはしないかと、絶えずお母さんの顔色を見
る子になりがちです。
大人の前ではよい子でも、子どもらしさに欠け、陰で弱い子をいじめるといっ
た問題を起こす子どもになりやすいといえます。
 
[4.自己中心型のお母さん]
「学校が、先生が、友達が悪い!」と、何かにつけて他人のせいにし、責任を
取ろうとしませんから、子どももまねをし、社会性や協調性に欠け、集団生活
になじめず、孤立する恐れがあります。
いわゆる「自己中心型」(自己中)のお母さんです。
“KYJTママ”-空気読めない自己中ママ-という言葉があると紹介しまし
たが、小学校が、もっとも歓迎しないお母さんです。
 
[5.知育偏重型のお母さん]
子どもの生まれ月、月齢や発育段階を考えずに、能力以上のことを要求するた
めに、何事にも自信が持てず、極端に失敗を恐れ、落ち着きがなく、積極的に
取り組む意欲が表れにくい子になりがちです。
お母さんは、「何回いったらわかるの!」などの言葉が多くなるようです。
 
[6.付和雷同型のお母さん]
親が選んだ受験にもかかわらず、「コネ次第」「出身者有利」「職業で決まり」
などいった怪情報に振り回され、「わが子をみてください」といった信念がな
いので、親子で受験地獄に陥りやすいといえます。
「○○ちゃんは、できるのに…」といった比較する言葉を不用意に使い、お子
さんの心に傷を残すことになりがちです。
 
いかがでしょうか。
気の弱いお母さん方にとっては、気が滅入ってしまうような言葉ばかり出てき
ましたが、実際には、こういったお母さん方が、いるわけではありません。
お母さん方の心の中に潜んでいるのではないかと思われる、“潜在的な欲求”
を表したものです。
これらが表面に出るか、きちんと押さえこむことができるかで、お子さんの社
会性や協調性は、培われていくものです。
それが学校側のいう育児の姿勢なのです。
 
公立、私立を問わず、小学校では、「知育・徳育・体育の三つの能力が、年齢
にふさわしく、バランスよく育っている気力のある子」を求めています。
こういったお子さんに共通しているのは、社会性や協調性といった集団生活へ
の適応力がきちんと身についていることです。
ご両親がバランスの取れた育児を心がけた結果といえるわけです。
バランスのよい育児とは、紹介しました6つのタイプに偏らない育児のことで
す。
 
次に、日常生活で、どのような育児が行われているかをチェックしてみましょ
う。
偏った育児になっているかどうか、これだけでも判定できます。
 
◆チェックシート(二)
[チェック方法]
   今回は、○か×で判定してください。
 
1. ご両親であいさつをしていますか。[  ]
2.お子さんはご両親の話をきちんと聞いていますか。[  ]
3.お子さんの話をきちんと聞いてあげていますか。[  ]
4.お子さんに呼ばれて「ハイ」と答えていますか。[  ]
5.お子さんが何かできるようになったとき褒めていますか。[  ]
6.お子さんが悪いことをしたときに本気になって叱りますか。[  ]
7.何かお手伝いをさせていますか。[  ]
8.お子さんは約束を守っていますか。[  ]
9.本を読んであげていますか。[  ]
10.「なぜ、どうして」に答えてあげていますか。[  ]
11.指示はきちんと出していますか。[  ]
12.お子さんが泣いても「駄目なことは駄目」といえますか。[  ]
13.「おんぶ」をせがまれると、いつでもおんぶしていますか。[  ]
14.「早くしなさい!」という言葉が多くありませんか。[  ]
15.何か欲しがったときにはすぐに与えますか。[  ]
16.お子さんに好き嫌いはありますか。[  ]
17.お子さんがテレビのチャンネル権を握っていませんか。[  ]
18.じっと座っているのを苦手としていませんか。[  ]
19.遊んで帰ってきたお子さんの洋服の汚れが気になりますか。[  ]
20.叱った後、後悔することはありますか。[  ]
 
チェックする項目は、望ましい育児の姿勢を中心に作ってみました。
[1]から[12]までは「はい」、[13]以降は「いいえ」が理想ですが、
いかがでしょうか。
今度は、どちらともいえない「?」のマークはありませんが、是非とも、ご両
親で頑張ってほしいことだからです。
 
前回お話しました生活習慣や、こういったことを毎日の生活の中で、ご両親が
心がけていけば、自ずと集団生活の適応力である「社会性」や「協調性」は培
われ、学校側の歓迎するお子さんに育っていくものです。
 
心配な点がありましたら、幼稚園や保育園の先生に、「私どもの子どもは、集
団生活に何か問題はないでしょうか」と聞いてみましょう。
「少し、問題があるようですね」といった答えがあった場合は、「大変、問題
がある」と考え、ご両親の育児の姿勢をチェックする必要があると思います。
 
ところで、幼児教育に携わる者にとって、モンテッソーリの著書は必読の書で
すが、ある著書の中に、こういった言葉があります。
 
「親や教諭は、自分の考えや力で子どもを支配してはいけない。今、この子に
何をしてあげるべきか、何を成すべきではないか、ということを知らなくては
ならない。子どもが、今、成すべきこと、今、成し遂げるべきことを、自力で
させてあげることだ」
       
ここから、相良敦子氏の「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」(講談社 
刊)という名著が生まれたのですが、この本の題名のように、基本的な生活習
慣や集団生活への適応力などは、子どもが一人でできるように、一人で参加で
きるように手伝う姿勢が、大切ではないでしょうか。
「命令と強制」だけでは、こういった適正能力は育まれません。
なお、この本は、白百合学園小学校を受験されるお母さん方、特に、モンテッ
ソーリ教育に縁がなかった方には、是非、読んでほしいと思います。
すると、なぜ、本学園の入学試験の難易度が高いかがわかるからです。
  注 マリア・モンテッソーリ
イタリアのローマで医師として精神病院で働き、知的障害児へ感覚教育を実施
し知的水準を上げる効果をみせ、1907年に設立した貧困層の健常児を対象とし
た保護施設「子どもの家」において、独特の教育法を完成させた。以後、モン
テッソーリ教育を実施する施設は「子どもの家」と呼ばれるようになった。
    ウィキペディア フリー百科事典より
 
夏休みに入りました。
やっと梅雨も明け、夏はこれからが本番です。頑張りましょう。
(次回は、「幼児に必要なのは、勉強ではなく学習です」についてお話しまし
ょう)
 

2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★よく受ける質問から

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第60号)
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★年中児向け『2016さわやかお受験のススメ』創刊★★
https://www.medel.jp/mail_magazine/
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千葉県内校向け
第二回 学校別合格テスト
https://www.medel.jp/lecture/cat_test/
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よく受ける質問から
 
◆説明会情報◆
9月に入ると説明会が始まります。6日は、立教小学校、学習院初等科、成蹊
小学校の説明会と早稲田実業学校初等部の学校見学会が行われます。
9月4日(木)光塩女子学院小学校 10:15~11:30 (参観授業は8:00から)
9月6日(土)
立教小学校 (第2回)8:50~11:30
学習院初等科(入試説明会)9:30~11:00 13:00~14:30 初等科正堂
成蹊小学校 10:00と14:00(2時間程度)成蹊大学4号館ホール
早稲田実業学校初等部 見学会 9:00~12:00
[注]HPで確認されてからお出かけください。
 
暑い夏休み、ここで一息つきましょう。
この時期によくある質問からいくつかを紹介しましょう。
 
Q.慶應義塾幼稚舎の試験では、絵がうまく描けなければ合格しないそうです
  ね。
 
A.
「うまく描けなければ」という文言は、大人の考える絵に対する評価でしょう。
この考えが、子ども達を苦しめているようです。
入試で絵を描かせるのは、絵の巧拙、上手、下手だけを見ているのでありませ
ん。
大人は自分の考えを相手に伝えるのに、言葉だけで足ります。
しかし、幼児は、言葉だけでは不十分です。
言葉で足りなければ、体全体で表す身体表現も、大切なコミュニケーションの
方法で、絵もその一つです。
自分で思っていること、考えていることを絵で表現したいのです。
子どもの絵は写生ではなく、感じたことを描いていると思います。
ですから子どもは、絵の巧拙にこだわらず、思い通りに、せっせと描きます。
そばで見ていると、本当に楽しそうです。
以前、幼稚舎が、画家が絵を描くときに使うイーゼルを立て、絵を描かせまし
たが、舎長は、その目的を「子ども達の顔の表情を見たかった」とおっしゃっ
ていました。
ですから、一つの話を聞いたあとに、「この続きの絵を描いてみましょう」と
いった問題に発展させ、子どもの感性を見ているのではないでしょうか。
 
「うまい」に越したことはありませんが、それが、子ども自身の感性ではなく、
誰かに教え込まれたものであれば、評価されないと思います。
どなたがおっしゃったかわかりませんが、そういった絵を「大人の手垢のつい
た絵」というそうです。
「お子さんは、楽しく絵を描いていますか」
そうであれば、子どもらしい絵が描けていると思います。
学校の狙いも、そこにあるのではないでしょうか。
 
Q.1枚の絵を見て話を作るのが苦手なのですが、うまくなる方法はないでし
  ょうか。
 
A.
「うまくなる方法」などありません。
技術的なことを教えても、お子さんは、おそらく理解できないと思います。
1枚の絵から話を作るのは、本当に難しいものです。
絵を見ても、自分で体験をしたことがなければ、話せないのが幼児です。
まず4枚ほどの絵からできている「お話作り」の問題からやってみましょう。
4枚の絵であれば、どういった状況か把握できるからです。
そこから話を作る方法を、自分なりに考え始めるものです。
最初は、つたない話になりがちです。
最後まできちんと聞いてあげ、できたことを褒め、それからおかしなところは、
「ママは、こう思うけれど、どうかな?」と、お子さんに考えるヒントを出し
てあげることです。
「違うでしょ、こうなの!」では、お母さんの作品になってしまいます。
これを十分にやった後に、3枚の絵、2枚の絵に進み、そして1枚の絵に挑戦
しまし
ょう。
苦手なお子さんには、「お母さん(お父さん)、あのね!」方式がいいでしょう。
お母さんやお父さんに話しかけるように作ることです。
幼児の経験は、まだ狭いものですから、体験していないことを表現するのは苦
手です。
日常生活で、「ママ、あのね!」と話しかけてきたときは、必ず、聞いてあげ
ましょう。
自分で体験したことを話す、これが話作りの基本でもあるわけです。
話すチャンスをたくさん作ってあげることが大切です。
なお、「お母さん、あのね!」方式は、某国立大学附属小学校で、作文の時間
に実践していた学習方法です。
 
Q.問題に取り組む時に時間がかかり過ぎるのですが心配ないでしょうか。
 
A.
幼児には、問題集をやるときにも、さっさと答えるタイプと、じっくりと考え
て答えを出す二つのタイプがあるようで、イソップ物語の「ウサギとカメ」の
話から、前者を直感が働くウサギ型、後者をじっくりと考えるカメ型と考える
こともできます。
難しい対称図形や回転図形の問題でも、ウサギ型は、4つの答えから正解を選
び出すのにも時間がかからず、カメ型は、慎重に取り組みますから時間がかか
ります。
一つ一つ検証して、答えを出しているからです。
おそらくお子さんは、カメ型のタイプではないでしょうか。
一つ一つ比べ、「これは、ここが違う」と納得しなければ、次の答えに手を出
せないのですから、むやみに急がすことはありません。
一度、仕組みや方法が理解できれば、スピードもアップします。
 
思考派のカメさん型は、中学年を過ぎる頃から、力を発揮し始めます。
考える力が育まれ、基礎学力がしっかりと身についているからです。
直感派のウサギさん型は、この頃に、一度つまずきますが、頭の回転の速さか
ら立ち直れます。
ですから、カメさんの場合は、時間がかかってもあせらせることなく、問題は
時間内に解くことを、少しずつ教えてあげましょう。
ウサギさんは、ひらめきだけに頼らず、正解であっても、他の答えはどうして
駄目なのか、その説明をさせましょう。
どちらもお子さんの大切な能力ですから、良いところを伸ばしてあげる、賢い
お母さんになってあげましょう。
  
Q.文字や数字の読み書きは、できた方がいいと友達は言うのですが、やった
  方がいいのでしょうか。
 
A.
小学校の入学試験には、文字の読み書き、数字を使った計算はありません。
ただし、答えをイラストではなく、書いてある文字に印をつけるテストを実施
している学校もありますが、それは、その学校の方針ですから、受験する方は、
そのための準備が必要です。
また、暁星小学校でも、年中行事と関係のある数字、例えば母の日は5月です
から5に○をつける、記憶の問題でスクリーンに映った数字と同じものに○を
つける問題がありましたから、1月・正月、2月・節分、3月・雛祭り、4月
・花祭り、5月・子どもの日、母の日、6月・父の日、7月・七夕、9月・お
月見、11月・七五三、12月・クリスマスなど、その月と数字がわかるよう
にしておきましょう。
やっていると思いますが、毎朝、カレンダーを見て、「今日は8月17日、日
曜日」というだけで、月日と曜日も無理なく覚えるものです。
ただし、数字を書く必要はなく、読めればいいでしょう。
文字は問題用紙に氏名を書きますし、靴を脱ぎ、試験が終わった後で靴を履く
ときなど、書かれた名前を見て判断することもありますから、名前の読み書き
はできるようにしておきたいものです。
 
年長になる頃から、文字と数字を書きたがるようになりますが、その場合は、
正しい書き順を教えましょう。
自己流で覚えると、直すのに苦労するからです。
文字を書くことの得意であった子が、小学校へ入ってからことごとく直され、
自信を失う話をよく耳にします。
数字は「0・5・7・8・9」、文字は「と・も・や・よ」、書きにくい「あ・お・そ・
ぬ・む・め」などです。
ただし、テストで数字や文字で答えては、得点にならないことを教え、約束し
てください。
 
以上の「Q&A」は当研究所発行の「さわやかお受験オススメ 小学校受験 
Q&A」からピックアップしたものです。
詳しくは、ホームページをご覧ください。
 
暑い夏も、もう一息。
「夏を制する者は秋を制する」ともいわれています。
無理は禁物ですが、頑張りましょう。
(次回は「願書の書き方」についてお話ししましょう)
 

2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★今年の説明会より(2)★★

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第59号)
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★年中児向け『2016さわやかお受験のススメ』創刊★★
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今年の説明会より(2) 
 
前回に続き、説明会の話を紹介しましょう。
加藤三明幼稚舎長は任期を残して3月に辞任し、4月から大島誠一幼稚舎長が
就任。
私が参加した7月12日(土)午後2時からの説明会では、その件について何
の説明もありませんでしたが、週刊誌に、こういった記事が掲載されていまし
たので、紹介しておきましょう。
 
加藤舎長の退任について、慶應義塾大学は本誌に「教育現場に戻りたいという
のが加藤教諭の希望。幼稚舎の担任は1年生から6年生までの持ち上がる方式
で、年齢的に、新1年生の担任に就任する最後の機会だった」
(広報部)と回答した。
 (週刊金曜日 平成26年4月15日(火)16時48分配信より)
 
大島誠一舎長の話は、「慶應義塾幼稚舎の教育方針について」の説明に終始し、
受験に関しては、「応募者も多く、厳しい条件であることを承知して受けてほ
しい」との話だけでしたが、加藤前舎長の「受験に関する心構え」は、受験さ
れるご両親には耳の痛くなるほど痛烈な話でした。
再び聞くこともないでしょうから、その一部を紹介しておきましょう。
文言は、正確ではないことをお断りしておきます。
 
次に、受験に関する心構えのようなものを申し上げたいと思います。
毎回、ここで皆さんは手帳を開かれるのですが、メモをするような内容ではあ
りません。気楽に聞いて頂ければいいと思います。
これだけ競争率が高い慶應義塾幼稚舎にチャレンジする皆様方に、これから申
し上げることを、どれだけ聞いて頂けるかわかりませんが、あえて言わせて頂
きます。
 
一言でいえば、5歳のわが子を受験のためにスポイルしないでほしいというこ
とです。
われわれは児童のありのままの様子を見て判断したいと思っています。
与えられた課題が単に、できる、できないで判断しているのではないというこ
とです。
できる、できないだけではなくて、その児童のあらゆる面を見たいと思ってい
ます。
中学以上の受験と違って、算数、国語、社会、理科のように、教科の中の限ら
れた知識を見ようと思っているわけではないのです。
もっと広い範囲で、子どもの様子を見たいと思っています。
しかし、このことに対処しようとすると、限りなく多くのことに対処しなくて
はならなくなります。
そんなことできるはずがありません。
ですから、5歳の子どもに、この時期に、やがて一人前になるために、どうい
うことをやってあげたらいいかという観点で考えるべきだと思います。
そして、それが何かと申しますと、ご家庭でそれぞれ考えて頂くしか方法はな
いと思うのです。
 
先程から繰り返して申していますように、教育にオールマイティの方法はあり
ません。
それぞれのご家庭の教育方針のどれがよいかということは言えないのです。
人は、それぞれの父母から受けた価値観、そして成長の途中で学校や関わって
きた人から受けた価値観によって人格が形成されます。ですから、どの価値観
が正しいか、間違っているかなどということはいえません。
それより、自分が持っている価値観を、どうやってわが子に伝えていくかとい
うことが、大切になっていくのではないでしょうか。
 
ですから、本来は、5歳の子どもに試験を強いるのは、どうかなと思っている
ことを、受験のためにさせるのはいかがなものかと思います。
はっきり言えば、それは親のエゴです。
子どもにとって5歳の時期は1回しかありません。
子どもを犠牲にしてまで受験の準備をすることは、本当にいいことでしょうか。
 
とにかく、どんな犠牲を払っても、「入学してしまえばそれでよし!」という
考えもないわけではないと思いますが、私は、それには同意しません。
受験ということを考えるとき、また世間の風潮に惑わされずに、それぞれの家
庭で5歳の子どもに何をしてあげたらいいのか、考えるべきではないでしょう
か。
そして、裏を返せば、子どものあらゆる面を見たいと思っているテストに対す
る準備にしても、このことは最善の方法だと思います。
 
たとえ、幼稚舎に合格できなくても、わが子に能力がなかったと思わないで頂
きたい。
これも先ほど申しましたように、私立学校には、それぞれの方針があります。
その方針にわが子が合わなかっただけのことなのです。
「いや、学校は、そういう理想論を言うけれど、現実は違う!」とお思いの方
も多くいらっしゃると思いますが、私は少なくとも建前ではなく、心底そう思
っています。
 
幼稚舎では「競争の相手は他人ではなく自分だ」と申しました。
しかし、皆さんがこれから挑まれる受験は、他人との競争です。
「競争の相手は他人ではなく自分だ」という幼稚舎が、「他人との競争である
受験を行うとは何事だ!」とおっしゃるかもしれません。
しかし、実際に、受験という以外に方法のないことも確かです。
受験に合格されなかった方は、もしかすると、親子ともども、敗北感を味わう
ことになるかもしれません。
しかし、これはあくまでも幼稚舎の受験に限ったことで、人生の敗北ではあり
ません。
まして、子どもがそういうことを思い続けていたら、本当に怖いことです。
ですから、われわれが5歳の子に入学試験という罪なものを施して、そう言う
のもなんですが、小学校受験を、ぜひ、最終目標と思わないで頂きたい。
まだまだ、ほんの人生の始まりです。
小学校受験でお子さんをスポイルしないでほしいというのが、私の願いです。
 
以上、幼稚舎に対する、また、小学校受験に対する私の考えを述べてきました
が、幼稚舎の特徴をご理解して頂けたでしょうか。
これまで述べてきた考えをご理解していただいたうえで、ぜひ、幼稚舎にチャ
レンジして頂きたいと思います。
     (平成25年7月13日(土) 自尊館にて)
 
いかがでしょうか。
「教育とは何か」「小学校の受験は、いかにあるべきか」と冷静に考えるヒン
トになっているのではないでしょうか、
男女ともに1,000名を割りましたが、募集人数は、男子 96名、女子46名、
計144名ですから、最難関校には変わりありません。
ちなみに、過去5年間の応募状況は、以下の通りです。
 
2010年度(2009年11月受験) 男子 1,184名 女子 920名 合計 2,104名
2011年度(2010年11月受験) 男子 1,167名 女子 777名 合計 1,944名
2012年度(2011年11月受験) 男子  988名 女子 661名 合計 1,649名
2013年度(2012年11月受験) 男子 1,020名 女子 659名 合計 1,679名
2014年度(2013年11月受験) 男子   987名 女子 620名 合計 1,607名
    (2014年度用 説明会試料「幼稚舎入学試験 Q&A」より)
 
今年の雙葉小学校は、去年と同様、小学校内の5階にあるホールで行われ、校
内見学も実施されました。
28年前(昭和61年)に行われた説明会もここで行われ、元気よく階段を歩
いたものですが、今年は息が切れました。
説明会終了後、校舎見学を辞退した人は、昨年と同様、一人しかいませんでし
たが、それが私で、また目立ってしまいました(笑)。
河野 久仁子校長の話の一部を、文言は正確ではありませんが紹介しましょう。
 
学校生活は、競争の場ではなく、共に祈り、共に学び合い、助け合う場である。
「先生と子ども」、「子どもと子ども」という関わり合いの中で、人間同士の
信頼関係を築き、自分が愛されていることを感じながら、子どもの人間として
の成長を助けていくように考えている。一人ひとりの子どもが、人との関わり
の中で、自己表現をしながら、その人らしく生きるように祈る。バラはバラら
しく、スミレはスミレらしく、その人らしく生きる。また、自分で自由に学び、
決定することができ、責任のとれる人に育てていこうといったように、子ども
達が、これからの世界を支えていく人に育ってほしい。
 
本学園は、それぞれ推薦入学で上級校へ進学する子ども達に、小学校と中学校
で同じ数の新入生を加え、新しい風を入れながら幼小中高と進んでいく一貫校。
特別な進学体制をとらず、一人ひとりの子ども達の人間としての成長を大切に
しているので、学習面だけに重きを置くのではなく、一貫教育の中で、伸び伸
びと能力を伸ばしてほしいと考えている。そのために本校では、保護者の方に、
このような学校の教育方針を理解していただき、学校と共に心を合わせ、手を
携えてお子さんを育てていこうとお願いしたいと考えている。
 
「最後に、私たちが教育の現場で大切にしている祈りについてお話しいたしま
す。祈ることは自分のため、人のために、心に思い願うことを神様に話すこと
です。何ができるかできないかで物事を判断するのではなく、人の心と努力を
大切にすることを願うことも祈りといえるのです。雙葉学園に集うシスター方
と私達、教職員が希望し願うものに、今まで大切にしてきた祈りの一部を皆さ
んに紹介させていただきます。それは「親の祈り」という題名ですが、親だけ
ではなく、教師も、世の中のすべての大人に必要な大切な祈りです。配布した
思慮の中に挟んでありますので、お持ち帰りになってお読みください。なお、
この「祈り」のプリントは、入学試験には関係ありません」
 
   親の祈り
  神様
  もっと よい私にしてください。
  子どものいうことを よく聞いてやり
  心の疑問に 親切に答え
  子どもを よく理解する私にしてください。
  理由なく 子どもの心を傷つけることのないように 
  お助けください。
  子どもの失敗を 笑ったり 怒ったりせず
  子どもの小さい間違いには目を閉じて
  良いところを見させてください。
  良いところを 心から褒めてやり
  伸ばしてやることができますように。
  大人の判断や習慣で
  子どもを しばることがないように
  子どもが自分で判断し
  自分で正しく行動していけるように
  導く知恵をお与えください。
  感情的に叱るのではなく
  正しく注意してやれますように。
  道理にかなった希望は できるかぎりかなえてやり
  彼らのためにならないことは
  やめさせることができますように。
  どうぞ意地悪な気持ちを取り去ってください。
  不平を言わないように助けてください。
  こちらが間違った時には
  きちんとあやまる勇気を与えてください。
  いつも 穏やかな広い心を お与えください。
  子どもといっしょに 成長させてください。
  子どもが 心から私を尊敬し慕うことができるよう
  子どもの愛と信頼にふさわしいものとしてください。
  子どもも私も 神様によって生かされ
  愛されていることを知り
  他の人々の祝福となることが できますように。
(平成26年7月19日  小学校内ホールにて)
 
帰る時、私一人でしたから守衛さんに、「美智子妃殿下がご成婚記念に植樹さ
れたメタセコイアの木が1本残っていると聞いたのですが」と尋ねたところ、
校庭の一角に5階建ての中高の校舎と同じ高さの大きな杉の木を紹介され、び
っくりしました。幼稚園、小学校を本学園で過ごされ聖心女子学院へ進まれた
妃殿下。ご成婚は昭和34年4月、55年前になりますから当然でしょうが、
幼稚園側の道路から見ることができます。
 
耳の痛い話であったかも知れませんが、我が家の受験体制、育児について、客
観的に見直す機会にしていただければ幸いです。
 
夏休みも後半に入りましたが、暑い日が続いています。
疲れも出てくるときですから、無理をせず、心身ともにリフレッシュできる機
会を作りましょう。
   (次回は、「よくある質問について」についてお話しましょう)
 

2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★今年の説明会より(1)★★

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第58号)
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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第二回 学校別合格テスト
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今年の説明会より(1)
 
◆入試情報◆
8月23日(土)、24日(日)恒例となった「東京都私立学校展 進学相談
会」が有楽町の東京国際フォーラムで開催されます。各学校とも質問コーナー
を設け個別に相談できるようになっています。詳しくはホームページをご覧く
ださい。
     
横浜雙葉小学校 学校説明会(平成26年6月21日(土)13:00-
15:05)およそ30年ぶりに訪問。川越から副都心線、みなとみらい線で
元町中華街へ1時間30分ほどで到着。駅は地下にもぐり景観がすっかり変わ
りびっくり。緑に囲まれた外人墓地の先に、昔と変わらない学び舎が懐かしく、
この辺は変わっていないなと妙に安心したものでした。会場ロビーで参加票を
記入するのに時間がかかり遅れて始まり、1時間の予定も30分ほど伸び、配
布した資料にミスがあるなど、久しぶりの説明会に先生や職員の方々も戸惑い
があったようで、翌日のHPにお詫びと訂正の記事が出ていました。
 
田中順子学園長は、「私とかなり世代の違う若い皆さま方に申し上げたいこと
が、中々まとまらずに苦労しました」の挨拶から始まり、文言は正確ではあり
ませんが、以下のような話をされました。
 
子育ては人間を育てる大変な仕事。教育というと学校で行われるものと思われ
がちだが、結婚し、子どもを授かり、神のもとで育てる育児も大切な教育、使
命と確信している。神の前で結ばれた固い絆のもとで、許し合い、助け合いな
がら、本当の愛が深まり、子を育てていくことが、もっとも大切な使命と考え
る。子育てを疎かにすることは、神のみ姿に似せて作られた、尊い人間になる
ことが歪められてしまう。人間らしく成長していくことが、子育ての役目だと
思う。私の言っていることは難しいと思われるかもしれないが、これは人間と
しての根本的な務めで、男性も女性も父となり母となることで成熟していくの
が、本来の人間の生きていく道ではないだろうか。
 
そのために大切なことは、第一に、豊かな愛情の中で愛を注いで育てること。
第二は、難しくなってきていると感じるが、あらゆることが進歩した社会の中
で、物も豊かに出回り、物を与え過ぎて、大切にしない子どもになってしまう
傾向にある。ゲームなども与え過ぎると、学習意欲をそいでしまい、物を大事
にしない子になる。人と人との触れ合いを中心にして、自然に触れたり、近所
や地域の人々との関わりを通じて、何が大切かを学び、子育てに生かしてほし
い。第三に躾、躾は3歳までと言われている。小さい時から他人に迷惑をかけ
ないように躾ける。子どもを大切に育てるために自己中心に過ごし、他人を思
いやらない子育てになっているのではないだろうか。
 
瀬戸内寂聴さんは、こうおっしゃっている。
「人間は生きている以上、何かしら自分を豊かにしなければならない。そして、
あらゆる面で心を鍛えなければならない。それには何が必要かというと想像力、
イマジネーション。想像力、私達は生まれた時から同じ分量を与えられて、こ
の世に生まれてきている。
ところが、ある時期に達すると、非常に想像力の豊かな人、欠けている人、あ
るいは少ない人が出てくる。これはなぜかというと、想像力を同じようにもら
っていても、それを育てなければならない。想像力に栄養を与えなければなら
ない。一番の栄養は本を読むこと。読書は、想像力を鍛えるには欠かせないも
のだ。想像すること、相手は何を思っているか、想像力を働かす、これが思い
やり。思いやりは愛。想像力、思いやり、イコール愛、そういうものだと思う」
と。
 
想像力を鍛えるには本を読む。本を読むことは想像力を鍛えるための栄養だか
ら、絶対に必要なことだ。お母さんは子ども達が分かっても分からなくても、
小さい時から本を読んであげる。お母さんが忙しいのならお父さんが字の読め
ない子に代わり読んであげる。これがとても大事なことだと思う。読んでもら
うことで、お父さんやお母さんが考えていることが分かってくるし、言葉を覚
え、想像力を養い、豊かな心が育っていく。今の子ども達には、話を読み聞か
せる、親の寝物語が少なくなっているのではないかと懸念している。皆さんが
親にやってもらっていた大事なことだから、こういったことは、大切に受け継
いでいくべきではないだろうか。
 
第4に躾の面で強調しておきたいことがある。公共の場での躾、これは大きく
なってはもう遅い。登下校のマナーも、その時になってからでは間に合わない。
子ども達までも自家用車で行動する生活ではあるが、小さい時から、今の時か
ら、習慣にすることが大事。周りの方に不快を与えないことは、誰もが守らな
ければならないマナーだから、小さい時からきちんと躾けることが大切だ。挨
拶にしても、ご両親が挨拶をしていれば、自然と真似をして身につくもの。不
快を与えない躾を、きちんと小さい時から養っていく。寂聴さんのいうように、
想像力を培い、思いやりの心を育てる。小さい時にしっかりとした躾をしてお
けば、うるさく言わなくても自立し、やがて自己責任において、ものごとを判
断できる子になっていくのではないだろうか。
 
わが子は、神から授かった賜りもので、個人の所有物ではないから、自分勝手
に育てるものではない。尊い一人の人格を持つ、自分と違う存在だから、その
子が持っている可能性を伸ばし、周りの人に良い刺激を与える子に育てたいも
のだ。これは私の長い人生で感じたことで、子育てを決して疎かにしないこと
が大切だと申し上げて起きた。
 
かなりのご高齢で、司会の先生の助けを受け演壇に登られたのですが、昔、こ
の講堂で聞いた話と重複するところがあり、もしかすると学園長は、当時、校
長ではなかったかと思いました。
想像力を培うのは読書、話の読み聞かせがいかに大切であるか、そして。入学
試験には、必ず「話の記憶」が出題されていることも納得いただけたのではな
いでしょうか。
 
聖心女子学院初等科の説明会には、今年はスケジュールの都合で参加できませ
んでしたが、おそらく、今年も同じ話があったのではないかと思いますので、
その一部を紹介しておきましょう。
 
大山校長は、女子校について、次のようにおっしゃっていました。
「女子校という環境で、何事も女子で実行している関係で、児童、生徒は自ら
の可能性に挑戦します。女子だからと自分の可能性を狭めてしまうのではなく、
一人の人間として、あらゆることにチャレンジし、女子としての可能性を引き
出していく、リーダーシップの機会に恵まれることが多く、これも女子校なら
ではのことではないでしょうか」
 
また、「初等科の教育について」、広瀬 眞一副校長から話がありましたが、
その中で、「学校側が望む子ども像について」、以下のような指摘がありまし
た。
・心身ともに健康で子どもらしさがある子。
・身の回りのことを自分できちんとできる子。
・人の話をきちんと聞ける子。
・じっくりと取り組む根気のある子。
・友達と仲良く過ごせる子。
・わがままをいわず我慢のできる子。
これらの子どもの姿に近づけるために、毎日の生活で大切なことは、
第一に、実際に体を動かし、いろいろな体験を積むこと。
第二は、心を安定させること。
むらがあり心が安定していない子どもは、周りに対して暴力的になる。子ども
本人が愛されている気持ちを感じることが大切。
第三は、他人を大切にすること。それも多くの人を。
親が他人を大切にすることを実現することによって、子は親の姿勢を見てまね
をするもの。
第四は、褒めて子どもを育てる。褒めることと甘やかすことは違うと考えてい
る。
第五は、規律正しい態度を育てる。
第六は、どんな時にも笑顔で挨拶をし、明るく返事をする。
第七は、過ちをした場合は素直に謝る。
最近の子ども達は、素直に謝ることができにくい状況にある。素直に謝ること
を大切にしていきたい。
 
日常生活は、いろいろな制約の中で営まれています。今話した事柄を日常の生
活の中で、大切に育てることが、親の使命ではないでしょうか。これらのこと
を含め、本校の教育方針を理解していただき、受験してほしいと願っています。
(平成25年6月29日(土) ソフィア バラ ホールにて)
 
終了して解散。
大山校長の話の中に、1年生から国語の辞書を使っている話がありましたが、
20数年ほど前に初めて説明会へ参加し、校舎を見学した時、1年生の各教室
に人数分(たぶん40冊)の辞書があるので、びっくりしたことを思い出しまし
た。
その時、校長先生は、「自国の文化を理解せずに他国の文化を理解できない」
と、英語だけ学ぶのは片手落ちではと話していました。
ミッション系の学校では、外国語を大切にしていると考えるお母さん方が多い
のですが、どこの学校も低学年時代から、国語をじっくりと学習しています。
日本人は考えるとき、当たり前ですが、日本語で考えます。
小学校から英語の授業、結構ですが、国語をきちんと学習しなければ、考える
力は育まれないのではと懸念しますが、皆さん方はいかがお考えでしょうか。
L・M・モンゴメリの小説「赤毛のアン」の翻訳で知られる村岡花子の半生を
描いたNHKの連続テレビ小説「花子とアン」、好評のようですが、原作を読
んだ時、日本語が実にデリカシーといいますか、翻訳ではなく、生きた言葉に
なっていることがよくわかり、後で知ったことでしたが、村岡花子は東洋英和
時代、短歌の佐佐木信綱門下に入り、短歌や古典の研鑽に努めたそうで、さも
ありなんと納得してものでした。
 
ところで、素人考えですが、聖心女子学院が導入した4-4-4制は、共学に
は適さない気がしました。
男女の発育の差が、邪魔になるのではないでしょうか。
立教小学校の田代教頭は、「男の子の方が心身ともに発育が遅いから、男子だ
けの方がゆったりと教育できる」と別学の良さ話していましたが、5年生から
50分授業ですから、男の子では、まだ無理ではないかと思ったからです。
ところが、埼玉にある開智小学校(開智学園総合部)では共学で4-4-4制
を導入しています。
何をさておき説明会にはせ参ずるべきで、情報収集の仕事をしている者がこれ
では、恥ずかしい限りです。(陳謝)
 
田代教頭の話が出たところで、今年の説明会での話を紹介しておきましょう。
教頭は話し方からして、大変な熱血漢であるとの印象を受けますが、おそらく、
子ども達から「金八先生」と親しまれているのではないでしょうか。
 
本校にはどんな男の子がいるか。男の子は単純で、雑駁で、ずぼらで、締まり
がなく、言葉遣いは悪いし、けんかは日常茶飯事だが、私は好きだ。
脳科学者の話だが、すべてに当てはまるわけではないが、脳の厚さは、女性は
11歳で最大になるのに比べ、男性は18ヶ月遅れるそうで実証されているそ
うだ。成熟差を中学生で比べると、1年半から2年間ほど遅れるそうだ。我々
教えていてもそれは感じる。
アメリカでは、1932年に公立校の男女共学を禁止していた。しかし、
2006年10月に法改正がなされ、公立校で別学、共学を選択できるように
なった。脳の発達や思考、得意分野の違いをまったく無視し、同じ条件で教育
したことに問題があるということで、別学が増えていく。
イギリスの研究者の話では、男女別学では、性別による固定観念を打ち崩しや
すいが、共学ではこれが難しいといっている。先程の校長の話では、歌を歌う
場合、共学では恥ずかしがってほとんど歌わない。男子校の合唱は一つの特徴
でもある。女子校では今はやりの「リケジョ」ではないが、数学や科学を好む
学生が増えてきた。別学では男子らしさ、女子らしさという固定観念がなくな
るのではといわれてきている。共学では逆に強調され、男女別学の良さが見直
されて来ている。アメリカの真似をするのが大好きな日本だから、文科省が力
を入れている中高一貫教育も、今に中高一貫男子校、女子校を作り出すかもし
れない、公立校の。我々は小中高大学までの一貫教育で男子校。皆さん方は、
すでに先見の明があるといえる。それを申し上げておきたい。18歳をこえる
と脳の成長の差はなくなるそうだ。小中高で男女が分かれていて、大学で共学
というのは理想的な制度で、手前みそながら何ですか……。
 
リケジョについては、国府台女子学院の平田史郎学院長も進学実績からその傾
向にあるとおっしゃっていましたが、「女子だけだからいいのです。共学にす
る考えはありません」と力説していた学院長、やはり科学的な根拠があったわ
けです。
もしかすると、公立校での中高一貫男子校、女子校の誕生は、案外早い時期に
実現するかもしれませんね。
 
盛夏、休養も十分取り、頑張りましょう。
 
 
(次回は、慶應義塾幼稚舎、雙葉小学校の説明会についてお話ししましょう)

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