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めぇでるコラム : 2018小学校受験: 2017年10月

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>ご健闘をお祈りいたします

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        「めぇでる教育研究所」発行
    2018さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第67号)
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★ご健闘をお祈りいたします★★
 
★アフターケアも慎重に★ 
昨年の7月から始まった「さわやかお受験のススメ 小学校受験編」も、最終回を
迎えました。
長い間、拙い連載を読んでいただいた方に、お願いをしておきたいことがありま
す。
いうまでもなく小学校の受験は、お兄さんやお姉さんが在学している場合はともか
く、ご両親が我が子のためによかれと考えてはじめたことです。
もとより、子ども達が、
「ぼくは、幼稚舎へ行きたい」
「私は、雙葉へ……」
と、希望されたわけではありません。
にもかかわらず、子ども達は、一所懸命に頑張りました。
年中の頃から、受験勉強をはじめ、そして今、直前の講習会を終え、最終特訓を
経て、試験を迎えようとしています。
 
考えてみると、これはたいへんなことです。
基礎指導から実践指導、集団指導や個別指導、冬、春、夏の講習会、毎月行わ
れた公開模擬テスト、絵画教室などなど、同年代の子ども達が、ほとんど経験しな
いことをやってきたことになります。
それに加えて家庭学習があります。
これが、子ども達には、もっとも厳しかったのではないでしょうか。
とかく、お母さん方は、合格の二文字のために熱くなりがちです。
「なぜ、ぼくだけ、勉強しなくてはいけないのかな?」
と子ども達に疑問を持たせてしまったことも、あったのではと思います。
でも、お母さん方の気持ちに応え、頑張りました。
子ども達は、本当にえらいと褒めてあげたい。
 
ですから、全員に、希望された学校から招待状が送られて来て欲しいと思わざる
を得ません。
それほど子ども達は頑張り、頑張り続けたのですから。
しかし、残念ながら、すべての子ども達に、招待状が送られてくるわけではありま
せん。
「試験前なのに縁起でもない!」とお腹立ちの方も、心を静めてお読みください。
 
都心の幼稚園によっては、全員が受験というところもありますが、そういった環境
であれば、幼稚園側の配慮もあるでしょうし、ご両親もお子さんも、それなりの指
導をきちんと受けられていると思います。
しかし、普通の幼稚園や保育園からの受験の場合は、そうはいかないのではない
でしょうか。
わが子、一人だけが受験といったことも考えられます。
 
一昔前は、受験を意識させないで済ませるように、また、合格しなかったことを、
子ども達にわからないように配慮したものです。
しかし、現状では難しいのではないでしょうか。
数校受験する子ども達もたくさんいますから、わかっているはずです。
合格すれば何ら問題はありませんが、結果が出なかった場合は、傷つく恐れもあ
るでしょう。
このことです……。
 
今は、学校内で合格を発表せずに郵送やWebで知らせるところが増えてきました
が、以前は、ほとんどの学校が校内に掲示していたものです。
私は、できる限り発表を見に行きました。
合格された方は、掲示板の前からいつまでも去ろうとしません。
不合格の方は、悄然と去っていきます。
気障で申し訳ありませんが、「倍率十倍の難関校」の文字からは浮かばない、厳
しい現実を実感させられたものでした。
 
そんなときに、ある学校で、とんでもない親子を見てしまったのです。
お母さんが早足で出口に向かい、お子さんが、
「ママ、ごめんね!」
と、泣きながら追いかけていくのです。
若いお母さんは、一言も口をきかず、むっとした顔をして出ていってしまいまし
た。
こんな残酷な仕打ちは、いくら親でも許せません。
いちばん傷ついているのはお子さん自身であることに気づかない親であれば、受
験などする資格はないと思いました。
 
最近は、携帯電話で、大声で知らせている母親もいます。
気持ちは分かりますが、ぐっと喜びをかみしめて、そっと知らせる配慮も必要で
す。
立場が逆であった場合のことも考えましょう。
 
ところで、不合格のときはお子さんに、どのように説明するか決めているでしょう
か。
残念ながら合格しなかったご両親からは、
「公立の小学校から通知は来ますから、子どもには、私学の合否については知ら
せないことにしています」
と、答える方が多いものです。
みなさん、お子さんにあった方法で対処なさることと思いますが、注意してほしい
のは、ちょっとした言葉なのです。
 
「○○ちゃんは入ったのに、何で、あなたは駄目なんでしょう」
お母さんは、わが子をかわいそうに思い、つぶやいたこの一言で、お子さんは、
深く傷つき、劣等感を持ちがちなのです。
不用意な言葉が、お子さんに与える影響を考えてあげましょう。
とにかく、お子さんは、頑張ったのですから。
 
頑張ったことは、必ず、将来、芽を吹きます。
正しい指導を受けてさえいれば、子ども達は、同年代の子が体験しなかったこと
を、たくさん学習しています。
国語の領域でいえば、「話の記憶」は、小学校の中学年から高学年にかけて学習
する長文読解の問題を、文字を使わず、耳から聞き取るだけで挑戦してきまし
た。
算数の領域では、「数」の問題で、1年生で習う足し算、引き算、2年生で習う掛け
算、3年生で習う割り算、4年生で習う分数まで、数字や+-×÷などの記号を使
わずに学習してきました。
さらに、話を聞く姿勢、指示を理解し迅速に対応する行動力、自分で頑張る意欲
などを身につけたはずです。
 
ご両親も、心を一つにして、お子さんをバックアップしてきました。
学校を選んだ段階で育児をふりかえり、やはり間違っていなかったと確認し、この
ことには反省しなければいけないと、話し合われたのではないでしょうか。
受験をしなければ、こういった経験をすることはなかったはずです。
驚かすようで申し訳ありませんが、これから先、ご両親が、これ程までに心を一つ
にして、何かに取り組むということは、あまりないのではと思います。
まさに、育児のゴールデンアワーでもあったわけです。
 
文言は正確ではありませんが、慶應義塾幼稚舎の舎長を辞任され教諭に戻られ
た加藤三明先生は、説明会でこうおっしゃっていました。
 
 「受験に合格しなかった方は、もしかすると親子ともども、敗北感を味わうことに
なるかもしれま
 せん。しかし、これはあくまでも幼稚舎の受験に限ったことで、人生の敗北では
ありません。ま
して、子どもがそういうことを思い続けていたら、本当に恐ろしいことです。わ
れわれが5歳の子に、本来は行うべきではない入学試験という罪なものを施し
ていて、言うのもなんですが、小学校受験をぜひ、最終目的だと思わないで
いただきたい。まだまだ、ほんの人生の始まりです。小学校の受験で、お子様
をスポイルしないでほしいというのが、私の願いです」
 
5歳の秋は、お子さんの人生の終着点ではなく、通過点と考えましょう。
不合格という結果を、お子さんが背負っていくことのないようにしてあげてくださ
い。
小学校の受験は、ご両親がお考えになり始めたことですから、終わりもきちんと対
処していただきたいと思います。
 
この連載を通して、ご両親、特にお母さん方にわかっていただきたかったのは、
「過保護や過干渉な育児から、子ども達を解放する」ことでした。
過保護な育児では、わがままな子になりがちで、相手を思いやる気持ちは育まれ
ません。
過干渉な育児では、消極的で依頼心の強い子になりがちで、積極的に物事に取
り組む意欲は育ちません。
これから、小学校での集団生活を通して、共に生きる「共生」を学んでいくことが
大切です。
それには、相手を思いやる気持ちが育まれていなければ、スムーズに対応できま
せん。
また、学校生活を楽しくすごし、学習面で好奇心という触角を張りめぐらせ、いろ
いろなことを学んでいくには、積極的に取り組む意欲が育まれていることが大切
です。
 
家庭学習で、お母さん方は、この2つのことを教えてきたと思います。
できない問題があっても、明日できればいいと励ましませんでしたか。
できるようになったとき、一緒に喜び、褒めてあげたでしょう。
子ども達は、お母さん方のやさしい気持ちに応え、ステップアップしてきたのでは
ないでしょうか。
お母さん方の頑張れと励ます言葉とやさしい気持ちから、子ども達の心に「思い
やりの気持ち」と「できるまで頑張る意欲」が育ってきたのです。
 
この2つが育っていれば、たとえ不合格になっても、子ども達は大きく成長してい
るはずです。
同年代の子どもで、こういったことを経験できるのは、私学の小学校が最も多い東
京都でさえ、毎年、就学児童およそ60万人の内、約3%程度に過ぎません。
しかし、正しい指導を受けられた子ども達は、十分にエキスを与えられた根と同じ
ように、必ず、芽を出し、ご両親が期待する花を咲かせます。
子ども達を信じて、試験場に送り出してあげてください。
運悪く、結果が出なくても、あたたかく見守ってあげるご両親であって欲しいと思
います。
 
「あしたは、今日より、きのうより」は、今は亡き、いずみたく氏の作曲された某財団
法人の社歌の題名で、断りもなく私の座右の銘にさせていただいています。
また、「育児しながら育自するお母さん」であれば、親子の絆は、生涯、ほころびる
ことはありません。
この二つこそ、子育ての鉄則ではないでしょうか。
 
さらに一言、拙著のメールマガジン「日本の年中行事と昔話」の4月に出てきまし
た、剣豪、塚原卜伝の作とも言われている剣の極意を紹介しましょう。
「映るとも 月も思はず 映すとも 水も思はぬ 広沢の池」
これは理想的な親子関係をあらわしているのではないでしょうか、私の勝手な解
釈ですが。「子は親の背を見て育つ」、口でうるさくいうより、良いお手本を見せる
ことが大切だと思います。
 
皆さま方に、希望された小学校から、招待状が届くことを、心からお祈り申し上げ
ます。
ベストを尽くせるように頑張ってください。
ご健闘を祈ります。
 
最後まで、拙文をお読みいただきまして有難うございました。
平成29年10月吉日
 めぇでる教育研究所
 所 長 藤本紀元

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>試験当日の留意点

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        「めぇでる教育研究所」発行
    2018さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第66号)
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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◆◆試験当日の留意点◆◆
 
季節の変わり目、朝晩、気温の変化の激しい毎日が続いています。体調を崩し
やすいですから、お子さんの健康管理には、十分注意してください。
 
今回は、試験当日の留意点をあげておきましょう。
1.募集要項を丁寧に読み直し、持参するものの一覧表を作っておき、慎重にチ
ェックをしましょう。
受験票、面接票、当日のスケジュール表(出願後に学校側から送られてきた
資料)、募集要項、上履き(学校によってはご両親用も)、運動靴(雨天の場合
は雨具の他に、お子さんの着替えやソックスなど)、携帯電話(万一の交通事故
に備え)、スイカ、パスモなど。
親子一緒の控室のところは、お子さんが静かに待てるようなものも用意する
といいでしょう。
 
2.当日は、いつもと変わらない朝を迎えてください。
学習院のように試験当日に両親面接があると、ご両親が緊張しがちです。
いつもは「行ってくるよ」と会社へ出かけるお父さんが、一生懸命に駄洒
落を飛ばすのですが、全くうけなくて、かえって、「パパ、どうしたの?」と怪
しまれてしまったと、笑いながら話してくれたお父さんがいました。
いつもと同じように、平常心を心がけましょう。
 
3.いかなる場合でも、遅刻は認められません。
特に、バスを利用する場合は、注意が必要です。
朝は、渋滞する可能性がありますから、事前によく調べておきましょう。
説明会でも開始間際にタクシーで、あわてふためきながらやって来るお母
さん方を見ました。
事故による渋滞や電車の遅れなどの場合は、他の交通手段も考えておきた
いものです。
そして、携帯電話で学校に問い合わせ、指示を求めましょう。
そのためにも電話番号を登録しておくことです。
ただし、校門の所で必ず、電源を切ることをお忘れなく。
 
4.所定の手続きを指示に従い、あわてずに行いましょう。
頭をひねるような難しいことはありませんが、時間ぎりぎりに到着となる
と、気のあせりからミスをしがちで、そういったときは、いつもと違ったご両親
になっているものです。
そばで見ているお子さんは、どういった心境になるでしょうか。
控室で一息入れずに試験場へ向かい、すぐにテストです。
まわりは、知らない子ばかりです。
お子さんがいつものような状態で、テストを受けられるはずはありません。
それまで全力を尽くしてきたとしても、この一瞬で、すべてが台無しにな
る可能性もあります。
十分な配慮が必要です。
 
5.服装は、動きやすく、着馴れたものを。
新品の革靴をはかせるようなことは止めましょう。
学校へ着けば履きかえるのですから。
靴擦れでもしたら、運動テストどころではありません。
髪の毛の長い女の子は、運動の時に困らないようにしておきましょう。
リボンが気になりマット運動ができなかった話を聞いたことがあります。
袖の長いブラウスなどは、制作の時に邪魔になることも考慮しておきまし
ょう。
女の子は、お気に入りのブラウスなどを着せると、汚れが気になり、集中
できません。
 
6.テストの前に用便をすませておきましょう。
幼児教室へ通っている方は、教室へ入る前に、必ず、やっていると思いま
す。
白百合学園小学校のように校舎見学の機会がない場合は特に、集合時間間際
でトイレの場所を慌てて探すことのないよう、時間に余裕を持って行くよう
にしましょう。
テスト中にトイレとなると、それまでです。
  
7.いつものように教室へ送り出しましょう。
控室で、「話をきちんと聞くのですよ」などと、くどくど注意するお母さん
方がいるようです。       
そういうことが、みんなプレッシャーになってしまいます。
また、大勢の子どもを見て、驚き、緊張している様子が見えたときは、お
子さんが、もっとも安心する態度で接してあげましょう。
よく聞く話ですが、しゃがんで、お子さんの目を見ながら手を握ってあげ、
「いつもと同じなのよ」
というのが効果的なようです。
お子さんの性格によっても違いますが、こういったことも起こりえると考
えておきましょう。
 
8.万一の急病に備え、常備薬を持参しましょう。
幼稚園の遊戯会、ピアノなどの発表会の前の晩に、熱を出した経験のある
お子さんは注意が必要です。
直前に、インフルエンザなどの感染症にかかった場合は、必ず学校側に連絡
し、指示に従ってください。
 
9.テストの時間によっては、昼食の用意をしておきましょう。
近所のレストランなどをあてにしていると、「日曜日で休み」となりかねま
せん。
一口で食べられるサンドイッチやおにぎり、飲み物も自動販売機などで購
入せず、小さい水筒などを用意しておきたいものです。
 
10.幼稚園や保育園、幼児教室などの友達と会うことも考えられます。
緊張しているときに友達と会うと、ほっとして舞い上がるお子さんがいま
す。
あいさつ程度にし、お子さん同士がふざけ合うようなことのないようにし
ましょう。
 
11.行動観察や運動テストなどで、子ども同士のトラブルが起こる場合も
あります。
先生から事情を聞かれたときは、はっきりと答えることです。
男の子は、これが苦手なようです。
 
12.お子さんがテスト中の控室では、たとえ友達や顔見知りの人がいても、
お互いに遠慮して話し込まずに、本を持参し静かに読むようにしましょう。
「携帯電話の電源は切るか、マナーモードにしてください」とある場合は、
スマートフォンも使用禁止です。
 
入試本番まであとわずか、風邪を引かないように注意しましょう。
お子さん、お母さんは勿論のこと、お父さん、外出先から帰ったときは、必ず、
手洗いとうがいを励行してください。
そして、お母さん、お子さんにとっては、お母さんの明るい笑顔が頼りです。
精神的なコンディションを崩さないことも、ご両親の大切な役目です。
ここが正念場と考え、頑張ってください。
 
10月4日は十五夜でしたが、ご覧になりましたか。十三夜は11月1日だそ
うです。天候次第ですが、スッキリと晴れた秋の空に、煌々と輝く満月を見た
いものですね。心に余裕を持ちましょう。
(次回は、最終回[ご両親の心構え]などについてお話しましょう)

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